JP2009058040A - 分割軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】分割軸受として転がり軸受を用いる場合であっても、分割された外輪を組み付ける際に、一人の作業者でも容易に一体化作業ができるようにする。
【解決手段】分割軸受20は、外輪22と、外輪22の内周部に配設される針状ころ36を保持する保持器32とから成り、外輪22は2分割22a、22bして形成され、2分割された外輪22が組付けるべきクランクジャーナル12への仮組み付け状態で一体化状態とされる。この一体化状態は、保持器32を弾性変形可能な樹脂製で、かつ有端の円筒状部材として形成し、軸方向の側部位置に外輪の軸方向端を径方向に対して挟持することのできるロック部位を設けて、2分割された外輪をこのロック部位により挟持することにより行われる。
【選択図】図1
【解決手段】分割軸受20は、外輪22と、外輪22の内周部に配設される針状ころ36を保持する保持器32とから成り、外輪22は2分割22a、22bして形成され、2分割された外輪22が組付けるべきクランクジャーナル12への仮組み付け状態で一体化状態とされる。この一体化状態は、保持器32を弾性変形可能な樹脂製で、かつ有端の円筒状部材として形成し、軸方向の側部位置に外輪の軸方向端を径方向に対して挟持することのできるロック部位を設けて、2分割された外輪をこのロック部位により挟持することにより行われる。
【選択図】図1
Description
本発明は、分割軸受に関する。特に、内燃機関(エンジン)のクランクシャフトのクランクジャーナルやコンロッド大端に適用される分割軸受に関し、詳細には、外輪の内周部に転動ころが配設され、この転動ころを保持する保持器を有する分割軸受に係る。
自動車等車両に搭載される内燃機関のクランクシャフトは通常クランク形状の一体型として形成されている。このクランクシャフトのクランクジャーナルやコンロッド大端の軸受部は、そのクランク形状の形状の特性から、一体型の軸受を用いることができなく、周方向に2分割された分割軸受が用いられる。
分割軸受としては、従来普通には、滑り軸受が用いられている。この分割軸受として形成された滑り軸受は、クランクシャフトの軸受部に仮組み付けして取り付けられ、この仮組み付け状態で、搬送等が行われて、内燃機関の組み立てが行われるようになっている。この場合、分割軸受の滑り軸受はクランクシャフトの軸受部への仮組み付け状態で分離しないように一体化手段が施されている。これによりクランクシャフトへ仮組み付け状態としてから内燃機関の組み立て場所まで搬送する場合に、分割軸受が外れないようにしている。
一体化手段としては、例えば、特許文献1及び2等に示すように、分割した滑り軸受の外周面に分割部を跨いで環状の溝を形成して、この溝内に止め輪等の連結部材を嵌合させて一体化する構成がある。これにより、分割した滑り軸受をクランクシャフトの軸受部に仮組み付けした状態で一体化し、搬送等において外れないようにしている。
特開平6−81846号公報
特開平6−109025号公報
分割軸受としては、従来普通には、滑り軸受が用いられている。この分割軸受として形成された滑り軸受は、クランクシャフトの軸受部に仮組み付けして取り付けられ、この仮組み付け状態で、搬送等が行われて、内燃機関の組み立てが行われるようになっている。この場合、分割軸受の滑り軸受はクランクシャフトの軸受部への仮組み付け状態で分離しないように一体化手段が施されている。これによりクランクシャフトへ仮組み付け状態としてから内燃機関の組み立て場所まで搬送する場合に、分割軸受が外れないようにしている。
一体化手段としては、例えば、特許文献1及び2等に示すように、分割した滑り軸受の外周面に分割部を跨いで環状の溝を形成して、この溝内に止め輪等の連結部材を嵌合させて一体化する構成がある。これにより、分割した滑り軸受をクランクシャフトの軸受部に仮組み付けした状態で一体化し、搬送等において外れないようにしている。
最近では、内燃機関の燃費等の性能向上の観点等から、上述した内燃機関のクランクシャフトの軸受部の軸受抵抗も極力減少させることが要求されてきており、軸受としてより軸受け抵抗の少ない転がり軸受を用いることが検討されるようになった。
転がり軸受の場合、外輪のほかに、針状ころ等の転動ころや、この転動ころを保持するための保持器が用いられる。このため、この部品点数の多い転がり軸受けを上述した従来の一体化手段により一体化状態とする場合には、一体化する作業が結構大変であるという不都合がある。すなわち、分割軸受の外輪を組み付けるべき軸に対して配設して、作業者が外輪を手等で保持した状態で止め輪等の連結部材を嵌合させる一体化作業を行うことになり、その作業が結構面倒であるという不都合を伴う。したがって、場合によっては、この一体化作業は二人の作業者で行う必要も生じる場合もある。
転がり軸受の場合、外輪のほかに、針状ころ等の転動ころや、この転動ころを保持するための保持器が用いられる。このため、この部品点数の多い転がり軸受けを上述した従来の一体化手段により一体化状態とする場合には、一体化する作業が結構大変であるという不都合がある。すなわち、分割軸受の外輪を組み付けるべき軸に対して配設して、作業者が外輪を手等で保持した状態で止め輪等の連結部材を嵌合させる一体化作業を行うことになり、その作業が結構面倒であるという不都合を伴う。したがって、場合によっては、この一体化作業は二人の作業者で行う必要も生じる場合もある。
而して、本発明が解決しようとする課題は、分割軸受として転がり軸受を用いる場合であっても、分割された外輪を組み付ける際に、取付けるべき軸に脱落不能に取付けられた保持器に外輪を自動的に径方向に対して保持させることにより、一人の作業者でも容易に一体化作業ができるようにすることにある。
上記課題を達成するために、本発明に係る分割軸受は次の手段をとる。
先ず、本発明の第1の発明は、外輪と、外輪の内周部に配設される転動ころを保持する保持器とから成り、外輪は2分割して形成され、この2分割された外輪が組付けるべき軸への仮組み付け状態で一体化状態とされる分割軸受であって、保持器は弾性変形可能な樹脂製で、周方向に有端の円筒状部材として形成されており、軸方向の側部位置に外輪の軸方向端を径方向に対して挟持することのできるロック部位が設けられており、2分割された外輪をこのロック部位による挟持により一体的状態とすることを特徴とするものである。
ここで、保持器の軸方向側部位置に設けられるロック部位は、周上の全周に設けても、また、適宜間隔を置いて設けても良い。しかし、2分割されたそれぞれの外輪に対してはそれぞれロック部位を設ける必要はある。
先ず、本発明の第1の発明は、外輪と、外輪の内周部に配設される転動ころを保持する保持器とから成り、外輪は2分割して形成され、この2分割された外輪が組付けるべき軸への仮組み付け状態で一体化状態とされる分割軸受であって、保持器は弾性変形可能な樹脂製で、周方向に有端の円筒状部材として形成されており、軸方向の側部位置に外輪の軸方向端を径方向に対して挟持することのできるロック部位が設けられており、2分割された外輪をこのロック部位による挟持により一体的状態とすることを特徴とするものである。
ここで、保持器の軸方向側部位置に設けられるロック部位は、周上の全周に設けても、また、適宜間隔を置いて設けても良い。しかし、2分割されたそれぞれの外輪に対してはそれぞれロック部位を設ける必要はある。
この第1の発明によれば、先ず、保持器は有端で形成されており、弾性変形可能な樹脂製とされていることから、有端箇所から取付けるべき軸に弾性変形させて嵌合させて脱落不能状態に取付けることができる。そして、この保持器に2分割された外輪を径方向外方から内方に向けて取付け作業することにより、保持器の軸方向側部位置に設けられたロック部位により外輪の側部は自動的に径方向に対いて挟持されて保持される。その結果、2分割された外輪は一体化状態として軸に仮組み付け状態とされる。
この外輪の一体化作業は、脱落不能に取り付けられた保持器に外輪を自動的に径方向に対して保持させるものであるため、一人の作業者でも容易に一体化作業ができる。
この外輪の一体化作業は、脱落不能に取り付けられた保持器に外輪を自動的に径方向に対して保持させるものであるため、一人の作業者でも容易に一体化作業ができる。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明の分割軸受であって、前記保持器に設けられるロック部位は外輪の軸方向側方位置で径方向外方に延出して形成されて外輪の側部外周面を径方向内方に規制する爪形状として形成されていることを特徴とするものである。
この第2の発明によれば、ロック部位は爪形状で構成される。このため、この爪形状箇所に外輪を径方向外方から内方に移動させて組み込む際、爪形状箇所の弾性変形はスムースに行われ、容易に外輪を爪形状箇所に挟持させることができる。この結果、その外輪の組み込み作業は一人作業でも容易である。
この第2の発明によれば、ロック部位は爪形状で構成される。このため、この爪形状箇所に外輪を径方向外方から内方に移動させて組み込む際、爪形状箇所の弾性変形はスムースに行われ、容易に外輪を爪形状箇所に挟持させることができる。この結果、その外輪の組み込み作業は一人作業でも容易である。
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明又は第2の発明の分割軸受であって、前記保持器のロック部位が挟持する外輪の側部は径方向内方に切り欠かれた段差形状となっており、外輪がロック部位に挟持された状態でロック部位の最大外形が外輪の最大外形と同等かそれ以下とされる構成とされていることを特徴とするものである。
この第3の発明によれば、外輪の側部を径方向内方に切り欠かれた段差形状として形成して、ロック部位の最大外形を外輪の最大外形と同等かそれ以下とする構成とされる。このため、ロック部位の径方向の長さを短くすることができて、分割軸受の径方向の厚さを薄くすることができ、コンパクトな構成とすることができる。
この第3の発明によれば、外輪の側部を径方向内方に切り欠かれた段差形状として形成して、ロック部位の最大外形を外輪の最大外形と同等かそれ以下とする構成とされる。このため、ロック部位の径方向の長さを短くすることができて、分割軸受の径方向の厚さを薄くすることができ、コンパクトな構成とすることができる。
次に、本発明の第4の発明は、上記第1から第3の発明に述べたいずれかの分割軸受であって、前記保持器に設けられるロック部位は軸方向両側に設けられていることを特徴とするものである。
この第4の発明によれば、ロック部位は軸方向両側に設けられる。これによりロック部位による外輪の径方向に対する挟持はより確実に行われる。
この第4の発明によれば、ロック部位は軸方向両側に設けられる。これによりロック部位による外輪の径方向に対する挟持はより確実に行われる。
次に、本発明の第5の発明は、上記第1から第4の発明に述べたいずれかの分割軸受であって、前記外輪を組付けるべき軸が内燃機関のクランクシャフトのクランクジャーナル又はコンロッド大端の軸受部であることを特徴とするものである。
この第5の発明によれば、分割軸受を内燃機関のクランクシャフトのクランクジャーナル又はコンロッド大端の軸受部に好適に適用することができる。
この第5の発明によれば、分割軸受を内燃機関のクランクシャフトのクランクジャーナル又はコンロッド大端の軸受部に好適に適用することができる。
本発明の分割軸受は上述した手段をとることにより次の効果を得ることができる。
先ず、上述した第1の発明によれば、外輪の一体化作業は、脱落不能に取付けられた保持器に外輪を自動的に径方向に対して保持させることができるため、一人の作業者でも容易に行うことができる。この結果、分割軸受を軸受部に外れないように仮組み付けすることができる。
次に、上述した第2の発明によれば、ロック部位の爪形状箇所に外輪を径方向外方から内方に移動させて組み込む際、爪形状箇所の弾性変形作用はスムースに行われ、外輪を容易に爪形状箇所に挟持させることができ、外輪の組み込み作業を一人作業でより容易に行うことができる。
次に、上述した第3の発明によれば、分割軸受の径方向の厚さを薄くすることが可能となり、コンパクトな構成とすることができる。
次に、上述した第4の発明によれば、ロック部位による外輪の径方向に対する挟持はより確実に行われる。
次に、上述した第5の発明によれば、転がり軸受の分割軸受を内燃機関のクランクシャフトのクランクジャーナル又はコンロッド大端の軸受部に好適に適用することができる。
先ず、上述した第1の発明によれば、外輪の一体化作業は、脱落不能に取付けられた保持器に外輪を自動的に径方向に対して保持させることができるため、一人の作業者でも容易に行うことができる。この結果、分割軸受を軸受部に外れないように仮組み付けすることができる。
次に、上述した第2の発明によれば、ロック部位の爪形状箇所に外輪を径方向外方から内方に移動させて組み込む際、爪形状箇所の弾性変形作用はスムースに行われ、外輪を容易に爪形状箇所に挟持させることができ、外輪の組み込み作業を一人作業でより容易に行うことができる。
次に、上述した第3の発明によれば、分割軸受の径方向の厚さを薄くすることが可能となり、コンパクトな構成とすることができる。
次に、上述した第4の発明によれば、ロック部位による外輪の径方向に対する挟持はより確実に行われる。
次に、上述した第5の発明によれば、転がり軸受の分割軸受を内燃機関のクランクシャフトのクランクジャーナル又はコンロッド大端の軸受部に好適に適用することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態の実施例を、図面を用いて説明する。この実施例の分割軸受は、針状ころ軸受形式の転がり軸受であり、内燃機関(エンジン)のクランクシャフトのクランクジャーナルや、コンロッド大端の軸受部に適用された場合のものである。
図1は内燃機関に組み込まれる通常のクランクシャフトの部分斜視図を示す。この図1に示されるように、クランクシャフト10はクランク形状に一体型として形成されている。このクランクシャフト10はそのクランクジャーナル12が転がり軸受20を介して内燃機関本体部(図示省略)に回転可能に支承される。転がり軸受20はクランクシャフト10がクランク形状に一体型で形成される形状の特性から輪状の一体型の転がり軸受を用いることができなく、周方向に分割された構成の分割軸受が用いられる。なお、図1において、14はコンロッド大端の軸受部を示し、このコンロッド大端の軸受部14にも図示は省略されているが、分割軸受が用いられる。
図1は内燃機関に組み込まれる通常のクランクシャフトの部分斜視図を示す。この図1に示されるように、クランクシャフト10はクランク形状に一体型として形成されている。このクランクシャフト10はそのクランクジャーナル12が転がり軸受20を介して内燃機関本体部(図示省略)に回転可能に支承される。転がり軸受20はクランクシャフト10がクランク形状に一体型で形成される形状の特性から輪状の一体型の転がり軸受を用いることができなく、周方向に分割された構成の分割軸受が用いられる。なお、図1において、14はコンロッド大端の軸受部を示し、このコンロッド大端の軸受部14にも図示は省略されているが、分割軸受が用いられる。
この実施例のクランクジャーナル12に用いられる転がり軸受20は針状ころ軸受形式のものが用いられている。針状ころ軸受形式の転がり軸受20は、外輪22と、転動ころとしての針状ころ30と、針状ころ36を保持する保持器32とから構成されている。なお、内輪はこの実施例ではクランクジャーナル12の外周面にその機能を受け持たせた構成となっている。しかし、内輪を別途設ける形態ものであっても良い。
この転がり軸受20を構成する外輪22はクランクジャーナル12等の取付けるべき軸に対して径方向外方から取付け可能に2分割して形成されている。また、針状ころ36を保持する保持器32は、周方向の1箇所が切り欠かれた有端の円筒形状とされており、弾性変形して切り欠かれた箇所から取付けるべき軸に嵌め込まれて、軸に対して脱落しないように取付けられる。
なお、クランクシャフト10を内燃機関の本体部に組み込むに当たっては、その軸受部であるクランクジャーナル12やコンロッド大端の軸受部14に分割軸受を組み付けて、分割軸受を軸に対して一体化状態として、クランクシャフト10の組み込みのための搬送中に分割軸受20がクランクシャフト10から外れないようにしている。
この転がり軸受20を構成する外輪22はクランクジャーナル12等の取付けるべき軸に対して径方向外方から取付け可能に2分割して形成されている。また、針状ころ36を保持する保持器32は、周方向の1箇所が切り欠かれた有端の円筒形状とされており、弾性変形して切り欠かれた箇所から取付けるべき軸に嵌め込まれて、軸に対して脱落しないように取付けられる。
なお、クランクシャフト10を内燃機関の本体部に組み込むに当たっては、その軸受部であるクランクジャーナル12やコンロッド大端の軸受部14に分割軸受を組み付けて、分割軸受を軸に対して一体化状態として、クランクシャフト10の組み込みのための搬送中に分割軸受20がクランクシャフト10から外れないようにしている。
次に、分割軸受を一体化状態とする第1実施例について説明する。図2ないし図4はその第1実施例を示す。図2は下半分を裁断した正面断面図を示し、図3は全体の正面図を示し、図4は外輪単体の側面図を示す。
図3及び図4に良く示されるように、外輪22は組み付けるべき軸に対して組み付け可能に周方向に2分割して形成されており、上方の上外輪22aと下方の下外輪22bとからなっている。2分割の分割位置はほぼ180度離間した位置とされており、分割面26の形状は図3に良く示されるようにV形状とされている。これは上外輪22aと下外輪22aを組み付けて一体化状態とした際における軸方向の位置決めを確実に行うためである。
図2に良く示されるように、外輪22は軸方向(図2で見て左右方向)の両側部の外周面が径方向内方に切り欠かれた段差形状24として形成されている。段差形状24の底面部24aは後述する保持器32に形成されるロック部位34の爪形状34aが係合する部位となっている。
図3及び図4に良く示されるように、外輪22は組み付けるべき軸に対して組み付け可能に周方向に2分割して形成されており、上方の上外輪22aと下方の下外輪22bとからなっている。2分割の分割位置はほぼ180度離間した位置とされており、分割面26の形状は図3に良く示されるようにV形状とされている。これは上外輪22aと下外輪22aを組み付けて一体化状態とした際における軸方向の位置決めを確実に行うためである。
図2に良く示されるように、外輪22は軸方向(図2で見て左右方向)の両側部の外周面が径方向内方に切り欠かれた段差形状24として形成されている。段差形状24の底面部24aは後述する保持器32に形成されるロック部位34の爪形状34aが係合する部位となっている。
保持器32は、図2に示されるように、針状ころ36を保持しており、軸受としての組み立てられた状態では外輪22の内周に配設される。針状ころ36は周上に複数個配設される。保持器32は全体が弾性変形可能な樹脂製で形成されている。この樹脂製の保持器32は図3で示すように、周上の一箇所40で切り欠かれた有端の円筒形状とされており、この切り欠かれた箇所40から広げて取付けるべき軸に対して嵌め込んで取付けることができるようになっている。
保持器32の両側位置には、図2に示されるように、ロック部位34が設けられている。ロック部位34は保持器32の両側位置で外輪22の両側に沿って径方向外方に延出して形成されており、その外方部は爪形状34aとされている。この爪形状34aは前述した外輪22の段差形状24の底面部24aに向けて形成されており、外輪22を保持器32の基部32aとこのロック部位34の爪形状34aとで径方向に対して挟持する構成とされている。
なお、外輪22を保持器32のロック部位34に挟持させる際には、分割された外輪22を保持器32の本体部32に向けて組み込むことになるが、この時、外輪22の両側部はロック部位34の爪形状34aを軸方向に弾性変形させて開いて挟持状態に組み込まれる。これにより、分割された外輪22は保持器32に一体的状態として取り付けられる。
なお、この実施例においては、ロック部位34の爪形状34aが形成される最大外形は、外輪22が保持器32に挟持された状態で、外輪22の最大外形とほぼ同等の外形状態とされている。これにより、分割軸受の径方向の厚みを薄く構成することができて、コンパクトな構成とすることができる。なお、ロック部位34の爪形状34aが形成される最大外形は出来る限り外輪22の最大外形より小さくするのが好ましい。
保持器32の両側位置には、図2に示されるように、ロック部位34が設けられている。ロック部位34は保持器32の両側位置で外輪22の両側に沿って径方向外方に延出して形成されており、その外方部は爪形状34aとされている。この爪形状34aは前述した外輪22の段差形状24の底面部24aに向けて形成されており、外輪22を保持器32の基部32aとこのロック部位34の爪形状34aとで径方向に対して挟持する構成とされている。
なお、外輪22を保持器32のロック部位34に挟持させる際には、分割された外輪22を保持器32の本体部32に向けて組み込むことになるが、この時、外輪22の両側部はロック部位34の爪形状34aを軸方向に弾性変形させて開いて挟持状態に組み込まれる。これにより、分割された外輪22は保持器32に一体的状態として取り付けられる。
なお、この実施例においては、ロック部位34の爪形状34aが形成される最大外形は、外輪22が保持器32に挟持された状態で、外輪22の最大外形とほぼ同等の外形状態とされている。これにより、分割軸受の径方向の厚みを薄く構成することができて、コンパクトな構成とすることができる。なお、ロック部位34の爪形状34aが形成される最大外形は出来る限り外輪22の最大外形より小さくするのが好ましい。
上記した第1実施例における分割軸受20をクランクシャフト10のクランクジャーナル12に一体化状態に組み付ける作業手順を、次に説明する。
この実施例では、クランクジャーナル12の外周面が予め内輪の機能を有するように形成されているので、先ず、クランクジャーナル12に、直接、針状ころ30を保持した保持器32を取付ける。この保持器32の取付けは、有端の切り欠かれた箇所40を弾性変形により開いて、この箇所40からクランクジャーナル12に嵌め込む。保持器32は周上の一端が切り欠かれたC形円筒形状とされているため、クランクジャーナル12に嵌め込まれると、それ自体でクランクジャーナル12に取付けられた状態となり、作業者が保持器32を手等で支えていなくてもクランクジャーナル12から脱落することがない。なお、この取付け状態では、保持器32に保持された針状ころ36がクランクジャーナル12の外周面上に配された状態として取付けられている。
上記により、クランクジャーナル12に保持器32が取付けられた状態で、2分割された上外輪22aと下外輪22bを径方向外方から保持器32のロック部34に向けてあてがって組み付けて取付ける。なお、この際、上外輪22aと下外輪22bは周上重ならないように配置されて組み付けられ、組み付けられた状態では図4に示すように円筒形状とされる。
2分割された外輪22は保持器32へはロック部位34により挟持された状態として取付けられる。詳細には、2分割された上外輪22a及び下外輪22bはロック部位34の爪形状34aに向けて組み込まれるが、その際に、両側のロック部位34は爪形状34aに係合した外輪22の側部により離反する方向に広げられて爪形状34a部分に組み込まれる。爪形状34aに組み込まれると、2分割された外輪22の側部位置は保持器32の基部32aとの爪形状34との間で挟持されて、外輪22は保持器32に保持され一体化状態とされる。
上述のようにして、2分割された上下外輪22a、22bはクランクシャフト10のクランクジャーナル12に一体化状態に仮組み付けされて取付けられる。このため分割軸受20をクランクシャフト10に取付けた状態で内燃機関の本体部に組み込むために搬送する場合でも外れることがない。
この実施例では、クランクジャーナル12の外周面が予め内輪の機能を有するように形成されているので、先ず、クランクジャーナル12に、直接、針状ころ30を保持した保持器32を取付ける。この保持器32の取付けは、有端の切り欠かれた箇所40を弾性変形により開いて、この箇所40からクランクジャーナル12に嵌め込む。保持器32は周上の一端が切り欠かれたC形円筒形状とされているため、クランクジャーナル12に嵌め込まれると、それ自体でクランクジャーナル12に取付けられた状態となり、作業者が保持器32を手等で支えていなくてもクランクジャーナル12から脱落することがない。なお、この取付け状態では、保持器32に保持された針状ころ36がクランクジャーナル12の外周面上に配された状態として取付けられている。
上記により、クランクジャーナル12に保持器32が取付けられた状態で、2分割された上外輪22aと下外輪22bを径方向外方から保持器32のロック部34に向けてあてがって組み付けて取付ける。なお、この際、上外輪22aと下外輪22bは周上重ならないように配置されて組み付けられ、組み付けられた状態では図4に示すように円筒形状とされる。
2分割された外輪22は保持器32へはロック部位34により挟持された状態として取付けられる。詳細には、2分割された上外輪22a及び下外輪22bはロック部位34の爪形状34aに向けて組み込まれるが、その際に、両側のロック部位34は爪形状34aに係合した外輪22の側部により離反する方向に広げられて爪形状34a部分に組み込まれる。爪形状34aに組み込まれると、2分割された外輪22の側部位置は保持器32の基部32aとの爪形状34との間で挟持されて、外輪22は保持器32に保持され一体化状態とされる。
上述のようにして、2分割された上下外輪22a、22bはクランクシャフト10のクランクジャーナル12に一体化状態に仮組み付けされて取付けられる。このため分割軸受20をクランクシャフト10に取付けた状態で内燃機関の本体部に組み込むために搬送する場合でも外れることがない。
上述した第1実施例の分割軸受20によれば、ロック部位34は保持器の両側位置に設けられており、外輪の一体化状態は保持器の両側位置で行われるものであるため、より確実に行われる。また、その挟持も爪形状34aのロック部位34を用いて行われるため、外輪22の組み付けもスムースに行われる。
次に、分割軸受を一体化状態とする第2実施例について説明する。図5はその第2実施例を示し、下半分を裁断した正面断面図を示す。なお、上記第1実施例と同じ構成部分には同じ符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
この第2実施例は、外輪22がその両端に鍔28を有する構成のものである。鍔28は外輪の両側位置の段差形状24箇所から径方向内方に向けて形成されており、保持器32に保持された針状ころ36の軸方向両側位置に配された構成とされている。この形式の転がり軸受20においては、針状ころ36の軸方向移動の規制はこの鍔28によって行うこととすることができる。
この第2実施例は、外輪22の構成が異なり、その構成の異なりに伴い保持器32による針状ころ36の保持構成は異なっているが、その他の分割軸受20を一体化状態とする構成は上述した第1実施例の構成と同じである。
この第2実施例は、外輪22がその両端に鍔28を有する構成のものである。鍔28は外輪の両側位置の段差形状24箇所から径方向内方に向けて形成されており、保持器32に保持された針状ころ36の軸方向両側位置に配された構成とされている。この形式の転がり軸受20においては、針状ころ36の軸方向移動の規制はこの鍔28によって行うこととすることができる。
この第2実施例は、外輪22の構成が異なり、その構成の異なりに伴い保持器32による針状ころ36の保持構成は異なっているが、その他の分割軸受20を一体化状態とする構成は上述した第1実施例の構成と同じである。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその他各種の実施形態が考えられるものである。
例えば、上記の各実施例では、爪形状34aを有するロック部位34は保持器32の両側に設けた場合であったが、分割軸受20を組み付ける軸の軸方向のスペースの関係上、片側のみに形成するものであっても良い。
また、上記の各実施例では、ロック部位34及び爪形状34aは保持器32の全周に設けた場合であったが、所定間隔を置いて設けるものであっても良い。この場合、2分割されたそれぞれの外輪22に対して、それぞれ1箇所以上ロック部位34を設けることは必要である。また、クランクシャフト以外にもエンジン動弁系のカムシャフトを支持する軸受として本発明の分割軸受を用いることもできる。
例えば、上記の各実施例では、爪形状34aを有するロック部位34は保持器32の両側に設けた場合であったが、分割軸受20を組み付ける軸の軸方向のスペースの関係上、片側のみに形成するものであっても良い。
また、上記の各実施例では、ロック部位34及び爪形状34aは保持器32の全周に設けた場合であったが、所定間隔を置いて設けるものであっても良い。この場合、2分割されたそれぞれの外輪22に対して、それぞれ1箇所以上ロック部位34を設けることは必要である。また、クランクシャフト以外にもエンジン動弁系のカムシャフトを支持する軸受として本発明の分割軸受を用いることもできる。
10 クランクシャフト
12 クランクジャーナル
14 コンロッド大端軸受部
20 転がり軸受(分割軸受)
22 外輪
22a 上外輪
22b 下外輪
24 段差形状
24a 底面部
26 分割面
28 鍔
32 保持器
32a 基部
34 ロック部位
34a 爪形状
36 針状ころ(転動ころ)
40 切り欠き
12 クランクジャーナル
14 コンロッド大端軸受部
20 転がり軸受(分割軸受)
22 外輪
22a 上外輪
22b 下外輪
24 段差形状
24a 底面部
26 分割面
28 鍔
32 保持器
32a 基部
34 ロック部位
34a 爪形状
36 針状ころ(転動ころ)
40 切り欠き
Claims (5)
- 外輪と、外輪の内周部に配設される転動ころを保持する保持器とから成り、外輪は2分割して形成され、該2分割された外輪が組付けるべき軸への仮組み付け状態で一体化状態とされる分割軸受であって、
前記保持器は弾性変形可能な樹脂製で、有端の円筒状部材として形成されており、軸方向の側部位置に外輪の軸方向端を径方向に対して挟持することのできるロック部位が設けられており、2分割された外輪を該ロック部位による挟持により一体的状態とすることを特徴とする分割軸受。 - 請求項1に記載の分割軸受であって、
前記保持器に設けられるロック部位は外輪の軸方向側方位置で径方向外方に延出して形成されて外輪の側部外周面を径方向内方に規制する爪形状として形成されていることを特徴とする分割軸受。 - 請求項1又は請求項2に記載の分割軸受であって、
前記保持器のロック部位が挟持する外輪の側部は径方向内方に切り欠かれた段差形状となっており、外輪がロック部位に挟持された状態でロック部位の最大外形が外輪の最大外形と同等かそれ以下とされる構成とされていることを特徴とする分割軸受。 - 請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の分割軸受であって、
前記保持器に設けられるロック部位は軸方向両側に設けられていることを特徴とする分割軸受。 - 請求項1から請求項4のいずれかの請求項に記載の分割軸受であって、
前記外輪を組付けるべき軸が内燃機関のクランクシャフトのクランクジャーナル又はコンロッド大端の軸受部であることを特徴とする分割軸受。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
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EP08013264A EP2019217A2 (en) | 2007-07-25 | 2008-07-23 | Split bearing |
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Family Applications (1)
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JP2007225642A Pending JP2009058040A (ja) | 2007-07-25 | 2007-08-31 | 分割軸受 |
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JP (1) | JP2009058040A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015113969A (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-22 | 日本精工株式会社 | ケージ&ローラ |
WO2015093348A1 (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-25 | 日本精工株式会社 | ケージ&ローラ |
DE102014212076A1 (de) * | 2014-06-24 | 2015-12-24 | Aktiebolaget Skf | Lagerkäfig für ein Wälzlager, insbesondere für ein Kegelrollenlager |
CN111512058A (zh) * | 2017-12-15 | 2020-08-07 | 株式会社捷太格特 | 滚动轴承的安装结构 |
-
2007
- 2007-08-31 JP JP2007225642A patent/JP2009058040A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015113969A (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-22 | 日本精工株式会社 | ケージ&ローラ |
WO2015093348A1 (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-25 | 日本精工株式会社 | ケージ&ローラ |
US10047795B2 (en) | 2013-12-16 | 2018-08-14 | Nsk Ltd. | Cage and rollers |
DE102014212076A1 (de) * | 2014-06-24 | 2015-12-24 | Aktiebolaget Skf | Lagerkäfig für ein Wälzlager, insbesondere für ein Kegelrollenlager |
CN111512058A (zh) * | 2017-12-15 | 2020-08-07 | 株式会社捷太格特 | 滚动轴承的安装结构 |
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