以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明のXYステージを備えた撮影装置1の外観を示す図である。
図1の撮影装置1は、本発明のXYステージを備えたものである。本実施形態においてはそのXYステージによって撮像素子が保持される例が示されており、撮影時の手ぶれに応じてそのXYステージが駆動され撮像素子が動かされることによって手ぶれが補正される。
図1の撮影装置においては、撮像素子を保持するXYステージがレンズ鏡胴100とカメラ本体190との接続部付近に配備されている。図2から図10は、本発明の一実施形態であるXYステージ110の構成を示す図である。なお図2〜図4にはXYステージ110のX方向、Y方向を明確にするためにX軸とY軸さらにZ軸が示されている。図2と図4の3つの軸の方向は同じであるが、図3にはフレキシブル基板FPCの構成をより分かり易くするために異なる方向から見た図が示されているので、3つの軸の方向が異なる。以降の説明においては、これらの軸を使って方向を示すことにする。
図2には、XYステージ110の分解図が示されており、図3には、図2中のフレキシブル基板FPCの拡大図が示されており、図4には図2の分解図に加えてそのXYステージ110が組み込まれるレンズ鏡胴100が示されている。なお図4には、ズームモータZMやフォーカスモータFM、さらにそれらのモータをレンズ鏡胴100に組み込むときの部品や図1の撮影装置1内の制御部とを接続するためのメインFPC118や防塵テープ117等も図示されている。また本実施形態においては撮像素子としてCCD固体撮像素子112Aが用いられているので以降の説明においては撮像素子をCCD112Aと記載する。
また、図5には、XYステージ110が組立てられるとともにそのXYステージ110がレンズ鏡胴100に組み込まれた後の状態を、蓋部材114を透明にして蓋部材114側からZ方向に沿って見た図が示されており、図6から図10には、図5中の符号Pで示す線に沿って切断した断面を示すX断面図、図5中の符号Qで示す線に沿って切断した断面を示すX断面図、右側面図、図5中の符号Rで示す線に沿って切断した切断面を示すY断面図、および図5の底面図がそれぞれ示されている。
まず図2を参照してXYステージ110を構成する各部材を説明する。
XYステージ110には、図2に示す様に基体111ほか多数の部材が備えられており、その基体111上にその多数の部材の中のCCDホルダー112やXステージ113A,Yステージ113B等の各部材が組み込まれていってXYステージになり、組立てられたXYステージ110が図4に示すレンズ鏡胴100に組み込まれると、図5から図10に示す構成になる。
まず図2を参照してXYステージ110の構成を説明する。
図2の中央には、被移動ステージであるCCDホルダー112が示されている。このCCDホルダ112内のCCD112Aには、下方に示されているフレキシブル基板115が半田接続される構成になっており、そのフレキシブル基板115はCCDプレート116によってCCD112A側に押さえつけられるようにしてCCDホルダー112に固定される。なお上記フレキシブル基板115には接着用の穴があいておりその穴に接着剤が流し込まれてフレキシブル基板115が挟み込まれるようにしてCCDプレート116がCCD112Aに接着固定される。またCCD112Aから引き出されたフレキシブル基板115には、撓み部115Aが設けられており、その撓み部115AにはスリットSLが設けられている。このためこのフレキシブル基板115が組み込まれた後においては、その撓み部115AによってCCD112Aがスライドしている最中のフレキシブル基板115に加えられるX方向のストレスが吸収され、スリットSLによってCCD112Aがスライドしているときのフレキシブル基板115に加えられるY方向のストレスが吸収される。
つまり本実施形態においては、Xステージ113AとYステージ113Bそれぞれのスライドに応じてCCD112AとそのCCD112Aを保持するCCDホルダー112とCCD112Aに半田接続されているフレキシブル基板115とCCDプレート116とがすべてスライドすることになる。
一方、図2の中央には、その被移動ステージとなるCCDホルダー112等をX方向とY方向とに各々移動させるためのXステージ113AとYステージ113Bが示されている。図2のXステージ113Aは、中心軸を半周にわたって取り巻き、X方向にスライド自在に基体111に支持されるとともに、CCDホルダー112をX方向に拘束しY方向にスライド自在に支持して、X方向へのスライドによりCCDホルダー112をX方向に移動させるものであり、図2のYステージ113Bは、中心軸を半周にわたって取り巻き、Y方向にスライド自在に基体111に支持されるとともに、CCDホルダー112をY方向に拘束しX方向にスライド自在に支持して、Y方向へのスライドによりCCDホルダー112をY方向に移動させるものである。これらのステージ113A,113Bが基体111に組み込まれた後の状態については図5を参照したときに詳述する。なお、これらのXステージ113AおよびYステージ113Bをスライドさせるにあたっては、従来例にも記載したボイスコイルモータが用いられる。
このボイスコイルモータは、周知の通り、マグネットと、コイルと、ヨークとからなるものであり、本実施形態では、Xステージ113AとYステージ113Bとにそれぞれ、第1の基板固定部1130A、第2の基板固定部1130Bが備えられそれらの基板固定部1130A,1130Bにボイスコイルモータの移動子となる第1のコイル基板1131Aと第2のコイル基板1131Bがそれぞれ固定され、さらにそれらのコイル基板1131A,1131Bを駆動するためのマグネットMG1,MG2とヨークY11〜Y13、Y21〜Y23とXステージ113AとYステージ113Bそれぞれが基体111に組み込まれることによってボイスコイルモータが組み立てられてる。つまり本実施形態においては、ボイスコイルモータによってXステージ駆動機構およびYステージ駆動機構が構成される。
図2の左側には、基体111の外壁部の外側にXステージ113AとYステージ113Bそれぞれのコイル基板1131A,1131Bに対応するように、それぞれ、上記Xステージ駆動機構、上記Yステージ駆動機構それぞれを構成するマグネットMG1,MG2と3種類のヨークY11〜Y13,Y21〜Y23が示されている。なおXステージ113AとYステージ113Bとのそれぞれに設けられる第1のコイル基板1131Aと第2のコイル基板1131Bとに対応してそれぞれヨークY11〜Y13,Y21〜Y23が3種類づつ設けられているので、以降においては、Xステージ駆動機構側の符号Y11のヨークを第1のヨークと記載し、Yステージ駆動機構側の符号Y21のヨークを第2のヨークと記載し、Xステージ駆動機構側の符号Y12のヨークを第3のヨーク(以降においては第1のマグネットに対向して配設されるので対向ヨークということもある)と記載し、Yステージ駆動機構側の符号Y22のヨークを第4のヨーク(以降においては第2のマグネットに対向して配設されるので対向ヨークということもある)と記載することにし、Xステージ駆動機構側の符合Y13のヨークを第1のサブヨークと記載し、Yステージ駆動機構側の符号Y23のヨークを第2のサブヨークと記載することにする。また、第1のヨークY11は第1のマグネットMG1に接着固定され、第2のヨークY21は第2のマグネットMG2に接着固定されるので、それらを含めて第1の接合体YM1、第2の接合体YM2と記載することがある。
つまり本実施形態においては、Xステージ駆動機構が、X−Z平面に広がってXステージ113Aに対向した第1のマグネットMG1と、その第1のマグネットMG1の、Xステージ113Aから見たときの裏側に固定された第1のヨークY11とからなる第1の接合体YM1と、Xステージ113Aの、第1のマグネットMG1に対面した位置に固定され、電流の供給を受けて、第1のマグネットMG1との相互作用によりそのXステージ113AをX方向に駆動する力を発生する第1のコイルが形成された第1のコイル基板1131Aとを備え、Yステージ駆動機構が、Y−Z平面に広がってYステージに対向した第2のマグネットMG2と、その第2のマグネットMG2の、Yステージ113Bから見たときの裏側に固定された第2のヨークY21とからなる第2の接合体YM2と、Yステージ113Bの、第2のマグネットMG2に対面した位置に固定され、電流の供給を受けて、第2のマグネットMG2との相互作用によりそのYステージ113BをY方向に駆動する力を発生する第2のコイルが形成された第2のコイル基板1131Bとを備えたものということになる。
その第1のヨークY11が、第1のマグネットMG1よりもX方向に幅広の部材であって、Xステージ駆動機構が、第1のヨークY11の、第1のマグネットMG1から見たときの裏面の、その第1のマグネットMG1と対向する位置に固定された、その第1のヨークY11よりもX方向に幅狭の第1のサブヨークY13を備え、第2のヨークY21が、第2のマグネットMG2よりもX方向に幅広の部材であって、Yステージ駆動機構が、第2のヨークY21の、第2のマグネットMG2から見たときの裏面の、その第2のマグネットMG2と対向する位置に固定された、その第2のヨークY21よりもX方向に幅狭の第2のサブヨークY23を備えている。
図2の、Xステージ駆動機構とYステージ駆動機構がそれぞれ示されているところの基体111の外壁部には、図示はされていないが上記マグネットMG1、MG2と3種類のヨークY11〜Y13,Y21〜Y23を収容する凹みが、Xステージ113AとYステージ113Bとに対応してそれぞれ設けられており、それらの凹みに、まず対向ヨークY12,Y22がそれぞれ配設されて各凹みの内壁面にネジ止めされる。次にマグネットMG1,MG2と第1のヨークY11,Y22とからなる第1の接合体YM1と第2の接合体YM2が基体111の外壁面にそれぞれネジ止めされ、さらにそれらの接合体の第1、第2のヨークY11,Y22の、マグネット側から見た裏面のそのマグネットと対向した位置に、第1、第2のヨークよりもX方向、Y方向の長さが短い第1、第2のサブヨークY13,Y23がそれぞれ固定される。上記第1、上記第2の接合体YM1,YM2とそれらの接合体の面に対向する位置にある対向ヨークY13,Y23との間に形成されるギャップに、Xステージ113A、Yステージ113Bの基板固定部1130A,1130Bに固定されたコイル基板1131A,1131Bが基体111の外壁を回りこんで配設されることにより、Xステージ113AとYステージ113Bが基体111に組み込まれる。
このためコイル基板1131A、1131Bが通電されると、フレミング左手の法則によりコイル基板1131A,1131BがマグネットMG1,MG2に沿って平行(X方向、Y方向)にスライドするようになる。その結果、各ステージ113A,113Bの基板固定部1130A,1130Bに固定されたコイル基板1131A,1131Bの動きに応じて被移動ステージであるCCDホルダー112並びにCCDホルダー112に保持されているCCD112Aが移動することとなる。
こうしてXステージ113A,Yステージ113BおよびCCDホルダー112が、コイル基板1131A,1131B上のコイルの通電に応じて素早く動くことができるように基体111に組み込まれる。
ここでXステージ113AとYステージ113Bに挿通されるか、又は固定されるガイド軸G1、G3、G4、G6および、支持軸G2、G5がどのようにして基体111に組み込まれていくかを簡単に説明しておく。
まず、X方向に延びる2本のガイド軸G1,G3およびおよび1本の支持軸G2がどのようにして基体側に配設されて基体111に組み込まれていくかを図2を参照して簡単に説明する。
まず、Xステージ113Aには、2つの軸受(後述する)が備えられており、それら2つの軸受にX方向に延び基体111に固定的に支持される第1のガイド軸G1が挿通されその第1のガイド軸G1の両端が基体111が備える軸受に嵌入され基体111に固定的に支持される。さらにX方向に突出してX方向へのスライドが自在に基体111に支持される第1の支持軸G2の一端がXステージ113Aに固定的に支持される。第1のガイド軸G1は、その両端が基体111のU溝形状の軸受にそれぞれ嵌入され、さらに蓋部材の押さえ部(後述する)に押さえられることにより基体111に固定的に支持される。
さらに、X方向に延びる第2のガイド軸G3の両端が、Yステージ113Bに固定的に支持され、CCDホルダー112に設けられている2つの軸受(後述する)がその第2のガイド軸G3にX方向にスライド自在に連結されることによりCCDホルダー112がYステージ113Bに連結される。この第2のガイド軸G3は、上述した様に被移動ステージであるCCDホルダー112をY方向に拘束してX方向のみの移動を補助する役目を担う。
一方、Y方向に延びる3本の軸の方の第3のガイド軸G6は、その両端がXステージ113Aに固定され、CCDホルダー112に設けられているもう一つの軸受(後述する)がその第3のガイド軸G6にY方向にスライド自在に連結されることによりCCDホルダー112がXステージ113Aに連結される。このY方向に延びる第3のガイド軸G6は、Xステージ113Aに固定的に支持されることによりCCDホルダー112をX方向に拘束してY方向のみの移動を補助する役目を担う。
また第4のガイド軸G4は、Yステージ113Bが備える2つの軸受に挿通されその両端が基体111のU溝形状の軸受に嵌入され蓋部材114の押さえ部(後述する)により押さえられることにより基体111に固定的に支持される。また第2の支持軸G5は、Yステージ113Bに固定される。
こうして各ステージ113A,113Bおよび被移動ステージであるCCDホルダー112をスライド自在にするためのガイド軸G1、G4および支持軸G2,G5が基体111に組み込まれるとともに、CCDホルダー112の一方向の動きを拘束するガイド軸G3,G6がそれぞれYステージ113B及びXステージ113Aに固定的に支持されて各ステージ113A,113BとCCDホルダー112とがそれぞれ基体111に組み込まれることになる。組み込まれた後の状態については図5を参照したときに詳述する。
また、各ステージが備えるコイル基板1131A,1131Bにはコイル基板上のコイルを通電するための配線を行なわなければならないので、図2にはそのためのフレキシブル基板FPCが図示されている。このフレキシブル基板FPCは、図3に示す様に第1のコイル基板1131Aに固定される第1の固定部FPC1を有し、第1のコイルに供給される電流の流路が形成され、第2のコイル基板1131Bに固定される第2の固定部FPC2とを有し、第2のコイルに供給される電流の流路が形成されたものである。本実施形態においては、1本のフレキシブル基板FPCで2つのコイル基板1131A,1131Bの接続を行なうことができるようにしているが、2本別々であっても良い。
図3に示す1本のフレキシブル基板FPCには、Z方向に撓み撓んだ場合の面が互いにX方向に対面した第1の撓み部FPC3と、Z方向に撓み撓んだ場合の面が互いにY方向に対面した第2の撓み部FPC4とが設けられている。なおこのフレキシブル基板FPCには、第1、第2のコイル基板1131A,1131Bに固定された部分に第1、第2のマグネットMG1,MG2の磁力を検出することによりXステージ、YステージのX方向、Y方向の位置を検出するための第1のホール素子h1、第2のホール素子h2が搭載されているのでそれらのホール素子h1,h2で得られた検出信号を伝送する伝送路も形成されている。
Xステージ113AがX方向に移動しているときには上記第1の撓み部FPC3によってフレキシブル基板FPCに加えられるストレスが吸収され、YステージがY方向に移動しているときには上記第2の撓み部FPC4によってフレキシブル基板FPCに加えられるY方向のストレスが吸収される。
このフレキシブル基板FPCによる配線が終了したら、最後にXステージ113A、Yステージ113B、CCDホルダー112をZ方向から覆うように蓋部材114が被せられて組立が終了する。
ここで、基体111に各ステージ113A,133Bが組み込まれXYステージ110が組み立てられ、さらにそのXYステージ110がレンズ鏡胴100に組み込まれた後の状態を図5を参照して説明する。
前述した様に図5には、XYステージ110がレンズ鏡胴100に組み込まれた後の状態を、蓋部材114を透明にして図2、図4の右上方向から、つまりZ方向に沿って見た図が示されている。
図2で説明したように、第1から第4のガイド軸および第1,第2の支持軸G1〜G6が各ステージ113A,113Bとともに基体111に組み込まれていって各ステージが基体111に支持されるので、まずガイド軸と支持軸を含めた軸周りの構造を説明する。
図5に示す様に、Xステージ113AとYステージ113Bには、それぞれ、第1のガイド軸G1、第4のガイド軸G4が挿通される2つの軸受A1、A2,A3,A4がそれぞれ備えられている。
また、図5に示す基体111には、その第1のガイド軸G1の両端を固定的に支持する、上記蓋部材114に向かって開口したU溝形状の2つの第1の支持部BE1,BE2と、上記第4のガイド軸G4の両端を固定的に支持する、上記蓋部材114に向かって開口したU溝形状の2つの第2の支持部BE3,BE4と、上記第1の支持軸G2をX方向にスライド自在に支持する、上記蓋部材114に向かって開口したU溝形状の第3の支持部BE5と、上記第2の支持軸G5をY方向にスライド自在に支持する、上記蓋部材114に向かって開口したU溝形状の第4の支持部BE6とが備えられている。図5には上記第1の支持部BE1,BE2と第2の支持部BE3,BE4の構造が同じであるので第2の支持部BE3,BE4のうちの一方の支持部BE4の構造を示す拡大図が示されており、上記第3の支持部BE5と第4の支持部BE6の構造が同じであるので第3の支持部BE5の構造を示す拡大図が示されている。また、図5には、CCDホルダー112の、第2のガイド軸G3に支持された2つの軸受B1、B2の構造を示す拡大図やCCDホルダー112の、第1のガイド軸G1に支持されたもう一つの軸受B3の構造を示す拡大図も示されている。
つまり、Xステージ113Aの2つの軸受A1,A2に第1のガイド軸G1が挿通されてその第1のガイド軸G1の両端が第1の支持部BE1,BE2に嵌入されて第1のガイド軸G1およびXステージ113Aが基体111に支持され、Yステージ113Bに第4のガイド軸G4が軸受A3,A4に挿通されてその第4のガイド軸G4の両端が第2の支持部BE3,BE4に嵌入されて第4のガイド軸G4およびYステージ113Bが基体111に支持される。
本実施形態においては、最後に図5の表面側から蓋部材114が被せられるため、蓋部材114には、上記第1のガイド軸G1の、上記2つの第1の支持部BE1,BE2それぞれに支持された各部分を押さえる2つの第1の押え部114Aと、上記第4のガイド軸G4の、上記2つの第2の支持部BE3,BE4それぞれに支持された各部分を押さえる2つの第2の押え部114Aと、上記第3の支持部BE5の、当該蓋部材114に向かう開口を塞ぎその第3の支持部BE5と共同して上記第1の支持軸G2が貫通する第1の支持孔114Bを形成する第1の塞ぎ片と、上記第4の支持部BE6の、当該蓋部材114に向かう開口を塞ぎ第4の支持部BE6と共同して上記第2の支持軸G5が貫通する第2の支持孔114Bを形成する第2の塞ぎ片とが備えられているので、その蓋部材114と上記基体111に設けられている軸受とによってXステージ113A、Yステージ113Bが好適に支持されることになる。
さらに、蓋部材114には、この蓋部材114に固定され、CCDホルダー112をZ方向に付勢する付勢部材として作用するバネ部材SP1が備えられており、CCDホルダー112の、上記第2のガイド軸G3に支持された2つの軸受B1,B2それぞれには、図5中の拡大図に示す様にZ方向とY方向とに角を有し上記第2のガイド軸が貫通した矩形の貫通穴が設けられている。こうしておくと、丸いガイド棒G2が矩形の4つの辺のうちの2つの辺の、2箇所の点で押さえられるようになって、Y方向のがたが吸収されるように支持されるとともにフリクションが軽減されるように支持される。
またCCDホルダー112をXステージに対してX方向に片寄せするための付勢部材として作用するバネSP2が設けられており、そのバネSP2によってCCDホルダー112がX方向に片寄せされている。こうしておくと、Xステージが絶えず一方方向に付勢された状態になるので、被移動ステージとなるCCDホルダー112が移動しているときのX方向のがたが吸収される。
こうして、バネSP1、およびXステージ113AとYステージ113Bと基体111、Xステージ113AとYステージ113BとCCDホルダー112とを繋ぐ軸受によって、CCDホルダー112の、スライド中のガタが抑制されるようにCCDホルダー112が程よく支持される。
また図2のところで説明したが、組み立てられた後の構成をより明確にするためにXステージ駆動機構とYステージ駆動機構についてもその構成を図5を参照して説明しておく。
図5に示すXステージ駆動機構には、前述した様に、X−Z平面に広がってXステージに対向した第1のマグネットMG1と、その第1のマグネットMG1の、Xステージ113Aから見たときの裏面に固定された第1のヨークY11とからなる第1の接合体YM1と、Xステージ113Aの、上記第1のマグネットMG1に対面した位置に固定され、電流の供給を受けて、第1のマグネットMG1との相互作用によりそのXステージ113AをX方向に駆動する力を発生する第1のコイルが形成された第1のコイル基板1131Aとが備えられており、また、Yステージ駆動機構には、Y−Z平面に広がってYステージに対向した第2のマグネットMG2と、その第2のマグネットMG2の、上記Yステージ113Bから見たときの裏面に固定された第2のヨークY21とからなる第2の接合体YM2と、Yステージ113Bの、第2のマグネットMG2に対面した位置に固定され、電流の供給を受けて、第2のマグネットMG2との相互作用によりそのYステージ113BをY方向に駆動する力を発生する第2のコイルが形成された第2のコイル基板1131Bとが備えられている。
第1のヨークY11は、第1のマグネットMG1よりもX方向に幅広の部材であって、Xステージ駆動機構には第1のヨークY11の、第1のマグネットMG1から見たときの裏面の、その第1のマグネットMG1と対向する位置に固定された、その第1のヨークY11よりもX方向に幅狭の第1のサブヨークYM13が備えられており、第2のヨークY21は、第2のマグネットMG2よりもX方向に幅広の部材であって、Yステージ駆動機構には、第2のヨークY21の、第2のマグネットMG2から見たときの裏面の、その第2のマグネットMG2と対向する位置に固定された、その第2のヨークY21よりもX方向に幅狭の第2のサブヨークY23が備えられている。
こうして第1の基板固定部1130Aと第2の基板固定部1130Bとに固定された第1のコイル基板1131Aと第2のコイル基板1131Bが、第1のマグネットMG1と、その第1のマグネットMG1に対向する第2のヨークY12、第2のマグネットMG2とその第2のマグネットMG2に対向する第4のヨークY22との間に要領よく配設され各ステージを駆動するためのボイスコイルモータと各ステージとが基体に組み込まれる。
本実施形態においては、マグネットMG1,MG2を挟んで第1のヨークY11と第3のヨークY12、第2のヨークY21と第4のヨークY22を対向して配設することに加えて、マグネットMG1に対向して第1のヨークY11、第2のヨークY21の裏面側に第1のサブヨークY13、第2のサブヨークY23を追加することで、コイルを駆動するときの磁束の漏れを最小限に抑えることができるようにしてコイル基板1130Aに対して効率良く磁力を加えることができるようにしている。
このようにしてガイド軸および支持軸、さらにX駆動機構、Y駆動機構が基体に組み込まれてXYステージが組立てられる。
ここで、図6から図10までの図を参照して、レンズ鏡胴100に組み込まれた後のXYステージ110の構成を簡単に説明しておく。
図6には、図5中の符号Pで示す線に沿って切断した断面を示すX断面図、図7には図5中の符号Qで示す線に沿って切断した断面を示すX断面図、図8には図5の右側面図、図9には図5中の符号Rで示す線に沿って切断した切断面を示すY断面図、および図10には、図5の底面図がそれぞれ示されている。
図6から図10を参照してXYステージ110を構成する各部材の位置関係を簡単に説明しておく。
図6、図9に示す様に、レンズ鏡胴100の後方にXYステージ110が組み込まれており、最後に被せられる蓋部材114に設けられたバネSP1によってCCDプレート116およびCCDホルダー110がレンズ鏡胴100側に付勢されるようにしてXYステージ110を構成する各部材がレンズ鏡胴に組み込まれている。
図6に示す様に、CCDホルダ110には、CCD110Aが装着されそのCCD112Aにはフレキシブル基板115が接続されている。このフレキシブル基板115を剥き出しにしたまま外部へと引き出すとCCD110AがCCDホルダー110とともに移動しているときにフレキシブル基板115が暴れてキズが付いてしまう恐れがあるので、フレキシブル基板115をCCDプレート116で挟み込む様にして蓋部材114のバネSP1でそのCCDプレート116をCCDホルダー112側に押してフレキシブル基板の姿勢を矯正している。
さらに、フレキシブル基板115には、図2でも説明した様に、X方向にコの字状の撓み115Aが設けられており、そのコの字状の撓みが蓋部材114と基体111とで構成される空きスペース内に巧みに組み込まれている。前述した様にその撓みが設けられている部分にはY方向にスリットが設けられているので、CCDホルダー110がスライドしているときにフレキシブルケーブル115にX方向、Y方向のストレスが加えられるようなことがあってもそれらのストレスがその撓み115AとスリットSL(図2参照)により緩和される。また、配線スペースを確保するためにわざわざ基体側の大きさを大きくする必要がなくなって、XYステージの小型化を図ることが可能となる。
また、図7には、図2で説明した様に対向ヨーク(第4のヨーク)Y22が基体111の外壁の凹みの内壁にネジで固定され、その後マグネットMG2と第2のヨークY21が接着された第2の接合体YM2が基体111の外壁面に固定された後の状態が示されている。
Yステージ113Bには、基体111の外壁外側に回り込んでZ方向およびY方向に広がり第1のコイル基板1131Aが固定された、Z方向の寸法が基体111のZ方向の寸法よりも短い第2の基板固定部1130Bが備えられている。
また、Yステージ駆動機構には、基体111の外壁と第2のコイル基板1131Bとの間の、Z方向について第2の基板固定部1130Bとの干渉が免れた位置に配置された第4のヨークY22が備えられている。
そのマグネットMG2と上記対向ヨーク(第4のヨーク)Y22との間のギャップにコイル基板1131Bが基体111の外壁を回りこんで挿入されている。なお、基体にはマグネットMAG2の裏面に第2のヨークY21が接着されて接合体YM2にされてから組み込まれている。
図示はしないが、Xステージ113A側の構造も図7と同じである。
図7のコイル基板1131Bに連結されているYステージ113Bが、コイル基板1131Bとともに紙面に向かって表から裏へ、あるいは裏から表に向かって移動するとYステージ113Bが共にY方向にスライドすることになる。
このように本実施形態においては、Xステージ駆動機構を構成するボイスコイルモータとYステージ駆動機構を構成するボイスコイルモータが非常に狭いスペースに高密度に実装され、従来に比べて小型の駆動機構がXYステージに組み込まれることによってXYステージの小型化が図られている。
ここで本実施形態においては、フレキシブル基板FPCに装備されたホール素子h1,h2でコイル基板つまり各ステージ1131A,1131Bの位置を精度良く検出することができるようにするためにホール素子h1,h2の出力調整(直線性を得る)を簡単に行なうことができる構成を採用しているのでその構造を説明する。
図8には、図5の右側面図が示されている。図5の右側にはYステージ113Bを駆動するYステージ駆動機構が備えられているので、図8にはそのYステージ駆動機構が備える第1のヨークY21およびその裏面に貼着された追加ヨークY23が示されている。この第1のヨークY21は、前述した様に内部のマグネットMG2に接着固定されている。Xステージ駆動機構側も同じ構成であるので、図8のYステージ駆動機構側の構造の方を説明する。
この図8にはフレキシブル基板FPCの第2の撓み部FPC4が基体111とレンズ鏡鏡100とで形成される僅かなスペースに要領よく組み込まれていることが示されている。
前述した様にこのフレキシブル基板FPCを通して通電されるコイル基板を磁場中で運動させるためのYステージ駆動機構が基体111には組み込まれており、図8にはそのYステージ駆動機構が備える第2のヨークY21と第2のサブヨークY23とが示されている。前述した様にこの第2のヨークY21にはマグネットMG2(図5参照)が接着固定され第2の接合体YM2が構成されている。
図8に示す基体111には第2の接合体YM2の、Y方向に延びる一辺に接してその第2の接合体のY方向への位置調整時のガイドとなるガイド部111Gが備えられており、さらに、蓋部材114には基体111のガイド部111Gとの間に第2の接合体YM2を挟みそのガイド部111Gと協同してその第2の接合体YM2のY方向への位置調整時のガイドとして作用するガイド片114Cが備えられている。この蓋部材114には、さらに第2の接合体の、Yステージから見たときの背面に接して第2の接合体の背面をガイドする第1の背面ガイド部114Dも備えられている。
ここで、図番が前後するが、その感度調整を行なう部分の構成を説明しておく。
図11は、マグネットMG1,MG2の構成と、接合体YM1,YM2とホール素子h1,h2と、第1、第3、第2、第4のヨークY11,Y12,Y21,Y22と第1、第2のサブヨークY13,Y23との間の位置関係を示す図である。
図11(a)には、図7で説明したコイル基板1131A,1131Bと各ヨークY11〜Y13,Y21〜Y23の位置関係およびホール素子h1,h2の位置が示されており、図11(b)には、第1のヨークY11又は第2のヨークY21と、第3のヨークY12又は第4のヨークY22と、第1のコイル基板1131A又は第2のコイル基板1131Bの位置関係が示されている。また図10(c)、図10(d)には、マグネットMG1又はMG2の配列が示されている。
また図12は、接合体を図8に示すガイド111G等に沿って動かしているとき(図中の矢印の方向)のホール素子h1又はh2の出力の変化を説明する図である。
第1の接合体YM1又は第2の接合体YM2には、基体側のネジ穴と連通する、締結部を構成する長穴HL1が設けられている。この長穴HL1に偏芯ピンP1を挿入してガイド111G(図8参照)に沿って接合体YM1又はYM2をX方向又はY方向に移動させることにより位置調整が行なわれる。また位置調整が行なわれた後にあっては、偏芯ピンが取り除かれて締結部にネジが挿入されて第1、第2の接合体が基体に固定されるようにもなっている。
また、図11(a)に示す様に、Xステージ駆動機構やYステージ駆動機構には、第1のマグネットMG1や第2のマグネットMG2よりもX方向やY方向に幅広の部材であって、第1の接合体YM1や第2の接合体YM2が、第1のヨークY11や第2のヨークY21の、第1のマグネットMG1や第2のマグネットMG2から見たときの裏面の、その第1のマグネットMG1やその第2のマグネットMG2と対向する位置に固定された、その第1のヨークY11、その第2のヨークY21よりもX方向やY方向に幅狭の第1のサブヨークY13や第2のサブヨークY23が備えられている。これらのサブヨークY13,Y23はマグネットMG1,MG2の極の変化する範囲(図11(c)参照)をカバーすることができるところに設けられている。ここでは、第1のヨークと第2のヨークを厚くするとヨークが大型化してしまうので、薄くして、必要なところだけに第1のサブヨークY13、第2のサブヨークY13を設けることで、狭いスペースへの組み込みを可能にするとともに、それらのサブヨークでマグネットMG1,MG2とヨークY11〜Y13,Y21〜Y23とで形成される磁気回路中の磁束の漏れを低減させ、より効率的にコイルに対して磁力を加えることができるようにしている。
また、本実施形態のボイスコイルモータのマグネットには図11(c),(d)に示す様に、2極(S,N)の磁石が交互に並べて設けられており、各ステージが各ステージのストロークの範囲の中心に位置した時に、ホール素子h1,h2がその2極の磁石のN極とS極との境界に対向した位置(図中の符号B1で示した方)にくるように各接合体の位置が調整される。なお、コイル基板1131A,1131Bは、ホール素子h1,h2がマグネットの境界(B1)を中心にして上側のS極と下側のN極と対向する範囲内しか移動しない。
図12には、調整時に接合体が動かされているときのホール素子の出力の変化が示されている。
例えばホール素子の出力を電気的にモニターしておいて、接合体YM1,YM2をいずれか一方の方向に移動させホール素子の最大出力を検出していって最大出力を検出したら今度は反対方向に移動させていってホール素子の最小出力を検出する。双方の出力が得られたら、その出力値を2で割ってその値が得られる位置に接合体を移動させるとちょうどマグネットMG1,MG2のN極とS極との境界に対向した位置(図11の符号B1で示す方の境界)にホール素子h1,h2が位置するように調整が行なわれることになる。
このような調整が行なわれると、実際にコイル基板が最大ストローク動いたとしてもホール素子の出力が飽和することなく、位置の変化に応じてホール素子の出力がリニア(直線性)に得られるので、位置の検出精度が非常に高くなる。
こうして今までの駆動力を保ったままのボイスコイルモータがいままでよりも狭いスペースに高密度に実装される。
ここで話を元に戻して図9、図10を参照してXYステージの構成を説明する。
図9には図5中の符号Rで示す線に沿って切断し切断した面を見たY断面図が示されている。図10には、図5の底面図が示されている。
図9は、図6と同様の図であるが、図9には、図6とは見る方向が異なるのでズームモータZMの配置が示されている。また図10には、図8と同様の図であってXステージ駆動機構の構成が示されている。図8と同様にフレキシブル基板FPCの第1の撓み部FPC3が狭いスペース内に要領よく実装されていることが分かる。
このようにレンズ鏡胴100にXYステージ110が組み込まれて図1の撮影装置1が構成される。
ところで、従来においては4本のガイド軸のアライメント調整を個別に行なう必要があったために組立が難しいという問題を抱えていた。そこで、本実施形態においては、前述した様に、Xステージ、Yステージ、CCDホルダーをすべて3点で支持することによって、アライメント調整を不要にして組立の簡素化を図っている。
再び図5を参照して、本実施形態のXYステージが如何に組み立てやすいものであるかということを説明する。
また、図5に示す様に中心軸を取り巻くようにXステージ113A、Yステージ113Bが配設されている。これらのステージ113A,113Bは、基体に設けられているU字形状の溝に各ガイド軸が嵌入されることにより基体に支持される。基体の加工においては直角度および平行度の精度を出すことは容易であるので、直角度および平行度を持つU溝を基体に予め設けてそのU字状の溝にガイド軸および支持軸を嵌め入れることにより、各軸の直角度、平行度を容易く得ることができるようにしておく。こうしておくと、従来例のように各軸の調整を個別に行なう必要がなくなる。
こうしてそれらの溝に、Xステージが備える2つの軸受A1、A2を貫通するようにして挿通された第1のガイド軸G1の両端部が嵌め入れられ、さらに第1のガイド軸G1に対してX方向に突出した第1の支持軸G2も嵌め入れられる。こうして軸受A1,A2および支持軸G2の3点でXステージ113Aが基体111に支持されると、Xステージ113Aは高い平面度で基体に支持されることになる。
またYステージ113Bは、同様にYステージが備える2つの軸受A3,A4を貫通するようにして挿通された第4のガイド軸G4の両端部が嵌め入れられ、さらに第4のガイド軸G4に対してY方向に突出した第2の支持軸G5も嵌め入れられる。こうして2つの軸受A3,A4と支持軸G5の3点でYステージが基体に支持されると、Yステージ113Bは高い平面度で基体111に支持されることになる。
こうしてXステージ113AとYステージ113Bの平面が高い精度で保たれたら、これらのステージで被移動ステージを支持することにより被移動ステージであるCCDホルダーにも高い平面度を得ることができるようになる。
さらに図5の例では、Yステージ113BにX方向に延びYステージ113Bに固定的に支持された第2のガイド軸G3が備えられているので、被移動ステージであるCCDホルダー112に、Y方向に拘束されX方向にスライド自在に上記第2のガイド軸G3に支持される2つの軸受B1,B2が設けられるとともに、X方向およびY方向の双方に非拘束に第1のガイド軸G1に支持される1つの軸受B3が設けられ、第2のガイド軸G3に支持される2つの軸受B1,B2と第1のガイド軸G1に支持される1つの軸受B3との合計3点で支持されることにより、基体111に対する姿勢が規定される。図中に示されているように、軸受B1、B2にはZ方向とY方向とに角を持つ軸受が構成されており、軸受B3には、U字形状の軸受が設けられている。さらに蓋部材114によって設けられているバネSP1によって紙面裏側にCCDプレートを含むCCDホルダ等が付勢されるので、双方の軸受ともに被移動部材のZ方向の姿勢を規定する作用を担うことになる。このため、より高い平面が得られるようになる。
こうして、高い平面度が得られているYステージ側の2点と、同じく高い平面度が得られているXステージ側の1点とのCCDホルダーを挟んだ、対向する3点でCCDホルダーが支持されると、CCDホルダーに高精度の平面度が得られる。
また上記構造によりXステージ、Yステージ並びにCCDホルダーに基体に対して同程度の平面度が得られたとしても、軸受部のがたが大きくなると、被移動ステージであるCCDホルダー、又はXステージ、Yステージがいずれかの方向にスライドしている最中にがたついてXステージとYステージの動きが鈍くなるとともにCCDホルダーの動きが鈍くなる恐れがある。
そこで、本実施形態においては、前述した様にXステージ、Yステージのスライド中のがたつきをとることができるように、蓋部材114と蓋部材114に設けたバネSP1と軸受の形状を用いて被移動ステージであるCCDホルダー等のスライド中のがたつきをできる限り小さくすることができるように工夫している。
前述した様に、基体には第1のガイド軸G1の両端を固定的に支持する、蓋部材114に向かって開口したU溝形状の2つの第1の支持部BE1,BE2と、第4のガイド軸G4の両端を固定的に支持する、蓋部材114に向かって開口したU溝形状の2つの第2の支持部BE3,BE4と、第1の支持軸G2をX方向にスライド自在に支持する、蓋部材114に向かって開口したU溝形状の第3の支持部BE5と、第2の支持軸G5をY方向にスライド自在に支持する、蓋部材114に向かって開口したU溝形状の第4の支持部BE6とが設けられている。
また、蓋部材114には、それらに対応して、第1のガイド軸G1の、2つの第1の支持部BE1,BE2それぞれに支持された各部分を押さえる2つの第1の押え部と、第4のガイド軸G4の、2つの第2の支持部BE3,BE4それぞれに支持された各部分を押さえる2つの第2の押え部と、第3の支持部BE5の、当該蓋部材114に向かう開口を塞ぎその第3の支持部BE5と共同して前記第1の支持軸G2が貫通する第1の支持孔114Bを形成する第1の塞ぎ片と、第4の支持部BE6の、当該蓋部材114に向かう開口を塞ぎその第4の支持部BE6と共同して第2の支持軸G5が貫通する第2の支持孔114Bを形成する第2の塞ぎ片とが設けられている。
図5の紙面表側つまりZ方向へXステージ113A、Yステージ113Bおよび被移動ステージ112を覆うようにして蓋部材114が装着されて蓋部材114と基体111とが協同して軸受が構成される。
図5には、そのことを示すために各支持部BE1〜BE6の構造が抜粋して示されている。
第1の押さえ部と第2の押さえ部の構造は同じなので、図5には、第4のガイド軸G4の、2つの第2の支持部BE3,BE4のうちの一方が示されている。図5の拡大図に示す様に、U溝のところにガイド軸G4が嵌め入れられ、蓋部材114の、端部の段差で構成される押さえ部114Aによってガイド軸G4が弾力的に押さえ込まれる。こうして第1の支持部と第2の支持部によって第1のガイド軸と第4のガイド軸が支持されると、第1のガイド軸G1と第4のガイド軸G4が基体111に対して固定的に支持される。
さらに第3の支持部BE5と第1の塞ぎ片の構造と第4の支持部BE6と第2の塞ぎ片の構造は同じなので、第3の支持部BE5と第1の塞ぎ片が示されている。図5中の拡大図に示す様に、蓋部材114の塞ぎ片によってU溝が塞がれることにより支持孔114Bが形成され、その支持孔114Bを貫通するようにして第1の支持軸G2、第2の支持軸G5がスライド自在に支持されると、Xステージ113A、Yステージ113Bそれぞれがスムーズにスライドするように基体111に支持される。
また、各ステージ113A,113Bと被移動ステージであるCCDホルダー112との連結部にも工夫が凝らされている。この例ではXステージ113AとYステージ113Bの動きに応じてCCDホルダー112が敏感に反応して動くように、CCDホルダー112を3点で支持するとともに、3点の軸受部B1,B2,B3の形状に工夫が凝らされている。
前述した様にCCDホルダー112には、X方向に延びYステージ113Bに固定的に支持された第2のガイド軸G3に、Y方向に拘束されX方向にスライド自在に支持された2つの軸受B1,B2と、第1のガイド軸G1に、X方向およびY方向の双方に非拘束に支持された1つの軸受B3との3点で支持されることによりCCDホルダー112の基体111に対する姿勢が規定されている。
そこで、蓋部材114に設けられたバネSP1によりCCDホルダー112が紙面裏側に向かって付勢されていることを利用して、そのCCDホルダー112の、第1のガイド軸G1に支持された軸受B3をY方向に開口してその第1のガイド軸G1を挟むU溝形状の軸受にしてU字の一方の側にガイド軸を片寄らせる様にしてCCDホルダー112のZ方向の姿勢を定めるように支持させている。またCCDホルダー112の、第2のガイド軸G3に支持された2つの軸受B1,B2それぞれに、Z方向とY方向とに角を有し第2のガイド軸G3が貫通した矩形の貫通穴を設けて矩形の貫通穴の一方の側に寄らせるようにしてCCDホルダーが移動している最中のY方向のがたつきを吸収させるようにしてCCDホルダーを支持させている。
またCCDホルダー112の、第3のガイド軸G6に支持された軸受部B4を、Z方向に開口して第3のガイド軸G6を挟むU溝形状の軸受にして、そのU溝内に第3のガイド軸G6を常に位置させるようにしてZ方向に非拘束にするとともにX方向への動きを拘束するようにしてCCDホルダー112を支持させてもいる。
上述のように、CCDホルダー112はバネSP2によってX方向に付勢されている。このため、第3のガイド軸G6が軸受部B4のU溝の一方の側に片寄せされている。これによってCCDホルダー112が移動しているときのX方向のがたが吸収される。
この軸受部B4は、CCDホルダー112を第1のガイド軸G1と第3のガイド軸G3に沿ってX方向にスライドさせているときの、双方のガイド軸G1,G3からCCDホルダー112に加えられるモーメントがちょうど打ち消される位置に設けられているので、CCDホルダー112がX方向に円滑に動く。
こうして、X方向、Y方向のがたを吸収すると共に被移動ステージであるCCDホルダーのZ方向の姿勢をスライド中であっても常に保つことができるようにすることによって、CCDホルダー112の円滑かつ俊敏な反応が約束されるXYステージが構成される。
以上説明した様に、本発明のXYステージによれば、平面度を得ながらの組立が容易であって製造費の低減が図られたXYステージ、そのXYステージを備えた撮影装置が実現する。
また、フリクション等の余計な力が発生することがほとんどない、ステージの動きに同調して敏感にCCDホルダーを動かすことができるXYステージが実現する。