JP2009052800A - 廃棄物の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固体廃棄物を回分式に装入する装入装置とストックラインレベルセンサーとを具え、該レベルセンサーでレベルを感知しなくなった時に該回分装入を行ない、レベルを感知した時に該回分装入を停止する、固体廃棄物を酸素含有ガスを用いて燃焼、ガス化又はガス化改質処理する固体廃棄物処理設備における装入制御方法において、予め、回分装入された固体廃棄物量及び該処理設備に供給された酸素含有ガス量から単位固体廃棄物量を処理するのに必要な酸素含有ガス量を求めておき、これに基づいて、回分装入された1回装入分の理論処理時間を計算して、この理論処理時間を装入停止時間とし、回分装入後、該装入停止時間の間は次の回分装入を行わないことを特徴とする固体廃棄物処理設備の装入制御方法。
【選択図】 なし
Description
これらは、廃棄物を圧縮成形後、加熱し、生成した圧縮成形物を溶融、ガス化して燃料ガスを得る廃棄物処理プロセスである。このプロセスでは、先ず、廃棄物投入口から圧縮装置内に所定量供給した廃棄物をバッチ的に圧縮装置によって圧縮して緊密な圧縮成形物とする。次に、この圧縮成形物を外部から加熱された細長いトンネル式の加熱炉(以下トンネル式加熱炉と記す)内へ押し込む。この動作を繰り返すことによって、圧縮成形物がトンネル式加熱炉の装入口から排出口へ順次移動していく。こうして圧縮成形物がトンネル式加熱炉を移動する間に水分は蒸発し、表面は炭化される。
これを回避するためには精製ガス中の可燃性ガス濃度が閾値以下になったら、ガス改質炉に供給している酸素含有ガス量を低減させ、精製ガス中の可燃性ガス濃度の低下を防ぐことが考えられる。
また、上記の処理設備においては、高温反応炉内に装入した廃棄物等の装入物の堆積レベル(ストックレベル)を制御する必要があるため、堆積レベルの検知手段を設けて、最大高さを制限する装入制御を行なっているが、廃棄物の性状は比較的短時間のうちに変化することがあり、従来の最大高さを制限するという装入制御方法では安定した操業ができなかった。
すなわち、本発明は以下に記載する通りの固体廃棄物処理設備の装入制御方法である。
(2)前記装入停止時間が前記1回の装入分の理論処理時間の80%〜99%であることを特徴とする上記(1)記載の固体廃棄物処理設備の装入制御方法。
(3)前記固体廃棄物の装入が、前記固体廃棄物を圧縮シリンダーで圧縮するプレス工程と、得られた圧縮成形物を加熱する脱ガス工程と、加熱された圧縮成形物を回分式に装入する装入工程とを行う装入装置によって行われることを特徴とする上記(1)、(2)記載の固体廃棄物処理設備の装入制御方法。
(4)駆動圧力を一定とした圧縮シリンダーを用い、前記回分装入される1回分の固体廃棄物量を、前記圧縮シリンダーの位置情報から求めた圧縮成型物長と該シリンダー断面積から求めた圧縮成型物体積に前記固体廃棄物の平均密度を乗じた値とすることを特徴とする上記(3)記載の固体廃棄物処理設備の装入制御方法。
以下では、本発明をガス化改質炉を備えた廃棄物処理設備において適用する場合について説明するが、本発明は、一般の焼却炉、ガス化溶融炉にも適用することができる。
圧縮成型物10aの断面形状は、トンネル式加熱炉4の入口4Eの内壁断面と同形、同一寸法であり、圧縮成型物10aを押し込むと圧縮成型物10aはトンネル式加熱炉4の内壁と接触状態を保ったまま押し込まれる。圧縮成型物10iは、順次新しい圧縮成型物が押し込まれる毎に、トンネル式加熱炉4内を滑りながら移動する。
その後、鉱物分、金属分を含む炭化生成物中の可燃分は、酸素含有ガスによって燃焼してガス化する。この場合、酸素含有ガス中の酸素量を調整することで、発生するガスは一酸化炭素と水素を含む燃料用ガスとして回収できる。また、燃焼によってガス化しない残渣部分は、高温反応炉5内で溶融し、溶融物15となって高温反応炉5下部の溶融物排出口15Hから回収される。
そこで、本発明ではγ線または超音波式の透過型のセンサーを廃棄物装入面の上端に設置して最大高さを検知することが好ましい。
また、廃棄物の堆積層の下部に酸素含有ガスを吹込み燃焼およびガス化をさせると、酸素含有ガス吹込みノズルの前の部分の廃棄物が燃焼およびガス化し、ノズル前に空洞ができる。通常はこの空洞に直上に堆積している廃棄物が降下してきて、順次燃焼およびガス化が進行するが、時折あるいは頻繁にノズル前の空洞の直上の廃棄物がブリッジを形成し、廃棄物が降下しないことがある。同時に酸素含有ガスはブリッジを形成している廃棄物を燃焼させることなく、吹き抜け、廃棄物の堆積層上部へぬけて行く。このような状態では酸素含有ガス供給部に廃棄物がないため、廃棄物の燃焼およびガス化が起こらず、あるいはその量が減少し、廃棄物からの生成ガス量が減少する。このような現象があるときに、廃棄物のレベルを検知して、次の廃棄物装入を行うシステムでは、廃棄物の装入は行われず、ますます、廃棄物からの生成ガス量が低下する。
このように、ノズル前に空間が出来、酸素含有ガスが吹きぬけた場合のガス発生量の低下とその後の連続的な廃棄物の装入により、ガス発生量が大幅に変動することになる。
また、レベルを感知しなくなった時に回分装入してもレベルの測定点において回分装入した廃棄物が検知されなければ(例えば回分装入した廃棄物が周辺に転がって堆積するような場合)レベル計は感知せず、その間、数回の回分装入を行なってしまうことがたびたびある。
更に、装入物の荷下がりも廃棄物の場合は不順であるため、装入は数回連続、長時間停止などのかなり不順な装入挙動を示すことがたびたびある。
このようなことが起これば、ガス化改質処理の場合は、発生するガス量が大きく変動してガスの安定的な供給ができない。また、焼却炉が単なるガス化処理炉であっても、装入不順は操業の安定性維持の観点から大きな問題である。
前記の装入停止時間を設定するためには、あらかじめ、過去の操業結果より単位固体廃棄物量を処理するのに必要な酸素含有量を求めておく。これは、ある期間の固体廃棄物の処理量(t)で同一期間の酸素含有ガス量を除することにより求めることができる。これを酸素含有ガス原単位S(Nm3/t−固体廃棄物)とする。
そうすると、回分装入される一回分の固体廃棄物量をM(t)とし、このときの酸素含有ガスの供給量をF(Nm3/s)とすると、1回分の理論処理時間T(s)は次式(1)で表すことができる。
T(s)=S×M/F ・・・・・(1)
このようにすることにより、前記ガス発生量の急増時に連続して廃棄物が供給されることがないため、ガス発生量の変動を大幅に減少させることが出来る。
80%以下であるとレベルの上昇速度が速く、高い頻度でレベルセンサー位置に廃棄物を検知した状態となり、1回に装入される廃棄物に対応した理論処理時間ごとの均一な廃棄物供給とならない。一方99%以上では、廃棄物の質が変動した場合、特に、過去の操業で求めた単位廃棄物量を処理するのに必要な酸素量が、そのときの廃棄物の単位量を処理するのに必要な酸素量よりも大きい場合は、廃棄物の炉内の滞留量が減少し、ガス発生量が低下してしまうことが多くなる。
プレス工程で廃棄物が圧縮されていると炉内へ装入した後の廃棄物の飛散が少ないという効果がある他、圧縮成形物によって装入路が塞がれているため炉内圧が高くても可燃性の高温ガスが外部へ漏れないという効果がある。
また、圧縮時のプレス機のストロークは1回分のごみの量によって変化するため、通常プレス機の駆動圧力を一定とし、同じ圧力で廃棄物を圧縮するのが好ましい。
上記のようにすれば、圧縮シリンダーの位置情報は簡便に求めることができるので、回分装入量を直接測定する場合に比べて設備を簡略化することができる。
また、廃棄物の供給量を直接測定する場合には、廃棄物ピットから廃棄物ホッパーに投入する際に、クレーンに設置された廃棄物重量測定装置によって測定するが、大規模な測定装置が必要となるため経済的な理由から現実的ではない。
図1の装置では炉の横方向から固体廃棄物を装入しているが、固体廃棄物の装入は炉の上部方向から装入することもできる。
使用した装置は図1に示した、固体廃棄物を酸素含有ガスによって燃焼処理、ガス化処理又はガス化改質処理する固体廃棄物処理設備であって、固体廃棄物を回分式に装入する装入装置とストックラインレベルセンサーとを具え、該レベルセンサーでレベルを感知しなくなった時に該回分装入を行ない、レベルを感知した時に該回分装入を停止するようにした固体廃棄物処理設備である。
図2に本発明を用いない従来の方法で操業を行った比較例の操業パターンを、図3に本発明を用いて操業を実施した実施例の操業パターンを示す。図には廃棄物の装入タイミング、レベルセンサーの信号によるごみの感知または非感知の別および高温反応炉からの排出ガス量の相対値を示した。また図3の実施例においては、固体廃棄物はプレス工程および脱ガス工程を経て炉内へ装入し、駆動圧力を一定とした圧縮シリンダーを用い、前記圧縮シリンダーの位置情報から求めた圧縮成型物長と該シリンダー断面積から求めた圧縮成型物体積に前記固体廃棄物の平均密度を乗じた値を、回分装入される1回分の固体廃棄物量とした。さらに、1回分の理論処理時間の90%を装入停止時間とした。
図2の比較例と対比すると、図3の実施例では廃棄物の装入タイミングがより均等となり、高温反応炉からの排出ガスの変動幅も小さくなり、廃棄物を効率良く、安定的に処理することが可能となった。
2 圧縮用シリンダー
3 圧縮支持盤
4 トンネル式加熱炉(:横型トンネル式加熱炉)
4a 圧縮成型物の乾燥領域
4b 圧縮成型物の熱分解領域
4c 圧縮成型物の炭化領域
4E トンネル式加熱炉の入口
4L トンネル式加熱炉の床部
4U トンネル式加熱炉の天井部
5 高温反応炉
6 ガス改質炉
7 高温反応炉下部
10a 、10i 圧縮成型物
11i 、11n 炭化した圧縮成型物(:炭化生成物)
12 炭化生成物と燃焼残渣の混合物
13 酸素含有ガスの吹き込み口
14 酸素含有ガスと可燃性ガスとの混合ガスの吹き込み口
15 溶融物
15H 溶融物排出口
20 廃棄物投入口
21 廃棄物投入口の蓋
40 高温反応器内への炭化生成物の装入口
50 高温反応器の排ガス出口
50a 高温反応器のガス排出口
60 排出ガス
f1 圧縮成型物の移動方向
f2 炭化生成物の移動方向
f3 トンネル式加熱炉内で生成した熱分解ガスの流れ方向
f4 高温反応器内への酸素含有ガスの吹き込み方向
f5 高温反応器内への酸素含有ガスと可燃性ガスとの混合ガスの吹き込み方向
f6 圧縮用シリンダーの移動方向
f7 圧縮支持盤の移動方向
f8 廃棄物投入口の蓋の回転方向
LL 炭化生成物の高温反応器内への押出し口の下端の高さ
Claims (4)
- 固体廃棄物を回分式に装入する装入装置とストックラインレベルセンサーとを具え、該レベルセンサーでレベルを感知しなくなった時に該回分装入を行ない、レベルを感知した時に該回分装入を停止する、固体廃棄物を酸素含有ガスを用いて燃焼、ガス化又はガス化改質処理する固体廃棄物処理設備における装入制御方法において、予め、回分装入された固体廃棄物量及び該処理設備に供給された酸素含有ガス量から単位固体廃棄物量を処理するのに必要な酸素含有ガス量を求めておき、これに基づいて、回分装入された1回装入分の理論処理時間を計算して、この理論処理時間を装入停止時間とし、回分装入後、該装入停止時間の間は次の回分装入を行わないことを特徴とする固体廃棄物処理設備の装入制御方法。
- 前記装入停止時間が前記1回の装入分の理論処理時間の80%〜99%であることを特徴とする請求項1記載の固体廃棄物処理設備の装入制御方法。
- 前記固体廃棄物の装入が、前記固体廃棄物を圧縮シリンダーで圧縮するプレス工程と、得られた圧縮成形物を加熱する脱ガス工程と、加熱された圧縮成形物を回分式に装入する装入工程とを行う装入装置によって行われることを特徴とする請求項1又は2記載の固体廃棄物処理設備の装入制御方法。
- 駆動圧力を一定とした圧縮シリンダーを用い、前記回分装入される1回分の固体廃棄物量を、前記圧縮シリンダーの位置情報から求めた圧縮成型物長と該シリンダー断面積から求めた圧縮成型物体積に前記固体廃棄物の平均密度を乗じた値とすることを特徴とする請求項3記載の固体廃棄物処理設備の装入制御方法。
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