JP2009056292A - 骨固定装置 - Google Patents

Abstract

【課題】改良された骨固定装置を提供する。
【解決手段】骨に固定するためのシャフト２および頭部３を有する骨固定要素１と、骨固定要素にロッド６を結合するための受部５とを備え、受部は、ロッドを受けるための第１の端部および第２の端部およびＵ字型凹部１２を有する第１の部分９を備え、凹部１２は第１の端部から第２の端部の方向に延び、２つの自由な脚部を形成し、上記受部はさらに、頭部３を収容するための、第１の端部とは反対側の第２の端部の側に第２の部分１６を備え、第２の部分は自由端を有し、頭部の導入および留めを可能にするように可撓性であり、上記骨固定装置はさらに、第２の部分１６を囲むロッキングリング８を備え、頭部３はロッドでロッキングリング８の上に圧力をかけ、その結果、受部の第２の部分を圧縮することによってロックされ、ロッキングリング８は、第２の部分１６の自由端から受部に取付けられる、骨固定装置。
【選択図】図１

Description

この発明は、骨固定要素と、ロッドに接続するための受部とを備える骨固定装置に関する。骨固定要素の頭部は、ロッドによって押し下げられるロッキングリングによる、横方向に頭部を取囲む受部の部分の圧縮によって、受部においてロックされる。頭部を留める受部の部分は、その部分の自由端からロッキングリングを取付けることができるように設計される。骨固定装置は、たとえば、頭部の回動運動を可能にする多軸骨ねじの形態で、またはロックされていない状態での単一の軸を中心とした頭部の回転運動を可能にする単軸骨ねじの形態でそれぞれ実現されることができる。

多軸骨ねじの種々の構成が公知であり、各構成は特定の特徴を有しており、異なるロッキング原理が用いられる。

ＤＥ ４３ ０５ ５７６ Ｃ１は、ねじ要素と、受部と、頭部の回転位置をロックするために受部における座部に対して押し下げるようにねじ要素の頭部の上に作用する圧力要素とを有する多軸骨ねじについて記載する。骨ねじは通常、受部がねじ要素の上に取付けられた状態でねじ要素が骨に捩じ込まれるように予め組立てられる。

回転位置をロックするために頭部が側面から留められる他の骨ねじが公知である。ＥＰ
０ ２４２ ７０８ Ａ２は、２つの側面から球形の頭部を押す２つの球形の形状の部分からなる受部を有する骨ねじについて記載する。これらの部分は、リングによって下方部においてまとめられる。

ＵＳ ５，６７２，１７９は、円錐形の形状の座部を有する受部と、上からおよび側面から頭部上に圧力をかける円錐形の形状の圧力要素とを有する骨ねじを開示する。円錐角が特定の範囲内にある値を有する場合に受部内での圧力要素の自動ロッキングが行なわれ、これによって受部内に頭部を予備ロックすることが可能である一方で、位置を調節することができるようにロッドは依然として動くことができる。

ＥＰ ０ ９５１ ２４５ Ｂ１は、頭部を収容する円錐形の形状の空洞を有する受部を備える骨ねじについて記載し、この骨ねじでは、頭部を留めるために下向きおよび径方向に圧縮可能なばねチャックが空洞に設けられる。この骨ねじによって、ねじ要素の頭部の上に受部を据付けることができ、これによってねじ要素を骨に捩じ込むことが可能であり、その後ねじ要素を受部に接続することが可能である。

ＵＳ ５，７２８，０９８は、ねじ要素と、ロッド受溝の底部にスリットを設けた受部材とを備える、脊椎ロッドに接続するための骨ねじを開示し、この骨ねじでは、形状記憶合金からなる２つのロッキングリングのうちの一方が受部材の下側に設けられ、もう一方が上側に設けられる。ロッキングリングは、ロッドが溝において留められるように、温度が上昇すると受部材の部分の周りで収縮する。

ＵＳ ５，５４９，６０８は、球形の頭部を備えるねじ要素と、ねじ要素を脊椎ロッドに結合するための結合要素とを有する多軸骨ねじを開示する。結合要素は、球形の頭部が最初に多軸方向に配置されるスロット付き内部チャンバを含む先細りになった下方部を有する。結合要素はさらに、頭部を受けるための凹部を備える。加えて、結合要素の下方部を取囲むロッキングリングと、結合要素の上に嵌まる円筒形ロッド固定スリーブとが設けられる。ロッキングナットは、ロッド固定スリーブ上に圧力をかけるために用いられる。
頭部は、ロッド固定スリーブによって押し下げられるロッキングリングによって内部チャンバにおいてロックされる。ＵＳ ５，５７５，７９２は、骨ねじの代わりにフックを用いる類似の装置を開示する。上述の骨ねじと比べて、ロッド固定スリーブは省略されており、ロッドはロッキングリングを直接押す。ロッキングリングは、上から結合要素の上に配置されなければならない。ロッドが挿入されていないときには、ロッキングリングは上端の方への抜けに対しておよび回転に対して固定されない。さらに、この公知の骨固定装置の大きさは、ロッキングリングと同様にかなり大きく、ロッキングナットは結合要素の直径から実質的に外向きに延びている。
ＤＥ ４３ ０５ ５７６ Ｃ１ ＥＰ ０ ２４２ ７０８ Ａ２ ＵＳ ５，６７２，１７９ ＥＰ ０ ９５１ ２４５ Ｂ１ ＵＳ ５，７２８，０９８ ＵＳ ５，５４９，６０８ ＵＳ ５，５７５，７９２

この発明の目的は、最小限の数の部品を備え、かつ、大きさは小さいが同時に安全なロッキングを提供し、モジュラシステムとして用いることができる、改良された骨固定装置を提供することである。

この目的は、請求項１に記載の骨固定装置によって解決される。さらなる展開については従属請求項に示されている。

この発明に従う骨固定装置は、製造コストを低減しかつ取扱いを容易にするわずかな数の要素を備える。この発明に従う骨固定装置は、側面から周方向に骨固定要素の頭部を留める原理を利用し、これは安全に頭部を留めるために必要な力を低減する。骨固定装置のこの構成によって、高さの点でおよび直径の点で寸法をさらに低減することが可能であり、頸椎の手術または小児科での応用例、骨の手術のための外傷および最小切開の応用例の分野などの、大きさが小さい固定装置が必要とされる応用例に特に適したものになる。

受部は、手術前および手術中いつでも骨固定要素の頭部の上に据付けることができる。したがって、たとえば、まず骨固定要素を骨に固定し、その後骨固定要素を受部およびロッドに接続することができる。

受部の円錐形の形状の下方部およびロッキングリングの適切な角度を選択することによって、下方部における頭部の自動ロッキングを達成することができる。代替的に、これはロッキングリングおよび受部の接続面を粗くすることによって達成することができる。これによって、頭部の固着を緩めることなくロッドの二次調節が可能になる。

この発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を用いて実施例の説明から明らかになる。

図１から図５に示されるように、第１の実施例に従う骨固定装置は、ねじが切られたシャフト２と、球形セグメントの形状の頭部３とを有する骨ねじの形態の骨固定要素１を備える。頭部３は、捩じ込みツールと係合させるための凹部４を有する。骨固定装置はさらに、ロッド６を受けてロッド６を骨固定要素１に接続するための受部５を備える。さらに
、内部ねじまたは止めねじの形態の閉じ要素７が、受部５においてロッド６を固定するために設けられる。加えて、骨固定装置は、受部５において頭部をロックするためのロッキングリング８を備える。

特に図６から図１０に見られるように、受部５は、実質的に円筒形でありかつ第１の端部９ａと反対側の第２の端部９ｂとを有する第１の部分９を備える。第１の部分９は、第２の端部９ｂに設けられた同軸の第１のボア１０を有する。第１のボア１０の直径は、骨固定要素の頭部３の直径よりも小さい。第１の部分９は、第１の端部９ａから、第２の端部９ｂからある距離のところまで延びる同軸の第２のボア１１も備える。第２のボア１１の直径は、第１のボア１０の直径よりも大きく、ロッド６の直径よりも大きい。第１の端部９ａから第２の端部９ｂまで延びるＵ字型凹部１２が第１の部分に設けられ、Ｕ字型凹部の直径は、ロッド６を凹部に配置でき凹部の中に誘導するようにロッド６の直径よりもわずかに大きい。Ｕ字型凹部１２によって、雌ねじ１３が設けられた２つの自由な脚部１２ａ、１２ｂが形成される。雌ねじは、メートルねじ、平ねじ（flat thread）、負の角のねじ（negative angle thread）、鋸歯状ねじ、または他のねじであり得る。好ましくは、内部ねじ７が捩じ込まれたときの脚部１２ａ、１２ｂの広がりを防ぐ平ねじまたは負の角のねじなどのねじの形態が用いられる。Ｕ字型凹部の深さは、ロッド６および内部ねじ７が脚部の間に挿入され得るようなものである。凹部１２の底部と脚部１２ａ、１２ｂとの間に、ボア１１の端部を形成する平坦なセクション１４が設けられる。

受部５の第１の部分９はさらに、第２の端部９ｂから、第１の端部からある距離のところまで延びる複数の同軸のスリット１５を備え、その距離は雌ねじ１３の長さにおよそ対応する。スリット１５は、第２の端部９ｂにおいて開放しており、特に図６、図９および図１０に見られるように、平坦なセクション１４およびＵ字型凹部１２を通って延びている。少なくとも１つのスリット１５、好ましくは２つ以上のスリットがＵ字型凹部の両側に設けられる。スリットの数は、スリットによって提供される弾性の程度に応じて選択される。スリットの数は、材料および壁の厚さならびに／または他の要因に依存し得る。

第２の端部９ｂに隣接して、受部５は、骨固定要素１の頭部３のための収容スペースを提供する第２の部分１６を備える。第２の部分１６は、円錐角αを含む円錐形の形状の外面を有し、円錐形の形状の外面は、第２の端部９ｂに向かって先細りになっており、第２の端部９ｂの反対側に自由端１７を有する。特に図４に見られるように、第２の端部９ｂにおける第１の部分９の外径は、第２の端部９ｂに隣接する第２の部分１６の外径よりも大きく、また自由端１７における第２の部分の外径よりも大きい。したがって、第２の部分１６は、第１の部分９に対して引っ込んでいる。第２の部分１６は、骨固定要素１の球形セグメントの形状の頭部３のための座部を形成する内部中空球形セクション１８を有する。中空球形セクション１８は、頭部３の最大直径を含む領域をカバーする側面から骨固定要素の頭部３を包込むような寸法にされる。図１、図６、図９および図１０に見られるように、凹部１２によって形成された溝の両端部の第１の部分に切込２４が設けられる。

特に図６から図１０に見られるように、複数のスリット１９が設けられ、複数のスリット１９は、自由端１７に開放しており、自由端１７から第１の部分の第２の端部９ｂまで延び、第１の部分のスリット１５に続いており、それによって第２の部分の自由端１７から第１の部分の中に延びる連続的なスリットを形成する。スリット１９の数は、スリット１５の数と等しくてもよいが、第２の部分１６の所望の弾性次第でより少ない可能性もあれば、より多い可能性もある。加えて、第１の部分のＵ字型凹部１２に隣接する第２の部分１６の側面上にスリット２０が設けられる。スリット２０は、第２の端部９ｂからある距離を置いて終了する。第２の部分１６の弾性は、第２の部分を膨張させることによって固定要素の頭部３を挿入することができ、第２の部分を圧縮することによって固定要素の頭部３を留めることができるようなものである。第１の部分におけるスリット１５によっ
て、たとえば手術前または手術中いつでも手動で頭部３の上に受部を取付けることが容易になる。

ここで、図１、図４および図５を参照して、ロッキングリング８について説明する。ロッキングリング８は、外径が受部５の第１の部分９の外径に対応する実質的に円筒形の外面を有する。軸方向のロッキングリング８の高さは、受部５の第２の部分１６の高さよりも小さく、そのため、図４に示されるように、ロッキングリング８が頭部３を留める位置にあるときにはロッキングリング８と受部５の第２の端部９ｂとの間に距離がある。

第２の部分１６の弾性および自由端１７における第２の部分の大きさは、自由端１７から第２の部分１６の上にロッキングリングを据付けることによるロッキングリングの取付けを可能にする。第２の部分の外径が第１の部分９の外径よりも小さいので、ロッキングリングは径方向に第１の部分を越えて突出することはない。

ロッキングリング８は、内側に第１のセクション８ａを有し、第１のセクション８ａに隣接して第２のセクション８ｂを有する。第１のセクション８ａは、受部５の第２の部分１６の円錐形の外壁に対応して円錐形の形状をしている。第１のセクション８ｂは円筒形である。特に図４に見られるように、ロッキングリングの第１のセクション８ａおよび第２のセクション８ｂの寸法は、ロッキングリング８が第２の部分１６の外面に沿って摺動でき、それによって、下向きに摺動すると次第に第２の部分１６を圧縮するようなものである。ロッドが凹部１２にまだ挿入されていないまたは押し込まれていない場合には、ロッキングリングは、止めの働きをする第２の端部９ｂによって制限される第１の位置と第２の部分の自由端１７との間で動くことができ、これは円錐形の形状に起因する抜けを防ぐ。

円錐角αがおよそ２°から１０°の間であるように選択されると、ロッキングリングと第２の部分との間で自動ロッキングを達成することができ、これは、一旦ロッキングリングが頭部３を留めるとロッキングリングを緩めるにはさらなる力が必要であろうということを意味する。円錐角αがおよそ１０°よりも大きければ、自動ロッキング効果は存在しない。もちろん、自動ロッキング効果を達成できる角度は、使用される材料および互いに係合する表面の処理に依存する。

特に図１、図２および図５に見られるように、ロッキングリング８はさらに、第２の端部９ｂに面する側に、互いに正反対に位置する２つの突起２１を備える。突起２１の高さは、頭部３がまだ留められていない位置にロッキングリングがあるときに突起２１がＵ字型凹部１２の底部の上に突出し、切込２４の中に延びるようなものである。突起２１の自由端２２は、ロッド６の湾曲に対応する湾曲を有する状態で湾曲させることができる。ロッキングリングは、突起２１がＵ字型凹部１２の位置に位置するように受部５の第２の部分１６の周りに配置される。これによって、Ｕ字型凹部１２の中に突出する突起２１は、ロッドが挿入されていないときにロッキングリングが回転するのを防ぐ。

内部ねじ７は、脚部に設けられた雌ねじ１３と協働するねじ山を有する。脚部が広がるのを防ぐねじ山の形態が用いられる場合には、内部ねじ７などの単一の閉じ要素で十分である。これは、径方向の骨固定装置の大きさを低減する。

受部、ロッキングリング、内部ねじ、および骨固定要素は、生体適合性の材料、たとえば十分な強度を有するチタンまたはステンレス鋼または生体適合性のプラスチック材料でできている。

骨固定装置は、自由端１７から受部５の第２の部分１６の上に取付けられたロッキング
リングとともに予め組立てられてもよい。代替的に、骨固定要素１は、受部５およびロッキングリング８とともに予め組立てられることができる。

骨固定装置はいくつかの方法で用いることができる。１つの使用方法では、骨固定要素、受部およびロッキングリングは予め組立てられる。骨固定要素は、受部が固定要素に取付けられた状態で骨に捩じ込まれる。捩じ込みツールで第１のボア１０を通して頭部の凹部４にアクセスできる。ロッキングリング８は、頭部３を留めない、第２の端部９ｂに近い第１の位置にある。この状態で、頭部３は第２の部分１６において回動可能に保持され、これによってロッドを受けるように受部５を位置合わせすることが可能である。一旦他の骨固定装置に対するロッドの正確な位置が達成されると、内部ねじ７がロッドを押すまで脚部の間に捩じ込まれる。ロッドはＵ字型凹部の底部に押し付けられ、それによって、突起２１の自由端２２とそれぞれ係合し、ロッキングリング８を下に移動させる。

ロッキングリング８が第２の部分の自由端１７の方に動かされると、ロッキングリング８は第２の部分１６を圧縮し、それによって頭部３を留める。ロッキングリングによってかけられる力が側面から作用するので、頭部を安全に動かなくするために必要な力は、力が上から頭部３の上に作用する場合よりも小さい。これによって、受部の壁の厚さを低減できることにより装置を小型化することも可能である。

内部ねじの最終的な締付けは、ロッドおよび頭部を同時にロックする。
別の使用方法では、受部５およびロッキングリング８のみが予め組立てられる。骨固定要素３がまず骨に捩じ込まれ、次いで受部が頭部３の上に据付けられるが、ロッキングリング８は、第２の端部９ｂに近い第１の位置にあり、第２の部分１６を圧縮していない。代替的に、骨固定要素１および予め組立てられたロッキングリングを有する受部は、頭部３の上に受部を据付けることによって外科医により組立てられる。これによって、外科医は固定セクションの直径および長さの点で適切な骨固定要素を選択することが可能である。

さらに別の方法では、上述のように予備固着を可能にするようにロッキングリングおよび第２の部分の協働表面が設計される場合、頭部はロッドとは独立してロックすることができる。

図１１から図１３は、骨固定装置の第２の実施例を示す。第１の実施例と全く同じ部分および要素は、第１の実施例の説明にあるのと同じ参照数字で示される。その説明は繰返さない。

第２の実施例は、骨固定要素および受部の第２の部分１６における収容スペースに関してのみ第１の実施例とは異なっている。骨固定要素１′は、ねじが切られたシャフト２と円筒形の頭部３０とを有する。特に図１２および図１３に見られるように、受部５の第２の部分１６の収容スペースは中空の円筒形内部スペース１８１を有し、中空の円筒形内部スペース１８１の直径は、ロックされていない状態で円筒形の頭部３０を円筒形セクション１８１に挿入し、誘導できるように円筒形の頭部３０の直径よりもわずかに大きい。円筒形セクションの端部は、頭部３０のための止め１８２を形成する。第２の実施例に従う骨固定装置の使用例は、第１の実施例の使用例と類似している。相違点は、受部５が骨固定要素１′に対して回動できず、頭部３０が留められていない状態でしか回転できないことである。このような受部５と骨固定要素１′との間の回転可能な単軸接続は、特定の解剖学的状況において有用であり得る。このような接続によって、ねじの軸を中心に回転させるだけでロッドに対して受部を位置合わせすることが可能である。

図１４および図１５は、骨固定装置の第３の実施例を示す。第１の実施例と全く同じ部
分および要素は、先の実施例の説明にあるのと同じ参照数字で示され、その詳細な説明は繰返さない。第３の実施例の受部５は、第２の部分１６の傾斜した自由端１７′を備える。特に図１４に見られるように、傾斜した自由端１７′は、受部の第１の部分の第１の端部９ａによって規定される面に対してある角度を含む面を規定する。したがって、頭部３を収容する中空の球形セクション１８′は、一方の側が対向する側と比較してより短い。

図１５に見られるように、この結果、対向する側と比較して一方の側により大きな回動角度がもたらされる。したがって、非対称の回動角度範囲を有する多軸ねじが提供される。傾斜した自由端１７′は、切断によって容易に製造することができる。

図１６および図１７は、ロッキングリングの変形例を示す。受部５は、上述の受部のうちの１つと全く同じであり、その説明は繰返さない。ロッキングリング８′は、各突起２１の両側に、横方向の突起２３を有し、その結果、突起２１の直径は凹部１２に基づいて切込２４の直径よりも大きい。ロッキングリング８′が取付けられると、突起２３は受部５の弾性のために凹部１２に嵌まり込む。突起２３は、頭部３がまだ挿入されていないときにロッキングリング８′が抜け落ちることに対する固定手段を形成する。これは、受部５がねじの上に据付けられる前に外科医が部品を取扱うときに有用であり得る。

図１８は、ロッキングリング８０が突起２１を持たない、先の実施例とは異なるさらなる実施例を示す。図１８に見られるように、ロッキングリング８０の高さはより大きく、ロッド６がロッキングリング８０を直接押すことができるようにＵ字型凹部１２は受部の中により深く延びている。

図１９は、ロッキングリング８００の構成の点で図１に従う実施例とは異なるさらなる実施例を示す。受部５は上述の受部のうちの１つと全く同じであり、その説明は繰返さない。ロッキングリング８００は下方部８０１を有し、下方部８０１は、たとえば図１１から図１３のロッキングリング８のように設計されており、１８０°だけオフセットされた２つの突起２１を含む。さらに、ロッキングリング８００は環状端縁８０２を備え、環状端縁８０２の内径は受部５の第１の部分９の外径よりも大きい。環状端縁８０２の高さは、突起２１の高さと同程度であり得る。しかしながら、環状端縁８０２は突起２１よりも大きな高さを有し得る。環状端縁８０２の厚みは小さいため、受部５の全径が実質的に増えることはない。

図１９に見られるように、環状端縁８０２の高さは、ロッキングリング８００がねじ１の頭部を留める最下方位置にあるときに環状端縁８０２がロッキングリングの主要部８０１と受部の第１の部分９の下側との間の間隙を閉じるようなものである。したがって、この場所に組織または血管が成長するリスクがない。

上述の実施例のさらなる変形例が可能である。たとえば、骨固定要素の頭部は、たとえば円錐形の形状などの他の形状を有することができ、受部の第２の部分１６における収容スペースはこの形状に適合される。さらなる変形例では、受部５または少なくとも第２の部分１６は、特定の程度まで弾性を提供する生体適合性のプラスチック材料でできている。この場合、スリットは省略されてもよい。ロッドと係合するロッキングリングの突起は別の形状を有し得る。たとえば、自由端の表面は平坦である可能性もあれば、その他の形状をしている可能性もある。ロッキングリングと第２の部分との間の自動ロッキングを達成するように円錐角を選択する代わりに、リブまたは粗い表面などの接触面上の表面構造を提供することによって、ロッドが依然として動くことが可能でありながら頭部を予備ロッキングすることを達成できる。

骨固定装置の第１の実施例の分解斜視図である。 組立てられた状態の図１の骨固定装置の斜視図である。 図２の骨固定装置の側面図である。 ロッドの軸に垂直な断面での図１から図３の骨固定装置の部分断面図である。 断面がロッドの軸を含む面で取られた、図１から図３に従う骨固定装置の部分断面図である。 第１の実施例に従う骨固定装置の受部の斜視図である。 図６の受部の側面図である。 ９０°だけ回転した図７の受部の側面図である。 図６の受部の上面図である。 図６の受部の底面図である。 第２の実施例に従う骨固定装置の分解斜視図である。 断面がロッドの軸に垂直である、組立てられた状態の図１１の骨固定装置の部分断面図である。 断面がロッドの軸を含む面で取られた、図１２の骨固定装置の部分断面図である。 骨固定装置の第３の実施例の受部の断面図である。 第３の実施例に従う骨固定装置の断面図である。 上述の実施例のロッキングリングを有する受部の変形例を示す図である。 図１６の拡大部分を示す図である。 骨固定装置のさらなる変形例を示す図である。 さらなる実施例を部分的に断面で示す図である。 図１９に従う実施例のロッキングリングの上からの斜視図である。 線Ａ−Ａに沿った図２０のロッキングリングの断面図である。

符号の説明

１ 骨固定要素、２ シャフト、３ 頭部、５ 受部、６ ロッド、８ ロッキングリング、９ 第１の部分、１２ Ｕ字型凹部、１６ 第２の部分

Claims (16)

1. 骨固定装置であって、
   骨に固定するためのシャフト（２）および頭部（３，３′）を有する骨固定要素（１，１′）と、
   前記骨固定要素にロッド（６）を結合するための受部（５）とを備え、前記受部は、
   前記ロッドを受けるための、第１の端部（９ａ）および第２の端部（９ｂ）およびＵ字型凹部（１２）を有する第１の部分（９）を備え、前記凹部（１２）は、前記第１の端部（９ａ）から前記第２の端部（９ｂ）の方向に延びており、それによって２つの自由な脚部（１２ａ，１２ｂ）を形成し、前記受部はさらに、
   前記頭部（３，３′）を収容するための、前記第１の端部とは反対側の前記第２の端部（９ｂ）の側に第２の部分（１６）を備え、前記第２の部分は、自由端（１７）を有し、前記頭部の導入および留めを可能にするように可撓性であり、前記骨固定装置はさらに、
   前記第２の部分（１６）を囲むロッキングリング（８）を備え、
   前記頭部（３，３′）は、前記ロッドで前記ロッキングリング（８）の上に圧力をかけ、その結果、前記受部の前記第２の部分を圧縮することによってロックされ、前記ロッキングリング（８）は、前記第２の部分（１６）の前記自由端（１７）から前記受部に取付けられる、骨固定装置。
2. 前記第２の端部に隣接する前記受部（５）の前記第２の部分（１６）の直径は、前記第２の端部（９ｂ）における前記第１の部分（９）の直径よりも小さい、請求項１に記載の骨固定装置。
3. 前記ロッキングリング（８）は、前記第１の部分（９）の前記第２の端部（９ｂ）によって制限される第１の位置と、前記頭部が留められていないときに前記第２の部分（１６）の前記自由端（１７）によって制限される第２の位置との間で前記第２の部分に沿って動くことができる、請求項１または２に記載の骨固定装置。
4. 前記ロッキングリング（８）の外径は、前記第１の部分（９）の外径よりも小さいか、または前記第１の部分（９）の外径と等しい、請求項１から３のいずれかに記載の骨固定装置。
5. 前記受部の前記第２の部分（１６）は、前記第２の端部（９ｂ）に向かって先細りになる円錐形の外面を有する、請求項１から４のいずれかに記載の骨固定装置。
6. 前記ロッキングリングは、前記第２の部分（１６）の前記円錐形の外面に対応する、円錐形に先細りになる内面を備えるセクション（８ａ）を有する、請求項５に記載の骨固定装置。
7. 円錐角（α）は、前記ロッキングリング（８）と前記第２の部分（１６）との間の自動ロッキングを提供するように選択される、請求項６に記載の骨固定装置。
8. 前記ロッキングリング（８）は、前記頭部が留められていないときに前記Ｕ字型凹部（１２）の中に突出する、１８０°だけオフセットされた２つの突起（２１）を備える、請求項１から７のいずれかに記載の骨固定装置。
9. 前記第２の部分（１６）は、前記自由端（１７）に開放する複数のスリット（１９，２０）を備える、請求項１から８のいずれかに記載の骨固定装置。
10. 前記第１の部分（９）は、前記第１の端部（９ａ）のある距離のところから前記第２の
    端部（９ｂ）まで延びる複数のスリット（１５）を備える、請求項１から９のいずれかに記載の骨固定装置。
11. 前記頭部（３）は球形セグメントの形状をしており、前記第２の部分は、前記頭部（３）の回動運動を可能にするように、対応する球形部分（１８）を有する内面を備える、請求項１から１０のいずれかに記載の骨固定装置。
12. 前記頭部（３′）は円筒形の形状をしており、前記第２の部分は、前記頭部（３′）の動きを単一の軸を中心とした回転運動に制限するように、対応する円筒形部分（１８１）を有する内面を備える、請求項１から１０のいずれかに記載の骨固定装置。
13. 前記凹部において前記ロッドを固定するために閉じ要素（７）、好ましくは止めねじが設けられる、請求項１から１２のいずれかに記載の骨固定装置。
14. 前記第２の部分（１６）の前記自由端（１７）を通る面は、前記第１の端部（９ａ）に対してある角度を含む、請求項１から１０のいずれかに記載の骨固定装置。
15. 前記ロッキングリングは、前記頭部（３）がまだ前記第２の部分（１６）に挿入されていないときに前記ロッキングリングが前記自由端（１７）を通って抜けるのを防ぐ構造（２３）を有する、請求項１から１４のいずれかに記載の骨固定装置。
16. 前記ロッキングリングは、突起と同じ方向に延びる環状端縁を有し、環状端縁の高さは、前記頭部が前記ロッキングリングによって留められると端縁が前記受部の前記第１の部分の一部を包込むような大きさにされる、請求項１から１５に記載の骨固定装置。

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