JP2005226027A - 廃棄物処理方法及び廃棄物処理装置 - Google Patents

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太郎 日下部
Mitsuhiro Tada
光宏 多田
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Abstract

【課題】 ガス化改質炉と冷却装置とを連接する連結管接続管の閉塞を防止して廃棄物処理設備の稼働率の向上を可能にする廃棄物処理方法の提供
【解決手段】 高廃棄物および/または廃棄物の炭化生成物を部分酸化・ガス化、溶融するガス化改質炉と、該ガス化改質炉の発生ガスの冷却装置と、該ガス化改質炉と冷却装置とを連接する連結管とを少なくとも有する廃棄物処理装置を用いた廃棄物処理方法であって、該ガス化改質炉から排出されるスラグ又は該冷却装置で採取される物質の固相温度、軟化温度及び液相温度から選ばれるいずれかを該ガス化改質炉から発生するガス温度又は連結管の内壁温度の制御のための指標として用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、種々の廃棄物をガス化、溶融処理する廃棄物処理方法および廃棄物処理設備に関し、廃棄物処理設備の稼働率を向上することが可能な廃棄物処理方法および廃棄物処理設備に関する。
現在、廃棄物処理場の不足が顕著化しており、産業廃棄物あるいは一般廃棄物の多くは、発生したままの姿で、あるいは何らかの事前処理の上、焼却処理し減容化した後に、埋立などの最終処分が行われる場合が多い。上記した焼却処理の方法としては様々な方法が挙げられるが、近年、焼却場における発生ガス中のダイオキシン類など有害物質の管理が重要となっており、高温酸化雰囲気で有害物を分解することが可能な処理方法が求められている。
このような高温処理が可能な廃棄物処理方法として、特許文献1〜3に開示された廃棄物処理プロセスが挙げられる。これらのプロセスは、廃棄物を圧縮成形後、乾燥、熱分解、炭化し、生成した炭化生成物を部分酸化・ガス化、溶融して燃料ガスおよびスラグ、金属を得る廃棄物処理プロセスである。
図1に、上記した廃棄物処理プロセスを行う設備を側断面図によって示す。図1において、1は廃棄物を回分的(バッチ的)に加圧、圧縮する圧縮装置、2は圧縮用ピストン、3は圧縮支持盤、4は圧縮された廃棄物(圧縮廃棄物)(以下圧縮成形物とも記す)を乾燥、熱分解、炭化するための乾留・炭化炉である横型のトンネル式加熱炉(以下、トンネル式加熱炉とも記す)、4aは圧縮成形物の乾燥領域、4bは圧縮成形物の熱分解、炭化領域、4eはトンネル式加熱炉4の廃棄物の入口、4fはトンネル式加熱炉4の炭化生成物の出口(:高温反応塔5の側壁に設けられた炭化生成物入口)を示す。
5は竪型の高温反応塔、6a、6bはそれぞれトンネル式加熱炉4の側壁内に配設された加熱用高温ガスの流通パイプ、10a、10iは圧縮成形物、11、11i、11nは炭化生成物、12は炭化生成物11の堆積層(以下、炭化生成物堆積層または堆積層と記す)、14は溶融物、14Hは溶融物排出口、15は酸素含有ガス供給管、15aは高温反応塔5への酸素含有ガス供給口(以下、高温反応塔酸素含有ガス供給口とも記す)、16は高温反応塔5の下部側壁に接続された水平型筒状加熱炉である溶融物加熱・保温炉(以下、水平型筒状溶融物加熱・保温炉とも記す)、16eは溶融物加熱・保温炉の入口、17は溶融物加熱・保温炉の加熱装置であるバーナー、17aは溶融物加熱・保温炉16内に高温燃焼ガスを供給する燃焼ガス供給口を示す。
20は廃棄物投入口、21は廃棄物投入口の蓋、30は高温反応塔5から排出される高温反応塔発生ガス(以下、発生ガスとも記す)の冷却装置(急冷装置)、30Sは発生ガス急冷用の冷却液スプレーノズル、30Wは冷却装置30の発生ガス流路の壁面(管内壁)、30Dは冷却装置30の底部、31はガス精製装置、32は高温反応塔5の発生ガス排出口、33は精製ガス、35は高温反応塔5と冷却装置30との接続管(以下、高温反応塔−冷却装置接続管または接続管と記す)、35Wは接続管35の内壁を示す。
は圧縮成形物10a、10iの移動方向、fは炭化生成物11i、11nの移動方向、fはトンネル式加熱炉4内で生成した熱分解ガスの流れ方向、fは高温反応塔5内への酸素含有ガスの吹き込み方向、fは圧縮用ピストン2の移動方向、fは圧縮支持盤3の移動方向、fは廃棄物投入口20の蓋21の回転方向を示す。
なお、高温反応塔5と冷却装置30との接続管(:高温反応塔−冷却装置接続管)35は、高温反応塔5と冷却装置30の間に設けられた発生ガス送給用の配管である。
図1に示す廃棄物処理設備における廃棄物の処理方法について説明する。
先ず、廃棄物投入口20から圧縮装置1内へ所定量供給した廃棄物を、回分的に圧縮装置1を用いて圧縮してち密な圧縮成形物10aとする。
次に、この圧縮成形物10aを、流通パイプ6a、6b内を流通する高温ガスによって加熱された細長いトンネル式加熱炉4内へ押し込む。圧縮成形物10aの断面形状は、トンネル式加熱炉4の入口4eの内壁断面と同形、同一寸法であり、圧縮成形物10a はトンネル式加熱炉4の内壁と接触状態を保ったまま押し込めるため、トンネル式加熱炉入口で加熱炉内雰囲気をシールできる。
圧縮成形物10iは、順次新しい成形物が押し込まれる毎に、トンネル式加熱炉4内を滑りながら移動する。トンネル式加熱炉4は前記したように外部から加熱されており、内部は600℃程度まで昇温され、圧縮成形物10iの移動、昇温過程において、圧縮成形物10iが乾燥、熱分解、炭化する。
炭化生成物11nおよび熱分解、炭化により発生したガスは、高温反応塔5の側壁に設けられた炭化生成物入口4fから1000℃以上に維持された高温反応塔5内へ装入、供給される。炭化生成物11n は、高温反応塔5の下部に堆積して炭化生成物堆積層12を形成し、ガスは、高温反応塔5の上部の1000℃以上の領域で2秒以上滞留し、一酸化炭素と水素を含む燃料用の合成ガスとして回収できる。
すなわち、高温反応塔5の下部の高温反応塔酸素含有ガス供給口15aから堆積層12中へ供給する酸素含有ガスで、堆積層の可燃物を燃焼(部分酸化・ガス化)させ、そのエネルギーで堆積層中の不燃分(金属、灰分など)を溶融する。燃焼時に発生したガスは、堆積層12内を通って高温反応塔5を上昇し、この上昇ガスは、高温反応塔5の下部の堆積層内で炭化生成物11と向流熱交換を行い、炭化生成物11の顕熱を増加する。
顕熱の大きい炭化生成物11は、容易に燃焼、溶融する。また、高温反応塔5の下部側壁に接続された溶融物加熱・保温炉16で溶融物14をバーナーなどの加熱装置17で加熱し、溶融物に含まれる微量の炭素などをガス化、除去して溶融物14は溶融物排出口14Hから溶融スラグ、溶融金属として回収される。
以上、従来の乾留・炭化炉、高温反応塔および溶融物加熱・保温炉を配設した廃棄物処理設備について述べたが、従来の廃棄物処理設備においては、図2に示すように、高温反応塔5と冷却装置30の間に設けられた発生ガス送給用の高温反応塔−冷却装置接続管(:接続管)35の内壁35Wに付着物が付着し、接続管の閉塞が生じ、この結果、その都度操業を停止し、接続管35の内壁35Wの付着物を除去する必要が生じ、廃棄物処理設備の稼働率に制限を受けていた。
上記の接続管の閉塞を防止するための方法が特許文献4に記載されている。
この方法は、廃棄物をガス化、溶融処理する廃棄物処理方法において、高温反応塔−冷却装置接続管の内壁温度を1190℃超に保持することによって高温反応塔から発生ガスによって飛来するダストが接続管内壁に付着して固化することを防止するというものである。しかしながら、この方法では、廃棄物の種類に応じた細かい制御ができないという問題があった。
特開平6−26626号公報 特開平6−79252号公報 特開平7−323270号公報 特開2001−259600号公報
本発明は、前記した従来技術の問題点を解決し、廃棄物をガス化、溶融処理する廃棄物処理方法および廃棄物処理設備において、前記接続管の閉塞を防止して廃棄物処理設備の稼働率の向上を可能にする廃棄物処理方法および廃棄物処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記した従来技術の問題点を解決するために鋭意検討した結果、下記の知見を得て本発明を完成するに至った。
a.連結管詰まりの原因となる連結管炉壁付着物と冷却装置壁面付着物とスラグの組成とが大略一致すること。
b.冷却装置壁面付着物及びスラグの物性値(固相温度、軟化温度、液相温度)をガス化改質炉から発生するガスのガス温度の制御指標として用いることにより、連結管詰まりを防止することができること。
すなわち、前記課題を解決するため本発明は次の構成を有している。
(1)廃棄物および/または廃棄物の炭化生成物を部分酸化・ガス化、溶融するガス化改質炉と、該ガス化改質炉の発生ガスの冷却装置と、該ガス化改質炉と冷却装置とを連接する連結管とを少なくとも有する廃棄物処理装置を用いた廃棄物処理方法であって、該ガス化改質炉から排出されるスラグの固相温度、軟化温度及び液相温度から選ばれるいずれかを制御指標として用いて、該ガス化改質炉から発生するガスの温度又は該連結管の内壁温度を該連結管に付着する付着物の溶融温度以上に制御することを特徴とする廃棄物処理方法
(2)廃棄物および/または廃棄物の炭化生成物を部分酸化・ガス化、溶融するガス化改質炉と、該ガス化改質炉の発生ガスの冷却装置と、該ガス化改質炉と冷却装置とを連接する連結管とを少なくとも有する廃棄物処理装置における廃棄物処理方法であって、該冷却装置で採取される物質の固相温度、軟化温度及び液相温度から選ばれるいずれかを制御指標として用いて、該ガス化改質炉から発生するガスの温度又は該連結管の内壁温度を該連結管に付着する付着物の溶融温度以上となるように制御することを特徴とする廃棄物処理方法。
(3)上記連結管の詰まりを検知した場合に、該冷却装置で採取される物質の固相温度、軟化温度及び液相温度から選ばれるいずれかを制御指標として用いて、該ガス化改質炉から発生するガスの温度又は該連結管の内壁温度を該連結管に付着する付着物の溶融温度以上となるように制御することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の廃棄物処理方法。
(4)上記連結管の詰まりを連結管の圧力損失および/または連結管炉壁温度で検知することを特徴とする上記(3)の廃棄物処理方法。
(5)該廃棄物処理炉に溶融促進剤を添加することを特徴とする上記(1)〜(4)の廃棄物処理方法。
(6)上記溶融促進剤が石灰石または消石灰であることを特徴とする上記(5)の廃棄物処理方法
(7)上記溶融促進剤の粒子径を以下の式に従うように選択することを特徴とする上記(5)又は(6)の廃棄物処理方法
mf<U
空塔速度:U
流動化開始速度:Um
(8) 廃棄物および/または廃棄物の炭化生成物を部分酸化・ガス化、溶融するガス化改質炉と、該ガス化改質炉の発生ガスの冷却装置と、該ガス化改質炉と冷却装置とを連接する連結管とを少なくとも有する廃棄物処理装置であって、該ガス化改質炉から排出されるスラグまたは該冷却装置で採取される炉壁付着物の固相温度、軟化温度及び液相温度から選ばれるいずれかを制御指標として用いて、該ガス化改質炉から発生するガスの温度又は該連結管の内壁温度を該連結管に付着する付着物の溶融温度以上に制御する手段を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
本発明の廃棄物処理方法によれば、ガス化改質炉と冷却装置とを連接する連結管内での付着物による詰まりを防ぐことができ、ガス化改質炉からの回収される燃料ガスのガスカロリーを低下させることがないという効果を奏する。
接続管35の内壁35Wに付着物が形成される原因は、発生ガスに伴って飛来する溶融状態にあるダストが、接続管35における温度低下によって、管内壁温度が経時的に低下した時点で管内壁に溶融付着、凝固することにあり、その結果、管内壁に付着物が固着し、接続管35の閉塞が生じる。
上記の閉塞を避けるために、本発明では、高温反応塔の炉頂温度を制御して連結管を通過するガスの温度又は連結管の内壁温度を制御して、このガスの有する熱又は連結管の内壁の熱によって連結管に付着した付着物を溶融させるか、付着物が形成されないようにする。そして、炉頂温度、すなわちガス改質炉から発生するガスの温度又は連結管の内壁温度を制御するための制御指標として、本発明では、ガス化改質炉から排出されるスラグ又は冷却装置壁面付着物の物性値を用いる。
すなわち、連結管詰まりの原因となる連結管炉壁付着物とスラグ又は冷却装置壁面付着物の組成とは大略一致するので、連結管炉壁付着物又はスラグをサンプルとして採取し、このサンプルの固相温度、軟化温度又は液相温度を制御指標としてガス改質炉から発生するガスの温度又は連結管の内壁温度を制御して、連結管炉壁付着物を溶融させる。
通常のガス化改質炉においては、固相温度、軟化温度及び液相温度には、概略次のような関係が成り立つ。
固相温度+x℃=軟化温度+y℃=液相温度
実測温度によると、x=148〜161℃、y=122〜143℃である。
固相温度、軟化温度、液相温度はその物質の組成から推定することが可能である。
ガス改質炉から発生するガスの温度を制御する方法としては、例えば、ガス化改質炉中部に設置された酸素吹込口より酸素を供給し炉内ガスを部分燃焼させて炉頂温度を上げるという方法を採用することができる。
また、連結管の内壁温度を制御する方法としては、図5に示すように連結管に加熱装置を配設して内壁温度を制御するという方法を採用することができる。
また、本発明によって接続管への付着物の固着が防止されることに伴い、冷却装置への溶融物の持ち込み量が増加し、冷却装置のガス流路における付着物の固着量が増加するので、冷却装置のガス流路には付着物掻き取り装置を配設することが好ましい。
具体的には、図3に示すように、冷却装置の発生ガス流路の壁面(管内壁)に付着した付着物を掻き取るための掻き取り装置を配設することができる。
図3は、本発明の廃棄物処理設備の一例を、側断面図によって示したもので、50は冷却装置30の発生ガス流路の壁面(管内壁)30Wに付着した付着物を掻き取るための掻き取り装置、51は掻き取り装置の掻き取り用部材(スクレーパ)、52は掻き取り用部材51の移動用シャフト、53は移動用シャフトの駆動装置、f10は移動用シャフトの移動方向を示し、その他の符号は図1と同一の内容を示す。
また、図4に、掻き取り装置50駆動時の状態を、側断面図によって示す。
掻き取り装置50は、掻き取り用部材(スクレーパ)51を移動用シャフト52によって移動方向f10に移動し、冷却装置30の発生ガス流路の壁面(管内壁)30Wに付着した付着物を掻き取る。
スクレーパ51には発生ガスの流れを阻害しないように、開口部を設けることが好ましい。また、スクレーパ51は、管内壁30Wに付着した付着物を効率よく掻き取るために、図3に示すような上下方向への動きに加え、さらに移動用シャフト52の軸芯を中心として回動可能とすることが好ましい。上記のようにすることにより、高温反応塔−冷却装置接続管および冷却装置のいずれにおいても、発生ガス流路の壁面への付着物の固着、発生ガス流路の閉塞が防止でき、廃棄物処理設備の稼働率を向上することが可能となる。
上記で掻き取った付着物は、冷却装置30の底部30Dから排出することが好ましい。また、付着物の排出を容易にするために、冷却液スプレーノズル30Sなどから塩酸などの酸液を噴霧法などによって供給し、付着物を溶解することが好ましい。
また、酸液は、壁面30Wに直接供給してもよい。なお、高温反応塔5の発生ガスと接触した後の水溶液は酸性であるため、水を冷却液スプレーノズル30Sなどから噴霧法などで供給したり、水を壁面30Wに直接供給してもよい。
ガス改質炉から発生するガスの温度は、逐次、スラグ又冷却装置壁面付着物をサンプリングし、その固相温度、軟化温度及び液相温度を指標として制御しても良い。また連結管に付着物が付着すると連結管で圧力損失が生じ、また、連結管の炉壁温度が低下するので、運転中の連結管における圧力損失又は連結管の炉壁温度の低下を検知した時に、スラグ又冷却装置壁面付着物をサンプリングし、その固相温度、軟化温度及び液相温度を指標として制御しても良い。
更に、ガス化改質炉に運転開始時から溶融促進剤を添加することにより、連結管内で付着物が形成された場合でも、その付着物の溶融温度を低いものとすることにより、ガス化改質炉から発生するガスの制御指標温度を低めることができる。また、付着物が形成されてから溶融促進剤を加えることによって既に形成された付着物の組成に変化が生じて付着物が溶融除去される。
溶融促進剤としては、石灰石または消石灰を用いることができ、また、溶融促進剤の粒子径は以下の式に従うように選択することができる。
mf<U
ここで、U:空塔速度
mf:流動化開始速度
図6に示すガス化改質炉(サーモセレクト)を用いて実施した。
装置の仕様は次の通りであった。
処理量 :150t/日
連結管内径 :0.68m
連結管長さ :3.0m
冷却装置には冷却装置壁面付着物質を掻き落とすスクレーパーを設置すると共に連結管に温度計を設置した。この温度計が示す温度を炉頂温度と称す。
圧力計はガス化改質炉上部および下部に設置した。
[実施例1]
本実施例(実施例1−1〜1−20)における、排出スラグ及び冷却塔で採取された物質の固相温度、軟化温度、液相温度の測定結果を表1に示した。
実施例1−1〜1−3ではスラグの固相温度を制御指標とし、この温度から15℃差し引いた温度を管理基準温度とした。
実施例1−4〜1−7ではスラグの軟化温度を制御指標とし、この温度から55℃差し引いた温度を管理基準温度とした。
実施例1−8〜1−10ではスラグの液相温度を制御指標とし、この温度から240℃差し引いた温度を管理基準温度とした。
実施例1−11〜1−13では冷却塔で採取された物質の固相温度を制御指標とし、この温度に35℃加えた温度を管理基準温度とした。
実施例1−14〜1−17では冷却塔で採取された物質の軟化温度に5℃加えた温度を管理基準温度とした。
実施例の1−18〜1−20では冷却塔で採取された物質の液相温度から115℃差し引いた温度を管理基準温度とした。
いずれの実施例においても、炉内圧の上昇は観察されなかった。また管理基準温度を低く抑えることができたので、炉内で合成ガスを燃焼する量を小さく抑えることができ、回収される燃料ガスのガスカロリーを高く保つことができた。
[比較例1]
比較例1−1では、炉頂管理温度が1250℃になるようにガス化改質炉中部に設置された酸素副込口から酸素を供給し、炉内ガスを部分燃焼させた。
また、比較例1−2では、炉頂管理温度が1200℃となるように、また、比較例1−3〜1−5では、炉頂管理温度が1150℃になるように制御した。
比較例では指標を用いずに炉頂管理温度を設定したため、連結管内に付着物が生成して炉内圧が上昇するか、又はガスカロリーが1700kcal/mN以下となった。
Figure 2005226027
[実施例2]
本実施例(実施例2−1〜2−36)では、表2に示すように、ガス化改質炉に溶融促進剤を供給して試験を行った。その際、溶融促進剤の種類、供給位置、粒子径、供給量を変化させて、冷却塔で採集された物質の溶融温度を変えて試験を行った。
すなわち、実施例2−1〜9では溶融促進剤として石灰石を用い廃棄物供給口から供給した。
実施例2−10〜2−18では溶融促進剤として石灰石を用いガス化改質炉中部酸素吹込口から供給した。
試験の結果を表2に示す。
溶融促進剤を廃棄物供給口から加えるより、ガス化改質炉中部酸素吹込口より加えた方が、連結管部への溶融促進剤の供給が多くなるため少量で大きな効果を得ることができる。
また、実施例2−10〜12では0.0〜10.0mmの溶融促進剤を供給し、実施例2−13〜15では0.0〜1.0mmの溶融促進剤を供給し、実施例2−16〜18では0.0〜0.5mmの溶融促進剤を供給した。
この結果、溶融促進剤をガス化改質炉中部酸素吹込口より加える場合、溶融促進剤の粒径は細かい方が、連結管部への溶融促進剤の供給が多くなるため少量で大きな効果を得ることができる。
また、溶融促進剤の供給位置をガス化改質炉中部の酸素吹込口にすることにより、石灰石の添加量を削減することができることがわかった。
更に、ガス化改質炉中部の酸素吹込口から石灰石を吹き込むにあたり、粒子径を小さく抑えることによって添加量を削減することができることが分かった。
また溶融促進剤として消石灰を用いても同様の効果が得られる。
Figure 2005226027
[比較例2]
消石灰・石灰石を入れないで試験を行ったところ、冷却塔で採取された物質の軟化温度は高くなり、炉頂管理温度を高くする必要があることがわかった。
[実施例3]
(実施例3−1)
制御指標としては炉から排出されるスラグの液相温度(=1410℃)を用い、炉から排出されるスラグの液相温度から240℃引いた温度を炉頂温度の管理温度として操業した。ガス化改質炉の炉内圧を観察し、連結管閉塞状況を監視し、炉内圧が50mbar上昇した時に炉頂温度の管理温度を100℃上げるように制御した。
なお、炉頂温度の上昇は、ガス化改質炉中部に設置された酸素吹込口より酸素を供給し炉内ガスを部分燃焼させることにより行った。
上記の温度制御により連結管付着物が溶融し、炉内圧が元に戻った。
(実施例3−2)
連結管部分の上部壁に2本以上の炉頂温度測定用の温度計を設置した。温度計(2)は付着物の形成しやすい上流側に、また、温度計(2)は付着物が形成されにくい下流側に設けた。この温度計の温度変化の様子を図7(a)に示した。図7(a)に示すように付着物が温度計に付着するとその温度計の表示温度が急速に低下することから、連結管部分の閉塞を検知することができる。
図7(b)は温度計の温度低下を検知して炉頂温度を100℃上げるように制御した結果、付着物が溶融除去されて、炉頂温度計の示す温度が炉頂温度まで回復した様子を示す。
[比較例2]
ガス化改質炉の炉内圧が上昇しても特に手段を講じなかったところ、炉内圧が設定圧300mbar以上になり安全装置が働いて停止した。
本発明によれば、ガス改質炉を用いて廃棄物から燃料ガスを連続的かつ安定的に回収することができる。
廃棄物処理設備の一例を示す概略図である。 廃棄物処理設備の連結管部分の様子を示す図である。 本発明の廃棄物処理設備の一例を示す概略図である。 本発明の廃棄物処理設備の一例を示す概略図である。 本発明の廃棄物処理設備の一例を示す概略図である。 本発明の実施例で用いたガス化改質炉の概略図である。 連結管部分に設けた温度計の温度変化を示す図である。
符号の説明
1 圧縮装置
2 圧縮用ピストン
3 圧縮支持盤
4 乾留・炭化炉(水平型トンネル式加熱炉、トンネル式加熱炉)
4a 圧縮成形物の乾燥領域
4b 圧縮成形物の熱分解、炭化領域
4e 乾留・炭化炉(トンネル式加熱炉)の廃棄物の入口(圧縮成形物の入口)
4f 乾留・炭化炉(トンネル式加熱炉)の炭化生成物の出口
5 高温反応塔
6a、6b 加熱用高温ガスの流通パイプ
10a 、10i 圧縮成形物
11、11i 、11n 炭化生成物
12 炭化生成物堆積層
14 溶融物
14H 溶融物排出口
15 高温反応塔酸素含有ガス供給管
15a 高温反応塔酸素含有ガス供給口
16 溶融物加熱・保温炉(水平型筒状溶融物加熱・保温炉)
16e 溶融物加熱・保温炉の入口(溶融物の入口)
17 燃焼ガス供給装置(バーナ)
17a 燃焼ガス供給口
20 廃棄物投入口
21 廃棄物投入口の蓋
30 高温反応塔発生ガスの冷却装置(急冷装置)
30D 冷却装置の底部
30S 発生ガス冷却用(急冷用)の冷却液スプレーノズル
30W 冷却装置の発生ガス流路の壁面
31 ガス精製装置
32 高温反応塔の発生ガス排出口
33 精製ガス
35 高温反応塔−冷却装置接続管(連結管)
35W 高温反応塔−冷却装置接続管(連結管)の内壁
36 付着物
40 高温反応塔−冷却装置接続管(連結管)の加熱装置
50 掻き取り装置
51 掻き取り装置の掻き取り用部材(スクレーパ)
52 掻き取り用部材の移動用シャフト
53 移動用シャフトの駆動装置
圧縮成形物の移動方向
炭化生成物の移動方向
トンネル式加熱炉内で生成した熱分解ガスの流れ方向
高温反応塔内への酸素含有ガスの吹き込み方向
圧縮用ピストンの移動方向
圧縮支持盤の移動方向
廃棄物投入口の蓋の回転方向
10 移動用シャフトの移動方向

Claims (8)

  1. 廃棄物および/または廃棄物の炭化生成物を部分酸化・ガス化、溶融するガス化改質炉と、該ガス化改質炉の発生ガスの冷却装置と、該ガス化改質炉と冷却装置とを連接する連結管とを少なくとも有する廃棄物処理装置を用いた廃棄物処理方法であって、該ガス化改質炉から排出されるスラグの固相温度、軟化温度及び液相温度から選ばれるいずれかを制御指標として用いて、該ガス化改質炉から発生するガスの温度又は該連結管の内壁温度を該連結管に付着する付着物の溶融温度以上に制御することを特徴とする廃棄物処理方法。
  2. 廃棄物および/または廃棄物の炭化生成物を部分酸化・ガス化、溶融するガス化改質炉と、該ガス化改質炉の発生ガスの冷却装置と、該ガス化改質炉と冷却装置とを連接する連結管とを少なくとも有する廃棄物処理装置における廃棄物処理方法であって、該冷却装置で採取される物質の固相温度、軟化温度及び液相温度から選ばれるいずれかを制御指標として用いて、該ガス化改質炉から発生するガスの温度又は該連結管の内壁温度を該連結管に付着する付着物の溶融温度以上となるように制御することを特徴とする廃棄物処理方法。
  3. 上記連結管の詰まりを検知した場合に、該冷却装置で採取される物質の固相温度、軟化温度及び液相温度から選ばれるいずれかを制御指標として用いて、該ガス化改質炉から発生するガスの温度又は該連結管の内壁温度を該連結管に付着する付着物の溶融温度以上となるように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物処理方法。
  4. 上記連結管の詰まりを連結管の圧力損失および/または連結管炉壁温度で検知することを特徴とする請求項3に記載の廃棄物処理方法。
  5. 該廃棄物処理炉に溶融促進剤を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の廃棄物処理方法。
  6. 上記溶融促進剤が石灰石または消石灰であることを特徴とする請求項5に記載の廃棄物処理方法
  7. 上記溶融促進剤の粒子径を以下の式に従うように選択することを特徴とする請求項5又は6に記載の廃棄物処理方法
    mf<U
    空塔速度:U
    流動化開始速度:Um
  8. 廃棄物および/または廃棄物の炭化生成物を部分酸化・ガス化、溶融するガス化改質炉と、該ガス化改質炉の発生ガスの冷却装置と、該ガス化改質炉と冷却装置とを連接する連結管とを少なくとも有する廃棄物処理装置であって、該ガス化改質炉から排出されるスラグまたは該冷却装置で採取される炉壁付着物の固相温度、軟化温度及び液相温度から選ばれるいずれかを制御指標として用いて、該ガス化改質炉から発生するガスの温度又は該連結管の内壁温度を該連結管に付着する付着物の溶融温度以上に制御する手段を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101785552B1 (ko) 2012-10-09 2017-10-16 현대중공업 주식회사 합성가스 급랭을 위한 비산회 흡착제거장치

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