JP2009058102A - パッドクリップ及び多板ディスクブレーキ - Google Patents

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Tatsuo Ogawara
達夫 小川原
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Abstract

【課題】部品点数が少なく、パッドクリップ38の組み付け性、パッド7a、7b、7cの摩耗に対する追従性に優れ、しかも、総てのパッド7a、7b、7cを安定して十分に押圧できる構造を実現する。
【解決手段】上記パッドクリップ38を一体に形成する。又、基板部39の円周方向片側毎に設けた第一、第二の腕部40、41の先端部に、それぞれ第一、第二の爪部42、43を形成する。そして、このうちの第一の爪部42、42を、軸方向片側のパッド7aと軸方向中央のパッド7bとに、第二の爪部43、43を、この軸方向中央のパッド7bと軸方向他側のパッド7cとに、それぞれ当接させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、高性能自動二輪車、重量が嵩む高性能四輪駆動車等の自動車の制動に使用するディスクブレーキのうち、複数枚のロータを有する多板ディスクブレーキに組み込むパッドクリップの改良に関する。特に本発明は、一体型のパッドクリップで、摩耗追従性を良好にする事と、総てのパッドを安定して押圧できる事とを両立できる構造を実現するものである。
自動車の制動を行なう為に、ディスクブレーキが広く使用されている。又、高性能自動二輪車用、或いは、重量が嵩む高性能四輪駆動車用の制動装置として、より大きな制動力を得る為に、複数枚のロータを有する多板ディスクブレーキも、例えば、特許文献1〜5に記載されている様に、従来から知られている。図12は、このうちの特許文献1に記載された構造を示している。対向ピストン型多板ディスクブレーキ1は、複数枚のロータである固定ロータ2及び可動ロータ3と、キャリパ4と、結合ピン6と、3枚のパッド7a、7b、7cとを備える。このうちの固定ロータ2は、車軸8に回転自在に支持されたハブ9に、車輪10と共に支持固定されており、これらハブ9及び車輪10と共に回転するが、上記各ロータ2、3の軸方向(図12の左右方向)に対する変位を阻止されている。一方、上記可動ロータ3は、上記固定ロータ2と同心に、且つ、この固定ロータ2と軸方向に間隔をあけて配置されている。そして、上記ハブ9及び車輪10と共に回転し、上記各ロータ2、3の軸方向に対する変位を可能としている。この為に、図12の構造の場合、上記ハブ9及び上記固定ロータ2に固定した固定側部材11の円筒部内周面に形成した雌スプライン部12と、上記可動ロータ3に固定した可動側部材13の円筒部外周面に形成した雄スプライン部14とをスプライン係合している。
又、上記キャリパ4は、上記各ロータ2、3を挟んで設けられたアウタボディ部15及びインナボディ部16を備える。これら両ボディ部15、16には、互いに対向して設けられた複数のシリンダ17a、17bを設けている。そして、これら各シリンダ17a、17b内にそれぞれ、ピストン18a、18bを液密に且つ上記各ロータ2、3の軸方向に関する変位を可能に嵌装している。又、上記結合ピン6は、これら各ロータ2、3の外周縁よりも径方向(図12の上下方向)外寄り部分で、上記両ボディ部15、16同士の間に掛け渡している。そして、上記各パッド7a、7b、7cのプレッシャプレート19、19の外周縁部の一部にそれぞれ設けた通孔5に挿通している。これにより、上記各パッド7a、7b、7cを上記キャリパ4に、上記各ロータ2、3の軸方向に関する変位を自在に、且つ、これら各ロータ2、3の径方向内方に変位するのを阻止した状態で、それぞれ支持している。
又、上記各パッド7a、7b、7cは、上記両ボディ部15、16と上記各ロータ2、3の片側面とのそれぞれの間、及び、これら各ロータ2、3同士の間にそれぞれ配置されている。この為、上記各パッド7a、7b、7cのうち、これら各ロータ2、3の軸方向両側に存在するパッド7a、7cが、プレッシャプレート19、19の片側面にのみライニング20を添着しているのに対し、軸方向中央に存在するパッド7bは、プレッシャープレート19の両側面にライニング20、20を、それぞれ固着している。
上述の様に構成される対向ピストン型多板ディスクブレーキ1による制動時には、前記各シリンダ17a、17bに圧油を送り込み、前記各ピストン18a、18bを押し出して、上記各パッド7a、7b、7c及び可動ロータ3を軸方向に変位させる。そして、軸方向片側に存在するパッド7aのライニング20と、軸方向中央に存在するパッド7bの片側のライニング20とを、上記可動ロータ3の両側面にそれぞれ押圧する。又、軸方向他側に存在するパッド7cのライニング20と、軸方向中央に存在するパッド7bの他側のライニング20とを、前記固定ロータ2の両側面にそれぞれ押圧する。この結果、上記各パッド7a、7b、7cのライニング20、20と上記各ロータ2、3の両側面との摩擦により、制動が行なわれる。
上述の図12に示した構造には記載されていないが、各パッド7a、7b、7cのがたつきを防止する(ラトル音防止の)為に、これら各パッド7a、7b、7cに対し径方向内方に向かう力を付与するパッドクリップを設ける場合がある。例えば、このパッドクリップは、上記各パッド7a、7b、7cと、上記各ロータ2、3の外周縁よりも径方向外寄り部分で上記キャリパ4のアウタ、インナ両ボディ部15、16同士を掛け渡す状態で設けた、掛け渡し部との間に配置する。
図13〜15は、本発明者が、本発明のパッドクリップの構造を導く過程で考えた、パッドクリップの3例を示している。このうちの図13に示す構造は、パッドクリップ21aを各パッド7a(7b、7c)毎に1個ずつ配置したものである。即ち、このパッドクリップ21aの両端部に設けた爪部22aを、パッド7a(7b、7c)のプレッシャプレート19の外周縁部に、軸方向に外れる事を防止した状態で係合している。これにより、上記パッドクリップ21aを上記パッド7a(7b、7c)と共に軸方向に変位する様にし、このパッド7a(7b、7c)のライニング20(図12参照)の摩耗状態に拘らず、このパッド7a(7b、7c)のがたつきを防止する。但し、この図13に示した構造の場合、各パッド7a(7b、7c)毎に1個ずつパッドクリップ21aを設ける必要がある為、部品点数が多くなり、組み付け性も良くない。
これに対して図14に示す構造の場合、パッドクリップ21bを一体に形成し、1個のパッドクリップ21bにより、各パッド7a、7b、7cのがたつきを防止する。この為に図14に示した構造の場合、上記パッドクリップ21bの両端部に、それぞれ3個ずつ、合計6個の爪部22b、22bを設け、上記各パッド7a(7b、7c)毎に(パッドクリップ21bの両端部で)一対の爪部22bを当接させている。言い換えれば、各爪部22b、22bは、それぞれ1枚のパッド7a(7b、7c)と当接している。尚、図示の例の場合、可動ロータ側に存在するパッド7aに当接させる爪部22bのロータの円周方向に関する位置を、他の爪部22b、22bに対してずらすと共に、このパッド7aに当接させる爪部22bのロータの軸方向に関する幅を大きくしている。これは、このパッド7aが、可動ロータの移動量分、他のパッド7b、7cよりも多く移動する為である。この図14に示した構造の場合、パッドクリップ21bを一体に形成している為、部品点数を少なくできる。又、3枚のパッド7a、7b、7cに対し1個のパッドクリップ21bを組み付けるだけで良い為、組み付け性も良好である。
但し、上記図14に示した構造の場合、各爪部22b、22bをそれぞれ1枚のパッド7a(7b、7c)のプレッシャプレート19と当接させている為、これら各爪部22b、22bの軸方向に関する幅を確保しにくい。この為、上記パッド7a(7b、7c)の摩耗状態によっては、例えば、爪部22bがこのパッド7a(7b、7c)を構成するプレッシャプレート19の外周縁部の一部のみと当接する場合がある。そして、この場合、上記爪部22bからこのパッド7a(7b、7c)に、径方向内方に対し傾斜した方向に押圧力が作用して、このパッド7a(7b、7c)の挙動が不安定となる可能性がある。言い換えれば、摩耗追従性の点で安定性を確保しにくい。
一方、図15に示す構造の場合、一体的に形成したパッドクリップ21cの両端部には、軸方向に十分に長い爪部22cを設けている。そして、これら各爪部22cを、各パッド7a、7b、7cを構成するプレッシャプレート19、19の総てに当接させる。この図15に示した構造の場合、上記爪部22cの軸方向に関する幅が十分に大きい為、摩耗追従性の点では問題ない。但し、上記各パッド7a、7b、7cのうちの何れかのパッドを十分に押圧できない可能性がある。例えば、上記各パッド7a、7b、7cのうちの軸方向中央に存在するパッド7bの径方向位置が、軸方向両側のパッド7a、7cよりも内方である場合、上記爪部22cと上記軸方向中央に存在するパッド7bとの当接状態が不十分となり、この爪部22cによりこのパッド7bを十分に押圧できない。この結果、このパッド7bにがたつきが生じる事を十分に防止できない。
尚、前記各特許文献1〜5のうち、特許文献3〜5には、複数枚のロータを有するフローティングキャリパ型多板ディスクブレーキに関する発明が記載されている。このうちの特許文献3には、軸方向中央に存在するパッドとして2枚のパッドを組み合わせたものを使用した構造が記載されている。即ち、それぞれ片側面にライニングを有するプレッシャプレートの背面同士を当接させて、軸方向中央のパッドとしている。この様な構造の場合、軸方向中央のパッドを軸方向両側のパッドと共用できる。又、特許文献4には、2枚のロータの何れもが、制動時に軸方向に変位する構造が記載されている。更に、特許文献5には、3枚のロータを組み込んだ構造が記載されている。
特許第2640383号公報 実開平4−18727号公報 特開2001−234952号公報 特開2007−24221号公報 特開昭57−12135号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、部品点数が少なく、パッドクリップの組み付け性、パッドの摩耗に対する追従性に優れ、しかも、総てのパッドを安定して十分に押圧できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のパッドクリップ及び多板ディスクブレーキのうち、請求項1に記載したパッドクリップは、複数枚のロータを有する多板ディスクブレーキに組み込まれるものである。即ち、キャリパとこれら各ロータの片側面とのそれぞれの間、及び、これら各ロータ同士の間に、それぞれ配置された複数枚のパッドと、これら各ロータの外周縁よりも径方向外寄り部分で上記キャリパのアウタ側とインナ側とに掛け渡す状態で設けた掛け渡し部との間に配置される。そして、上記各パッドに径方向内方に向かう弾力を付与する。
特に、請求項1に記載したパッドクリップに於いては、全体を一体に形成され、基板部と、複数の腕部と、複数の爪部とを有する。
このうちの基板部は、その一部を上記掛け渡し部に係合する。
又、上記各腕部は、上記基板部の両端部からそれぞれ上記各ロータの円周方向に延出されたものである。
更に、上記各爪部は、上記各腕部の先端部にそれぞれ形成されている。
そして、これら各爪部がそれぞれ、軸方向に隣り合う2枚のパッドの外周縁部に、これら各パッドの軸方向変位を可能に当接する。尚、例えば、前述の特許文献3の構造の様に、軸方向中央のパッドを2枚のパッドを組み合わせて構成する場合、この組み合わせた状態で1枚のパッドとする。これは、2枚のパッドを接着剤等により不離に結合して軸方向中央のパッドとする為、これら2枚のパッドを一体として扱える為である。
上述の請求項1に記載した構造の具体例として、パッドクリップが、請求項2に記載した様に、2枚のロータを有する多板ディスクブレーキに組み込まれるものである場合には、次の様な構成とする。
即ち、上記基板部の円周方向片側毎に設けた第一、第二の腕部の先端部に、それぞれ第一、第二の爪部を形成する。そして、これら各爪部のうち、第一の爪部を、上記各パッドのうちの軸方向片側に配置されたパッドと、軸方向中央に配置されたパッドとの外周縁部に当接するものとする。又、上記第二の爪部を、軸方向中央に配置されたパッドと、軸方向他側に配置されたパッドとの外周縁部に当接するものとする。
又、上述の請求項2に記載した構造として好ましくは、請求項3に記載した様に、上記第一、第二の各腕部のうち、第一の腕部を第二の腕部よりも、上記各ロータの円周方向に関して長くする。これにより、この第一の腕部の先端部に形成した第一の爪部と上記第二の腕部の先端部に形成した第二の爪部との円周方向に関する位置をずらす。
より好ましくは、請求項4に記載した様に、上記第一、第二の各腕部のうち、第一の腕部の軸方向に関する幅を、第二の腕部の軸方向に関する幅よりも大きくする。
更に、上述の様なパッドクリップは、例えば、請求項5に記載した様な多板ディスクブレーキに組み込む。
即ち、上記多板ディスクブレーキは、複数枚のロータと、キャリパと、掛け渡し部と、複数枚のパッドと、パッドクリップとを備える。
このうちの各ロータは、車輪と共に回転するものである。
又、上記キャリパは、上記各ロータを挟む様に設けている。
又、上記掛け渡し部は、これら各ロータの外周縁よりも径方向外寄り部分で、上記キャリパのアウタ側とインナ側とに掛け渡す状態で設けている。
又、上記各パッドは、上記各ロータの軸方向に関する変位を自在に、且つ、これら各ロータの径方向内方に変位するのを阻止した状態で、上記キャリパとこれら各ロータの片側面とのそれぞれの間、及び、これら各ロータ同士の間に、それぞれ支持している。
又、上記パッドクリップは、上記掛け渡し部と上記各パッドとの間に配置され、これら各パッドに径方向内方に向かう力を付与するものである。
特に、請求項5に記載した多板ディスクブレーキに於いては、上記パッドクリップが、上述した様なパッドクリップである。
尚、本明細書及び特許請求の範囲で、単に「軸方向」、「径方向」、「円周方向」と言った場合には、ロータの「軸方向」、「径方向」、「円周方向」を言う。
上述の様に構成する本発明のパッドクリップ、及び、このパッドクリップを組み込んだ多板ディスクブレーキによれば、部品点数が少なく、パッドクリップの組み付け性、パッドの摩耗に対する追従性に優れ、しかも、総てのパッドを安定して十分に押圧できる構造を実現できる。
即ち、本発明のパッドクリップは、一体に形成している為、部品点数が少なくなると共に、組み付け性も良好になる。又、各爪部毎に、それぞれ軸方向に隣り合う2枚ずつのパッドを押圧している為、これら各爪部の軸方向寸法を確保でき、摩耗追従性を良好にできる。更に、各爪部は2枚のパッドしか押圧しない為、何れかのパッドの当接状態が不十分となる事を防止でき、総てのパッドを安定して十分に押圧できる。
又、請求項2に記載した発明の場合、軸方向中央に存在するパッドを、第一、第二の爪部の両方で押圧している。この軸方向中央に存在するパッドは、2枚のロータの何れにも摺接する為、両側面にライニングを設けており、軸方向両側に存在するパッドよりも重量が嵩む。従って、上記軸方向中央のパッドは、これら軸方向両側のパッドよりもがたつきが大きくなり易い。これに対して請求項2に記載した発明の場合、上記軸方向中央のパッドを、軸方向両側のパッドと異なり、上記第一、第二の爪部の両方で押圧している為、この様ながたつきを十分に防止できる。
又、請求項3に記載した発明の場合、第一の腕部を第二の腕部よりも長くする事により、第一の爪部と第二の爪部との干渉を防止している。
更に、請求項4に記載した発明の場合、円周方向の長さが長い第一の腕部の幅を第二の腕部よりも大きくして、第一の腕部の先端部に形成した第一の爪部により付与する押圧力と、第二の腕部の先端部に形成した第二の爪部により付与する押圧力とをほぼ同じとする事ができる。
図1〜11は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の対向ピストン型多板ディスクブレーキ1aの基本的構造及び作用は、前述の図12に示した従来構造と同様である。従って、重複する部分の説明を省略若しくは簡略にし、以下、この従来構造と異なる部分を中心に説明する。本例の対向ピストン型多板ディスクブレーキ1aは、例えば、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル、スポーツ多目的車)等の普通乗用車の中でも比較的大型の車両の制動装置として使用する。図1〜7に示す様に、キャリパ4aは、固定ロータ2a及び可動ロータ3aの軸方向(図4、5の左右方向)両側に、円周方向(図4、5の上下方向)にずらせた状態で、それぞれ2枚ずつのパッド7a、7b、7cを、合計6枚配置している。即ち、上記キャリパ4aの円周方向両側(回入側及び回出側)に振り分けて1対の制動部23、23をそれぞれ配置し、これら両制動部23、23毎に3枚ずつ、全体として6枚のパッド7a、7b、7cを配置している。
又、上記両制動部23、23には、両制動部23、23毎にアウタ側とインナ側とにそれぞれ3個所ずつ(合計12個所)、図8、9に示す様な、シリンダ17a、17bを設けている。即ち、上記キャリパ4aを構成するアウタボディ部15a及びインナボディ部16aには、それぞれ6個所ずつ、上記シリンダ17a、17bを、これら両ボディ部15a、16b同士互いに対向する状態で設けている。そして、これら各シリンダ17a、17b内にそれぞれ、ピストン18a、18bを、液密に、且つ上記各ロータ2a、3aの軸方向(図2、3の表裏方向、図4〜9の左右方向)に関する変位を可能に嵌装している。この為、制動時には、それぞれの制動部23、23に配置される3枚ずつのパッド7a、7b、7cは、アウタ側、インナ側合わせて6個のピストン18a、18bにより、それぞれ押圧される。
又、本例の場合、インナ側に可動ロータ3aを配置している為、インナ側のパッド7aの移動量が多くなる。この為、インナ側のシリンダ17bの深さ及びピストン18bの長さを、アウタ側のシリンダ17aの深さ及びピストン18aの長さよりも、それぞれ大きくしている。尚、本例の場合、2枚のロータ2a、3aのうちの一方を固定ロータ2aとする事により、キャリパ4aの軸方向寸法を短くしている。即ち、何れのロータも可動とした場合、アウタ、インナ両側のシリンダの深さを大きくする必要があり、キャリパの軸方向寸法が大きくなる。これに対して、本例の様に、インナ側のロータのみを可動とすれば、インナ側のシリンダ17bの深さを大きくするだけで、アウタ側のシリンダ17aの深さを大きくする必要がない為、キャリパ4aの軸方向寸法を短くできる。
又、本例の場合、前記固定ロータ2a及び可動ロータ3aを、ハブ9a(図8、9)に固定される円環状の主板24と、円輪状の補板25とで挟持する事により、ロータ組立体26としている。即ち、上記主板24と補板25とを円周方向複数個所で、図8に示す様に、上記各ロータ2a、3aをこれら各板24、25同士の間に配置した状態で、締結ピン27とボルト28aとにより結合している。この際、図8に示す様に、上記可動ロータ3aの内径寄り円周方向複数個所に設けた貫通孔29aに、基端部を上記主板24に支持した上記各締結ピン27をそれぞれ緩く挿通した状態で、これら各締結ピン27の先端部を上記ボルト28aにより上記補板25に結合する。そして、上記可動ロータ3aを上記各締結ピン27により、軸方向の変位を自在に支持する。
又、上記固定ロータ2aは、図9に示す様に、上記補板25に対し、複数のボルト28bと鍔付ナット30とにより、円周方向に関し上記各締結ピン27から外れる位置で結合している。即ち、上記固定ロータ2aの内径寄り円周方向複数個所に設けた貫通孔29bに、それぞれ内嵌した上記各鍔付ナット30の内周面に形成した雌ねじ部に、上記各ボルト28bの雄ねじ部を螺合している。そして、上記各鍔付ナット30の鍔部とこれら各ボルト28bの頭部との間で、上記固定ロータ2aの内径寄り部分と上記補板25の外径寄り部分とを挟持し、これら両部材2a、25同士を結合している。尚、上記固定ロータ2aの円周方向複数個所で、上記各締結ピン27と整合する位置には、これら各締結ピン27の外径よりも十分に大きな切り欠き31を設けている。従って、上記固定ロータ2aは、上記各締結ピン27には支持されない。又、上記固定ロータ2aと可動ロータ3aとは、共通(同仕様)の部材を使用している。従って、この可動ロータ3aにも切り欠き31が存在する。
上述の様に構成されるロータ組立体26は、主板24の内径寄り部分に設けた取付板部32をハブ9aに固定する事により、このハブ9a及びこのハブ9aに固定した車輪と共に回転する。又、上記可動ロータ3aは、上記各締結ピン27に軸方向変位自在に支持されている為、上記主板24、補板25、固定ロータ2aに対し軸方向に変位可能である。尚、本例の場合、上記可動ロータ3aの両側面で前記貫通孔29aの周囲部分と上記各締結ピン27の外周面両端部との間に、ブーツ33a、33bを設け、上記可動ロータ3aの軸方向変位を許容しつつ、上記各貫通孔29aの内周面と各締結ピン27の外周面との摺動部に存在するグリースが漏出する事、及び、この摺動部に外部から異物が浸入する事を防止している。又、本例の場合、上記各ロータ2a、3aのうちで、前記各パッド7a、7b、7cのライニング20、20を押し付けられる部分に、複数の小孔34、34を形成し、上記各ロータ2a、3aの冷却効率の向上と、上記各ライニング20、20の摩耗粉の排出効果の向上とを図っている。
又、本例の場合、上記各パッド7a、7b、7cは、円周方向両端部に設けた係合部35、35を、前記キャリパ4aの円周方向複数個所(各制動部23、23毎に3個所ずつ、合計6個所)に掛け渡した結合ピン6a、6bのうち、各制動部23、23の円周方向両端部に配置した、トルク受けピンとして機能する結合ピン6a、6aに係合している。即ち、図1に示す様に、上記各パッド7a、7b、7cの両端部から円周方向に延出した延出部36、36に、円周方向外方が開口した凹入部37、37を形成し、上記各係合部35、35としている。そして、これら各凹入部37、37を上記各結合ピン6a、6aの外周面に係合している。これにより、上記各パッド7a、7b、7cを、軸方向の変位自在に支持すると共に、これら各パッド7a、7b、7cが径方向内方に脱落する事を防止している。又、上記各係合部35、35と上記各結合ピン6a、6aとの係合部により、制動時にこれら各パッド7a、7b、7cに作用する制動トルクを支承すると共に、制動時に作用するモーメントによりこれら各パッド7a、7b、7cが浮き上がる(径方向外方に変位する)事を防止している。
又、上述の様に配置される各パッド7a、7b、7cと、上記各結合ピン6a、6bのうち、各制動部23、23の円周方向中央部にそれぞれ配置され、特許請求の範囲に記載した掛け渡し部に相当する、結合ピン6bとの間に、パッドクリップ38を配置している。このパッドクリップ38は、ステンレス鋼板等の金属板に、打ち抜き、曲げ加工等の所定の加工を施したり、鋼板等にこれら所定の加工を施してから亜鉛めっき等の防錆処理を施す事等により、全体を一体に形成している。この様なパッドクリップ38は、図10、11に詳示する様に、基板部39と、第一、第二の腕部40、41と、第一、第二の爪部42、43とを有する。このうちの基板部39は、円周方向両端部を径方向外方に湾曲させて、略「く」の字形に形成している。従って、上記基板部39の円周方向中央部には、軸方向に亙って凹曲部44が形成される。尚、この様なパッドクリップ38の説明で使用する、「円周方向」、「径方向」及び「軸方向」に就いても、このパッドクリップ38を対向ピストン型多板ディスクブレーキ1aに組み込んだ状態での、固定、可動各ロータ2a、3aの「円周方向」、「径方向」及び「軸方向」を指す。
又、上記第一、第二の各腕部40、41は、上記基板部39の両端部から円周方向に延出されている。即ち、上記基板部39の軸方向片半部{図11(A)の下半部、図11(B)の上半部}のうちの軸方向中間部から円周方向に向けて、上記各第一の腕部40、40を、それぞれ延出している。又、上記基板部39の軸方向他半部{図11(A)の上半部、図11(B)の下半部}のうちの軸方向中間部から円周方向に向けて、上記各第二の腕部41、41を、それぞれ延出している。これら各腕部40、41は、中間部乃至先端部を、先端部に向かう程上記基板部39の湾曲方向とは逆方向(径方向内方)に傾斜させている。又、上記各腕部40、41のうち、第一の腕部40を第二の腕部41よりも円周方向に関して長くしている。又、この第一の腕部40の軸方向に関する幅t1 を、上記第二の腕部41の軸方向に関する幅t2 よりも大きくしている(t1 >t2 )。
又、上記第一の腕部40、40の先端部には前記第一の爪部42、42を、上記第二の腕部41、41の先端部には前記第二の爪部43、43を、それぞれ形成している。これら各爪部42、43の軸方向に関する幅は、それぞれ上記各腕部40、41の軸方向に関する幅よりも十分に大きくしている。又、上記各爪部42、43は、図11(C)(D)に示す様に、軸方向から見た形状が、径方向外方が開口した円弧状である。本例の場合、上述した様に、上記各腕部40、41の円周方向の長さを異ならせている為、上記第一の爪部42と上記第二の爪部43との円周方向に関する位置がずれている。従って、これら各爪部42、43の軸方向に関する幅が大きくても、互いに干渉する事はない。
上述の様に構成されるパッドクリップ38を、前述の対向ピストン型多板ディスクブレーキ1aに組み込む場合には、上記基板部39を前記結合ピン6bに係合させる。この際、この基板部39の凹曲部44がこの結合ピン6bの内径側部分を軸方向に亙って覆う状態で、これら基板部39と結合ピン6bとが係合する。この結果、上記パッドクリップ38が径方向外方に抜け出る事を防止すると共に、このパッドクリップ38の円周方向に関する変位を規制する。この状態で、上記第一、第二の各腕部40、41の先端部にそれぞれ設けた、第一、第二の各爪部42、43を、各パッド7a、7b、7cのプレッシャプレート19、19の両端寄り外周縁部に、それぞれ弾性的に当接させる。そして、これら各パッド7a、7b、7cに、径方向内方に向かう弾力を付与する。
即ち、上記第一の爪部42、42は、上記各パッド7a、7b、7cのうち、軸方向片側に配置されたパッド7aと、軸方向中央に配置されたパッド7bとの外周縁部に当接する。又、上記第二の爪部43、43は、上記軸方向中央に配置されたパッド7bと、軸方向他側に配置されたパッド7cとの外周縁部に当接する。この為、上記各パッド7a、7b、7cのうち、軸方向両側のパッド7a、7cは、円周方向両端部(合計2個所ずつ)をそれぞれ第一の爪部42、42或は第二の爪部43、43により押圧されるのに対し、軸方向中央のパッド7bは、円周方向両端部(合計4個所)を第一、第二の爪部42、43の両方により押圧される。又、上記第一、第二の各爪部42、43は、軸方向に亙って円弧状に形成されている為、これら各爪部42、43と、上記各パッド7a、7b、7cの外周縁部とは、これら各パッド7a、7b、7cの軸方向変位可能に摺接する。
尚、本例の場合、インナ側のパッド7aと軸方向中央のパッド7bとに当接する上記第一の爪部42の軸方向長さを、上記第二の爪部43よりも長くして、各パッド7a、7b、7cのライニング20、20の摩耗に拘らず、上記第一の爪部42により上記パッド7bを十分に押圧できる様にしている。即ち、前記各ロータ2a、3aの間に存在する上記パッド7bは、インナ側に可動ロータ3aが存在する為、上記ライニング20、20の摩耗に応じてアウタ側に移動するが、インナ側には移動しない。この為、インナ側に存在する上記第一の爪部42の軸方向長さを長くする事により、上記ライニング20、20の摩耗により上記パッド7bがアウタ側に移動しても、上記第一の爪部42によりこのパッド7bを十分に押圧できる様にしている。
上述の様に構成する本例の対向ピストン型多板ディスクブレーキ1aの制動時の基本的な作用は、前述の図6に示した従来構造と同様である。
特に、本例の場合、部品点数が少なく、パッドクリップ38の組み付け性、各パッド7a、7b、7cのライニング20、20の摩耗に対する追従性に優れ、しかも、総てのパッド7a、7b、7cを安定して十分に押圧できる構造を実現できる。
即ち、上記パッドクリップ38は、一体に形成している為、前述の図13に示した構造と異なり、部品点数が少なくなると共に、組み付け性も良好になる(各パッド毎に1個ずつ組み付ける必要がない)。又、上記第一、第二の各爪部42、43毎に、それぞれ軸方向に隣り合う2枚ずつのパッド7a(或は7c)、7bを押圧している為、前述の図14に示した構造と異なり、上記各爪部42、43の軸方向寸法を確保できる。この結果、上記各パッド7a、7b、7cのライニング20、20の摩耗が増大する等して、これら各パッド7a、7b、7cの、初期(組み込み時)の位置からのずれ量が大きくなった場合でも、上記各爪部42、43が、これら各パッド7a、7b、7cのプレッシャプレート19、19の外周縁部の厚さ方向一部のみと当接する事はない。言い換えれば、上記各爪部42、43が、常に上記各プレッシャプレート19、19の外周縁部の厚さ方向全体を押圧する。この為、上記各パッド7a、7b、7cを、ライニング20、20の摩耗状態に拘らず、安定して押圧できる(摩耗追従性を良好にできる)。
更に、上記各爪部42、43は、2枚のパッド7a(或は7c)、7bしか押圧しない為、前述の図15に示した構造と異なり、何れかのパッドの当接状態が不十分となる事を防止でき、総てのパッド7a、7b、7cを安定して十分に押圧できる。
又、本例の場合、軸方向中央に存在するパッド7bを、第一、第二の爪部42、43の両方で押圧している。この軸方向中央に存在するパッド7bは、固定ロータ2aと可動ロータ3aとの何れのロータにも摺接する為、両側面にライニング20、20を設けており、軸方向両側に存在するパッド7a、7cよりも重量(慣性質量)が嵩む。従って、上記軸方向中央のパッド7bは、これら軸方向両側のパッド7a、7cよりもがたつきが大きくなり易い。本例の場合、この軸方向中央のパッド7bを、軸方向両側のパッド7a、7cと異なり、上記第一、第二の爪部42、43の両方で押圧している為、この様ながたつきを十分に防止できる。
更に、本例の場合、円周方向の長さが長い第一の腕部40の軸方向に関する幅t1 を、第二の腕部41の軸方向に関する幅t2 よりも大きくしている。そして、この第一の腕部40の先端部に形成した上記第一の爪部42により付与する押圧力と、上記第二の腕部41の先端部に形成した上記第二の爪部43により付与する押圧力とをほぼ同じとしている。即ち、上記第一、第二の各腕部40、41の幅を互いに同じとした場合、第一の腕部40による押圧力が、円周方向の長さが長い分、小さくなる。これに対して本例の場合には、この第一の腕部40の幅を大きくしている為、この第一の腕部40による押圧力と上記第二の腕部41による押圧力とをほぼ同じにできる。この結果、上記各パッド7a、7b、7cのうち、軸方向両側のパッド7a、7cにはほぼ同じ押圧力が、軸方向中央のパッド7bには、これら両パッド7a、7cに作用する力のほぼ2倍の大きさの押圧力が、それぞれ作用する。
本発明は、上述した実施の形態の1例の様な、2枚のロータを使用した構造以外に、3枚以上のロータを使用した構造にも適用できる。この場合、パッドの枚数に応じてパッドクリップの腕部の数を増やす。即ち、2枚のパッドを1個の爪部により押圧できる様に、パッドの数との関係でパッドクリップの腕部の数(円周方向片側毎に、パッドの数−1)を定める。又、複数のロータは、例えば特許文献4に記載されている様な、総てのロータを制動時に軸方向に変位する可動ロータとしても良いし、何れか1枚のロータを制動時にも軸方向に変位しない固定ロータとする構造としても良い。
又、上述した実施の形態の1例の場合、軸方向中央のパッド7bを、両側にライニング20、20を有する構造としているが、前述の特許文献3の構造と同様に、片側にのみライニングを有するプレッシャプレートの背面同士を結合して構成する事もできる。この場合、軸方向の中央のパッドを軸方向両側のパッドと共用できる。
又、本発明は、上述した実施の形態の1例の様な、掛け渡し部が結合ピン6bである構造に限らず、例えば、アウタボディ部とインナボディ部との径方向外方に、これら両ボディ部と一体的に形成したブリッジ部を掛け渡した構造にも適用可能である。この構造の場合、このブリッジ部と各パッドとの間にパッドクリップを配置する。
又、上述した実施の形態の1例では、キャリパ4aの円周方向両側(回入側と回出側と)にそれぞれ3枚ずつ、合計6枚のパッド7a、7b、7cを配置した構造に就いて説明したが、本発明は、キャリパに(それぞれが円周方向に長い)3枚のパッドのみを配置した構造(制動部23が1個所である構造)にも、勿論適用可能である。
又、上述した実施の形態の1例の場合、制動時に各パッド7a、7b、7cに作用するトルクを、結合ピン6a、6aにより支承しているが、これら各結合ピン6a、6aを省略して、例えば、キャリパ4aの円周方向両端部及び中間部で、アウタ、インナ両ボディ部15a、16a同士を連結する連結部45、45の内面と上記各パッド7a、7b、7cの円周方向端縁部との係合により、上記トルクを支承する構造とする事もできる。尚、上述の制動部23が1個所である構造の場合、円周方向中央部の連結部は存在しない場合もある。
更に、上述した実施の形態の1例では、対向ピストン型多板ディスクブレーキに本発明を適用した場合に就いて説明したが、本発明は、例えば、前述の特許文献3〜5に記載されている様なフローティングキャリパ型多板ディスクブレーキにも適用可能である。即ち、このフローティングキャリパ型多板ディスクブレーキは、車体側に固定されるサポートと、このサポートに軸方向の変位を自在に支持され、複数枚のロータを挟む様に設けたキャリパと、これらサポート及びキャリパに軸方向の変位自在に支持された複数枚のパッドとを備える。そして、このうちのキャリパとこれら各パッドとの間に、上述の実施の形態の1例と同様に、パッドクリップを配置する。この場合に、例えば、上記キャリパのうちで、インナ側に配置され内部にピストンを嵌装する為のシリンダを設けたシリンダ部と、アウタ側に配置されたキャリパ爪部とを連結するブリッジ部、或は、これらシリンダ部とキャリパ爪部との間に掛け渡されるピンが、特許請求の範囲に記載した掛け渡し部に相当する。
本発明の実施の形態の1例を示す斜視図。 同じくアウタ側から見た正投影図。 同じくインナ側から見た正投影図。 同じくキャリパの外径側から見た正投影図。 同じくキャリパの内径側から見た正投影図。 図2の右側から見た正投影図。 図2の左側から見た正投影図。 パッドクリップを省略して示す、図2のA−A拡大断面図。 同じく図3のB−B拡大断面図。 パッドクリップの斜視図。 パッドクリップの6面図で、(A)は、パッドクリップをキャリパに組み込んだ状態で外径側から見た図、(B)は、同じく内径側から見た図、(C)は(A)の下側から見た図、(D)は(A)の上側から見た図、(E)は(A)の右側から見た図、(F)は(A)の左側から見た図。 従来構造の1例を示す部分断面図。 本発明者が、本発明のパッドクリップの構造を導く過程で考えたパッドクリップの第1例を、パッドに組み付けた状態で示す部分斜視図。 同じく第2例を示す部分斜視図。 同じく第3例を示す部分斜視図。
符号の説明
1、1a 対向ピストン型多板ディスクブレーキ
2、2a 固定ロータ
3、3a 可動ロータ
4、4a キャリパ
5 通孔
6、6a、6b 結合ピン
7a、7b、7c パッド
8 車軸
9、9a ハブ
10 車輪
11 固定側部材
12 雌スプライン部
13 可動側部材
14 雄スプライン部
15、15a アウタボディ部
16、16a インナボディ部
17a、17b シリンダ
18a、18b ピストン
19 プレッシャプレート
20 ライニング
21a、21b、21c パッドクリップ
22a、22b、22c 爪部
23 制動部
24 主板
25 補板
26 ロータ組立体
27 締結ピン
28a、28b ボルト
29a、29b 貫通孔
30 鍔付ナット
31 切り欠き
32 取付板部
33a、33b ブーツ
34 小孔
35 係合部
36 延出部
37 凹入部
38 パッドクリップ
39 基板部
40 第一の腕部
41 第二の腕部
42 第一の爪部
43 第二の爪部
44 凹曲部
45 連結部

Claims (5)

  1. 複数枚のロータを有する多板ディスクブレーキに組み込まれるものであり、キャリパとこれら各ロータの片側面とのそれぞれの間、及び、これら各ロータ同士の間に、それぞれ配置された複数枚のパッドと、これら各ロータの外周縁よりも径方向外寄り部分で上記キャリパのアウタ側とインナ側とに掛け渡す状態で設けた掛け渡し部との間に配置され、上記各パッドに径方向内方に向かう弾力を付与するパッドクリップに於いて、全体を一体に形成され、その一部を上記掛け渡し部に係合する基板部と、この基板部の両端部からそれぞれ上記各ロータの円周方向に延出された複数の腕部と、これら各腕部の先端部にそれぞれ形成された複数の爪部とを有し、これら各爪部がそれぞれ、軸方向に隣り合う2枚のパッドの外周縁部に、これら各パッドの軸方向変位を可能に当接する事を特徴とするパッドクリップ。
  2. 2枚のロータを有する多板ディスクブレーキに組み込まれるものであり、上記基板部の円周方向片側毎にそれぞれ設けた第一、第二の腕部の先端部に、それぞれ第一、第二の爪部を形成しており、これら各爪部のうち、第一の爪部が、上記各パッドのうちの軸方向片側に配置されたパッドと、軸方向中央に配置されたパッドとの外周縁部に当接するものであり、上記第二の爪部が、この軸方向中央に配置されたパッドと、軸方向他側に配置されたパッドとの外周縁部に当接するものである、請求項1に記載したパッドクリップ。
  3. 上記第一、第二の各腕部のうち、第一の腕部を第二の腕部よりも上記各ロータの円周方向に関して長くする事により、この第一の腕部の先端部に形成した第一の爪部と上記第二の腕部の先端部に形成した第二の爪部との円周方向に関する位置をずらした、請求項2に記載したパッドクリップ。
  4. 上記第一、第二の各腕部のうち、第一の腕部の軸方向に関する幅を、第二の腕部の軸方向に関する幅よりも大きくした、請求項3に記載したパッドクリップ。
  5. 車輪と共に回転する複数枚のロータと、これら各ロータを挟む様に設けたキャリパと、これら各ロータの外周縁よりも径方向外寄り部分で上記キャリパのアウタ側とインナ側とに掛け渡す状態で設けた掛け渡し部と、上記各ロータの軸方向に関する変位を自在に、且つ、これら各ロータの径方向内方に変位するのを阻止した状態で、上記キャリパとこれら各ロータの片側面とのそれぞれの間、及び、これら各ロータ同士の間にそれぞれ支持された複数枚のパッドと、上記掛け渡し部と上記各パッドとの間に配置され、これら各パッドに径方向内方に向かう力を付与するパッドクリップとを備えた多板ディスクブレーキに於いて、このパッドクリップが、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したパッドクリップである事を特徴とする多板ディスクブレーキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010013762A1 (ja) 2008-07-30 2010-02-04 武田薬品工業株式会社 メタスチン誘導体およびその用途
DE102011115304B3 (de) * 2011-09-29 2013-02-07 Wabco Radbremsen Gmbh Scheibenbremse, insbesondere für Nutzfahrzeuge, sowie Niederhaltefeder einer solchen Scheibenbremse

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