JP2009051496A - 機械的リフト装置の空中索を押圧しつつ案内するシーブ組立体のための機械的な調整装置 - Google Patents

機械的リフト装置の空中索を押圧しつつ案内するシーブ組立体のための機械的な調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的リフト装置の空中索を押圧しつつ案内するシーブ組立体の機械的な調整装置を提供する。
【解決手段】リフト装置のパイロンの支持部材(15)に固定手段(31、32、34)によって固定されるシュー(20)を有した支持フレーム(11a、12、20)に回転シーブ(10a)を回転自在に取り付けるとともに、このシーブ(10a)の回転軸に平行な横方向(D2)において固定後に生じるシュー(20)の支持部材(15)に対する傾斜を調整する手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械的リフト装置の空中索を押圧しつつ案内するシーブ組立体であって、索の方向に平行なシーブ組立体の長手方向に間隔を空けて配置された平行な回転軸の回りに回転するように支持フレームに取り付けられた、索を案内するためのローラシーブが設けられ、かつ支持フレームのシューの上面が支持部材の下面に対向するようにリフト装置のパイロンの支持部材に対し固定手段によって固定される、そのようなシーブ組立体のための機械的な調整装置に関する。
例えばチェアリフトあるいはゴンドラ車両タイプの機械的リフト装置において、空中索は、その経路上を走行するときに、この空中索を支持しつつ案内するローラシーブを有した下側シーブ組立体によって、および/またはこの空中索を押圧しつつ案内するローラシーブを有した上側シーブ組立体によって案内されながら各パイロンに取り付けられる。組み合わせシーブ組立体は、下側シーブ組立体および上側シーブ組立体の両方を備えている。シーブ組立体の異なる組合せは、空中索を押圧しつつ案内するシーブ組立体の様々な変形例から構成される。本発明は、変形例がどのようなものであれ、そのようなシーブ組立体の調整に関する。
パイロンは、リフト装置の乗車および降車ターミナルの間に配置されている。椅子および/または車両は、固定式のあるいは着脱自在な握索具によって索に固定される。シーブ組立体のローラシーブは、一般的に、一組ずつ関連付けられて1次ビームの両端に取り付けられるともに、この1次ビームの中央部が2次ビームの端部に揺動支持され、かつこの2次ビームが同様に3次ビームに取り付けられ、シーブの数に応じてこの関係が反復する。最後のビームは、パイロンの支持部材に固定されているシュー上にその中間部が揺動自在に取り付けられる。不可欠な部分である(1次、2次、3次、その他の)ビームおよびシューが、シーブ組立体の支持フレームを形成している。このように、支持フレームには、索の方向に実質的に平行なシーブ組立体の長手方向に間隔を空けて平行な回転軸が設けられ、シーブ組立体のシーブはその回りで回転するように支持フレーム上に取り付けられる。
シーブ組立体の実施形態の変形例がどのようなものであれ、垂直面に対するシーブの傾斜の欠陥は、シーブ組立体、より一般的には装置全体の保守および安全に関わる重要なファクターである。シーブが傾斜しているシーブ組立体は、実際に、索、シーブ組立体の全てのシーブ(特にバンド高さにおいて)、および着脱自在な搬器の握索具の早期の摩耗を生じさせる。そのような欠陥はまた、シーブの近くに懸架されている乗物がその水平性を失うという悪影響を及ぼす。
支持部材に固定されるシーブ組立体においては、そのような欠陥は支持部材が水平でないときに自動的に出現する(水平とは索が延びる方向ではなく索の幅方向におけるものを言う)。実際に、支持部材が索の幅方向に傾いているときに、この支持部材に固定されているシーブ組立体のシューは同じ値および同じ方向の傾斜を自動的に呈する。支持フレームが索の幅方向においてきわめて強固であるため、この場合は、垂直面に対し同じ値の角度でシーブが傾斜する結果となる。
シーブ組立体の調整を実行するときに、支持部材の傾斜に起因するシーブの傾斜の補正を試みる公知の方法は、シューを支持部材に固定する前にシューと支持部材との間に取り付けられるくさびの形のシムを用いることである。このくさびは、全体的に強固な部品である。このくさびの先端角度は、支持部材の傾斜角度の値に正確に等しくなければならない。そうでない場合には、くさびの存在にもかかわらず、くさびの角度の不足に等しいシーブの傾斜が持続する。欠陥を測定する間およびくさびを製造する間の両方において、必要とされる精度を考慮することは困難であるので、得られる結果の品質は不揃いである。さらに、傾斜している支持部材はそれぞれ特定のくさびの製造を必要とする。このことは、金銭的な損失につながる非常に高い製造コストに帰着する。
本発明の目的は、機械的リフト装置の空中索を押圧しつつ案内するシーブ組立体の機械的な調整装置を提供し、それによって関連するコストを低下させつつ信頼性の高い調整を可能とすることにある。
本発明は、シーブの回転軸と平行な横方向において固定後に生じる、支持部材に対するシューの傾斜を調整するための手段を備える点で注目に値する。
従来技術で用いられるくさびは、固定後においては、支持部材に対するシューの横方向の最終的な傾斜のいかなる調整をも可能としない(すなわち、くさびを用いると、傾斜はくさびの先端角度の固定された値に直接的に等しくなる)。これに対して、本発明の調整装置は、固定後に支持部材に対してシューがなす傾斜(あるいは、その逆もまた同じ)を、シーブ組立体のシーブが完全に垂直となるように本来の位置まで調整できるようにする。言い換えると、この調整装置の適切な取扱いは、シーブ組立体を調整した後(およびシューを支持部材に固定した後)、シーブ組立体のシーブが垂直であることについて如何なる欠陥も示さないことを保証する。したがって、シーブ組立体の調整の信頼性が改善される。これらの調整装置のまさしくその機能、すなわち、固定後に支持部材に対してシューが(あるいは、その逆もまた同じ)なす横方向の傾斜の調整を実行する機能により、そのような調整が必要である全ての支持部材に対して、同一の調整装置を用いることができるようにする。そのような利点は、調整装置の規格化された製造を可能とする。このことは、製造原価の低減に帰着する。
好ましい実施形態によると、この調整装置は、シューの上面のうち第1の領域と支持部材の下面との間に挿入される固定高さの第1のスペーサと、シューの上面のうち第1領域に対して横方向にオフセットされている第2領域と支持部材の下面との間に挿入される可変高さの第2のスペーサと、を備える。固定後における最終的な横方向の傾斜の調整は、第2のスペーサの長さを調整することによって非常に簡単に達成される。他の技術的な特徴は、単独であるいは組み合わせて用いることができる。
− 第2のスペーサは、斜めに切断されて互いに協働する逆向きの斜面を具備しつつ横方向にそれぞれ可動でありかつ固定されている第1および第2のくさびを、シューの上面に対して垂直なシーブ組立体の縦方向に積重ねたものである。
− 横方向に配置されるとともに、第1のくさびに螺旋状の接続形態で取り付けられ、かつ第2のくさびに回動および縦方向のスライドを組み合わせた形態で取り付けられるねじ要素を備える。
− 調整装置は、第2のくさびの反対側において第1のくさびの横方向の移動を阻止する動作を実行する、調整可能な横方向の安全ストッパを有する。
− 第2のスペーサは、横方向に対して垂直な回動軸の回りに回動するようにシューの上面に取り付けられる。
− 第1のスペーサは、横方向に対して垂直な回動軸の回りに回動するように支持部材の下面に取り付けられる。
他の利点および特徴は、非限定的な実施形態として与えられ、かつ添付の図面に示されている、本発明の特定の実施形態の以下の説明からより明らかになる。
図1および図2は、機械的リフト装置において索を押圧しつつ案内するシーブ組立体の2つのローラシーブ10a,10bを示している。第1シーブ10aが第1の1次ビーム11aの一端に回転自在に取り付けられる一方で、第2シーブ10bは、第1の1次ビーム11aに対して整列配置されている第2の1次ビーム11bの一端に回転自在に取り付けられている。したがって、シーブ10a,10bは、シーブ組立体の1次ビーム11a,11bに取り付けられて、索の方向に平行なシーブ組立体の長手方向D1(図2の矢印を参照)に沿って間隔を空けつつ互いに平行に位置する回転軸の回りを回転する。第1シーブ10aを支持する第1の1次ビーム11aの端部は、第2シーブ10bを支持する第2の1次ビーム11bの端部と長手方向に対向している。これにより、シーブ10a,10bは、異なる1次ビーム11a,11b上に取り付けられているにもかかわらず、長手方向に隣接している。1次ビーム11a,11bは、2次ビーム12の端部にその中央部がそれぞれ揺動自在に支持されている。
1次ビーム11a,11b上におけるシーブ10a,10bの回転軸と2次ビーム12上における1次ビーム11a,11bの回動軸の全てが、シーブ組立体の横方向D2において互いに平行となっている(図1中の矢印を参照)。したがって、横方向D2は、シーブ10a,10bの回転軸と平行に方向付けられている。横方向D2において、1次ビーム11a,11bがシーブ10a,10bの一方の側に配置され、かつ2次ビーム12はその他方の側に配置されている。1次ビーム11a,11bを含む側がシーブ組立体の外側に該当し、かつ2次ビーム12を含む側がシーブ組立体の内側に該当している。
シーブ組立体には、脱索の場合に備えていくつかの索受け13がその外側に設けられ、かついくつかの脱索ストッパ14がその内側に設けられている。索受け13および脱索ストッパ14は、1次リビーム11a,11bに取り付けられている一対のシーブに関連付けられている。
シーブ組立体は、機械的リフト装置のパイロンの上部に、より正確には、実質的に水平な主軸Pを有するとともに断面形状が正方形の管状の支持部材15の端部に固定される。支持部材15は、上面16と、2つの側面18,19によって互いに接続されている下面17とを有している。
支持部材15に固定するために、シーブ組立体は、2次ビーム12と支持部材15との間に取り付けられるシュー20をその内側に有している。このシュー20は、平坦なベース21と2つの羽根22,23とを具備したU字形の支持部を有している。ベース21は、上面24および下面25を有している。横方向にオフセットしている2つの長手方向フランジプレート26,27が、横方向D2に対して垂直で互いに平行な2つの平面内において下面25から垂直に延びている。羽根22,23は、長手方向のフランジプレート26,27に対して垂直で互いに平行な2つの平面内で上面24から垂直に延びている。
2次ビーム12は、その中央部がシュー20の上に揺動自在に取り付けられている。この取付けは、シーブ組立体の横方向D2に平行で、かつ2つの長手方向フランジプレート26,27を接続しつつ後者に固定されているスイベルアーム28によって行われている。各フランジプレート26,27は、スイベルアーム28の一端を挿通するための壁面開口孔をベース21とは反対側の部分に有している。スイベルアーム28の一端における2次ビーム12の揺動は、任意の適切な手段によって達成することができる。シュー20に対するスイベルアーム28の固定は、例えば長手方向フランジプレート27に固定的に取り付けられるとともにスイベルアーム28の半径方向の固定を実行することができるUボルト29により、スイベルアーム28の反対側の端部において実行される。可能な実施形態においては、このUボルト29は、その両腕にねじ部が設けられているU字形の締結要素である。各ねじ部は、固定用ナット30と協働する。このU字形の締結要素は、スイベルアーム28を横切り、かつその両腕はフランジプレート27の水平部分に配置されている孔を介してフランジプレート27を貫通する。各固定用ナット30は、フランジプレート27の貫通孔から突出している締結要素の両腕に螺合する。
これは、シュー20および2次ビーム12が互いに揺動自在に取り付けられることに帰着する。これにより、シュー20に対する2次ビーム12の相対的な方向は、横方向D2に対して垂直な平面内において変化する。相対的な方向がどうであれ、フランジプレート26,27は横方向D2に対して垂直でD1に対して平行なままであり、その一方ではベース21および羽根22,23は横方向D2に対して平行なままである。他方、(2次ビーム12に関連する)長手方向D1がベース21および羽根22、23に対してなす角度は変化する。
要素となるビーム、すなわち1次ビーム11a,11bおよび2次ビーム12と、シュー20とによって形成されるこの組立は、シーブ組立体の支持フレームを構成している。シーブ10a,10bと同様に、シーブ組立体の(要素となるビームの数に応じて変化する数の)全てのシーブが、シーブ組立体の長手方向D1において支持フレームに沿って間隔を空けて配置されている平行な回転軸により、支持フレームに回転自在に取り付けられている。
ベース21の上面24が支持部材15の下面17に対向するとともに羽根22,23が支持部材15の側面18,19に対向する支持部材15の下方の所定位置に脚部が配置された後、シュー20は、固定手段によって支持部材15に固定される。支持部材15の側方における羽根22,23の長手方向D1の位置は、シュー20が横方向D2に平行な軸線の回りで支持部材15に対して回動することを防止する。羽根22,23に対応する側面18,19との間の隙間は、羽根22,23に螺旋状に取り付けられるとともにその端部が側面18、19の表面に当接する調節ねじ35によって調節される。
固定手段は、支持部材15の上面16に付加された締付プレート31と、この締付プレート31をシュー20のベース21に接続する締付ねじ32とから構成された固定具を有している。3本の締付ねじ32は、支持部材15の各側において側面18,19と平行に配置されている。各締付ねじ32は、その下端部がベース21を貫通し、かつその上端部は締付プレート31を貫通している。各締付ねじ32の下端には支持ヘッド33が設けられ、かつその上端にはナット34が設けられている。ベース21および締付プレート31は、支持ヘッド33とナット34との間に挿入されている。ナット34を締め付けると、締付プレート31はシュー20のベース21の方に移動する。締付プレート31が支持部材15に当接しているので、これはシュー20の支持部材15の方への対応する移動に帰着する。したがって、この固定手段は、シュー20のベース21の上面24の、支持部材15の下面17に向かう調節可能で可逆的な相対運動を実行する。調節および可逆性はナット34によって得られる。
図に部分的に示されている支持および案内シーブ組立体は下側タイプのシーブ組立体であり、したがって、示されている2つのシーブ10a,10bは、索を支持して案内するためのローラシーブである。この明細書の残りの部分は、索を押圧しかつ案内するためのローラシーブを備えている上側タイプの押圧および案内シーブ組立体に普通に当てはまる。
パイロンの不正確な建設の結果として、支持部材15の主軸Pの水平状態に不具合が生じることがある。この不具合は、支持部材15の下面17が水平でなく、かつ長手方向D1における第1の傾斜、および/または横方向D2における第2の傾斜が生じることに帰着する。第1の傾斜の場合、下面17に対して垂直なベクトルの水平面上への投影は、前記水平面上におけるD1の垂直投影に対応する第1の水平軸に沿った第1の成分を含む。同様に、第2の傾斜は、下面17に対して垂直なベクトルの水平面上への投影が、前記水平面上におけるD2の垂直投影に対応する第2の水平軸に沿った第2の成分を含むことを意味する。
本発明の機械的調整装置の役割は、第1の傾斜ではなく横方向D2における第2の傾斜を補正し、支持部材15の下面17が横方向D2に傾斜するにもかかわらず、固定後のシュー20のベース21の上面24が横方向D2においていかなる傾斜も示さないことを確実にすることにある。これにより、調整後には、支持部材15の横方向D2の傾斜にかかわらず、上面24に対して垂直なベクトルの水平面上への投影は、前記平面上への横方向D2の鉛直方向の投影に対応する水平軸に沿ったいかなる成分も含まない。
このことを達成するため、本発明の機械的な調整装置は、固定後に得られる支持部材15に対するシュー20の横方向D2の傾斜を調整するための手段を備える。この装置は、支持部材15とシュー20との間の固定を実行する前に、例えばシュー20の上面24と支持部材15の下面17との間に取り付けられる。図1〜図5には、本発明の調整装置の第1実施形態が示されている。そのような調整装置は、シーブ組立体を製作するときに組み込むこともできるし、あるいは任意の既存のシュー20上に追加することもできる。
図面を参照すると、シュー20の上面24と支持部材15の下面17との間に挿入された調整装置は、第1および第2のスペーサ36,37を有している。第1のスペーサ36は、高さが固定されていて、シュー20の上面24の第1領域と支持部材15の下面17との間に挿入されている。第2のスペーサ37は、高さを変化させるためのもので、シュー20の上面24のうち第2の領域と支持部材15の下面17との間に挿入されている。この第2の領域は、第1の領域に対しシーブ組立体の横方向D2に沿ってずれている(オフセットされている)。
シュー20の上面24に対して垂直な方向は、シーブ組立体の縦方向D3に該当している(図1の矢印を参照)。縦方向D3は、横方向D2に対して垂直である。他方、(2次ビーム12に関連する)長手方向D1と(シュー20に関連する)縦方向D3との間の角度は、シュー20に対する2次ビーム12の回動によって変化する。
第1のスペーサ36は、横方向D2に対して垂直に方向付けられている第1の条片38と第2の条片39の縦方向の積重ねによって形成されている。第1の条片38は、上面24から突出するようにベース21に固定的に取り付けられている。第1の条片38の断面は概ね正方形である。第1の条片38は、ベース21の上面24上に溶接される下面40と、支持部材15の下面17に向けられた上面41とを有している。上面41および下面40は、互いに平行でありかつベース21の上面24に対して垂直な2つの側面42,43によって連結されている。側面42はシーブ10a,10bに向けられており、かつ側面43は反対側すなわちパイロンに向けられている。上面41は、第1の条片38の主軸に沿って方向付けられた真っ直ぐな凹部44を有している。凹部44の断面は略半円形である。第2の条片39は、凹部44の断面の半円形の半径と一致する半円柱状の断面を有している。したがって、第2の条片39は、凹部44に当接する半円柱状の形の下面45と、支持部材15の下面17に押圧される平坦な上面46とを有している。
以上の説明から、第1の条片38が、第2の条片39の上面46の中心線に一致する回動軸X1の回りに第2の条片39に対し回動自在であることは明らかである。この回動は、凹部44内において第2の条片39の下面45がスライド自在であることの結果である。したがって、第1のスペーサ36は、横方向D2および縦方向D3に対して垂直な回動軸X1の回りに回動自在に、支持部材15の下面17上に取り付けられている。
第2の条片39が凹部44からはみ出ないことを保証するために、第2の条片39の各端部には保持具が設けられている(図4を参照)。各保持具は、第2の条片39の該当端部に螺合するとともにベース21を向いている連結要素63の一端の固定を実行する固定用ねじ62を有している。芯合わせ具64は、連結要素63の該当端部に垂直に取り付けられて、第1の条片38の該当端部に設けられている保持開口65に入り込んで係合するようになっている。
第2のスペーサ37は、第1および第2の斜めに切断されたくさび47,48の縦方向D3の積重ねによって構成されている。各くさびは、それぞれ49,50で示されている横方向の斜面を有している。第1のくさび47の横方向の斜面49は、ベース21を向く垂直ベクトルを具備した平坦面である。この垂直ベクトルは、横方向D2における第1の成分と縦方向D3における第2の成分を備えている。第2のくさび48の横方向の斜面50は、第1のくさび47の横方向の斜面49に平行な平坦面である。横方向の斜面49,50は逆向きで、相対的にスライドして互いに協働する。
第1のくさび47は、直角三角形の形の断面を有している。その斜辺は横方向の斜面49に対応している。小さい側辺は、第1のスペーサ36に対向する側面51に対応している。より正確に言うと、第1のくさび47の側面51は第1の条片38の側面42に平行である。直角三角形の大きい側辺は、第1のくさび47の上面52に対応している。この上面52は、支持部材15の下面17に押圧されている。
第2のくさび48も、直角三角形の形の断面を有している。斜辺は、横方向の斜面50に対応している。小さい側辺は、シーブ10a,10bを向いている側面53に対応している。直角三角形の大きい側辺は、第2のくさび48の下面54に対応している。下面54は、第2の条片39と平行に方向付けられた真っ直ぐな凹部55を具備している。凹部55の断面は半円形である。
くさび47、48の縦方向の重ね合せによって形成されているこの組立は、第2のスペーサ37と一体的な部分を形成している第3の条片56の上に縦方向D3に取り付けられている。この第3の条片56は、第1および第2の条片38,39と平行である。第3の条片56は、上面24から突出するようにベース21に固定的に取り付けられている。第3の条片56は、半円柱状の断面を有しており、その半径は第2のくさび48の下面54に設けられている凹部55の断面の半円形の半径に一致している。したがって、第3の条片56は、凹部55に入り込む半円柱状の形態の上面57と、ベース21の上面24に溶接される平坦な下面58とを有している。
以上の説明から明らかなように、第2のくさび48は、第3の条片56の下面58の中心線に一致する回動軸X2の回りに回動自在である。この回動は、第3の条片56の上面57が凹部55内でスライド自在であることの結果である。したがって、くさび47、48および第3の条片56から構成されている第2のスペーサ37は、横方向D2および縦方向D3に対して垂直な回動軸X2の回りに回動自在に、シュー20の上面24に取り付けられている。
固定高さの第1のスペーサ36は、支持部材15の下面17と上面24の第1領域との間に挿入される。この第1の領域は、上面24のうち第1の条片38の下面40と接触する領域によって形成されている。高さが変化する第2のスペーサ37は、支持部材15の下面17と上面24のうち第2の領域との間に挿入される部分である。この第2の領域は、上面24のうち条片56の下面58と接触している領域によって形成されている。
シュー20に溶接されるとともに凹部55に受容されている第3の条片56は、第2のくさび48を横方向D2に固定する効果を有している。他方、支持部材15の下面17と平坦な押圧接触の関係にある第1のくさび47の上面52と、横方向の斜面49,50の相対スライドとにより、第1のくさび47は横方向D2に可動である。第1および第2のくさび47,48の相対的な横方向の配置は、ねじ要素61の回転動作によって調整されるが、このねじ要素61は、横方向D2に配置されるとともに、第1のくさび47には螺旋状の接続によって、かつ第2のくさび48には回動と縦方向D3のスライドとの組み合わせによって取り付けられている。第2のくさび48との組み合わせによる接続は、ねじ要素61の主軸回りの回転および縦方向D3の平行移動の互いに独立した動きを可能としている。
ねじ要素61と第2のくさび48との間の組み合わせ接続を達成するために、第2のくさび48の側面53にスペーサ66が追加されて、ねじ要素61の頭部67と第2のくさび48との間に横方向に取り付けられている。ねじ要素61は、第1のくさび47に接触するねじ部分と頭部67との間に介設された溝68を有しているが、その軸線方向の長さはスペーサ66の厚みよりも長い。ねじ要素61は、スペーサ66を横方向D2に貫通し、機能的に必要な隙間を残すために溝68の直径より大きい距離で隔てられた平行縁部を有している縦方向のスロット69を貫通する。ねじ要素61の横方向の配置は、頭部67をスペーサ66に押圧することによって達成される。したがって、溝68はスペーサ66の厚みで横方向に位置決めされるとともに、スロット69の縁部は、ねじ要素61を条片38、39,56に平行な方向に保持する。さらにまた、頭部67にはその基部に環状の縁が設けられている。この環状の縁には、頭部67がスペーサ66に対向するのと同じ側でスペーサ66にねじ込むことにより、ストッパプレート70が取り付けられる。このストッパプレート70は、ねじ要素61の横方向D2における固定を実行する。ねじ要素61は、縦方向のスロット69に沿ってスライドすることによる縦方向D3における平行移動、およびその主軸まわりの回転は自由なままである。
本発明の調整装置は、第1および第2のスペーサ36、37に加えて、第2のくさび48とは反対側において第1のくさび47の横方向の移動の阻止を実行する調節可能な横方向の安全ストッパを備えている。この横方向のストッパは、ねじ要素61が壊れた場合、あるいはねじ要素61と第1のくさび47との間の接続が壊れた場合に、第1のくさび47を横方向D2に保持する。この横方向のストッパは、第1の条片38を横方向D2に貫通するとともに2つの対向表面42、43から出る、少なくとも一つ(図示の実施形態においては2つ)のねじ59の端部によって形成されている。側面42から突出するねじ59の端部は、適切な横方向のストッパを形成する。ねじ59の本体は、第1の条片38と螺旋状に嵌合している。ねじ59のうち側面43から突出している部分は、追加の止めナット60を受け入れている。
図5は、各締付ねじ32の上端側から追加された安全止めナット71が、ナット34に対して配置された状態を示している。締付プレート31上のナット34の押圧方向調節手段は、ナット34と締付プレート31との間に取り付けられている。これらの押圧方向調節手段は、第1のワッシャ72と第2のワッシャ73との積重ねによって形成されている。第1のワッシャ72は、支持部材15の上面16に平坦に接触して押圧する平坦な下面と、球状の皿の形態の上面とを有している。第2のワッシャ73は、ナット34に平坦に接触して押圧する平坦な上面と、第1のワッシャ72の上面に対応する半径を具備した球状ドームの形態の下面とを有している。したがって、第2のワッシャ73は、第1のワッシャ72に関してボールおよびソケットの接続で取り付けられる。この接続は、第1のワッシャ72の上面によって形成された皿において第2のワッシャ73の下面がスライドすることによる。
調整装置を実装した後には、締付ねじ32は支持部材15に対して必ずしも垂直であるというわけではない。支持部材15上のナット34からなる、方向調節可能な押圧手段は、ナット34を締め付ける間における、ナット34によって負荷される押圧力と、締付プレート31上の第1のワッシャ72によって負荷される圧縮力との間の角度が、締付ねじ32の傾斜に等しくなることを保証する。この自動的な作動は、締付ねじ32の角度の変動を補償することにより、支持部材15に負荷される圧縮力が一様でありかつ垂直であることを保証する。
上述した調整装置は、パイロンの不正確な建設の結果として支持部材15が横方向D2における傾斜を呈したときに用いられる。この傾斜は、下面17に対して垂直なベクトルの水平面上への投影が、前記水平面上へのD2の垂直投影に一致する水平軸に沿った成分を含むという事実によって表現される。ナット34を締め付ける前に、2つのスペーサ36、37が取り付けられ、第2のスペーサ37の長さが調整される。この長さを調整する作業が、適切な調整に該当する。この調整は、ナット34を締め付けた後に得られる支持部材15に対するシュー20の横方向D2における傾斜が、水平方向に対する支持部材15の横方向D2における傾斜に等しいようなものでなければならない。このようにして、ナット34を締め付けた後には、上面24に対して垂直なベクトルの水平面上への投影は、前記平面上へのD2の鉛直投影に一致する水平軸に沿ったいかなる成分をも含まない。第2のスペーサ37を適切な長さに調整することにより、作業者は、ナット34を締め付けた後にシュー20の上面24が横方向D2においていかなる傾斜も有しないことを保証する。この結果は、横方向D2における支持部材15の傾斜がどの様なものであっても手に入れることができる。他方、第2のスペーサ37の長さが、支持部材15の横方向D2における傾斜に直接的に左右されることは明らかである。したがって、この調整装置は、固定した後に得られる支持部材15に対するシュー20の傾斜を横方向に調整できるようにする。しかしながら、この調整装置は、支持部材15に対するシュー20の傾斜を長手方向D1に調整できるようにはしない。
図6および図7は、第1および第2のスペーサ36、37の横方向の配置が逆転しているという事実によって第1の実施形態とは異なる、本発明の調整装置の第2実施形態を示している。図6および図7は、第2のスペーサ37の最小長さおよび最大長さに対応した、締め付け後における支持部材15に対するシュー20の横方向D2の最大傾斜α1,α2をそれぞれ示している。
図6において、長さが変化する第2のスペーサ37は、その最小長さに調整されている。この最小長さは、第1のスペーサ36の固定長さよりも短い。第2のスペーサ37が第1のスペーサ36に対してシーブ10a,10bとは反対側に配置されているので、締め付け後における支持部材15のシュー20に対する横方向D2における最大傾斜α1は、負の値となる。図示の実施形態において、α1は実質的に−2度に等しい。
他方、図7においては、第2のスペーサ37がその最大長さに調整されている。この最大長さは、第1のスペーサ36の固定長さよりも長い。締め付け後の支持部材15のシュー20に対する横方向D2における最大傾斜α2は正の値である。図示の実施形態において、α2は実質的に+1度に等しい。本発明の調整装置の第2実施形態においては、オペレータは、締め付け後の支持部材15に対するシュー20の横方向D2における傾斜を、α1およびα2の限度の範囲で変動する値に調整することができるだけである。
本発明の調整装置の第1実施形態を示す、図2中の破断線A−Aに沿った断面図。 本発明の調整装置の第1実施形態を示す側面図。 図1中の円Bの部分を示す拡大詳細図。 図3中の破断線D−Dに沿った断面図。 図1中の円Cの部分を示す拡大詳細図。 横方向の一方の側に最大に傾斜した状態を示す、本発明の調整装置の第2実施形態を示す側面図。 横方向の他方の側に最大に傾斜した状態を示す、本発明の調整装置の第2実施形態を示す側面図。
符号の説明
10 シーブ
11 1次ビーム
12 2次ビーム
13 索受け
14 脱索ストッパ
15 支持部材
16 上面
17 下面
18,19 側面
20 シュー
21 ベース
22,23 羽根
24 上面
25 下面
26,27 フランジプレート
28 スイベルアーム
29 Uボルト
30 固定用ナット
31 締付プレート
32 締付ねじ
33 支持ヘッド
34 ナット
35 調節ねじ
36 第1のスペーサ
37 第2のスペーサ
38 第1の条片
39 第2の条片
40 下面
41 上面
42,43 側面
44 凹部
45 下面
46 上面
47 第1のくさび
48 第2のくさび
49,50 横方向の斜面
51 側面
52 上面
53 側面
54 下面
55 凹部
56 第3の条片
57 上面
58 下面
59 ねじ(ストッパ)
60 止めナット
61 ねじ要素
62 固定用ねじ
63 連結要素
64 芯合わせ具
65 保持開口
66 スペーサ
67 頭部
68 溝
69 スロット
70 ストッパプレート
71 安全止めナット
72 第1のワッシャ
73 第2のワッシャ

Claims (7)

  1. 機械的リフトの空中索を押圧しつつ案内するシーブ組立体のための機械的な調整装置であって、
    前記シーブ組立体は、前記索の方向に平行な前記シーブ組立体の長手方向(D1)に沿って間隔を空けて配置された平行な回転軸の回りを回転するように支持フレーム(11a、11b、12、20)に取り付けられた、前記索を案内するためのローラシーブ(10a、10b)を有し、
    前記支持フレーム(11a、11b、12、20)は、前記リフトのパイロンの支持部材(15)に固定手段(31、32、34)によって固定され、その上面(24)が前記支持部材(15)の下面(17)に対向するシュー(20)を有する、調整装置において、
    前記シーブ(10a、10b)の回転軸に平行に方向付けられる横方向(D2)において、前記固定後に生じる、前記支持部材(15)に対する前記シュー(20)の傾斜を調節するための調整手段を備えていることを特徴とする装置。
  2. 前記調整手段は、
    前記シュー(20)の上面(24)の第1の領域と前記支持部材(15)の下面(17)との間に挿入される固定高さの第1のスペーサ(36)と、
    前記シュー(20)の上面(24)のうち前記第1の領域に対して横方向(D2)にオフセットされた第2の領域と前記支持部材(15)の下面(17)との間に挿入される可変高さの第2のスペーサ(37)とを有していることを特徴とする請求項1に記載した装置。
  3. 前記第2のスペーサ(37)は、互いに協働する上下に逆向きな横方向の斜面(49、50)を有するとともに斜めに切断された第1および第2のくさび(47、48)の積重ねであって、前記シュー(20)の上面(24)に対して垂直な前記シーブ組立体の縦方向(D3)に沿った積重ねから構成され、
    前記第1のくさび(47)は横方向(D2)に可動であり、かつ前記第2のくさび(48)は横方向(D2)に固定されていることを特徴とする請求項2に記載した装置。
  4. 横方向(D2)に配置され、螺旋接続の形態で前記第1のくさび(47)に取り付けられるとともに、回動および縦方向のスライドを組み合わせた接続の形態で前記第2のくさび(48)に取り付けられたねじ要素(61)を備えていることを特徴とする請求項3に記載した装置。
  5. 前記調整手段は、前記第2のくさび(48)の反対側において前記第1のくさび(47)が横方向に移動することを阻止する、調節可能な横方向の安全ストッパ(59)を有することを特徴とする請求項3または4に記載した装置。
  6. 前記第2のスペーサ(37)は、前記シュー(20)の上面(24)に、横方向(D2)に対して垂直な回動軸(X2)の回りに回動自在に取り付けられていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載した装置。
  7. 前記第1のスペーサ(36)は、前記支持部材(15)の下面(17)に、横方向(D2)に対して垂直な回動軸(X1)の回りに回動自在に取り付けられていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載した装置。
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