JP2009052262A - 谷を含む瓦葺き方法 - Google Patents

谷を含む瓦葺き方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009052262A
JP2009052262A JP2007219253A JP2007219253A JP2009052262A JP 2009052262 A JP2009052262 A JP 2009052262A JP 2007219253 A JP2007219253 A JP 2007219253A JP 2007219253 A JP2007219253 A JP 2007219253A JP 2009052262 A JP2009052262 A JP 2009052262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roof
valley
slope
tile
roof slope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007219253A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5057889B2 (ja
Inventor
Daisuke Ishikawa
大輔 石川
Masahiko Niimi
昌彦 新美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinto Co Ltd
Original Assignee
Shinto Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinto Co Ltd filed Critical Shinto Co Ltd
Priority to JP2007219253A priority Critical patent/JP5057889B2/ja
Publication of JP2009052262A publication Critical patent/JP2009052262A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5057889B2 publication Critical patent/JP5057889B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】施工する屋根勾配に応じた形状の専用谷瓦を準備する必要がなく、その結果、谷瓦の在庫を少なく抑えることを可能とする。
【解決手段】施工する屋根勾配xが0.40〜0.60の範囲内に設定される瓦屋根において棟から軒先に向けて傾斜した谷を、所定の基準屋根勾配0.4に対応するサイズの谷瓦を使用して形成する瓦葺き方法であって、施工する屋根勾配xに対応して予め設定した桟木間ピッチPxを選択することにより、その屋根勾配xが所定の基準屋根勾配0.4と異なる場合でも、所定の谷幅員を実質的に保持することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、瓦葺き方法に関するものであって、特に、棟から軒先に向けて傾斜した谷を形成する瓦葺き方法およびその瓦葺き方法に用いる谷瓦の改良に関する。
陶器製屋根瓦の葺き上げ構造は、図2に例示するように、角度θの屋根勾配に構成された下地上に水平方向に配設した桟木11に瓦1の尻端を係止させて、下側瓦の重ね長さ1bに上側の瓦頭部を順次重ね合わせ、働き長さ1aを露出させた状態で、順次下から上に組み合せて葺き上げられている。 そして、屋根を上方から俯瞰した場合、水平投影図(図3)に示すように、建物の配置によって、棟から軒先に向けて傾斜して形成され、雨水が集約される谷12または雨水が分配される隅棟13とが設けられる。(特許文献1を参照)なお、この場合、働き長さ1aは、桟木11、11のピッチPに一致することは説明するまでもないことであろう。
本発明は、この谷12の両側を構成する谷瓦14および谷瓦15に係る瓦葺き方法に関するもので、谷瓦14と谷瓦15の1例を図4、5に示す。
この谷の左側の谷瓦14と右側の谷瓦15とは、オーバラップ14aの有無を除いて、大略左右対称に形成されている。そして、その頭部側には、斜めに形成された傾斜辺14b、15bが設けられていて、葺き上げられ場合、谷12に沿って一直線の揃った谷側線ラインを形成するよう、その傾斜角度tが設定されている。
この場合、傾斜辺の下端a点と上端b点の垂直方向(頭部から尻部へ向けた方向)の長さkは、いわゆる働き長さ(図2では働き長さ1aとして図示)と一致し、同時に、上下に一連の瓦はこの働き長さだけ繰り返し露出して葺設されることになるから、瓦を支持する桟木の間隔(桟木間ピッチ)とも一致するものである。
次に、谷瓦15を対象とする図6の水平投影図(A)、縦断面図(B)において、屋根勾配0.4における傾斜辺15bの下端a点、上端b点の位置関係を示している。
なお、屋根勾配とは、図2中の屋根下地の傾斜角θであるが、本発明では、屋根傾斜面の水平方向長さdにおける傾斜面上端の高さがhであるとき、h/dの比で示すものとする。傾斜側面図(B)において、水平方向長さd=1とし,傾斜面の上端の高さh=0.4および0.6の場合の略図を示しており、それぞれ屋根勾配を0.4(通称、4寸勾配)および0.6(通称、6寸勾配)という。
なお、図2に示されるように、屋根勾配と瓦自体の葺き勾配とは厳密には異なるものの、その差は微差なので同一として説明している。
ここで、この谷瓦15を、桟木間ピッチをそのままで基準の屋根勾配0.4から0.6に変更した場合の変化を見ると、傾斜側面図(B)では、勾配が大きくなるから、a点を軸として、b点は上方のbb点に向かって回動することになるが、この様子を水平投影図(A)で見ると、b点は谷側線ライン12wからずれて谷芯12c方向に突出して位置するbb点に移動することになる。
このように、屋根勾配が大きくなると、b点がbb点に移動することにより、谷幅員は上方に行くに従い徐々に狭められることになる。例えば、働き長さ269mmの瓦の場合、このような状態で谷瓦を4枚葺き上げたとすると、bb点の変位は次々に加算され、下端部分の谷幅員が(勾配0.4の場合)75mmであったのが、勾配が0.6になると上方部分では44mmになり、約40%も狭くなることが分かる。
このように、屋根勾配によって谷幅員が狭くなるのは美観上も好ましくないので、屋根勾配0.6の場合には、傾斜辺15bの傾斜角度tを、屋根勾配0.4の場合に較べて小さく設定することにより、屋根勾配0.6の傾斜辺のラインは、水平投影図で、勾配が0.4の場合の傾斜辺15bの谷側線ライン12wに一致させることができる。かくして、傾斜辺15bの傾斜角度tを調節することによって、谷の下部から上部まで直線状に各谷瓦の傾斜辺15bを整列させることが可能となり、かつ所定の谷幅員が保持できるのである。
このように、屋根勾配に応じた傾斜辺15bの傾斜角度tを設定することで、前記不具合を解消できる。しかし、このことは、施工する屋根勾配に応じて、それぞれ適正な傾斜角度tを持った複数種類の専用谷瓦が必要であることを意味するから、その分、製造在庫が増大することになり、コスト増になるという不具合があった。
なお、この明細書では、右側の谷瓦15の場合を事例として説明しているが、左側の場合も同様であるので、その説明は省略するが、必要に応じて左右を読み替えて理解されるべきである。
特開平08−109708号公報、段落0007、図1、図7、図8。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、施工する屋根勾配に応じた形状の専用谷瓦を準備する必要がなく、その結果、谷瓦の在庫を少なく抑えることを可能とする谷を含む瓦葺き方法を提供する。
上記の問題は、施工する屋根勾配が0.40〜0.60の範囲内に設定される瓦屋根において棟から軒先に向けて傾斜した谷を、所定の基準屋根勾配に対応するサイズの谷瓦を使用して形成する瓦葺き方法であって、施工する屋根勾配に対応して予め設定した桟木間ピッチを選択することにより、その屋根勾配が所定の基準屋根勾配と異なる場合でも、所定の谷幅員を実質的に保持するようにしたことを特徴とする本発明の谷を含む瓦葺き方法によって、解決することができる。
また、本発明は、屋根勾配が0.40の場合を前記の所定の基準屋根勾配とした前記形態の谷を含む瓦葺き方法に好ましく具体化できる。
さらに、その発明において、施工する屋根勾配(x)に対応して予め設定する桟木間ピッチ(Px)を次式から求められる値に設定することを特徴とする形態の谷を含む瓦葺き方法として好ましく具体化される。
x=P0 4+Δk= P0 4×0.9285(1+x21 / 2
但し、P0 4 は、屋根勾配0.40(基準屋根勾配)場合の桟木間ピッチ。xは、屋根勾配であって、水平奥行き1に対する高さ(x)で示す。
次に、本発明をその作用、効果とともに、説明する。
本発明では、施工する屋根勾配に対応するよう予め設定した桟木間ピッチを選択することにより、所定の基準屋根勾配に対応した一定サイズの谷瓦を使用しながら、施工する屋根勾配が変化しても所定の谷幅員を実質的に保持することができるのであるが、その原理について概説する。(図1参照)
なお、本発明では、施工する屋根勾配の範囲を0.40〜0.60としているが、この範囲外の勾配は実用的でないので、本発明の適用範囲外とする。
図1(水平投影図(A)、傾斜側面図(B))によって、谷の右側の谷瓦21と谷沿い上方に隣り合う谷瓦22との位置関係を説明する。
先ず、基準とする屋根勾配0.4において、各谷瓦の傾斜辺、例えば谷瓦21(実線で表示している)の傾斜辺21b(下端04a点と上端04b点を結ぶ実線)は、谷芯12cに対して一定距離の幅員を示す谷側線ライン12wに一致している。隣り合う谷瓦22も同様(図示せず)である。
そして、施工する屋根勾配を0.6とした場合を示すと、基準の勾配0.4の谷瓦(実線表示)は施工時の勾配0.6の谷瓦(一点鎖線表示)に変更表示され、施工時の勾配0.6の谷瓦21(1点鎖線)は、下端04a点を基点とすると、上端04b点は、谷側線ライン12wから谷芯12c側に突出した上端06b点に移動する(勾配0.6の場合の傾斜辺21bは1点鎖線で示される)こととなり、上方の谷瓦22はさらに相加的に谷芯方向に突出することは、先に述べた通りである。
ここで、谷沿い上方に隣り合う同勾配(0.6)の谷瓦22(一点鎖線で表示している)を、下側の谷瓦21の上端06b点に連接した側辺21cに沿って棟方向(谷芯12cから45度上方向)に移動させることによって、図示のように、谷瓦22の下端06a点と上端06b点を結ぶ線(谷瓦22の傾斜辺22bのライン)を谷芯12cから谷側線ライン12w方向に引き寄せることができる。このような谷瓦の移動は、谷瓦の葺設位置を定める桟木のピッチを変えることで容易に行うことができる。すなわち、この場合には、ピッチを大きく設定すれば、谷瓦を棟方向に移動させることができる。
以下、更に上方で隣り合う一連の谷瓦についても同様に棟方向に移動させれば、軒先から棟までの一連の谷瓦の傾斜辺が示すラインは繰り返し屈曲(ジグザグ状に屈曲する一点鎖線で示す)するものの、谷芯12cに沿うものであるから、外見上は谷が一定の幅員を持つように外部から観察することができるのである。すなわち、屋根勾配が0.4の場合を基準として施工する屋根勾配が0.6のように屋根勾配が変化しても、所定の基準屋根勾配0.4に適応した一種類のサイズの谷瓦を使用しながら、所定の谷幅員を実質的に保持するようにできるのである。
なお、ここでは基準屋根勾配が0.4で、施工する屋根勾配を0.6とする事例で説明したが、施工屋根勾配は0.4から0.6の範囲であれば同様であることは言うまでもない。
以上の説明では、内容を簡便にするために、下側の谷瓦21の下端04aを固定して基準としたが、この下側の谷瓦21自体も支持する桟木ピッチを大に設定して棟方向に2点鎖線で示すように移動させ、かつ、前記と同様にしてその上方の谷瓦22も移動させれば、このようにしてなる一連の谷瓦の傾斜辺が示すラインはジグザグ状に屈曲する2点鎖線で示される(前記1点鎖線のラインより棟側に平行移動した2点鎖線で示す)ようになり、その結果は前記に同じく、外見上は谷が一定の幅員を持つよう観察されるものとなる。
なお、本発明においては、所定の基準屋根勾配とは、本発明で使用する谷瓦が最も適合する屋根勾配のことであって、すなわち、その谷瓦をその屋根勾配に葺設した場合、一連の谷瓦の傾斜辺が、谷の下部から上部まで一直線状に整列するよう、谷瓦自体の傾斜辺の傾斜角度が最適に設定されている関係を持っているものをいう。
そして、前記した所定の基準屋根勾配としては、屋根勾配0.40〜0.60の範囲から適宜に選択可能であるが、本発明では、前記所定の基準屋根勾配を0.40とした場合がもっとも好ましい、換言すると、屋根勾配を0.40に葺き上げた一連の谷瓦の傾斜辺が、谷の下部から上部まで一直線状に整列するよう、傾斜辺の傾斜角度tを設定したものを基準の谷瓦として使用するのが好ましい。
基準屋根勾配0.40において上記のように最適な傾斜辺を持つものを基準の谷瓦として用いるのが好ましい理由は、屋根勾配0.40を基準とした谷瓦を0.4〜0.60の範囲の屋根勾配に適用した場合、図7に例示するように、軒先から棟までの一連の谷瓦の傾斜辺(a点〜b点に至るライン)が示すラインはジグザグ状に屈曲する2点鎖線で示されるが、軒先から見た場合、上側瓦の下端a点が下側瓦の上端b点部分に隠れて直接には見えないので、外部の観察者には好印象を与え景観が好ましいからである。
他方、屋根勾配0.60を基準とした場合には、それに適合する瓦を基準として、0.4〜0.60の範囲の屋根勾配に適用した場合には、軒先から棟までの一連の谷瓦の傾斜辺(a点〜b点に至るライン)が示すラインはジグザグ状に屈曲ラインとなるものの、軒先から見た場合、上側瓦の下端a点が下側瓦の上端b点部分により突出して境目が露出することになり、外部から観察する者には不揃いな印象を与え景観上好ましくないのである。
さらに、本発明の谷を含む瓦葺き方法は、施工する屋根勾配(x)に対応した桟木間ピッチ(Px)を、屋根勾配0.40(基準屋根勾配)場合の桟木間ピッチ(P0 4 )と施工屋根勾配(x)とからを次の式1から求めることで好ましく具体化される。
x=P0 4+Δk= P0 4×0.9285(1+x21 / 2 ・・・式1
ここで、基準屋根勾配が0.4、施工屋根勾配が0.6において、傾斜辺の下端04a点を固定した場合を事例にして前記式1を説明する。
先ず、図1(水平投影図A、傾斜側面図B)に示すように、谷瓦21の上端04b点は06b点に移動するのであるが、本発明では、そのとき上側の谷瓦22の下端06a点を、先の勾配が0.4の場合の上端04b点の位置(水平投影図Aの場合。傾斜側面図Bでは上端04b点の垂直上方の位置)に移動させるようにすれば、すなわち、上側の谷瓦の移動量Δkを設定することにより、軒先から棟までの一連の谷瓦の傾斜辺は、図1(A)の水平投影図に示すように、谷芯12cから一定の距離にある谷側線12wに沿ったジグザグライン(一点鎖線または2点鎖線)を示すようになり、前述に通り好ましい外観を呈するのである。
1枚の谷瓦について、このような位置関係を簡略化して図8の側面傾斜図に示すと、屋根勾配xが基準の0.4の場合は、底辺長さ(m)と高さを示す側辺(0.4m)および長辺(k)とからなる直角三角形で表すことができる。この場合、長辺(k)は、谷瓦の傾斜辺を頭から尻方向に測った長さであり、図5で示すと、kは、a点とb点の間隔を頭から尻方向(図では垂直方向に)に測った働き長さであり、屋根勾配0.4における桟木間ピッチ(P0 4 )に等しいことは先に述べた通りである。
この場合、(m)は、三平方の定理により、m=0.9285kとして(k)で表される。そして、屋根勾配をxとした場合、長辺を(k+Δk)で表すと、同じく三平方の定理により、以下のように(Δk)は(k)と(x)とから求めることができる。
(k+Δk)2=m2+m22
なお、長辺(k)を屋根勾配0.4における桟木間ピッチ(P0 4)としたとき、長辺(k+Δk)は屋根勾配をxとした場合の桟木間ピッチ(Px)に等しいから、Px=P0 4+Δkであって、以上から前記式1が導き出される。
かくして、勾配0.4〜0.6の範囲で選択される施工する屋根勾配xに対応した最も好ましい桟木間ピッチPxは、基準屋根勾配0.4における桟木間ピッチP0 4と、屋根勾配xとから、予め計算で求めることができる。かくして求められる施工する屋根勾配xに対応した最も好ましい桟木間ピッチPxを採用することによって、屋根勾配0.40において最適な谷瓦を使用しながら、軒先から棟まで一連の谷瓦の傾斜辺が谷芯からほぼ一定の距離でジグザグラインを示すように、外観上好ましい形態に各谷瓦を葺くことが可能となる。
本発明の谷を含む瓦葺き方法は、以上説明したように構成されているので、特定勾配に最適な基準サイズの谷瓦をもって、0.4〜0.6の範囲の異なる屋根勾配に対応することが可能となり、多品種の専用谷瓦が不要となるから、商品在庫を抑制できるという優れた効果がある。よって本発明は、従来の問題点を解消した谷を含む瓦葺き方法として実用的価値はきわめて大なるものがある。
次に、本発明の谷を含む瓦葺き方法に係る実施形態について、以下、各図を参照しながら説明する。
本発明の谷を含む瓦葺き方法は、基本的には図2に例示する桟木11によって瓦を位置決めする陶器製屋根瓦の葺き上げ構造を形成するものであり、具体的には、図3の水平投影図に示すような、棟から軒先に向けて傾斜して形成され、雨水が集約される谷12の両側を構成する谷瓦14および谷瓦15に係る瓦葺き方法に関するものである。
ここに、図9を参照して、谷の両側を構成する谷瓦のうち、右側の谷瓦である下側谷瓦151と、谷に沿って隣り合う上側谷瓦152と、それらに組み合わされる平瓦16との位置関係を説明しておく。
通常の瓦の場合は、先ず(A)にように、所定の屋根勾配の下地上に、下側谷瓦151と上側谷瓦152とは、それぞれ桟木(図示せず)に係止され、その傾斜辺151b、152bは一直線上に配置される。このような位置関係になるように、所定の屋根勾配に対応する傾斜角tが予め設定されていることはすでに図4、5に関連して述べた通りである。
そして、平瓦16は、その頭部分を下側谷瓦151の尻の重ね合わせ部に重ね合わせながら、図(A)から(B)に変化するように、上側谷瓦152を係止する桟木に沿って右側から左方向に移動させられて、そのアンダラップ部16aが上側谷瓦152の下に差し込まれ、この3者が組み合わされるのである。かくして、軒先から棟に至る一連の谷瓦が葺設されるのである。
本発明は、施工する屋根勾配が0.40〜0.60の範囲内に設定される瓦屋根において棟から軒先に向けて傾斜した谷を、所定の基準屋根勾配、好ましくは勾配0.4を基準屋根勾配とし、その屋根勾配に対応するよう傾斜角tが予め設定されているサイズの谷瓦を使用して形成する瓦葺き方法であって、その施工する屋根勾配に対応して予め設定した桟木間ピッチを選択する点に特徴がある。
かくして、施工する屋根勾配が所定の基準屋根勾配(好ましくは勾配0.4を基準屋根勾配とする)と異なる場合でも、所定の谷幅員を実質的に保持することができ、勾配に対応した多品種の専用谷瓦が不要となるから、商品在庫を抑制できるという優れた利点が得られる。
本発明では、施工する屋根勾配に対応して予め最適の桟木間ピッチを設定しておくことができることはすでに説明した。
この施工する屋根勾配(x)に対応した最適の桟木間ピッチ(Px)は、屋根勾配0.40を基準屋根勾配とし、その勾配に対応した桟木間ピッチを(P0 4 )、施工屋根勾配を(x)とした次の式1によって算出することができる。
x=P0 4+Δk= P0 4×0.9285(1+x21 / 2 ・・・式1
その算出結果を表1に示す。
Figure 2009052262
この表1は、屋根勾配0.4を基準として、施工屋根勾配としては代表的な勾配、0.45、0.50、0.55、0.60の場合について、Δk(mm)(但し、勾配0.4の桟木間ピッチP0 4 を、メートルモジュールを基準とした 269mmとした)、桟木間ピッチPx (mm)(但し、P0 4 = 269mmを基準とした)、Px/P0 4 比の値をそれぞれに示す。
なお、このようにして得られる桟木間ピッチPx (mm)などは、数学的に厳密である必要はなく、瓦自体に許される寸法許容値程度の範囲内、例えばプラスマイナス1%程度の変動があっても差支えないのである。
かくして、屋根勾配0.4〜0.6の範囲内において、表1に示す桟木間ピッチを利用することにより、屋根勾配0.4を基準としたサイズ1種類の谷瓦を使用するにも関らず、一連の谷瓦の傾斜辺が表すラインはある程度のジグザグ形状となるものの軒先から棟まで谷幅員を実質的に一定の値に保つことができ、その景観も問題となるようなものではなかった。なお、屋根勾配が0.6の場合には、0.4に比較してピッチを22mmも大きくする必要があり、そのため谷瓦の傾斜辺が表すジグザグラインの振幅値が約20mm(P0 4 =269mmの場合)に及ぶが、景観上、問題となる程度ではなかった。
屋根勾配が変化した場合、本発明の作用を説明するための、谷瓦の位置関係を表す要部水平投影図(A)、要部傾斜側面図(B)。 一般的な屋根瓦の葺き上げ断面図。 谷と隅棟を含む葺設された屋根の水平投影略図。 谷の左側に配置される谷瓦の平面図(A)、前面図(B)。 谷の右側に配置される谷瓦の平面図(A)、前面図(B)。 屋根勾配が変化した場合、谷瓦の位置関係を表す要部水平投影図(A)、要部傾斜側面図(B)。 谷芯と谷瓦の傾斜辺との位置関係を示す要部水平投影図。 屋根勾配が変化した場合、適正な桟木間ピッチを求めるための参考傾斜図。 上下2枚の谷瓦とそれらに組み合わされる平板瓦との配置関係を示す遠近斜視図(A)(B)。
符号の説明
12:谷、12c:谷芯、12w:谷側線ライン
21:谷瓦、21b:傾斜辺、22:谷沿い上方に隣り合う谷瓦、22b:傾斜辺
t:傾斜辺の傾斜角度
x:屋根勾配
Px:屋根勾配xに対応する本発明の桟木間ピッチ
P04:屋根0.4に対応する基準の桟木間ピッチ

Claims (3)

  1. 施工する屋根勾配が0.40〜0.60の範囲内に設定される瓦屋根において棟から軒先に向けて傾斜した谷を、所定の基準屋根勾配に対応するサイズの谷瓦を使用して形成する瓦葺き方法であって、施工する屋根勾配に対応して予め設定した桟木間ピッチを選択することにより、その屋根勾配が所定の基準屋根勾配と異なる場合でも、所定の谷幅員を実質的に保持するようにしたことを特徴とする谷を含む瓦葺き方法。
  2. 屋根勾配が0.40の場合を前記の所定の基準屋根勾配とした請求項1に記載の谷を含む瓦葺き方法。
  3. 施工する屋根勾配(x)に対応した桟木間ピッチ(Px)を、次式から求められる値に設定することを特徴とする請求項2に記載の谷を含む瓦葺き方法。
    x=P0 4+Δk= P0 4×0.9285(1+x21 / 2
    但し、P0 4 は、屋根勾配0.40(基準屋根勾配)場合の桟木間ピッチ。xは、施工する屋根勾配であって、水平奥行き1に対する高さ(x)で示す。
JP2007219253A 2007-08-27 2007-08-27 谷を含む瓦葺き方法 Active JP5057889B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007219253A JP5057889B2 (ja) 2007-08-27 2007-08-27 谷を含む瓦葺き方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007219253A JP5057889B2 (ja) 2007-08-27 2007-08-27 谷を含む瓦葺き方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009052262A true JP2009052262A (ja) 2009-03-12
JP5057889B2 JP5057889B2 (ja) 2012-10-24

Family

ID=40503567

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007219253A Active JP5057889B2 (ja) 2007-08-27 2007-08-27 谷を含む瓦葺き方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5057889B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015045206A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 近畿セラミックス株式会社 谷瓦

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08165746A (ja) * 1994-12-15 1996-06-25 Sekisui House Ltd
JPH11311001A (ja) * 1998-04-28 1999-11-09 Sekisui Chem Co Ltd 太陽電池付き屋根モジュール、その固定具、屋根及びその施工方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08165746A (ja) * 1994-12-15 1996-06-25 Sekisui House Ltd
JPH11311001A (ja) * 1998-04-28 1999-11-09 Sekisui Chem Co Ltd 太陽電池付き屋根モジュール、その固定具、屋根及びその施工方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015045206A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 近畿セラミックス株式会社 谷瓦

Also Published As

Publication number Publication date
JP5057889B2 (ja) 2012-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102852306B (zh) 外壁板的横向错位防止金属件及使用其的外壁施工构造
JP5959128B1 (ja) 瓦屋根構造
US5507125A (en) Ceiling panel with stiffly flexible edges, and ceiling
JP5057889B2 (ja) 谷を含む瓦葺き方法
JP2006194070A (ja) 瓦の葺設方法
JP2005256514A (ja) 平板瓦及び該平板瓦の葺設工法
JP2006265856A (ja) 横葺き屋根の施工方法
US313853A (en) Roofing for buildings
JP4071900B2 (ja) 平板瓦群およびその瓦葺割付方法
JP2009264096A (ja) 屋根葺材葺設構造及び該屋根葺材葺設構造に使用する屋根葺材
JP2004308277A (ja) 建物ユニット及び外壁パネル
JPH0886050A (ja) 屋根葺構造
JP5215944B2 (ja) 棟受け金具及び棟受け金具成形用板材
JP2011074649A (ja) 屋根構造及び屋根構造に用いる板金部材
JP6964307B2 (ja) 寸法調整部材
JP2671339B2 (ja) 瓦による屋根構造
JP2550338Y2 (ja) 屋根瓦下葺材
JP3112575U (ja) 瓦固定金具及び瓦固定構造
JP2001020493A (ja) 建築用板
US347843A (en) Combination metallic roofing tile-plate
JP2018062754A (ja) 足場構造及び梁部材
JP2015045206A (ja) 谷瓦
JP4610460B2 (ja) 尺貫モジュール瓦として採用できる平板瓦を利用した隅棟葺設工法
JP2006002410A (ja) 屋根材及びその施工方法
JP2008127786A (ja) プレカット瓦

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120501

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120731

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5057889

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250