以下、図1〜図8を用い、本発明の実施形態を説明する。以下では、画像読取装置100を含む複合機101(画像形成装置に相当)を例に挙げ説明する。また、裏面読取ユニット5を第1読取ユニット、表面読取ユニット6を第2読取ユニットとして説明する。本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
(複合機101の全体構成)
次に、図1を用いて、実施形態に係る複合機101について説明する。図1は、複合機101の一例を示す図である。
図3に示すように、複合機101は、操作パネル102と画像読取装置100を含む。画像読取装置100は、原稿搬送部1と画像読取部2を含む(詳細は後述)。また、複合機101は、印刷部3を備える。印刷部3は、給紙部3a、搬送部3b、画像形成部3c、定着部3dを含む。
まず、操作パネル102は、操作パネル102の状態や各種メッセージや設定用画面を表示する表示部102aを備える。また、表示部102aに対し、各種操作を受け付けるためのタッチパネル部102bやハードキーが設けられる。印刷部3の給紙部3aは、用紙を供給し、搬送部3bに向けて送り出す。搬送部3bは、用紙を搬送し、印刷済みの用紙を機外に排出する。画像形成部3cは、画像データに基づきトナー像を形成する。そして、画像形成部3cは、搬送される用紙にトナー像を転写する。定着部3dは、用紙に転写されたトナー像を加熱および加圧して定着させる。
(画像読取装置100の構成)
次に、図1〜図3を用いて、実施形態に係る画像読取装置100を説明する。図2は、画像読取装置100を示す図である。
図1に示すように、操作パネル102の上方に原稿搬送部1、画像読取部2が設けられる。原稿搬送部1は、画像読取部2の上方に設けられ、画像読取部2に対し上下方向に開閉し、セットされた原稿を搬送読取用コンタクトガラス21(読み取り位置)に向けて搬送する。言い換えると、搬送読取用コンタクトガラス21は、原稿搬送部1が搬送する原稿を読み取るためのものである。画像読取部2は、原稿搬送部1により搬送され搬送読取用コンタクトガラス21を通過する原稿、又は、載置読取用コンタクトガラス22にセットされた(載置された)原稿に光を照射し、反射に基づき原稿を読み取って画像データを生成する。
原稿搬送部1は、原稿搬送方向上流側から順に、原稿トレイ11、原稿供給ローラー12、原稿搬送路13、複数の原稿搬送ローラー対14、原稿排出ローラー対15、原稿排出トレイ16を含む。又、原稿搬送部1は、画像読取部2の各コンタクトガラスを上方から押さえるカバーとして機能する。
原稿読取を行う旨の入力が操作パネル102に入力されると、原稿供給ローラー12は、原稿搬送路13に原稿を1枚ずつ送り出す。原稿トレイ11から送り出された原稿は、複数の原稿搬送ローラー対14やガイドに導かれ搬送される。そして、原稿は、画像読取部2の上面に設けられた搬送読取用コンタクトガラス21の上側を通過する。この通過の際、画像読取部2に設けられた表面読取ユニット6(第2読取ユニットに相当)が原稿の表面の読取を行う。また、原稿搬送路の途中に裏面読取ユニット5(第1読取ユニットに相当)が設けられる。裏面読取ユニット5は、原稿搬送部1に固定的に設けられる(動かない)。裏面読取ユニット5によって、原稿の1回の搬送で、表面と裏面をほぼ同時に読み取ることができる。そして、原稿は、原稿排出ローラー対15から原稿排出トレイ16に排出される(原稿搬送経路を2点鎖線で図示)。
図1や図2に示すように、画像読取部2は箱形の筐体を有する。そして、画像読取部2の上面左側に、主走査方向(図2の紙面に垂直な方向)を長手方向とし、透明板状の搬送読取用コンタクトガラス21が設けられる。画像読取部2の上面で搬送読取用コンタクトガラス21の右側に、透明板状の載置読取用コンタクトガラス22が配される。
又、図2に示すように、画像読取部2は、筐体内に、表面読取ユニット6、ワイヤー23、巻取ドラム24を含む。表面読取ユニット6は、ワイヤー23で巻取ドラム24に接続される。巻取ドラム24は、正逆回転する巻取モーター25(図4参照)により回転する。これにより、表面読取ユニット6を水平方向(副走査方向、操作パネル102の左右方向)で自在に移動させることができる。言い換えると、ワイヤー23、巻取ドラム24、巻取モーター25は、表面読取ユニット6を副走査方向で移動させる移動機構26である。載置読取用コンタクトガラス22上の原稿を読み取る時、巻取ドラム24の回転駆動により表面読取ユニット6を水平方向に移動させて読み取りが行われる。又、原稿搬送部1により搬送される原稿を読み取る時、表面読取ユニット6は、搬送読取用コンタクトガラス21の下方で固定される。
(操作パネル102のハードウェア構成)
次に、図3に基づき、実施形態に係る操作パネル102のハードウェア構成を説明する。図3は操作パネル102のハードウェア構成を示す図である。
まず、操作パネル102には、操作パネル102の全体の制御を司る主制御部4が設けられる。主制御部4には、中央演算処理装置として、CPU4aが設けられる。又、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard disk drive)やフラッシュROMのような不揮発性メモリーとRAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリーを含む記憶部4bが設けられる。
記憶部4bは、操作パネル102を制御するためのプログラム、データ等を記憶する。主制御部4は、記憶部4bのプログラムやデータを利用し、各部を制御し、スキャンや印刷や送信や画像データの記憶のような各種ジョブを行わせる。又、主制御部4には、画像読取装置100から出力される画像データに基づき、印刷や送信のために画像処理を行う画像処理部43が設けられる。
そして、主制御部4はエンジン制御部30と通信可能に接続される。エンジン制御部30は印刷部3の動作を、主制御部4の指示に基づき制御する。また、主制御部4は、操作パネル102と接続される。主制御部4は、操作パネル102でなされた設定やジョブの実行指示を認識する。
又、操作パネル102は、通信部4cを含む。通信部4cは、コンピューター200(例えば、パーソナルコンピューターやサーバー)やFAX装置300と、ネットワークやケーブルや公衆回線を介して通信可能に接続される。通信部4cは、画像読取装置100での原稿読み取りに基づく画像データをコンピューター200やFAX装置300に送信することができる(スキャン、送信機能)。
(画像読取装置100のハードウェア構成)
次に、図4に基づき、実施形態に係る画像読取装置100のハードウェア構成の一例を説明する。図4は、画像読取装置100を示す図である。
画像読取装置100の動作を制御する部分として、画像読取装置100は、主制御部4を含む。言い換えると、主制御部4は、印刷の制御の他、画像読取装置100の制御を行う部分でもある。
そして、原稿搬送部1には、原稿搬送部1の動作の制御を行う原稿搬送制御部10が設けられる。原稿搬送制御部10は、主制御部4や読取制御部20と通信可能に接続される。例えば、原稿搬送制御部10は、中央演算処理装置としてのCPUや、制御用のプログラムやデータを記憶するROM、RAMを含む基板である。原稿搬送制御部10は、主制御部4や読取制御部20からの原稿搬送開始の指示を受け、原稿搬送部1での原稿搬送の動作制御を行う。また、原稿搬送部1には、原稿搬送部1が搬送する原稿の裏面を読み取る裏面読取ユニット5が設けられる。裏面読取ユニット5の詳細は後述する。
例えば、原稿搬送部1には、原稿トレイ11に用紙が存在する否かを検知するための原稿検知センサー17が設けられる。原稿搬送制御部10は、主制御部4から原稿の読取指示があった場合、原稿検知センサー17の出力を確認し、原稿トレイ11に用紙が存在する否かを検知する。原稿読み取りを伴うジョブの実行指示がなされたとき、原稿トレイ11に原稿が存在している状態であると、原稿搬送制御部10は、原稿搬送モーター18を駆動させ、原稿供給ローラー12や原稿搬送ローラー対14を回転させ、原稿を読み取り位置に向けて搬送する。
次に、画像読取部2を説明する。画像読取部2には、画像読取部2の動作の制御を行う読取制御部20が設けられる。読取制御部20は、主制御部4からの指示、信号を受け、原稿の読み取りを行う。読取制御部20は、処理装置としてのCPUや集積回路などを含む基板である。また、画像読取部2には、表面読取ユニット6が設けられる。裏面読取ユニット5の詳細は後述する。
読取制御部20は、巻取モーター25と接続される。これにより、巻取モーター25の回転を制御して、巻取ドラム24を回転させ、第2読取ユニットを水平方向に移動させる。例えば、巻取モーター25は、パルスモーターである。そして、読取制御部20は、各第2読取ユニットを移動させる分だけのパルスを巻取モーター25に入力する。巻取モーター25は、入力されたパルスに応じて回転し、読み取りに必要なように、第2読取ユニットを移動させる。言い換えると、読取制御部20は、移動機構26を制御して、副走査方向での表面読取ユニット6の移動を制御する。
又、読取制御部20は、ホームポジションセンサー27と接続される。ホームポジションセンサー27は第2読取ユニットがホームポジションに到達したことを検知するセンサーである。読取制御部20は、巻取モーター25を制御し、ジョブが完了すると第2読取ユニットをホームポジションに戻す。ホームポジションは、載置読取用コンタクトガラス22と搬送読取用コンタクトガラス21の間の下方とされる。
(表面読取ユニット6と裏面読取ユニット5)
次に、図2、図5を用いて、画像読取装置100に含まれる表面読取ユニット6と裏面読取ユニット5を説明する。図5は、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6の一例を示す図である。
〈裏面読取ユニット5〉
図2に示すように、裏面読取ユニット5は、原稿搬送部1内に設けられる。操作パネル102で原稿の両面を読み取るジョブが設定されたとき、裏面読取ユニット5は、原稿の裏面を読み取る。なお、裏面読取ユニット5の設置位置と表面読取ユニット6の読取面との兼ね合いで、原稿は、表面を上方向に向けた状態で原稿トレイ11にセットされる。
図5に示すように、裏面読取ユニット5は、第1回路部51と第1コネクター52と中継コネクター53を含む基板であって、CIS方式の読取ユニットである。そして、第1回路部51は、第1光源駆動回路54、第1光源部55、第1制御回路56、第1イメージセンサー部57などを含む。
第1光源部55は、原稿に光を照射する光源である。本実施形態の裏面読取ユニット5の光源はLEDである。しかし、他種の光源を用いてもよい。本実施形態の裏面読取ユニット5はカラーでの読み取りに対応しており、第1光源部55は、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色を発光することができる。そして、LEDには導光管(不図示)が接続され、光は、裏面読取ユニット5の主走査方向(長手方向)の各位置でほぼ均一な光量レベルとなるように搬送される原稿に向けて放たれる。
第1光源駆動回路54は、主制御部4からの点灯、消灯のタイミングを指示する信号に基づきLEDの点消灯を行う回路である。第1光源駆動回路54は、Redで読み取りを行うタイミングではRedのLEDを発光させ、Greenで読み取りを行うタイミングではGreenのLEDを発光させ、Blueで読み取りを行うタイミングではBlueのLEDを点灯させる。また、原稿を読み取る間、第1光源駆動回路54は、3色とも(全LEDを)発光させてもよい。
第1制御回路56は、裏面読取ユニット5のコントローラーであって、第1回路部51に含まれる回路の制御を行う。例えば、第1制御回路56は、第1イメージセンサー部57の制御(読み取り動作の開始、終了や処理動作の制御)を行う。また、第1制御回路56は、第1光源部55の光量を制御することができる。
第1イメージセンサー部57は、ラインセンサー部57aとシフトレジスタ部57bを含む。裏面読取ユニット5は、カラーでの読み取りに対応している。そのため、ラインセンサー部57aは、Red、Green、Blueのラインセンサーを含む。尚、ラインセンサー部57aは、白黒読み取り用のBlack/Whiteのラインセンサーを含んでいてもよい。シフトレジスタ部57bは、各ラインセンサーに含まれるそれぞれの受光素子に蓄積された電荷を各画素の出力として取り出し、各画素のアナログ出力を主制御部4の画像処理部43に向けて出力する。
〈表面読取ユニット6〉
次に、表面読取ユニット6を説明する。図2に示すように、表面読取ユニット6は、画像読取部2内に設けられる。操作パネル102で原稿の片面を読み取るジョブが設定されたとき、及び両面を読み取るジョブが設定されたとき、表面読取ユニット6は、原稿の表面を読み取る。
図5に示すように、表面読取ユニット6は、第2回路部61と第2コネクター62を含む基板であって、CIS方式の読取ユニットである。そして、第2回路部61は、第2光源駆動回路63、第2光源部64、第2制御回路65、第2イメージセンサー部66などを含む。
第2光源部64は、原稿に光を照射する光源である。本実施形態の表面読取ユニット6の光源はLEDである。しかし、他種の光源を用いてもよい。本実施形態の表面読取ユニット6はカラーでの読み取りに対応しており、第2光源部64は、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色を発光することができる。そして、LEDには導光管(不図示)が接続され、光は、表面読取ユニット6の主走査方向(長手方向)の各位置でほぼ均一な光量レベルとなるように原稿に向けて放たれる。
第2光源駆動回路63は、主制御部4からの点灯、消灯のタイミングを指示する信号に基づきLEDの点消灯を行う回路である。第2光源駆動回路63は、Redで読み取りを行うタイミングではRedのLEDを発光させ、Greenで読み取りを行うタイミングではGreenのLEDを発光させ、Blueで読み取りを行うタイミングではBlueのLEDを点灯させる。また、原稿の表面を読み取る間、第2光源駆動回路63は、3色とも(全LEDを)発光させてもよい。
第2制御回路65は、表面読取ユニット6のコントローラーであって、第2回路部61に含まれる回路の制御を行う。例えば、第2制御回路65は、第2イメージセンサー部66の制御(読み取り動作の開始、終了や処理動作の制御)を行う。また、第2制御回路65は、第2光源部64の光量を制御することができる。
第2イメージセンサー部66は、ラインセンサー部66aとシフトレジスタ部66bを含む。表面読取ユニット6は、カラーでの読み取りに対応している。そのため、ラインセンサー部66aは、Red、Green、Blueのラインセンサーを含む。尚、ラインセンサー部66aは、白黒読み取り用のBlack/Whiteのラインセンサーを含んでいてもよい。シフトレジスタ部66bは、各ラインセンサーに含まれるそれぞれの受光素子から蓄積された電荷を各画素の出力として取り出し、各画素のアナログ出力を主制御部4の画像処理部43に向けて出力する。
そして、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6では同じ回路、部品が用いられる。上述のように、裏面読取ユニット5の第1光源部55、第1光源駆動回路54、第1制御回路56、第1イメージセンサー部57は、それぞれ、表面読取ユニット6の第2光源部64、第2光源駆動回路63、第2制御回路65、第2イメージセンサー部66と同じ仕様、形式、規格の回路、製品である。裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6では、設けられるコネクターの数が異なる。裏面読取ユニット5には、第1コネクター52と中継コネクター53が設けられる。一方、表面読取ユニット6には、第2コネクター62のみ設けられる。
(主制御部4に設けられる各読取ユニットに関する回路)
次に、図5に基づき、主制御部4に設けられる回路であって、各読取ユニットの制御や信号処理に関する読取用回路部40を説明する。
図5に示すように、主制御部4には、各読取ユニット(裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6)を動作させるのに必要な電圧を生成し、各読取ユニットに電力供給を行う電源回路41が設けられる。例えば、電源回路41は、各読取ユニットの(イメージセンサーや各制御回路の)駆動用の電源電圧Vccや、LED点灯用の電圧Vledや、各読取ユニットで用いられる参照電圧Vrefを生成する。
また、主制御部4は、各読取ユニットに入力することで、各読取ユニットの動作を制御するための信号を生成するタイミング生成回路42を含む。タイミング生成回路42は、LEDの点消灯や、電荷の転送や吐き出しに関するクロック信号や、読み取りモードに関する信号を生成する。
また、主制御部4は、各読取ユニットのラインセンサー(受光素子)から出力されたアナログ電圧(電流)に基づき画像データを生成する画像処理部43を含む。画像処理部43は、ラインセンサーの各画素が出力したアナログ電気信号を処理するAFE(アナログフロントエンド)回路を含む。AFEは、例えば、アンプやノイズ除去回路やA/D変換回路を含む。また、画像処理部43は、ディジタル化により得られた画像データに対して、ガンマ補正やシェーディング補正部のような、光源やラインセンサーの特性に由来する歪みを補正する補正処理を行える。そして、画像処理部43が処理した画像データは、一旦、記憶部4bに記憶される。その後、記憶部4bの画像データは、コピーや送信処理に用いられる。
これらの電源回路41、タイミング生成回路42、画像処理部43は、それぞれがASICのようなICにまとめられていてもよいし、電源回路41、タイミング生成回路42、画像処理部43がまとめて、1つの読取用回路部40としてASIC化されていてもよい。
また、主制御部4には、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6への電力供給、及び、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6との信号の送受信を行うための主コネクター44が1つだけ設けられる。
(ケーブルの接続)
次に、図6〜図8を用いて、各読取ユニットでの信号伝送用のケーブルの接続と、信号の分岐について説明する。図6、図7は、各読取ユニットのケーブルの接続の一例を示す図である。図8は、主制御部4と各読取ユニット間で接続される信号線の一例を示す図である。
図6〜図8に示すように、画像読取装置100は、主制御部4と裏面読取ユニット5を通信可能に電気的に接続する第1ケーブル7を含む。第1ケーブル7は、FFC(フレキシブルフラットケーブル)やFPC(フレキシブルプリントサーキット)である。第1ケーブル7は、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6への電力供給及び主制御部4が裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6との信号の送受信を行うためのケーブルである。第1ケーブル7は、複数の信号線を含む。そして、第1ケーブル7は、主制御部4の主コネクター44と原稿搬送部1の裏面読取ユニット5に設けられた第1コネクター52に接続される。
そして、画像読取装置100は、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6を通信可能に電気的に接続する第2ケーブル8も含む。第2ケーブル8も、FFCやFPCである。第2ケーブル8は、表面読取ユニット6への電力供給及び主制御部4が表面読取ユニット6との信号の送受信を行うためケーブルである。第2ケーブル8は、複数の信号線を含む。第2ケーブル8は、原稿搬送部1の裏面読取ユニット5の中継コネクター53と画像読取部2の表面読取ユニット6に設けられた第2コネクター62に接続される。第2ケーブル8は、第1ケーブル7に含まれる信号線のうち、表面読取ユニット6用の信号を伝える信号線を分岐した信号線に接続される。また、第2ケーブル8は、表面読取ユニット6用の信号を伝え、裏面読取ユニット5では不要な信号を伝える信号線として、第1コネクター52から中継コネクター53間で直接的に配線された信号線と接続される。
このように、従来とは異なり(図9参照)、主制御部4には、各読取ユニットと信号をやりとりするためのコネクターとして、主コネクター44が1つのみ設けられる。ここで、主制御部4は、各読取ユニットに対する制御だけでなく、他の制御を行っており、様々な回路、素子が設けられる。また、画像処理部43のような処理速度が速い回路も含む。そのため、主制御部4は、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6に比べ、基板全体としての規模は大きく、消費電力も大きい。従って、主制御部4と裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6のうち、最も大きなノイズ発生源は、主制御部4となる。そこで、図7に示すように、第1ケーブル7には、ノイズの影響を抑制するためのノイズフィルターとしてのフェライトコア9が設けられている。フェライトコア9は、開口を有する。第1ケーブル7は、フェライトコア9の開口に挿通されている。第2ケーブル8は、一方の端部が裏面読取ユニット5と接続され、他方の端部が表面読取ユニット6に接続される。そのため、第1ケーブル7よりもノイズははいりにくい。そのため、第2ケーブル8に対しては、フェライトコア9を設けない。
図6では、第1ケーブル7と第2ケーブル8を破線で示している。そして、図6に示すように、第1ケーブル7は、画像読取装置100(複合機101)の左側面を這うようにして、原稿搬送部1内に導き入れられる。第2ケーブル8は、原稿搬送部1や画像読取部2の背面側であって、画像読取部2の左右方向の中央位置で画像読取部2内に入れられ、表面読取ユニット6に接続される。
ここで、裏面読取ユニット5は固定され、動かない。一方、表面読取ユニット6は、副走査方向に移動させられるので、第2ケーブル8の長さは、表面読取ユニット6がどの位置にあっても、第2ケーブル8が外れたり、無理に延ばされたりしないように、余裕を持たされる。尚、この余裕のため、第2ケーブル8は、基本的に、ある程度、湾曲した(撓んだ)状態となる。このような理由により、第2ケーブル8は、第1ケーブル7よりも長い。
(各ケーブルが伝える信号)
次に、図8を用いて、各ケーブル(第1ケーブル7と第2ケーブル8)が伝える信号を説明する。
〈1.主制御部4から各読取ユニットに送られる信号〉
まず、主制御部4から各読取ユニットに送られる信号について説明する。
図8に示すように、主制御部4の電源回路41は、裏面読取ユニット5の第1回路部51及び表面読取ユニット6の第2回路部61に供給する電源信号としての電源電圧Vcc(例えば、DC3.3〜5V)と、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6の各制御回路での参照用の参照電圧Vref(例えば、DC1V)と、LEDに印加して、各LEDを点灯させるためのLED電源Vled(例えば、DC15〜18V)と、GND(グランド)を出力する。電源回路41が出力するこれらの信号を、主コネクター44に入力するための配線(導線)が、主制御部4の基板内に設けられる。
また、図8に示すように、主制御部4のタイミング生成回路42は、裏面読取ユニット5の赤色LEDの点灯と消灯のタイミングを指示するための赤色点消灯制御信号LED−R1と、裏面読取ユニット5の緑色LEDの点灯と消灯のタイミングを指示するための緑色点消灯制御信号LED−G1と、裏面読取ユニット5の青色LEDの点灯と消灯のタイミングを指示するための青色点消灯制御信号LED−B1を生成し、出力する。これらの信号は、例えば、Highならば点灯、Lowならば消灯を意味する(HighとLowは逆でもよい)。裏面読取ユニット5の第1光源駆動回路54は、これらの信号に基づき、第1光源部55に含まれるLEDの点灯と消灯を行う。
また、図8に示すように、主制御部4のタイミング生成回路42は、表面読取ユニット6の赤色LEDの点灯と消灯のタイミングを指示するための赤色点消灯制御信号LED−R2と、表面読取ユニット6の緑色LEDの点灯と消灯のタイミングを指示するための緑色点消灯制御信号LED−G2と、表面読取ユニット6の青色LEDの点灯と消灯のタイミングを指示するための青色点消灯制御信号LED−B2を生成し、出力する。これらの表面読取ユニット6用の信号も、例えば、Highならば点灯、Lowならば消灯を意味する(HighとLowは逆でもよい)。表面読取ユニット6の第2光源駆動回路63は、これらの信号に基づき、第2光源部64に含まれるLEDの点灯と消灯を行う。
また、図8に示すように、主制御部4のタイミング生成回路42は、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6に供給するクロック信号CLを生成する。裏面読取ユニット5の第1回路部51と表面読取ユニット6の第2回路部61は、クロック信号CLの周波数に応じた速度で動作する。例えば、クロック信号CLに基づき、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6のそれぞれのシフトレジスタ部57b、66bによる各ラインセンサーの各画素からの電荷の取り出しや転送が行われる。
また、図8に示すように、主制御部4のタイミング生成回路42は、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6に供給する同期信号SP(例えば、水平同期信号)を生成する。裏面読取ユニット5の第1回路部51と表面読取ユニット6の第2回路部61は、同期信号に基づき、1ライン分の読み取りの期間を認識する。例えば、同期信号の立ち上がりや立ち下がりをトリガとして、シフトレジスタ部57b、66bは、各ラインセンサーの各受光素子に蓄えられた電荷を一斉に取り出す。
また、図8に示すように、主制御部4のタイミング生成回路42は、読み取りの解像度を示すモード信号MODEを生成する。本実施形態の画像読取装置100は、1200dpi、600dpi、300dpiといった解像度で読み取りが可能である。タイミング生成回路42は、操作パネル102で設定された解像度を示す信号であるモード信号MODEを生成する。第1回路部51と第2回路部61内の各制御回路は、モード信号MODEに基づき、読み取りでの解像度を認識する。そして、第1回路部51の第1制御回路56は、モード信号MODEに示される解像度で読み取りが行われるように第1イメージセンサー部57の動作を制御する。また、第2回路部61の第2制御回路65は、モード信号MODEに示される解像度で読み取りが行われるように第2イメージセンサー部66の動作を制御する。
タイミング生成回路42が生成、出力するこれらの信号(赤色点消灯制御信号LED−R1、緑色点消灯制御信号LED−G1、青色点消灯制御信号LED−B1、赤色点消灯制御信号LED−R2、緑色点消灯制御信号LED−G2、青色点消灯制御信号LED−B2、クロック信号CL、同期信号SP、モード信号MODE)を、主コネクター44に接続するための配線(導線)が、主制御部4の基板内に設けられる。
第1ケーブル7は、電源回路41が生成する信号(電圧)、タイミング生成回路42が生成する信号を裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6に伝えるための信号線を含む。第1ケーブル7は、一端(一方のソケット)が主コネクター44に、他端(他方のソケット)が第1コネクター52に接続される。これにより、主コネクター44に入力された(接続された)信号は、第1ケーブル7によって、裏面読取ユニット5に伝えられる。
ここで、第1ケーブル7が伝え、裏面読取ユニット5に入力される信号のうち、赤色点消灯制御信号LED−R1、緑色点消灯制御信号LED−G1、青色点消灯制御信号LED−B1は、裏面読取ユニット5でのみ用いられる。そして、主制御部4と裏面読取ユニット5のそれぞれには、主制御部4のタイミング生成回路42と第1回路部51を結び、第1読取ユニットのみで用いる信号を第1回路部51(第1光源駆動回路54)に入力するための裏面読取ユニット用信号線G1の一部が設けられる(配線される)。言い換えると、裏面読取ユニット用信号線G1として、主制御部4には、タイミング生成回路42と主コネクター44を繋ぐ部分的な信号線が設けられ、裏面読取ユニット5には、第1コネクター52と第1回路部51を繋ぐ部分的な信号線が設けられる。そして、主コネクター44と第1コネクター52に第1ケーブル7が取り付けられると、裏面読取ユニット用信号線G1の部分的な信号線同士が接続される(裏面読取ユニット用信号線G1が結線される)。これにより、主制御部4のタイミング生成回路42から、裏面読取ユニット5の第1回路部51に裏面読取ユニット用信号が入力される。
また、第1ケーブル7が伝え、裏面読取ユニット5に入力される信号のうち、電源電圧Vcc、参照電圧Vrefと、LED電源Vled(例えば、DC15〜18V)と、GNDと、クロック信号CLと、同期信号SPと、モード信号MODEは、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6の両方で用いられる。そして、主制御部4と裏面読取ユニット5のそれぞれには、主制御部4のタイミング生成回路42又は電源回路41と、第1回路部51間を結び、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6が共通で用いる信号を伝えるための共用信号線G2の一部が設けられる(配線される)。言い換えると、共用信号線G2として、主制御部4には、タイミング生成回路42、電源回路41と主コネクター44を繋ぐ部分的な信号線が設けられ、裏面読取ユニット5には、第1コネクター52と第1回路部51を繋ぐ信号線が設けられる。そして、主コネクター44と第1コネクター52に第1ケーブル7が取り付けられると、共用信号線G2の部分的な信号線同士が接続される(共用信号線G2が結線される)。これにより、主制御部4のタイミング生成回路42と電源回路41から、裏面読取ユニット5の第1回路部51に共用の信号が入力される。
更に、裏面読取ユニット5は、共用信号線G2を分岐させて中継コネクター53に接続するように配線される。言い換えると、裏面読取ユニット5と表面読取ユニット6で共用される信号を伝えるための信号線は、分岐され、分岐された信号線は中継コネクター53に接続される。そして、表面読取ユニット6には、共用の信号をつたえるための共用信号線G2の一部として、第2コネクター62と第2回路部61を繋ぐ部分的な信号線が設けられる。
そして、主コネクター44と第1コネクター52に第1ケーブル7が取り付けた状態で、中継コネクター53と第2コネクター62に第2ケーブル8を取り付けると、表面読取ユニット6に向けての共用信号線G2の部分的な信号線同士が全て接続される(共用信号線G2が結線される)。これにより、主制御部4のタイミング生成回路42及び電源回路41から、表面読取ユニット6の第2回路部61に共用の信号が入力される。
また、第1ケーブル7が伝え、裏面読取ユニット5に入力される信号のうち、赤色点消灯制御信号LED−R2、緑色点消灯制御信号LED−G2、青色点消灯制御信号LED−B2は、表面読取ユニット6でのみ用いられる。そして、主制御部4には、主制御部4のタイミング生成回路42と第2回路部61間を結び、表面読取ユニット6のみで用いる信号を伝えるための表面読取ユニット用信号線G3の一部が設けられる(配線される)。言い換えると、表面読取ユニット用信号線G3の一部として、主制御部4には、タイミング生成回路42と主コネクター44を繋ぐ部分的な信号線が設けられる。
更に、裏面読取ユニット5では、第1コネクター52に接続された表面読取ユニット用信号線G3をそのまま中継コネクター53に接続する配線がなされる。言い換えると、裏面読取ユニット5内では、第1コネクター52と中継コネクター53を直接つなぐ態様で、表面読取ユニット用信号線G3は設けられる。言い換えると、裏面読取ユニット5には、第2コネクター62と第2回路部61を繋ぐための部分的な信号線が設けられる。そして、表面読取ユニット6には、表面読取ユニット用信号線G3の一部として、第2コネクター62と第2回路部61を繋ぐ部分的な信号線が設けられる。
そして、主コネクター44と第1コネクター52に第1ケーブル7が取り付けた状態で、中継コネクター53と第2コネクター62に第2ケーブル8を取り付けると、表面読取ユニット用信号線G3の部分的な信号線同士が全て接続される(表面読取ユニット用信号線G3が結線される)。これにより、主制御部4のタイミング生成回路42から、表面読取ユニット6の第2回路部61に表面読取ユニット6用の信号が入力される。
このように、第2ケーブル8は、裏面読取ユニット5の中継コネクター53と第2コネクター62の間で、分岐された共用信号線G2と第2読取ユニット用信号線を接続する。これにより、主制御部4と第2回路部61は、裏面読取ユニット5を介して信号のやりとりを行う。
〈2.裏面読取ユニット5から主制御部4に送られる信号〉
次に、裏面読取ユニット5から主制御部4に送られる信号を説明する。図8に示すように、原稿を読み取ることで第1ラインセンサー部57aが出力した各画素の画像信号D1(アナログデータ)が第1読取ユニット(第1回路部51)から主制御部4の画像処理部43に向けて送られる。第1ラインセンサー部57aの出力は、各受光素子(各画素)が蓄積した電荷である。尚、この第1ラインセンサー部57aからのデータ転送は、クロック信号CLにあわせて行われる。また、図8では、画像信号D1用の信号線を一本のみ図示しているが、画像読取装置100は複数色分のラインセンサーを含むので、色数分、画像信号D1の信号線が設けられる。この画像信号D1の信号線は、裏面読取ユニット用信号線G1ともいえる。
そして、主制御部4と裏面読取ユニット5のそれぞれには、主制御部4の画像処理部43と第1回路部51を結び、画像信号D1を画像処理部43に入力するための信号線の一部が設けられる(配線される)。言い換えると、裏面読取ユニット5が出力する画像信号D1の伝送用の信号線として、主制御部4には、画像処理部43と主コネクター44を繋ぐ部分的な信号線が設けられ、裏面読取ユニット5には、第1コネクター52と第1回路部51を繋ぐ部分的な信号線が設けられる。そして、主コネクター44と第1コネクター52に第1ケーブル7が取り付けられると、画像信号D1の伝送用の信号線の部分的な信号線同士が接続される(画像信号D1の伝送用の信号線の結線)。これにより、裏面読取ユニット5の第1イメージセンサー部57からの画像信号D1が画像処理部43に入力される。画像処理部43は、この画像信号D1を処理して、原稿の裏面の画像データを生成する。
〈3.表面読取ユニット6から主制御部4に送られる信号〉
次に、表面読取ユニット6から主制御部4に送られる信号を説明する。図8に示すように、原稿を読み取ることで第2イメージセンサー部66が出力した各画素の画像信号D2(アナログデータ)が表面読取ユニット6(第2回路部61)から主制御部4の画像処理部43に向けて送られる。尚、この第2ラインセンサー部66aからのデータ転送も、クロック信号CLにあわせて行われる。また、図8では、画像信号D1と同様に、画像信号D2用の信号線を一本のみ図示しているが、第2イメージセンサー部66は、複数色分のラインセンサーを含むので、色数分、画像信号D2の信号線が設けられる。この画像信号D2の信号線は、表面読取ユニット用信号線G3ともいえる。
そして、主制御部4には、主制御部4の画像処理部43と第2回路部61を結び、画像信号D2を画像処理部43に入力するための信号線の一部が設けられる(配線される)。言い換えると、画像信号D2用の信号線として、主制御部4には、画像処理部43と主コネクター44を繋ぐ部分的な信号線が設けられる。
裏面読取ユニット5は、中継コネクター53に接続された画像信号D2用の信号線をそのまま第1コネクター52に接続するように配線される。言い換えると、裏面読取ユニット5内には、中継コネクター53と第1コネクター52の間を直接つなぐ態様で、画像信号D2用の信号線は設けられる。更に、表面読取ユニット6には、画像信号D2用の信号線の一部として、第2コネクター62と第2回路部61を繋ぐ部分的な信号線が設けられる。
そして、主コネクター44と第1コネクター52に第1ケーブル7が取り付けた状態で、中継コネクター53と第2コネクター62に第2ケーブル8を取り付けると、画像信号D2用の信号線の部分的な信号線同士が全て接続される(結線される)。これにより、表面読取ユニット6のイメージセンサー部からの画像信号D2用の信号を、画像処理部43に入力することができる。画像処理部43は、この画像信号D2を処理して、原稿の表面の画像データを生成する。
この構成によれば、画像読取装置100は、セットされた原稿を読み取り位置に向けて搬送する原稿搬送部1と、原稿搬送部1により搬送される原稿を読み取るための画像読取部2と、画像読取装置100内に設けられる複数の読取ユニットと信号の送受信を行って制御を行うための主コネクター44を1つ含む主制御部4と、イメージセンサー(第1イメージセンサー部57)及び光源(第1光源部55)を含み、原稿のうち一方の面を読み取り、原稿搬送部1と画像読取部2のうち、何れか一方に読取ユニットとして設けられる第1読取ユニット(裏面読取ユニット5)と、イメージセンサー(第2イメージセンサー部66)及び光源(第2光源部64)を含み、原稿のうち他方の面を読み取り、原稿搬送部1と画像読取部2のうち第1読取ユニットが設けられない方に読取ユニットとして設けられる第2読取ユニット(表面読取ユニット6)と、主制御部4と第1読取ユニットを通信可能に電気的に接続する第1ケーブル7と、第1読取ユニットと第2読取ユニットを通信可能に電気的に接続する第2ケーブル8と、を含む。主制御部4は、主コネクター44を用いて、第1読取ユニット用と第2読取ユニット用の信号をまとめてやりとりする。第1読取ユニットは、主制御部4からの信号のうち、第1読取ユニットと第2読取ユニットで共用される信号を伝える信号線を分岐して、第2読取ユニット用の信号を、第2ケーブル8を介して第2読取ユニットに伝える。第2読取ユニットは、第1読取ユニットを介して、主制御部4と信号のやりとりを行う。
これにより、主制御部4(制御基板)に設けられる各読取ユニット用のコネクターの数は1つとなり、主制御部4に接続可能な読取ユニット用のケーブルは1種類のみとなる。従って、表面読取用ユニットに対するコネクターに裏面読取用ユニットのケーブルを取り付けたり、あるいは、裏面読取用ユニットに対するコネクターに表面読取用ユニットの接続ケーブルを取り付けたりするミスがなくなる。従って、画像読取装置100の組立でのミスが生じないようにすることができる。さらに、画像読取装置100の組立が進んでからミスが発覚したとき、一旦組み立てた画像読取装置100を一部ばらすなど、ケーブルの正しく取り付け直す作業に手間がかかる場合もある。しかし、本発明によれば、煩わしい作業が必要なミス自体が生じないので、画像読取装置100の組み立てやすさを高めることができる。
更に、主制御部4(制御基板)に設けられる各読取ユニット用と信号をやりとりするための数は1つに減らされる。しかも、共用される信号は、分岐される。そのため、制御基板に設けられるコネクターの幅は、従来、各読取ユニットと制御基板を個別にケーブルで接続する場合のコネクター2個分の幅よりも確実に短くなる。従って、従来の両面同時読込式の画像読取装置100よりも主制御部4(制御基板)を小型化することができる。また、小型化によって、主制御部4(制御基板)、画像読取装置100の製造コストを減らすことができる。
又、第1読取ユニット(裏面読取ユニット5)は、原稿搬送部1に固定して設けられるとともに、原稿の裏面を読み取る。第2読取ユニット(表面読取ユニット6)は、画像読取部2に設けられ、原稿の表面を読み取る。画像読取部2は、原稿搬送部1が搬送する原稿を読み取るための搬送読取用コンタクトガラス21と、載置された原稿を読み取るための載置読取用コンタクトガラス22と、第2読取ユニットを副走査方向で移動させる移動機構26を含む。第1ケーブル7は、主制御部4の主コネクター44と原稿搬送部1に設けられた第1読取ユニットを接続する。第2ケーブル8は、原稿搬送部1の第1読取ユニットと画像読取部2の第2読取ユニットを接続する。
まず、画像読取部2の第2読取ユニットは、移動する。そのため、第2読取ユニットが移動してもケーブルが切れたりコネクターから外れたりしないように、第1読取ユニットと第2読取ユニットを繋ぐケーブルは、長さに余裕が持たされる。また、ケーブルが動くことは、ノイズの観点からみれば、好ましくない。ここで、画像読取部2の読取ユニットは移動するところ、画像読取部2に第1読取ユニットを設けた場合、主制御部4と第2読取ユニットの両方に接続される第1読取ユニットが副走査方向で移動させられることになる。そのため、第1ケーブル7と第2ケーブル8の両方に長さの余裕も持たせる必要がある。そこで、第1読取ユニットを原稿搬送部1に設ける。原稿搬送部1に設けられる読取ユニットは、位置が固定されているので、主制御部4と第1読取ユニットをつなぐ第1ケーブル7については、長さの余裕を持たせなくてよい。従って、ケーブルのコストを抑えることができる。
又、第1読取ユニット(裏面読取ユニット5)は、第1コネクター52と中継コネクター53を含む。第1読取ユニットは、第2コネクター62を含む。第1ケーブル7は、主コネクター44と第1コネクター52を接続する。第2ケーブル8は、中継コネクター53と第2コネクター62を接続する。
第1ケーブル7は、第1読取ユニットと第2読取ユニット(表面読取ユニット6)が共通で用いる信号を伝える共用信号線G2、第1読取ユニットのみで用いる信号を伝える第1読取ユニット用信号線、及び、第2読取ユニットのみで用いる信号を伝える第2読取ユニット用信号線を、主制御部4と第1読取ユニットの間で接続する。第1読取ユニットは、共用信号線G2を分岐させて中継コネクター53に接続するとともに、第1コネクター52に接続された第2読取ユニット用信号線を中継コネクター53に接続するように配線される。第2ケーブル8は、第1読取ユニットの中継コネクター53と第2コネクター62の間で、分岐された共用信号線G2と第2読取ユニット用信号線を接続する。
従来、メイン制御基板に、コネクターを2つ設け、メイン制御基板と各読取ユニットをケーブルで別々に接続していた。しかし、第1読取ユニットと第2読取ユニットで共用される信号の信号線は、第1読取ユニット用と第2読取ユニット用に別々のものとして第1ケーブル7に含められない。共用される信号の信号線は、第1読取ユニットにおいて分岐され、第2読取ユニットに与えられる。従って、コネクターを2つ設ける場合よりも、コネクターの基板の実装に要する面積を減らすことができ、主制御部4の制御基板の小型化を大きく推し進めることができる。
又、第1ケーブル7に対して、ノイズを抑制するためのフェライトコア9が設けられる。第2ケーブル8に対しては、フェライトコア9を設けない。原稿の読み取りでは、ノイズの影響を軽減するため、ノイズフィルター(フェライトのような磁性体のコア)を、通信用のケーブルに取り付けることがある。特に、主制御部4(メイン制御基板)は、数多くの信号を処理し、消費電力が大きく高周波の部品、回路を含むことが多い。そこで、フェライトコア9は、メインの制御基板と各イメージセンサー(読取ユニット)を接続するケーブルに取り付けられる。従来、メインの制御基板に2つのコネクターを設け、各読取ユニットとメインの制御基板を2つのケーブルで接続する場合、それぞれのケーブル(各コネクター)に対して、ノイズフィルターが設けられていた。一方、主制御部4に設けられるコネクターは1つなので、主制御部4と接続されるケーブルは第1ケーブル7のみである。そのため、ノイズフィルター(フェライトコア9)を設けるケーブルは1本のみでよく、画像読取装置100の製造コストを抑えることができる。しかも、第1読取ユニット用の信号線と第2読取ユニット用の信号線の両方を含むので、1つのフェライトコア9により、第1読取ユニットと第2読取ユニットで扱われる信号の全てにおいて、ノイズの軽減や除去の効果を得ることができる。
又、画像形成装置(複合機101)は、実施形態に係る画像読取装置100を含む。これにより、画像形成装置の組立を容易なものとし、画像形成装置の製造コストを抑えることができる。
次に、他の実施形態を説明する。上記の説明では、主制御部4とケーブルで接続される第1読取ユニットを原稿搬送部1に設け、主制御部4と第1読取ユニットを介して信号のやりとりを行う第2読取ユニットを画像処理部43に設ける例を説明した。しかし、画像読取部2に設ける読取ユニットを第1読取ユニットとし、原稿搬送部1に設ける読取ユニットを第2読取ユニットとしてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。