JP2009053107A - 粘弾性測定方法および粘弾性測定装置 - Google Patents

粘弾性測定方法および粘弾性測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】粘弾性測定に際して、粘弾性体に対する荷重の印加と解除をきわめて短時間に行い、正確な評価指標を得る。
【解決手段】前記加圧手段9として、メタルシールタイプの低摩擦エアシリンダ11と圧子12を用い、加圧開始から所定の荷重に達するまでの時間と、加圧解除開始から荷重が零になるまでの時間をそれぞれ0.15秒以下の範囲内とし、この範囲内で加圧手段9が研磨パッド8に対して荷重の印加と解除を行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、測定対象物である粘弾性体の粘弾性を測定する方法および装置に関するものである。
測定対象物である粘弾性体としては、羊毛、パン生地、皮膚、合成繊維、研磨パッド等を挙げることができる。このような粘弾性体は、一定の荷重が加えられると、図5に示すような時間−変位曲線(クリープ曲線ともいう)を示す。すなわち、一定の荷重が加えられると、粘弾性体は時間の経過とともに徐々に圧縮変形し、一定時間(T1 )が経過した後、荷重を取り除くと、元の形状には戻らないが、徐々に戻り始める特性を有している。このときの最大の変位量Mを沈込量、元に戻る量Nを復元量、元に戻らなかった量Pを永久変形量と呼ぶ。U1 、U2 は加圧時と加圧解除時の瞬間弾性、V1 、V2 は同じく加圧時と加圧解除時の遅延弾性、t1 、t2 は遅延時間、aは粘性値、T1 は加圧時間、T2 は加圧解除後から測定終了までの時間を表している。そして、得られたクリープ曲線から永久変形量P、復元量N、瞬間弾性U1 、U2 、遅延弾性V1 、V2 、遅延時間t1 、t2 、粘性値aを粘弾性体の評価指標としている。なお、このようなクリープ曲線を示す物体をレオロジー物体(流動物体)と呼んでいる。また、クリープ曲線は、図6に示すようなそれぞれ2つからなるばねB1 、B2 とダンパーD1 、D2 とを組合わせた線形粘弾性モデル(四要素モデル)に当てはまる。
ところで、現在、眼鏡レンズの研磨に使用される研磨パッドとしては、研磨性、研磨時間、耐久性等に優れていることが要求されるが、天然の素材(羊毛)を用いているためばらつきが大きい。研磨パッドを評価する際、従来は作業者が上記特性を経験的に捉えているため、作業者によって評価が一定せず、研磨作業に支障をきたす一因となっていた。このため、パッドの特性を科学的に解析して評価し、レンズの研磨の最適化を図る必要がある。
このような粘弾性体の粘弾性特性を測定する装置としては、例えば特許文献1〜4に開示されている。
特許文献1に記載されている弾性率測定装置は、エアシリンダによって複数個のセンサをウエハ加工時の圧力と同じ加圧力で研磨布に加圧し、そのときの研磨布の変位量を測定して弾性率を求め、この弾性率と予め求めておいた弾性率の値とを比較することにより、研磨布の劣化の度合いを判定するものである。
特許文献2に記載されている研磨パッド評価装置は、圧子を駆動装置によって一定速度で下降させて研磨パッドに押し付け、圧子に対する抗力を検出ロードセルで検出し、圧子の押し込み量をレーザー変位計によって検出するものである。
特許文献3に記載されている研磨布の評価装置は、研磨布上に載置される測定子と、上下動自在に設けられ前記測定子を研磨布に押し付ける重錘と、この重錘を上下動させるステッピングモータとで圧力負荷機構を構成し、前記測定子の垂直方向の変位をリニアマイクロメータによって測定するものである。
特許文献4に記載されている高度計は、アクチュエータによって圧子を試料に押し付け、その押し込み変位量を変位測定器によって測定するようにしている。
特開平10−315116号公報 特開平8−94508号公報 特開平10−288579号公報 実開平4−53544号公報
粘弾性体の粘弾性を測定し評価する場合、最も重要なことは粘弾性体の使用状態と同じ状態で測定することである。例えば、眼鏡レンズの光学面を研磨パッドによって研磨する場合は、光学面が凸面または凹面に形成されているため、眼鏡レンズを研磨パッドに繰り返し押し付けて研磨している。その場合、光学面の形状のだれを防止するために光学面を研磨パッドに対して所定の荷重で短時間に押し付けて回転移動させることにより研磨し、研磨中は前記荷重を加え続け、光学面が研磨パッドから外れるときは、押し付けるときと同様に短時間に研磨パッドから離間させるようにしている。すなわち、眼鏡レンズの研磨は、眼鏡レンズと研磨パッドを相対的に回転させて行なう。このときの回転速度は400〜600rpm程度である。同時に、研磨パッドは、眼鏡レンズの主経線方向に揺動しており、この揺動のためにレンズと接触、離間を繰り返しながら研磨する。研磨パッドの揺動は、1秒に一回程度の周期で行われるため、研磨パッドが眼鏡レンズに対して接触、離間する時間間隔は、前記回転による要素が主となる。したがって、前記回転速度400〜600rpmに対応して研磨パッドは1分間に400〜600回程度離間と接触を繰り返すことになる。この離間と接触の繰り返しを時間間隔に換算すると、0.1〜0.15秒となる。したがって、研磨パッドの測定に際しては、加圧開始から所定の荷重に達するまでの時間と、加圧解除開始から前記荷重が零になるまでの時間を、前記時間の範囲内で行なう必要がある。
しかしながら、前記特許文献1〜4に記載の装置は、いずれも平板なウエハや液晶用ガラス基板等の研磨に用いられる研磨布を対象としているため、加圧手段が荷重の印加と解除を上記のような短時間に行なうことができず、したがって前記引用文献1〜4に記載の装置を用いて眼鏡レンズ用研磨パッドの粘弾性を測定しても荷重の印加と解除に要する時間が長くなって研磨時と同じ時間で荷重の印加、解除を行なうことができず、正確な評価指標を得ることができないという問題があった。
本発明は、上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、粘弾性体に対する荷重の印加と解除をきわめて短時間に行うことができ、特に眼鏡レンズ用研磨パッドの粘弾性測定に用いて好適な粘弾性測定方法および粘弾性測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、加圧による粘弾性体の経時的変化を測定する粘弾性測定方法において、前記粘弾性体に印加する荷重の保持時間をパラメータとして含む予め定められた負荷パターンを設定する工程と、前記負荷パターンにしたがって加圧手段が前記粘弾性体に前記荷重を加える加圧工程と、前記荷重を一定時間加えた後、前記負荷パターンにしたがって前記粘弾性体の初期の回復速度より速い速度で前記加圧手段を前記粘弾性体から離間させる加圧解除工程とを備え、前記加圧手段として、メタルシールタイプの低摩擦エアシリンダまたは直流型コアレスモータを用い、前記負荷パターンの加圧開始から所定の荷重に達するまでの時間と、加圧解除開始から前記荷重が零になるまでの時間をそれぞれ0.15秒以下の範囲内に設定し、この範囲内で前記加圧手段が前記荷重の印加と解除を行なうものである。
また、本発明は、上記発明において、前記粘弾性体が光学レンズを研磨する研磨パッドであるものである。
また、本発明は、加圧による粘弾性体の経時的変化を測定する粘弾性測定装置において、前記粘弾性体に印加する荷重の保持時間をパラメータとして含む予め定められた負荷パターンを設定するコントローラと、前記粘弾性体に前記荷重を加え、一定時間加圧した後は前記負荷パターンにしたがって前記粘弾性体の初期の回復速度より速い速度で加圧状態を解除する加圧手段と、前記加圧手段の加圧による前記粘弾性体の経時的変化を測定する変位測定手段とを備え、前記加圧手段をメタルシールタイプの低摩擦エアシリンダで構成し、前記負荷パターンの加圧開始から所定の荷重に達するまでの時間と、加圧解除開始から前記荷重が零になるまでの時間をそれぞれ0.15秒以下の範囲内に設定し、この範囲内で前記加圧手段が前記荷重の印加と解除を行なうものである。
また、本発明は、上記発明において、前記エアシリンダがシリンダロッドを上昇復帰させるクイックエキゾーストバルブを備えているものである。
また、本発明は、上記発明において、前記エアシリンダが圧力を制御するレギュレータを備えているものである。
さらに、本発明は、加圧による粘弾性体の経時的変化を測定する粘弾性測定装置において、前記粘弾性体に印加する荷重の保持時間をパラメータとして含む予め定められた負荷パターンを設定するコントローラと、前記粘弾性体に前記荷重を加え、一定時間加圧した後は前記負荷パターンにしたがって前記粘弾性体の初期の回復速度より速い速度で加圧状態を解除する加圧手段と、前記加圧手段の加圧による前記粘弾性体の経時的変化を測定する変位測定手段とを備え、前記加圧手段を直流型コアレスモータで構成し、前記負荷パターンの加圧開始から所定の荷重に達するまでの時間と、加圧解除開始から前記荷重が零になるまでの時間をそれぞれ0.15秒以下の範囲内に設定し、この範囲内で前記加圧手段が前記荷重の印加と解除を行なうものである。粘弾性体の初期の回復速度は、0.1〜0.15秒である。
本発明においては、加圧手段として、メタルシールタイプの低摩擦エアシリンダまたは直流型コアレスモータを用いているので、荷重の印加と解除をそれぞれ0.15秒以下の範囲内で行なうことができる。したがって、眼鏡レンズの研磨時に用いられる研磨パッドの粘弾性を測定した場合、研磨時と同じ状態で測定でき、正確な評価指標を得ることができる。
0.15秒は、眼鏡レンズの研磨時において、眼鏡レンズの回転速度を400〜600rpmとし、研磨パッドを眼鏡レンズに対して1分間に400〜600回程度離間と接離を繰り返して研磨するときの離間と接触の繰り返しを時間間隔に換算した値(0.1〜0.15秒)である。したがって、最も望ましい値は0.1〜0.15秒であるが、下限値については特に特定する必要はなく、使用するアクチュエータの応答速度としてもよい。
メタルシールタイプの低摩擦エアシリンダは、所定荷重(圧力)を負荷0の状態から短時間に加えることができる。レギュレータは、粘弾性体に加えられる荷重を一定の値に設定する。クイックエキゾーストバルブは、速い排気特性を有しているので、シリンダロッドを速く上昇復帰させることで、粘弾性体に対する荷重の解除を迅速に行なうことができる。
一般のDCモータは、荷重の瞬時の印加と解除を行なうことができず、またコアを有しているため、加圧時に慣性により衝撃が発生するが、直流型コアレスモータの場合は瞬時の加圧と解除を行なうことができ、またコアがないため、加圧時に慣性により衝撃が発生することがない。さらにコアレスモータは、慣性が小さく、低い電圧で駆動し、力は弱いが軽く回るため、低荷重(約100g〜200g程度)の測定に適している。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る粘弾性測定装置の一実施の形態を示す概略構成図、図2は負荷パターンを示す図、図3は粘弾性特性を測定するときのフローチャートである。本実施の形態は、測定対象物である粘弾性体として眼鏡レンズの研磨に用いる研磨パッドの粘弾性測定に適用した例を示す。図1において、全体を参照符号1で示す粘弾性測定装置は、テーブル2上に設置された測定器本体3と、コントローラ4と、表示装置5とを備えている。
前記測定器本体3は、基台6上に設置された載置台7と、測定対象物である研磨パッド8に研磨時の圧力と同じ圧力(以下、荷重という)を加えて前記載置台7に押し付ける加圧手段9と、研磨パッド8の変形を測定する変位測定手段としての変位センサ10等を備えている。
前記加圧手段9としては、エアシリンダ11と、圧子12が用いられる。エアシリンダ11は、メタルシールタイプの低摩擦エアシリンダからなり、エアシリンダ11は電磁弁13に接続されている。電磁弁13は荷重を調整するレギュレータ14に接続されおり、レギュレータ14は圧縮空気供給源(図示せず)に接続されている。エアシリンダ11のシリンダ本体11Aは、基台6上に立設された取付板15の前面にブラケット16を介して、かつ載置台7の上方に位置するように下向きに固定され、2つのポートP1 、P2 が配管17a、17bを介して前記電磁弁13に接続されている。エアシリンダ11のシリンダロッド11Bは、下端がシリンダ本体11Aの下方に突出し、その下端部が前記圧子12を押圧する押圧部18を構成している。
前記圧子12は、適宜な厚さと直径を有する円板状に形成されて下面に複数個(例えば、3個)のボール19を有し、測定時に研磨パッド8の上に載置すると、前記シリンダロッド11Bの押圧部18によって押し下げられ、ボール19が研磨パッド8に押し付けられるように構成されている。レギュレータ14としては、圧力変動に対して応答性が高い精密レギュレータを用いることが望ましい。
前記メタルシールタイプの低摩擦エアシリンダ11は、低圧駆動(摺動抵抗が小さく、0.005MPaでの低圧駆動、通常は0.5MPa)が可能で、レギュレータ14による圧力設定が容易である、圧力変動に対しての応答性が速い、低摩擦(摺動抵抗が低く安定しているため、0.05N(5g)単位程度の出力コントロールが可能)であり、レギュレータ14による荷重の設定が容易である、研磨パッド8の変位に対して追従性が高い、高速駆動、高精度(1,000mm/secの高速域が対応可能)等の諸特性を有しているため、研磨パッド8に対する短時間での荷重の印加および解除が可能である。なお、本発明において用いられる低摩擦エアシリンダ11は応答速度(90%出力時間−ピストン始動時間)が0.04秒である。
前記コントローラ4は、図2に示す負荷パターンXを予め設定し、測定時にこの負荷パターンXにしたがって前記エアシリンダ11、電磁弁13を制御するように構成されている。
前記負荷パターンXは、研磨パッド8による眼鏡レンズの研磨時の圧力とほぼ同じ圧力と、加圧時間と、加圧開始から所定の荷重に達するまでの時間と、加圧解除開始から前記荷重が零になるまでの時間を定めるもので、加圧時間(荷重の保持時間)をパラメータとして含んでいる。荷重の保持時間(tb−ta )は15秒程度、荷重は500g〜1Kg程度である。また、負荷パターンXの加圧開始から所定の荷重(約1〜2Kg)に達するまでの時間と、加圧解除開始から前記荷重が零になるまでの時間は、段落「0009」に記載した理由からそれぞれ0.1〜0.15秒の範囲内に設定されており、この範囲内で前記エアシリンダ11が荷重の印加と解除を行なうように制御される。
前記表示装置5は、卓上型のパーソナルコンピュータが用いられることにより、キーボード5Aと、表示部5Bと、測定データを記憶するハードディスク(記憶部)とを備えている。
前記研磨パッド8としては、例えば特開2004−082324号公報に開示されている眼鏡レンズの凸面研磨用パッドが用いられる。この研磨パッド8は、発泡ポリウレタン、フェルト、または不織布等の繊維性の布や合成樹脂等を材料とする厚さ1mm程度のシート状に形成されている。研磨パッド8の評価指標としては、前述したとおり研磨性、研磨時間、耐久性等が挙げられる。
変位センサ10は、測定子10aが圧子12の上面に接触するように配設され、加圧時に研磨パッド8の圧縮変形を圧子12の下方への変位として読み取るように構成されている。変位センサ10によって読み取られた圧子12の変位は、電気信号に変換されると前記表示装置5に送られ、表示部5bに表示され、また記憶部に記憶される。
次に、粘弾性測定装置1による研磨パッド8の測定手順を図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
先ず、研磨パッド8の粘弾性測定に際して、コントローラ4により研磨パッド8に対する負荷パターンX(図2)を予め設定する(ステップ101)。
次に、載置台7上に研磨パッド8を載置して両面接着テープで固定する(ステップ102)。さらに、その上に圧子12を載せ(ステップ103)、シリンダロッド11Bの押圧部18を圧子12の上面に接触させる(ステップ104)。この状態において、電磁弁13は、センター位置(3位置エキゾーストセンター)の状態に保持されているため、シリンダロッド11Bによる圧子12への荷重の影響は軽微であり、ほとんど無視することができる。
次に、エアシリンダ11が研磨パッド8に加える荷重をレギュレータ14によって設定する(ステップ105)。さらに、変位センサ10の測定子10aを圧子12の上面に接触させる(ステップ106)。これにより、測定の準備が完了する。
測定の準備が完了すると、スタートスイッチを操作して測定を開始する(ステップ107)。測定が開始されると、変位センサ10の出力が表示装置5に出力される(ステップ108)。
また、スタートスイッチを操作すると電磁弁13が通電によって開き、シリンダ本体11Aの上側ポートP1 に所定圧のエアを供給してシリンダロッド11Bを下降させる。これにより、押圧部18が圧子12を所定圧で押圧して研磨パッド8に押し付ける(ステップ109)。このときの、押圧開始から所定の荷重に達するまでの時間は、前記0.1〜0.15秒の範囲内である。
研磨パッド8は圧子12によって押圧されると、徐々に圧縮されて変形する。研磨パッド8が圧縮変形すると、圧子12は研磨パッド8の変形にともない下方に変位するため、この変位が変位センサ10によって測定される。変位センサ10は圧子12の変位を測定すると、その信号を表示装置5に送る。表示装置5は、変位センサ10からの信号を記憶部に記憶するとともに、表示部5Bに表示する。表示部5Bに表示される時間−変位曲線Bは、図5に示したクリープ曲線Aと類似した曲線である。
測定時の条件としては、荷重を1kg、加圧時間T1 を15秒、荷重の解除から測定終了までの時間T2 (図5参照)を30秒、全体の測定時間を45秒に設定し、データの取得ピッチを0.05秒/1個、合計のデータ数を4501個とした。荷重を取り除くときは、電磁弁13を切り替えてシリンダロッド11Bをクイックエキゾーストバルブにより上昇復帰させることにより行われる(ステップ110)。この荷重の解除時間は、荷重の印加時と同様に、0.1〜0.15秒の範囲内であって、研磨パッド8の初期の回復速度より速い速度で押圧部18を圧子12から離間させて加圧状態を解除する。研磨パッド8の初期の回復速度は、0.1〜0.15秒である。そして、荷重の解除後、一定時間が経過して復元量N(図5)が略一定になると、測定を終了する。
測定によって得られた変位量(沈込量M、復元量N、永久変形量P)と、変位量のばらつき、復元率を測定項目とし、これらの項目を研磨パッド8の評価項目とする。例えば、永久変形量Pが少ない場合は、研磨パッド8として研磨性、研磨時間、耐久性が優れていると評価する。なお、復元量Nは、沈込量Mを100%としたときの加圧解除時の15秒から20秒までの値を1秒刻みで読み取り、その値を沈込量Mに対する割合で計算したものを、復元率と定義する。
粘弾性測定装置1によって測定した各種粘弾性体の変形量と復元率を表1に示す。
表1は、3個のボール19を有する圧子12により荷重1Kgで被測定物を押圧したときの測定結果である。
Figure 2009053107
また、表2に各種粘弾性体の標準偏差を示す。
Figure 2009053107
このように、本発明による粘弾性測定装置1は、加圧手段としてメタルシールタイプの低摩擦エアシリンダ11を用いているので、研磨パッド8に対する荷重の印加と解除を、眼鏡レンズの研磨時と同じ短時間、すなわち0.1〜0.15秒の範囲内でそれぞれ行なうことができ、また研磨パッド8を眼鏡レンズの研磨時の圧力と同じ荷重を印加しているので、正確な評価指標を得ることができる。
図4は本発明の他の実施の形態を示す概略構成図である。
この実施の形態は、加圧手段としてメタルシールタイプの低摩擦エアシリンダ11の代わりに直流型コアレスモータ30を用いたものである。コアレスモータ30は、コア(鉄心)がない回転子を有するモータで、コアにコイルを巻いた回転子を有するコアードモータに比べて慣性が小さく(荷重時に設定以上の荷重がかからない)、軽く回転する(被測定物への接触子のセットが容易、研磨パッド8の変位に対して追従性が高い、荷重の解除を短時間で行える)、応答性に優れている、回転数が高い(荷重が短時間に行える)等の諸特性を有しているため、眼鏡レンズ用研磨パッド8の粘弾性測定に用いて好適である。
コアレスモータ30は、取付台31上に設置され、その出力軸32に圧子11を押圧する押圧部材33がプレート34を介して取付けられている。押圧部材33は、測定時にコアレスモータ30の駆動によってプレート34が図4において時計方向に微小角度回動することにより、下降して圧子11を押し下げ研磨パッド8に押し付けるように構成されている。なお、本発明において用いられるコアレスモータ30は、応答速度(機械的時定数と同値であり、停止状態から無負荷回転数の63%まで加速するのに要する時間のこと)が0.004秒である。その他の構成は上記した実施の形態と同一である。
このような構成においても、コアレスモータ30を用いると上記した実施の形態と同様に研磨パッド8に対する荷重の印加と解除を0.1〜0.15秒の範囲内で瞬時に行うことができるため、研磨時とほぼ同じ状態で測定することができ、正確な評価指標を得ることができる。
また加圧手段としてコアレスモータ30を用いているので、電磁弁13、レギュレータ14を必要とせず、部品点数を削減でき構造を簡素化することができる。
本発明に係る粘弾性測定装置の一実施の形態を示す概略構成図である。 負荷パターンを示す図である。 粘弾性特性を測定するときのフローチャートである。 本発明の他の実施の形態を示す概略構成図である。 粘弾性体のクリープ曲線を示す図である。 線形粘弾性モデル(四要素モデル)を示す図である。
符号の説明
1…粘弾性測定装置、3…測定器本体、4…コントローラ、5…表示装置、7…載置台、8…研磨パッド、9…加圧手段、10…変位センサ、11…エアシリンダ、11A…シリンダ本体、11B…シリンダロッド、12…圧子、13…電磁弁、14…レギュレータ、30…直流型コアレスモータ。

Claims (6)

  1. 加圧による粘弾性体の経時的変化を測定する粘弾性測定方法において、
    前記粘弾性体に印加する荷重の保持時間をパラメータとして含む予め定められた負荷パターンを設定する工程と、前記負荷パターンにしたがって加圧手段が前記粘弾性体に前記荷重を加える加圧工程と、前記荷重を一定時間加えた後、前記負荷パターンにしたがって前記粘弾性体の初期の回復速度より速い速度で前記加圧手段を前記粘弾性体から離間させる加圧解除工程とを備え、
    前記加圧手段として、メタルシールタイプの低摩擦エアシリンダまたは直流型コアレスモータを用い、
    前記負荷パターンの加圧開始から所定の荷重に達するまでの時間と、加圧解除開始から前記荷重が零になるまでの時間をそれぞれ0.15秒以下の範囲内に設定し、この範囲内で前記加圧手段が前記荷重の印加と解除を行なうことを特徴とする粘弾性測定方法。
  2. 請求項1記載の粘弾性測定方法において、
    前記粘弾性体が光学レンズを研磨する研磨パッドであることを特徴とする粘弾性測定方法。
  3. 加圧による粘弾性体の経時的変化を測定する粘弾性測定装置において、
    前記粘弾性体に印加する荷重の保持時間をパラメータとして含む予め定められた負荷パターンを設定するコントローラと、
    前記粘弾性体に前記荷重を加え、一定時間加圧した後は前記負荷パターンにしたがって前記粘弾性体の初期の回復速度より速い速度で加圧状態を解除する加圧手段と、
    前記加圧手段の加圧による前記粘弾性体の経時的変化を測定する変位測定手段とを備え、
    前記加圧手段をメタルシールタイプの低摩擦エアシリンダで構成し、
    前記負荷パターンの加圧開始から所定の荷重に達するまでの時間と、加圧解除開始から前記荷重が零になるまでの時間をそれぞれ0.15秒以下の範囲内に設定し、この範囲内で前記加圧手段が前記荷重の印加と解除を行なうことを特徴とする粘弾性測定装置。
  4. 請求項3記載の粘弾性測定装置において、
    前記エアシリンダは、シリンダロッドを上昇復帰させるクイックエキゾーストバルブを備えていることを特徴とする粘弾性測定装置。
  5. 請求項3または4記載の粘弾性測定装置において、
    前記エアシリンダは、圧力を制御するレギュレータを備えていることを特徴とする粘弾性測定装置。
  6. 加圧による粘弾性体の経時的変化を測定する粘弾性測定装置において、
    前記粘弾性体に印加する荷重の保持時間をパラメータとして含む予め定められた負荷パターンを設定するコントローラと、
    前記粘弾性体に前記荷重を加え、一定時間加圧した後は前記負荷パターンにしたがって前記粘弾性体の初期の回復速度より速い速度で加圧状態を解除する加圧手段と、
    前記加圧手段の加圧による前記粘弾性体の経時的変化を測定する変位測定手段とを備え、
    前記加圧手段を直流型コアレスモータで構成し、
    前記負荷パターンの加圧開始から所定の荷重に達するまでの時間と、加圧解除開始から前記荷重が零になるまでの時間をそれぞれ0.15秒以下の範囲内に設定し、この範囲内で前記加圧手段が前記荷重の印加と解除を行なうことを特徴とする粘弾性測定装置。
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