JP2009056712A - 感熱転写インクシート、インクカートリッジ、感熱転写インクシートの染料層用塗布組成物および感熱転写記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に熱移行性染料が樹脂バインダー中に含有されてなる染料層を設けた感熱転写インクシートにおいて、該染料層に下記一般式[1]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールと、下記一般式[2]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールとを少なくとも各1種ずつ含有させる。
(R1は置換直鎖アルキル基、置換分岐アルキル基、または置換もしくは無置換の環状基;R2は水素原子、置換もしくは無置換の直鎖アルキル基、置換もしくは無置換の分岐アルキル基、または置換もしくは無置換の環状基;R3は炭素原子数2〜50の直鎖炭化水素基または炭素原子数2〜50の分岐炭化水素基;R4は水素原子、炭素原子数1〜8の直鎖炭化水素基または炭素原子数1〜8の分岐炭化水素基を表す。)
【選択図】なし
Description
感熱転写記録には、ベースフィルム(支持体)上に熱溶融性インク層を形成させた感熱転写材料をサーマルヘッドにより加熱し該インクを溶融して受像材料上に記録する方式と、ベースフィルム上に熱移行性染料を含有する染料供与層を形成させた感熱転写材料を熱ヘッドにより加熱して染料を受像材料上に熱拡散転写させる方式とがある。後者の感熱転写方式は、サーマルヘッドに加えるエネルギーを変えることにより染料の転写量を変化させることができるために階調記録が容易であり、高画質のフルカラー記録には特に有利である。
(1)支持体上に熱移行性染料が樹脂バインダー中に含有されてなる染料層を設けた感熱転写インクシートにおいて、該染料層に少なくとも1種の下記一般式[1]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールと、少なくとも1種の下記一般式[2]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールとを含有することを特徴とする感熱転写インクシート。
(2)前記一般式[2]におけるR3およびR4のいずれか一方が、炭素原子数3〜20の直鎖炭化水素基または炭素原子数3〜20の分岐炭化水素基であることを特徴とする(1)に記載の感熱転写インクシート。
(3)前記一般式[2]におけるR3およびR4のいずれか一方が炭素原子数3〜8の直鎖炭化水素基または炭素原子数3〜8の分岐炭化水素基であることを特徴とする(1)に記載の感熱転写インクシート。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写インクシートが充填されていることを特徴とするインクカートリッジ。
(5)支持体上にポリマーラテックスを含有するインク受容層を有する受像シート上に(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
(6)熱移行性染料、少なくとも1種の下記一般式[1]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタール、および少なくとも1種の下記一般式[2]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールとを含有することを特徴とする感熱転写インクシートの染料層用塗布組成物。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
最初に、本発明の感熱転写インクシートに用いられるポリビニルアセタール(以下、本発明のポリビニルアセタールという)について説明する。なお、本発明では、ポリビニルアセタールのアセタールは、狭義のアセタールだけでなく、ケタールも包含するものである。
本発明のポリビニルアセタールの少なくとも1種は下記一般式[1]で表されるアルデヒドおよび/またはケトンで修飾されてなる。ここで、上記のように、本発明のポリビニルアセタールは、一般式[1]で表されるケトンで修飾されてなるいわゆるケタールも包含するものである。
脂肪族炭素環基としては、シクロアルキル基やシクロアルケニル基等の脂肪族炭素単環基、ビシクロ環やトリシクロ環のように環内に架橋を有する架橋環基、他の環で縮環している縮合環基が挙げられる。架橋環基の架橋環としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン環、アダマンタン環が好ましい。縮合環基としては、脂環(好ましくは5または6員の飽和もしくは不飽和の脂環)同士が縮合したもの、脂環と芳香環(好ましくはフェニル環)および/またはヘテロ環(好ましくは環構成原子として酸素原子、窒素原子、硫黄原子を少なくとも1個有する5または6員のヘテロ環)とが縮合したものが好ましく、シクロヘキサン環と、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、ピペリジン環、ベンゼン環とが縮合したものが好ましい。脂肪族炭素環基のなかでは、単環の脂肪族炭素単環基よりも、脂環式の架橋環基もしくは縮合環基がより好ましく、炭素原子数10〜30の脂環式の架橋環基もしくは縮合環基がさらに好ましく、炭素原子数10〜20の架橋環基もしくは縮合環基が特に好ましい。
アリール基としては、フェニル基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
ヘテロ環基には、芳香族ヘテロ環基、芳香族でない不飽和ヘテロ環基、飽和ヘテロ環基が含まれ、なかでも芳香族ヘテロ環基が好ましい。
R1およびR2がとりうる環状基として好ましくは脂肪族炭素環基、アリール基またはヘテロ環基であり、より好ましくはアリール基であり、さらに好ましくは置換基を有してもよいフェニル基である。R1およびR2がとりうる環状基として、特に好ましいのは置換もしくは無置換のフェニル基である。
上記置換基のうちアルキル部分を有するものは、アルキル部分の炭素原子数が1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。上記置換基のうちアリール部分を有するものは、アリール部分の炭素原子数が6〜30であることが好ましく、6〜20であることがより好ましく、6〜10であることがさらに好ましい。上記置換基のうちヘテロ環を有するものは、ヘテロ環の炭素原子数が4〜30であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、5〜10であることがさらに好ましい。アルケニル基とアルキニル基は炭素原子数が2〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜10であることがさらに好ましい。シクロアルキル基とシクロアルケニル基は炭素原子数が5〜30であることが好ましく、5〜20であることがより好ましく、6〜10であることがさらに好ましい。
一般式[1]で表される化合物は必要に応じて2種類以上組み合わせて使用してもよい。
ここで、質量平均分子量および分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量である。
アセタール化に用いられる酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。また、触媒の使用量は、反応に用いられるアルデヒドおよび/またはケトン1モルに対して0.005〜0.2モルが好ましい。
アセタール化の反応温度は、通常20℃〜100℃程度であり、40℃〜90℃が好ましい。
次に、一般式[2]で表されるアルデヒドおよび/またはケトンで修飾されてなる本発明のポリビニルアセタールについて説明する。前述のように、該ポリビニルアセタールは、一般式[2]で表されるケトンで修飾されてなるいわゆるケタールも包含するものである。
一般式[2]において、R3は、炭素原子数3〜20の直鎖炭化水素基または分岐炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数3〜8の直鎖炭化水素基または分岐炭化水素基であることがより好ましく、炭素原子数3〜4の炭化水素基であることがさらに好ましい。
R4は、炭素原子数1〜5の直鎖炭化水素基または分岐炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1〜3の直鎖炭化水素基または分岐炭化水素基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
R3およびR4がとりうる直鎖炭化水素基、分岐炭化水素基のうちでは、直鎖炭化水素基が好ましく、なかでもアルキル基が好ましい。
一般式[2]で表される化合物は必要に応じて2種類以上組み合わせて使用してもよい。
ここで、質量平均分子量および分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量である。
アセタール化に用いられる酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。また、触媒の使用量は、反応に用いられるアルデヒドおよび/またはケトン1モルに対して0.005〜0.2モルが好ましい。
アセタール化の反応温度は、通常20℃〜100℃程度であり、40℃〜90℃が好ましい。
(構成)
本発明の感熱転写インクシートは、少なくとも1種の一般式[1]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールと少なくとも1種の一般式[2]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールを含有するものである。感熱転写インクシートは、一般に支持体上に染料層が形成された構造を有しており、その染料層に一般式[1]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールと一般式[2]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールと熱移行性染料を含有させる。
本発明の感熱転写インクシートの支持体には、インクシート用支持体として従来から用いられているものを適宜選択して用いることができる。例えば特開平7−137466号公報の段落番号0050に記載される材料を好ましく用いることができる。支持体の厚みは、2〜30μmが好ましい。
本発明の上記染料層に用いる染料は、どのような染料でも構わないが、少なくとも熱移行性を示す染料であることが必要である。本発明で使用することができる染料としては、代表的には、シアン染料、マゼンタ染料、イエロー染料、黒染料、赤外染料、紫外染料が挙げられ、目的に応じて、さらには色相を調節するために、これらを単独若しくは併用しても構わない。
シアン染料としては、例えば、特開平3−103477号公報や特開平3−150194号公報などに記載されたものを好ましく用いることができる。マゼンタ染料としては、例えば、特開平5−286268号公報などに記載されたものを好ましく用いることができる。イエロー染料としては、例えば、特開平1−225592公報などに記載されたものを好ましく用いることができる。
染料層中における染料の含有量は、0.03〜1.0g/m2が好ましく、0.1〜0.6g/m2がより好ましい。また、染料層の厚みは、0.2〜5μmが好ましく、0.4〜2μmがより好ましい。
加えて、保護層転写層が面順次塗設されたものが好ましい。
本発明の感熱転写インクシートは、インクカートリッジに装填することができる。インクカートリッジの構造や装填方法については、従来から感熱転写記録の分野で採用されているものを本発明でも用いることができる。具体的には、具体的には、実開昭63−161851号公報、実開昭63−161851号公報、実開平1−101864号公報などに記載されるインクカートリッジの技術を本発明にも適用することができ、特に実開平1−101864号公報に記載されたものがより好ましい。
本発明の感熱転写インクシートを用いて感熱転写記録を行う際には、サーマルヘッド等の加熱手段と受像シートを組み合わせて用いる。すなわち、画像記録信号に従ってサーマルヘッドから熱エネルギーがインクシートに加えられ、該熱エネルギーが加えられた部分の染料が受像シートに移行し固定されることによって画像記録がなされる。
次に、本発明のインクシートと組み合わせて用いられる受像シートについて説明する。
次に、本発明の感熱転写インクシートと組み合わせて用いられる感熱転写受像シートについて説明する。
感熱転写受像シートは、支持体上に染料受容層(受容層)が形成されている構造を有する。受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。また、下地層と支持体との間には断熱層が形成されていることが好ましい。支持体と受容層との間にある各層を単に「中間層」といい、上述の下地層や断熱層が含まれる。感熱転写受像シートは、少なくとも1層の受容層および少なくとも1層の中間層を含有する。支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。そのため受容層には染着しやすい樹脂(染着性受容ポリマー)が用いられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、およびその共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリサルフォン、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、スチレンアクリル共重合体、アイオノマー、セルロース樹脂、天然ゴム、合成ゴム等の単体または混合物を用いることができるがこれらに限定されない。受容層に用いられる受容ポリマーはラテックス化されていることが好ましい。
受容層に用いることができるポリマーラテックスについて説明する。感熱転写受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)、三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64−538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒子サイズは1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
(a) 共役ジエン類:1,3−ペンタジエン、イソプレン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b) オレフィン類:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等。
(e) 不飽和ニトリル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(f) スチレンおよびその誘導体:スチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(g) ビニルエーテル類:メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等。
(h) ビニルエステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビニル等。
(i) α,β−不飽和カルボン酸およびその塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等。
(j) その他の重合性単量体:N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
(AP−1の合成)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、ポリビニルアルコール(PVA110、クラレ(株)製)20g、塩化メチレン400g、塩酸2.0g、およびA−1 93gを加え40℃で40時間加熱して反応を完結させた。次に、反応液をメタノール中に再沈殿させて反応生成物を得た。質量平均分子量は1.5×106であった。
AP−2〜AP−30に関しても、上記AP−1の合成と同様に合成を行った。
BP−1〜BP−15に関しても、上記AP−1の合成と同様に合成を行った。
(インクシートの作製)
(1)試料101(本発明)の作製
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を支持体として用いた。支持体の背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
イエローインク
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
重合体AP−1 2.2質量部
重合体BP−1 2.2質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタインク
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
重合体AP−1 2.2質量部
重合体BP−1 2.2質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアンインク
シアン染料(ディスパーズレッド63) 5.5質量部
重合体AP−1 2.2質量部
重合体BP−1 2.2質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を支持体として用いた。支持体の背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
イエローインク
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
重合体AP−1 3.3質量部
重合体BP−1 1.1質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタインク
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
重合体AP−1 3.3質量部
重合体BP−1 1.1質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアンインク
シアン染料(ディスパーズレッド63) 5.5質量部
重合体AP−1 3.3質量部
重合体BP−1 1.1質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
上記例示化合物AP−1をAP−13に、BP−1をBP−5に変えた以外は試料101の作製と同様にして、本発明の試料103を作製した。
上記例示化合物AP−1をAP−26に、BP−1をBP−9に変えた以外は試料101の作製と同様にして、本発明の試料104を作製した。
上記例示化合物AP−1をAP−30に、BP−1をBP−15に変えた以外は試料101の作製と同様にして、本発明の試料105を作製した。
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を支持体として用いた。支持体の背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
イエローインク
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
ポリビニルブチラール 4.4質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタインク
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
ポリビニルブチラール 4.4質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアンインク
シアン染料(ディスパーズレッド63) 5.5質量部
ポリビニルブチラール 4.4質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
特許第3263138号公報に記載の実施例2のインクシートを作製した。
特開平7−32742号公報に記載の実施例10のインクシートを作製した。
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。さらに下記組成の中間層用塗布組成物Aをバーコーターにより塗布し乾燥した後、引き続いて下記組成の受容層用塗布組成物Aをバーコーターにより塗布し乾燥させた。バーコーター塗布は40℃で行い、乾燥は各層50℃で16時間行った。それぞれの乾燥時の塗布量は、中間層Aが1.0g/m2、受容層Aが2.5g/m2となるように塗布を行って、受像シート1を作製した。
中間層用塗布組成物A
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡積(株)製) 15質量部
蛍光増白剤(Uvitex OB、商品名、チバガイギー社製) 1質量部
酸化チタン 30質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
受容層用塗布組成物A
ポリエステル樹脂 95質量部
(特開平2−265789号公報の実施例1に記載の樹脂)
アミノ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)社製、商品名、X−22−3050C)
エポキシ変性シリコーン
(信越化学工業(株)社製、商品名、X−22−300E) 5質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400質量部
上記の各インクシートを使用し、上記受像シート1に、富士フイルム(株)製プリンターASK2000(商品名)に装填可能なように加工し、高速プリントモードで最高濃度を得られる設定で黒色ベタの画像を出力した。
(1)相対転写濃度評価
上記の条件で得られた黒画像のVisual濃度をPhotographic Densitometer(X-Rite incorporated社製)で測定した。試料106の転写濃度を100としたときの相対値を下記表1に示した。
インク融着性は、画像のDmaxが得られる印画部分で融着状態を以下の基準で判断し、結果を表1に示した。
評価ランク
5:受像シートがインクシートからスムーズに剥がれ、受像シートにインクの
融着(張り付き)が全く認められない。
4:融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が1%以下で
あった。
3:融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が1%を超え、
10%以下であった。
2:融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が10%を超
え、20%以下であった。
1:融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が20%を超
えた。
感熱転写用インクシートと受像シートをそれぞれ染料層と受像層が接触するように重ねあわせ、感熱転写用インクシートの表面温度が75℃になるように熱ロールラミネーターに通した後、染着層に移行した染料の濃度をPhotographic Densitometer(X-Rite incorporated社製)で測定し、試験前後の濃度の変化率(ΔD)を算出した。結果を表1に示した。
上記の画像形成と同様に、ASK2000プリンターで、QL値がRGB255〜0のグレーグラディエーション画像を出力した。試料106のインクシートで出力したサンプルにおいて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の濃度がそれぞれ0.20となるQL値を基準と定め、同じQL値での各実施例サンプルのC、M、Y濃度を測定した上でC、M、Yの3色の濃度平均値で足階調の評価を行った。濃度の測定は、上記の相対転写濃度評価と同様にPhotographic Densitometer(X-Rite incorporated社製)で行なった。結果を表1に示した。
本発明の試料101〜105はいずれも相対転写濃度が高く、インクの融着がなく、地汚れが抑えられ、足階調部分の濃度が低くて良化していることがわかった。このように本発明の樹脂バインダーを使用することにより高感度で面状欠陥のない感熱転写インクシートを得ることができた。
受像シート1を下記受像シート2に代えたこと以外は実施例1と同様にして試料を作製し、評価した。
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、下記組成の中間層用塗布組成物B、受容層用塗布組成物Bを支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに50℃16時間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量は、中間層Bが1.0g/m2、受容層Bが2.5g/m2となるように塗布を行って、受像シート2を作製した。
中間層用塗布組成物B
中空ポリマーラテックス 561質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
(外径0.5μmの中空構造ポリマーの水分散体)
ゼラチン 120質量部
受容層用塗布組成物B
重合体P−7 50質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤ポリマーラテックス 15質量部
(ULS1700、商品名、一方社油脂工業(株)製)
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
実施例1の各インクシートを使用し、上記受像シート2を用いて、実施例1と同じ方法で画像形成を行い、実施例1と同じ方法で評価した。結果を表2に示す。
Claims (6)
- 支持体上に熱移行性染料が樹脂バインダー中に含有されてなる染料層を設けた感熱転写インクシートにおいて、該染料層に少なくとも1種の下記一般式[1]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールと、少なくとも1種の下記一般式[2]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールとを含有することを特徴とする感熱転写インクシート。
- 前記一般式[2]におけるR3およびR4のいずれか一方が、炭素原子数3〜20の直鎖炭化水素基または炭素原子数3〜20の分岐炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写インクシート。
- 前記一般式[2]におけるR3およびR4のいずれか一方が、炭素原子数3〜8の直鎖炭化水素基または炭素原子数3〜8の分岐炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写インクシート。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写インクシートが充填されていることを特徴とするインクカートリッジ。
- 支持体上にポリマーラテックスを含有するインク受容層を有する受像シート上に請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
- 熱移行性染料、少なくとも1種の下記一般式[1]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタール、および少なくとも1種の下記一般式[2]で表される化合物で修飾されたポリビニルアセタールを含有することを特徴とする感熱転写インクシートの染料層用塗布組成物。
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