JP2009053004A - フィルムの欠点検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光線透過率が大きく異なる透明または不透明フィルムの表裏面と内部の欠点を1台の検査装置で光源を取り替えることなく、効率的に低コストで検査する方法を提供する。
【解決手段】フィルムまたはシート(以下フィルム)の下方に配置した光源から照明をフィルムに透過させ、上方に配置した固体撮像デバイスで受光量の変化を電気信号に変換し、その電気信号にもとづきフィルムの表裏面と内部の欠点を検出する方法において、照度(L)を上記光源からの照射光量を変化させることのみにより、かつ被検査フィルムの光線透過率(%)(T)に応じて下記式により定められる範囲に設定して行うことを特徴とするフィルムまたはシートの欠点検出方法。 50000/T≦L≦250000/T
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムまたはシート(以下、単にフィルムという場合も両者を含める)表裏面と内部の欠点を検出する方法に関し、さらに詳細には、透明フィルムだけでなく、不透明フィルムの表裏面と内部に存在する欠点も検知する方法に関する。なお、本明細書において、透明フィルムは半透明のフィルムをも含むことを意味する。
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等からなる透明または不透明のフィルムは包装用材料、工業用材料として広く使用されている。これらのフィルムを製造する際、フィルムに各種の欠点が発生することがある。欠点の具体例として、樹脂の炭化物混入による黒異物、機械油または添加剤に含有される油分付着による油汚れ、ロールに付着した油の転写による白汚れ、ダイスからの樹脂漏れ等による樹脂付着、フィルムの厚み斑またはピンホール等が挙げられる。フィルムの用途によっては、これらの欠点が品質上の問題となるため、フィルムの欠点を効率的に検査する必要性が高まっている。
従来、透過光と反射光を組み合わせて1台の検査装置で透明フィルムと不透明フィルムの欠点を検査する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−055720号公報
この方法は、「透明フィルムおよび不透明フィルムの欠点を検査する装置であって、被検体フィルム(5)を順次移送する手段(6a)(6b)と、フィルム(5)に光を照射する透過用光源(1)および反射用光源(2a)(2b)と、フィルム(5)透過光または反射光を受光し映像信号に変換する固体撮像デバイス(3)と、固体撮像デバイス(3)で得られた映像信号を処理してフィルム(5)の欠点の有無を判定する信号処理装置(4)とにより構成され、透過用光源(1)と反射用光源(2a)(2b)は互いにフィルム(5)を介して両側に配置され、かつ両光源(1)(2a)(2b)は、被検体フィルム(5)が透明であるか不透明であるかに応じて、切替えて光照射できるようになされており、固体撮像デバイス(3)が反射用光源(2a)(2b)と同じ側に配置されていることを特徴とする、透明および不透明フィルムの欠点検査装置」(特許請求の範囲、請求項1)であり、従来透明フィルムと不透明フィルムを両方測定するには透過用光源と反射用光源の2台を用意し、それぞれを切り替えて光照射する必要があるという問題があった。
さらに、不透明フィルムの異物を検査する方法が開示されている(例えば、特許文献2等参照)。
特開2005−214877号公報
しかしながら、この方法では、被検査体が非透過の場合は、反射用光源により行なっており、この方法においても上述と同様の問題があった。
しかも、上記の問題に加えて、フィルム原料および/またはフィルム厚みが変更されるとフィルムの光線透過率が大きく異なり、例えば、3倍以上異なる場合は、透過用光源および反射用光源それぞれに複数の光源を準備する必要があり、その選択も試行錯誤であったことに加え、装置自身も大変おおがかりなものとなったため、光線透過率の異なるフィルム、例えば、光線透過率の異なりやすい不透明フィルムを連続的に生産する場合に表裏と内部欠点を検査する方法として、未だ満足されるものではなかった。
本発明は、従来技術の課題を背景になされたものであって、光線透過率が大きく異なる透明または不透明フィルムの表裏面と内部の欠点を1台の検査装置で光源を取り替えることなく連続的に検査することができるフィルムの検出方法を提供するとともに効率的に低コストでフィルムを製造する方法を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
フィルムまたはシートの下方に配置した光源から照射光をフイルムまたはシート面に垂直に入射させてフィルムまたはシート中を透過させ、フィルムまたはシートの上方に配置した撮影デバイスによりその受光量の変化を電気信号に変換してその電気信号に基づいてフィルムまたはシートの表裏面及び内部の欠点を検出する方法において、
照度(L)を上記光源からの照射光量を変化させることにより、
被検査フィルムの光線透過率(%)(T)に応じた下記式により定められる範囲に設定して行うことを特徴とするフィルムまたはシートの欠点検出方法。
50000/T≦L≦250000/T
また、本件は、光源および固体撮像デバイスとフィルムまたはシート面との距離を3〜100cmとして欠点を検出する方法である。
また、本件は、光線透過率が1〜95%のフィルムまたはシートの欠点を検出する方法である。
また、本件は、光線透過率が1〜30%のフィルムまたはシートの欠点を検出する方法である。
本発明の欠点検査方法によると、光線透過率が大きく異なるフィルム、例えば、3倍以上異なるフィルムの表裏面と内部の欠点を1台の検査装置で光源を取り替えることなく検査できるので、検査装置の設置の省スペース化と低コスト化が可能である。
本発明では、フィルムまたはシートの下方に配置した光源から照射光をフイルムまたはシート面に垂直に入射させてフィルムまたはシート中を透過させ、フィルムまたはシートの上方に配置した撮影デバイスによりその受光量の変化を電気信号に変換してその電気信号に基づいてフィルムまたはシートの表裏面及び内部の欠点を検出する。
本発明では、光源および撮像デバイスとフィルム面との距離はそれぞれ5cm〜15cm、70cm〜100cmとするのが好ましい。
光源および固体撮像デバイスとフィルム面との距離が3cm未満の場合、本発明の検査方法をフィルム製膜工程内で実施する際、フィルムのバタツキまたはバルーン(上方または下方にフィルム面がふくれる現象)によりフィルムに傷が発生しやすいため好ましくない。逆に、100cmを超える場合、照度を前記範囲に制御しにくくなるため、好ましくない。
原理的には、本願発明で用いる高照度光源から照射される光は直線光であり、フィルムとの距離によりフィルムを透過した直後の照度および固体撮像デバイス直前の照度はほとんど変わらないが、光線透過率が大きく異なるフィルム、例えば、3倍以上異なるフィルムであっても、[光源の照度(ルックス)]Lを適切に設定すれば、欠点を正常に検出しにくくなるとか、ブルーミング現象が発生し、欠点を正常に検出しにくくなるといった問題がおこらないので好ましい。
本発明は例えば特開2000−238222号公報に開示された高透明フィルム、または例えば特公平6−25274に開示された空洞含有フィルムが表裏面と内部の欠点を連続的に検査する対象として挙げられる。
このとき、高透明フィルムの光線透過率は1〜95%が好適であり、空洞含有フィルムの光線透過率は1〜30%の場合が特に有用である。
本発明では、光源として、蛍光灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ等を用いることができる。このうち、低コストという点から、蛍光灯を用いることが好ましく、照度を増加させる点から、複数本の蛍光灯を用いることがさらに好ましい。
照射する面に沿って配置された複数本の蛍光管と、各蛍光管からの光を同一焦点に集光するように反射させる左右一対の反射板からなる集光型反射板とで構成された横列配置型灯具である単独型灯具からなる高照度照明装置が好ましい。
このとき、光源の照度は不透明フィルムを透過するために600000ルックスまで出力できるのが好ましい。
ここでいう照度とは、光源直近での照度を意味し、JIS−1609−1993に準拠して測定される。用いる照度計は200000ルックスまで測定できるものが好ましい。
本発明では、撮像デバイスとして、CCD型デバイス、MOS型デバイス、CID型デバイス等を用いることができる。このうち、感度が良い点とノイズが少ないという点からCCD型デバイスが好ましい。
このとき、被検査体の下方に配置された横列配置型灯具からなる単独型灯具と被検査体の検査面を撮像するデバイス(CCD型デバイス等)とで構成し、上記単独型灯具から被検査体に照射され被検査体を透過した光を撮像デバイス(CCD型デバイス等で受光し、受光した光の量を電気信号に変換し、その電気信号にもとづき被検査体の欠点を検出するのが好ましい。
本発明では照度(L)を上記光源からの照射光量を変化させることのみにより、かつ
被検査フィルムの光線透過率(%)(T)に応じた下記式により定められる範囲に設定して行うことが重要である。
50000/T≦L≦250000/T
[光源の照度(ルックス)]Lが50000/[フィルムの光線透過率(%)]Tより小さい場合、固体撮像デバイスでフィルム部分と欠点部分の受光量差が小さく、欠点を正常に検出しにくいため好ましくない。またLが250000/[フィルムの光線透過率(%)]Tルックスを超える場合、受光した画素に発生する電荷が過大になって周囲の画素に対する電荷の溢れ出し現象(ブルーミング現象)が発生し、欠点を正常に検出しにくいため好ましくない。
本発明では、高照度光源の出調整する手段を有することが、1台の検査装置で光線透過率が大きく異なるフィルム、例えば、3倍以上異なるフィルムを検査する際に、光源を取り替えることなく[光源の照度(ルックス)]Lを50000/T≦L≦250000/Tの範囲に調整しやすいため好ましい。
本発明では、光源の照度を調整する方法として、インバーター制御、減光板の使用を用いることができる。このうち、保守性及び設置スペースの制約という点からインバーターで制御する方法が好ましいが、インバーター制御と減光板を併用して良い。
[本発明の欠点検査方法の構成の概略]
図1〜4により説明する。
図1は、本発明の欠点検査方法の構成の概略を示す図である。図1において、被検査用フィルム(1)のゲル状物を含んだ位置を検査位置とする。
フィルム検査位置から下方に距離(L1)6cmの位置に光源として東芝社製高周波点灯用コンパクト型蛍光灯(2)8本が設けられた横型配置灯具(3)を配置し、照度調整用インバーター(4)を接続する。
光源(2)は、照射光がフィルム(1)面に垂直に入射するように向けられている。
フィルム(1)を挟んで光源(2)と対向状に、ヒューテック社製モノクロ型CCDカメラ(5)が、フィルム(1)から上方に距離(L2)80cmの位置に設けられている。CCDカメラ(5)は、フィルム(1)の幅が広い場合には、検査能力向上のため、フィルム(1)の幅と、CCDカメラ(5)の設置台数とによって(すなわち、CCDカメラ1台あたりに、どれだけのフィルム幅を検査させるかによって)、変化する値である。
フィルム(1)のゲル状物により透過光に変化が生じ、その変化がCCDカメラ(5)で観測される。CCDカメラでは、受光した透過光を映像信号(電圧信号)に変換して、信号処理装置(6)に出力した。
信号処理装置(6)では、図2に示すように、まず、映像AGC回路で映像信号のレベル補正処理を行い、続いて微分強調処理を行い、判定回路で欠点の有無の判別を行う。AGC回路では、一定周期にて現状映像信号レベルと前周期の映像信号レベルとを比較して補正を連続実施する。このようにレベル補正処理を行うのは、CCDカメラからの信号には素子によるバラツキがあり、また、フィルム(1)によって透過率が異なり信号レベルに差があるからである。微分強調回路では、フィルム(1)の欠点による映像信号変化は微小であるので、映像信号変化を微分強調して、判定回路で欠点の判別を行う。
次に、図3および図4を参照して、判定回路での欠点の判別について詳しく説明する。微分強調回路で得られた微分信号の電圧と欠点サイズとは一般に正比例するので、検知すべきサイズ以上の欠点に対してスレッシュ電圧を予め設定しておく。
具体的には、予めサイズの異なる欠点サンプルの電圧変動値を測定しておき、検出したいサイズの電圧変動値をスレッシュ電圧として決定するのが好ましい。
欠点の幅の場合と判定方法は基本的には同じであるが、幅の場合は横軸が長さの次元であり、長さの場合は縦軸がフィルム速度と検知時間から長さの次元に換算する。
そしてスレッシュ電圧と微分信号の電圧とを比較する。スレッシュ電圧以上の微分信号について欠点と判別する。このスレッシュ電圧以上の微分信号については、クロックパルスと同期させ2値化を実施して、ビット数により欠点の幅判定を行う(図3)。
CCDカメラの画素はフィルムの幅方向と平行に配置されており、カメラの走査線は常に一定速度で一方方向に移動している。CCDカメラの走査線が走った際に、1スキャン中にCCDが検出した微分信号電圧が予め設定されたスレッシュ電圧を超えた位置から、次にCCDが検出した微分信号電圧がスレッシュ電圧を超えた位置までの距離を1パルスの距離が換算できるクロックパルスにより測定することで欠点の幅を測定する。
また、2値化信号の継続時間から欠点の長さ判定を行う(図4)。
CCDカメラの走査線が走った際に、1スキャン中にCCDが検出した微分信号電圧が予め設定されたスレッシュ電圧を超えた位置(A)から、2スキャン以降に幅方向が位置(A)と同じ位置でCCDが検出した微分信号電圧がスレッシュ電圧を超えた位置(B)までの距離をフィルムの速度とスキャン時間から換算してフィルム流れ方向の欠点の長さを測定する。
このように、判定回路により、欠点の存在のみならず、欠点の幅判定および長さ判定をも行うことができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら制限されるものではない。
[フィルムの光線透過率の測定方法]
JIS K7105−1981に準じて測定した。
[照度測定方法]
JIS−1609−1993に準拠して測定される。照度計は「ルクスハイテスタ3423」200000lxレンジ(テックジャム(株))を使用し、光源直近での照度を測定した 。
[被検査用フィルム]
内部にゲル状物を含んだ、ポリエチレンテレフタレート/ポリスチレン:90質量%/10質量%のフィルム(フィルムA1:188μm、光線透過率3.0%、A2:50μm、光線透過率11.0%)とポリエチレンテレフタレート100質量%のフィルム(フィルムB:188μm、光線透過率92.0%)を被検査用フィルムとした。
[実施例1]
光線透過率3.0%のフィルムA1に対し、照明用インバーターにより周波数を50kHz、出力電圧パルス幅を100%に設定することで光源の照度を16667〜83333(ルックス)の中から66,700ルックスに調整・固定して検査した。
この時フィルム欠点の位置と大きさを検出でき、フィルム表面及び内部の欠点が検出できた。
[実施例2]
光線透過率92.0%フィルムBに対し、照明用インバーターにより周波数を50kHz、出力電圧パルス幅を20%に設定するとともに、減光板を使用することで光源の照度を543〜2717(ルックス)の中から700ルックスに調整・固定した以外は実施例1と同様にして検査した。この方法は、実施例1と同様に欠点の位置と大きさを検出できた。
[比較例1]
光線透過率11.0%フィルムA2を用いた以外は実施例1と同様にして検査した。この方法では、照度を4545〜22727(ルックス)の範囲から調整していないのでブルーミング現象が発生し、欠点の大きさを正確に検出できなかった。
ブルーミング現象とは、CCDの画素に極端に強い光が入射した場合おこる現象で、信号電荷が周辺にあふれ出し、溢れ出した信号電荷は隣接する画素に漏れ出すことをいう。
[比較例2]
フィルムA1を用いた以外は実施例2と同様にして検査した。この方法では、フィルム部分と欠点部分の受光量差が小さく、欠点の位置を正確に検出できなかった。
本発明の欠点検査方法は、高照度光源の出力を連続的に調整する手段を有しており、1台の検査装置で光源を取り替えることなく、光線透過率が大きく異なるフィルム(例えば、3倍以上異なるフィルム)の表裏面と内部の欠点を検査できる。
また、本発明の欠点検査方法は、フィルム業界のみならず、紙業界、不織布業界、プラスチック業界、金属業界、印刷業界、FPD業界、基板業界等、シート状体、板状体を扱う業界で利用することができる。
本発明の欠点検査方法の概略図である。 本発明の信号処理方法の概略図である。 本発明の欠点判別方法の概略図である。 本発明の欠点判別方法の概略図である。

Claims (4)

  1. フィルムまたはシートの下方に配置した光源から照射光をフイルムまたはシート面に垂直に入射させてフィルムまたはシート中を透過させ、フィルムまたはシートの上方に配置した撮影デバイスによりその受光量の変化を電気信号に変換してその電気信号に基づいてフィルムまたはシートの表裏面及び内部の欠点を検出する方法において、照度(L)を上記光源からの照射光量を変化させることにより、かつ被検査フィルムの光線透過率(%)(T)に応じて下記式により定められる範囲に設定して行うことを特徴とするフィルムまたはシートの欠点検出方法。
    50000/T≦L≦250000/T
  2. 光源および固体撮像デバイスとフィルムまたはシート面との距離が3〜100cmである請求項1に記載の欠点検出方法。
  3. フィルムまたはシートの光線透過率が1〜95%である請求項1に記載の欠点検出方法。
  4. フィルムまたはシートの光線透過率が1〜30%である請求項1に記載の欠点検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015197316A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 古河電気工業株式会社 ウエハ加工用テープの検査方法、検査装置およびウエハ加工用テープの製造方法

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