JP2009051028A - 射出成型による変形を防止するためのコネクタ用ハウジングの構造およびこれを組み込んだコネクタ。 - Google Patents

射出成型による変形を防止するためのコネクタ用ハウジングの構造およびこれを組み込んだコネクタ。 Download PDF

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Abstract

【課題】充填時間の差から生じる反りを防止するコネクタ用ハウジングを提供する。
【解決手段】 ハウジング20は、開口部23を有する箱体形状で、底面部22にはコンタクト端子嵌合孔26を備え、開口部23周囲には、変形を防止する為のフランジ24が形成されており、フランジ24には所定の間隔で溶融樹脂の先走りを抑制する為の湯留め25が設けられている。射出時溶融樹脂がキャビティ内へ充填していくが、湯留め25がフランジ24に対して直角に位置するので、溶融樹脂の流れを乱し充填を遅らせる。同時にフランジ24全体の必要充填量は湯留め25の分増加しており、充填完了時間の遅れをもたらす。先述した抵抗による充填の遅れと相俟って、側面部21と底面部22の充填時間差を縮め、ゲート側から反ゲート側へと整然と充填を完了し、キャビティ全体で一様に凝固収縮が生じる為に反りの発生は生じない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、射出成型による変形を防止するためのコネクタ用ハウジングの構造およびこれを組み込んだコネクタに関するものである。詳しくは、コネクタ用ハウジングが湾曲に反り返るのを防止するものである。
コネクタ用ハウジング(以下単にハウジングと言う場合がある。)は、一組の金型の合い面に彫られたキャビティに溶融樹脂がゲートを通して充填することによって得られる。この時、キャビティ内の場所による充填完了時間に差が生じることで、ハウジングにひけや反り等の変形が生じる場合がある。ひけは肉厚部に生じ、反りはハウジングの長手方向にかけてハウジング全体に生じるのが一般的である。本発明は、反りの防止に関するものなので、以下反りを中心に説明を行なう。
反りの発生メカニズムは次のように説明されている。溶融樹脂の充填完了までの時間にキャビティ内の場所によって時間差が生じる場合に、遅れて充填したところでは遅れて固化収縮を開始し、先に充填固化したところにその収縮力を及ぼす。この収縮力は遅れて固化した方向に作用する引張力であるから、先に充填したところは遅れて充填したところに引張られる結果、成型品に反りが発生するものである。
ここで、コネクタ用ハウジングの構造を分析してみると、開口部を構成する側面部は薄肉の面で構成されており、開口部の反対の位置で側面部に繋がる底面部はコンタクト端子を保持する為に側面部に比べて肉厚に作られている。ゲートは厚み方向の側面部に設けられるのが一般的であるから、ここでは厚み方向の側面部にゲートが設けられているものとして説明を行なう。
側面部のゲートから充填された溶融樹脂は、側面部および底面部を通って順次キャビティ内を充填していき、最後に凡そ反ゲート側の位置で充填を完了する。この時、側面部は底面部に比べて肉厚が薄いので、側面部全体の必要充填量は底面部全体の必要充填量よりも少なく、ゲートを通過した溶融樹脂は、最初に側面部の充填を完了し、遅れて底面部の充填を完了する。つまり側面部と底面部とで充填完了までに時間差が生じる結果、底面部が最終の固化開始部分になり、底面部は側面部に対して固化収縮による作用を及ぼすこととなる。この固化収縮作用によって、コネクタ用ハウジングは長手方向に亘って開口面側に膨らみをもった反りが発生することとなる。
このようなコネクタ用ハウジングの反り発生を防止する手段として特許文献1記載の技術が知られている。この技術は金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填し、溶融樹脂が冷却固化しつつある状態のときに、キャビティ内の成型品の裏面側に圧縮流体を注入するというものである。注入初期は低圧力に制御して樹脂内への圧縮流体の侵入を防止し、その後高圧力に制御して成型品の表面側をキャビティ内面に押圧したまま冷却固化する。これにより、成型品の表面にひけや反りの発生を防止する技術である。
特開平8−66949
しかし、この技術によればハウジングの反りの発生は防止されるけれども、金型に付加する圧縮流体の配管設備、圧縮流体発生設備および圧縮流体の温度や圧力を制御する制御設備等の新たな設備コストが増大するという問題が生じる。また効率化の面から製品の多数個取りが必要であるが、限られた範囲内での配管設備の設置や、これら複数の部分の制御には甚だ技術的な困難が伴なうという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、開口面を有するコネクタ用ハウジングの射出成型によるハウジング全体の底面部側への反り発生を、コストを掛けずに防止することができるコネクタ用ハウジングの構造、およびこれを組み込んだコネクタを提供することを課題とするものである。
(1)上記課題を解決するために本発明のコネクタ用ハウジングは、射出成型によって形成される箱体形状で、該箱体形状の長手方向の一面に開口面を備え、該開口面を画成する側面部および前記開口面に対向し該側面部の一端を閉じる底面部を備え、前記側面部に前記開口面の変形を防止するためのフランジを備える、コネクタ用ハウジングであって、前記側面部に所定の間隔で成型時に溶融樹脂が先走りするのを抑制するための凸形状の湯留めを備えたことを特徴とするコネクタ用ハウジングである。
この(1)記載のコネクタ用ハウジングであれば、金型に大幅な変更は必要無いので、コストを増大させること無く、射出成型によるハウジング全体の底面部側への反りを防止することができる。つまり、開口面の剛性強度を増すためのフランジが開口部周囲に形成されていて、ハウジングの厚み方向の側面部に備わるゲートから充填された溶融樹脂はこのフランジ部および側面部を通過して反対側の側面部に至る。
この時、側面部に備わる湯留めは、側面部を流れる溶融樹脂に対して流れを妨げるように作用する。つまり、湯留めが無ければ順次供給される溶融樹脂はフランジ部および側面部を順次充填していき、底面部を流れる溶融樹脂に対して先走り、いち早く反対側側面部へ至るところであったものが、この湯留めによって、供給される溶融樹脂の一部がこの湯留めの充填に充てられるとともに、流れに対して直角方向に湯留めが位置することで、溶融樹脂の充填方向の流れが乱され、充填速度に遅れが生じることとなる。
即ち、この湯留めは充填量の増加による充填時間の遅延化と、溶融樹脂の充填方向の流れを乱すことによる充填速度の低速化とによって、フランジ部および側面部の溶融樹脂の先走り傾向を修正し、結果的に側面部と底面部との充填速度の均衡化が図られることで、ハウジング全体に亘っての整然とした充填を実現する。その結果、それに伴なう一様凝固を達成するものである。
ここで、ゲートは、溶融樹脂の均等な流れを図ってハウジングの厚み方向の側面に設けてもよいが、本発明はゲートの位置を側面に限定するものではない。ハウジングに求められる機能によって形状が箱体状でない場合には、特にゲートの位置、形状および大きさはこれらフランジの形状、幅および高さ又は湯留めの形状、大きさおよび設置する間隔等に関連付けて決定されるものであることに留意しなければならない。
また、ハウジングの長さや嵌め合うコネクタの大きさによって、開口部は途中に仕切り用の壁が無い場合や、途中に壁が有る場合があるが、本発明は特に壁の有無、壁の個数を限定するものではない。機能上、設計上壁を設ける必要がある場合にはゲート、フランジおよび湯留めの配置等に留意しなければならないことは上述した通りである。
ここで、フランジの説明を行なう。フランジは開口部の変形を防止する為に設けるものであって、開口部の周囲近傍に設けるのが望ましいが、設計上、機能上の制約によって開口部の周囲近傍に設けることができない場合があることに留意しなければならない。フランジは上述した目的のために設けるものであるから、ハウジングの側面に対して板状のものを垂直方向に立設させるのが望ましい。フランジの幅は上述した目的を達成する為には厚みが増すほど望ましいが、過剰な厚みの増加はフランジ部の射出成型時における溶融樹脂の流れを促進させ、これに引き摺られるようにハウジング側面部の湯流れを勢いつけるように作用することとなり、却って従前以上に側面部と底面部との充填完了までの時間に開きが生じることとなる点に留意しなければならない。このような制約の下フランジの幅は0.2〜1.0ミリメートルの範囲内が望ましく、より望ましくは0.3〜0.7ミリメートルの範囲であり、更に一層望ましくは0.3〜0.5ミリメートルの範囲である。
ここで、先走りとは、射出成型時に溶融樹脂が射出圧力によってゲートからキャビティ内へ射出されるのであるが、塊となってキャビティを充填していくその先頭部および先頭部の充填移動を先走りと言う。特に、充填速度の速い部分が先走りとなり易い。
また、湯留めとは、射出成型時に溶融樹脂が射出圧力によってゲートからキャビティ内へ射出されて、溶融樹脂がキャビティを充填移動していく過程で、溶融樹脂の流れを遅延させる目的で設けたものであって、その結果、充填完了時間の早すぎる部分の充填速度の抑制を図ることが可能となる。充填完了時間の遅延は、溶融樹脂の流れに対する抵抗作用を及ぼすことで達成される部分と、必要充填量を増加させることで達成される部分とから成る。
湯留めは上述したような目的の為に設けるものであるから、その形状、大きさおよび設置する位置等は奏する効果の程度を大きく左右する。形状は円柱形、半円形、角柱形、角錐形、波型等が考えられる。大きさ(高さ)は、四角柱の場合を例にとれば、望ましくは0.05〜1.0ミリメートル、より望ましくは0.1〜0.7ミリメートルの範囲であり、更に一層望ましくは0.15〜0.5ミリメートルである。
(2)上記(1)記載のフランジが前記開口面近傍で壁状に備わるコネクタ用ハウジングである。
この(2)記載のコネクタ用ハウジングであれば、上記(1)記載のフランジが前記開口面近傍に備わるので、フランジの効果が効率的に発揮されるとともに、そのフランジに湯留めを備えた場合には、湯止めの効果が最大限奏されることとなる。即ち、開口面の変形量が最大に成る位置に変形力に抗うフランジが存在し、ハウジングの反りの原因となる溶融樹脂の先走りの抑制を底面部から最も遠い位置で行うことで、充填完了時間の時間差を効果的に縮めることができることとなる。
(3)上記(1)記載の湯留めが、(1)又は(2)記載のフランジから隆起する凸状体であるコネクタ用ハウジングである。
この(3)記載のコネクタ用ハウジングであれば、上記(1)記載の湯留めが(1)又は(2)記載のフランジから隆起する凸状体であるので、溶融樹脂の流れを効果的に抑制することができる。即ち、ハウジングの側面部から起立してストレート状に伸びるフランジに、所定の間隔で隆起する凸状体の湯留めが存在することによって、このストレート部の溶融樹脂の流れは乱される。この乱れは溶融樹脂の流れに対して抵抗成分として作用するから、この部分の先走りを抑制し側面部、特にフランジに近い部分の充填完了時間を遅らせることとなる。
本発明によれば底面部に比べて充填速度の速い側面部、特に先走り部であるフランジに溶融樹脂の流れを抑制する為の湯留めを備えることによって、フランジにおける溶融樹脂の先走りの規制が達成される。このことによって側面部全体の溶融樹脂の充填速度が制限を受けることとなり、側面部と底面部との溶融樹脂の充填速度の差が縮まり平均化される結果、ほぼ同時期に充填を完了する。凝固収縮による収縮力の偏在が抑制されることとなり、反りの発生を防ぐことができるコネクタ用ハウジング、およびこのようなコネクタ用ハウジングを装着したコネクタを提供することができた。
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係るコネクタ用ハウジングの外観斜視図である。図1の(A)はハウジングにコンタクト端子を装着していない状態であり、図1の(B)はハウジングにコンタクト端子を装着した状態である。図2はコネクタ用ハウジングのフランジに備わる湯留めの拡大図である。
コネクタ10は、コネクタ用ハウジング20と、このハウジング20に装着したコンタクト端子30とで構成される。
ハウジング20は、一面に開口部23を有する箱体形状で、合成樹脂によって成形されるものである。本実施の形態では耐熱性を考慮して液晶樹脂(LCP:Liquid Crystal Plastic)を使用したがこれに限るものではなく、他に6Tナイロン等を使用してもよい。
ハウジング20は、開口部23を画成する側面部21を備え、四面からなる側面部21の共通する一端で底面部22によって閉じられている。厚み方向に位置する側面部21には射出成型用のゲートが位置する。底面部22にはコンタクト端子30を装着する為のコンタクト端子嵌合孔26が備わっている。
開口部23の奥には空間が広がっており、周囲を囲う四つの側面部21および底面部22によって収容室28が画成されている。この収容室28には、底面部22のコンタクト端子嵌合孔26に嵌合装着されたコンタクト端子30が縦列、横列に整然と配置されている。また、収容室28は複数の壁29によってより小さな収容室毎に仕切られている。
開口部23を画成する側面部21の周囲には、開口部23の変形を防止する為のフランジ24が形成されており、フランジ24の表面には、所定の間隔を空けて溶融樹脂の充填速度を抑制する為の湯留め25が設けられている。
フランジ24は、開口部23を画成する側面部21の開口端に位置し、側面部21に対して垂直方向に起立する板状のものである。射出成型時、溶融樹脂の凝固タイミングの場所による相違によって生じる開口部23の変形を防止するためのものである。
湯留め25は、溶融樹脂の充填完了時間の場所による相違から生じるハウジングの反りを防止する為に設けられたものである。本実施の形態では矩形状の湯留めを等間隔で設けている。
ここで、本発明の発明者が行なったショートショットの実験によって得られた知見を基に、溶融樹脂がキャビティ内へ充填していく様子、およびハウジングに反りが発生するメカニズムを図3〜図5に従って説明する。図3はハウジングの縦断面図である。図3の(A)は図1のA−A断面図であり、図3の(B)は図1のB−B断面図である。図4は、ハウジングのキャビティ内に溶融樹脂が充填していく様子を時間経過を追って模式的に示したものである。図4の(A)は充填開始直後の様子である。図4の(B)は充填が半分を超えたところの様子である。図4の(C)は充填完了直前で、暫く後に溶融樹脂の凝固が始まるところの模式図である。図5はハウジングに反りが発生するメカニズムを模式的に表わしたものである。
射出成型によって、溶融樹脂はゲートを通してキャビティ内の隅々へと充填してハウジング20を形成する(図4)。ハウジング20がコンタクト端子30を強固に保持するのに必要な力を確保する為に、底面部22の肉厚は、側面部21に比べて厚く作られている(図3の(A)、図3の(B))。その結果、溶融樹脂の必要充填量は、側面部21のそれに比べて多くなり、底面部22の充填完了までの時間は、側面部21のそれに比べて長くなる(図4の(A)、図4の(B))。このように底面部22と側面部21との充填完了時間に差が生じることによって、次の段階である溶融樹脂の凝固によって生じる凝固収縮のタイミングにも時間差が生じることとなる(図4の(C))。その結果、遅れて充填した底面部22は遅れて収縮を開始し、既に充填が完了し凝固していた側面部21に対して収縮力を及ぼすこととなる(図5)。この収縮力によって側面部21は底面部22に対して湾曲に反りが生じることとなる。
次に、本発明の発明者が行なった本実施形態に係るハウジングでショートショットの実験によって得られた知見を基に、溶融樹脂がキャビティ内へ充填していく様子、および本実施形態に係るハウジングで反りの発生が防止されるメカニズムを図6〜図8に従って説明する。図6は本実施形態に係るハウジングのキャビティ内に溶融樹脂が充填していく様子を時間経過を追って模式的に示したものである。図6の(A)は充填開始直後の様子である。図6の(B)は充填が半分を超えたところの様子である。図6の(C)は充填完了直前の様子である。図7はキャビティ内に充填が完了した後、凝固収縮が生じている状態の模式図である。図8は反りの発生が防止された本実施形態に係るハウジングの外観斜視図である。
溶融樹脂は、射出によってゲートからキャビティ内へ充填していくが、フランジ24に湯留め25が形成されていることによって、側面部21を流れる溶融樹脂、特にフランジ24を流れる溶融樹脂は、湯留め25によってその流れが抑制される。つまり、湯留め25はフランジ24に対して直角方向に凸状に位置するので、溶融樹脂の整った流れ(整流)を乱す抵抗として作用し、その結果充填を遅らせる。また同時にフランジ24全体の必要充填量は湯留め25の個数だけ増加しているので、湯留め25が無い場合に比べてそれは増加している。この増加分は充填時間の遅れをもたらし、先述した整流を乱す抵抗による充填の遅れと相俟って、側面部21の充填時間と底面部22の充填時間との時間差を縮める作用を果たすことと成る。その結果、キャビティ内で、側面部21と底面部22との間における充填完了時間(充填速度)の差は減少し、ゲート側から反ゲート側へと溶融樹脂は整然と充填を完了していく(図6)。従って、充填完了後の凝固収縮もキャビティ全体で一様に生じる為に全体が中心に向かうように収縮するので反りの発生は生じない(図7、図8)。
次に図9に従って、本発明の実施形態によるコネクタをプリント基板に実装した状態について説明を行なう。コネクタ用ハウジング20には複数個のオス型のコンタクト端子30が装着されており、収容室28内で縦横に整列し図示しないメス型のコンタクト端子を待ち受けている。一方外部に向かっては、90度プリント基板の方向に屈曲し、プリント基板上で更に90度屈曲して接続部31を形成している。
接続部31はプリント基板40上に等間隔で設けられた電気的接続部であるラウンド41に対応するように等間隔で備わっていなければならない。本実施形態の場合には、ハウジング20に反りが発生していないので、ハウジング20に設けられているコンタクト端子嵌合孔26の設置間隔がそのまま接続部31の配置間隔であることが実現されている。その結果、ラウンド41に対して接続部31は、位置ずれを生じることなく高精度の対応を達成できている。
次に図10に従って、プリント基板に実装した本実施形態のコネクタにメス型コネクタが嵌合した状態について説明を行なう。収容室28内で待ち受けるコンタクト端子30に対してメス型コネクタ50に備わる図示しないコンタクト端子30が嵌合して、両コネクタ間で電気的機械的接続が達成される。本実施形態の場合には、ハウジング20に反りが発生していないので、メス型コネクタ50は本実施形態のコネクタ10にスムーズに挿入することができている。
従って、本発明の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(a1)側面部の開口部端に側面部に直角方向に板状のフランジを形成しているので、側面部の剛性強度の向上が図られる。その結果、射出成型による溶融樹脂の凝固タイミングの相違から生じる偏向した収縮力による開口部の変形が発生しにくいハウジングを提供することができた。
(a2)また、フランジに湯留めを設けたことで底面部に比べて溶融樹脂の充填時間の早かった側面部、特に先走り部であるフランジの充填速度の抑制が図られた。その結果、側面部と底面部との充填時間の差異の減少化が達成され、凝固収縮がハウジング全体で一様に進み、反りの発生しにくいハウジングを提供することができた。
なお、本発明は上記記述および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、以下のような別の実施形態(別例)に変更した場合にも本発明の技術的範囲に含まれ、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。
(b1)上記の実施形態では、湯留めの形状は扁平な矩形状であるが、ドーム形状或いは半球形状であってもよい(図11の(A)、図11の(B))。このように構成した場合にも、概ね、上記(a1)および(a2)の効果を奏し得る。
(b2)上記の実施形態では、湯留めは扁平な立方体のみで構成されているが、ドーム形状、半球形状又は立方体を適宜組み合わせた構成であってもよい。このように構成した場合にも、概ね、上記(a1)および(a2)の効果を奏し得る。
(b3)上記の実施形態では、一定の間隔を空けて湯留めが設けられているが、一定の間隔でなくともよい、即ち、順次間隔が広がる場合、順次間隔が狭まる場合或いは間隔が不規則な場合であってもよい。このように構成した場合にも、概ね、上記(a1)および(a2)の効果を奏し得る。
(b4)上記の実施形態では、所定の間隔を空けて湯留めが設けられているが、間隔を空けていなくともよい。例えば、山と谷が連続する波形状であってもよい(図11の(C))。このように構成した場合にも、概ね、上記(a1)および(a2)の効果を奏し得る。
本発明の実施形態によるコネクタ用ハウジングの外観斜視図である。図1の(A)はコネクタ用ハウジングにコンタクト端子が装着される前の状態である。図1の(B)はコネクタ用ハウジングにコンタクト端子が装着された後の状態である。 図1のフランジ部および湯留め部を拡大した拡大図である。 本発明の実施形態によるコネクタ用ハウジングの成型金型のキャビティである。図3の(A)は図1のA−A部分の断面図である。図3の(B)は図1のB−B部分の断面図である。 キャビティ内で溶融樹脂の充填を時間経過ごとに示した模式図である。図4の(A)は射出開始直後の模式図である。図4の(B)は充填が半ば過ぎたところの模式図である。図4の(C)は充填完了直前で、暫く後に溶融樹脂の固化が開始するところの模式図である。 コネクタ用ハウジングに反りが発生するメカニズムを示した模式図である。図5の(A)は溶融樹脂の固化による収縮力の発生部位と方向を示した模式図である。図5の(B)はコネクタ用ハウジングに反りが発生した状態の外観斜視図である。 本発明の実施形態に係るキャビティ内で溶融樹脂の充填を時間経過ごとに示した模式図である。図6の(A)は射出開始直後の模式図である。図6の(B)は充填が半ば過ぎたところの模式図である。図6の(C)は充填完了直前で、暫く後に溶融樹脂の固化が開始するところの模式図である。 図6の(C)に示す充填が完了したコネクタ用ハウジングの溶融樹脂の固化による収縮力の発生状態を示した模式図である。 図6の(C)に示す充填が完了したコネクタ用ハウジングが固化した後で、反りの発生が見られない状態を示した外観斜視図である。 本発明の実施形態によるコネクタ用ハウジングをプリント基板に実装した状態の外観斜視図である。 図9の状態のコネクタ用ハウジングにメス型コネクタが嵌合した状態の外観斜視図である。 上述した本発明の実施形態以外の本発明の別形態の実施形態を示した外観斜視図である。図11の(A)は湯留めの形状が半円形状の実施形態、図11の(B)は湯留めの形状がドーム形状の実施形態、図11の(C)は湯留めが波形状である場合の実施形態である。
符号の説明
10 コネクタ
20 コネクタ用ハウジング(ハウジング)
21 側面部
22 底面部
23 開口部
24 フランジ
25 湯留め
26 コンタクト端子嵌合孔
27 ゲート
28 収容室
29 壁
30 コンタクト端子
31 接続部
40 プリント基板
41 ラウンド
50 メス型コネクタ

Claims (5)

  1. 射出成型によって形成される箱体形状で、
    該箱体形状の長手方向の一面に開口面を備え、
    該開口面を画成する側面部および前記開口面に対向し該側面部の一端を閉じる底面部を備え、
    前記側面部に前記開口面の変形を防止するためのフランジを備える、
    コネクタ用ハウジングであって、
    前記側面部に所定の間隔で成型時に溶融樹脂が先走りするのを抑制するための凸形状の湯留め、
    を備えたことを特徴とするコネクタ用ハウジング。
  2. 請求項1記載のフランジが、前記開口面近傍で壁状に備わるコネクタ用ハウジング。
  3. 請求項1記載の湯留めが、請求項1又は請求項2記載のフランジから隆起する凸形状であるコネクタ用ハウジング。
  4. 請求項1又は請求項3記載の湯留めの高さが、0.05〜1.0ミリメートルの範囲にあることを特徴とするコネクタ用ハウジング。
  5. 請求項1から請求項4記載のコネクタ用ハウジングのうちいずれかのコネクタ用ハウジングを構成要素にするコネクタ。
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