JP2008087238A - 感熱転写インクシートの染料層形成用塗布組成物、感熱転写インクシート、インクカートリッジ、および感熱転写記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、特定の構造を有するポリマーを含有することを特徴とする感熱転写インクシートの染料層形成用塗布組成物、感熱転写インクシート、インクカートリッジ、および感熱転写記録方法に関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。
そのうち感熱転写記録には、支持体であるベースフィルム上に熱溶融性染料層を形成させた感熱転写インクシートをサーマルヘッドにより加熱し該染料を溶融して受像シート上に記録する方式と、ベースフィルム上に熱移行性染料を含有する染料層を形成させた感熱転写インクシートをサーマルヘッドにより加熱して染料を受像シート上に熱拡散転写させる方式とがある。
後者の熱拡散転写記録方式では、感熱転写インクシートと受像シートとを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の染料を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。このとき、サーマルヘッドの発熱量を変えることにより染料の転写量を変化させることができるため、熱拡散転写記録方式は、階調記録が容易であり、高画質のフルカラー記録には特に有利である。
インクシートにおいて染料を保持する役割を果たす樹脂バインダー(インクシートポリマー)としては、従来ポリエステル樹脂が用いられてきた。これに対して、特許文献1には、高濃度の発色画像を形成するために、エチルセルロースやエチルヒドロキシエチルセルロースなどの特定の樹脂バインダーと特定の相溶化剤とを組み合わせて用いることが記載されている。また、特許文献2には、高濃度の発色画像を形成するために、塩化ビニル樹脂かポリカーボネート樹脂を(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーと組み合わせて用いることが記載されている。
特許第3207518号公報
特開平7−25158号公報
しかしながら、近年、プリント速度の高速化が著しく進んでおり、これらの特許文献に記載される樹脂では転写の高速化に対応しつつ、かつ高転写感度の写真性能を両立することは困難となってきている。
本発明は、高速転写を行った場合であっても高感度で欠陥のない画像を形成することができる感熱転写インクシート、インクカートリッジ、感熱転写記録方法、ならびにこのための感熱転写インクシート製造用塗布組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下の構成によって上記課題が解決されることを見出した。
(1) 熱移行性染料と、下記一般式[1]で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を含むポリマーとを含有することを特徴とする、感熱転写インクシートの染料層形成用塗布組成物。
一般式[1]
一般式[1]
(2) 前記一般式[1]で表されるモノマーが、下記一般式[2]で表されるモノマーであることを特徴とする(1)に記載の塗布組成物。
一般式[2]
一般式[2]
(3) 前記一般式[1]で表されるモノマーが、下記一般式[3]で表されるモノマーであることを特徴とする(1)に記載の塗布組成物。
一般式[3]
一般式[3]
(4) 支持体上に熱移行性染料が樹脂バインダー中に含有されてなる染料層を有する感熱転写インクシートにおいて、前記の染料層が(1)〜(3)のいずれか1項に記載の塗布組成物の固形分を含有することを特徴とする感熱転写インクシート。
(5) (4)に記載の感熱転写インクシートが充填されていることを特徴とするインクカートリッジ。
(6) 支持体上にポリマーラテックスを含有するインク受容層を有する受像シート上に(4)に記載の感熱転写インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
本発明により、高感度で画像欠陥のない感熱転写インクシート、インクカートリッジ、感熱転写記録方法、ならびにこれらを製造する際に用いられる染料層形成用塗布組成物が提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
<染料層形成用塗布組成物>
(特徴)
本発明の染料層形成用塗布組成物は、感熱転写インクシートの染料層を形成するために用いられるものである。感熱転写インクシートは、支持体上に、樹脂バインダー中に熱移行性染料を含有する染料層を備えた構造を少なくとも有している。本発明の塗布組成物は、樹脂バインダーとして特に下記一般式[1]で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を含むポリマーを選択し、それを熱移行性染料と組み合わせて含有することを特徴とするものである。
(特徴)
本発明の染料層形成用塗布組成物は、感熱転写インクシートの染料層を形成するために用いられるものである。感熱転写インクシートは、支持体上に、樹脂バインダー中に熱移行性染料を含有する染料層を備えた構造を少なくとも有している。本発明の塗布組成物は、樹脂バインダーとして特に下記一般式[1]で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を含むポリマーを選択し、それを熱移行性染料と組み合わせて含有することを特徴とするものである。
(一般式[1]で表されるモノマー)
まず、下記一般式[1]で表されるモノマーについて説明する。
一般式[1]
まず、下記一般式[1]で表されるモノマーについて説明する。
一般式[1]
一般式[1]において、R1は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、水素原子、メチル基が好ましい。L1は2価の連結基を表し、酸素原子、イオウ原子、窒素原子または芳香族環を含む2価の連結基が好ましい。
L1は、−C(=O)−L3−を含む2価の基がより好ましい。ここでL3は後述する一般式[3]におけるものと同義であり、好ましい範囲も同じである。
L1は、−C(=O)−L3−を含む2価の基がより好ましい。ここでL3は後述する一般式[3]におけるものと同義であり、好ましい範囲も同じである。
本発明で用いられる一般式[1]で表されるモノマーは、下記一般式[2]で表されるモノマーであることがより好ましい。
一般式[2]
一般式[2]
一般式[2]において、R2は一般式[1]におけるR1と同義であり、好ましい範囲も同じである。
L2は酸素原子、窒素原子、イオウ原子のいずれかを含む2価の連結基を表し、−COO−、−COS−、−CON(R)−が好ましい。nは1〜18の整数を表し、1〜8が好ましい。
L2は酸素原子、窒素原子、イオウ原子のいずれかを含む2価の連結基を表し、−COO−、−COS−、−CON(R)−が好ましい。nは1〜18の整数を表し、1〜8が好ましい。
Xは塩素原子または塩素原子が置換した置換基を表し、該置換基としてはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、イミド基、ウレイド基、ウレタン基、スルホニル基、スルフィニル基などが挙げられる。これらの置換基のうち、炭素原子と水素原子からなる基もしくはこれに加えて酸素原子からなる基が好ましい。特に好ましくは、炭素原子と水素原子からなる基である。本発明においてはこれらの置換基に少なくとも1個の塩素原子が置換していることを必須としている。ここで、塩素原子の数は制限されるものではないが1〜3が好ましい。
Rは水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。Rは水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、該アルキル基の炭素数は1〜4がさらに好ましい。ここで、Rにおけるアルキル基またはシクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、ホルミル基、カルバモイル基、スルファモイル基、イミド基、ウレイド基、ウレタン基、スルホニル基、スルフィニル基などが挙げられる。このうち、ハロゲン原子(特に塩素原子)が好ましい。Rは置換基を有さないアルキル基もしくはハロゲン原子(特に塩素原子)が置換したアルキル基が好ましい。
本発明で用いられる一般式[1]で表されるモノマーは、下記一般式[3]で表されるモノマーであることがさらに好ましい。
一般式[3]
一般式[3]
一般式[3]において、R3は一般式[1]におけるR1と同義であり、好ましい範囲も同じである。L3は酸素原子、イオウ原子、−N(R)−を表し、酸素原子が好ましい。mは2〜10の整数を表し、2〜6が好ましい。Rは水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、または置換されていてもよい炭素数1〜3のシクロアルキル基を表し、上記一般式[2]において説明したRと同義であり、好ましい範囲も同じである。
本発明の重合体中に、一般式[1]から[3]で表されるモノマーの重合単位が2種類以上構成単位として含まれていてもよい。
一般式[1]で表されるモノマーの具体例を以下に示すが、本発明で用いることができるモノマーはこれらの例示によって限定的に解釈されることはない。
(本発明のポリマー)
次に、一般式[1]で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を含むポリマー(以後、本発明のポリマーとも称す)について説明する。
本発明のポリマーは、一般式[1]で表されるモノマーと共重合可能な他の種類のモノマーとのコポリマー(共重合体)であってもよい。一般式[1]で表されるモノマーと共重合可能なモノマーについては、特に制限はない。通常のラジカル重合法またはイオン重合法で重合可能なモノマーを用いることができ、下記に示すモノマー群(a)〜(i)に含まれるモノマーを好適な例として挙げることができる。これらモノマーを自由に組み合わせて選択し、一般式[1]で表されるモノマーとともに共重合させることによって、本発明のポリマーを合成することができる。
次に、一般式[1]で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を含むポリマー(以後、本発明のポリマーとも称す)について説明する。
本発明のポリマーは、一般式[1]で表されるモノマーと共重合可能な他の種類のモノマーとのコポリマー(共重合体)であってもよい。一般式[1]で表されるモノマーと共重合可能なモノマーについては、特に制限はない。通常のラジカル重合法またはイオン重合法で重合可能なモノマーを用いることができ、下記に示すモノマー群(a)〜(i)に含まれるモノマーを好適な例として挙げることができる。これらモノマーを自由に組み合わせて選択し、一般式[1]で表されるモノマーとともに共重合させることによって、本発明のポリマーを合成することができる。
(a)共役ジエン類
1,3−ペンタジエン、イソプレン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
1,3−ペンタジエン、イソプレン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b)オレフィン類
エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等
エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等
(c)α,β−不飽和カルボン酸エステル類
アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等)、置換アルキルアクリレート(例えば、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート等)、アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリ−レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等)、置換アルキルメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(ポリオキシプロピレンの付加モル数が2〜100のもの)、3−N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、4−オキシスルホブチルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート等)、不飽和ジカルボン酸の誘導体(例えば、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジブチル等)、多官能エステル類(例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート等)。
アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等)、置換アルキルアクリレート(例えば、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート等)、アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリ−レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等)、置換アルキルメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(ポリオキシプロピレンの付加モル数が2〜100のもの)、3−N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、4−オキシスルホブチルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート等)、不飽和ジカルボン酸の誘導体(例えば、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジブチル等)、多官能エステル類(例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート等)。
(d)α,β−不飽和カルボン酸のアミド類
例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、イタコン酸ジアミド、N−メチルマレイミド、2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸、メチレンビスアクリルアミド、ジメタクリロイルピペラジン等。
例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、イタコン酸ジアミド、N−メチルマレイミド、2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸、メチレンビスアクリルアミド、ジメタクリロイルピペラジン等。
(e)不飽和ニトリル類
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(f)スチレンおよびその誘導体
スチレン、ビニルトルエン、p−tertブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
スチレン、ビニルトルエン、p−tertブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(g)ビニルエーテル類
メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等。
メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等。
(h)ビニルエステル類
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等。
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等。
(i)その他の重合性単量体
N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
本発明のポリマーを構成する一般式[1]で表されるモノマー由来の重合単位の量は、該ポリマーを構成する全重合単位に基づいて、10質量%〜90質量%であることが好ましく、10質量%〜80質量%であることがより好ましく、20質量%〜50質量%であることがさらに好ましい。
本発明で用いられるポリマーの質量平均分子量は、3,000〜500,000が好ましく、6,000〜300,000がより好ましく、8,000〜100,000がさらに好ましい。ここで、質量平均分子量および分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置(溶媒THF)により、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量である。
本発明で用いられるポリマーの質量平均分子量は、3,000〜500,000が好ましく、6,000〜300,000がより好ましく、8,000〜100,000がさらに好ましい。ここで、質量平均分子量および分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置(溶媒THF)により、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量である。
本発明のポリマーは公知慣用の方法で製造することができる。例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、アニオン重合法、カチオン重合等により容易に得ることができる。
例えば、一般式[1]で表されるモノマー等を有機溶媒中にて、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより製造することができる。もしくは場合により、その他の付加重合性モノマーを添加して、上記と同じ方法にて製造することができる。各モノマーの重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。
例えば、一般式[1]で表されるモノマー等を有機溶媒中にて、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより製造することができる。もしくは場合により、その他の付加重合性モノマーを添加して、上記と同じ方法にて製造することができる。各モノマーの重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。
以下、本発明のポリマーの具体的な構造例を示すが、本発明で用いることができるポリマーはこれらの例示によって限定的に解釈されることはない。なお式中の数字は各モノマー成分の質量比率を示す。Mwは質量平均分子量を表す。また、炭化水素基において、(t)はターシャリーで第三級を表し、(i)はイソで分枝を意味し、通常(s)で表されるセカンダリーと区別され、結合炭素以外の部分での分枝を意味する。特段に記載のないものは直鎖状の炭化水素基を表す。
(併用可能なポリマー)
本発明の塗布組成物には、本発明のポリマーの他に、いかなるポリマーを併用してもよい。併用するポリマーは、透明または半透明で、無色であることが好ましく、天然樹脂やポリマーおよびコポリマー、合成樹脂やポリマーおよびコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類、カゼイン、デンプン、ポリアクリル酸類、ポリメチルメタクリル酸類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリル酸類、スチレン−無水マレイン酸コポリマー類、スチレン−アクリロニトリルコポリマー類、スチレン−ブタジエンコポリマー類、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマールおよびポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ酢酸ビニル類、ポリオレフィン類、ポリアミド類が挙げられる。
本発明の塗布組成物には、本発明のポリマーの他に、いかなるポリマーを併用してもよい。併用するポリマーは、透明または半透明で、無色であることが好ましく、天然樹脂やポリマーおよびコポリマー、合成樹脂やポリマーおよびコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類、カゼイン、デンプン、ポリアクリル酸類、ポリメチルメタクリル酸類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリル酸類、スチレン−無水マレイン酸コポリマー類、スチレン−アクリロニトリルコポリマー類、スチレン−ブタジエンコポリマー類、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマールおよびポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ酢酸ビニル類、ポリオレフィン類、ポリアミド類が挙げられる。
本発明の塗布組成物に含まれる全ポリマー量を基準としたとき、本発明のポリマーの含有量は、10〜100質量%であることが好ましく、10〜90質量%であることがより好ましく、30〜80質量%であることがさらに好ましい。
(熱移行性染料)
本発明の塗布組成物は、熱移行性染料を含有する。
熱移行性染料としては、本発明の塗布組成物を用いて形成しようとする染料層に必要とされるものを選択する。例えば、フルカラー画像記録が可能な感熱転写記録材料を製造するために本発明の塗布組成物を使用する場合は、シアン画像を形成することができる熱移行性シアン染料、マゼンタ画像を形成することができる熱移行性マゼンタ染料、イエロー画像を形成することができる熱移行性イエロー染料を少なくとも使用する。
本発明の塗布組成物は、熱移行性染料を含有する。
熱移行性染料としては、本発明の塗布組成物を用いて形成しようとする染料層に必要とされるものを選択する。例えば、フルカラー画像記録が可能な感熱転写記録材料を製造するために本発明の塗布組成物を使用する場合は、シアン画像を形成することができる熱移行性シアン染料、マゼンタ画像を形成することができる熱移行性マゼンタ染料、イエロー画像を形成することができる熱移行性イエロー染料を少なくとも使用する。
熱移行性シアン染料としては、例えば、特開平3−103477号公報や特開平3−150194号公報などに記載されるものを好ましく用いることができる。熱移行性マゼンタ染料としては、例えば、特開平5−286268号公報などに記載されるものを好ましく用いることができる。熱移行性イエロー染料としては、例えば、特開平1−225592公報などに記載されるものを好ましく用いることができる。
本発明の塗布組成物に含まれる全固形分量を基準としたとき、熱移行性染料の含有量は、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜70質量%であることがさらに好ましい。
(溶媒)
本発明の塗布組成物は、水または有機溶媒を含むことができる。本発明で用いることができる有機溶媒としては、トルエン等のベンゼン系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルアミド等のアミド系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒等を挙げることができる。本発明の塗布組成物は、溶液であっても、エマルションであっても、分散物であってもよい。
本発明の塗布組成物は、水または有機溶媒を含むことができる。本発明で用いることができる有機溶媒としては、トルエン等のベンゼン系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルアミド等のアミド系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒等を挙げることができる。本発明の塗布組成物は、溶液であっても、エマルションであっても、分散物であってもよい。
(他の成分)
本発明の塗布組成物には、上記以外の成分として、例えば退色防止剤、紫外線吸収剤などを添加することができる。これらの添加剤の添加量は、本発明の塗布組成物に含まれる全固形分量を基準としたとき、0〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。
本発明の塗布組成物には、上記以外の成分として、例えば退色防止剤、紫外線吸収剤などを添加することができる。これらの添加剤の添加量は、本発明の塗布組成物に含まれる全固形分量を基準としたとき、0〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。
(調製法)
本発明の塗布組成物の調製法は特に制限されない。例えば、本発明のポリマーと熱移行性染料を混合してから溶媒に添加して攪拌することによって調製してもよいし、本発明のポリマーと熱移行性染料をあらかじめ個別に溶媒に添加しておいて、その後にこれらを混合することによって調製してもよい。また、添加剤は、これらの工程のいずれの段階で添加してもよい。
本発明の塗布組成物の調製法は特に制限されない。例えば、本発明のポリマーと熱移行性染料を混合してから溶媒に添加して攪拌することによって調製してもよいし、本発明のポリマーと熱移行性染料をあらかじめ個別に溶媒に添加しておいて、その後にこれらを混合することによって調製してもよい。また、添加剤は、これらの工程のいずれの段階で添加してもよい。
<感熱転写インクシート>
(特徴と製法)
本発明の感熱転写インクシートは、支持体上に、一般式[1]で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を含むポリマー(樹脂バインダー)中に熱移行性染料を含有する染料層を備えた構造を少なくとも有している。
本発明の感熱転写インクシートは、一般式[1]で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を含むポリマーと熱移行性染料とを含有する本発明の塗布組成物を支持体上に塗設し、適宜乾燥して染料層を形成することにより製造することができる。染料層には、本発明の塗布組成物の固形分が含まれる。
(特徴と製法)
本発明の感熱転写インクシートは、支持体上に、一般式[1]で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を含むポリマー(樹脂バインダー)中に熱移行性染料を含有する染料層を備えた構造を少なくとも有している。
本発明の感熱転写インクシートは、一般式[1]で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を含むポリマーと熱移行性染料とを含有する本発明の塗布組成物を支持体上に塗設し、適宜乾燥して染料層を形成することにより製造することができる。染料層には、本発明の塗布組成物の固形分が含まれる。
(支持体)
本発明の感熱転写インクシートの支持体には、インクシート用支持体として、従来から用いられているものを適宜選択して用いることができる。例えば、特開平7−137466号公報の段落番号0050に記載の材料を好ましく用いることができる。支持体の厚みは、2〜30μmが好ましい。
本発明の感熱転写インクシートの支持体には、インクシート用支持体として、従来から用いられているものを適宜選択して用いることができる。例えば、特開平7−137466号公報の段落番号0050に記載の材料を好ましく用いることができる。支持体の厚みは、2〜30μmが好ましい。
(染料層)
本発明をフルカラー画像記録が可能な感熱転写記録材料に適用する場合は、シアン画像を形成することができる熱移行性シアン染料を含有するシアンインクシート、マゼンタ画像を形成することができる熱移行性マゼンタ染料を含有するマゼンタインクシート、イエロー画像を形成することができる熱移行性イエロー染料を含有するイエローインクシートを支持体上に順次塗設して形成することが好ましい。また、必要に応じて他に黒色画像形成物質を含むインクシートをさらに形成してもよい。
染料層中における染料の含有量は、0.03〜1.0g/m2が好ましく、0.1〜0.6g/m2がより好ましい。また、染料層の厚みは、0.2〜5μmが好ましく、0.4〜2μmがより好ましい。
本発明をフルカラー画像記録が可能な感熱転写記録材料に適用する場合は、シアン画像を形成することができる熱移行性シアン染料を含有するシアンインクシート、マゼンタ画像を形成することができる熱移行性マゼンタ染料を含有するマゼンタインクシート、イエロー画像を形成することができる熱移行性イエロー染料を含有するイエローインクシートを支持体上に順次塗設して形成することが好ましい。また、必要に応じて他に黒色画像形成物質を含むインクシートをさらに形成してもよい。
染料層中における染料の含有量は、0.03〜1.0g/m2が好ましく、0.1〜0.6g/m2がより好ましい。また、染料層の厚みは、0.2〜5μmが好ましく、0.4〜2μmがより好ましい。
(その他の層)
本発明の感熱転写インクシートは、本発明の効果を過度に阻害しない範囲内であれば、支持体上に染料層以外の層を有するものであってもよい。例えば、支持体と染料層との間に中間層を有するものであってもよいし、染料層とは反対側の支持体面(以下において、「背面」とも称す)にバック層を有するものであってもよい。中間層としては、例えば、下塗り層や、染料の支持体方向への拡散を防止するための拡散防止層(親水性バリアー層)を挙げることができる。また、バック層としては、例えば、耐熱スリップ層を挙げることができ、サーマルヘッドのインクシートへの粘着防止を図ることができる。
本発明の感熱転写インクシートは、本発明の効果を過度に阻害しない範囲内であれば、支持体上に染料層以外の層を有するものであってもよい。例えば、支持体と染料層との間に中間層を有するものであってもよいし、染料層とは反対側の支持体面(以下において、「背面」とも称す)にバック層を有するものであってもよい。中間層としては、例えば、下塗り層や、染料の支持体方向への拡散を防止するための拡散防止層(親水性バリアー層)を挙げることができる。また、バック層としては、例えば、耐熱スリップ層を挙げることができ、サーマルヘッドのインクシートへの粘着防止を図ることができる。
<インクカートリッジ>
本発明の感熱転写インクシートは、インクカートリッジに装填することができる。インクカートリッジの構造や装填方法については、従来から感熱転写記録の分野で採用されているものを使用することができる。具体的には、実開昭63−161851号公報、実開昭63−161851号公報、実開平1−101864号公報などに記載されるインクカートリッジの技術を、本発明に好ましく適用することができる。特に実開平1−101864号公報に記載される技術を、本発明により好ましく適用することができる。
本発明の感熱転写インクシートは、インクカートリッジに装填することができる。インクカートリッジの構造や装填方法については、従来から感熱転写記録の分野で採用されているものを使用することができる。具体的には、実開昭63−161851号公報、実開昭63−161851号公報、実開平1−101864号公報などに記載されるインクカートリッジの技術を、本発明に好ましく適用することができる。特に実開平1−101864号公報に記載される技術を、本発明により好ましく適用することができる。
<感熱転写記録>
本発明の感熱転写インクシートを用いて感熱転写記録を行う際には、サーマルヘッド等の加熱手段と受像シートを組み合わせて用いる。すなわち、インクシートと受像シートを重ね合わせた状態で、画像記録信号に従ってサーマルヘッドから熱エネルギーがインクシートに加えられ、該熱エネルギーが加えられた部分の染料が受像シートに移行し固定されることによって画像記録がなされる。
近年では、このような画像記録をより高速に行うことが必要とされている。高速画像記録を行うことができる機種として、例えば、日本電産コパル社製昇華型プリンターASK2000(商品名)やイーストマンコダック社製昇華型プリンター Picture Maker G4(商品名)などを挙げることができる。本発明の感熱転写インクシートは、これらを用いて高速画像記録を行った場合であっても、高感度で画像欠陥を生じない。
本発明の感熱転写インクシートを用いて感熱転写記録を行う際には、サーマルヘッド等の加熱手段と受像シートを組み合わせて用いる。すなわち、インクシートと受像シートを重ね合わせた状態で、画像記録信号に従ってサーマルヘッドから熱エネルギーがインクシートに加えられ、該熱エネルギーが加えられた部分の染料が受像シートに移行し固定されることによって画像記録がなされる。
近年では、このような画像記録をより高速に行うことが必要とされている。高速画像記録を行うことができる機種として、例えば、日本電産コパル社製昇華型プリンターASK2000(商品名)やイーストマンコダック社製昇華型プリンター Picture Maker G4(商品名)などを挙げることができる。本発明の感熱転写インクシートは、これらを用いて高速画像記録を行った場合であっても、高感度で画像欠陥を生じない。
<受像シート>
(構造)
次に、本発明のインクシートと組み合わせて用いられる受像シートについて説明する。
受像シートは、支持体上に染料受容層(受容層)が形成された構造を有している。受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。また、下地層と支持体との間には断熱層が形成されていることが好ましい。支持体と受容層との間にある各層を単に「中間層」といい、上述の下地層や断熱層が含まれる。受像シートは、少なくとも1層の受容層の他に、少なくとも1層の中間層を有することが好ましい。支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。
(構造)
次に、本発明のインクシートと組み合わせて用いられる受像シートについて説明する。
受像シートは、支持体上に染料受容層(受容層)が形成された構造を有している。受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。また、下地層と支持体との間には断熱層が形成されていることが好ましい。支持体と受容層との間にある各層を単に「中間層」といい、上述の下地層や断熱層が含まれる。受像シートは、少なくとも1層の受容層の他に、少なくとも1層の中間層を有することが好ましい。支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。
(受容層)
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。
そのため受容層には染着しやすい樹脂(染着性受容ポリマー)が用いられる。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリサルフォン、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル系モノマーとのコポリマー、塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー、スチレンアクリルコポリマー、アイオノマー、セルロース樹脂、天然ゴム、合成ゴム等の単体または混合物を用いることができるが、これらに限定されない。受容層に用いられる受容ポリマーはラテックス化されていることが好ましい。
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。
そのため受容層には染着しやすい樹脂(染着性受容ポリマー)が用いられる。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリサルフォン、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル系モノマーとのコポリマー、塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー、スチレンアクリルコポリマー、アイオノマー、セルロース樹脂、天然ゴム、合成ゴム等の単体または混合物を用いることができるが、これらに限定されない。受容層に用いられる受容ポリマーはラテックス化されていることが好ましい。
(ポリマーラテックス)
受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水に不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどのいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)、三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64−538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒子サイズは1〜50000nmが好ましく、5〜1000nmがより好ましい。分散粒子の粒子サイズ分布に関しては特に制限は無く、広い粒子サイズ分布を持つものでも単分散の粒子サイズ分布を持つものでもよい。
受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水に不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどのいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)、三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64−538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒子サイズは1〜50000nmが好ましく、5〜1000nmがより好ましい。分散粒子の粒子サイズ分布に関しては特に制限は無く、広い粒子サイズ分布を持つものでも単分散の粒子サイズ分布を持つものでもよい。
本発明で用いるポリマーラテックスは、通常の均一構造のポリマーラテックスであってもよいし、いわゆるコア/シェル型のラテックスであってもよい。後者を採用する場合、コアとシェルでガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。本発明で用いるポリマーラテックスのガラス転移温度は、−30℃〜130℃が好ましく、0℃〜100℃がより好ましく、10℃〜80℃がさらに好ましい。
ポリマーラテックスには、アクリル系ポリマー、ポリエステル類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリウレタン類、ポリ塩化ビニル類、ポリ酢酸ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリオレフィン類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーは、直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもあってもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーであってもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーであってもよい。コポリマーの場合は、ランダムコポリマーであっても、ブロックコポリマーであってもよい。これらポリマーの分子量は、数平均分子量で5000〜1000000であることが好ましく、10000〜500000であることがより好ましい。分子量が小さすぎるものはラテックスを含有する層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。本発明では、架橋性のポリマーラテックスも好ましく使用される。
ポリマーラテックスの合成に用いるモノマーについては、特に制限はない。通常のラジカル重合法またはイオン重合法で重合可能なモノマーを用いることができ、上記のモノマー群(a)〜(i)を好適に用いることができる。なお、モノマー群(c)の具体例として2−クロロエチルアクリレートとクロロ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロピルメタクリレート、モノマー群(f)の具体例としてp−クロロメチルスチレン、モノマー群(h)の具体例としてサリチル酸ビニルクロロ酢酸ビニルも追記することができる。さらに、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等のα,β−不飽和カルボン酸およびその塩類もこのましいモノマー群として追記することができる。これらモノマーを自由に組み合わせて選択し、ポリマーラテックスを調製することができる。
ポリマーラテックスは市販もされており、以下のようなポリマーを本発明でも利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、ダイセル化学工業(株)製セビアンA-4635,4718,4601、日本ゼオン(株)製Nipol Lx811、814、821、820、855(P-17:Tg36℃)、857x2(P-18:Tg43℃)、大日本インキ化学(株)製Voncoat R3370(P-19:Tg25℃)、4280(P-20:Tg15℃)、日本純薬(株)製ジュリマーET-410(P-21:Tg44℃)、JSR(株)製AE116(P-22:Tg50℃)、AE119(P-23:Tg55℃)、AE121(P-24:Tg58℃)、AE125(P-25:Tg60℃)、AE134(P-26:Tg48℃)、AE137(P-27:Tg48℃)、AE140(P-28:Tg53℃)、AE173(P-29:Tg60℃)、東亞合成(株)製アロンA−104(P-30:Tg45℃)、高松油脂(株)製NS-600X、NS-620X、日信化学工業(株)製ビニブラン2580、2583、2641、2770、2770H、2635、2886、5202C、2706などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリエステル類の例としては、大日本インキ化学(株)製FINETEX ES650、611、675、850、イーストマンケミカル製WD-size、WMS、高松油脂(株)製A-110、A-115GE、A-120、A-121、A-124GP、A-124S、A-160P、A-210、A-215GE、A-510、A-513E、A-515GE、A-520、A-610、A-613、A-615GE、A-620、WAC-10、WAC-15、WAC-17XC、WAC-20、S-110、S-110EA、S-111SL、S-120、S-140、S-140A、S-250、S-252G、S-250S、S-320、S-680、DNS-63P、NS-122L、NS-122LX、NS-244LX、NS-140L、NS-141LX、NS-282LX、東亞合成(株)製アロンメルトPES-1000シリーズ、PES-2000シリーズ、東洋紡(株)製バイロナールMD-1100、MD-1200、MD-1220、MD-1245、MD-1250、MD-1335、MD-1400、MD-1480、MD-1500、MD-1930、MD-1985、住友精化(株)製セポルジョンESなどが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリウレタン類の例としては、大日本インキ化学(株)製HYDRAN AP10、AP20、AP30、AP40、101H、Vondic 1320NS、1610NS、大日精化(株)製D-1000、D-2000、D-6000、D-4000、D-9000、高松油脂(株)製NS-155X、NS-310A、NS-310X、NS-311X、第一工業製薬(株)製エラストロンなどが挙げられる(いずれも商品名)。
ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上、大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、LX410、LX430、LX435、LX110、LX415A、LX438C、2507H、LX303A、LX407BPシリーズ、V1004、MH5055(以上日本ゼオン(株)製)などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリ塩化ビニル類の例としては、日本ゼオン(株)製G351、G576、日信化学工業(株)製ビニブラン240、270、277、375、386、609、550、601、602、630、660、671、683、680、680S、681N、685R、277、380、381、410、430、432、860、863、865、867、900、900GT、938、950などが挙げられる(いずれも商品名)。ポリ塩化ビニリデン類の例としては、旭化成工業(株)製L502、L513、大日本インキ化学(株)製D-5071など挙げられる(いずれも商品名)。ポリオレフィン類の例としては、三井石油化学(株)製ケミパールS120、SA100、V300(P-40:Tg80℃)、大日本インキ化学(株)製Voncoat 2830、2210、2960、住友精化(株)製ザイクセン、セポルジョンG、共重合ナイロン類の例としては、住友精化(株)製セポルジョンPA、などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリ酢酸ビニル類の例としては、日信化学工業(株)製ビニブラン1080、1082、1085W、1108W、1108S、1563M、1566、1570、1588C、A22J7-F2、1128C、1137、1138、A20J2、A23J1、A23J1、A23K1、A23P2E、A68J1N、1086A、1086、1086D、1108S、1187、1241LT、1580N、1083、1571、1572、1581、4465、4466、4468W、4468S、4470、4485LL、4495LL、1023、1042、1060、1060S、1080M、1084W、1084S、1096、1570K、1050、1050S、3290、1017AD、1002、1006、1008、1107L、1225、1245L、GV-6170、GV-6181、4468W、4468Sなどが挙げられる(いずれも商品名)。
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いてもよい。
以下に、ポリマーラテックスを構成するポリマーの具体的な構造例を示すが、本発明で用いることができるポリマーラテックスは以下の例示によって限定的に解釈されることはない。なお式中の数字は各モノマー成分の質量比率を示し、Mwは質量平均分子量を表す。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(1)ポリマーの合成
攪拌機と還流冷却器を備えた反応器に、モノマーA−1を40g、ジメチル2,2'−アゾビスイソブチレートを0.28g、2−ブタノンを30g入れて、窒素雰囲気下で6時間78℃に加熱して反応を完結させた。得られたポリマーAP−1の質量平均分子量は2.0×106であった。
ポリマーAP−9、ポリマーAP−11、ポリマーAP−22、ポリマーAP−34に関しても、ポリマーAP−1の合成と同様に合成を行った。
(1)ポリマーの合成
攪拌機と還流冷却器を備えた反応器に、モノマーA−1を40g、ジメチル2,2'−アゾビスイソブチレートを0.28g、2−ブタノンを30g入れて、窒素雰囲気下で6時間78℃に加熱して反応を完結させた。得られたポリマーAP−1の質量平均分子量は2.0×106であった。
ポリマーAP−9、ポリマーAP−11、ポリマーAP−22、ポリマーAP−34に関しても、ポリマーAP−1の合成と同様に合成を行った。
(2)インクシートの作製
(2−1)試料101(本発明)の作製
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルムの背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
(2−1)試料101(本発明)の作製
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルムの背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
イエローインク組成物
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
ポリマーAP−1 4.4質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
ポリマーAP−1 4.4質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタインク組成物
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
ポリマーAP−1 4.4質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
ポリマーAP−1 4.4質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアンインク組成物
シアン染料(ディスパーズレッド63) 5.5質量部
ポリマーAP−1 4.4質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアン染料(ディスパーズレッド63) 5.5質量部
ポリマーAP−1 4.4質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
(2−2)試料102(本発明)の作製
各インク組成物に含まれるポリマーAP−1をポリマーAP−9に変えた以外は試料101の作製と同様にして、本発明の試料102を作製した。
各インク組成物に含まれるポリマーAP−1をポリマーAP−9に変えた以外は試料101の作製と同様にして、本発明の試料102を作製した。
(2−3)試料103(本発明)の作製
各インク組成物に含まれるポリマーAP−1をポリマーAP−11に変えた以外は試料101の作製と同様にして、本発明の試料103を作製した。
各インク組成物に含まれるポリマーAP−1をポリマーAP−11に変えた以外は試料101の作製と同様にして、本発明の試料103を作製した。
(2−4)試料104(本発明)の作製
各インク組成物に含まれるポリマーAP−1をポリマーAP−22に変えた以外は試料101の作製と同様にして、本発明の試料104を作製した。
各インク組成物に含まれるポリマーAP−1をポリマーAP−22に変えた以外は試料101の作製と同様にして、本発明の試料104を作製した。
(2−5)試料105(本発明)の作製
各インク組成物に含まれるポリマーAP−1をポリマーAP−34に変えた以外は試料101の作製と同様にして、本発明の試料105を作製した。
各インク組成物に含まれるポリマーAP−1をポリマーAP−34に変えた以外は試料101の作製と同様にして、本発明の試料105を作製した。
(2−6)試料106(比較例)の作製
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルムの背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルムの背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
イエローインク組成物
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
ポリビニルブチラール 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
ポリビニルブチラール 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタインク組成物
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
ポリビニルブチラール 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
ポリビニルブチラール 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアンインク組成物
シアン染料(ディスパーズレッド63) 5.5質量部
ポリビニルブチラール 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアン染料(ディスパーズレッド63) 5.5質量部
ポリビニルブチラール 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
(2−7)試料107(比較例)の作製
特許第3207518号公報に記載の実施例1のインクシートを作製した。
特許第3207518号公報に記載の実施例1のインクシートを作製した。
(3)受像シート1の作製
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。さらに下記組成の中間層A形成用塗布液をバーコーターにより塗布し乾燥した後、引き続いて下記組成の受容層A形成用塗布液をバーコーターにより塗布し乾燥させた。バーコーター塗布は40℃で行い、乾燥は各層50℃で16時間行った。それぞれの乾燥時の塗布量が、中間層Aは1.0g/m2、受容層Aは2.9g/m2となるように塗布を行った。作製した受像シートを受像シート1として後述の画像形成に用いた。
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。さらに下記組成の中間層A形成用塗布液をバーコーターにより塗布し乾燥した後、引き続いて下記組成の受容層A形成用塗布液をバーコーターにより塗布し乾燥させた。バーコーター塗布は40℃で行い、乾燥は各層50℃で16時間行った。それぞれの乾燥時の塗布量が、中間層Aは1.0g/m2、受容層Aは2.9g/m2となるように塗布を行った。作製した受像シートを受像シート1として後述の画像形成に用いた。
中間層A形成用塗布液
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡積(株)製) 10質量部
蛍光増白剤(Uvitex OB、商品名、チバガイギー社製) 1質量部
酸化チタン 30質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡積(株)製) 10質量部
蛍光増白剤(Uvitex OB、商品名、チバガイギー社製) 1質量部
酸化チタン 30質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
受容層A形成用塗布液
ポリエステル樹脂 100質量部
(特開平2−265789号公報の実施例1に記載の樹脂)
アミノ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)社製、商品名、X−22−3050C)
エポキシ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)社製、商品名、X−22−300E)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400質量部
ポリエステル樹脂 100質量部
(特開平2−265789号公報の実施例1に記載の樹脂)
アミノ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)社製、商品名、X−22−3050C)
エポキシ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)社製、商品名、X−22−300E)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400質量部
(4)画像形成
上記の各インクシートおよび受像シート1を、日本電産コパル社製昇華型プリンターASK2000(商品名)に装填可能なように加工し、高速プリントモードで最高濃度を得られる設定で黒色ベタの画像を出力した。
上記の各インクシートおよび受像シート1を、日本電産コパル社製昇華型プリンターASK2000(商品名)に装填可能なように加工し、高速プリントモードで最高濃度を得られる設定で黒色ベタの画像を出力した。
(5)評価
(5−1)相対転写濃度評価
上記の条件で得られた黒画像のVisual濃度をPhotographic Densitometer(X-Rite incorporated社製)で測定した。下記表1に試料106の転写濃度を100としたときの相対値を示す。
(5−1)相対転写濃度評価
上記の条件で得られた黒画像のVisual濃度をPhotographic Densitometer(X-Rite incorporated社製)で測定した。下記表1に試料106の転写濃度を100としたときの相対値を示す。
(5−2)インク融着性評価
インク融着性については、画像のDmaxが得られる印画部分における溶着状態を以下の基準で評価することにより判断した。得られた結果を、下記表1に示す。
5: 受像シートがインクシートからスムーズに剥がれ、受像シートにインクの
融着(張り付き)が全く認められない。
4: 融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が1%以下で
あった。
3: 融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が1%を超
え、10%以下であった。
2: 融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が10%を超
え、20%以下であった。
1: 融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が20%を超
えた。
インク融着性については、画像のDmaxが得られる印画部分における溶着状態を以下の基準で評価することにより判断した。得られた結果を、下記表1に示す。
5: 受像シートがインクシートからスムーズに剥がれ、受像シートにインクの
融着(張り付き)が全く認められない。
4: 融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が1%以下で
あった。
3: 融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が1%を超
え、10%以下であった。
2: 融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が10%を超
え、20%以下であった。
1: 融着が発生した濃度領域の印画面積に対して、融着した面積が20%を超
えた。
(5−3)地汚れ評価
感熱転写用インクシートと受像シート1をそれぞれ染料層と受容層が接触するように重ねあわせ、感熱転写用インクシートの表面温度が63℃になるように熱ロールラミネーターに通した後、受容層に移行した染料の濃度をPhotographic Densitometer(X-Rite incorporated社製)で測定し、試験前後の濃度の変化率(ΔD)を算出した。
感熱転写用インクシートと受像シート1をそれぞれ染料層と受容層が接触するように重ねあわせ、感熱転写用インクシートの表面温度が63℃になるように熱ロールラミネーターに通した後、受容層に移行した染料の濃度をPhotographic Densitometer(X-Rite incorporated社製)で測定し、試験前後の濃度の変化率(ΔD)を算出した。
表1の結果から明らかなように、試料106は高速転写記録によりインクの融着が発生した。試料107ではインク融着性の改善が見られたものの地汚れの低下も見られた。
本発明の試料101〜105はいずれもインクの融着がなく、地汚れも抑えられていることがわかった。このように本発明のポリマーを使用することにより高感度で面状欠陥のない感熱転写インクシートを得ることができた。
本発明の試料101〜105はいずれもインクの融着がなく、地汚れも抑えられていることがわかった。このように本発明のポリマーを使用することにより高感度で面状欠陥のない感熱転写インクシートを得ることができた。
<実施例2>
受像シート1を下記受像シート2に代えたこと以外は実施例1と同様にして画像形成および試験を行った。
受像シート1を下記受像シート2に代えたこと以外は実施例1と同様にして画像形成および試験を行った。
(1)受像シート2の作製
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、下記組成の中間層B形成用塗布液、受容層B形成用塗布液を支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに50℃で16時間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量が、中間層Bは15g/m2、受容層Bは2.9g/m2となるように塗布を行った。
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、下記組成の中間層B形成用塗布液、受容層B形成用塗布液を支持体側からこの順に積層させた状態で重層塗布を行った。塗布後すぐに50℃で16時間乾燥させた。それぞれの乾燥時の塗布量が、中間層Bは15g/m2、受容層Bは2.9g/m2となるように塗布を行った。
中間層B形成用塗布液
中空ポリマーラテックス 563質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
(外径0.5μm中空構造ポリマーの水分散体)
ゼラチン 120質量部
中空ポリマーラテックス 563質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
(外径0.5μm中空構造ポリマーの水分散体)
ゼラチン 120質量部
受容層B形成用塗布液
ポリマーP−9 48質量部
(ビニブラン609、商品名、日信化学工業(株)製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤ポリマーラテックス 15質量部
(ULS1700、商品名、一方社油脂工業(株)製)
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
ポリマーP−9 48質量部
(ビニブラン609、商品名、日信化学工業(株)製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤ポリマーラテックス 15質量部
(ULS1700、商品名、一方社油脂工業(株)製)
モンタン酸ワックス(J537、商品名、中京油脂(株)製) 10質量部
(2)評価
受像シート2を用いて実施例1と同様にして画像形成を行って評価したところ、下記表2に示す結果を得た。本発明の試料はいずれもインクの融着がなく、相対転写濃度に関しては実施例1以上の高転写濃度の傾向を示した。
受像シート2を用いて実施例1と同様にして画像形成を行って評価したところ、下記表2に示す結果を得た。本発明の試料はいずれもインクの融着がなく、相対転写濃度に関しては実施例1以上の高転写濃度の傾向を示した。
本発明の感熱転写インクシート、インクカートリッジ、および感熱転写記録方法を用いれば、高速転写を行った場合であっても高感度で欠陥のない画像を形成することができる。また、本発明の塗布組成物を用いれば、このような機能を有する感熱転写インクシートの染料層を簡便に塗設することができる。したがって、感熱転写の高速化が進んでいる現代において、本発明の産業上の利用可能性は高い。
Claims (6)
- 支持体上に熱移行性染料が樹脂バインダー中に含有されてなる染料層を有する感熱転写インクシートにおいて、前記の染料層が請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布組成物の固形分を含有することを特徴とする感熱転写インクシート。
- 請求項4に記載の感熱転写インクシートが充填されていることを特徴とするインクカートリッジ。
- 支持体上にポリマーラテックスを含有するインク受容層を有する受像シート上に請求項4に記載の感熱転写インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006268232A JP2008087238A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 感熱転写インクシートの染料層形成用塗布組成物、感熱転写インクシート、インクカートリッジ、および感熱転写記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006268232A JP2008087238A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 感熱転写インクシートの染料層形成用塗布組成物、感熱転写インクシート、インクカートリッジ、および感熱転写記録方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008087238A true JP2008087238A (ja) | 2008-04-17 |
Family
ID=39371897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006268232A Pending JP2008087238A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 感熱転写インクシートの染料層形成用塗布組成物、感熱転写インクシート、インクカートリッジ、および感熱転写記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008087238A (ja) |
-
2006
- 2006-09-29 JP JP2006268232A patent/JP2008087238A/ja active Pending
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