液体の流量調整あたり、従来は流量調整弁やオリフィス構造を有する絞り板(たとえば特許文献1参照)、スペーサー、スリーブが用いられている。流量調整弁を用いる場合、配管に設置後、流量調整作業が個別に必要であり、コスト的にも高価であった。オリフィス構造を有する絞り板などを用いる場合、前記流量調整弁のような流量調整作業は不要であり、コスト的にも前記流量調整弁に比べて安価であった。しかしながら、絞り板などを流路に設置するには配管設計上大きなスペースを必要とし、また、絞り板などの増設によってシール部も増設されて漏れの点から好ましくなかった。
一方、近年では半導体や液晶、医薬品などの製造工程で取り扱われる高純度液や超純水、薬液などの液配管に、以下の第1,第2,第3の樹脂製管継手が標準的に多く使用されている。
第1樹脂製管継手は特許文献2などに開示されている。こ第1樹脂製管継手を図1〜図8に示す。図1は第1樹脂製管継手の組み立て状態を示す断面図、図2は第1樹脂製管継手に備える継手本体を示す断面図、図3は第1樹脂製管継手に備えるインナリングを示す断面図、図4は第1樹脂製管継手に備える押輪を示す断面図である。
図1〜図4において第1樹脂製管継手A1は、PFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂によって成形される、直管である筒状の継手本体1と、スリーブ状のインナリング2と、袋ナット状のユニオンナットである押輪3とから構成されている。インナリング2と押輪3は継手本体1の1つの端部に対して1づつ備えられる。第1樹脂製管継手A1の継手本体1は直管で2つの端部を有するためインナリング2と押輪3は2づつ備えられる。
前記継手本体1は、各端部に筒状の雌型接続口となる受口4が形成され、この受口4の間には接続するPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂製のチューブである管材12,24と同一の内径を有して受口4を軸線Aと同軸上で連通接続させる流体通路1Bを有する筒状の胴部1Aが形成されている。前記受口4の入口には軸線Aに対して交差して後述する三次シール部5Bを形成する傾斜シール面5bが形成され、かつ受口4の奥部には後述する一次シール部5Aを形成する環状シール端面6が形成されるとともに、この環状シール端面6の径外側位置には後述する二次シール部7を形成する軸線方向に沿って適当深さの円筒状溝部10が形成されており、この円筒状溝部10よりも径内側環状部分10Aの端部が上記環状シール端面6となり、かつ前記受口4の外周には雄ねじ部11が形成されている。
前記スリーブ状のインナリング2は、その内周が管材12,24および前記継手本体1の胴部1Aの内周と同一の内径に形成されて流体の移動を妨げないように形成されているとともに、その内端部に継手本体1の受口4に嵌合可能な外径の嵌合部13を有し、この嵌合部13に連続して形成された管材圧入部14の先端部側外周に断面山形の膨出部15が形成されており、前記嵌合部13が管材12,24の一端部から突出する状態で上記圧入部14を管材12,24の一端部内に圧入することにより、前記膨出部15に対応する箇所の管材12,24の周壁部を拡径させて前記継手本体1の受口4の入口に形成された傾斜シール面5bに軸方向から当接して前記の三次シール5Bを形成する外周シール面16bを有し、前記継手本体1の受口4に挿入される管材12,24の挿し込み部16が形成されている。また、前記インナリング2の管材12,24からの突出部である前記嵌合部13には、前記管材12,24の挿し込み部16を継手本体1の受口4に挿入したとき、前記環状シール端面6に軸方向から当接して上記の一次シール部5Aを形成する突出内端面17が形成されており、この突出内端面17および前記環状シール端面6はそれぞれ、それらの内周側ほど順次縮径されるテーパ面に形成されているとともに、このテーパ面からなる突出内端面17の径外側位置には該突出内端面17よりも軸方向の外方へ向かって突出し前記円筒状溝部10内に圧入されて前記の二次シール部7を形成する円筒状シール部18が一体に突出形成されている。
前記袋ナット状のユニオンナットである押輪3は、円筒状部3Aの内周面に前記継手本体1の雄ねじ部11に螺合する雌ねじ部19が形成されているとともに、円筒状部3Aの外端部に軸心側に延設される環状押圧片3Bが一体に連設されており、この環状押圧片3Bの内周側内端に押圧エッジ3Cが形成されている。
図5は第1樹脂製管継手の使用状態を示す断面図であり、図5において第1樹脂製管継手A1は2本の管材12同士を一直線状に接続している。この場合、継手本体1の一方の受口4に一方のインナリング2および一方の押輪3を用いて一方の管材12の一端部を接続し、継手本体1の他方の受口4に他方のインナリング2および他方の押輪3を用いて他方の管材12の一端部を接続する。継手本体1の一方の受口4に対する一方の管材12の接続方法と継手本体1の他方の受口4に対する他方の管材12の接続方法は同じである。
而して、前記各構成部品1,2,3を備えた第1樹脂製管継手A1において、継手本体1の受口4に管材12を接続するには、まず、インナリング2の圧入部14を管材12の一端部内に、嵌合部13が管材12の一端部から突出する状態で圧入することにより、該圧入部14に形成の膨出部15に対応する箇所の管材12の周壁部を拡径させて両者2,12を一体結合し管材12の挿し込み部16を形成させる。ついで、管材12の挿し込み部16を継手本体1の受口4に挿入してインナリング2側の嵌合部13から軸方向の外方へ向かって突出させた円筒状シール部18を継手本体1側の円筒状溝部10に向けて進行させる。このとき、インナリング2側の突出内端面17は継手本体1側の環状シール端面6に対向状態にある。次に、インナリング2を圧入する前に前記管材12に予め遊嵌させている押輪3の雌ねじ部19を継手本体1の雄ねじ部11に螺合させて該押輪3を継手本体1側に螺進させることによって、インナリング2の円筒状シール部18をその先端から継手本体1の円筒状溝部10内に圧入させて両者18,10の内外周面間に径方向の面圧を発生させて軸方向に長い二次シール部7を形成させる。さらに、前記押輪3を螺進させて所定のトルクで締め付けることによって、前記二次シール部7の軸方向長さを大きくするとともに、前記インナリング2側の突出内端面17を図5に示すように前記継手本体1側の受口4の環状シール端面6に当接させて両者17,6間に軸方向の面圧を発生させて一次シール部5Aを形成させ、かつ前記継手本体1の受口4の入口に形成の傾斜シール面5bに前記管材12の挿し込み部16が有する外周シール面16bを軸方向から当接させて三次シール部5Bを形成させることによって完了する。
図6は第1樹脂製管継手の他の使用状態を示す断面図であり、図6において第1樹脂製管継手A1は管材12と弁類、フィルタ、ポンプ、計器類、タンクなどの流体機器20を接続している。この場合の流体機器20は、本体21の流体流路22の開口端面23に、その流体流路22と同芯状で径方向へ弾性変形可能な管状部24を一体に形成して突設しており、継手本体1の一方の受口4にインナリング2および一方の押輪3を用いて管材12の一端部を接続し、継手本体1の他方の受口4に他方のインナリング2および他方の押輪3を用いて流体流路22の管状部24の端部を接続する。継手本体1の一方の受口4に対する管材12の接続方法と継手本体1の他方の受口4に対する流体流路22の管状部24の接続方法は、図5における継手本体1の受口4に対する管材12の接続方法と同じである。
図7は他の第1樹脂製管継手(エルボ)の組み立て状態を示す断面図である。この他の第1樹脂製管継手(エルボ)A2は、互いに直角をなす2本の前記管材12同士の接続や互いに直角をなす前記管材12と前記流体機器20の管状部24の接続に用いるもので、図1に示した第1樹脂製管継手A1とは継手本体としてL形の流体通路1B’を有するL形の継手本体1’を備えること以外は同じユニオン形の継手構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
図8はさらに他の第1樹脂製管継手(ティ)の組み立て状態を示す断面図である。このさらに他の第1樹脂製管継手(ティ)A3は、3本の前記管材12同士や前記管材12と前記流体機器20の管状部24を含む3本の管材同士をT字状に接続するために用いるもので、図1に示した第1樹脂製管継手A1とは継手本体としてT形の流体通路1B’’を有するT形の継手本体1’’を備えること以外は同じユニオン形の継手構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
以上の第1樹脂製管継手A1,A2,A3は、図5,図6に示した使用状態(接続完了状態)において、管材12,24と継手本体1との間には、径方向の面圧を発生する二次シール部7と軸方向の面圧を発生する一次シール部5Aおよび三次シール部5Bといった二重、三重のシール部が形成されることになり、優れた密封性能を確保して流体漏れを確実に防止するのはもちろん、径方向のシール面圧が発生される上記二次シール部7の存在によって、押輪3や樹脂製管材12や樹脂製管状部24などに経時的なクリープや応力緩和が発生したとしても、シール面圧はほとんど低下せず、初期の密封性能を長期に亘って確保することが可能である。また、その密封性能が軸方向の締付け力には依存しないので、接続施工時に軸方向の締付け力を厳密に管理する必要もなくなり、接続施工に高い技能および熟練が不要で、所定の接続施工作業を簡単、かつ容易に行なうことが可能である。
また、互いに当接して前記一次シール部5Aを形成するインナリング2側の突出内端面17および継手本体1側の環状シール端面6がそれらの内周側ほど順次縮径されるテーパ面に形成されているために、所定の接続状態で管材12や管状部24およびインナリング2を介して継手本体1側の円筒状溝部10よりも径内側の環状部分10Aに縮径方向の倒れ込み力が働いたとしても、その倒れ込み力を前記テーパ面17,6で受け止めて前記径内側環状部分10Aの倒れ込みを防止して、二次シール部7での密封性能の低下を防ぐとともに、一次シール部5Aを形成する前記インナリング2側の突出内端面17および継手本体1側の環状シール端面6の当接力を増して、二重シールによる密封性能を一段と向上することが可能である。
さらに、インナリング2の内周を管材12,24の内周および継手本体1の胴部1Aの内周と同径状に形成して、流体の移動を妨げないようにしているから、流路断面が一様になって、流体を滞留させることなく円滑に移動させる流路特性を確保できるので、高純度液や超純水用の管継手として好適に使用することができる。
次に、第2樹脂製管継手は特許文献3などに開示されている。この第2樹脂製管継手を図9〜図16に示す。図9は第2樹脂製管継手の組み立て状態を示す断面図、図10は第2樹脂製管継手に備える継手本体を示す断面図、図11は第2樹脂製管継手に備えるインナリングを示す断面図、図12は第2樹脂製管継手に備える押輪を示す断面図である。
図9〜図12において第2樹脂製管継手B1は、PFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂によって成形される、直管である筒状の継手本体31と、スリーブ状のインナリング32と、袋ナット状のユニオンナットである押輪33とから構成されている。インナリング32と押輪33は継手本体31の1つの端部に対して1づつ備えられる。第2樹脂製管継手B1の継手本体31は直管で2つの端部を有するためインナリング32と押輪33は2づつ備えられる。
前記継手本体31は、各端部に筒状の雌型接続口となる受口34が形成され、この受口34の間には接続するPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂製のチューブである管材12,24と同一の内径を有して受口34を軸線Bと同軸上で連通接続させる流体通路31Bを有する筒状の胴部31Aが形成されている。前記受口34の奥部には軸線Bに交差状の一次シール部35が形成されるとともに、前記受口34の入口にも軸線Bに交差状の二次シール部36が形成されている。また、前記受口34の外周には雄ねじ部37が形成されている。前記受口34の内径は胴部31Aの内径(流体通路径)よりも大径に形成されており、その受口34の奥部には、軸方向外方に向けて漸次縮径して胴部31Aの径内面に至るテーパ面によって前記一次シール部35が形成されている。一方、二次シール部36は、受口34の奥部側から軸方向外方に向けて漸次拡径して雄ねじ部37のつけ根に至るテーパ面によって形成されている。すなわち、二次シール部36は受口34の入口に形成されている。
前記インナリング32は、その内端部に継手本体31の受口34に嵌合できる外径の嵌合部38が形成されるとともに、この嵌合部38との接続部近傍が管材12,24の肉厚相当分だけ小外径である圧入部39が嵌合部38に連続して形成してなり、全体としてスリーブ状になっている。このインナリング32の内周は管材12,24の内周および継手本体31の胴部31Aの内周と同径状つまり同一内径かほぼ同一内径に形成されて流体の移動を妨げないようにしている。また、このインナリング32の内端には一次シール部35に衝合する、テーパ面によってなる内端シール部40が形成されている。一方、インナリング32の外端部外周すなわち前記圧入部39の外周には、外端から軸方向内端側に向けて漸次拡径し且つ外端はインナリング32の内周と交差するテーパ状の外端シール部41が形成されており、この外端シール部41の頂部の径は少なくとも嵌合部38との接続部における圧入部39の外径よりも大きく設定され、図示例ではインナリング32の嵌合部38の外径よりも大きくされている。すなわち、この外端シール部41の大径側はインナリング32の外端部側外周面に形成された断面山形の膨出部42となっている。この膨出部42の頂部からこのインナリング32の内端側へ漸次縮径するテーパ面43は、その傾斜角度が前記継手本体31の二次シール部36の傾斜角度と一致するとともに、内端シール部40が前記継手本体31の一次シール部35に当接したとき、二次シール部36とテーパ面43との対向間隔が管材12,24の肉厚相当となるよう形成されている。このようなインナリング32は、圧入部39を管材12,24の一端部内に圧入して、管材12,24の一端部の周壁を拡径させ、かつインナリング32の嵌合部38が管材12,24の一端部から突出させた状態で、この管材12,24と一体結合されている。このとき、管材12,24の周壁拡径部が継手本体31の受口34に挿し込まれる挿し込み部44となる。また、挿し込み部44が受口34に挿し込まれた状態では、内端シール部40が継手本体31の一次シール部35に当接しているとともに、外端シール部41が挿し込み部44の傾斜部45の内面に当接している。さらに、継手本体31の二次シール部36とインナリング32のテ−パ面43の間に、管材12,24の一端部が傾斜状態で挾持される。すなわち、インナリング32のテ−パ面43に沿って変形した管材12,24の外周面が外周シール面46となって二次シール部36と当接する。
前記押輪33は、円筒状部47の内周面に前記継手本体31の雄ねじ部37に螺合される雌ねじ部48を形成するとともに、外端部に軸心側に延出した環状の押圧片49を形成してなる。この押圧片49の内面側内端には押圧エッジ部50が形成されている。この押圧エッジ部50の形成位置は膨出部42の頂部はもちろん嵌合部38との隣接部外径よりも軸心側に設定されている。このような押輪33は、管材12,24を介してインナリング32を継手本体31側に押し付ける(詳しくは継手本体31とインナリング32を互いに押し付け合う)とともに、管材12,24を継手本体31側へ押し付けて(詳しくは継手本体31と管材12,24を互いに押し付け合って)、継手本体31,インナリング32、管材12,24を一体結合状態に保持し、かつインナリング32の内端シール部40と受口34の一次シール部35ならびに管材12,24の外周シール面46と受口34の二次シール部36に密封力を与えるものである。
図13は第2樹脂製管継手の使用状態を示す断面図であり、図13において第2樹脂製管継手B1は2本の管材12同士を一直線状に接続している。この場合、継手本体31の一方の受口34に一方のインナリング32および一方の押輪33を用いて一方の管材12の一端部を接続し、継手本体31の他方の受口34に他方のインナリング32および他方の押輪33を用いて他方の管材12の一端部を接続する。継手本体31の一方の受口34に対する一方の管材12の接続方法と継手本体31の他方の受口34に対する他方の管材12の接続方法は同じである。
而して、前記各構成部品31,32,33を備えた第2樹脂製管継手B1において、継手本体31の受口34に管材12を接続するには、まず、インナリング32の圧入部39を管材12の一端部に圧入すると、管材12の一端部は全体として拡径するとともに、インナリング32の膨出部42に対応した位置がさらに拡径した挿し込み部44となる。そして、このようにして管材12の一端部に圧入したインナリング32および管材12の一端挿し込み部44を、継手本体31の受口34に挿入して内端シール部40を一次シール部35に当接させ、ついで、インナリング32を圧入する前に前記管材12に予め遊嵌させている押輪33の雌ねじ部48を継手本体31の雄ねじ部37に螺合し、これを螺進させて所定のトルクで締め付けることにより、インナリング32を押輪33の押圧エッジ部50と継手本体31の一次シール部35とによって軸方向に挟着させて管材12を継手本体31に接続することができる。
図14は第2樹脂製管継手の他の使用状態を示す断面図であり、図14において第2樹脂製管継手B1は管材12と弁類、フィルタ、ポンプ、計器類、タンクなどの流体機器20を接続している。この場合の流体機器20は、本体21の流体流路22の開口端面23に、その流体流路22と同芯状で径方向へ弾性変形可能な管状部24を一体に形成して突設しており、継手本体31の一方の受口34にインナリング32および一方の押輪33を用いて管材12の一端部を接続し、継手本体31の他方の受口34に他方のインナリング32および他方の押輪33を用いて流体流路22の管状部24の端部を接続する。継手本体31の一方の受口34に対する管材12の接続方法と継手本体31の他方の受口34に対する流体流路22の管状部24の接続方法は、図13における継手本体31の受口34に対する管材12の接続方法と同じである。
図15は他の第2樹脂製管継手(エルボ)の組み立て状態を示す断面図である。この他の第2樹脂製管継手(エルボ)B2は、互いに直角をなす2本の前記管材12同士の接続や互いに直角をなす前記管材12と前記流体機器20の管状部24の接続に用いるもので、図9に示した第2樹脂製管継手B1とは継手本体としてL形の流体通路31B’を有するL形の継手本体31’を備えること以外は同じユニオン形の継手構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
図16はさらに他の第2樹脂製管継手(ティ)の組み立て状態を示す断面図である。このさらに他の第2樹脂製管継手(ティ)B3は、3本の前記管材12同士や前記管材12と前記流体機器20の管状部24を含む3本の管材同士をT字状に接続するために用いるもので、図9に示した第2樹脂製管継手B1とは継手本体としてT形の流体通路31B’’を有するT形の継手本体31’’を備えること以外は同じユニオン形の継手構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
以上の第2樹脂製管継手B1,B2,B3は、図13,図14に示した使用状態(接続完了状態)において、管材12,24の挿し込み部44は、上述のように軸方向に挟着されたインナリング32と押輪33に挟着され、またインナリング32の圧入部39と受口34の二次シール部36とによっても挟着され、さらにインナリング32の外端シール部41と押輪33の押圧エッジ部50によっても局部的な挟着を受ける。したがって、管材12,24を強い抜け止め力で保持して、その抜け移動を防止する。また、押輪33を螺進させて所定のトルクで締め付けることで、継手本体31の一次シール部35とインナリング32の内端シール部40が圧接してこの間に強い密着力が生じる。また、それと同時に継手本体31の二次シール部36と管材12,24の外周シール面46、さらにインナリング32の外端シール部41と第二の一次シール部となる管材12,24の傾斜部45の内面もそれぞれ圧接してそれらの間に強い密封力が生じ、管材12,24の一端部の外周および内周の両面でシールがなされる。したがって、この第2樹脂製管継手B1,B2,B3では、継手本体31とインナリング32の間およびインナリング32と管材12,24の間で一次シール35,40が形成されることになり、優れたシール性を確保して流体の漏洩または異物の侵入を確実に防止できる。また、継手本体31と管材12,24の間で二次シール36,46が形成されることになるから、万一、熱サイクルによるクリープ等により前記一次シール35,40に問題が生じたとしても、この二次シール36,46によって流体の漏洩または異物の侵入が防止され、シールの信頼性はきわめて高いものとなる。しかも、この第2樹脂製管継手B1,B2,B3の場合、3カ所のシール部全てにおいて、継手本体31と押輪34のネジ結合によって軸方向の押圧力を負荷させているから、常温流体の時は勿論のこと、高温流体の時であっても応力緩和によるシール破壊を抑制して、優れたシール性を確保できる。
さらに、インナリング32の内周を管材12,24の内周および継手本体31の胴部31Aの内周と同径状に形成して、流体の移動を妨げないようにしているから、流路断面が一様になって、流体を滞留させることなく円滑に移動させる流路特性を確保できるので、高純度液や超純水用の管継手として好適に使用することができる。
次に、第3樹脂製管継手を図17〜図23に示す。図17は第3樹脂製管継手の組み立て状態を示す断面図、図18は第3樹脂製管継手に備える継手本体を示す断面図、図19は第3樹脂製管継手に備える押輪を示す断面図である。
図17〜図19において第3樹脂製管継手C1は、PFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂によって成形される、直管である筒状の継手本体51と、袋ナット状のユニオンナットである押輪53とから構成されている。押輪53は継手本体51の1つの端部に対して1づつ備えられる。第3樹脂製管継手C1の継手本体51は直管で2つの端部を有するため押輪53は2つ備えられる。
前記継手本体51は、接続するPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂製のチューブである管材12,24と同一の内径を有して流体通路51Bを有する筒状の胴部51Aが形成されるとともに、継手本体51の筒状の雄型接続口となる管材圧入部54が前記胴部51Aの各端部から軸線Cに沿って外側へ延出形成されている。この管材圧入部54は胴部51Aと同一内径に形成され、かつ胴部51Aと同軸上に形成されており、前記流体通路51Bは同一径で継手本体51の各端部にまで延長形成され、かつ継手本体51の各端面で開口されている。また、管材圧入部54は管材12,24の管壁の厚みと略同じかやや大きい厚みを有して管材12,24の外径と略同じかやや大きい外径に形成されており、この管材圧入部54の外面で後述する内面シール部55を形成する内シール面55aが形成されている。さらに、管材圧入部54の先端部外面には軸方向外側から内側に向かって漸次拡径するテーパ面でなり、後述する一次シール部56を形成するシール端面56aが形成されている。管材圧入部54の先端部内面には軸方向外側から内側に向かって漸次縮径して前記シール端面56aと交差するテーパ面57が形成されている。前記胴部51の各端部には筒状のねじ部58が形成され、このねじ部58の外面に雄ねじ部59が形成されている。また、ねじ部58は継手本体51の外面に管材圧入部54との段差面を形成するよう管材圧入部54より大きい厚みを有しており、シール面55aの内端部から径方向外側へ管材12,24の管壁の厚みよりやや小さい高さで直角に立ち上がる段差面60を形成している。このような継手本体51は、管材12,24の一端部に拡径加工により形成されたフレアー部61を管材圧入部54の外周に嵌合することにより、フレアー部61の内面に形成された内シール面55bに管材圧入部54の外面の内シール面55aが相対し、フレアー部61の内奥部に形成されたシール端面56bに管材圧入部54の先端のシール端面56aが相対する。
前記袋ナット状のユニオンナットである押輪53は、円筒状部62の内周面に前記継手本体51の雄ねじ部59に螺合される雌ねじ部63を形成するとともに、雌ねじ部63の奥側に前記継手本体51のシール面55aとフレアー部61の厚みよりやや小さい隙間64を設けて相対する押圧面65aを形成し、この円筒状部62の外端部に軸心側に延設される環状押圧片66が一体に連設されており、この環状押圧片66の内周側内端に押圧エッジ67が形成されている。このような押輪53は、押圧エッジ67によりフレアー部61の内端外面を軸線Cに沿って継手本体51の内側に押圧するとともに、押圧面65aによりフレアー部61の外面65bを径方向内側に押圧し、継手本体51と管材12,24を一体結合状態に保持しながら、フレアー部61のシール端面56bに管材圧入部54のシール端面56aを密着保持させて一次シール部56を形成するとともに、フレアー部61の内シール面55bを管材圧入部54の内シール面55aに密着保持させて一次シール部56から連続する内面シール部55を形成し、かつ押圧面65aとフレアー部61の外面65bを密着させ、密着する押圧面65aとフレアー部61の外面65bを外シール面として外面シール部65を形成し、これら内面シール部55および外面シール部65とで内外二重構造の二次シール部68を形成する。
図20は第3樹脂製管継手の使用状態を示す断面図であり、図20において第3樹脂製管継手C3は2本の管材12同士を一直線状に接続している。この場合、継手本体51の一方の受口54に一方の押輪53を用いて一方の管材12の一端部を接続し、継手本体51の他方の受口54に他方の押輪53を用いて他方の管材12の一端部を接続する。継手本体51の一方の受口54に対する一方の管材12の接続方法と継手本体51の他方の受口54に対する他方の管材12の接続方法は同じである。
而して、前記各構成部品51,53を備えた第3樹脂製管継手C3において、継手本体51の受口54に管材12を接続するには、まず、管材12の一端部に拡径加工によりフレアー部61を形成し、このフレアー部61を管材圧入部54の外周に嵌合させることにより、フレアー部61の内シール面55bと管材圧入部54の内シール面55aを相対させるとともに、フレアー部61のシール端面56bに管材圧入部54のシール端面56aを相対させる。次に、管材12の一端部に拡径加工する前に前記管材12に予め遊嵌させている押輪53の雌ねじ部63を継手本体51の雄ねじ部59に螺合させて該押輪53を継手本体51側に螺進させることによって、フレアー部61のシール端面56bに管材圧入部54のシール端面56aを密着保持させて一次シール部56を形成するとともに、フレアー部61の内シール面55bを管材圧入部54の内シール面55aに密着保持させて一次シール部56から連続する内面シール部55を形成し、かつ押圧面65aとフレアー部61の外面65bを密着させ、密着する押圧面65aとフレアー部61の外面65bを外シール面として外面シール部65を形成し、これら内面シール部55および外面シール部65とで内外二重構造の二次シール部68を形成することによって完了する。
図21は第3樹脂製管継手の他の使用状態を示す断面図であり、図21において第3樹脂製管継手C3は管材12と弁類、フィルタ、ポンプ、計器類、タンクなどの流体機器20を接続している。この場合の流体機器20は、本体21の流体流路22の開口端面23に、その流体流路22と同芯状で径方向へ弾性変形可能な管状部24を一体に形成して突設しており、継手本体51の一方の受口54に一方の押輪53を用いて管材12の一端部を接続し、継手本体51の他方の受口54に他方の押輪53を用いて流体流路22の管状部24の端部を接続する。継手本体51の一方の受口54に対する管材12の接続方法と継手本体51の他方の受口54に対する流体流路22の管状部24の接続方法は、図21における継手本体51の受口54に対する管材12の接続方法と同じである。
図22は他の第3樹脂製管継手(エルボ)の組み立て状態を示す断面図である。この他の第3樹脂製管継手(エルボ)C3は、互いに直角をなす2本の前記管材12同士の接続や互いに直角をなす前記管材12と前記流体機器20の管状部24の接続に用いるもので、図17に示した第3樹脂製管継手C1とは継手本体としてL形の流体通路51B’を有するL形の継手本体51’を備えること以外は同じユニオン形の継手構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
図23はさらに他の第3樹脂製管継手(ティ)の組み立て状態を示す断面図である。このさらに他の第3樹脂製管継手(ティ)C3は、3本の前記管材12同士や前記管材12と前記流体機器20の管状部24を含む3本の管材同士をT字状に接続するために用いるもので、図17に示した第3樹脂製管継手C1とは継手本体としてT形の流体通路51B’’を有するT形の継手本体51’’を備えること以外は同じユニオン形の継手構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
以上の第3樹脂製管継手C1,C2,C3は、図20,図21に示した使用状態(接続完了状態)において、管材12,24と継手本体51との間には、一次シール部56および内外二重構造の二次シール部68が形成されることになり、優れた密封性能を確保して流体漏れを確実に防止するのはもちろん、径方向のシール面圧が発生される上記二次シール部68の存在によって、押輪53や樹脂製管材12や樹脂製管状部24などに経時的なクリープや応力緩和が発生したとしても、シール面圧はほとんど低下せず、初期の密封性能を長期に亘って確保することが可能である。また、その密封性能が軸方向の締付け力には依存しないので、接続施工時に軸方向の締付け力を厳密に管理する必要もなくなり、接続施工に高い技能および熟練が不要で、所定の接続施工作業を簡単、かつ容易に行なうことが可能である。
さらに、管材圧入部54の内周を管材12,24の内周および継手本体51の胴部51Aの内周と同径状に形成して、流体の移動を妨げないようにしているから、流路断面が一様になって、流体を滞留させることなく円滑に移動させる流路特性を確保できるので、高純度液や超純水用の管継手として好適に使用することができる。
実開昭61−76315号公報
特開平10−54489号公報
実公平7−20471号公報
以下、本発明(請求項1〜請求項7および請求項9)の実施形態(以下、「第1実施形態」という。)を図24〜図36を参照して説明する。図24は第1実施形態の樹脂製管継手の組み立て状態を示す断面図、図25は第1実施形態の樹脂製管継手に備える継手本体を示す断面図、図26は第1実施形態の樹脂製管継手に備えるインナリングを示す断面図、図27は第1実施形態の樹脂製管継手に備える押輪を示す断面図、図28は第1実施形態の樹脂製管継手に備える継手本体のオリフィス追加後の断面図、図29は第1実施形態の樹脂製管継手のオリフィス追加後の組み立て状態を示す断面図、図30は第1実施形態の樹脂製管継手の使用状態を示す断面図、図31は第1実施形態の樹脂製管継手の他の使用状態を示す断面図、図32は第1実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)の組み立て状態を示す断面図、図33は第1実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)のオリフィス追加後の組み立て状態を示す断面図、図34は第1実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)の組み立て状態を示す断面図、図35は第1実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)のオリフィス追加後の組み立て状態を示す断面図であり、図示の第1実施形態は図1〜図8に示した第1樹脂製管継手A1,A2,A3に本発明を実施したものである。
すなわち第1実施形態の樹脂製管継手A10は、第1樹脂製管継手A1の継手本体1に、流体通路1Bを直角に仕切り、前記流体流路1Bの途中に後加工でオリフィス102(図28,図29参照)を設けるための壁103を一体に形成した継手本体101を備えるもので、これ以外は第1樹脂製管継手A1と同じユニオン形の継手構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。なお、壁103は流体通路1Bを直角に仕切ることが最も好ましいが、略直角(例えば直角の前後15°)を排除しない。
ここで、前記継手本体101の流体流路1Bは壁103によって一方の受口4に一端を開口する第1流体流路1B1と他方の受口4に一端を開口する第2流体流路1B2とに直角に仕切られている。また、各流体流路1B1,1B2の他端側(奥側)閉鎖端面、すなわち前記継手本体101の壁103の全ての壁面には、各流体流路1B1,1B2と直角で、かつ軸線Aを中心とする円形の平面104を設けるとともに、この平面104の周囲には軸方向外方に向かって漸次拡径して各流体流路1B1,1B2の周壁面に繋がるテーパ面105を設け、前記壁103がこの周辺部を除いて厚さ一定に形成されている。
前記継手本体101は射出成形によりPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂を図25に示す形状に成形した成形品であり、成形された継手本体101の壁103に切削加工、詳しくはドリルを用いて穴あけ加工を施すことによって、図28に示すように軸線Aを中心軸とするオリフィス(流体絞り)102を設けることができ、前記壁103によって仕切られていた第1流体流路1B1と第2流体流路1B2がオリフィス102を介して連通接続した使用状態に前記継手本体101を加工形成することができ、このオリフィス102追加後の継手本体101とインナリング2および押輪3とで、第1実施形態の樹脂製管継手A10を図29に示すようにオリフィス102付きに構成することができるようになっている。
そして、第1実施形態のオリフィス102付き樹脂製管継手A10は、第1樹脂製管継手A1の継手本体1の流体通路1Bの途中にオリフィス102が追加された以外は第1樹脂製管継手A1と使用状態において同じ構造を有するので、図30,図31に示すように第1樹脂製管継手A1と同様に2本の管材12同士を一直線状に接続したり、管材12と流体機器20の管状部24を接続することができ、この接続そのものがすなわち配管上へのオリフィス102の設置になるものである。
図32に示した第1実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)A20は、他の第1樹脂製管継手(エルボ)A2のL形の継手本体1’に、L形の流体通路1B’を仕切り(L形の流体通路1B’の交差部を埋める)、仕切られた第1流体流路1B1’と第2流体流路1B2’とを連通接続するL形のオリフィス102’(図33参照)を設けるための壁103’を一体に形成したL形の継手本体101’を備えるもので、これ以外は第1実施形態の樹脂製管継手A10と同じユニオン形の継手構造および流体通路仕切り壁構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
また、前記継手本体101’は射出成形によりPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂を図32に示す形状に成形した成形品であり、成形された継手本体101’の壁103’にL形の軸線A’に沿って2方向から切削加工、詳しくはドリルを用いて穴あけ加工を施すことによって、図28に示すようにL形の軸線A’を中心軸とするL形のオリフィス(流体絞り)102’を設けることができ、前記壁103’によって仕切られていた第1流体流路1B1’と第2流体流路1B2’がオリフィス102’を介して連通接続した使用状態に前記継手本体101’を加工形成することができ、このオリフィス102’追加後の継手本体101’とインナリング2および押輪3とで、第1実施形態の他の樹脂製管継手A20を図33に示すようにオリフィス102’付きに構成することができるようになっている。
そして、第1実施形態の他のオリフィス102’付き樹脂製管継手A20は、他の第1樹脂製管継手A2の継手本体1’の流体通路1B’の途中にオリフィス102’が追加された以外は他の第1樹脂製管継手A2と使用状態において同じ構造を有するので、他の第1樹脂製管継手A2と同様に互いに直角をなす2本の前記管材12同士を接続したり、互いに直角をなす前記管材12と前記流体機器20の管状部24を接続することができ、この接続そのものがすなわち配管上へのオリフィス102’の設置になるものである。
図34に示した第1実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)A30は、さらに他の第1樹脂製管継手(ティ)A3のT形の継手本体1’’に、T形の流体通路1B’’を仕切り(T形の流体通路1B’’の交差部を埋める)、仕切られた第1流体流路1B1’’と第2流体流路1B2’’と第3流体流路1B3’’を連通接続するT形のオリフィス102’’(図35参照)を設けるための壁103’’を一体に形成したT形の継手本体101’’を備えるもので、これ以外は第1実施形態の樹脂製管継手A10と同じユニオン形の継手構造および流体通路仕切り壁構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
また、前記継手本体101’’は射出成形によりPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂を図34に示す形状に成形した成形品であり、成形された継手本体101’’の壁103’’にT形の軸線A’’に沿って直交する2方向から切削加工、詳しくはドリルを用いて穴あけ加工を施すことによって、図35に示すようにT形の軸線A’’を中心軸とするT形のオリフィス(流体絞り)102’’を設けることができ、前記壁103’’によって仕切られていた第1流体流路1B1’’と第2流体流路1B2’’と第3流体流路1B3’’がオリフィス102’’を介して連通接続した使用状態に前記継手本体101’’を加工形成することができ、このオリフィス102’’追加後の継手本体101’’とインナリング2および押輪3とで、第1実施形態のさらに他の樹脂製管継手A30を図35に示すようにオリフィス102’’付きに構成することができるようになっている。
そして、第1実施形態のさらに他のオリフィス102’’付き樹脂製管継手A30は、さらに他の第1樹脂製管継手A3の継手本体1’’の流体通路1B’’の途中にオリフィス102’’が追加された以外はさらに他の第1樹脂製管継手A3と使用状態において同じ構造を有するので、さらに他の第1樹脂製管継手A3と同様に3本の前記管材12同士をT字状に接続したり、前記管材12と前記流体機器20の管状部24を含む3本の管材同士をT字状に接続することができ、この接続そのものがすなわち配管上へのオリフィス102’’の設置になるものである。
以上のように第1実施形態の樹脂製管継手A10,A20,A30は、複数の受口(接続口)4およびこれら各受口4を相互に連通接続させる流体流路1B,1B’,1B’’を有する樹脂製の継手本体101,101’,101''を備える樹脂製管継手であって、前記継手本体101,101’,101''に、前記流体流路1B,1B’,1B’’を直角に仕切り、仕切られた前記流体流路1B(1B1,1B2),1B’(1B1’,1B2’),1B’’(1B1’’,1B2’’,1B3’’)を連通接続するオリフィス102,102’,102’’を設けるための壁103,103’,103’’を一体に形成したもので、前記継手本体101,101’,101''にオリフィス102,102’,102’’を後加工で一体に形成して設けることができる。
また、第1実施形態の樹脂製管継手A10,A20,A30は、複数の受口(接続口)4およびこれら各受口4を相互に連通接続させる流体流路1B,1B’,1B’’を有する樹脂製の継手本体101,101’,101''を備える樹脂製管継手であって、前記継手本体101,101’,101''に、前記流体流路1B,1B’,1B’’を直角に仕切る壁103,103’,103’’と、この壁103,103’,103’’によって仕切られた前記流体流路1B(1B1,1B2),1B’(1B1’,1B2’),1B’’(1B1’’,1B2’’,1B3’’)を連通接続するオリフィス102,102’,102’’とを一体に形成したものである(第1実施形態のオリフィス102,102’,102’’付き樹脂製管継手A10,A20,A30)。
第1実施形態の樹脂製管継手A10,A20,A30のように、継手本体101,101’,101''にオリフィス102,102’,102’’を一体に形成して設けることによって、配管を構成する標準的な第1樹脂製管継手A1,A2,A3のうちの何れかをオリフィス102,102’,102’’付きにすることができ、これにより、配管を構成する標準的な第1樹脂製管継手A1,A2,A3と同じスペース,同じ作業で、オリフィス102,102’,102’’が配管上に設置可能になるとともに、目標流量を容易に得ることができるようになる。
また、オリフィス102,102’,102’’がないものより、必要なオリフィス102,102’,102’’を後加工で追加すると、製造者側では幅広いオリフィス径(最小オリフィス径をより小さく、最大オリフィス径をより大きく、最小オリフィス径と最大オリフィス径間でたとえば0.1mm置きのオリフィス径を用意するなど)の樹脂製管継手を容易に提供することができるとともに、使用者自身でも希望する径のオリフィス102,102’,102’を形成・設置することができる。また、金型の共用化により継手本体101,101’,101''を安く成形することができる。
さらに、第1実施形態の樹脂製管継手A10,A20,A30は、前記壁103,103’,103’’の全ての壁面に前記流体流路1B(1B1,1B2),1B’(1B1’,1B2’),1B’’(1B1’’,1B2’’,1B3’’)と直角な平面104を設けるもので、このような壁103,103’,103’’にオリフィス102,102’,102’’を一体に形成して設けることによって、テーパ状の壁面に開口されるオリフィスとは異なり、オリフィス長は一定(壁103,103’,103’’の厚さがXmmの場合にはXmm)でオリフィス径のみを変えることができるので、目標流量をより容易に得ることができるようになる。
また、第1実施形態の樹脂製管継手A10,A20,A30は、前記継手本体101,101’,101''の端部と管材(樹脂製のチューブ)12とを接続する継手構造を備えるもので、配管上の管材接続部にオリフィス102,102’,102’’を設置することができる。
また、第1実施形態の樹脂製管継手A10,A20,A30は、前記継手本体101,101’,101''の端部と流体機器20とを接続する継手構造を備えるもので、配管上の流体機器接続部にオリフィス102,102’,102’’を設置することができる。
また、第1実施形態の樹脂製管継手A10,A20,A30は、前記継手構造が、押輪(樹脂製のユニオンナット)3を用いるユニオン形であり、配管上の管材12や流体機器20の着脱を容易に行うことができ、目標流量をより容易に得ることができるようになる。
また、第1実施形態の樹脂製管継手A10,A20,A30は、前記継手本体101,101’,101''の材料にフッ素樹脂を用い、第1実施形態の樹脂製管継手A10,A20,A30の接液部に高い耐熱性,耐薬品性(耐食性),底摩擦性,非粘着性などを付与することができるので、半導体や液晶、医薬品などの製造工程で取り扱われる高純度液や超純水、薬液などの配管に好適に使用することができる。
図36は第1実施形態の樹脂製管継手に備える継手本体にオリフィスを設けるための壁を一体に形成する他の方法を示す断面図である。継手本体101にオリフィス102を設けるための壁103を一体に形成する他の方法して、図36に示すように、胴部1Aが中実の継手本体101aを射出成形し、成形された継手本体101aの胴部1A中心部に軸線Aに沿って2方向からオリフィス形成用のドリルより太いドリルを用いて軸線Aを中心軸とする袋状の第1流体通路1B1と第2流体通路1B2を形成することによっても、これら第1流体通路1B1と第2流体通路1B2の間に前記壁103を一体に形成することができる。このように切削加工(一次加工)で形成された壁103に対して流体通路形成用のドリルより細いドリルを用いて穴あけ加工(二次加工)を施すことによって、図28に示すようなオリフィス102を設けることができる。なお、この樹脂製管継手A10の壁103の形成方法は、他の樹脂製管継手A20の継手本体101’の壁103’やさらに他の樹脂製管継手A30の継手本体101’’の壁103’’にも適用することができるものである。
次に、本発明(請求項1〜請求項7および請求項9)の他の実施形態(以下、「第2実施形態」という。)を図37〜図49を参照して説明する。図37は第2実施形態の樹脂製管継手の組み立て状態を示す断面図、図38は第2実施形態の樹脂製管継手に備える継手本体を示す断面図、図39は第2実施形態の樹脂製管継手に備えるインナリングを示す断面図、図40は第2実施形態の樹脂製管継手に備える押輪を示す断面図、図41は第2実施形態の樹脂製管継手に備える継手本体のオリフィス追加後の断面図、図42は第2実施形態の樹脂製管継手のオリフィス追加後の組み立て状態を示す断面図、図43は第2実施形態の樹脂製管継手の使用状態を示す断面図、図44は第2実施形態の樹脂製管継手の他の使用状態を示す断面図、図45は第2実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)の組み立て状態を示す断面図、図46は第2実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)のオリフィス追加後の組み立て状態を示す断面図、図47は第2実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)の組み立て状態を示す断面図、図48は第2実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)のオリフィス追加後の組み立て状態を示す断面図であり、図示の第2実施形態は図9〜図16に示した第2樹脂製管継手B1,B2,B3に本発明を実施したものである。
すなわち第2実施形態の樹脂製管継手B10は、第2樹脂製管継手B1の継手本体31に、流体通路31Bを直角に仕切り、前記流体流路31Bの途中に後加工でオリフィス132(図41,図42参照)を設けるための壁133を一体に形成した継手本体131を備えるもので、これ以外は第2樹脂製管継手B1と同じユニオン形の継手構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。なお、壁133は流体通路31Bを直角に仕切ることが最も好ましいが、略直角(例えば直角の前後15°)を排除しない。
ここで、前記継手本体131の流体流路31Bは壁103によって一方の受口34に一端を開口する第1流体流路31B1と他方の受口34に一端を開口する第2流体流路31B2とに仕切られている。また、各流体流路31B1,31B2の他端側(奥側)閉鎖端面、すなわち前記継手本体131の壁133の全ての壁面には、各流体流路31B1,31B2と直角で、かつ軸線Bを中心とする円形の平面134を設けるとともに、この平面134の周囲には軸方向外方に向かって漸次拡径して各流体流路31B1,31B2の周壁面に繋がるテーパ面135を設け、前記壁133がこの周辺部を除いて厚さ一定に形成されている。
前記継手本体131は射出成形によりPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂を図38に示す形状に成形した成形品であり、成形された継手本体131の壁133に切削加工、詳しくはドリルを用いて穴あけ加工を施すことによって、図41に示すように軸線Bを中心軸とするオリフィス(流体絞り)132を設けることができ、前記壁133によって仕切られていた第1流体流路31B1と第2流体流路31B2がオリフィス132を介して連通接続した使用状態に前記継手本体131を加工形成することができ、このオリフィス132追加後の継手本体131とインナリング32および押輪33とで、第2実施形態の樹脂製管継手B10を図42に示すようにオリフィス132付きに構成することができるようになっている。
そして、第2実施形態のオリフィス132付き樹脂製管継手B10は、第2樹脂製管継手B1の継手本体31の流体通路31Bの途中にオリフィス132が追加された以外は第1樹脂製管継手A1と使用状態において同じ構造を有するので、図43,図44に示すように第2樹脂製管継手B1と同様に2本の管材12同士を一直線状に接続したり、管材12と流体機器20の管状部24を接続することができ、この接続そのものがすなわち配管上へのオリフィス132の設置になるものである。
図45に示した第2実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)B20は、他の第2樹脂製管継手(エルボ)B2のL形の継手本体31’に、L形の流体通路31B’を仕切り(L形の流体通路31B’の交差部を埋める)、仕切られた第1流体流路31B1’と第2流体流路31B2’とを連通接続するL形のオリフィス132’(図33参照)を設けるための壁133’を一体に形成したL形の継手本体131’を備えるもので、これ以外は第2実施形態の樹脂製管継手B10と同じユニオン形の継手構造および流体通路仕切り壁構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
また、前記継手本体131’は射出成形によりPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂を図45に示す形状に成形した成形品であり、成形された継手本体131’の壁133’にL形の軸線B’に沿って2方向から切削加工、詳しくはドリルを用いて穴あけ加工を施すことによって、図46に示すようにL形の軸線B’を中心軸とするL形のオリフィス(流体絞り)132’を設けることができ、前記壁133’によって仕切られていた第1流体流路31B1’と第2流体流路31B2’がオリフィス132’を介して連通接続した使用状態に前記継手本体131’を加工形成することができ、このオリフィス132’追加後の継手本体131’とインナリング32および押輪33とで、第2実施形態の他の樹脂製管継手B20を図46に示すようにオリフィス132’付きに構成することができるようになっている。
そして、第2実施形態の他のオリフィス132’付き樹脂製管継手B20は、他の第2樹脂製管継手B2の継手本体1’の流体通路31B’の途中にオリフィス132’が追加された以外は他の第2樹脂製管継手B2と使用状態において同じ構造を有するので、他の第2樹脂製管継手B2と同様に互いに直角をなす2本の前記管材12同士を接続したり、互いに直角をなす前記管材12と前記流体機器20の管状部24を接続することができ、この接続そのものがすなわち配管上へのオリフィス132’の設置になるものである。
図47に示した第2実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)B30は、さらに他の第2樹脂製管継手(ティ)B3のT形の継手本体31’’に、T形の流体通路31B’’を仕切り(T形の流体通路31B’’の交差部を埋める)、仕切られた第1流体流路31B1’’と第2流体流路31B2’’と第3流体流路31B3’’を連通接続するT形のオリフィス132’’(図48参照)を設けるための壁133’’を一体に形成したT形の継手本体131’’を備えるもので、これ以外は第2実施形態の樹脂製管継手B10と同じユニオン形の継手構造および流体通路仕切り壁構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
また、前記継手本体131’’は射出成形によりPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂を図47に示す形状に成形した成形品であり、成形された継手本体131’’の壁133’’にT形の軸線B’’に沿って直交する2方向から切削加工、詳しくはドリルを用いて穴あけ加工を施すことによって、図48に示すようにT形の軸線B’’を中心軸とするT形のオリフィス(流体絞り)132’’を設けることができ、前記壁133’’によって仕切られていた第1流体流路31B1’’と第2流体流路31B2’’と第3流体流路31B3’’がオリフィス132’’を介して連通接続した使用状態に前記継手本体131’’を加工形成することができ、このオリフィス132’’追加後の継手本体131’’とインナリング32および押輪33とで、第2実施形態のさらに他の樹脂製管継手B30を図48に示すようにオリフィス132’’付きに構成することができるようになっている。
そして、第2実施形態のさらに他のオリフィス132’’付き樹脂製管継手B30は、さらに他の第2樹脂製管継手B3の継手本体31’’の流体通路31B’’の途中にオリフィス132’’が追加された以外はさらに他の第2樹脂製管継手B3と使用状態において同じ構造を有するので、さらに他の第2樹脂製管継手B3と同様に3本の前記管材12同士をT字状に接続したり、前記管材12と前記流体機器20の管状部24を含む3本の管材同士をT字状に接続することができ、この接続そのものがすなわち配管上へのオリフィス132’’の設置になるものである。
以上のように第2実施形態の樹脂製管継手B10,B20,B30は、複数の受口(接続口)34およびこれら各受口34を相互に連通接続させる流体流路31B,31B’,31B’’を有する樹脂製の継手本体131,131’,131''を備える樹脂製管継手であって、前記継手本体131,131’,131''に、前記流体流路31B,31B’,31B’’を直角に仕切り、仕切られた前記流体流路31B(31B1,31B2),31B’(31B1’,31B2’),31B’’(31B1’’,31B2’’,31B3’’)を連通接続するオリフィス132,132’,132’’を設けるための壁133,133’,133’’を一体に形成したもので、前記継手本体131,131’,131''にオリフィス132,132’,132’’を後加工で一体に形成して設けることができる。
また、第2実施形態の樹脂製管継手B10,B20,B30は、複数の受口(接続口)34およびこれら各受口34を相互に連通接続させる流体流路31B,31B’,31B’’を有する樹脂製の継手本体131,131’,131''を備える樹脂製管継手であって、前記継手本体131,131’,131''に、前記流体流路31B,31B’,31B’’を直角に仕切る壁133,133’,133’’と、この壁133,133’,133’’によって仕切られた前記流体流路31B(31B1,31B2),31B’(31B1’,31B2’),31B’’(31B1’’,31B2’’,31B3’’)を連通接続するオリフィス132,132’,132’’とを一体に形成したものである(第2実施形態のオリフィス付き樹脂製管継手B10,B20,B30)。
第2実施形態の樹脂製管継手B10,B20,B30のように、継手本体131,131’,131''にオリフィス132,132’,132’’を一体に形成して設けることによって、配管を構成する標準的な第2樹脂製管継手B1,B2,B3のうちの何れかをオリフィス132,132’,132’’付きにすることができ、これにより、配管を構成する標準的な第2樹脂製管継手B1,B2,B3と同じスペース,同じ作業で、オリフィス132,132’,132’’が配管上に設置可能になるとともに、目標流量を容易に得ることができるようになる。
また、オリフィス132,132’,132’’がないものより、必要なオリフィス132,132’,132’’を後加工で追加すると、製造者側では幅広いオリフィス径(最小オリフィス径をより小さく、最大オリフィス径をより大きく、最小オリフィス径と最大オリフィス径間でたとえば0.1mm置きのオリフィス径を用意するなど)の樹脂製管継手を容易に提供することができるとともに、使用者自身でも希望する径のオリフィス132,132’,132’を形成・設置することができる。また、金型の共用化により継手本体131,131’,131''を安く成形することができる。
さらに、第2実施形態の樹脂製管継手B10,B20,B30は、前記壁133,133’,133’’の全ての壁面に前記流体流路31B(31B1,31B2),31B’(31B1’,31B2’),31B’’(31B1’’,31B2’’,31B3’’)と直角な平面134を設けるもので、このような壁133,133’,133’’にオリフィス132,132’,132’’を一体に形成して設けることによって、テーパ状の壁面に開口されるオリフィスとは異なり、オリフィス長は一定(たとえば壁133,133’,133’’の厚さがXmmの場合にはXmm)でオリフィス径のみを変えることができるので、目標流量をより容易に得ることができるようになる。
また、第2実施形態の樹脂製管継手B10,B20,B30は、前記継手本体131,131’,131''の端部と管材(樹脂製のチューブ)12とを接続する継手構造を備えるもので、配管上の管材接続部にオリフィス132,132’,132’’を設置することができる。
また、第2実施形態の樹脂製管継手B10,B20,B30は、前記継手本体131,131’,131''の端部と流体機器20とを接続する継手構造を備えるもので、配管上の流体機器接続部にオリフィス132,132’,132’’を設置することができる。
また、第2実施形態の樹脂製管継手B10,B20,B30は、前記継手構造が、押輪(樹脂製のユニオンナット)33を用いるユニオン形であり、配管上の管材12や流体機器20の着脱を容易に行うことができ、目標流量をより容易に得ることができるようになる。
また、第2実施形態の樹脂製管継手B10,B20,B30は、前記継手本体131,131’,131''の材料にフッ素樹脂を用い、第2実施形態の樹脂製管継手B10,B20,B30の接液部に高い耐熱性,耐薬品性(耐食性),底摩擦性,非粘着性などを付与することができるので、半導体や液晶、医薬品などの製造工程で取り扱われる高純度液や超純水、薬液などの配管に好適に使用することができる。
図49は第2実施形態の樹脂製管継手に備える継手本体にオリフィスを設けるための壁を一体に形成する他の方法を示す断面図である。継手本体131にオリフィス132を設けるための壁133を一体に形成する他の方法して、図49に示すように、胴部31Aが中実の継手本体131aを射出成形し、成形された継手本体131aの胴部31A中心部に軸線Bに沿って2方向からオリフィス形成用のドリルより太いドリルを用いて軸線Bを中心軸とする袋状の第1流体通路31B1と第2流体通路31B2を形成することによっても、これら第1流体通路31B1と第2流体通路31B2の間に前記壁133を一体に形成することができる。このように切削加工(一次加工)で形成された壁133に対して流体通路形成用のドリルより細いドリルを用いて穴あけ加工(二次加工)を施すことによって、図41に示すようなオリフィス132を設けることができる。なお、この樹脂製管継手B10の壁133の形成方法は、他の樹脂製管継手B20の継手本体131’の壁133’やさらに他の樹脂製管継手B30の継手本体131’’の壁133’’にも適用することができるものである。
次に、本発明(請求項1〜請求項7および請求項9)のさらに他の実施形態(以下、「第3実施形態」という。)を図50〜図61を参照して説明する。図50は第3実施形態の樹脂製管継手の組み立て状態を示す断面図、図51は第3実施形態の樹脂製管継手に備える継手本体を示す断面図、図52は第3実施形態の樹脂製管継手に備える押輪を示す断面図、図53は第3実施形態の樹脂製管継手に備える継手本体のオリフィス追加後の断面図、図54は第3実施形態の樹脂製管継手のオリフィス追加後の組み立て状態を示す断面図、図55は第3実施形態の樹脂製管継手の使用状態を示す断面図、図56は第3実施形態の樹脂製管継手の他の使用状態を示す断面図、図57は第3実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)の組み立て状態を示す断面図、図58は第3実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)のオリフィス追加後の組み立て状態を示す断面図、図59は第3実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)の組み立て状態を示す断面図、図60は第3実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)のオリフィス追加後の組み立て状態を示す断面図であり、図示の第3実施形態は図17〜図23に示した第3樹脂製管継手C1,C2,C3に本発明を実施したものである。
すなわち第3実施形態の樹脂製管継手C10は、第3樹脂製管継手C1の継手本体51に、流体通路51Bを直角に仕切り、前記流体流路51Bの途中に後加工でオリフィス152(図53,図54参照)を設けるための壁153を一体に形成した継手本体151を備えるもので、これ以外は第3樹脂製管継手C1と同じユニオン形の継手構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。なお、壁153は流体通路51Bを直角に仕切ることが最も好ましいが、略直角(例えば直角の前後15°)を排除しない。
ここで、前記継手本体151の流体流路51Bは壁153によって一方の管材圧入部54内に一端を開口する第1流体流路51B1と他方の管材圧入部54内に一端を開口する第2流体流路51B2とに仕切られている。また、各流体流路51B1,51B2の他端側(奥側)閉鎖端面、すなわち前記継手本体151の壁153の全ての壁面には、各流体流路51B1,51B2と直角で、かつ軸線Cを中心とする円形の平面154を設けるとともに、この平面154の周囲には軸方向外方に向かって漸次拡径して各流体流路51B1,51B2の周壁面に繋がるテーパ面155を設け、前記壁153がこの周辺部を除いて厚さ一定に形成されている。
前記継手本体151は射出成形によりPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂を図51に示す形状に成形した成形品であり、成形された継手本体151の壁153に切削加工、詳しくはドリルを用いて穴あけ加工を施すことによって、図53に示すように軸線Cを中心軸とするオリフィス(流体絞り)152を設けることができ、前記壁153によって仕切られていた第1流体流路51B1と第2流体流路51B2がオリフィス152を介して連通接続した使用状態に前記継手本体151を加工形成することができ、このオリフィス152追加後の継手本体151と押輪53とで、第3実施形態の樹脂製管継手C10を図54に示すようにオリフィス152付きに構成することができるようになっている。
そして、第3実施形態のオリフィス152付き樹脂製管継手C10は、第3樹脂製管継手C1の継手本体51の流体通路51Bの途中にオリフィス152が追加された以外は第3樹脂製管継手C1と使用状態において同じ構造を有するので、図55,図56に示すように第3樹脂製管継手C1と同様に2本の管材12同士を一直線状に接続したり、管材12と流体機器20の管状部24を接続することができ、この接続そのものがすなわち配管上へのオリフィス152の設置になるものである。
図57に示した第3実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)C20は、他の第3樹脂製管継手(エルボ)C2のL形の継手本体51’に、L形の流体通路51B’を仕切り(L形の流体通路51B’の交差部を埋める)、仕切られた第1流体流路51B1’と第2流体流路51B2’とを連通接続するL形のオリフィス152’(図58参照)を設けるための壁153’を一体に形成したL形の継手本体151’を備えるもので、これ以外は第3実施形態の樹脂製管継手C10と同じユニオン形の継手構造および流体通路仕切り壁構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
また、前記継手本体151’は射出成形によりPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂を図57に示す形状に成形した成形品であり、成形された継手本体151’の壁153’にL形の軸線C’に沿って2方向から切削加工、詳しくはドリルを用いて穴あけ加工を施すことによって、図58に示すようにL形の軸線C’を中心軸とするL形のオリフィス(流体絞り)152’を設けることができ、前記壁153’によって仕切られていた第1流体流路51B1’と第2流体流路51B2’がオリフィス152’を介して連通接続した使用状態に前記継手本体151’を加工形成することができ、このオリフィス152’追加後の継手本体151’と押輪53とで、第2実施形態の他の樹脂製管継手C20を図58に示すようにオリフィス152’付きに構成することができるようになっている。
そして、第3実施形態の他のオリフィス152’付き樹脂製管継手C20は、他の第3樹脂製管継手C2の継手本体51’の流体通路51B’の途中にオリフィス152’が追加された以外は他の第3樹脂製管継手C2と使用状態において同じ構造を有するので、他の第3樹脂製管継手C2と同様に互いに直角をなす2本の前記管材12同士を接続したり、互いに直角をなす前記管材12と前記流体機器20の管状部24を接続することができ、この接続そのものがすなわち配管上へのオリフィス152’の設置になるものである。
図59に示した第3実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)C30は、さらに他の第3樹脂製管継手(ティ)C3のT形の継手本体51’’に、T形の流体通路51B’’を仕切り(T形の流体通路51B’’の交差部を埋める)、仕切られた第1流体流路51B1’’と第2流体流路51B2’’と第3流体流路51B3’’を連通接続するT形のオリフィス152’’(図60参照)を設けるための壁153’’を一体に形成したT形の継手本体151’’を備えるもので、これ以外は第3実施形態の樹脂製管継手C10と同じユニオン形の継手構造および流体通路仕切り壁構造を有し、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
また、前記継手本体151’’は射出成形によりPFA,PTFE,ETFEなどのフッ素樹脂を図59に示す形状に成形した成形品であり、成形された継手本体151’’の壁153’’にT形の軸線C’’に沿って直交する2方向から切削加工、詳しくはドリルを用いて穴あけ加工を施すことによって、図60に示すようにT形の軸線C’’を中心軸とするT形のオリフィス(流体絞り)152’’を設けることができ、前記壁153’’によって仕切られていた第1流体流路51B1’’と第2流体流路51B2’’と第3流体流路51B3’’がオリフィス152’’を介して連通接続した使用状態に前記継手本体151’’を加工形成することができ、このオリフィス152’’追加後の継手本体151’’と押輪53とで、第3実施形態のさらに他の樹脂製管継手C30を図60に示すようにオリフィス152’’付きに構成することができるようになっている。
そして、第3実施形態のさらに他のオリフィス152’’付き樹脂製管継手C30は、さらに他の第3樹脂製管継手C3の継手本体51’’の流体通路51B’’の途中にオリフィス152’’が追加された以外はさらに他の第3樹脂製管継手C3と使用状態において同じ構造を有するので、さらに他の第3樹脂製管継手C3と同様に3本の前記管材12同士をT字状に接続したり、前記管材12と前記流体機器20の管状部24を含む3本の管材同士をT字状に接続することができ、この接続そのものがすなわち配管上へのオリフィス152’’の設置になるものである。
以上のように第3実施形態の樹脂製管継手C10,C20,C30は、複数の管材圧入部(接続口)54およびこれら管材圧入部54内を相互に連通接続させる流体流路51B,51B’,51B’’を有する樹脂製の継手本体151,151’,151''を備える樹脂製管継手であって、前記継手本体151,151’,151''に、前記流体流路51B,51B’,51B’’を直角に仕切り、仕切られた前記流体流路51B(51B1,51B2),51B’(51B1’,51B2’),51B’’(51B1’’,51B2’’,51B3’’)を連通接続するオリフィス152,152’,152’’を設けるための壁153,153’,153’’を一体に形成したもので、前記継手本体151,151’,151''にオリフィス152,152’,152’’を後加工で一体に形成して設けることができる。
また、第3実施形態の樹脂製管継手C10,C20,C30は、複数の管材圧入部(接続口)54およびこれら管材圧入部54内を相互に連通接続させる流体流路51B,51B’,51B’’を有する樹脂製の継手本体151,151’,151''を備える樹脂製管継手であって、前記継手本体151,151’,151''に、前記流体流路51B,51B’,51B’’を直角に仕切る壁153,153’,153’’と、この壁153,153’,153’’によって仕切られた前記流体流路51B(51B1,51B2),51B’(51B1’,51B2’),51B’’(51B1’’,51B2’’,51B3’’)を連通接続するオリフィス152,152’,152’’とを一体に形成したものである(第3実施形態のオリフィス付き樹脂製管継手C10,C20,C30)。
第3実施形態の樹脂製管継手C10,C20,C30のように、継手本体151,151’,151''にオリフィス152,152’,152’’を一体に形成して設けることによって、配管を構成する標準的な第3樹脂製管継手C1,C2,C3のうちの何れかをオリフィス152,152’,152’’付きにすることができ、これにより、配管を構成する標準的な第3樹脂製管継手C1,C2,C3と同じスペース,同じ作業で、オリフィス152,152’,152’’が配管上に設置可能になるとともに、目標流量を容易に得ることができるようになる。
また、オリフィス152,152’,152’’がないものより、必要なオリフィス152,152’,152’’を後加工で追加するので、製造者側では幅広いオリフィス径(最小オリフィス径をより小さく、最大オリフィス径をより大きく、最小オリフィス径と最大オリフィス径間でたとえば0.1mm置きのオリフィス径を用意するなど)の樹脂製管継手を容易に提供することができるとともに、使用者自身でも希望する径のオリフィス152,152’,152’を形成・設置することができる。また、金型の共用化により継手本体151,151’,151''を安く成形することができる。
さらに、第3実施形態の樹脂製管継手C10,C20,C30は、前記壁153,153’,153’’の全ての壁面に前記流体流路51B(51B1,51B2),51B’(51B1’,51B2’),51B’’(51B1’’,51B2’’,51B3’’)と直角な平面154を設けるもので、このような壁153,153’,153’’にオリフィス152,152’,152’’を一体に形成して設けることによって、テーパ状の壁面に開口されるオリフィスとは異なり、オリフィス長は一定(たとえば壁153,153’,153’’の厚さがXmmの場合にはXmm)でオリフィス径のみを変えることができるので、目標流量をより容易に得ることができるようになる。
また、第3実施形態の樹脂製管継手C10,C20,C30は、前記継手本体151,151’,151''の端部と管材(樹脂製のチューブ)12とを接続する継手構造を備えるもので、配管上の管材接続部にオリフィス152,152’,152’’を設置することができる。
また、第3実施形態の樹脂製管継手C10,C20,C30は、前記継手本体151,151’,151''の端部と流体機器20とを接続する継手構造を備えるもので、配管上の流体機器接続部にオリフィス152,152’,152’’を設置することができる。
また、第3実施形態の樹脂製管継手C10,C20,C30は、前記継手構造が、押輪(樹脂製のユニオンナット)53を用いるユニオン形であり、配管上の管材12や流体機器20の着脱を容易に行うことができ、目標流量をより容易に得ることができるようになる。
また、第3実施形態の樹脂製管継手C10,C20,C30は、前記継手本体151,151’,151''の材料にフッ素樹脂を用い、第3実施形態の樹脂製管継手C10,C20,C30の接液部に高い耐熱性,耐薬品性(耐食性),底摩擦性,非粘着性などを付与することができるので、半導体や液晶、医薬品などの製造工程で取り扱われる高純度液や超純水、薬液などの配管に好適に使用することができる。
図61は第3実施形態の樹脂製管継手に備える継手本体にオリフィスを設けるための壁を一体に形成する他の方法を示す断面図である。継手本体151にオリフィス152を設けるための壁153を一体に形成する他の方法して、図61に示すように、胴部51Aが中実の継手本体151aを射出成形し、成形された継手本体151aの胴部51A中心部に軸線Cに沿って2方向からオリフィス形成用のドリルより太いドリルを用いて軸線Cを中心軸とする袋状の第1流体通路51B1と第2流体通路51B2を形成することによっても、これら第1流体通路51B1と第2流体通路51B2の間に前記壁153を一体に形成することができる。このように切削加工(一次加工)で形成された壁153に対して流体通路形成用のドリルより細いドリルを用いて穴あけ加工(二次加工)を施すことによって、図53に示すようなオリフィス152を設けることができる。なお、この樹脂製管継手C10の壁153の形成方法は、他の樹脂製管継手C20の継手本体151’の壁153’やさらに他の樹脂製管継手C30の継手本体151’’の壁153’’にも適用することができるものである。
次に、本発明(請求項8)の実施形態(以下、「第4実施形態」という。)を図62〜図64を参照して説明する。図62は第4実施形態の樹脂製管継手の組み立て状態を示す断面図、図63は第4実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)の組み立て状態を示す断面図、図64は第4実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)の組み立て状態を示す断面図である。
図62に示した第4実施形態の樹脂製管継手A100は図29に示した第1実施形態のオリフィス102付き樹脂製管継手A10と構造的には同じであり、同様に、図63に示した第4実施形態の他の樹脂製管継手A200(エルボ)、図64に示した第4実施形態のさらに他の樹脂製管継手A300(ティ)は図33に示した第1実施形態の他のオリフィス102’付き樹脂製管継手A20(エルボ)、図35に示した第1実施形態のさらに他のオリフィス102’’付き樹脂製管継手A30(ティ)と構造的には同じであり、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
そして、第1実施形態の樹脂製管継手A10,A20,A30は射出成形された継手本体101,101’,101’’の壁103,103’,103’’に後加工でオリフィス102,102’,102’’を形成して設けたのに対し、第4実施形態の樹脂製管継手A100,A200,A300はオリフィス102,102’,102’’も射出成形で一体に形成した継手本体101b,101b’,101b’’を備えるものである。すなわち継手本体101b,101b’,101b’’の射出成形時にオリフィス102,102’,102’’も一体に形成するものである。
次に、本発明(請求項8)の他の実施形態(以下、「第5実施形態」という。)を図65〜図67を参照して説明する。図65は第5実施形態の樹脂製管継手の組み立て状態を示す断面図、図66は第5実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)の組み立て状態を示す断面図、図67は第5実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)の組み立て状態を示す断面図である。
図65に示した第5実施形態の樹脂製管継手B100は図42に示した第2実施形態のオリフィス132付き樹脂製管継手B10と構造的には同じであり、同様に、図66に示した第5実施形態の他の樹脂製管継手B200(エルボ)、図67に示した第5実施形態のさらに他の樹脂製管継手B300(ティ)は図46に示した第2実施形態の他のオリフィス132’付き樹脂製管継手B20(エルボ)、図48に示した第2実施形態のさらに他のオリフィス132’’付き樹脂製管継手B30(ティ)と構造的には同じであり、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
そして、第2実施形態の樹脂製管継手B10,B20,B30は射出成形された継手本体131,131’,131’’の壁133,133’,133’’に後加工でオリフィス132,132’,132’’を形成して設けたのに対し、第5実施形態の樹脂製管継手B100,B200,B300はオリフィス132,132’,132’’も射出成形で一体に形成した継手本体131b,131b’,131b’’を備えるものである。すなわち継手本体131b,131b’,131b’’の射出成形時にオリフィス132,132’,132’’も一体に形成するものである。
次に、本発明(請求項8)のさらに他の実施形態(以下、「第6実施形態」という。)を図68〜図70を参照して説明する。図68は第6実施形態の樹脂製管継手の組み立て状態を示す断面図、図69は第6実施形態の他の樹脂製管継手(エルボ)の組み立て状態を示す断面図、図70は第6実施形態のさらに他の樹脂製管継手(ティ)の組み立て状態を示す断面図である。
図68に示した第6実施形態の樹脂製管継手C100は図54に示した第3実施形態のオリフィス152付き樹脂製管継手C10と構造的には同じであり、同様に、図69に示した第6実施形態の他の樹脂製管継手C200(エルボ)、図70に示した第6実施形態のさらに他の樹脂製管継手C300(ティ)は図58に示した第3実施形態の他のオリフィス152’付き樹脂製管継手C20(エルボ)、図60に示した第3実施形態のさらに他のオリフィス152’’付き樹脂製管継手C30(ティ)と構造的には同じであり、重複する説明を避けるために同一構造には同一符号を付してある。
そして、第3実施形態の樹脂製管継手C10,C20,C30は射出成形された継手本体151,151’,151’’の壁153,153’,153’’に後加工でオリフィス152,152’,152’’を形成して設けたのに対し、第6実施形態の樹脂製管継手C100,C200,C300はオリフィス152,152’,152’’も射出成形で一体に形成した継手本体151b,151b’,151b’’を備えるものである。すなわち継手本体151b,151b’,151b’’の射出成形時にオリフィス152,152’,152’’も一体に形成するものである。
以上、本実施形態は本発明の樹脂製管継手およびその製造方法の一実施形態を示したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施することができる。たとえば第1〜第6実施形態の樹脂製管継手には、標準的な樹脂製管継手(オリフィスなし)として例示した3種類の第1〜第3樹脂製管継手と同じ継手構造を持たせたが、例示した以外の各種樹脂製管継手(オリフィスなし)と同じ継手構造を持たせることを妨げない。また、本発明の樹脂製管継手は配管系における流体の流量調整だけでなく、圧力調整に用いることを妨げない。さらに、本発明の樹脂製管継手はチューブ同士の接続やチューブと流体機器の接続の他、流体機器同士の接続に用いることを妨げない。