JP2009058050A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部から微量の潤滑油が供給される転がり軸受において、使用初期に焼付きが発生するのを防止しつつ回転中に発生するオイル漏れを少なくすることができる転がり軸受を提供する。
【解決手段】転動体4と内輪軌道面2a及び外輪軌道面3aとで構成される転動部と、転動体4とポケット5aとの間と、外輪3の肩部3bとこの肩部3bに案内される保持器5の外周面5bとで構成される案内部とが、外部から供給される潤滑油により潤滑される転がり軸受1である。外部から潤滑油が供給される前の使用初期における初期潤滑油として、転動部にその表面を流体潤滑状態にする最小量V1の潤滑油が塗布されているとともに、案内部に潤滑油が塗布されており、案内部の潤滑油の単位表面積当たりの塗布量が、転動部の潤滑油の単位表面積当たりの塗布量以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受に関する。さらに詳しくは、外部から微量の潤滑油が供給される転がり軸受に関する。
従来、例えば、潤滑油を貯留するタンクと、このタンク内の潤滑油を吸引して吐出するポンプと、このポンプの吐出口に設けられて潤滑油を吐出するノズルと、ポンプを駆動する駆動部とを備えた給油ユニットを転がり軸受に付設することにより、転がり軸受の内部に微量の潤滑油を供給して転がり軸受を潤滑するシステムが提案されている(特許文献1及び2参照)。そして、このように外部から微量の潤滑油が供給される転がり軸受においては、外部から潤滑油を供給する前の使用初期において焼付きが生じるのを防ぐために、初期潤滑油を軸受内部に塗布することが行われている。
特開2004−108388号公報 特開2006−125540号公報
ところが、従来は、軸受内部に潤滑不良が起こるのを確実に防止するために、初期潤滑油として軸受内部全体に多量の潤滑油を塗布しており、初期潤滑油の適正な塗布量については考慮されていなかった。このため、回転中に余剰の潤滑油が軸受外部に流出するオイル漏れが発生し、潤滑油に無駄が生じていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、外部から微量の潤滑油が供給される転がり軸受において、使用初期に焼付きが発生するのを防止しつつ回転中に発生するオイル漏れを少なくすることができる転がり軸受を提供することを目的としている。
本発明の転がり軸受は、外周に内輪軌道面を有する内輪と、内周に外輪軌道面を有するとともに、この外輪軌道面の軸方向一方側にこの外輪軌道面の軸方向他方側より径方向内方に突出する肩部が形成された外輪と、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間を転動する複数の転動体と、前記複数の転動体を周方向において所定間隔に保持するポケットを有するとともに、その外周面の一部が、前記外輪の肩部に摺接することにより回転が案内される保持器と、を備え、前記転動体と前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面とで構成される転動部と、前記転動体と前記ポケットとの間と、前記外輪の肩部とこの肩部に案内される前記保持器の外周面とで構成される案内部とが、外部から供給される潤滑油により潤滑される転がり軸受において、外部から潤滑油が供給される前の使用初期における初期潤滑油として、前記転動部にその表面を流体潤滑状態にする最小量の潤滑油が塗布されているとともに、前記案内部に潤滑油が塗布されており、前記案内部の潤滑油の単位表面積当たりの塗布量が、前記転動部の潤滑油の単位表面積当たりの塗布量以下であることを特徴としている。
この転がり軸受では、初期潤滑油を塗布する箇所を転動部と案内部とし、さらに初期潤滑油の塗布量を上記のように規定しているので、軸受全体に多量の初期潤滑油が塗布されていた従来に比べて初期潤滑油の塗布量を少なくすることができ、且つ使用初期に焼付きが発生するのを防止することができる。従来より初期潤滑油の塗布量が減らせるので、回転中に発生するオイル漏れを少なくすることができ、潤滑油の無駄をなくすことができる。また、保持器の外周面に初期潤滑油が塗布されているので、高速回転時にも保持器の良好な潤滑が確保される。すなわち、本発明者は、外部から微量の潤滑油が供給される転がり軸受において使用初期に焼付きが発生するのを防止しつつ回転中にオイル漏れが発生するのを防止すべく鋭意研究を重ねた結果、初期潤滑油を塗布する箇所とその塗布量とを選択することにより、前記焼付きとオイル漏れとを同時に防止できることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成させたものである。
また、本発明の転がり軸受は、外周に内輪軌道面を有する内輪と、内周に外輪軌道面を有するとともに、この外輪軌道面の軸方向一方側にこの外輪軌道面の軸方向他方側より径方向内方に突出する肩部が形成された外輪と、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間を転動する複数の転動体と、前記複数の転動体を周方向において所定間隔に保持するポケットを有するとともに、その外周面の一部が、前記外輪の肩部に摺接することにより回転が案内される保持器と、を備え、前記転動体と前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面とで構成される転動部と、前記転動体と前記ポケットとの間と、前記外輪の肩部とこの肩部に案内される前記保持器の外周面とで構成される案内部とが、外部から供給される潤滑油により潤滑される転がり軸受において、外部から潤滑油が供給される前の使用初期における初期潤滑油として、前記転動部のみにその表面を流体潤滑状態にする最小量の潤滑油が塗布されていることを特徴としている。
この転がり軸受によれば、初期潤滑油が、転動部のみにその表面を流体潤滑状態にする最小量で塗布されているので、従来に比べて初期潤滑油の塗布量を少なくすることができ、且つ使用初期に焼付きが発生するのを防止することができる。この場合、案内部にも初期潤滑油が塗布されていないので、初期潤滑油の量がさらに少なくなり、回転中に発生するオイル漏れをより少なくすることができる。すなわち、本発明者が初期潤滑油を塗布する箇所とその塗布量との関係について鋭意研究を重ねる中で、初期潤滑油を転動部のみに必要量を塗布すれば、初期回転によって案内部に初期潤滑油が供給されるため、案内部に初期潤滑油を塗布しなくても初期運転に支障がないことが判明し、かかる知見に基づいて本発明を完成させた。
本発明の転がり軸受によれば、初期潤滑油を塗布する箇所及びその塗布量を規定しているので、使用初期に焼付きが発生するのを防止しつつ回転中に発生するオイル漏れを少なくすることができる。この結果、潤滑油の無駄をなくすことができる。
以下、本発明の実施形態を、添付した図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る転がり軸受の概略断面図である。図1における転がり軸受1は、内輪2と、外輪3と、これらの間に配置された転動体としての玉4と、この玉4を保持する保持器5とで構成されるアンギュラ玉軸受である。
内輪2は環状に形成されており、その外周に周方向全周に亘って形成された溝状の内輪軌道面2aを有している。
外輪3も環状に形成されており、その内周に周方向全周に亘って形成された溝状の外輪軌道面3aを有している。また、この外輪軌道面3aの軸方向一方側には、後述する保持器5を案内するために、外輪軌道面3aの軸方向他方側より径方向内方に突出する肩部3bが形成されている。外輪3は、内輪2と同心に配置されている。
保持器5は、例えば、フェノール樹脂等の合成樹脂からなり、玉4を収容する複数のポケット5aが周方向において等間隔に設けられている。
この保持器5は、内輪2の内周面と外輪3の外周面との間に、内輪2及び外輪3と略同心に配置されており、外輪3の肩部3bに対向する外周面(被案内面)5bが外輪3の肩部の内周面(案内面)3cに摺接することにより回転が案内される。
そして、玉4は保持器5の各ポケット5aに保持された状態で、内輪軌道面2aと外輪軌道面3aとの間を転動する。
転がり軸受1は、給油ユニットKによって軸受内部に微量の潤滑油が供給されることにより潤滑される。ここで、「微量の」潤滑油とは、一度に供給される潤滑油の量が、ナノリットル(nl)オーダーであることを意味している。
図2は、図1における転がり軸受1の側面図であって、給油ユニットKを説明するためのものである。
給油ユニットKは、例えば、潤滑油を貯留するタンク6、このタンク6内の潤滑油を吸引して吐出するポンプ7、このポンプ7の吐出口に設けられて潤滑油を吐出するノズル8、及びポンプ7を駆動する駆動部(図示せず)を備えている。
この実施形態では、図1及び図2に示すように、タンク6及びポンプ7が転がり軸受1に内蔵されている。
すなわち、内輪2及び外輪3には、玉4を保持するための部分に加えて、給油ユニット設置用延長部2b,3dが形成されており、ポンプ7は、外輪3の給油ユニット設置用延長部3dの内周面に着脱可能に取り付けられている。また、タンク6は、軸方向から見て円弧状とされて、ポンプ7と周方向に隣り合うように外輪3の給油ユニット設置用延長部3dの内周面に着脱可能に取り付けられており、導管9によってポンプ7と接続されている。
ポンプ7は、圧電素子によって被駆動部であるダイアフラムを往復させることにより、ポンプ7室内にタンク6内の潤滑油を吸引してノズル8から吐出させるダイアフラムポンプとされている。
ノズル8は、その潤滑油出口が転がり軸受1の内輪2と外輪3との間に環状空間内で開口しており、タンク6内の潤滑油を微量ずつ内輪2の内輪軌道面2aの近傍及び玉4に対して供給する。
駆動部には、電源電池(又は発電機)又は外部電源の変圧回路、ポンプ制御回路等が設けられており、この駆動部からの電圧信号によって、ポンプ7が駆動され、ポンプ7がタンク6から潤滑油を吸引することによって、ノズル8から、玉4及び内輪軌道面2a方向に潤滑油が吐出される。
これにより、玉4と内輪軌道面2a及び外輪軌道面3aとで構成され、玉4と内外輪軌道とが接触する転動部と、外輪3の肩部3bとこの肩部3bに案内される保持器5の外周面5bとで構成され、保持器5の外周面と外輪3の内周面とが接触する案内部と、玉4とポケット5aとの間とが潤滑される。
潤滑油における基油の種類としては、エステル系、エーテル系、フッ素系、シリコーン系、合成炭化水素系のいずれを用いてもかまわない。潤滑油として、例えば、フッ化ポリマー油、フッ化ポリエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、ポリフェニルエーテル油、ポリオールエステル油、ポリアルファオレフィン油等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
転がり軸受1においては、給油ユニットKによって外部から潤滑油が供給される前の使用初期において、初期潤滑が行われる。
初期潤滑に使用される潤滑油(初期潤滑油)は、給油ユニットKによって供給される潤滑油と同じであるが、異なる潤滑油を使用することも可能である。
本実施形態では、初期潤滑油を、外部から供給される潤滑油によって潤滑される転動部、案内部及び玉4とポケット5aとの間のうち、転動部と案内部とに塗布している。
初期潤滑油の塗布量は、転動部の表面積X及び案内部の表面積Yに対応して決められる。
転動部の表面積Xは、すべての玉4の表面積に、内輪軌道面2aにおける接触楕円の長尺の直径d2に内輪軌道の全周長さを乗じた面積と、外輪軌道面3aにおける接触楕円の長尺の直径d1に外輪軌道の全周長さを乗じた面積とを加えることにより計算される。
初期潤滑油の転動部への塗布量は、その表面積Xを流体潤滑状態にする体積V1であり、これは焼付きの発生を流体潤滑により防ぐ必要最小量に相当する。転動部への塗布は、転がり軸受1を組み立てた後、例えばマイクロシリンジにより潤滑油をV1だけ測り採り、玉4の表面、内輪軌道面2a及び外輪軌道面3aの少なくとも1つに塗布して軽く回転させることにより行われる。塗布は玉4の表面に行うことが好ましい。
案内部の表面積Yは、図3においてクロスハッチで示される、保持器5の被案内面5bの面積として計算される。言い換えると、案内部の表面積Yは、保持器5の円筒外周面における、肩部3bの内周面と摺接可能な面積である。
そして、案内部への初期潤滑油の塗布量(V2)は、V1/X:V2/Y=1:1の関係を満たす体積とする。すなわち、案内部の初期潤滑油の単位面積当たりの塗布量が、転動部の潤滑油の単位表面積当たりの塗布量と等しく、案内部に塗布された初期潤滑油の厚さ(V2/Y)は、転動部に塗布された潤滑油の厚さ(V1/X)と同じ厚さになる。案内部への初期潤滑油の塗布量がこれより多くなると、オイル漏れが大きくなるために好ましくない。案内部への初期潤滑油の塗布は、転動部への塗布と同様に、転がり軸受1を組み立てた後、例えばマイクロシリンジにより潤滑油をV2だけ測り採り、外輪3の案内面3c及び保持器5の被案内面5bの少なくとも一方に塗布して軽く回転させることにより行われる。
第1の実施形態においては、初期潤滑油として、転動部及び案内部に必要量の潤滑油が塗布されているので使用初期に焼付きが発生するのを防止することができるとともに、従来の軸受内部に多量の潤滑油が塗布される場合と比較して、回転中に発生するオイル漏れを少なくすることができる。この場合、転動部の玉4に塗布された初期潤滑油により玉4とポケット5aとの間も潤滑されている。また、保持器5の外周面5bに初期潤滑油が塗布されているので、高速回転時にも保持器5の良好な潤滑が確保されることになる。そして、初期潤滑油の塗布量が従来より少なくなるので、転がり軸受の外部に潤滑油が漏れ出して外部を汚すことを防ぐことができる。さらに、発塵もほとんど起こらない。
本発明の第2の実施形態に係る転がり軸受1は、初期潤滑油として、転動部のみにその表面を流体潤滑状態にする最小量の潤滑油が塗布されている。すなわち、案内部に潤滑油が塗布されていないこと以外は、上記第1の実施形態と同じであり、その説明を省略する。
第2の実施形態においては、初期潤滑油が、転動部のみにその表面を流体潤滑状態にする最小量で塗布されているので、従来に比べて初期潤滑油の塗布量を少なくすることができ、且つ使用初期に焼付きが発生するのを防止することができる。この場合、案内部にも初期潤滑油が塗布されていないので、初期潤滑油の量がさらに少なくなり、回転中に発生するオイル漏れをより少なくすることができる。ここでは案内部に初期潤滑油が塗布されていないが、転動部に塗布された初期潤滑油が案内部の潤滑にも寄与することから、初期運転に支障は生じない。この場合にも第1の実施形態と同様、発塵もほとんど起こらない。
なお、本発明は前述の実施形態に限らず、本発明の範囲内で適宜変更が可能である。
例えば、上記第1の実施形態では、初期潤滑油の案内部への塗布量を、V1/X:V2/Y=1:1の関係を満たす体積(V2)としているが、この塗布量は最大値であって、これより少ない量とすることも可能である。
また、上記実施形態では、給油ユニットKのタンク6及びポンプ7を転がり軸受1に内蔵させているが、タンク6及びポンプ7は、転がり軸受1の外部、例えば、転がり軸受1が取り付けられているハウジング等の適当な位置に取り付けてもよい。また、図4に示すように、給油ユニットKのすべての構成を転がり軸受1の外部に設けるようにしてもよいし、また、給油ユニットKのすべての構成を転がり軸受1に内蔵させることも可能である。
給油ユニットKは、軸受内部に微量の潤滑油を供給するものであればよく、上記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、微量の潤滑油を供給可能であれば、オイルミスト潤滑装置やオイルエア潤滑装置、オイルジェット潤滑装置であってもよい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
図5に示す、内径(D1)が70mmであり、外径(D2)が110mmであり、組立幅(W)が20mmであるアンギュラ玉軸受を試料軸受21として用いた。この試料軸受21の保持器25は外輪23で案内されている。
この試料軸受21を洗浄脱脂し、玉24と内外輪軌道面22a,23a(転動部)に360nl、保持器25の被案内面25bと外輪23の案内面23b(案内部)に80nlの合計440nlのスピンドル油(VG22)を初期潤滑油として塗布した。360nl及び80nlは、計算上、玉24と内外輪軌道22a,23a(転動部)、及び保持器25の被案内面25bと外輪23の案内面23b(案内部)がそれぞれ流体潤滑状態になる最小油量である。すなわち、案内部と転動部には、単位表面積当たり等しい量の初期潤滑油が塗布されていることになる。なお、初期潤滑油の塗布した油量は、以降も含め室温での体積である。
次に、図6に示す主要部を有する回転試験機30に前記試料軸受21を組み込み、バネで矢印P方向にアキシアル荷重1300Nを負荷した後、回転速度18000r/分で矢印Q方向に回転させ、運転可能時間を測定した。その結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、初期潤滑油として転動部だけに360nl塗布した以外は、実施例1と同様にして運転可能時間を測定した。その結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、初期潤滑油として案内部だけに80nl塗布した以外は、実施例1と同様にして運転可能時間を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2009058050
表1に示された結果から、初期潤滑油を転動部に360nl及び案内部に80nl塗布した実施例1の試料軸受21と、初期潤滑油を転動部だけに360nl塗布した実施例2の試料軸受21とは、初期潤滑油を案内部だけに80nl塗布した比較例1の試料軸受21と対比して、運転可能時間が非常に長いことがわかる。また、初期潤滑油を転動部だけに360nl塗布した実施例2の試料軸受21は、初期潤滑油を転動部に360nl及び案内部に80nl塗布した実施例1の試料軸受21と同程度の運転可能時間であることがわかる。なお、実施例1及び実施例2の試料軸受21では、いずれもオイル漏れは発生しなかった。
本発明の第1の実施形態に係る転がり軸受を示す概略断面図である。 図1の転がり軸受の側面図である。 図1の転がり軸受の保持器を示す平面説明図である。 給油ユニットの他の取り付け位置を説明する概略断面図である。 実施例で用いられる試料軸受の概略断面図である。 実施例で用いられる回転試験機の主要部を説明する概略断面図である。
符号の説明
1 転がり軸受
2 内輪
3 外輪
4 転動体(玉)
5 保持器
6 タンク
7 ポンプ
8 ノズル
9 導管
K 給油ユニット

Claims (2)

  1. 外周に内輪軌道面を有する内輪と、
    内周に外輪軌道面を有するとともに、この外輪軌道面の軸方向一方側にこの外輪軌道面の軸方向他方側より径方向内方に突出する肩部が形成された外輪と、
    前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間を転動する複数の転動体と、
    前記複数の転動体を周方向において所定間隔に保持するポケットを有するとともに、その外周面の一部が、前記外輪の肩部に摺接することにより回転が案内される保持器と、を備え、
    前記転動体と前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面とで構成される転動部と、前記転動体と前記ポケットとの間と、前記外輪の肩部とこの肩部に案内される前記保持器の外周面とで構成される案内部とが、外部から供給される潤滑油により潤滑される転がり軸受において、
    外部から潤滑油が供給される前の使用初期における初期潤滑油として、前記転動部にその表面を流体潤滑状態にする最小量の潤滑油が塗布されているとともに、
    前記案内部に潤滑油が塗布されており、
    前記案内部の潤滑油の単位表面積当たりの塗布量が、前記転動部の潤滑油の単位表面積当たりの塗布量以下であることを特徴とする転がり軸受。
  2. 外周に内輪軌道面を有する内輪と、
    内周に外輪軌道面を有するとともに、この外輪軌道面の軸方向一方側にこの外輪軌道面の軸方向他方側より径方向内方に突出する肩部が形成された外輪と、
    前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間を転動する複数の転動体と、
    前記複数の転動体を周方向において所定間隔に保持するポケットを有するとともに、その外周面の一部が、前記外輪の肩部に摺接することにより回転が案内される保持器と、を備え、
    前記転動体と前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面とで構成される転動部と、前記転動体と前記ポケットとの間と、前記外輪の肩部とこの肩部に案内される前記保持器の外周面とで構成される案内部とが、外部から供給される潤滑油により潤滑される転がり軸受において、
    外部から潤滑油が供給される前の使用初期における初期潤滑油として、前記転動部のみにその表面を流体潤滑状態にする最小量の潤滑油が塗布されていることを特徴とする転がり軸受。
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