以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、本発明の画像形成装置を複写機に適用した例を示すが、これに限定されるものではなく、複合機、プリンタ、ファクシミリ等にも適用することが可能である。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる複写機の構成を示すブロック図である。複写機1は、スキャナ部2とプリンタ部3とを備えて構成されている。本図では、スキャナ部2とプリンタ部3とが一体となった構成となっているが、利用者の要求に応じてスキャナ部2とプリンタ部3とを分離した構成に変更することが可能である。
図2は、スキャナ部2の概略図である。スキャナ部2は、原稿搬送型スキャナであり、操作部4で設定後、原稿5を原稿テーブル6上の図に示す方向に挿入すると原稿の搬送が始まり、スキャナ部2の内部にある原稿サイズ検知センサ12で原稿サイズを検知し、ス密着センサ(CIS)9といわれる素子で画像の読み取り動作を実施する。スキャナ部2は、その機能で大別すると、画像に関わる画像信号部7とスキャナ制御に関わる制御信号部8とに分けることができる。
画像信号部7は、密着センサ(CIS)9、画像信号増幅回路10、および、A/D(アナログ/デジタル)変換回路11を備えて構成されている。密着センサ(CIS)9は、原稿5の画像を読み取りアナログ信号を発生する。画像信号増幅回路10は、読み取ったアナログ信号を増幅する。A/D(アナログ/デジタル)変換回路11は、アナログ信号をディジタル信号に変換する。
制御信号部8は、原稿サイズ検知センサ12、原稿挿入検知センサ13、原稿レジスト検知センサ14、原稿搬送を行うモータ、クラッチまたはソレノイドなどであるスキャナ駆動部(図示せず)、および、中継基板(SIB)16を備えて構成されている。原稿サイズ検知センサ12は、原稿サイズを検知する。原稿サイズ検知センサ12は、原稿幅を検知するものであるので、その読み取りたい最大サイズに応じて原稿主走査方向に必要な個数分が一列に並んでいる。特に、広幅複写機の場合A0〜A4までどのような幅の原稿が挿入されるか分からないため、例えばA0〜A4とB1〜B4を読み取る場合には、9個のセンサが必要となる。その他にも扱える紙サイズがあれば、その分センサの数は増加する。なお、本例では、制御信号部8は原稿サイズ検知センサ12を2個備えているものとして説明する。
原稿挿入検知センサ13は、原稿が挿入されたことを検知し、原稿レジスト検知センサ14は、原稿の先端及び後端を検知する。以後、原稿サイズ検知センサ12、原稿挿入検知センサ13、原稿レジスト検知センサ14をまとめて、各センサ12、13、14と呼ぶ。なお、本例では、原稿挿入検知センサ13および原稿レジスト検知センサ14を、各一つ備えている。一般的には一つで十分な機能を果たすが、複数個設けられる場合もある。
中継基板(SIB)16は、プリンタ部3の後述するエンジン制御部17(IO管理部(IOB)24)との間で信号の送受信を行うとともに、プリンタ部3の後述する電源ユニット部(PSU)22から電力の供給を受ける。中継基板(SIB)16の役割については、後ほど詳しく説明する。
プリンタ部3は、エンジン制御部17、画像処理部(IPU)18、コントローラ(Ctrl)19、書き込み制御部(VDB)20、LPH(LED Print Head)21、および、電源ユニット部(PSU)22を備えて構成されている。エンジン制御部17は、転写紙等の用紙搬送プロセス、各センサ12、13、14およびスキャナ駆動部(図示せず)などの入出力制御、および、複写機1全体の制御を行う。エンジン制御部17は、主にCPU(プロセッサ)とメモリが搭載されている。エンジン制御部17は、複写機1全体の制御をつかさどるメイン制御部(BCU)23と、各センサ12、13、14およびスキャナ駆動部(図示せず)などを管理するIO管理部(IOB)24とで構成されており、IO管理部(IOB)24には、IO制御IC25が搭載されている。
画像処理部(IPU)18は、複数のCPU(プロセッサ)で構成され、必要な画像処理を行う。コントローラ(Ctrl)19は、プリンタ部3における画像データの出力タイミングを制御するとともに、画像書き込みデータを生成する。書き込み制御部(VDB)20は、書き込みタイミングに合わせて搬送されてきた転写紙に、画像書き込みデータに基づいてLPH(LED Print Head)21の書き込み制御を行う。LPH(LED Print Head)21は、実際に感光体に画像の書き込みを行う、LED等の光デバイスである。
電源ユニット部(PSU)22は、商用電源(図示せず)からの電力を中継基板(SIB)16へ供給することにより、複写機1内の各部(スキャナ部2およびプリンタ部3)へ供給する。本実施の形態では、特に、スキャナ部2の制御信号部8へ供給する場合について、後ほど詳しく説明する。
以上の様に構成されたプリンタ部3による画像の作像プロセスを簡単に説明する。スキャナ部2で読み取られた画像は、デジタルデータに変換され画像処理部(IPU)18へデータ転送される。画像処理部(IPU)18は、複数のプロセッサによりそれぞれ必要な画像処理を行う。各種画像処理が終了したデータはコントローラ(Ctrl)19に転送され、そこで、一旦ハードディスク等の記憶手段(図示せず)に蓄えられる。
コントローラ(Ctrl)19は、各画像データの出力タイミングに応じて必要なデータを記憶手段(図示せず)から取り出し、コピー枚数、モード等の条件によってラインメモリへ配置し、画像書き込みデータとして書き込み制御部(VDB)20へ転送する。LPH(LED Print Head)21は、書き込み制御部(VDB)20からの指示により、書き込みタイミングに合わせて感光体(図示せず)へ画像を書き込む。そして、感光体上に書き込まれた画像をトナーで現像し、このトナー像をカセット等の転写紙ストック手段(図示せず)から搬送されてきた転写紙に転写することにより、印刷が行われる。
次に、中継基板(SIB)16の役割について、従来の複写機の場合と比較して詳しく説明する。図3は、従来の複写機の構成を示すブロック図である。従来の複写機111は、本実施の形態にかかる複写機1と同様に、スキャナ部112とプリンタ部113とを備えて構成されている。本図では、スキャナ部112とプリンタ部113とが一体となった構成となっているが、利用者の要求に応じてスキャナ部112とプリンタ部113とを分離した構成に変更することが可能である。
スキャナ部112は、画像信号部7と制御信号部114とを備えて構成され、さらに、画像信号部7は、密着センサ(CIS)9、画像信号増幅回路10、A/D(アナログ/デジタル)変換回路11を備えて構成され、さらに、制御信号部114は、2つの原稿サイズ検知センサ12、原稿挿入検知センサ13、原稿レジスト検知センサ14、および、スキャナ駆動部(図示せず)を備えて構成されている。ここで、スキャナ部112は、中継基板(SIB)16がない点が本実施の形態にかかる複写機1と機能的に異なる。
プリンタ部113は、エンジン制御部17、画像処理部(IPU)18、コントローラ(Ctrl)19、書き込み制御部(VDB)20、LPH(LED Print Head)21、および、電源ユニット部(PSU)22を備えて構成され、さらに、エンジン制御部17は、メイン制御部(BCU)23とIO管理部(IOB)24とを備えて構成され、IO管理部(IOB)24には、IO制御IC25が搭載されている。
ここで、電源ユニット部(PSU)22からの電力は、IO管理部(IOB)24へ入力される。そして、IO管理部(IOB)24内で電力の分配を行い、各センサ12、13、14へそれぞれ電力を供給している。プリンタ部113は、本実施の形態にかかる複写機1とこの点が異なっている。
そして、各センサ12、13、14とプリンタ部113の間では、各センサ12、13、14からIO管理部(IOB)24へ各センサが検知した信号(検知信号)を各々送信する信号用の配線と、電源ユニット部(PSU)22から各センサ12、13、14へ各々電力を供給する電源用およびGND用の配線との計3本の配線が、センサ1つに対して必要である。なお、スキャナ駆動部(図示せず)とプリンタ部113の間でも、IO管理部(IOB)24からスキャナ駆動部(図示せず)へモータなどの駆動を指示する信号(制御信号)を送信する信号用の数本の配線と、電源ユニット部(PSU)22からスキャナ駆動部(図示せず)へ電力を供給する電源用およびGND用の配線が必要であるが、ここでは詳しい説明は省略する。
ここで、スキャナ部112とプリンタ部113とを分離した構成に変更した場合を考える。図4は、従来の複写機111において、スキャナ部112とプリンタ部113とを分離した構成を示すブロック図である。図では、説明のためスキャナ部112の制御信号部114とプリンタ部113のIO管理部(IOB)24および電源ユニット部(PSU)22のみを示している。
この場合、各センサ12、13、14のそれぞれに対して、信号用、電源用、GND用の計3本のハーネス26が必要となり、本図の場合センサ用に、計12本のハーネス26が必要となる。このため、これらのハーネス26を、スキャナ部112の各コネクタ(図示せず)およびプリンタ部113の各コネクタ(図示せず)と接続する際の作業は困難である。
特に、スキャナ部112側では、信号用、電源用、GND用の計3本のハーネス26を、各センサ12、13、14に設けられた各コネクタ(図示せず)に、それぞれ接続しなければならず、これらが設置されている場所によっては、接続作業が一層困難になる。さらに、ハーネス26は、シールド27がされているため、これら全てを束ねたハーネス束は非常に太くなり、このハーネス束を所望の位置に配線する際の作業も困難である。
これに対し、本実施の形態にかかる複写機1では、スキャナ部2に中継基板(SIB)16を設け、電源ユニット部(PSU)22から各センサ12、13、14へ電力を供給する電源用およびGND用の配線を共通化した上で中継基板(SIB)16へ電力を供給している。そして、中継基板(SIB)16内で電力の分配を行い、各センサ12、13、14へそれぞれ電力を供給している。
さらに、本実施の形態にかかる複写機1では、各センサ12、13、14からIO管理部(IOB)24への信号用の配線についても、一旦、中継基板(SIB)16へまとめた上で、プリンタ部3へ接続するようにしている。
なお、厳密には、スキャナ部2とプリンタ部3の一体時の構成では、スキャナ部2の各コネクタ(図示せず)と、プリンタ部3の各コネクタ(図示せず)との間に、通常の短いハーネス(図示せず)が接続されることにより、プリンタ部3から、各センサ12、13、14へ信号用、電源用およびGND用の配線が接続されている。
このような構成で、スキャナ部2とプリンタ部3とを分離した構成に変更した場合を考える。図5は、本実施の形態にかかる複写機1において、スキャナ部2とプリンタ部3とを分離した構成を示すブロック図である。図では、説明のためスキャナ部2の制御信号部8とプリンタ部3のIO管理部(IOB)24および電源ユニット部(PSU)22のみを示している。
この場合、各センサ12、13、14に対して、信号用の各1本のハーネス26と、共通の電源用およびGND用の計2本のハーネス26が必要となり、本図の場合、必要なハーネス26の本数は、信号用に4本、電源用に1本、GND用に1本の計6本となり、従来の複写機111の場合と比べて半分となる。このため、これらのハーネス26を、スキャナ部2の各コネクタ(図示せず)およびプリンタ部3の各コネクタ(図示せず)と接続する際の作業は容易となる。また、ハーネスの本数が少なくなるので、ハーネスのコストを下げることができる。さらに、ハーネスの本数が少なくなるので、電磁波の発生を抑えることができ、EMC問題への対応が容易となる。
また、信号用のハーネス26については、中継基板(SIB)16に設けられた各コネクタ(図示せず)に接続するだけでよく、接続作業が一層やりやすい。さらに、これら全てを束ねたハーネス束は細くなり、このハーネス束を所望の位置に配線する際の作業も容易となる。また、見た目にもきれいな配線となる。
そして、上述の効果は、スキャナ部2に備える各センサ12、13、14の数が多いほど大きくなり、特に、原稿サイズ検知センサ12の数が多い広幅複写機の場合、その効果はさらに大きくなる。
なお、本実施の形態では、電源ユニット部(PSU)22から画像信号部7への電力供給についての詳しい説明はしていないが、上述した方法と同様に、画像信号部7へ電力を供給する電源用およびGND用の配線を、制御信号部8へ電力を供給する電源用およびGND用の配線と共通化した上で中継基板(SIB)16へ電力を供給し、中継基板(SIB)16内で電力の分配を行い、画像信号部7へ電力を供給するようにしてもよい。
このように、第1の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、プリンタ部の電源ユニット部(PSU)から供給された電力をスキャナの各部へ分配するとともに、スキャナの各部とプリンタのIO管理部(IOB)の間で信号の中継を行う中継基板(SIB)を設けたので、プリンタ部の電源ユニット部(PSU)からスキャナ部への電源用およびGND用の配線を共通化して中継基板(SIB)へ電力を供給することができ、プリンタ部とスキャナ部とを接続するハーネスの本数を少なくすることができるので、一体構成から分離構成へ変更する際の作業性を向上させることが可能となる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、スキャナ部およびプリンタ部にLVDS(Low Voltage Differential Signaling:低電圧差動信号)ドライバ・レシーバを搭載し、LVDS間で信号を送信する。第2の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる複写機の構成のうち、第1の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図6は、本発明の第2の実施の形態にかかる複写機の構成を示すブロック図である。
なお、本図では、スキャナ部32の画像信号部と、プリンタ部33の画像処理部(IPU)、コントローラ(Ctrl)、書き込み制御部(VDB)、LPH(LED Print Head)、および、メイン制御部(BCU)は、第1の実施の形態と同様であり、省略している。
複写機31は、スキャナ部32とプリンタ部33とを備えて構成されている。本図では、スキャナ部32とプリンタ部33とが一体となった構成となっているが、利用者の要求に応じてスキャナ部32とプリンタ部33とを分離した構成に変更することが可能である。
スキャナ部32は、画像信号部と制御信号部34とを備えて構成され、さらに、画像信号部は、密着センサ(CIS)、画像信号増幅回路、A/D(アナログ/デジタル)変換回路を備えて構成され、さらに、制御信号部34は、2つの原稿サイズ検知センサ12、原稿挿入検知センサ13、原稿レジスト検知センサ14、スキャナ駆動部(図示せず)、および、中継基板(SIB)35を備えて構成されている。
中継基板(SIB)35は、プリンタ部33のエンジン制御部(IO管理部(IOB)24)との間で、差動型シリアルバスデータで信号の受け渡しを行うとともに、プリンタ部33の電源ユニット部(PSU)22から電力の供給を受ける。図7は、中継基板(SIB)35の構成を示す図である。
中継基板(SIB)35は、LVDSドライバ36、LVDSレシーバ37、一体時用コネクタ38、分離時用コネクタ39、電源コネクタ40、および、接続コネクタ41を備えて構成されている。LVDSドライバ36は、各センサ12、13、14からの信号をパラレルからシリアルへ変換し、プリンタ部33の後述するLVDSレシーバ44へ送信する。LVDSレシーバ37は、プリンタ部33の後述するLVDSドライバ43からの受信信号をシリアルからパラレルへ変換し、スキャナ駆動部(図示せず)へ送信する。
一体時用コネクタ38は、スキャナ部32とプリンタ部33の一体時に、各センサ12、13、14からの信号用の配線を接続する。なお、この場合に送受信を行う信号はパラレル信号である。分離時用コネクタ39は、スキャナ部32とプリンタ部33の分離時に、各センサ12、13、14からの信号用の配線を接続する。なお、この場合に送受信を行う信号はシリアル信号である。なお、中継基板(SIB)35の回路は、スキャナ部32とプリンタ部33の一体の場合と分離の場合のパターンが共通となっており、基板サイズを小さくし、コストを削減する事が可能である。
電源コネクタ40は、電源ユニット部(PSU)22からの電源用およびGND用の配線を接続する。接続コネクタ41は、各センサ12、13、14へ信号用、電源用およびGND用の配線を接続する。
プリンタ部33は、エンジン制御部、画像処理部(IPU)、コントローラ(Ctrl)、書き込み制御部(VDB)、LPH(LED Print Head)、および、電源ユニット部(PSU)22を備えて構成され、さらに、エンジン制御部は、メイン制御部(BCU)、IO管理部(IOB)24、および、LVDS搭載基板(PRB)42を備えて構成されている。なお、IO管理部(IOB)24には、IO制御IC25が搭載されている。
LVDS搭載基板(PRB)42は、LVDSドライバ43、LVDSレシーバ44を備えて構成されている。LVDSドライバ43は、IO制御IC25からの信号をパラレルからシリアルへ変換し、スキャナ部32のLVDSレシーバ37へ送信し、LVDSレシーバ44は、スキャナ部32のLVDSドライバ36からの受信信号をシリアルからパラレルへ変換し、IO制御IC25へ送信する。
図6におけるスキャナ部32とプリンタ部33の一体時の構成では、各センサ12、13、14からの信号は、中継基板(SIB)35を介して、そのままIO制御IC25へ送信され、スキャナ駆動部(図示せず)への信号は、そのままIO制御IC25から中継基板(SIB)35を介して送信されている。
なお、厳密には、スキャナ部32とプリンタ部33の一体時の構成では、スキャナ部32の電源コネクタ40および一体時用コネクタ38と、プリンタ部33の各コネクタ(図示せず)との間に、通常の短いハーネス(図示せず)が接続されることにより、プリンタ部33から、各センサ12、13、14およびスキャナ駆動部(図示せず)へ信号用、電源用およびGND用の配線が接続されている。
ここで、本実施の形態にかかる複写機31の特徴について説明する。第1の実施の形態にかかる複写機1におけるスキャナ部2とプリンタ部3とを分離した構成では、各センサ12、13、14の信号用に各々1本のハーネス26を用いて、スキャナ部2とプリンタ部3の間をそのまま接続している。
しかし、スキャナ部2とプリンタ部3の距離が長いためハーネス26が長くなると、信号品質が劣化し動作が不安定になるという問題が発生する。そのため複写機1の構成で信号の品質を確保するためには、複写機の配置を制限しなければならない。特に、広幅機では機械の大きさがA3機に比べて大きいため、スキャナ部2とプリンタ部3とを分離して配置する場合、数メートルの距離が必要となり、このままでは信号品質の劣化が避けれらない。
この問題に対して、本実施の形態にかかる複写機31では、スキャナ部32の中継基板(SIB)35にLVDSドライバ36およびLVDSレシーバ37、プリンタ部33のLVDS搭載基板(PRB)42にLVDSドライバ43およびLVDSレシーバ44をそれぞれ搭載し、信号品質の劣化が少なく長距離伝送を可能とする差動型シリアルバスデータで信号の受け渡しを行うことにより、複写機31の自由な配置を実現することができる。
ここで、スキャナ部32とプリンタ部33の一体時の構成における中継基板(SIB)35内での信号の流れについて説明する。図8は、スキャナ部32とプリンタ部33の一体時の構成における中継基板(SIB)35内での信号の流れを説明する図である。プリンタ部33の電源ユニット部(PSU)22からの電源およびGND信号は、電源コネクタ40に入力され、中継基板(SIB)35で分配されると、接続コネクタ41から各センサ12、13、14およびスキャナ駆動部(図示せず)へ出力される。
各センサ12、13、14からの検知信号は、各接続コネクタ41に入力され、一体時用コネクタ38からそのまま(パラレル)で、プリンタ部33のIO制御IC25へ出力される。なお、図示していないが、プリンタ部33のIO制御IC25からのスキャナ駆動部(図示せず)への制御信号(パラレル)は、一体時用コネクタ38に入力され、スキャナ駆動部(図示せず)へ出力される。この時、各センサ12、13、14からの検知信号は、中継基板(SIB)35で一部が分岐し、LVDSドライバ36へ送信されており、さらに、LVDSドライバ36でシリアル変換された検知信号が分離時用コネクタ39まで到達している。なお、図示していないが、LVDSレシーバ37からスキャナ駆動部(図示せず)への信号線も常時つながっている。
従って、スキャナ部32とプリンタ部33を分離した構成に変更する場合、各センサ12、13、14からの信号用の配線およびスキャナ駆動部(図示せず)への信号用の配線の接続を、一体時用コネクタ38から分離時用コネクタ39へ変更するだけで、スキャナ部32とプリンタ部33を一体構成から分離構成へ自動的に切り替えることができる。
次に、スキャナ部32とプリンタ部33の分離時の構成における中継基板(SIB)35内での信号の流れについて説明する。図9は、スキャナ部32とプリンタ部33の分離時の構成における中継基板(SIB)35内での信号の流れを説明する図である。プリンタ部33の電源ユニット部(PSU)22からの電源およびGND信号の流れは、一体時と変わらないが、各センサ12、13、14からの検知信号(パラレル)は、各接続コネクタ41に入力され、LVDSドライバ36でパラレルからシリアルへ変換後、分離時用コネクタ39から、プリンタ部33のLVDSレシーバ44へ出力される。
また、プリンタ部33のLVDSドライバ43からのスキャナ駆動部(図示せず)への制御信号(シリアル)は、分離時用コネクタ39に入力され、LVDSレシーバ37でシリアルからパラレルへ変換後、スキャナ駆動部(図示せず)へ出力される。
この時、各センサ12、13、14からの検知信号は、中継基板(SIB)35で一部が分岐し、一体時用コネクタ38まで到達している。また、図示していないが、一体時用コネクタ38からスキャナ駆動部(図示せず)への信号線も常時つながっている。従って、スキャナ部32とプリンタ部33を一体構成に変更する場合、各センサ12、13、14からの信号用の配線およびスキャナ駆動部(図示せず)への信号用の配線の接続を、分離時用コネクタ39から一体時用コネクタ38へ変更するだけで、スキャナ部32とプリンタ部33を分離構成から一体構成へ自動的に切り替えることができる。
図10は、本実施の形態にかかる複写機31において、スキャナ部32とプリンタ部33とを分離した構成を示すブロック図である。図では、説明のためスキャナ部32の制御信号部34とプリンタ部33のIO管理部(IOB)24、電源ユニット部(PSU)22、および、LVDS搭載基板(PRB)42のみを示している。分離時の構成では、各センサ12、13、14からの信号(パラレル)は、LVDSドライバ36でパラレル−シリアル変換後送信され、ハーネス26を経由し、LVDSレシーバ44で受信後シリアル−パラレル変換され、IO制御IC25へ送信される。
また、IO制御IC25からのスキャナ駆動部(図示せず)への信号(パラレル、図示せず)は、LVDSドライバ43でパラレル−シリアル変換後送信され、ハーネス26を経由し、LVDSレシーバ37で受信後シリアル−パラレル変換され、スキャナ駆動部(図示せず)へ送信される。
この場合、各センサ12、13、14およびスキャナ駆動部(図示せず)に対して、信号用として1本のハーネス26と、共通の電源用およびGND用の計2本のハーネス26が必要となり、本図の場合、必要なハーネス26の本数は計3本となり、第1の実施の形態にかかる複写機1の場合と比べてさらに半分以下となる。このため、これらのハーネス26をスキャナ部32の分離時用コネクタ39およびプリンタ部33のコネクタ(図示せず)と接続する際の作業は容易となる。
さらに、これら全てを束ねたハーネス束は細くなり、このハーネス束を所望の位置に配線する際の作業も容易となる。さらに、ハーネス26は、シールド27がされているため、LVDS信号をシールド27がされていないハーネス26で接続するよりもEMCの特性を良くする事が可能である。
(変形例)
本実施の形態では、中継基板(SIB)35は、一体時用コネクタ38と分離時用コネクタ39とを備え、スキャナ部32とプリンタ部33の一体時と分離時で異なるコネクタを使用している。これに対して、変形例では、スキャナ部32とプリンタ部33の一体時と分離時で同じコネクタを使用する。図11は、中継基板(SIB)35の変形例を示す図である。中継基板(SIB)35は、一体時用コネクタ38および分離時用コネクタ39の代わりに共通コネクタ45を備えている。
さらに、スイッチ46を設けて、各センサ12、13、14の信号を、そのまま共通コネクタ45へ送信するか(プリンタ33からの信号をそのままスキャナ駆動部(図示せず)へ送信するか)、または、各センサ12、13、14の信号を、LVDSドライバ36でパラレル−シリアル変換後に共通コネクタ45へ送信するか(プリンタ33からの信号をLVDSレシーバ37でシリアル−パラレル変換後にスキャナ駆動部(図示せず)へ送信するか)を切り替え可能としている。
このスイッチ46は、例えば、IO制御IC25に接続されている切り替え信号線を有しており、IO制御IC25からの指示で切り替え信号がHighになると、各センサ12、13、14の信号をそのまま共通コネクタ45に送信する(プリンタ33からの信号をそのままスキャナ駆動部(図示せず)へ送信する)。この切り替え信号のデフォルトはLowになっており、IO制御IC25からHighになるよう指示が来ていない間は、各センサ12、13、14の信号を、LVDSドライバ36でパラレル−シリアル変換後に共通コネクタ45へ送信する(プリンタ33からの信号をLVDSレシーバ37でシリアル−パラレル変換後にスキャナ駆動部(図示せず)へ送信する)。なお、スイッチの構造は、上述した例に限るものではなく、信号を切り替え可能な構造であればよい。この結果、中継基板(SIB)35に搭載されるコネクタの数を減らすことが可能である。
また、プリンタ部33も同様に変形することが可能である。図12は、プリンタ部33の変形例を示す図である。図のように、IO管理部(IOB)24(LVDS搭載基板(PRB)42でもよい)にスイッチ47を設け、IO制御IC25からの信号をそのままスキャナ部32へ送信するか(各センサ12、13、14からの信号をそのままIO制御IC25へ送信するか)、または、IO制御IC25からの信号をLVDSドライバ43でパラレル−シリアル変換後にスキャナ部32へ送信するか(各センサ12、13、14からの信号をLVDSレシーバ44でシリアル−パラレル変換後にIO制御IC25へ送信するか)を切り替え可能としている。この結果、プリンタ部33に搭載されるコネクタは、一体時と分離時で異なるコネクタを使用せずに、共通コネクタ48だけで対応することができる。
このように、第2の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、スキャナ部とプリンタ部の中継基板(SIB)とに、LVDSドライバおよびLVDSレシーバを備え、分離構成では、プリンタ部とスキャナ部との間で送受信される通常の信号を、低電圧差動信号に変換した上でプリンタ部またはスキャナ部から送信し、プリンタ部またはスキャナ部が受信した低電圧差動信号信号を通常の信号に再変換した上でプリンタ部またはスキャナ部の各部へ送るようにしたので、プリンタ部とスキャナ部とを接続するハーネスの本数をさらに少なくすることができ、一体構成から分離構成へ変更する際の作業性を向上させることが可能となる。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では、スキャナ部の中継基板(SIB)およびプリンタ部のLVDS搭載基板(PRB)にLVDSドライバおよびLVDSレシーバを搭載していたが、第3の実施の形態では、スキャナ部では、別途LVDSドライバおよびLVDSレシーバを搭載した分離基板(SRB)を中継基板(SIB)に接続可能とするとともに、プリンタ部では、別途LVDSドライバおよびLVDSレシーバを搭載したLVDS搭載基板(PRB)をIO管理部(IOB)に接続可能とする。そして、スキャナ部とプリンタ部の分離時にのみ、分離基板(SRB)とLVDS搭載基板(PRB)とを接続し、LVDS間で信号を送信する。第3の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる複写機の構成のうち、第2の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図13は、本発明の第3の実施の形態にかかる複写機の構成を示すブロック図である。
なお、本図では、スキャナ部52の画像信号部と、プリンタ部53の画像処理部(IPU)、コントローラ(Ctrl)、書き込み制御部(VDB)、LPH(LED Print Head)、および、メイン制御部(BCU)は、第2の実施の形態と同様であり、省略している。
複写機51は、スキャナ部52とプリンタ部53とを備えて構成されている。本図では、スキャナ部52とプリンタ部53とが一体となった構成となっているが、利用者の要求に応じてスキャナ部52とプリンタ部53とを分離した構成に変更することが可能である。
スキャナ部52は、画像信号部と制御信号部54とを備えて構成され、さらに、画像信号部は、密着センサ(CIS)、画像信号増幅回路、A/D(アナログ/デジタル)変換回路を備えて構成され、さらに、制御信号部54は、2つの原稿サイズ検知センサ12、原稿挿入検知センサ13、原稿レジスト検知センサ14、スキャナ駆動部(図示せず)、および、中継基板(SIB)55を備えて構成されている。
中継基板(SIB)55は、プリンタ部53のエンジン制御部(IO管理部(IOB)57)との間で信号の受け渡しを行うとともに、プリンタ部53の電源ユニット部(PSU)22から電力の供給を受ける。図14は、中継基板(SIB)55の構成を示す図である。
中継基板(SIB)55は、一体時用コネクタ38、電源コネクタ40、および、接続コネクタ41、および、SRBインターフェース56を備えて構成されている。SRBインターフェース56は、スキャナ部52とプリンタ部53の分離時に、後述する分離基板(SRB)59を接続し、各センサ12、13、14からの信号用の配線、スキャナ駆動部(図示せず)への信号用の配線、および、各センサ12、13、14およびスキャナ駆動部(図示せず)への電源用およびGND用の配線を分離基板(SRB)59側と接続する。
プリンタ部53は、エンジン制御部、画像処理部(IPU)、コントローラ(Ctrl)、書き込み制御部(VDB)、LPH(LED Print Head)、および、電源ユニット部(PSU)22を備えて構成され、さらに、エンジン制御部は、メイン制御部(BCU)、IO管理部(IOB)57を備えて構成されている。なお、IO管理部(IOB)57は、IO制御IC25とPRBインターフェース58とを搭載されている。
PRBインターフェース58は、スキャナ部52とプリンタ部53の分離時に、後述するLVDS搭載基板(PRB)65を接続し、IO制御IC25からの信号用の配線をLVDS搭載基板(PRB)65側と接続する。
図13におけるスキャナ部52とプリンタ部53の一体時の構成では、各センサ12、13、14からの信号は、中継基板(SIB)55を介して、そのままIO制御IC25へ送信され、スキャナ駆動部(図示せず)への信号は、そのままIO制御IC25から中継基板(SIB)55を介して送信されている。
なお、厳密には、スキャナ部52とプリンタ部53の一体時の構成では、スキャナ部52の電源コネクタ40および一体時用コネクタ38と、プリンタ部53の各コネクタ(図示せず)との間に、通常の短いハーネス(図示せず)が接続されることにより、プリンタ部53から、各センサ12、13、14およびスキャナ駆動部(図示せず)へ信号用、電源用およびGND用の配線が接続されている。
ここで、本実施の形態にかかる複写機51の特徴について説明する。第2の実施の形態にかかる複写機31におけるスキャナ部32とプリンタ部33とを分離した構成では、スキャナ部32の中継基板(SIB)35にLVDSドライバ36およびLVDSレシーバ37、プリンタ部33のLVDS搭載基板(PRB)42にLVDSドライバ43およびLVDSレシーバ44を各々搭載し、信号品質の劣化が少なく長距離伝送を可能とする差動型シリアルバスデータで信号の受け渡しを行っている。
しかしながら、複写機はスキャナ部とプリンタ部とが一体になった構成で使用されることが多く、初めからスキャナ部とプリンタ部とを分離した場合のことを考えて、スキャナ部とプリンタ部とに各々LVDSドライバおよびLVDSレシーバを搭載しておくことは、コストアップの要因となる。そこで、本実施の形態にかかる複写機51では、スキャナ部とプリンタ部とを分離する構成にする場合にのみ、スキャナ部とプリンタ部とに各々LVDSドライバおよびLVDSレシーバを基板を介して接続し、差動型シリアルバスデータで信号の受け渡しを行うようにしている。このため、LVDSドライバおよびLVDSレシーバを使用しない場合は、そのコストを削減することができる。
ここで、スキャナ部52とプリンタ部53の一体時の構成における中継基板(SIB)55内での信号の流れについて説明する。図15は、スキャナ部52とプリンタ部53の一体時の構成における中継基板(SIB)55内での信号の流れを説明する図である。プリンタ部53の電源ユニット部(PSU)22からの電源およびGND信号は、電源コネクタ40に入力され、中継基板(SIB)55で分配されると、接続コネクタ41から各センサ12、13、14およびスキャナ駆動部(図示せず)へ出力される。
各センサ12、13、14からの検知信号は、接続コネクタ41に入力され、一体時用コネクタ38からそのまま(パラレル)で、プリンタ部53のIO制御IC25へ出力される。なお、図示していないが、プリンタ部53のIO制御IC25からのスキャナ駆動部(図示せず)への制御信号(パラレル)は、一体時用コネクタ38に入力され、スキャナ駆動部(図示せず)へ出力される。この時、各センサ12、13、14からの検知信号は、中継基板(SIB)55で一部が分岐し、SRBインターフェース56まで到達している。また、SRBインターフェース56からスキャナ駆動部(図示せず)への信号線も常時つながっている。
従って、スキャナ部52とプリンタ部53を分離した構成に変更する場合、中継基板(SIB)55に分離基板(SRB)59を接続するだけで、スキャナ部52とプリンタ部53を一体構成から分離構成へ自動的に切り替えることができる。
次に、スキャナ部52とプリンタ部53とを分離した構成に変更した場合を考える。図16は、本実施の形態にかかる複写機51において、スキャナ部52とプリンタ部53とを分離した構成を示すブロック図である。図では、説明のためスキャナ部52の制御信号部54、プリンタ部53のIO管理部(IOB)57および電源ユニット部(PSU)22、分離基板(SRB)59、および、LVDS搭載基板(PRB)65のみを示している。スキャナ部52では、中継基板(SIB)55にSRBインターフェース56を介して分離基板(SRB)59が接続されている。分離基板(SRB)59は、SIBインターフェース60、分離時用コネクタ61、分離時用電源コネクタ62、LVDSドライバ63、および、LVDSレシーバ64を備えている。
SIBインターフェース60は、中継基板(SIB)55を接続する。分離時用コネクタ61は、各センサ12、13、14からの信号用の配線およびスキャナ駆動部(図示せず)への信号用の配線を接続する。分離時用電源コネクタ62は、電源ユニット部(PSU)22からの電源用およびGND用の配線を接続する。LVDSドライバ63は、各センサ12、13、14からの信号をパラレルからシリアルへ変換し、LVDS搭載基板(PRB)65のLVDSレシーバ68へ送信するとともに、LVDSレシーバ64は、LVDS搭載基板(PRB)65のLVDSドライバ67からの受信信号をシリアルからパラレルへ変換し、スキャナ駆動部(図示せず)へ送信する。
プリンタ部53では、IO管理部(IOB)57にPRBインターフェース58を介してLVDS搭載基板(PRB)65が接続されている。そして、LVDS搭載基板(PRB)65は、IOBインターフェース66、LVDSドライバ67、および、LVDSレシーバ68を備えている。IOBインターフェース65は、IO管理部(IOB)57を接続する。LVDSドライバ67は、IO制御IC25からの信号をパラレルからシリアルへ変換し、分離基板(SRB)59のLVDSレシーバ64へ送信するとともに、LVDSレシーバ68は、分離基板(SRB)59のLVDSドライバ63からの受信信号をシリアルからパラレルへ変換し、IO制御IC25へ送信する。
従って、各センサ12、13、14からの信号(パラレル)は、分離基板(SRB)59のLVDSドライバ63でパラレル−シリアル変換後送信され、ハーネス26を経由し、LVDS搭載基板(PRB)65のLVDSレシーバ68で受信後シリアル−パラレル変換され、IO制御IC25へ送信される。
また、IO制御IC25からのスキャナ駆動部(図示せず)への信号(パラレル、図示せず)は、LVDSドライバ67でパラレル−シリアル変換後送信され、シールド27がされているハーネス26を経由し、LVDSレシーバ64で受信後シリアル−パラレル変換され、スキャナ駆動(図示せず)へ送信される。
次に、スキャナ部52とプリンタ部53の分離時の構成における中継基板(SIB)55と分離基板(SRB)59内での信号の流れについて説明する。図17は、スキャナ部52とプリンタ部53の分離時の構成における中継基板(SIB)55と分離基板(SRB)59内での信号の流れを説明する図である。プリンタ部53の電源ユニット部(PSU)22からの電源およびGND信号は、分離基板(SRB)59の分離時用電源コネクタ62に入力され、SRBインターフェース56を経由して、中継基板(SIB)55へ入力されるとそこで分配され、接続コネクタ41から各センサ12、13、14およびスキャナ駆動部(図示せず)へ出力される。
各センサ12、13、14からの検知信号(パラレル)は、中継基板(SIB)55の接続コネクタ41に入力された後、SRBインターフェース56を経由して、分離基板(SRB)59のLVDSドライバ63でパラレルからシリアルへ変換後、分離時用コネクタ61から、LVDS搭載基板(PRB)65のLVDSレシーバ68へ出力される。
また、LVDS搭載基板(PRB)65のLVDSドライバ67からのスキャナ駆動部(図示せず)への制御信号(シリアル)は、分離基板(SRB)59の分離時用コネクタ61に入力され、LVDSレシーバ64でシリアルからパラレルへ変換後、SRBインターフェース56を経由して、中継基板(SIB)55へ入力され、スキャナ駆動部(図示せず)へ出力される。
この時、各センサ12、13、14からの検知信号は、中継基板(SIB)55で一部が分岐し、一体時用コネクタ38まで到達している。なお、図示していないが、一体時用コネクタ38からスキャナ駆動部(図示せず)への信号線も常時つながっている。従って、スキャナ部52とプリンタ部53を一体構成に変更する場合、中継基板(SIB)55から分離基板(SRB)59を取り外すだけで、スキャナ部52とプリンタ部53を分離構成から一体構成へ自動的に切り替えることができる。
なお、本実施の形態では、スキャナ部52とプリンタ部53の分離時には、電源ユニット部(PSU)22からの電源用およびGND用の配線は、分離基板(SRB)59の分離時用電源コネクタ62と接続しているが、一体時と同じく、中継基板(SIB)55の電源コネクタ40と接続してもよい。その場合、分離基板(SRB)59には、分離時用電源コネクタ62が不要となる。
このように、第3の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、一体構成では、プリンタ部とスキャナ部の間の送受信を通常の信号で行うとともに、分離構成では、スキャナ部の中継基板(SIB)にLVDSドライバおよびLVDSレシーバを備えた分離基板(SRB)を接続し、プリンタ部にLVDSドライバおよびLVDSレシーバを備えたLVDS搭載基板(PRB)を接続することにより、プリンタ部またはスキャナ部の通常の信号を低電圧差動信号に変換した上で送信するとともに、プリンタ部またはスキャナ部が受信した低電圧差動信号信号を通常の信号に再変換した上でプリンタ部またはスキャナ部の各部へ送るようにしたので、一体構成では、LVDSドライバおよびLVDSレシーバを備えた分離基板(SRB)およびLVDSドライバおよびLVDSレシーバを備えたLVDS搭載基板(PRB)が不要となり、画像形成装置のコストを下げることが可能となる。
(第4の実施の形態)
第2の実施の形態では、スキャナ部およびプリンタ部にLVDSドライバおよびLVDSレシーバを搭載していたが、第4の実施の形態では、中継基板にLVDSドライバおよびLVDSレシーバを搭載し、スキャナ部とプリンタ部の分離時にはスキャナ部とプリンタ部の間に2枚の中継基板を接続し、LVDS間で信号を送信する。第3の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる複写機の構成のうち、第2の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図18は、本発明の第4の実施の形態にかかる複写機の構成を示すブロック図である。なお、本図では、スキャナ部72の画像信号部と、プリンタ部73の画像処理部(IPU)、コントローラ(Ctrl)、書き込み制御部(VDB)、LPH(LED Print Head)、および、メイン制御部(BCU)は、第1の実施の形態と同様であり、省略している。
複写機71は、スキャナ部72、プリンタ部73、複写機中継コード74、および、複写機中継コード75を備えて構成されている。本図では、スキャナ部72とプリンタ部73とが一体となった構成となっているが、利用者の要求に応じてスキャナ部72とプリンタ部73とを分離した構成に変更することが可能である。
スキャナ部72は、画像信号部、制御信号部34、中継コード76、および、中継コード77を備えて構成され、さらに、画像信号部は、密着センサ(CIS)、画像信号増幅回路、A/D(アナログ/デジタル)変換回路を備えて構成され、さらに、制御信号部34は、2つの原稿サイズ検知センサ12、原稿挿入検知センサ13、原稿レジスト検知センサ14、および、スキャナ駆動部(図示せず)、および、中継基板(SIB)16を備えて構成されている。
中継コード76は、ハーネスとコネクタとで構成され、中継基板(SIB)16の各センサ12、13、14およびスキャナ駆動部(図示せず)の信号用の配線部と接続されている。中継コード77は、ハーネスとコネクタとで構成され、中継基板(SIB)16の電源用およびGND用の配線部と接続されている。
プリンタ部73は、エンジン制御部、画像処理部(IPU)、コントローラ(Ctrl)、書き込み制御部(VDB)、LPH(LED Print Head)、および、電源ユニット部(PSU)22、中継コード78、および、中継コード79を備えて構成され、さらに、エンジン制御部は、メイン制御部(BCU)とIO管理部(IOB)24とを備えて構成されている。なお、IO管理部(IOB)24には、IO制御IC25が搭載されている。
中継コード78は、ハーネスとコネクタとで構成され、IO制御IC25の配線部と接続されている。中継コード79は、ハーネスとコネクタとで構成され、電源ユニット部(PSU)22の電源用およびGND用の配線部と接続されている。
複写機中継コード74は、ハーネスとコネクタとで構成され、中継コード76と中継コード78とを接続する。複写機中継コード75は、ハーネスとコネクタとで構成され、中継コード77と中継コード79とを接続する。なお、複写機中継コード74および複写機中継コード75は、一体時の構成では、短い仕様のものを使用している。
従って、スキャナ部72とプリンタ部73の一体時の構成では、スキャナ部72の中継コード76と複写機中継コード74とプリンタ部73の中継コード78とが接続され、さらに、スキャナ部72の中継コード77と複写機中継コード75とプリンタ部73の中継コード79とが接続されることにより、スキャナ部72とプリンタ部73とが接続される。
このような構成で、スキャナ部72とプリンタ部73とを分離した構成に変更した場合を考える。図19は、本実施の形態にかかる複写機71において、スキャナ部72とプリンタ部73とを分離した構成を示すブロック図である。図では、説明のためスキャナ部72の制御信号部34および中継コード76、77、プリンタ部73のIO管理部(IOB)24、電源ユニット部(PSU)22および中継コード78、79、複写機中継コード74、および、複写機中継コード75のみを示している。なお、複写機中継コード74および複写機中継コード75は、分離時の構成では、長い仕様のものを使用している。
ここで、スキャナ部72とプリンタ部73の距離が長く、スキャナ部72とプリンタ部73の間の信号品質が劣化し動作が不安定になる場合は、スキャナ部72の中継コード76と複写機中継コード74の間、および、プリンタ部73の中継コード78と複写機中継コード74の間に、中継基板80を接続する。中継基板80には、LVDSドライバ81およびLVDSレシーバ82が搭載され、第2の実施の形態で説明したように、LVDSドライバ81およびLVDSレシーバ82での信号のシリアル−パラレルおよびパラレル−シリアル変換により、信号品質の劣化が少なく長距離伝送を可能とする差動型シリアルバスデータで信号の送受信を行うことが可能となり、複写機71の自由な配置を実現することができる。
また、スキャナ部72とプリンタ部73の距離が短く、スキャナ部72とプリンタ部73の間の信号品質が劣化しない場合は、中継基板80を使用せず、スキャナ部72の中継コード76、複写機中継コード74、および、プリンタ部73の中継コード78をそのまま接続することができる。従って、中継基板80を使用しない場合、その分のコストを削減することができる。
このように、第4の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、一体構成では、プリンタ部とスキャナ部の間の送受信をハーネスを介して通常の信号で行うとともに、分離構成では、スキャナ部の中継基板(SIB)にハーネスを介してLVDSドライバおよびLVDSレシーバを備えた中継基板を接続し、プリンタ部にハーネスを介してLVDSドライバおよびLVDSレシーバを備えた中継基板を接続し、さらに中継基板間の送受信をハーネスを介して低電圧差動信号で行うようにしたので、一体構成では、LVDSドライバおよびLVDSレシーバを備えた中継基板が不要となり、画像形成装置のコストを下げることが可能となる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、スキャナ部の中継基板(SIB)にDC/DCコンバータを搭載するとともに、スキャナ部の中継基板(SIB)およびプリンタ部のLVDS搭載基板(PRB)にLVDSドライバおよびLVDSレシーバを搭載した場合の具体的な通信方法について説明する。第5の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる複写機の構成のうち、第1の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
初めに、本発明の第5の実施の形態にかかる複写機の一体時の構成について説明する。図20は、本発明の第5の実施の形態にかかる複写機の一体時の構成を示すブロック図である。なお、本図では、プリンタ部83のコントローラ(Ctrl)、書き込み制御部(VDB)、LPH(LED Print Head)、および、メイン制御部(BCU)は、第1の実施の形態と同様であり、省略している。さらに、本図では、信号および電力供給の流れを簡略化して記載している。例えば、矢印が一つしか記載されていなくても、実際には数種類の信号および電力が流れている場合がある。
複写機81は、スキャナ部82とプリンタ部83とを備えて構成されている。本図では、スキャナ部82とプリンタ部83とが一体となった構成となっているが、利用者の要求に応じてスキャナ部82とプリンタ部83とを分離した構成に変更することが可能である。
スキャナ部82は、画像信号部7、制御信号部84、および、中継基板(SIB)85を備えて構成され、さらに、画像信号部7は、密着センサ(CIS)9、画像信号増幅回路10、A/D(アナログ/デジタル)変換回路11を備えて構成され、さらに、制御信号部84は、2つの原稿サイズ検知センサ12、原稿挿入検知センサ13、原稿レジスト検知センサ14、および、スキャナ駆動部(図示せず)を備えて構成されている。
中継基板(SIB)85は、プリンタ部83の画像処理部(IPU)88およびIO管理部(IOB)89との間で信号の受け渡しを行うとともに、プリンタ部83の電源ユニット部(PSU)22から電力の供給を受ける。第1の実施の形態にかかる複写機1では中継基板(SIB)は制御信号部に配置され、画像信号部との間で信号の受け渡しや電力の供給はなかったが、本実施の形態にかかる複写機81では、中継基板(SIB)85は、制御信号部84から独立し、画像信号部7との間でも信号の受け渡しや電力の供給を行う。
中継基板(SIB)85は、IPU接続コネクタ86とIOB接続コネクタ87とを備えて構成されている。IPU接続コネクタ86は、画像処理部(IPU)88に備えられたIPU接続コネクタ90と接続し、IOB接続コネクタ87は、IO管理部(IOB)89に備えられたIOB接続コネクタ91と接続する。
プリンタ部83は、エンジン制御部、画像処理部(IPU)88、コントローラ(Ctrl)、書き込み制御部(VDB)、LPH(LED Print Head)、および、電源ユニット部(PSU)22を備えて構成され、さらに、エンジン制御部は、メイン制御部(BCU)、および、IO管理部(IOB)89を備えて構成されている。
画像処理部(IPU)88は、IPU接続コネクタ90を備えて構成されている。IPU接続コネクタ90は、中継基板(SIB)85に備えられたIPU接続コネクタ86と接続する。IO管理部(IOB)89は、IO制御ICとIOB接続コネクタ91とを備えて構成されている。IOB接続コネクタ91は、中継基板(SIB)85に備えられたIOB接続コネクタ87と接続する。
ここで、複写機81の一体時の構成における信号および電力の流れを簡単に説明する。電源ユニット部(PSU)22からの電力は、中継基板(SIB)85へ送られた後分岐され、画像信号部7と制御信号部84とへ送られる。画像信号部7と画像処理部(IPU)88との間では、中継基板(SIB)85のIPU接続コネクタ86と画像処理部(IPU)88のIPU接続コネクタ90を介して、信号の送受信が行われ、制御信号部84とIO管理部(IOB)89との間では、中継基板(SIB)85のIOB接続コネクタ87とIO管理部(IOB)89のIOB接続コネクタ91を介して、信号の送受信が行われる。
複写機81を分離時の構成から一体時の構成へ変更する場合、IPU接続コネクタ86とIPU接続コネクタ90、および、IOB接続コネクタ87とIOB接続コネクタ91は、互いに接続可能な仕様となっているため、互いのコネクタを差し込むだけでスキャナ部82とプリンタ部83とを一体時の構成へ変更することが可能である。
次に、複写機81の分離時の構成について説明する。図21は、本実施の形態にかかる複写機81において、スキャナ部82とプリンタ部83とを分離した構成を示すブロック図である。中継基板(SIB)85には、IPU接続コネクタ86とIOB接続コネクタ87とを介して、分離基板(SRB)92が接続されている。分離基板(SRB)92は、SIB接続コネクタ93、SIB接続コネクタ94、LVDSドライバ95、LVDSレシーバ96、および、DC/DCコンバータ97を備えて構成されている。
SIB接続コネクタ93は、IPU接続コネクタ86と接続し、SIB接続コネクタ94は、IOB接続コネクタ87と接続する。LVDSドライバ95は、中継基板(SIB)85からの信号をパラレルからシリアルへ変換する。LVDSレシーバ96は、LVDS搭載基板(PRB)98のLVDSドライバ101からの信号をシリアルからパラレルへ変換する。DC/DCコンバータ97は、電源ユニット部(PSU)22からの供給電力のうち電圧を、スキャナ部82で必要とする電圧に変圧する。
ここで、複写機81の分離時に、電源ユニット部(PSU)22からの供給電力(電圧)をDC/DCコンバータ97で変圧する理由について説明する。プリンタ部83の電源ユニット部(PSU)22からスキャナ部82へ電力を供給する場合、その間にハーネスを接続して行うが、その距離が長いとハーネスの抵抗値による電圧降下を考慮する必要がある。
たとえば、5V(プラスマイナス5%)の電圧で電力を供給する場合、スキャナ部82の5V系統の消費電流を5Aとすると、電圧降下を−5%以下とするためにはハーネスの抵抗値は0.5オーム以下にしなければならない。ハーネスの抵抗値の許容値は消費電流の値が大きくなれば、当然小さくする必要がある。そして、スキャナ部82とプリンタ部83の距離があまり長くなると、ハーネスの抵抗値を許容値以内にすることは難しくなる。そして、スキャナ部82へ供給される電圧が許容値より低くなると、スキャナ部の動作不良が発生する。
これに対して、スキャナ部82に別途電源ユニットをとりつけて、分離時にはこの電源ユニットから直接電力供給を受ける方法も考えられる。しかしながら、スキャナ部82およびプリンタ部83の近くに商用電源のコンセントが必要となるため、近くにコンセントがない場所には設置することができず、また、電源コードが二本となることで、つまずき易かったり、景観面が悪くなったりする問題がある。また、電源ユニットが一つ追加となるためスキャナ部82のサイズが大きくなるとともに、大幅なコストアップとなるという問題もある。
そこで、本実施の形態にかかる複写機81では、分離基板(SRB)92にDC/DCコンバータ97を搭載し、複写機81の分離時には、電源ユニット部(PSU)22からの供給電力をDC/DCコンバータ97でスキャナ部82が所望とする電圧に変圧した上で中継基板(SIB)85へ送るようにしている。これにより、スキャナ部82に新たに電源ユニットを設けなくても、スキャナ部82とプリンタ部83の距離(接続するハーネスの抵抗値)を気にせずに、複写機81を自由に分離して設置することができる。
一方、画像処理部(IPU)88およびIO管理部(IOB)89には、IPU接続コネクタ90およびIOB接続コネクタ91を介して、LVDS搭載基板(PRB)98が接続されている。LVDS搭載基板(PRB)98は、IPU接続コネクタ99、IOB接続コネクタ100、LVDSドライバ101、および、LVDSレシーバ102を備えて構成されている。IPU接続コネクタ99は、IPU接続コネクタ90と接続し、IOB接続コネクタ100は、IOB接続コネクタ91と接続する。LVDSドライバ101は、画像処理部(IPU)88およびIO管理部(IOB)89からの信号をパラレルからシリアルへ変換する。LVDSレシーバ102は、分離基板(SRB)92のLVDSドライバ95からの信号をシリアルからパラレルへ変換する。なお、LVDSドライバ95−LVDSレシーバ102間およびLVDSドライバ101−LVDSレシーバ96間のシリアル信号の送受信は、ハーネスを接続することにより行われている。
ここで、複写機81の分離時の構成における信号および電力の流れを簡単に説明する。電源ユニット部(PSU)22からの電力は、分離基板(SRB)92へ送られた後、DC/DCコンバータ97で変圧され、中継基板(SIB)85を経由し画像信号部7と制御信号部84とへ送られる。
画像信号部7から画像処理部(IPU)88への信号は、中継基板(SIB)85のIPU接続コネクタ86と分離基板(SRB)92のSIB接続コネクタ93とを経由後、LVDSドライバ95でパラレルからシリアルへ変換される。そして、ハーネス(図示せず)を経由して、LVDS搭載基板(PRB)98のLVDSレシーバ102でシリアルからパラレルに再変換され、IPU接続コネクタ99と画像処理部(IPU)88のIPU接続コネクタ90とを経由し画像処理部(IPU)88へ送信される。
画像処理部(IPU)88から画像信号部7への信号は、画像処理部(IPU)88のIPU接続コネクタ90とLVDS搭載基板(PRB)98のIPU接続コネクタ99とを経由して、LVDSドライバ101でパラレルからシリアルへ変換される。そして、ハーネス(図示せず)を経由して、分離基板(SRB)92のLVDSレシーバ96でシリアルからパラレルに再変換され、SIB接続コネクタ93と中継基板(SIB)85のIPU接続コネクタ86とを経由し画像信号部7へ送信される。
制御信号部84からIO管理部(IOB)89への信号は、中継基板(SIB)85のIOB接続コネクタ87と分離基板(SRB)92のSIB接続コネクタ94とを経由後、LVDSドライバ95でパラレルからシリアルへ変換される。そして、ハーネス(図示せず)を経由して、LVDS搭載基板(PRB)98のLVDSレシーバ102でシリアルからパラレルに再変換され、IOB接続コネクタ100とIO管理部(IOB)89のIOB接続コネクタ91とを経由しIO管理部(IOB)89へ送信される。
IO管理部(IOB)89から制御信号部84への信号は、IO管理部(IOB)89のIOB接続コネクタ91とLVDS搭載基板(PRB)98のIOB接続コネクタ100とを経由して、LVDSドライバ101でパラレルからシリアルへ変換される。そして、ハーネス(図示せず)を経由して、分離基板(SRB)92のLVDSレシーバ96でシリアルからパラレルに再変換され、SIB接続コネクタ94と中継基板(SIB)85のIOB接続コネクタ87とを経由し制御信号部84へ送信される。
複写機81を一体時の構成から分離時の構成へ変更する場合、IPU接続コネクタ86とIPU接続コネクタ90、および、IOB接続コネクタ87とIOB接続コネクタ91を、互いに抜くだけでスキャナ部82とプリンタ部83とを物理的に分離することが可能である。
そして、IPU接続コネクタ86とSIB接続コネクタ93、および、IOB接続コネクタ87とSIB接続コネクタ94は、互いに接続可能な仕様となっているため、互いのコネクタを差し込むだけで分離基板(SRB)92を中継基板(SIB)85に接続することが可能である。さらに、IPU接続コネクタ90とIPU接続コネクタ99、および、IOB接続コネクタ91とIOB接続コネクタ100は、互いに接続可能な仕様となっているため、互いのコネクタを差し込むだけでLVDS搭載基板(PRB)98を画像処理部(IPU)88およびIO管理部(IOB)89に接続することが可能である。従って、スキャナ部82とプリンタ部83とを分離時の構成へ容易に変更することが可能である。
次に、LVDSドライバとLVDSレシーバの間のデータ送信について説明する。図22は、分離基板(SRB)92のLVDSドライバ95、LVDSレシーバ96と、LVDS搭載基板(PRB)98のLVDSドライバ101、LVDSレシーバ102の一例を示す図である。また、図23は、LVDSドライバ95、101とLVDSレシーバ96、102のタイミングの一例を示す図である。図23において、横軸は時間軸である。TxCLKOUTは、LVDSドライバ95、101のクロック出力信号、RxCLKINはLVDSレシーバ96、102のクロック入力信号であり、LVDSドライバ95、101の出力がLVDSレシーバ96、102の入力となっている。TxOUT2、TxOUT1、TxOUT0はLVDSドライバ95、101の出力であり、RxIN2、RxIN1、RxIN0はLVDSレシーバ96、102の入力であり、LVDSドライバ95、101の出力が各LVDSレシーバ96、102の入力となっている。
LVDSドライバ95、101の入力データの21ビットの信号は、送信クロックの立ち上がりサイクル毎にサンプリングされ、内部PLL回路とTTL PARALLEL−TO−LVDS変換回路により3チャネルのLVDS(低電圧差動信号)に変換され、LVDSドライバ95、101の出力となる。この1チャネルあたりの出力は、図23に示すように、1サイクル(Tc)毎に7ビットのデータであり、3チャネルを合わせると、1サイクル毎に21ビットのデータが出力される。そして、LVDSドライバ95、101から送信された3チャネルのLVDS(低電圧差動信号)はLVDSレシーバ96、102でTTL PARALLELに変換される。本例では、LVDSドライバ95、101およびLVDSレシーバ96、102として、ナショナルセミコンダクタ社製のDS90C363/F364を使用している。
(変形例1)
本実施の形態では、LVDSドライバ95−LVDSレシーバ102間およびLVDSドライバ101−LVDSレシーバ96間のシリアル信号の送受信は、ハーネスを接続することにより行われている。しかし、ハーネスによる接続では輻射電波を完全に抑えることはできず、低電圧差動信号による伝送方式でも伝送距離が長くなるとスキューやジッタなどにより信号が劣化する可能性がある。そこで、低電圧差動信号である電気信号を光信号に変換し、光伝送路で信号を送受信することで、不要な輻射電波や、距離に応じた信号の劣化などを防ぐことができる。
図24は、スキャナ部とプリンタ部とを分離した構成の第1の変形例を示すブロック図である。図では、分離基板(SRB)92が電気信号を光信号へ変換する電気/光変換素子103、および、光信号を電気信号へ変換する光/電気変換素子104を備え、LVDS搭載基板(PRB)98も、電気/光変換素子103および光/電気変換素子104を備えている。そして、LVDSドライバ95−LVDSレシーバ102間およびLVDSドライバ101−LVDSレシーバ96間のシリアル信号を光信号に変換し、光伝送路である光伝送路モジュール(図示せず)を接続して行う。この方法により、電波の輻射や信号の劣化などを防ぐことができる。
(変形例2)
また、別の方法として、低電圧差動信号である電気信号を発光素子で光に変換し発光し、受光素子がその光を受光し電気信号に変換するなどの光通信を行うことで、不要な輻射電波や、距離に応じた信号の劣化などを防ぐことができる。
図25は、スキャナ部とプリンタ部とを分離した構成の第2の変形例を示すブロック図である。図では、分離基板(SRB)92が電気信号により発光する発光素子105、および、受光した光を電気信号へ変換する受光素子106を備え、LVDS搭載基板(PRB)98も、発光素子105および受光素子106を備えている。そして、LVDSドライバ95−LVDSレシーバ102間およびLVDSドライバ101−LVDSレシーバ96間のシリアル信号を光に変換しそのまま発光し、相手側がその光を受光し再度シリアル信号に変換することにより信号の送受信を行う。
なお、スキャナ部とプリンタ部は、基本的に互いの発光素子105と受光素子106とが向き合うように配置する。ただし、発光素子105と受光素子106とを向き合うように配置できない場合は、光経路中に反射板などを介在させ、発光素子105からの光が一定レベルで受光素子106に届くようにする必要がある。この方法により、電波の輻射や信号の劣化などを防ぐことができる。
(変形例3)
また、別の方法として、LVDSドライバ95−LVDSレシーバ102間およびLVDSドライバ101−LVDSレシーバ96間のシリアル信号の送受信を無線通信で行うことで、不要な輻射電波や、距離に応じた信号の劣化などを防ぐことができる。
図26は、スキャナ部とプリンタ部とを分離した構成の第3の変形例を示すブロック図である。図では、分離基板(SRB)92が信号を無線信号に変調し送信する送信端末107、および、無線信号を受信し復調する受信端末108を備え、LVDS搭載基板(PRB)98も、送信端末107および受信端末108を備えている。そして、LVDSドライバ95−LVDSレシーバ102間およびLVDSドライバ101−LVDSレシーバ96間のシリアル信号を無線信号に変換して送信し、相手側がその無線信号を受信し変調することにより信号の送受信を行う。
なお、受信端末108が他の基板の送信端末107からの無線信号だけでなく、自分の基板の送信端末107からの無線信号も受信してしまわないように、送信端末の送信周波数は基板ごとに異ならせる必要がある。
このように、第5の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、一体構成では、プリンタ部の電源ユニット部(PSU)からの電力を中継基板(SIB)へ直接供給するとともに、分離構成では、プリンタ部の電源ユニット部(PSU)からの電力を、中継基板(SIB)と接続された分離基板(SRB)に搭載されたDC/DCコンバータで変圧した上で中継基板(SIB)85へ供給するようにしたので、電圧降下によるスキャナ部の動作不良を防ぐことが可能となる。
さらに、第5の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、一体構成では、プリンタ部とスキャナ部の間の送受信を有線通信で行うとともに、分離構成では、プリンタ部とスキャナ部との間の送受信を、光伝送路モジュール、光通信、または、無線通信で行うようにしたので、電波の輻射や信号の劣化などを防ぐことが可能となる。