JP2009052193A - 回転防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フレーム等の支持体とキャブ等の可動体との面内方向での相対的なスライドを許容しつつ、同一面内での互いの回転方向への相対的な動きを防止できる回転防止装置を提供すること。
【解決手段】回動防止装置10を、支持体4としてのキャブフレームに対しスライド機構を介して相対移動自在に配置された可動体としての床プレート5と、床プレート5に間隔を空けて一端が回動自在に連結された互いに平行な一対の第1リンク11,12と、各第1リンク11,12の他端に一方の腕が回動自在に連結され、かつ一方の腕と他方の腕とが連続する部位でキャブフレーム4に回動自在に取り付けられた一対のベルクランク13,14と、各ベルクランク13,14の他方の腕同士を回動自在に連結する第2リンク15とを備えて構成した。
【選択図】図4
【解決手段】回動防止装置10を、支持体4としてのキャブフレームに対しスライド機構を介して相対移動自在に配置された可動体としての床プレート5と、床プレート5に間隔を空けて一端が回動自在に連結された互いに平行な一対の第1リンク11,12と、各第1リンク11,12の他端に一方の腕が回動自在に連結され、かつ一方の腕と他方の腕とが連続する部位でキャブフレーム4に回動自在に取り付けられた一対のベルクランク13,14と、各ベルクランク13,14の他方の腕同士を回動自在に連結する第2リンク15とを備えて構成した。
【選択図】図4
Description
本発明は、回転防止装置に関する。
従来、油圧ショベルやブルドーザといった建設機械のキャブのヨーイングを防止するリンク機構が知られている(例えば特許文献1)。このリンク機構は、キャブの下面とこのキャブを支持するフレームの上面とをピロボールエンドの水平なロッドで連結した構造であり、構造が極めて簡素な点が利点である。
一方、建設機械では、掘削や運土等の種々の作業において、車両フレームに衝撃が加わることが多い。そこで、フレームに加わる衝撃を吸収・減衰させてキャブに与える影響を少なくした免震装置が提案されている。この免震装置は、ゴムブッシュやコイルばね等の振動吸収用の弾性体と、弾性体の振動を減衰させるオイルダンパー等の減衰部材とから構成され、車両フレーム上面とキャブ下面との間にマウントを兼ねて配置される。さらに、近年の免震装置としては、フレームとキャブとを水平面内で互いに積極的にスライドさせるスライド機構を備えたものがある。
このようなスライド機構としては、フレームの上面に複数のボールを転動可能に配置し、これらのボールを介してキャブを支持させる構造が単純であり、免震効果が高い。フレームに任意の方向から水平な外力が入力すると、フレームは衝撃によって振動するが、ボールの転動によってキャブは不動状態を維持し、振動が伝達されないのである。
しかし、このようなスライド機構を有した免震装置においては、構造が簡単で、かつあらゆる方向から入力する水平な外力に対して効果的に免震機能を発揮する反面、キャブがボールを介して浮いた状態になっているため、車両全体が左右に傾斜した場合等には、キャブがフレームに対して面内方向に回転し、ヨーイングを引き起こしてしまう。従って、キャブ内のシートに着座しているオペレータにとって、居住性が著しく損なわれるという問題がある。
そこで、前述したヨーイング防止用のリンク機構を設けることも考えられるが、このようなリンク機構を設けたのでは、フレームとキャブとの相対的なスライド事態を妨げてしまうおそれがあり、スライド機構による免震装置が良好に機能しないといった問題が生じる。
本発明の目的は、フレーム等の支持体とキャブ等の可動体との面内方向での相対的なスライドを許容しつつ、同一面内での互いの回転方向への相対的な動きを防止できる回転防止装置を提供することにある。
本発明の請求項1に係る回転防止装置は、支持体に対しスライド機構を介して相対移動自在に配置された可動体と、前記可動体に間隔を空けて一端が回動自在に連結された互いに平行な一対の第1リンクと、前記各第1リンクの他端に一方の腕が回動自在に連結され、かつ一方の腕と他方の腕とが連続する部位で前記支持体に回動自在に取り付けられた一対のベルクランクと、前記各ベルクランクの他方の腕同士を回動自在に連結する第2リンクとを備えていることを特徴とする。
以上において、請求項1の発明によれば、支持体と可動体とが互いにスライドする方向に対しては、第1、第2リンクおよびベルクランクの回動動作によってそのスライドを許容でき、支持体と可動体とがスライド面に対して垂直な回転中心周りに相対的に回転しようとすると、支持体に対する一方のベルクランクの回動方向と他方のベルクランクの回動方向とが反対となるため、両方のベルクランクが第2リンクで突っ張られた状態になって回動できず、支持体と可動体との相対的な回転を防止できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の回転防止装置が適用された建設機械1の要部を模式的に示す断面図である。図1の建設機械1においては、車両フレーム2上にマウント3を介して支持体としてのキャブフレーム4が載置され、キャブフレーム4内の底面にはスライド機構を介して可動体としての床プレート5が載置されている。
図1は、本実施形態の回転防止装置が適用された建設機械1の要部を模式的に示す断面図である。図1の建設機械1においては、車両フレーム2上にマウント3を介して支持体としてのキャブフレーム4が載置され、キャブフレーム4内の底面にはスライド機構を介して可動体としての床プレート5が載置されている。
ここで、スライド機構としては、キャブフレーム4の底面上に設けられた凹状球面を有する複数(本実施形態では、四隅に設けられた4つ)の皿状部材6と、皿状部材6内のボール7と、このボール7に接触する床プレート5の下面部分とで構成され、このスライド機構が免震装置8として機能する。従って、車両フレーム2に水平方向の衝撃が外力として入力すると、その外力による振動はマウント3で幾分減衰されてキャブフレーム4に伝達されるが、キャブフレーム4が振動しても、その振動はボール7の転動によって床プレート5には殆ど伝達されず、床プレート5やこれに載置されたシート9は不動状態を維持する。なお、上下の振動については、皿状部材6は離脱しないよう、図示略の別の手段によって抑制されている。
しかし、このような免震装置8では、床プレート5がボール7を介してキャブフレーム4の上方に浮いているような状態と考えられるため、車両全体が不整地走行等によって振動した場合や、着座したオペレータによる操作中の動きにより、キャブフレーム4に対して床プレート5側がシート9近傍での回転中心N周りに回転しまうことが考えられ、ヨーイングを引き起こす可能性がある。特に、床プレート5の前部分は、図示しない操作ペダル等が配置される関係で、シート9が位置した回転中心Nから前方側に大きく延設されるが、そのような延設部分は、ヨーイングによる移動量も大きくなるため、周囲との干渉が問題となる。そこで、本実施形態では、免震装置8による免震機能を阻害することなく、ヨーイングを防止する回転防止装置が設けられている。
図2および図3は、キャブフレーム4および床プレート5間に設けられた回転防止装置10を模式的に示す底面図である。なお、各図においては、床プレート5の動きが2点鎖線で示されているが、実際には免震装置8の免震機能によってキャブフレーム4側が動くのである。キャブフレーム4と床プレート5とは相対的にスライドすることから、床プレート5側が動くように説明しても同じことであり、各図では作図上の便宜を図るためにも、床プレート5側が動くように描かれてある。
図2において、回転防止装置10は、一端が床プレート5底面の幅方向両側に連結された互いに平行な一対の第1リンク11,12と、床プレート5の外側において、キャブフレーム4の下面に互いに同じ向きで回動自在に取り付けられ、かつ第1リンク11,12の他端が連結された一対のベルクランク13,14と、ベルクランク13,14において、第1リンク11,12が連結された腕とは異なる腕の端部同士を連結する第2リンク15とを備えている。第1、第2リンク11,12,15は、例えば両端がピロボールエンドのロッドで構成され、床プレート5およびベルクランク13,14に対して回動自在に連結されている。ベルクランク13,14は、各腕が連続する部位に設けられた回動軸13A,14Aにてキャブフレーム4に軸支されている。
このようなリンク機構からなる回転防止装置10では、図2に示すように、床プレート5が前後に振動した場合(本来は、キャブフレーム4が前後に振動した場合のことである)、第1リンク11,12を介してベルクランク13,14が回動軸13A,14Aを中心に同方向に揺動し、キャブフレーム4と床プレート5との前後方向の相対的な動きを許容する。この際には、第1リンク11,12は、床プレート5側の回動軸11A,12Aを中心に揺動し、第2リンク15は、両端の位置を変えながら前後に移動する。
一方、図3に示すように、床プレート5が左右に振動した場合(本来は、キャブフレーム4が左右に振動した場合のことである)、第1リンク11,12がベルクランク13,14側の回動軸11B,12Bを中心に揺動し、キャブフレーム4と床プレート5との左右方向の相対的な動きを許容する。ただし、第1リンク11,12が揺動してその端部が円弧運動することから、キャブフレーム4と床プレート5とが純粋に左右方向に相対移動するためには、ベルクランク13,14が僅かな振れ角で揺動し、これに伴って第2リンク15が僅かながら前後に移動するのであるが、その動きは僅かであるため、図3では2点鎖線による図示を省略してある。
なお、図2、図3では、キャブフレーム4と床プレート5とが前後方向および左右方向に相対的に動く場合について説明したが、第1リンク11,12の揺動およびベルクランク13,14の揺動によっては、平面内でのキャブフレーム4と床プレート5との任意な方向の相対移動が許容されることは勿論である。このことから、回転防止装置10は、免震装置8による免震機能を全く阻害しないと言える。
以上に対して、例えば図4に2点鎖線で示すように、床プレート5が回転中心N周りで矢印A方向に回転しようとすると、ベルクランク13は、第1リンク11に押されて矢印B方向に回動しようとするが、ベルクランク14は、第1リンク12に引かれて矢印C方向に回動しようとするため、ベルクランク13,14での互いの回動方向が反対向きになって対抗し合い、いずれの方向にも回動しない状態に維持される。従って、床プレート5の矢印A方向への回転を防止でき、ヨーイングを防止できる。矢印Aとは反対の向きへのヨーイングに対しても同様である。
このように、ヨーイングを防止することは、オペレータの着座位置から離れた操作ペダル側でのヨーイングによる移動量をなくして、床プレート5の前部分とその周辺との干渉を確実に回避できるうえ、居住性および操作性を良好にできる。しかも、免震装置8が機能することで、水平方向の振動がオペレータに伝達されず、より快適に操作できる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、キャブ内において、キャブフレーム4の底面と床プレート5との間に免震装置8が設置されていたが、床プレートを用いずにシートをキャブフレーム上に設置する場合などには、背景技術で説明したように、車両フレームとキャブフレームとの間に免震装置を設けてもよい。このような場合には、キャブ側に第1リンクの一端が連結され、この第1リンクの他端が連結されたベルクランクは車両フレーム側に取り付けられることとなる。
例えば、前記実施形態では、キャブ内において、キャブフレーム4の底面と床プレート5との間に免震装置8が設置されていたが、床プレートを用いずにシートをキャブフレーム上に設置する場合などには、背景技術で説明したように、車両フレームとキャブフレームとの間に免震装置を設けてもよい。このような場合には、キャブ側に第1リンクの一端が連結され、この第1リンクの他端が連結されたベルクランクは車両フレーム側に取り付けられることとなる。
また、本発明に係るベルクランクの腕の長さや、ベルクランクの回動中心と第1リンクの可動体側での回動中心との位置関係などは、スライド機構による可動体の許容スライド量を勘案して任意に決められてよい。
前記実施形態では、本発明の回転防止装置をヨーイング防止のために適用したが、一対の第1リンクおよびベルクランクを上下に間隔を空けて配置し、第2リンクを鉛直に配置することにより、ローリングやピッチングを防止するための装置として適用してもよい。
前記実施形態では、回転防止装置10が建設機械に適用されていたが、一般車両、鉄道車両、作業機械、飛行機、船舶、精密機器、あるいは建造物等に本発明の回転防止装置を適用してもよい。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、ヨーイング、ローリング、およびピッチング等の回転を防止するための回転防止装置として、運輸、精密機器、建築等の幅広い分野に利用できる。
4…支持体であるキャリアフレーム、5…可動体である床プレート、10…回転防止装置、11,12…第1リンク、13,14…ベルクランク、15…第2リンク。
Claims (1)
- 回転防止装置において、
支持体(4)に対しスライド機構を介して相対移動自在に配置された可動体(5)と、
前記可動体(5)に間隔を空けて一端が回動自在に連結された互いに平行な一対の第1リンク(11,12)と、
前記各第1リンク(11,12)の他端に一方の腕が回動自在に連結され、かつ一方の腕と他方の腕とが連続する部位で前記支持体(4)に回動自在に取り付けられた一対のベルクランク(13,14)と、
前記各ベルクランク(13,14)の他方の腕同士を回動自在に連結する第2リンク(15)とを備えている
ことを特徴とする回転防止装置(10)。
Priority Applications (2)
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005375159A JP2009052193A (ja) | 2005-12-27 | 2005-12-27 | 回転防止装置 |
Publications (1)
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JP2009052193A true JP2009052193A (ja) | 2009-03-12 |
Family
ID=38218071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005375159A Withdrawn JP2009052193A (ja) | 2005-12-27 | 2005-12-27 | 回転防止装置 |
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---|---|
JP (1) | JP2009052193A (ja) |
WO (1) | WO2007074850A1 (ja) |
Cited By (1)
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-
2006
- 2006-12-27 WO PCT/JP2006/326004 patent/WO2007074850A1/ja active Application Filing
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CN110296179A (zh) * | 2019-06-24 | 2019-10-01 | 西北工业大学 | 一种无角位移隔振平台 |
CN110296179B (zh) * | 2019-06-24 | 2021-04-02 | 西北工业大学 | 一种无角位移隔振平台 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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