JP2008232279A - ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃費低減等の事情によりエンジン内部の回転軸の回転における摩擦抵抗を低減するとともに、所定の取付場所に容易に組付けすることができるとともに、軸受のみで位置決めが可能となるころ軸受を提供する
【解決手段】 エンジン内部に配置される回転軸を支承するために、円筒状に形成された外輪20と、複数のころ4と、それら複数のころを保持する環状に形成された保持器50とを備えるころ軸受1であって、保持器50には、そのアキシャル方向の両端部にそれぞれラジアル方向外側に延びる延出部5fが、外輪20の側面よりもアキシャル方向外側に位置する形態で、周方向に沿って1又は複数形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 エンジン内部に配置される回転軸を支承するために、円筒状に形成された外輪20と、複数のころ4と、それら複数のころを保持する環状に形成された保持器50とを備えるころ軸受1であって、保持器50には、そのアキシャル方向の両端部にそれぞれラジアル方向外側に延びる延出部5fが、外輪20の側面よりもアキシャル方向外側に位置する形態で、周方向に沿って1又は複数形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ころ軸受に関し、特に、エンジン内部に配置される回転軸を支承するために用いられるころ軸受に関する。
一般に、例えば自動車用エンジン内部でカムシャフトやクランクシャフト等の回転軸をシリンダーヘッドやシリンダーブロックに回転可能に支承する場合には、滑り軸受が用いられていた。近年、燃費低減の要請により、滑り軸受よりも摩擦抵抗が小さい転がり軸受への変更が進められている(特許文献1参照)。
特開2005−180459号公報
特許文献1記載の技術は、カムシャフトと一体的に回転するシャフト支持部を転がり軸受を用いて回転可能に支持しており、シャフト支持部及びカムシャフトには転がり軸受の軸方向の両端部を受けるフランジ部が形成されている。また、転動体が転動する軌道面を確保するために、シリンダーヘッドとキャップに周方向に分割されたレース(外輪)及び保持器が組み込まれており、そのレース及び保持器が他の部分より外径が小さいジャーナル部に組み込まれている。
ところで、転がり軸受としてはラジアル方向小径化を図るためころ軸受が用いられる。ころ軸受は、例えば回転軸の外周面をそのまま軌道面として使用することができるが、その反面軸方向への位置決めが必要であり、組付け性に問題があった。
しかしながら、上記特許文献1の如く、回転軸側にフランジ部等の何らかの構造を付加することでころ軸受の軸方向への位置決めを行なうことができるが、相手部材にも溝加工等が必要となり、加工コストが高くなるとともに、フランジと溝との位置合せの工程が必要で組立工程が複雑である。
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、燃費低減等の事情によりエンジン内部の回転軸の回転における摩擦抵抗を低減するとともに、所定の取付場所に容易に組付けすることができるとともに、軸受のみで位置決めが可能となるころ軸受を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のころ軸受は、
エンジン内部に配置される回転軸を支承するために、周方向に分割された一対の分割片を組み合わせて円筒状に形成された外輪と、その外輪の内周面及び回転軸の外周面にそれぞれ形成された軌道面で転動する複数のころと、それら複数のころを周方向に所定間隔で保持する環状に形成された保持器とを備えるころ軸受であって、
保持器には、そのアキシャル方向の両端部にそれぞれラジアル方向外側に延びる延出部が、外輪の側面よりもアキシャル方向外側に位置する形態で、周方向に沿って1又は複数形成され、
保持器は、延出部が外輪を挟み込むことにより該外輪を該延出部で挟まれた領域内に保持することを特徴とする。
エンジン内部に配置される回転軸を支承するために、周方向に分割された一対の分割片を組み合わせて円筒状に形成された外輪と、その外輪の内周面及び回転軸の外周面にそれぞれ形成された軌道面で転動する複数のころと、それら複数のころを周方向に所定間隔で保持する環状に形成された保持器とを備えるころ軸受であって、
保持器には、そのアキシャル方向の両端部にそれぞれラジアル方向外側に延びる延出部が、外輪の側面よりもアキシャル方向外側に位置する形態で、周方向に沿って1又は複数形成され、
保持器は、延出部が外輪を挟み込むことにより該外輪を該延出部で挟まれた領域内に保持することを特徴とする。
上記本発明によれば、外輪のラジアル方向内側に配置される保持器には、両端部それぞれにラジアル方向外側に延びる延出部が、例えば1又は複数形成されている。そして、延出部の外輪との位置関係は、外輪の側面のアキシャル方向外側に位置する。すなわち、外輪の両側面に対して延出部がそれぞれ対向配置されている。これにより、延出部が外輪をアキシャル方向において挟み込んだ形態をなすので、外輪の側面が延出部のストッパとなり、外輪を延出部で挟まれた領域内で保持することができる。すなわち、外輪を介して保持器のアキシャル方向の位置決めをすることができる(アキシャル方向の移動を規制することができる)。
そして、外輪を固定するだけで、自動的に保持器もアキシャル方向において位置決めされるので、組付け性に優れる。さらには、保持器が外輪に依存して保持されるのではなく、逆に自身に位置決め機能を有して外輪を介して位置決めするので、外輪に対して汎用性を持たせることができ、製造コストの低減に繋がる。
また、保持器が外輪の側面からアキシャル方向に食み出るので、持ち運びや組付け時において、直接保持器を保持することができ、組付けし易くなる。ひいては、エンジン内部に配置される回転軸を支承するために摩擦抵抗が少ないころ軸受を簡単に組付けることができるので、燃費低減に貢献することができる。
また、ころ軸受の外輪には、その両側面からそれぞれラジアル方向外側に延びるつば部が、保持器の延出部よりもアキシャル方向内側に位置する形態で、周方向に沿って1又は複数形成することができる。これにより、つば部が保持器の延出部よりもアキシャル方向内側に位置するので、互いの干渉を回避することができる。
また、例えば両側のつば部の離間距離をエンジン内部の固定部の幅と等しく設定することで、簡単に該固定部に対して外輪、ひいてはころ軸受を固定することができる。すなわち、外輪は、つば部が固定部を挟み込むことにより該固定部を該つば部で挟まれた領域内に保持することができる(固定部に対してアキシャル方向の移動を規制することができる)。
また、ころ軸受の具体的な態様の第1として、
回転軸がカム軸又はクランク軸であるとき、保持器は周方向に半環状に形成された一対の分離片を組合せて環状に形成されるとともに、
延出部は各分離片の周方向において所定角度範囲にわたり1又は複数形成され、かつつば部は外輪の各分割片の周方向において所定角度範囲にわたり1又は複数形成することができる。これによれば、保持器と外輪とがともに、周方向に2分割されて形成されているので、例えば通常のカム軸やクランク軸などの軸方向から圧入等して取付場所に配置する一体軸受を用いることができない場合にも問題なく使用することができる。そして、保持器及び外輪を形成する各分離片及び分割片それぞれに延出部及びつば部が形成されているので、それぞれ独立して容易に組付けていくことができる。
回転軸がカム軸又はクランク軸であるとき、保持器は周方向に半環状に形成された一対の分離片を組合せて環状に形成されるとともに、
延出部は各分離片の周方向において所定角度範囲にわたり1又は複数形成され、かつつば部は外輪の各分割片の周方向において所定角度範囲にわたり1又は複数形成することができる。これによれば、保持器と外輪とがともに、周方向に2分割されて形成されているので、例えば通常のカム軸やクランク軸などの軸方向から圧入等して取付場所に配置する一体軸受を用いることができない場合にも問題なく使用することができる。そして、保持器及び外輪を形成する各分離片及び分割片それぞれに延出部及びつば部が形成されているので、それぞれ独立して容易に組付けていくことができる。
さらに、ころ軸受の具体的な態様の第2として、
回転軸が組立式のカム軸であるとき、保持器は周方向に非分割で一体的に環状に形成されるとともに、
延出部は保持器の周方向において全周にわたり形成され、かつつば部は外輪の周方向において全周にわたり形成することができる。これによれば、保持器を周方向において非分割で一体的に形成されているので、予め保持器を組立式のカム軸の所定固定位置に配置することが可能となり、作業性が向上する。また、保持器には、延出部が両端部の全周に形成されているので、安定して位置決めすることができる。さらには、組付ける際にその延出部を視認することができ、簡単に外輪を配置することができる。
回転軸が組立式のカム軸であるとき、保持器は周方向に非分割で一体的に環状に形成されるとともに、
延出部は保持器の周方向において全周にわたり形成され、かつつば部は外輪の周方向において全周にわたり形成することができる。これによれば、保持器を周方向において非分割で一体的に形成されているので、予め保持器を組立式のカム軸の所定固定位置に配置することが可能となり、作業性が向上する。また、保持器には、延出部が両端部の全周に形成されているので、安定して位置決めすることができる。さらには、組付ける際にその延出部を視認することができ、簡単に外輪を配置することができる。
以下、本発明に係るころ軸受の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係るころ軸受の一例を示す側面図及び一部省略した分解斜視図、図2はころ軸受でカムシャフトを支承する状態を示す分解斜視図、図3はころ軸受の取付状態を示す縦断面図である。
図1に示すごとく、ころ軸受1は、周方向に2分割されて半筒状をなす一対の分割片2,3で形成される二分割外輪20(以下、外輪と略称する)と、その外輪20の内周面を軌道面とする複数のころ4と、それら複数のころ4を周方向に所定間隔で保持するとともに、周方向に分離されて半環状をなす一対の分離片5,6で形成される保持器50とを備えている。保持器50には、ラジアル方向の内外に貫通するポケット部Pが周方向に沿って等間隔で複数設けられ、この各ポット部P内にころ4がそれぞれ収容されている。
このような二つに分割されたころ軸受1は、例えば自動車等の車両のエンジン内部に配置されるカムシャフトやクランクシャフト等の回転軸を支承するために用いられる。すなわち、軸方向から圧入等して所定の取付場所に配置する一体軸受を用いることができない場合に用いられる。なお、ころ4は外輪20の内周面及び回転軸の外周面(例えば、カムジャーナル部62の外周面62a;図3参照)にそれぞれ形成された軌道面間で転動することになる。
具体的には、ころ軸受1は、図2に示すように、シリンダーヘッド100の固定部101及びその固定部101に対応するキャップ部102と、図示しない各気筒のバルブを開閉するカム61を複数備えるカムシャフト60のカムジャーナル部62との間に介装される。なお、カムシャフト60は、図示しないクランクシャフトからのタイミングベルトによるベルト伝動によって動力が伝達される。また、カム61は、軸O1方向から見て略卵形状に形成されている。
そして、ころ軸受1は、固定部101に設けられた半筒状を呈する凹部101aと、キャップ部102に設けられた半筒状を呈する凹部102aとが組合わさった状態でその内側に保持される。すなわち、一対の分割片2,3で構成される外輪20が固定部101及びキャップ部102に一体的に固定され、カムジャーナル部62(カムシャフト60)が内輪として相対回転可能に連結される。なお、固定部101にボルト103,103に対応する雌ねじ穴101h,101hが形成されており、キャップ部102に形成された挿通孔102h,102hを介してボルト103,103が締結される。
次に、図1及び図3を用いて、ころ軸受1について詳しく説明する。なお、図中上側の分割片及び分離片を外輪第1分割片2及び保持器第1分離片5、図中下側の分割片及び分離片を外輪第2分割片3及び保持器第2分離片6として説明する。
まず、保持器50は、上記の如く、周方向に半環状に形成された一対の分離片5,6を組合せて環状に形成されている。保持器第1分離片5には、そのアキシャル方向の両端部5a,5bにそれぞれラジアル方向外側に延びる延出部5fが形成されている。その延出部5fは、外輪20の側面よりもアキシャル方向外側に位置する形態で、周方向に沿って所定角度範囲にわたり1又は複数形成されている。一方、保持器第2分離片6にも同様に延出部6fが形成されている。
本実施例において、延出部5f,6fは第1及び第2分離片5,6にそれぞれ2つずつ、周方向の中間位置を基準として対称となるように設けられている。また、延出部5f,6fは、ラジアル方向外側に延出する先端部が外輪の外周面を越えないように延出されている。これにより、後述する外輪のつば部との干渉を回避することができる。そして、保持器50は、延出部5f,6fが外輪20を挟み込むことにより該外輪20を該延出部5f,6fで挟まれた領域内に保持することができる。
次に、外輪20は、上記の如く、周方向に2分割された一対の分割片2,3を組合せて円筒状に形成されている。外輪第1分割片2には、そのアキシャル方向の両側部(両側面)2a,2bにそれぞれラジアル方向外側に延びるつば部2fが形成されている。そのつば部2fは、固定部101及びキャップ部102の側面よりもアキシャル方向外側に位置するとともに、保持器50の延出部よりもアキシャル方向内側に位置する形態で、周方向にそって所定角度範囲にわたり1又は複数形成されている。一方、外輪第2分割片3にも同様につば部3fが形成されている。
本実施例において、つば部2f,3fは第1及び第2分割片2,3にそれぞれ2つずつ、周方向の中間位置を基準として対称となるように設けられている。これにより、外輪20は、つば部2f,3fが固定部101及びキャップ部102を挟み込むことによりそれら固定部101及びキャップ部102をつば部2f,3fで挟まれた領域内に保持することができる。
また、図1(a)に示すように、保持器50に設けられた延出部5f,6fと、外輪20に設けられたつば部2f,3fとは、ラジアル方向に並ぶように同じ個数、同じ角度範囲(幅)、並びに同じ間隔で形成されている。
なお、外輪20は、一方の分割片のつば部を省略することができる。例えば、図1(b)に示すように、外輪20は、アキシャル方向に対して湾曲又は折れ曲った非直線状の分割線となるように分割されて第1及び第2分割片2,3を形成することができる。このとき外輪20は、その分割面が組合さって円筒状に形成されるため、どちらか一方の分割片につば部を設けて位置決めするだけで、もう一方の分割片をアキシャル方向に対して固定(保持)することができる。
また、外輪及び保持器は、金属材を用いて形成されており、アキシャル方向に延びるつば部や延出部をラジアル方向外側に向かって折り曲げることにより形成することができる。なお、保持器は、樹脂材料などの高分子材料を用いて形成してもよい。その場合には、射出成形等により予めラジアル方向外側に向かって延びる延出部を一体的に形成することができる。
次に、図2及び3を用いて、ころ軸受1の取付方法について説明する。まず、シリンダーヘッド100の固定部101に外輪第2分割片3(外輪20)を装着し、その上に保持器第2分離片6(保持器50)を配置する。次いで、その保持器第2分離片6にカムジャーナル部62が位置するようにシリンダーヘッド100に対してカムシャフト60を配置する。そして、カムジャーナル部62を取り囲むように保持器第1分離片5(保持器50)を保持器第2分離片6に組合せ、次いで外輪第1分割片2(外輪20)を外輪第2分割片3に組合せる。最後に、外輪20(ころ軸受1及びカムジャーナル部62)を取り囲むようにキャップ部102を固定部101に装着し、ボルト103を締結する。これにより、カムシャフト60がころ軸受1を介して回転可能にシリンダーヘッド100に支承される。
このように、外輪にはつば部が、保持器には延出部がラジアル方向外側に向かって延びるように設けられているので、それぞれ簡単に所定の取付場所に組付けていくことができる。また、作動時のころ軸受のアキシャル方向における移動を規制することができる。
すなわち、各分割片(外輪)及び分離片(保持器)には、それぞれ個々に独立してアキシャル方向における位置決め機能が形成されているので、カムシャフト側に位置決めを依存しなくなり、カムシャフトを配置する前に直接シリンダーヘッド側の固定部に配置していくことができ、組付けが簡単である。したがって、カムシャフト側にころ軸受収納部(例えば、ころ軸受の両端部に対応するフランジなど)を設ける必要がなく、製造コストを抑えることができる。
なお、図3に示すように、外輪20の両側部に設けられるつば部2fの離間距離を固定部101やキャップ部102の幅に等しく設定し、外輪20をその固定部101やキャップ部102に相対的に圧入(嵌入)して一体的に固定することもできる。これにより、組付け性の向上がさらに期待できる。
本実施形態に係るころ軸受1は、図4に示されるように、回転軸としてクランクシャフト70を支承する際にも用いることができる。具体的には、シリンダーブロック104の固定部105及びその固定部105に対応するキャップ部106と、クランクシャフト70のクランクジャーナル71との間に介装される。なお、クランクシャフト70は、クランクピン72やカウンターウエイト73等を備えている。これにより、ころ軸受1は、上記説明したカムシャフト60を回転可能にシリンダーヘッド100に支承するのと同様に、クランクシャフト70においても回転可能にシリンダーブロック104に支承することができる。
次に、図5及び図6を用いて上記説明した実施形態に係るころ軸受の別の態様について説明する。なお、以下の説明では、上述した実施形態と異なる部分について主に述べ、重複する部分については同番号を付して説明を省略又は簡略化する。図5に示すように、別の態様として、ころ軸受1Aは、外輪21と、複数のころ4と、それら複数のころ4を周方向に所定間隔で保持するとともに、周方向に非分割で一体的に環状に形成される保持器51とを備えている。
保持器51には、そのアキシャル方向の両端部5a,5bにそれぞれラジアル方向外側に延びる延出部5gが形成されている。その延出部5gは、外輪20の側面よりもアキシャル方向外側に位置する形態で、周方向において全周(1つ)にわたり形成されている。
外輪21において、外輪第1分割片2には、そのアキシャル方向の両側部(両側面)2a,2bにそれぞれラジアル方向外側に延びるつば部2gが形成されている。そのつば部2gは、固定部101及びキャップ部102(図6参照)の側面よりもアキシャル方向外側に位置するとともに、保持器51の延出部よりもアキシャル方向内側に位置する形態で、周方向において全周(半周;1つ)にわたり形成されている。一方、外輪第2分割片3にも同様につば部3gが形成されている。
このような、周方向に一体的な保持器51を備えたころ軸受1Aは、例えばエンジン内部の回転軸として組立式のカムシャフトを支承する場合に有効である。図6に示すように、組立式カムシャフト60Aは、カムジャーナル部62を含むシャフト63にカム61Aを軸方向から所定位置まで圧入して形成される。
したがって、ころ軸受1Aを組立式カムシャフト60Aに取り付ける場合には、図6に示すように、まず、カム60Aを順次シャフト63に軸方向から圧入するとともに、各カム間のカムジャーナル部62に保持器51を軸方向から挿入して同じくシャフト63に配置する。すなわち、保持器51付きカムシャフト60Aを形成しておく。続いて、シリンダーヘッド100の固定部101に外輪第2分割片2(外輪20)を装着し、その上に保持器51が載るようにシリンダーヘッド100に組立式カムシャフト60Aを配置する。そして、保持器51を取り囲むように外輪第1分割片2(外輪20)を外輪第2分割片3に組合せる。最後に、外輪20を取り囲むよにキャップ部102を固定部101に装着し、ボルト103を締結する。これにより、組立式カムシャフト60Aがころ軸受1Aを介して回転可能にシリンダーヘッド100に支承される。
このように、保持器51が予め組立式カムシャフト60Aに巻きつけられているので、組立作業の工程を簡単にすることができる。また、保持器51及び外輪20には延出部及びつば部が設けられているので、一義的に位置決めが可能である。なお、この組立式カムシャフト60Aにおいても上記説明した周方向に分離した保持器50を用いてもよい。
なお、上記実施形態では、分割型の外輪を用いて説明したが、周方向に非分割で一体的な環状に形成される外輪を用いてもよい。この場合には、ころを保持した一体保持器と一体外輪とをアセンブリ状態にしてカムシャフトの軸方向からシャフトに挿入する。これにより、カムシャフト、ころ、保持器、外輪を一体として取り扱うことができ、一体のままシリンダーヘッドに組み込むことができる。
また、本発明において、上記実施例に限定されるものではなく、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることもできる。例えば、周方向において一体的に形成した保持器に対して、周方向において所定角度範囲において1又は複数の延出部を形成してもよく、逆に分割されたものに対して周方向において全周にわたり延出部を形成してもよい。その場合にも、アキシャル方向に対して位置決めが可能となり、組付け性が向上する。
1 ころ軸受
2 外輪第1分割片
3 外輪第2分割片
4 ころ
5 保持器第1分離片
6 保持器第2分離片
20,21 外輪
50,51 保持器
60 カムシャフト(カム軸)
60A 組立式カムシャフト
70 クランクシャフト(クランク軸)
2 外輪第1分割片
3 外輪第2分割片
4 ころ
5 保持器第1分離片
6 保持器第2分離片
20,21 外輪
50,51 保持器
60 カムシャフト(カム軸)
60A 組立式カムシャフト
70 クランクシャフト(クランク軸)
Claims (4)
- エンジン内部に配置される回転軸を支承するために、円筒状に形成された外輪と、その外輪の内周面及び前記回転軸の外周面にそれぞれ形成された軌道面で転動する複数のころと、それら複数のころを周方向に所定間隔で保持する環状に形成された保持器とを備えるころ軸受であって、
前記保持器には、そのアキシャル方向の両端部にそれぞれラジアル方向外側に延びる延出部が、前記外輪の側面よりもアキシャル方向外側に位置する形態で、周方向に沿って1又は複数形成され、
前記保持器は、前記延出部が前記外輪を挟み込むことにより該外輪を該延出部で挟まれた領域内に保持することを特徴とするころ軸受。 - 前記外輪には、その両側面からそれぞれラジアル方向外側に延びるつば部が、前記保持器の延出部よりもアキシャル方向内側に位置する形態で、周方向に沿って1又は複数形成されている請求項1に記載のころ軸受。
- 前記回転軸がカム軸又はクランク軸であるとき、前記保持器は周方向に半環状に形成された一対の分離片を組合せて環状に形成されるとともに、
前記延出部は各分離片の周方向において所定角度範囲にわたり1又は複数形成され、かつ前記つば部は前記外輪の各分割片の周方向において所定角度範囲にわたり1又は複数形成されている請求項1又は2に記載のころ軸受。 - 前記回転軸が組立式のカム軸であるとき、前記保持器は周方向に非分割で一体的に環状に形成されるとともに、
前記延出部は前記保持器の周方向において全周にわたり形成され、かつ前記つば部は前記外輪の周方向において全周にわたり形成されている請求項1又は2に記載のころ軸受。
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2007
- 2007-03-20 JP JP2007073334A patent/JP2008232279A/ja active Pending
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