JP2009057441A - インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パール顔料と、単体での明度として50以上のL値を示す赤外線吸収顔料とを含有するインキ組成物を提供する。好ましくは、L値が50〜85の範囲内にある赤外線吸収顔料、例えばアンチモンドープ酸化錫をパール顔料と混合する。樹脂(ビヒクル)との混合においては、樹脂に対して赤外線吸収顔料が質量比1:0.03〜1:0.30の範囲内で混合されるとともに、樹脂に対してパール顔料が質量比1:N(N≧0.05)の範囲内で混合されており、かつ、樹脂の質量1に対してパール顔料と赤外線吸収顔料とを合わせた質量が0.40以下であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
(1)樹 脂:ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・100(g)
(2)溶 剤:メチルエチルケトン、トルエンの1:1混合物・・・100(g)
(3)赤外線吸収顔料:アンチモンドープ酸化錫・・・・・・・・・・・・・ 3(g)
(4)パ ー ル 顔 料:Iriodin 221(メルク株式会社製)・・・ 5(g)
(1)樹 脂:ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・100(g)
(2)溶 剤:メチルエチルケトン、トルエンの1:1混合物・・・100(g)
(3)赤外線吸収顔料:アンチモンドープ酸化錫・・・・・・・・・・・・・ 10(g)
(4)パ ー ル 顔 料:Iriodin 221(メルク株式会社製)・・・ 20(g)
(1)樹 脂:ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・100(g)
(2)溶 剤:メチルエチルケトン、トルエンの1:1混合物・・・100(g)
(3)赤外線吸収顔料:アンチモンドープ酸化錫・・・・・・・・・・・・・ 30(g)
(4)パ ー ル 顔 料:Iriodin 221(メルク株式会社製)・・・ 10(g)
(1)樹 脂:ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・100(g)
(2)溶 剤:メチルエチルケトン、トルエンの1:1混合物・・・100(g)
(3)赤外線吸収顔料:アンチモンドープ酸化錫・・・・・・・・・・・・・ 3(g)
(4)パ ー ル 顔 料:Iriodin 221(メルク株式会社製)・・・ 37(g)
以上の実施例1〜4について、樹脂:溶剤:赤外線吸収顔料:パール顔料の混合比率(質量比率)を以下に示す。
実施例2の混合比率=1:1:0.10:0.20
実施例3の混合比率=1:1:0.30:0.10
実施例4の混合比率=1:1:0.03:0.37
各実施例1〜4のインキ組成物を用いて実際に印刷を行い、それぞれ以下の(A)〜(D)4つの観点から評価を行った。
出来上がった印刷物(又は使用するインキそのもの)を可視光の下で肉眼観察し、インキ色のくすみについて評価(官能評価)した。目視でインキ色にくすみがないと認められる場合、評価結果を「良好」とし、インキ色にくすみがあると認められる場合、評価結果を「不良」とした。
出来上がった印刷物を赤外線観測機器で観測し、赤外線環境下での視認性を評価(官能評価)した。ここでの評価は、赤外線吸収顔料と赤外線反射顔料との明度差(色分け)を利用して行う。すなわち、赤外線環境下では、赤外線吸収顔料を含むインキは黒く見え、赤外線反射顔料を含むインキは白く見えることから、これらの明度差を利用して判定を行うことができる。このため印刷物には、各実施例1〜4のインキ組成物とともに、赤外線反射顔料を含むインキを用いて印刷を行う。そして、観測機器による判定で両者の明度差を良好に確認できる場合、評価結果を「良好」とし、明度差を確認しにくい場合、評価結果を「不良」とした。
出来上がった印刷物を可視光の下で肉眼観察し、パール顔料による干渉光の視認性を評価(官能評価)した。パールによる2色性や光輝性が目視で確認できる場合、評価結果を「良好」とし、干渉光を目視で確認しにくい場合、評価結果を「不良」とした。
出来上がった印刷物を可視光の下で肉眼観察し、下地の透過性を評価(官能評価)した。インキを透過して下地が目視で確認できる場合、評価結果を「良好」とし、下地を目視で確認しにくい場合、評価結果を「不良」とした。
(1)実施例1〜4はいずれも、4つの評価項目(A)〜(D)の全てについて「良好」との評価結果を得ることができた。
樹脂1に対して赤外線吸収顔料の質量比率を0.03未満にすると、赤外線吸収性が低下して(B)赤外線による視認性の評価結果が「不良」となった。なお、その他の評価項目は実施例1〜4と同じであるか、もしくは評価そのものを行っていない。
樹脂1に対して赤外線吸収顔料の質量比率が0.30を超過すると、インキ自体にくすみが発生し、(A)可視光による視認性、及び(D)透過性の評価結果が「不良」となった。なお、その他の評価項目は実施例1〜4と同じであるか、もしくは評価そのものを行っていない。
樹脂1に対してパール顔料の質量比率を0.05未満にすると、パール効果が低下して(C)パール効果の評価結果が「不良」となった。なお、その他の評価項目は実施例1〜4と同じであるか、もしくは評価そのものを行っていない。
以上の実施例1〜4と比較例1〜3の対比から、以下の質量比率の範囲を最適とする。
樹脂 : 溶剤 : 赤外線吸収顔料 : パール顔料
= 1 : 1 : 0.03 : N1 〜
1 : 1 : 0.30 : N2
なお、上記の範囲においては、樹脂1に対してパール顔料と赤外線吸収顔料とを合わせた質量比率が0.40を超えないことが条件である(ただし、N1≧0.05,N2≧0.05)。
実施例2のインキ組成物に対し、さらに着色剤を0.1g(質量比率0.001)添加した。
実施例2のインキ組成物に対し、さらに着色剤を1g(質量比率0.01)添加した。
各実施例5,6のインキ組成物を用いて実際に印刷を行い、それぞれ以下の(E)〜(G)3つの観点から評価を行った。
出来上がった印刷物を可視光の下で肉眼観察し、パール顔料による2色性を評価(官能評価)した。パールによる2色性が実施例2よりも高いと認められる場合、評価結果を「向上した」と判断した。
出来上がった印刷物を可視光の下で肉眼観察し、パール顔料による光輝性を評価(官能評価)した。パールによる光輝性が実施例2よりも高いと認められる場合、評価結果を「向上した」と判断した。
出来上がった印刷物を可視光の下で肉眼観察し、インキの色味を評価(官能評価)した。インキの色味が実施例2と同等と認められる場合、評価結果を「良好」とし、実施例2よりも色がくすんで見える場合、評価結果を「不良」とした。
(1)実施例5,6はいずれも、評価項目(E),(F)について「向上した」との評価結果を得ることができ、また評価項目(G)について「良好」との評価結果を得ることができた。
樹脂1に対して着色剤の質量比率を0.001未満にすると、インキ色としての不良は生じないが、2色性、光輝性ともにパール効果に向上は認められなかった。
樹脂1に対して着色剤の質量比率が0.01を超過すると、パール顔料の2色性や光輝性は向上するものの、インキ自体にくすみが発生し、(G)インキ色の評価結果が「不良」となった。
以上の実施例5,6と比較例5,6の対比から、以下の質量比率の範囲を最適とする。
樹脂 : 溶剤 : 赤外線吸収顔料 : パール顔料 : 着色剤
= 1 : 1 : 0.03 : N1 : 0.001 〜
1 : 1 : 0.30 : N2 : 0.01
なお、樹脂1に対して、パール顔料と赤外線吸収顔料とを合わせた質量比率が0.40を超えない条件は上記と同様である(ただし、N1≧0.05,N2≧0.05)。
次に、上記実施例1〜6で用いた赤外線吸収顔料(アンチモンドープ酸化錫)の明度について検証する。ここでは、明度としてL値を用いる。L値は、0〜100で表現される値であり、明度が低いほど値は小さくなり、反対に明度が高いほど値は大きくなる。黒色の顔料について明度を測定した場合、そのL値は理論上0になる(限りなく0に近い)はずである。しかし、実際には顔料をインキ化し、媒体に印刷して明度測定を行うため、基材や樹脂等の色相の影響を受ける結果、L値は理論値に一致しないことがある。
(1)先ず、樹脂1に対して赤外線吸収顔料を0.30の質量比率で混合したインキを製作した。以下に、その具体例を示す。
樹 脂:ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・100(g)
溶 剤:メチルエチルケトン、トルエンの1:1混合物・・・100(g)
赤外線吸収顔料:アンチモンドープ酸化錫・・・・・・・・・・・・・・30(g)
(4)測定の結果、アンチモンドープ酸化錫のL値として68±5が得られた。
本発明の発明者等は、赤外線吸収顔料の明度としてL値の適正範囲を選定するにあたり、アンチモンドープ酸化錫との比較対象として、カーボンブラック、酸化錫についてもそれぞれ同様にL値の測定を行った。その結果は以下の通りである。
酸 化 錫:91±5
L値が50未満の顔料を用いた場合、暗すぎてインキがくすんで見えてしまい、上記(A)可視光による視認性の評価結果が「不良」となった。
L値が85を超える顔料を用いた場合、明るすぎてパール効果が向上せず、上記(C)パール効果の評価結果が「不良」となった。
以上の測定結果から、本発明で使用する赤外線吸収顔料の明度は、50〜85の範囲のL値を適正とする。特に本発明の発明者等は、上記範囲内においてL値60〜80の赤外線吸収顔料の使用を最適としている。
Claims (4)
- パール顔料と、単体での明度として50以上のL値を示す赤外線吸収顔料とを含有することを特徴とするインキ組成物。
- 請求項1に記載のインキ組成物において、
樹脂に対して赤外線吸収顔料が質量比1:0.03〜1:0.30の範囲内で混合されるとともに、前記樹脂に対してパール顔料が質量比1:N(N≧0.05)の範囲内で混合されており、かつ、前記樹脂の質量を1としたとき、前記パール顔料と前記赤外線吸収顔料とを合わせた質量は0.40以下であることを特徴とするインキ組成物。 - 請求項2に記載のインキ組成物において、
前記樹脂に対して、質量比1:0.001〜1:0.01の範囲内で着色剤がさらに混合されていることを特徴とするインキ組成物。 - 請求項1から3のいずれかに記載のインキ組成物において、
前記赤外線吸収顔料としてアンチモンドープ酸化錫を含むことを特徴とするインキ組成物。
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