JP2009053056A - 磁気式移動体速度検出装置 - Google Patents

磁気式移動体速度検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】設置が容易で高い測定精度が得られる磁気式の移動体速度検出装置を提供する。
【解決手段】速度算出手段68により、式( 1)に示す予め記憶された関係から、Y軸方向磁界時間的変化量算出手段66により算出されたY軸方向磁界時間的変化量dHyとX軸方向磁界空間的差分値算出手段64により算出されたX軸方向磁界空間的差分値ΔHxの比の値に基づいて、車両( 移動体) 12の速度vが算出されることから、そのX軸方向の磁界の強さおよびY軸方向の磁界の強さをそれぞれ検出する第1磁気センサ20および第2磁気センサ22を、車両12の進行方向に沿った1箇所においてY軸方向に一定距離2aを隔てて配置することにより車両12の速度vが測定されるので、設置が容易で高い測定精度を有する車速検出装置10が得られる。
【選択図】図4

Description

本発明は、磁性体製の移動体の速度を検出するための磁気式移動体速度検出装置に関する。
移動体たとえば車両を検出する装置としては、特許文献1に示される超音波式或いはマイクロ波式移動体検出装置、特許文献2に示される画像処理式移動体検出装置、特許文献3に示されるループコイル式移動体検出装置、特許文献4および5に示される磁気式移動体検出装置の他、空気チューブ式の移動体検出装置等が提案されている。
また、移動体の移動速度を検出する場合は、超音波或いはマイクロ波を放射し、ドップラ−効果を利用して反射波の位相のずれに基づいて移動体の速度を検出する移動体速度検出装置の他は、いずれも、上記のような移動体検出装置を、移動体の進行方向に沿った2箇所に配置し、その2箇所の検出時間差とその2箇所の間隔とに基づいて移動体の速度を算出する移動体速度検出装置が考えられる。このような移動体速度検出装置では、装置が大型且つ高価となるか、或いは少なくともセンサを所定距離を隔てて2箇所に正確に設置するなどの煩雑な設置作業を必要とする。
特開2000−149183号公報 特開2005−173787号公報 特開平10−288673号公報 特開平10−288673号公報 特開2000−11292号公報 特開平10−172093号公報
これに対し、特許文献6に示されるものと同様に、互いに直交する感度軸であるx軸およびy軸を有する1個の磁気センサを道路脇に水平に設置し、各感度軸ごとに検出される2軸方向の磁界から、車両から発生する被検出磁界の向きθを算出し、その被検出磁界の向きθの変化に基づいて車両の移動方向を判定する装置が提案されている。これによれば、磁気センサを一カ所に設けるだけで、車両の検出とその車両の移動方向を検出することができる。しかし、その被検出磁界の向きθの変化からは、車両の移動速度までは正確に検出できないという欠点があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、設置が容易で高い測定精度が得られる磁気式の移動体速度検出装置を提供することにある。
本発明者は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、一対の磁気センサにより互いに直交するX軸方向とY軸方向との各2方向の磁界の強さを所定時間を隔ててそれぞれ検出して得た各検出値を用いて、磁界中のストークスの定理を満足させる式を表現し、その式を変形すると、移動体の速度を上記各検出値からできるとともに、このようにして得た測定値からは、他の速度測定装置の測定値と遜色のない測定精度が得られることを見いだした。本発明はこのような知見に基づいて為されたものである。
前記目的を達成するための請求項1に係る発明の要旨とするところは、(a) X軸方向へ相対移動する磁性体製の移動体の速度を検出するための磁気式移動体速度検出装置であって、(b) 前記X軸方向に直交するY軸方向において一定距離を隔てて配置された、そのX軸方向の磁界の強さおよびY軸方向の磁界の強さをそれぞれ検出する第1磁気センサおよび第2磁気センサと、(c) その第1磁気センサおよび第2磁気センサにより第1時刻においてそれぞれ検出されたY軸方向磁界強さの平均値と、その第1磁気センサおよび第2磁気センサにより第2時刻においてそれぞれ検出されたY軸方向磁界強さの平均値との差であるY軸方向磁界時間的変化量dHyを算出するY軸方向磁界時間的変化量算出手段と、(d) 前記第1磁気センサにより第1時刻および第2時刻においてそれぞれ検出されたX軸方向磁界強さの平均値と、前記第2磁気センサにより第1時刻および第2時刻においてそれぞれ検出されたX軸方向磁界強さの平均値との差であるX軸方向磁界空間的差分値ΔHxを算出するX軸方向磁界空間的差分値算出手段と、(e) 予め記憶された関係から、前記Y軸方向磁界時間的変化量算出手段により算出されたY軸方向磁界時間的変化量dHyと前記X軸方向磁界空間的差分値算出手段により算出されたX軸方向磁界空間的差分値ΔHxの比の値に基づいて、前記移動体の速度vを算出する速度算出手段とを、含むことにある。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記第1時刻と第2時刻との時間差をdt、前記一定距離を2aとしたとき、前記予め記憶された関係は、v=( 2a/dt)(dHy/ΔHx)であることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記関係は、第1時刻における第1磁気センサの相対位置から、第1時刻における第2磁気センサの相対位置、第2時刻における第2磁気センサの相対位置、第2時刻における第1磁気センサの相対位置を順に経て、その第1磁気センサの相対位置へ戻る周回経路における、磁界の強さの周回積分値が零となるというストークスの定理に基づいて予め設定されたものであることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1の発明において、(a) 前記移動体は、走行路面上に予め設定された走行車線に沿って通過する車両であり、(b) 前記第1磁気センサ及び第2磁気センサは、前記走行路面の走行車線に隣接する場所において、前記走行車線に直角な方向に前記一定距離を隔てて位置固定に設けられたものであることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1の発明において、第1磁気センサ及び第2磁気センサは、X軸方向およびY軸方向に沿って配置された一対のアモルファス磁性金属線と、そのアモルファス磁性金属線にパルス電流を通電したときのそのアモルファス磁性金属線のインピーダンスを検出するためにそのアモルファス磁性金属線に巻回されたピックアップコイルとを、それぞれ備えたものであることを特徴とする。
請求項1に係る発明の磁気式移動体速度検出装置によれば、速度算出手段により、予め記憶された関係から、Y軸方向磁界時間的変化量算出手段により算出されたY軸方向磁界時間的変化量dHyとX軸方向磁界空間的差分値算出手段により算出されたX軸方向磁界空間的差分値ΔHxの比の値に基づいて、移動体の速度vが算出されることから、そのX軸方向の磁界の強さおよびY軸方向の磁界の強さをそれぞれ検出する第1磁気センサおよび第2磁気センサを、移動体の進行方向に沿った1箇所においてY軸方向に一定距離を隔てて配置することにより移動体の速度vが測定されるので、設置が容易で高い測定精度が得られる磁気式の移動体速度検出装置が得られる。
また、請求項2に係る発明の磁気式移動体速度検出装置によれば、前記第1時刻と第2時刻との時間差をdt、前記一定距離を2aとしたとき、前記予め記憶された関係は、v=( 2a/dt)(dHy/ΔHx)であることから、その関係から実際のY軸方向磁界時間的変化量dHy とX軸方向磁界空間的差分値ΔHx の比の値(dHy /ΔHx )に基づいて移動体の速度vが容易に得られる。
また、請求項3に係る発明の磁気式移動体速度検出装置によれば、前記関係は、第1時刻における第1磁気センサの相対位置から、第1時刻における第2磁気センサの相対位置、第2時刻における第2磁気センサの相対位置、第2時刻における第1磁気センサの相対位置を順に経て、元の第1時刻における第1磁気センサの相対位置へ戻る周回経路或いはその逆の周回経路における、磁界の強さの周回積分値が零となるというストークスの定理に基づいて予め設定されたものであることから、地磁気の変動によるオフセッチ値の変化、センサノイズ、ランダムノイズに対して影響を受け難く、測定された移動体の速度vの信頼性が得られる。
また、請求項4に係る発明の磁気式移動体速度検出装置によれば、前記移動体は、走行路面上に予め設定された走行車線に沿って通過する車両であり、前記第1磁気センサ及び第2磁気センサは、前記走行路面の走行車線に隣接する場所において、前記走行車線に直角な方向に前記一定距離を隔てて位置固定に設けられたものであることから、走行路面上を走行する車両の速度が得られる。
また、請求項5に係る発明の磁気式移動体速度検出装置によれば、第1磁気センサ及び第2磁気センサは、X軸方向およびY軸方向に沿って配置された一対のアモルファス磁性金属線と、そのアモルファス磁性金属線にパルス電流を通電したときのそのアモルファス磁性金属線のインピーダンスを検出するためにそのアモルファス磁性金属線に巻回されたピックアップコイルとを、それぞれ備えたものであることから、磁界検出分解能が10−6程度の高い測定感度を備えているので、一層高い測定精度が得られる。
以下、本発明の一実施例を、概念的な図面を参照しつつ説明する。なお、各図は概念図であるから、細部の機械的構造や各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、磁気式移動体速度検出装置の一例として、移動体である車両12の速度すなわち車速vを検出する車速検出装置10を説明する図である。図1に示されるように、走行路14上の走行車線に沿って走行する車両12の走行方向がX軸方向として設定され、その移動方向に直交する方向がY軸方向として設定されている。
上記車速検出装置10は、走行路14に隣接した路肩16において上記X軸方向に直交するY軸方向において一定距離2aを隔てて配置された第1磁気センサ20および第2磁気センサ22と、それら第1磁気センサ20および第2磁気センサ22から出力された信号を予め記憶されたプログラムに従って演算処理することにより車両12の速度vを算出する演算制御装置24と、その演算制御装置24により算出された車両12の速度v等を表示出力する表示出力装置26とを備えている。図1において、破線に示される第1磁気センサ20’および第2磁気センサ22’は、所定時間dt後の車両12に対する第1磁気センサ20および第2磁気センサ22の相対位置を示している。
上記第1磁気センサ20は、X軸方向の磁界の強さHX1およびY軸方向の磁界の強さHY1をそれぞれ検出する。第2磁気センサ22も、X軸方向の磁界の強さHX2およびY軸方向の磁界の強さHY2をそれぞれ検出する。上記演算制御装置24は、A/D変換器28、CPU30、ROM32、RAM34、表示出力制御回路36を備える所謂マイクロコンピュータであって、CPU30はRAM34の一時記憶機能を利用しつつROM32に予め記憶されたプログラムに従って入力信号を演算処理することにより、車両12の速度v等を演算し、その車両12の速度v等を表示出力装置26へ表示させ、或いはその車両12の速度v等を表す信号を他の機器へ出力させる。
上記第1磁気センサ20および第2磁気センサ22は同様に構成されているので、第1磁気センサ20に代表させ、図2を用いて説明する。図2において、第1磁気センサ20は、X軸方向に配置されたアモルファス磁性金属線40aとそのアモルファス磁性金属線40aにパルス電流を通電したときのそのアモルファス磁性金属線40aのインピーダンスを検出するためにそのアモルファス磁性金属線40aに巻回されたピックアップコイル40bとを備えるX軸方向検知素子40と、Y軸方向に配置されたアモルファス磁性金属線42aとそのアモルファス磁性金属線42aにパルス電流を通電したときのそのアモルファス磁性金属線42aのインピーダンスを検出するためにそのアモルファス磁性金属線42aに巻回されたピックアップコイル42bとを備えるY軸方向検知素子42と、発振器44から出力されるクロック信号に基づいて上記アモルファス磁性金属線40aおよびアモルファス磁性金属線42aに交互にパルス電流を出力するタイミング制御回路46と、それらアモルファス磁性金属線40aおよびアモルファス磁性金属線42aにパルス電流が付与されたときにそれらに巻回されているピックアップコイル40bおよびピックアップコイル42bに誘起される電圧信号をそれぞれ保持するサンプルホールド回路48、出力切換信号に従ってそのサンプルホールド回路48から交互に出力される前記電圧信号の一方または他方と基準電圧発生器50からの基準電圧とを交互に比較し、検知したX軸方向の磁界の強さHX1を示す信号と検知したY軸方向の磁界の強さHY1を示す信号とを交互に出力する差動増幅器52とを備えている。上記アモルファス磁性金属線40a、42aは、たとえば、520℃−2秒のアニールを施したFeCoSiBアモルファス金属ワイヤから構成される。
上記第1磁気センサ20は、アモルファス磁性金属線40aおよび42aにパルス電流を通電したときのインピーダンスが外部磁界に応じて大きく変化する現象である磁気インピーダンス効果( MI効果: Magneto-Impedance Effect)と、そのアモルファス磁性金属線40aおよび42aに巻回されたピックアップコイル40bおよび42bには外部磁界の強さに比例する誘起電圧が発生するという現象とを利用したものであり、10kHz或いは100kHz程度の高い周波数特性と、10−6G(ガウス)程度の比較的高い磁界検出分解能とを備えている。車両12の主原料は鋼板、鋼管、鍛造材、鋳鉄などの磁性材料であり、車両12は磁荷を帯びている。このような車両12の通行により、たとえば図3に示すように、X方向の磁界( 磁場) Hの変化およびY方向の磁界Hの変化が発生する。第1磁気センサ20および第2磁気センサ22はこのような磁界HおよびHの変化を検知する。
図4は、前記演算制御装置24の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図4において、車両認識手段60は、たとえば第1磁気センサ20により検出されたX軸方向の磁界の強さHX1とY軸方向の磁界の強さHY1とから磁場ベクトルH=√( HX1 +HY1 ) を算出し、その磁場ベクトルHが予め設定された車両判定値すなわち計測開始判定値H と計測終了判定値H との間にあることに基づいて車両12の通過中であると判定し認識する。図5は、上記磁場ベクトルHの時間的変化を示す図であり、たとえば、上記計測開始判定値H はその磁場ベクトルHの時間的変化の最大値H maxの15%程度の値、上記計測終了判定値H はその磁場ベクトルHの時間的変化の最大値H maxの50%程度の値にそれぞれ設定される。
記憶手段62は、上記車両認識手段60によって車両の通過中が認識される間に、第1磁気センサ20により検出されたX軸方向の磁界の強さHX1およびY軸方向の磁界の強さHY1と、第2磁気センサ22により検出されたX軸方向の磁界の強さHX2およびY軸方向の磁界の強さHY2とを、所定の1または複数のサンプリング周期を隔てた第1時刻tおよび第2時刻t+dtにおける少なくとも2回のサンプリング値を逐次記憶する。また、記憶手段62は、上記車両認識手段60によって認識された車両の認識数すなわち車両台数等も記憶する。
X軸方向磁界空間的差分値算出手段64は、第1時刻tにおける第2磁気センサ22の相対位置から第2時刻t+dtにおける第2磁気センサ22’の相対位置までの間の積分区間vdtにおける線積分値vdt[ HX2] を算出する。この線積分値vdt[ HX2] は、上記記憶手段62に記憶された第1時刻のX軸方向の磁界の強さHX2(t) および第2時刻のX軸方向の磁界の強さHX2(t+dt)を用いて、それら第1時刻tのX軸方向の磁界の強さHX2(t) および第2時刻t+dtのX軸方向の磁界の強さHX2(t+dt)の平均値( HX2(t+dt)+HX2(t))/2に積分区間vdtを乗算することにより、少ないサンプリングデータを用いて簡単に算出することができる。また、同様に、X軸方向磁界空間的差分値算出手段64は、第1磁気センサ20’の相対位置から第1磁気センサ20の相対位置までの間の積分区間vdtにおける線積分値vdt[ HX1] を算出する。この線積分値vdt[ HX1] は、上記記憶手段62に記憶された第2時刻のX軸方向の磁界の強さHX1(t+dt)および第1時刻tのX軸方向の磁界の強さHX1(t) を用いて、それら第1時刻tのX軸方向の磁界の強さHX1(t) および第2時刻t+dtのX軸方向の磁界の強さHX1(t+dt)の平均値( HX1(t+dt)+HX1(t))/2に積分区間vdtを乗算することにより、少ないサンプリングデータを用いて簡単に算出することができる。そして、X軸方向磁界空間的差分値算出手段64は、それら線積分値vdt[ HX2] およびvdt[ HX1] の差分であるX方向磁界空間的差分値ΔHX ( =vdt[ HX1] −vdt[ HX2])を算出する。
Y軸方向磁界時間的変化量算出手段66は、第1時刻tにおける第1磁気センサ20の位置から第1時刻tでの第2磁気センサ22の位置までの間の積分区間2aにおける線積分値2aH(t) を算出する。この線積分値2aH(t) は、上記記憶手段62に記憶された第1時刻tのY軸方向の磁界の強さHY1(t) およびHY2(t) を用いて、それら第1時刻tのY軸方向の磁界の強さHY1(t) およびHY2(t) の平均値( HY1(t) +HY2(t))/2に積分区間2aを乗算することにより、少ないサンプリングデータを用いて簡単に算出することができる。また、同様に、Y軸方向磁界時間的変化量算出手段66は、第2時刻t+dtにおける第2磁気センサ22’の位置から第1磁気センサ20’の位置までの間の積分区間2aにおける線積分値2aH(t+dt)を算出する。この線積分値2aH(t+dt)は、上記記憶手段62に記憶された第2時刻t+dtのY軸方向の磁界の強さHY1(t+dt)およびHY2(t+dt)を用いて、それら第2時刻t+dtのY軸方向の磁界の強さHY1(t+dt)およびHY2(t+dt)の平均値( HY1(t+dt)+HY2(t+dt)) /2に積分区間2aを乗算することにより、少ないサンプリングデータを用いて簡単に算出することができる。そして、Y軸方向磁界時間的変化量算出手段66は、それら線積分値2aH(t) および2aH(t+dt)の差分である、単位時間dt当たりのY軸方向磁界の時間的変化量dH( =H(t) −H(t+dt)) を算出する。
速度算出手段68は、予め記憶された関係式( 1) から、Y軸方向磁界時間的変化量算出手段66により算出されたY軸方向磁界時間的変化量dHy と、X軸方向磁界空間的差分値算出手段64により算出されたX軸方向磁界空間的差分値ΔHの比の値( dH/ΔH)に基づいて、車両12の速度v(km/h)を算出する。そして、表示出力制御手段70は、速度算出手段68により算出された車両12の速度v、記憶手段62により記憶された車両の認識数すなわち車両台数等を表示出力装置26に画像表示させ、或いは、それら車両12の速度vおよび車両台数を表す信号を出力する。
v=( 2a/dt)(dH/ΔH) ・・・( 1)
この式( 1) は、磁界中の周回成分値は周回方向に拘わらず零となるという所謂ストークスの定理を用いて導き出されるものである。すなわち、図1において、第1時刻tの第1磁気センサ20の相対位置A、第1時刻tの第2磁気センサ22の相対位置B、第2時刻t+dtの第2磁気センサ22の相対位置C、第2時刻の第1磁気センサ20の相対位置D、元の第1時刻tの第1磁気センサ20の相対位置Aへ戻る磁界の周回積分を考えると、区間A−Bにおける磁界の線積分値は2aH(t) 、区間B−Cにおける磁界の線積分値はv・dt[ HX1] 、区間C−Dにおける磁界の線成分値は−2aH(t+dt)、区間D−Aにおける磁界の線積分値は−vdt[ HX2] となる。上記ストークスの定理によりそれらの和は零であるから( 2)式となる。これを車速vを示す式に変形すると( 3)となる。そして、ΔH=[ HX2−HX1] と置き、dH=H(t) −H(t+dt)と置くと、( 1)式となる。( 1)式において、2aは第1磁気センサ20と第2磁気センサ22との間の距離(m)、dtはサンプリング時間(sec)であって、いずれも既知の定数であるので、上記Y軸方向磁界時間的変化量dHyとX軸方向磁界空間的差分値ΔHとが算出され、その比の値( dHy/ΔH)が算出されると、それに基づいて車速vが算出される。
2aH(t) +vdt[ HX1] −2 aH(t+dt)−vdt[ HX2] =0
・・・( 2)
v=( 2a/dt)[ H(t) −H(t+dt)] /( HX2−HX1
・・・( 3)
図6は、演算制御装置24の制御作動の要部を説明するフローチャートである。図6において、車両認識手段60に対応するステップ( 以下、ステップを省略する) S1では、たとえば第1磁気センサ20により検出されたX軸方向の磁界の強さHX1とY軸方向の磁界の強さHY1とから磁場ベクトルH=√( HX1 +HY1 )が算出され、その磁場ベクトルHが予め設定された計測開始判定値H と計測終了判定値H との間にあることに基づいて車両12の通過中であるか否かが判断される。
このS1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、S2において、第1磁気センサ20および第2磁気センサ22により第1時刻tにおけるX軸方向の磁界の強さHX1(t) およびHX2(t) が検出されるとともに、S3において、第1磁気センサ20および第2磁気センサ22により第1時刻tにおけるY軸方向の磁界の強さHY1(t) およびHY2(t) が測定される。そして、記憶手段62に対応するS4において、第1時刻tにおけるX軸方向の磁界の強さHX1(t) およびHX2(t) と、第1時刻tにおけるY軸方向の磁界の強さHY1(t) およびHY2(t) とが記憶される。
次いで、S5において、上記第1時刻tにおけるサンプリングから予め設定されたサンプリング周期dtが経過した後の第2時刻t+dtにおけるサンプリングが完了したか否かが判断される。当初はこの判断が否定されるので、第2時刻t+dtとなるとS2乃至4が再び実行される。すなわち、S2において、第1磁気センサ20および第2磁気センサ22により第2時刻t+dtにおけるX軸方向の磁界の強さHX1(t+dt)およびHX2(t+dt)が検出されるとともに、S3において、第1磁気センサ20および第2磁気センサ22により第2時刻t+dtにおけるY軸方向の磁界の強さHY1(t+dt)およびHY2(t+dt)が測定される。そして、記憶手段62に対応するS4において、第2時刻t+dtにおけるX軸方向の磁界の強さHX1(t+dt)およびHX2(t+dt)と、第2時刻t+dtにおけるY軸方向の磁界の強さHY1(t+dt)およびHY2(t+dt)とが記憶される。
次に、X軸方向磁界空間的差分値算出手段64に対応するS6では、第1時刻tにおける第2磁気センサ22の相対位置から第2時刻t+dtにおける第2磁気センサ22’の相対位置までの間の積分区間vdtにおける線積分値vdt[ HX2] が、上記記憶された第1時刻のX軸方向の磁界の強さHX2(t) および第2時刻のX軸方向の磁界の強さHX2(t+dt)を用いて、それら第1時刻tのX軸方向の磁界の強さHX2(t) および第2時刻t+dtのX軸方向の磁界の強さHX2(t+dt)の平均値[HX2av=( HX2(t+dt)+HX2(t))/2に積分区間vdtが乗算されることにより、算出される。また、第1磁気センサ20’の相対位置から第1磁気センサ20の相対位置までの間の積分区間vdtにおける線積分値vdt[ HX1] が、上記記憶された第2時刻のX軸方向の磁界の強さHX1(t+dt)および第1時刻tのX軸方向の磁界の強さHX1(t) を用いて、それら第1時刻tのX軸方向の磁界の強さHX1(t) および第2時刻t+dtのX軸方向の磁界の強さHX1(t+dt)の平均値[HX1av=( HX1(t+dt)+HX1(t))/2に積分区間vdtが乗算されることにより、算出することができる。そして、それら線積分値vdt[ HX2] およびvdt[ HX1] の差分が求められることにより、X方向磁界空間的差分値ΔH( =vdt[ HX1] −vdt[ HX2])が算出される。
続くY軸方向磁界時間的変化量算出手段66に対応するS7では、第1時刻tにおける第1磁気センサ20の位置から第1時刻tでの第2磁気センサ22の位置までの間の積分区間2aにおける線積分値2aH(t) が、上記記憶された第1時刻tのY軸方向の磁界の強さHY1(t) およびHY2(t) を用いて、それら第1時刻tのY軸方向の磁界の強さHY1(t) およびHY2(t) の平均値( HY1(t) +HY2(t))/2に積分区間2aが乗算されることにより、算出される。また、同様に、第2時刻t+dtにおける第2磁気センサ22’の位置から第1磁気センサ20’の位置までの間の積分区間2aにおける線積分値2aH(t+dt)が、上記記憶された第2時刻t+dtのY軸方向の磁界の強さHY1(t+dt)およびHY2(t+dt)を用いて、それら第2時刻t+dtのY軸方向の磁界の強さHY1(t+dt)およびHY2(t+dt)の平均値( HY1(t+dt)+HY2(t+dt)) /2に積分区間2aが乗算されることにより、算出される。そして、それら線積分値2aH(t) および2aH(t+dt)の差分が求められることにより、単位時間dt当たりのY軸方向磁界の時間的変化量dH( =H(t) −H(t+dt)) が算出される。
次いで、速度算出手段68に対応するS8では、予め記憶された関係式( 1) から、S7において算出されたY軸方向磁界時間的変化量dHyとS6において算出されたX軸方向磁界空間的差分値ΔHとに基づいて、具体的にはそれらY軸方向磁界時間的変化量dHy とX軸方向磁界空間的差分値ΔHとの比の値( dHy/ΔH)に基づいて、車両12の速度v(km/h)が算出される。そして、表示出力制御手段70に対応するS9は、S8により算出された車両12の速度v、記憶手段62により記憶された車両の認識数すなわち車両台数等が表示出力装置26に画像表示され、或いは、それら車両12の速度vおよび車両台数を表す信号が出力される。
次に、以下に示す条件で本発明者が行ったシュミレーションの結果を説明する。本シュミレーションでは、図7に示すように、車両を長さ2Lが4m、幅Lが2mの平坦な板と設定し、車両の前半に正磁化、後半に負磁化を有する磁化平行モデルCPと、車両のセンサ側半分に正磁化、反対側に負磁化を有する磁化垂直モデルCVとを設定し、車両の進行方向をX軸方向に、幅方向をY方向に設定し、磁気センサ1と磁気センサ2との間隔2aを0.3mと設定し、その磁気センサ1からX軸方向の距離Jが0.6mだけ離隔した磁気センサ3を設定し、車両から磁気センサと磁気センサとの中間までの距離を1.8mと設定し、磁気センサm(m=1、2、3) の検知磁場をHmと設定し、車速vが40km/hと設定した。また、本シュミレーションでは、磁気センサ1における車両の検知磁場ベクトルの大きさHV1は6mGと設定した。
図8は、上記シュミレーションにおいて磁化平行モデルCPに関する磁界変化を算出するために用いた式 (4) および (5) を説明する図である。X軸方向に一様な磁極を仮定し、磁極密度をσ、磁極までの距離をdとすると、Y軸方向の磁界H(x) は次式となる。X軸方向の磁界H(x) は次式となる。
(x) =(σ/2πμ)[ tan−1(x-x)/d−tan−1(x-x)/d]
(x) =(−σ/2πμ)ln( |√d+(x-x)||( √d+(x-x)
/|d
ここで、余弦定理により、図8の角度θおよびθはそれぞれ次式で導かれる。これらの式と上式とから、磁化平行モデルCPによるX軸方向の磁界H(x) およびY軸方向の磁界H(x) は、次式 (4) および (5) となる。
θ=cos−1(r +r +L)/2rr
θ=cos−1(r +r +L)/2rr
図9は、上記シュミレーションにおいて磁化垂直モデルCVに関する磁界変化を算出するために用いた式 (6) および (7) を説明する図である。磁化分布の幅はLとして上記磁化平行モデルCPの場合の半分とし、磁極密度σ’はσの2倍とし、Y軸方向に一様な磁極を仮定する他は、上記と同様にY軸方向の磁界H(x) およびX軸方向の磁界H(x) を求め、さらに、余弦定理による図9の角度θ’およびθ’はそれぞれ次式とから、X軸方向の磁界H(x) は次式 (4) となり、Y軸方向の磁界H(x) は次式 (5) となる。
=(−σ/2πμ)ln( |r||r|/|r)・・・ (4)
=(σ/2πμ)[ θ−θ] ・・・ (5)
=(σ’/2πμ)[ θ’−θ’] ・・・ (6)
=(−σ’/2πμ)ln( |r’||r’|/|r’|)・・・ (7)
図10は上記磁化平行モデルCPの式 (4) および (5) を用いて磁気センサ1の検知磁場を演算した結果を示し、図11は実際の第1磁気センサ20を用いて一般道にて車両の通過時の検知磁場を示している。両者を比較すると、ほぼ同一の波形であると考えられるので、本シュミレーションモデルの妥当性が認められる。
一般に、第1磁気センサ20や第2磁気センサ22により検知される磁界の強さに対しては地磁気の変動などからオフセット値が0.4mG程度変動する。このため、初期設定のオフセット値と実際のオフセット値との間にずれが生じた場合の速度算出に対する影響を調べた。このオフセット値とは、検知波形の基線の零値からのずれ値である。すなわち、オフセット値の初期設定値に比較して磁気センサ1の現在のオフセット値が−0.4〜 0.4mGの範囲で変動した場合の速度算出値の変化を( 1)式を用いてシュミレーションするとともに、磁化平行モデルCPおよび磁化垂直モデルCVについて位相差分法を用いて得られた速度算出値のシュミレーション結果と対比して、検討を行った。この位相差分法では、図7に示すように、X軸方向において所定距離A( たとえば0.6m)離隔して配置された磁気センサ1および磁気センサ3においてそれぞれ検出された磁界の変化を示す波形間の位相差D(msec)とその所定距離とに基づいて車速v( =A/D)が算出される。図12は、磁気センサ1により検出されたX軸方向の磁界強度HX1と磁気センサ3により検出されたX軸方向の磁界強度HX3との位相差Dを示している。図13は、磁気センサ1により検出されたY軸方向の磁界強度HY1と磁気センサ3により検出されたY軸方向の磁界強度HY3との位相差Dを示している。
図14は、オフセット値が−0.4〜 0.4mGの範囲で変動した場合の速度算出値を示している。◇印はストークスの定理から導かれた( 1)式から求められた車速値であるのに対し、□印は磁化平行モデルCPについて (4) および (5) 式から求められた車速値であり、△印は磁化垂直モデルCVについて (6) および (7) 式から求められた車速値である。図14から明らかなように、ストークスの定理から導かれた( 1)式を用いて求められた車速値は、地磁気の変動などによるオフセット値の変動の影響を受けない。◇印に示されるストークスの定理から導かれた( 1)式から求められた車速値vは、磁気センサ1および磁気センサ2のX軸方向の出力差ΔHと微小時間dt間に発生するY軸方向の出力差dHとの比の値( dH/ΔH)から算出されることから、長時間でオフセット変動があって初期設定値との間にずれが発生しても車両認識中にオフセット変動がなければ、速度算出に影響がでないと考えられる。
次に、測定場所のノイズの影響を考察する。一般に、車両の通過がなくても0.15mG程度の正負のセンサノイズが発生する。このノイズとして磁気センサ1のX軸方向およびY軸方向に対して振幅0.2mGの正弦波ノイズを与え、その正弦波ノイズの周波数を10〜100Hzまで変化させたときの、前記各方法による速度値の誤差をシュミレーションした。図15 はその結果を示している。ストークスの定理から導かれた( 1)式から求められた車速値を示す◇印は、正弦波ノイズの周波数の変化に拘わらず、殆ど影響されていない。しかし、磁化平行モデルCPについて (4) および (5) 式から求められた車速値を示す□印、および、磁化垂直モデルCVについて (6) および (7) 式から求められた車速値を示す△印は、正弦波ノイズの周波数の変化によって大きく影響され、□印では10%程度の影響を受け、△印では最大25%程度の影響を受けている。
さらに、ランダムノイズの影響について考察する。一般的な磁場測定において、測定精度を維持するために、ランダムノイズからも影響を受け難い性能を備える必要がある。このため、仮想的にすべての磁気センサのX軸方向およびY軸方向にたとえば図16に示すようなそれぞれ別の種類のランダムノイズを与え、疑似乱数を変化させて200回のシュミレーションを行い、上記各方法により算出された車速値の誤差率( %)を比較した。図17は、上記各方法により算出された車速値の誤差率の分布を示している。図17において、ストークスの定理から導かれた( 1)式から求められた車速値の誤差率分布を示す◇印は、零値を中心とする±5%程度の誤差率の範囲内の正規分布となっている。これに対し、磁化平行モデルCPについて (4) および (5) 式から求められた車速値の誤差率分布を示す□印は、正規分布とはならず±10%程度の誤差率の範囲内の分布となり、また、磁化垂直モデルCVについて (6) および (7) 式から求められた車速値の誤差率分布を示す△印も、正規分布とはならず±20%程度の誤差率の範囲内の分布となる。
位相差法は時間差を出すためにオフセット値の1点を使用している微分的な算出方法であり、ノイズの影響をうけやすい。また、磁化平行モデルCPに比較して、磁化垂直モデルCVの波形の方がオフセット値付近の磁場の変化率が小さいので、ノイズの影響が大きくなっていると考えられる。これに対し、ストークスの定理から導かれた( 1)式から求められた車速値では、速度算出の際にノイズ分はdH、ΔHに発生するが、空間的な差分をとっているためΔHのノイズ分は打ち消されると考えられる。
さらに、本発明者は、同一車種の自動車を用いて、本実施例の車速検出装置10を用いた測定とスピードガンを用いた測定とを行った。この実験では、Y軸方向に0.3mの相互間隔の第1磁気センサ20および第2磁気センサ22を1.1mの高さに設置し、1/4秒程度の1サンプリング周期当たり1.4〜2.6mの範囲で自動車の速度を変化させ、50km/h以上のデータはサンプリング周期を1/2として計測した。図18はその結果を示している。これによれば、算出速度は3%程度の誤差率という高精度が得られ、波形のばらつきもR値が99%と小さいものであった。
上述のように、本実施例の車速検出装置10によれば、速度算出手段68により、たとえば式( 1)に示す予め記憶された関係から、Y軸方向磁界時間的変化量算出手段66により算出されたY軸方向磁界時間的変化量dHy とX軸方向磁界空間的差分値算出手段64により算出されたX軸方向磁界空間的差分値ΔHx の比の値に基づいて、車両( 移動体) 12の速度vが算出されることから、そのX軸方向の磁界の強さおよびY軸方向の磁界の強さをそれぞれ検出する第1磁気センサ20および第2磁気センサ22を、車両12の進行方向に沿った1箇所においてY軸方向に一定距離2aを隔てて配置することにより車両12の速度vが測定されるので、設置が容易で高い測定精度が得られる。
また、本実施例の車速検出装置10によれば、第1時刻tと第2時刻t+dtとの時間差をdt、前記一定距離を2aとしたとき、前記予め記憶された関係は、v=( 2a/dt)(dHy/ΔHx)となることから、その関係から実際のY軸方向磁界時間的変化量dHy とX軸方向磁界空間的差分値ΔHxの比の値(dHy /ΔHx )に基づいて車両12の速度vが容易に得られる。
また、本実施例の車速検出装置10によれば、前記式( 1)に示す関係は、第1時刻tにおける第1磁気センサ20の相対位置から、第1時刻tにおける第2磁気センサ22の相対位置、第2時刻t+dtにおける第2磁気センサ22の相対位置、第2時刻t+dtにおける第1磁気センサ20の相対位置を順に経て、第1時刻tにおける第1磁気センサ20の相対位置へ戻る周回経路或いはその逆の周回経路における、磁界の強さの周回積分値が零となるというストークスの定理に基づいて予め設定されたものであることから、地磁気の変動によるオフセッチ値の変化、センサノイズ、ランダムノイズに対して影響を受け難く、測定された移動体の速度vの信頼性が得られる。
また、本実施例の車速検出装置10によれば、移動体として、走行路14の路面上に予め設定された走行車線に沿って通過する車両12が用いられており、第1磁気センサ20及び第2磁気センサ22は、走行路14の走行車線に隣接する場所である路肩16において、走行車線に直角な方向に一定距離2aを隔てて位置固定に設けられたものであることから、走行路14の路面上を走行する車両12の速度が計測される。
また、本実施例の車速検出装置10によれば、第1磁気センサ20及び第2磁気センサ22は、X軸方向およびY軸方向に沿って配置された一対のアモルファス磁性金属線40aおよび42aと、それらアモルファス磁性金属線40aおよび42aにパルス電流を通電したときのそれらアモルファス磁性金属線40aおよび42aのインピーダンスをそれぞれ検出するためにそれらアモルファス磁性金属線40aおよび42aに巻回されたピックアップコイル40bおよび42bとを、それぞれ備えたものであることから、磁界検出分解能が10−6程度の高い測定感度を備えているので、一層高い測定精度が得られる。
以上、本発明の一実施例について図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施される。
たとえば、前述の第1磁気センサ20及び第2磁気センサ22は、磁気インピーダンス効果( MI:Magneto-Impedance Effect)型センサであったが、フラックスゲート( FG)センサ、ホール素子センサ、強磁性磁気抵抗効果( MR:Magneto-Resistance effect)型センサ、巨大磁気抵抗効果( GMR:Giant Magneto-Resistance effect)型センサ、トンネル磁気抵抗効果( TMR:Tunnel Magneto-Resistance effect)センサ、光ファイバ磁気センサなどから構成された磁気センサであってもよい。要するに、X軸方向の磁界の強さおよびY軸方向の磁界の強さをそれぞれ検出することが可能なものであればよい。
また、前述の第1磁気センサ20及び第2磁気センサ22は、図2に示すように構成されていたが、それとは異なる回路から構成されていてもよい。
また、前述の実施例の車速検出装置10では、車両12の速度vが検出されていたが、車両12以外の移動体、たとえば水上を移動する船舶、コンベア上の被搬送物などの移動体の速度検出に用いられてもよい。
また、前述の実施例において、第1磁気センサ20により検出されたX軸方向の磁界の強さHX1およびY軸方向の磁界の強さHY1と、第2磁気センサ22により検出されたX軸方向の磁界の強さHX2およびY軸方向の磁界の強さHY2とをサンプリングするサンプリング周期と、それらを記憶手段62に記憶する記憶周期とは必ずしも一致しなくてもよいが、低消費電力とするためには一致させたほうがよい。
なお、前述したのはあくまでも例示であり、必要に応じて適宜変更され得る。その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
本発明の一実施例の車速検出装置の構成および配置を説明する概念図である。 図1の第1磁気センサの構成を説明する回路図である。 図1の第1磁気センサにより検出される磁界強度を表す波形を示す図である。 図1の演算制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図4の車両認識手段において用いられる磁界ベクトルを表す波形と、車両認識のための判定値とを示す図である。 図1の演算制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。 図1の演算制御装置の作動のシュミレーションの前提条件を説明する図である。 図7のシュミレーションにおいて用いられる、磁化平行モデルCPに対する検出磁界を算出する算出式の説明をする図である。 図7のシュミレーションにおいて用いられる、磁化垂直モデルCVに対する検出磁界を算出する算出式の説明をする図である。 図7のシュミレーションにおいて算出された、車両に移動に関連して検出される磁界の変化を示す図である。 図1の車速検出装置において実際に検出された、車両に移動に関連して検出される磁界の変化を示す図である。 図7のシュミレーションにおいて、位相差法により車速を測定するために求められる、磁気センサ1により検出されたX軸方向の磁界強度HX1と磁気センサ3により検出されたX軸方向の磁界強度HX3との位相差Dを示す図である。 図7のシュミレーションにおいて、位相差法により車速を測定するために求められる、磁気センサ1により検出されたY軸方向の磁界強度HY1と磁気センサ3により検出されたY軸方向の磁界強度HY3との位相差Dを示す図である。 オフセット値の変動に対する算出速度の誤差を示すために、図7のシュミレーションにより、ストークスの定理から導かれた( 1)式から求められた車速値( ◇印) と、磁化平行モデルCPについて求められた車速値( □印) と、磁化垂直モデルCVについて求められた車速値( △印) とを示す図である。 ノイズ周波数に対する誤差率を示すために、図7のシュミレーションにより、ストークスの定理から導かれた( 1)式から求められた車速値( ◇印) と、磁化平行モデルCPについて求められた車速値( □印) と、磁化垂直モデルCVについて求められた車速値( △印) とを示す図である。 図7のシュミレーションにおいて、誤差率の分布を調べるために用いたランダムノイズを示す図である。 図16に示すランダムノイズが与えられたときの誤差率の分布を示すために、図7のシュミレーションにより、ストークスの定理から導かれた( 1)式から求められた車速値( ◇印) と、磁化平行モデルCPについて求められた車速値( □印) と、磁化垂直モデルCVについて求められた車速値( △印) とを示す図である。 図1の実施例の車速検出装置の測定値とスピードガンの測定値との関係を示す図である。
符号の説明
10:車速検出装置(磁気式移動体速度検出装置)
12:車両(移動体)
20:第1磁気センサ
22:第2磁気センサ
40:X軸方向検知素子
40a:アモルファス磁性金属線
40b:ピックアップコイル
42:Y軸方向検知素子
42a:アモルファス磁性金属線
42b:ピックアップコイル
64:X軸方向磁界空間的差分値算出手段
66:Y軸方向磁界時間的変化量算出手段
68:速度算出手段

Claims (5)

  1. X軸方向へ相対移動する磁性体製の移動体の速度を検出するための磁気式移動体速度検出装置であって、
    前記X軸方向に直交するY軸方向において一定距離を隔てて配置された、該X軸方向の磁界の強さおよびY軸方向の磁界の強さをそれぞれ検出する第1磁気センサおよび第2磁気センサと、
    該第1磁気センサおよび第2磁気センサにより第1時刻においてそれぞれ検出されたY軸方向磁界強さの平均値と、該第1磁気センサおよび第2磁気センサにより第2時刻においてそれぞれ検出されたY軸方向磁界強さの平均値との差であるY軸方向磁界時間的変化量dHyを算出するY軸方向磁界時間的変化量算出手段と、
    前記第1磁気センサにより第1時刻および第2時刻においてそれぞれ検出されたX軸方向磁界強さの平均値と、前記第2磁気センサにより第1時刻および第2時刻においてそれぞれ検出されたX軸方向磁界強さの平均値との差であるX軸方向磁界空間的差分値ΔHxを算出するX軸方向磁界空間的差分値算出手段と、
    予め記憶された関係から、前記Y軸方向磁界時間的変化量算出手段により算出されたY軸方向磁界時間的変化量dHyと前記X軸方向磁界空間的差分値算出手段により算出されたX軸方向磁界空間的差分値ΔHxの比の値に基づいて、前記移動体の速度vを算出する速度算出手段と
    を、含むことを特徴とする磁気式移動体速度検出装置。
  2. 前記第1時刻と第2時刻との時間差をdt、前記一定距離を2aとしたとき、
    前記予め記憶された関係は、v=( 2a/dt)(dHy/ΔHx)であることを特徴とする請求項1の磁気式移動体速度検出装置。
  3. 前記関係は、第1時刻における第1磁気センサの相対位置から、第1時刻における第2磁気センサの相対位置、第2時刻における第2磁気センサの相対位置、第2時刻における第1磁気センサの相対位置を順に経て、該第1磁気センサの相対位置へ戻る周回経路における、磁界の強さの周回積分が零となるというストークスの定理に基づいて予め設定されたものである請求項1または2の磁気式移動体速度検出装置。
  4. 前記移動体は、走行路面上に予め設定された走行車線に沿って通過する車両であり、
    前記第1磁気センサ及び第2磁気センサは、前記走行路面の走行車線に隣接する場所において、前記走行車線に直角な方向に前記一定距離を隔てて位置固定に設けられたものである請求項1乃至3のいずれか1の磁気式移動体速度検出装置。
  5. 第1磁気センサ及び第2磁気センサは、X軸方向およびY軸方向に沿って配置された一対のアモルファス磁性金属線と、該アモルファス磁性金属線にパルス電流を通電したときの該アモルファス磁性金属線のインピーダンスを検出するために該アモルファス磁性金属線に巻回されたピックアップコイルとを、それぞれ備えたものである請求項1乃至4のいずれか1の磁気式移動体速度検出装置。
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