JP2009050530A - 医療用具の接続構造、及び、該接続構造に用いられる雄コネクタ並びに雌コネクタ - Google Patents

医療用具の接続構造、及び、該接続構造に用いられる雄コネクタ並びに雌コネクタ Download PDF

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Abstract

【課題】流体を取り扱う医療用具同士を容易且つ確実に接続可能な接続構造、雄コネクタ、雌コネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ10,50は、係合部20,60を有し、一方の係合部20は、傾斜端面23と立ち上がり端面24とを有する突起22を備え、他方の係合部60は、立ち上がり端面24と当接可能な当接端面64を有する突起62を備え、各係合部20,60には、突起22,62が設けられる突起領域21,61と突起22,62よりも径方向に凹む隣接領域28,68とが連通路Cの軸線周りに設定され、コネクタ10,50の突起領域21,61と隣接領域28,68とは、相対するコネクタ50,10の隣接領域68,28と突起領域61,21とに対応させて配置され、コネクタ10,50の突起領域21,61は、相対するコネクタ50,10の隣接領域68,28以下の角度範囲で設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、医療用具の間に流体を流通させる連通路を形成しつつこれら医療用具同士を接続する医療用具の接続構造、及び、該接続構造に用いられる雄コネクタ並びに雌コネクタに関する。
医療の現場では、例えば輸液用チューブ、輸血用チューブ、カテーテルチューブなどの各種の医療用チューブや、注射器、三方活栓などの、流体を取り扱う医療用具同士を接続して、輸血や薬剤投与などの医療行為が施されている。このような医療用具は、容易且つ確実に接続することを目的として、端部に雌コネクタや雄コネクタが一体的に形成されている。
現在最も一般的に流通している雌コネクタ及び雄コネクタについて説明すると、雌コネクタは、内部にルアーテーパーと呼ばれるテーパー部を有するとともに、外周部にネジ部を有する(例えば、特許文献1及び特許文献2)。また、雄コネクタは、同心に配置されるコネクタ本体と該コネクタ本体に外嵌されるロックリングとで構成される(例えば、特許文献1及び特許文献2)。コネクタ本体は、前記雌コネクタのテーパー部に受け入れられるルアーテーパーと呼ばれるテーパー部を有し、ロックリングは、前記雌コネクタの外周部のネジ部と螺合するネジ部を内周部に有する。
かかる雌コネクタと雄コネクタとは、それぞれのテーパー部同士が接触(若しくは圧接)することで流通路の密閉性が確保されるとともに、それぞれのネジ部同士が螺合することで抜け止めされるものである。
特開2005−466号公報 特開2006−223583号公報
ところで、上述のような従来の接続構造では、ロックリングを締め付ける動作が必要であるが、締め付けが十分でないと、密閉性が損なわれたり、さらには雌コネクタと雄コネクタが外れて接続が解除されてしまうものである。
また、ロックリングの締め付けはネジ部同士の螺合によるものであるため、動作を行う者によって締め付けの程度に差が生じることを有効に防止することができない。しかも、ネジ部同士の螺合では締め付けの程度は段階的にではなく連続的に変化するため、密閉性が損なわれたり接続が解除されたりしない程度に十分ロックリングを締め付けたか否かを動作を行っている者が把握しにくい。そして、仮に接続作業時には十分に締め付けを行ったとしても、時間の経過とともにネジ部同士が滑って結果的に緩んでしまう場合もあり得る。
このように、上述のようないわゆるネジ式の接続構造では、接続不良の発生を好適に防止することができない。
そこで、本発明は、流体を取り扱う医療用具同士を容易且つ確実に接続することができる接続構造、及び、かかる接続構造に用いられる雄コネクタ並びに雌コネクタを提供することを目的とする。
本発明に係る医療用具の接続構造は、係脱可能に構成される一対のコネクタを備え、各コネクタの前方部同士を互いに連結させて、各コネクタの後方部に繋げられる各医療用具の間に流体を流通させる連通路を形成しつつ、これら医療用具同士を接続する医療用具の接続構造であって、各コネクタは、互いに嵌合する態様で連結されるとともに、連結された状態を維持すべく互いに係合可能な係合部を前方部にそれぞれ有し、一方のコネクタの係合部は、嵌合方向に対して傾斜する前方側の傾斜端面と、嵌合方向に直交するか若しくは前記傾斜端面よりも急角度で傾斜する後方側の立ち上がり端面とを有する突起を備え、他方のコネクタの係合部は、一方のコネクタの係合部の立ち上がり端面と当接可能な当接端面を少なくとも有する突起を備え、しかも、前記一方のコネクタの係合部には、前記傾斜端面及び立ち上がり端面を有する突起が設けられる突起領域と、該突起領域に隣接し突起よりも径方向に凹む隣接領域とが、前記連通路の軸線周りに設定されるとともに、前記他方のコネクタの係合部には、前記当接端面を有する突起が設けられる突起領域と、該突起領域に隣接し突起よりも径方向に凹む隣接領域とが前記連通路の軸線周りに設定され、各コネクタの突起領域と隣接領域とは、相対するコネクタの隣接領域と突起領域とにそれぞれ対応させて配置され、且つ、各コネクタの突起領域は、相対するコネクタの隣接領域と同一又はそれ以下の角度範囲で設けられることを特徴とする。
上記構成からなる医療用具の接続構造によれば、コネクタ同士を連結すると、一方のコネクタの係合部の立ち上がり端面と他方のコネクタの係合部の当接端面とが当接した状態となり、コネクタ同士を好適に抜け止めすることができる。
また、一方のコネクタの係合部の突起には傾斜端面が設けられるため、各コネクタの突起領域同士を一致させた状態であっても、コネクタ同士を接近させると他方のコネクタの突起が一方のコネクタの突起の傾斜端面上をスライドする態様とすることができ、コネクタ同士を容易に連結することができる。また、コネクタの連結を行う者は、各コネクタの突起同士が互いを乗り越える際の感覚を認識することができるため、コネクタの連結状態を感覚的にも把握することができる。
そして、各コネクタの突起領域と隣接領域とを一致させた状態とした場合には、各コネクタの突起同士が互いに干渉しない状態となり、この状態から嵌合方向に沿って離間させれば、容易にコネクタを外すことができる。
また、上記医療用具の接続構造は、前記他方のコネクタは、径方向内側に設けられる内周部と、径方向外側に設けられる外周部とを有し、前記内周部は、一方のコネクタの前方部に収容され、前記外周部は、一方のコネクタの前方部を径方向外側から包囲し、前記内周部との間に前記一方のコネクタの前方部を収容する構成が好ましい。
また、前記一方のコネクタは、後方部よりも内径が大きくなるように前方に向かって拡開する拡開部を前方部に有し、該一方のコネクタの拡開部には、前記他方のコネクタの内周部が収容され、前記一方のコネクタの係合部は、前方部の外周に設けられるとともに、前記他方のコネクタの係合部は、前記外周部の内周に設けられ、前記一方のコネクタの後方部の内径と他方のコネクタの前方部が有する内周部の内径とは、略同一に構成されることが好ましい。
このようにすれば、前記一方のコネクタの前方部及び後方部の内径と他方のコネクタの後方部の内径とが略同一に構成されることにより、各コネクタ間には、段差のない連続した管路(即ち、連通路)が形成されることとなる。また、他方のコネクタでは、一方のコネクタと係合する機能が外周部に割り当てられ、一方のコネクタとの間に連通路を形成する機能が内周部に割り当てられるため、それぞれの機能の信頼性を高いものとすることができる。
また、本発明に係る雄コネクタは、雌コネクタの前方部が連結される前方部と医療用具が繋げられる後方部とを有し、該後方部に繋げられる医療用具と前記雌コネクタの後方部に繋げられる医療用具との間に流体を流通させる連通路を形成しつつこれら医療用具同士を接続するのに用いられ、雌コネクタに対して係脱可能に構成される雄コネクタであって、雌コネクタと嵌合する態様で該雌コネクタと連結され、前記前方部には、連結状態を維持すべく雌コネクタと係合する係合部が備えられ、該係合部は、雌コネクタとの嵌合方向に対して傾斜する前方側の傾斜端面と、嵌合方向に直交するか若しくは前記傾斜端面よりも急角度で傾斜する後方側の立ち上がり端面とを有する突起を備え、しかも、前記係合部には、前記傾斜端面及び立ち上がり端面を有する突起が形成される突起領域と、該突起領域に隣接し突起よりも径方向に凹む隣接領域とが前記連通路の軸線周りに設られることを特徴とする。
そして、本発明に係る雌コネクタは、雄コネクタの前方部が連結される前方部と医療用具が繋げられる後方部とを有し、該後方部に繋げられる医療用具と前記雄コネクタの後方部に繋げられる医療用具との間に流体を流通させる連通路を形成しつつ、これら医療用具同士を接続するのに用いられ、雄コネクタに対して係脱可能に構成される雌コネクタであって、雄コネクタと嵌合する態様で該雄コネクタと連結され、前記前方部には、連結状態を維持すべく雄コネクタと係合する係合部が備えられ、該係合部は、雄コネクタとの嵌合方向に対して傾斜する前方側の傾斜端面と、嵌合方向に直交するか若しくは前記傾斜端面よりも急角度で傾斜する後方側の立ち上がり端面とを有する突起を備え、しかも、前記係合部には、前記傾斜端面及び立ち上がり端面を有する突起が形成される突起領域と、該突起領域に隣接し突起よりも径方向に凹む隣接領域とが前記連通路の軸線周りに設られることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、流体を取り扱う医療用具同士を容易且つ確実に接続することができる。
以下に、本発明に係る医療用具の接続構造、及び、該接続構造に用いられる雄コネクタ並びに雌コネクタの実施形態について、図面に基づいて説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態に係る医療用具の接続構造は、図1及び図2に示すように、係脱可能に構成される一対のコネクタ10,50(雌コネクタ10及び雄コネクタ50)を備え、各コネクタ10,50の前方部11,51同士を互いに連結させて、各コネクタ10,50の後方部14,55に繋げられる各医療用具M,Mの間に流体を流通させる連通路Cを形成しつつ、これら医療用具M,M同士を接続するものである。前記各コネクタ10,50は、互いに嵌合する態様で連結されるとともに、連結された状態を維持すべく互いに係合可能な係合部20,60を前方部11,51にそれぞれ有する。
ここで、本発明の実施形態では、一対のコネクタを構成する部位の中で連通路Cを形成するのに供する一対の部位のうち、他方の部位を受け入れる一方の部位を有するコネクタを雌コネクタとし、一方の部位に受け入れられる他方の部位を有するコネクタを雄コネクタとする。具体的には、第一実施形態では、連通路Cを形成するのに供する一方の部位とは、雌コネクタ10の前方部11であり、同他方の部位とは、後述する雄コネクタ50の前方部51の内周部52である。
かかる医療用具の接続構造によって接続される医療用具Mとしては、例えば、輸液用チューブ、輸血用チューブ、カテーテルチューブなどの各種の医療用チューブや、注射器、三方活栓などの、流体を内部で流通させるものが挙げられるが、図面においては、医療用チューブ同士を接続するものを例示している。また、かかる医療用具の接続構造によって流通される流体としては、血液、薬液等の液体や、酸素、窒素、笑気ガス、麻酔ガス等の気体が挙げられる。
図3に示すように、一対のコネクタ10,50のうちの一方のコネクタ(具体的には、雌コネクタ)10の係合部20は、他方のコネクタ(具体的には、雄コネクタ)50との嵌合方向に対して傾斜する前方側の傾斜端面23と、嵌合方向に直交する後方側の立ち上がり端面24とを有する突起22を備える。該突起22は、断面三角形状を有し、傾斜端面23と立ち上がり端面24とによって画成される頂部25は、鋭角に形成される。例えば、突起22の傾斜角度は、45°に設定される。
また、雄コネクタ50の係合部60は、雌コネクタ10との嵌合方向に対して傾斜する前方側の傾斜端面63と、嵌合方向に直交する後方側の立ち上がり端面64とを有する突起62を備える。該突起62は、断面三角形状を有し、傾斜端面63と立ち上がり端面64とによって画成される頂部65は、鋭角に形成される。なお、雄コネクタ50の係合部の立ち上がり端面64は、雌コネクタ10の係合部20の立ち上がり端面64と当接可能な当接端面として機能する。例えば、突起62の傾斜角度は、45°に設定される。
また、前記雌コネクタ10の係合部20には、複数の突起22,22…が嵌合方向に並ぶ態様で設けられる。また、前記雄コネクタ50の係合部60には、前記雌コネクタ10の係合部20に対応して、複数の突起61,61…が嵌合方向に並ぶ態様で設けられる。
なお、前記雌コネクタ10の係合部20には、隣接する二つの突起22,22のうち一方の突起22の傾斜端面23と他方の突起22の立ち上がり端面24とによって、突起22よりも径方向に凹む底部26が画成され、複数の突起22,22間の空間は、雄コネクタ50の突起62を収容する収容空間27となる。
同様に、雄コネクタ50の係合部60には、隣接する二つの突起62,62のうち一方の突起62の傾斜端面63と他方の突起62の立ち上がり端面64とによって、突起62よりも径方向に凹む底部66が画成され、複数の突起62,62間の空間は、雌コネクタ10の突起22を収容する収容空間67となる。
そして、雌コネクタ10の突起22と雄コネクタ50の突起62とは、径方向に少なくとも一部が重複するように設定される。具体的には、各コネクタ10,50の突起22,62は、同一の高さ寸法に設定され、突起22,62同士は、各突起22,62の高さの半分程度の長さ分重複する。
また、図4に示すように、前記雌コネクタ10の係合部20には、前記傾斜端面23及び立ち上がり端面24を有する突起22が形成される突起領域21と、該突起領域21に隣接し突起22よりも径方向に凹む隣接領域28とが、前記連通路Cの軸線周りに設られる。なお、前記連通路Cの軸線は、前記嵌合方向に沿うものである。また、前記雄コネクタ50の係合部60には、前記傾斜端面63及び立ち上がり端面64を有する突起62が形成される突起領域61と、該突起領域61に隣接し突起62よりも径方向に凹む隣接領域68とが、前記連通路Cの軸線周りに設けられる。そして、各コネクタ10,50の突起領域21,61と隣接領域28,68とは、相対するコネクタ50,10の隣接領域68,28と突起領域61,21とにそれぞれ対応させて配置され、即ち、それぞれ対応する角度位置に配置される。しかも、各コネクタ10,50の突起領域21,61は、相対するコネクタ50,10の隣接領域28,68と同等以下の角度範囲で設けられる。
具体的には、前記雌コネクタ10の係合部20は、突起領域21と隣接領域28とが繋がって前記連通路Cの軸線周りに一周する態様で設けられる。即ち、突起領域21と隣接領域28とは、正面視円弧状を有する。また、突起領域21及び隣接領域28は、前記連通路Cを中心にして対向する位置に二箇所ずつ設けられる。なお、雌コネクタ10では、突起領域21が隣接領域28と同一又はそれ以下の角度範囲に亘って形成され、例えば、突起領域21が一箇所当たり54°、隣接領域28が一箇所当たり126°の角度範囲で形成される。
また、前記雄コネクタ50の係合部も同様に、突起領域61と隣接領域68とが繋がって前記連通路Cの軸線周りに一周する態様で設けられる。即ち、突起領域61と隣接領域68とは、正面視円弧状を有する。また、突起領域61及び隣接領域68は、前記連通路Cを中心にして対向する位置に二箇所ずつ設けられる。なお、雄コネクタ50では、突起領域61が隣接領域68と同一又はそれ以上の角度範囲に亘って形成され、例えば、突起領域61が一箇所当たり120°、隣接領域68が一箇所当たり60°の角度範囲で形成される。
ところで、図1〜図4から分かるように、前記雄コネクタ50は、前方部51が二重構造に形成されるものであり、径方向内側に設けられる内周部52と、径方向外側に設けられる外周部53とを有する。前記内周部52は、雌コネクタ10の前方部51に収容される。また、前記外周部53は、雌コネクタ10の前方部51を径方向外側から包囲し、前記内周部52との間に前記雌コネクタ10の前方部11を収容する。
具体的には、前記雌コネクタ10は、後方部14よりも内径が大きくなるように前方に向かって拡開する拡開部12を前方部11に有する。雌コネクタ10の拡開部12には、前記雄コネクタ50の内周部52が収容される。そして、前記雌コネクタ10の係合部20は、前方部11の外周に設けられるとともに、前記雄コネクタ50の係合部60は、前記外周部53の内周に設けられる。しかも、前記雌コネクタ10の後方部14の内径と雄コネクタ50の前方部51が有する内周部52の内径とは、略同一に構成される。
雌コネクタ10の突起22は、前方部11の外周面13から径方向外方に突出する態様で形成される。即ち、前記突起領域21は、前方部11の外周面13よりも外径寸法が大きく形成される領域であり、前記隣接領域28は、突起22よりも外径寸法が小さく形成される領域である。
雄コネクタ50の突起62は、前方部51が有する外周部53の内周面54から径方向内方に突出する態様で形成される。即ち、前記突起領域61は、外周部53の内周面54よりも内径寸法が小さく形成される領域であり、前記隣接領域68は、突起62よりも外径寸法が大きく形成される領域である。
雌コネクタ10の前方部11が有する拡開部12と後方部14とは段差状に設けられ、拡開部12と後方部14との間には、前方側を向く段差面15が形成される。また、雄コネクタ50の内周部52の先端端面52aは、前記雌コネクタ10の段差面15に対応する形状を有し、コネクタ10,50同士が連結されると、前記段差面15と先端端面52aとが隙間なく密に接触する。これにより、流体流通時の密閉性(流体が液体である場合には液密性)が好適に確保される。
なお、雌コネクタ10の前方部11の内周側前方端縁部と、雄コネクタ50の前方部51が有する内周部52の外周側前方端縁部とは、嵌合を容易にすべく、角取りされている。
ところで、雌コネクタ10は、拡開部12を前方部11に有し、該前方部11が連結部分となるものであるが、該連結部分よりも後方側の部分(即ち、後方部14)を基部とすれば、前記連結部分は、基部から前方側に突出する延出部として特定することもできる。また、前記雄コネクタ50の前方部51は、上述のとおり、内周部52と外周部53とを有するものであり、前記内周部52と外周部53との間の空間は、前記雌コネクタ10の延出部を収容する収容空間として特定することもできる。
また、各コネクタ10,50間には、補助的に抜けを防止する補助抜け防止機構80が備えられる。具体的には、補助抜け防止機構80は、雌コネクタ10に備えられる凹部81と、雄コネクタ50に備えられ、前記凹部81に嵌まり込む突出部82とで構成され、これら突出部82及び凹部81は、前記連通路Cの軸線に対して交差する方向(具体的には、径方向)に沿って設けられる。なお、凹部81が雌コネクタ10に備えられ、突出部82が雄コネクタ50に備えられるものであってもよい。
より具体的には、補助抜け防止機構80は、雌コネクタ10の前方部11が有する拡開部12の内周と雄コネクタ50の前方部51が有する内周部52の外周との間に形成される。そして、突出部82が雄コネクタ50の内周部52の外周に設けられ、凹部81が雌コネクタ10の拡開部12の内周に設けられる。
ところで、前記雄コネクタ50の突出部82は、突起62よりも後方に設けられるとともに、雌コネクタ10の凹部81は、突起22よりも前方に設けられる。また、前記雄コネクタ50における突出部82と最も後方の突起62の立ち上がり端面64との前後方向距離と、前記雌コネクタ10における凹部81と最も前方の突起22の立ち上がり端面24との前後方向距離とは、略同一に設定される。従って、嵌合の際には、各コネクタ10,50の全ての突起22,62同士が係合しあった状態となった際に突出部82と凹部81とが嵌り合うこととなる。突出部82と凹部81とが嵌り合うと、突起22,62同士の係合とは異なる衝撃又は振動が生じ、それが操作者に伝達されて感覚的に認識される。このため、補助抜け防止機構80は、コネクタ10,50同士が良好に嵌合したことを確認するための確認手段としても機能する。
また、図2及び特に図4に示されるように、前記各コネクタ10,50間には、相対的に回転するのを規制する回転規制機構90が備えられ、該回転規制機構90は、各コネクタ10,50の突起領域21,61同士が一致する配置関係から隣接領域28,68同士が一致する配置関係(又はその逆)に変化するのを妨げるように機能する。
具体的には、回転規制機構90は、雌コネクタ10の突起22の周方向端部91と、雄コネクタ50の突起領域61と隣接領域68との境界部分に設けられる干渉部92とで構成される。より具体的には、前記干渉部92は、前記雄コネクタ50の突起62の周方向端部に設けられる干渉壁であり、該干渉部92に対して雌コネクタ10の突起22の周方向端部91が当接することで、コネクタ10,50同士の回転が規制される。
なお、二重構造の前方部51を有する雄コネクタ50を製造する方法としては、内周部52と外周部53とを一体的に成形する方法のほか、内周部52と外周部53とを別々に成形した後に一体化する方法が考えられる。
次に、上記構成からなるコネクタ10,50の使用方法について説明する。
まず、コネクタ10,50同士を連結する際には、各コネクタ10,50の突起領域21,61同士を一致させた状態で対向させ、雄コネクタ50の前方部51を雌コネクタ10の前方部11に挿入する。(なお、挿入するコネクタが逆であってもよい。)このとき、各コネクタ10,50は、傾斜端面23,63同士が摺接し、突起22,62の頂部25,65同士が互いを乗り越えつつ嵌合する。そして、雌コネクタ10の段差面15と雄コネクタ50の内周部52の先端端面52aとが当接する位置まで挿入されると、雄コネクタ50に備えられる突出部82が雌コネクタ10に備えられる凹部81に嵌まり込む。
次に、コネクタ10,50同士を分離する際には、各コネクタ10,50同士を周方向に相対回転させ、雌コネクタ10の突起に雄コネクタ50の干渉部92を乗り越えさせる。そして、各コネクタ10,50の突起領域21,61と隣接領域28,68とがそれぞれ一致する状態としてから、嵌合方向に沿って互いに離間する方向に相対変位させて、コネクタ10,50を外す。
なお、回転規制機構としては、上述の構造のもの以外にも、種々のものが考えられる。
例えば、図5に示すように、回転規制機構90’としては、雄コネクタ50に備えられる突出部91’と、雌コネクタ10に備えられ、突出部91’が嵌まり込む凹部92’とで構成されるものが考えられ、これら突出部91’及び凹部92’は、前記径方向に対して交差する方向(具体的には、軸線方向若しくは嵌合方向)に沿って設けられる。なお、凹部92’が雄コネクタ50に備えられ、突出部91’が雌コネクタ10に備えられるものであってもよい。
具体的には、回転規制機構90’は、雌コネクタ10の前方部11が有する拡開部12の内周と雄コネクタ50の前方部51が有する内周部52の外周との間に形成される。そして、突出部91’が雌コネクタ10の内周部52の外周に設けられ、凹部92’が雌コネクタ10の拡開部12の内周に設けられる。より具体的には、雄コネクタ50の突出部91’は、内周部52の前方端縁部を一端側として形成され、雌コネクタ10の凹部92’は、拡開部12の前方端縁部を一端側として形成される。なお、突出部91’は、補助抜け防止機構80を構成する突出部82と接続して形成される。また、凹部92’は、補助抜け防止機構80を構成する凹部81と接続して形成される。
このように形成されることにより、コネクタ10,20同士を連結する際に、各コネクタ10,50の凹部92’と突出部91’とを一致させてから嵌合方向に接近させた場合には、これら突出部91’及び凹部92’は、コネクタ10,50同士を嵌合させる際のガイド機構として機能する。また、コネクタ10,50同士を連結する際に、突出部91’及び凹部92’を一致させない状態で嵌合方向に接近させた場合には、嵌合後にコネクタ10,50同士を相対回転させると、突出部91’と凹部92’とが嵌り合うこととなる。突出部91’と凹部92’とが嵌り合うと、各コネクタ10,50の突起22,62同士の係合とは異なる衝撃又は振動が生じ、それが操作者に伝達されて感覚的に認識される。このため、回転規制機構90’は、コネクタ10,50同士が適正な配置関係となったことを確認するための確認手段としても機能する。
かかるコネクタ10,50は、コネクタ10,50同士を分離する際には、各コネクタ10,50を周方向に相対回転させ、雌コネクタ10の凹部92’に嵌まり込んでいた雄コネクタ50の突出部91’を前記凹部92’から脱離させる。そして、各コネクタ10,50の突起領域21,61と隣接領域28,68とがそれぞれ一致する状態としてから、嵌合方向に沿って互いに離間する方向に相対変位させると、コネクタ10,50が外れる。
また、その他の例としては、図6に示すように、回転規制機構90”は、コネクタ10,50同士を嵌合させた際に雌コネクタ10の突起22の頂部25と径方向に対向する雄コネクタ50の部位が、突起62”の周方向端部ほど周方向中央部よりも径方向に迫り出す構成のものが考えられる。なお、図6においては、雌コネクタ10は、二点鎖線によって輪郭のみ示される。具体的には、雄コネクタ50の係合部60”に形成される底部67”が、突起62”の周方向両端部ほど周方向中央部よりも連通路の中心に近い位置にくるように形成される。正面から見た際の底部67”の形状は、楕円形状を有する。
かかるコネクタ10,50は、コネクタ10,50同士の相対的な角度位置が適正な角度範囲内にある場合には、雌コネクタ10の突起22の頂部25と雄コネクタ50の底部67”とが当接しないが、コネクタ10,50同士の相対的な角度位置が適正な角度範囲内から逸脱すると、雌コネクタ10の突起22の頂部25と雄コネクタ50の底部67”とが当接するようになり、適正な角度範囲からの逸脱角度が大きくなればなるほどより強く当接することとなる。
また、各コネクタ10,50の素材としては、任意の素材が用いられるが、少なくとも各コネクタの前方部は、連結の際には各突起の頂部同士が互いを乗り越えることができる程度に変形可能である一方、連結の際とは逆方向に力を作用させても各突起が変形せず、立ち上がり端面同士が当接した状態を維持可能な硬さの素材、例えばポリカーボネート等を用いるのが好適である。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態について説明する。図7及び図8に示すように、第二実施形態に係る医療用具の接続構造、雌コネクタ110、雄コネクタ150は、第一実施形態よりも従来の医療用具の接続構造に近いものである。
具体的には、雄コネクタ150は、コネクタ本体152及びロックリング153の二部材で構成される。また、雄コネクタ150のコネクタ本体152は、前方部151の外周がテーパー状に形成されるとともに、雌コネクタ110は、内周がテーパー状に形成され、コネクタ110,150同士を連結した際には、雄コネクタ150のコネクタ本体152が雌コネクタ110に収容される態様となる。ところで、雄コネクタ150のコネクタ本体152は、雌コネクタ110よりもテーパー角が大きく設定され、コネクタ本体152と雌コネクタ110とを嵌合させると、雌コネクタ110の開口端縁部とコネクタ本体152の外周面とが当接する。
前記雄コネクタ150は、ロックリング153がコネクタ本体152を係止可能に構成され、ロックリング153に係止部157が設けられるとともにコネクタ本体152に被係止部156が設けられる。そして、コネクタ本体152と雌コネクタ110とを嵌合させた状態で、コネクタ本体152に外嵌されるロックリング153と雌コネクタ110とを嵌合させると、コネクタ本体152がロックリング153に係止されることで雌コネクタ110に向かって押圧され、コネクタ本体152と雌コネクタ110とが密に接続される。
前記各コネクタ110,150は、互いに嵌合する態様で連結されるとともに、連結された状態を維持すべく互いに係合可能な係合部120,160を前方部111、151にそれぞれ有する。雄コネクタ150の係合部120は、コネクタ本体152及びロックリング153のうちロックリング153に設けられる。具体的には、雄コネクタ150の係合部120は、ロックリング153の内周に設けられる。また、雌コネクタ110の係合部120は、前方部111の外周に設けられる。ただし、各コネクタ110,150の係合部120,160が設けられる部位は、これ以外にも様々なものが考えられ、コネクタ110,150同士が対向する部位であれば、いずれかの部位であっても設けることが可能である。
なお、第二実施形態にかかる雌コネクタ110及び雄コネクタ150に設けられる突起122,162の構造は、第一実施形態のものと同様である。また、上記第一実施形態と同様に、各コネクタ110,150の係合部120,160には、突起122,162が設けられる突起領域と隣接領域とが前記連通路の軸線周りに設定される。そして、上記第一実施形態と同様に、回転規制機構や補助抜け防止機構等が適宜設けられる。また、上記構成からなるコネクタの使用方法、即ち、コネクタ同士を連結する際及びコネクタ同士を分離する(コネクタを外す)際の動作も、上記第一実施形態のものと基本的に同様である。これら第一実施形態と同様の点については、説明を割愛する。
<第三実施形態>
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態は、図9〜図11に示すように、一対のコネクタ210,250に特徴を有する。以下、具体的に説明する。
まず、雄コネクタ250は、上記第一実施形態の場合と同様に、前方部251が二重構造に形成されるものであり(図10参照)、径方向内側に設けられる内周部252と、径方向外側に設けられる外周部253とを有する。そして、外周部253のうち係合部260が設けられる部分よりもその他の部分が容易に変形可能に構成される(図11参照)。
前記外周部253は、軟質部分と硬質部分とで構成される。具体的には、前記雄コネクタ250は、図9に示すように、突起262が形成される突起形成体270と、該突起形成体270と一体的に連結される変形可能な変形体271とで構成され、変形体271は、突起形成体270よりも軟質に形成される。また、前記突起形成体270と変形体271との間には、これらを一体的に連結する一体連結手段273が備えられる。具体的には、一体連結手段273は、変形体271に設けられる鉤部274と、該鉤部274を受け入れる鉤孔275とで構成される。
前記突起形成体270の素材としては、例えばポリカーボネート樹脂等を用いるのが好適である。一方、変形体271の素材としては、ポリ塩化ビニルやシリコーン、ポリウレタン等を用いるのが好適である。
また、各コネクタ210,250間には、一対のコネクタ210,250のうち一方が他方を回転不能に保持する保持機構290が備えられる。具体的には、雄コネクタ250には、軸線方向に沿って前方から後方側に延びる溝状の保持部291が設けられ、雌コネクタ210には、前記保持部291に保持される突起状の被保持部292が設けられる。
雄コネクタ250の保持部291は、内周面254から径方向外方に向かって延びるように形成される。また、雌コネクタ210の被保持部292は、雄コネクタ250を変形させない通常状態では、先端部が雄コネクタ250の保持部291に収容され、雄コネクタ250を変形させた変形状態では、基端部まで雄コネクタ250の保持部291に収容される。
雌コネクタ210の被保持部292は、外周面213から所定の長さ突出するように形成され、雄コネクタ250の保持部291の深さ寸法は、雌コネクタ210の被保持部292の突出寸法に対応して設けられる。
なお、第三実施形態にかかる雌コネクタ210及び雄コネクタ250に設けられる突起222,262の構造は、第一実施形態のものと同様である。また、上記第一実施形態と同様に、各コネクタ210,250の係合部220,260には、突起222,262が設けられる突起領域221,261と隣接領域228,268とが前記連通路Cの軸線周りに設定される。そして、上記第一実施形態と同様に、補助抜け防止機構280(凹部281及び突出部282)等が適宜設けられる。これら第一実施形態と同様の点については、説明を割愛する。
次に、上記構成からなるコネクタの使用方法について説明する。
まず、コネクタ210,250同士を連結する際には、上記第一実施形態の場合と同様であり、例えば、各コネクタ210,250の突起領域221,261同士を一致させた状態で対向させ、雄コネクタ250の前方部251を雌コネクタ210の前方部211に挿入する。
一方、コネクタ210,250同士を分離する際には、雄コネクタ250の軟質部分である変形体271を両側から押圧し、硬質部分(即ち、係合部260)が連通路Cから径方向外方に変位するように変形させる。すると、雄コネクタ250の突起222が雌コネクタ210の突起262から離間し、各コネクタ210,250の突起222,262同士が噛み合っていた状態から噛み合わない状態となる。この状態から、嵌合方向に沿って互いに離間する方向に相対変位させて、コネクタ210,250を外す。
なお、外周部253のうち前記係合部260が設けられる部分よりもその他の部分が容易に変形可能に構成されるものであれば、上述のような突起形成体270と変形体271とで構成されるものでなくてもよい。例えば、外周部253のいずれかの部位を肉薄に成形して、外周部253に加えられる押圧力をその肉薄な部分に集中的に作用させることにより、外周部253が変形するものであってもよい。
以上のように、本実施形態に係る接続構造、及び、雄コネクタ並びに雌コネクタによれば、流体を取り扱う医療用具同士を容易且つ確実に接続することができる。
即ち、上記構成からなる医療用具の接続構造によれば、コネクタ同士を連結すると、一方のコネクタ(即ち、雌コネクタ)の係合部の立ち上がり端面と他方のコネクタ(即ち、雄コネクタ)の係合部の当接端面とが当接した状態となり、コネクタ同士を好適に抜け止めすることができる。
また、一方のコネクタの係合部の突起には傾斜端面が設けられるため、各コネクタの突起領域同士を一致させた状態であっても、コネクタ同士を接近させると他方のコネクタの突起が一方のコネクタの突起の傾斜端面上をスライドする態様とすることができ、コネクタ同士を容易に連結することができる。また、コネクタの連結を行う者は、各コネクタの突起同士が互いを乗り越える際の感覚を認識することができるため、コネクタの連結状態を感覚的にも把握することができる。
そして、各コネクタの突起領域と隣接領域とを一致させた状態とした場合には、各コネクタの突起同士が互いに干渉しない状態となり、この状態から嵌合方向に沿って離間させれば、容易にコネクタを外すことができる。
さらに、前記一方のコネクタの前方部及び後方部の内径と他方のコネクタの後方部の内径とが略同一に構成される場合には、各コネクタ間には、段差のない連続した管路(即ち、連通路)が形成されることとなる。このため、流体の性状に悪影響を与えることなく連通路の中を流体を流通させることができる。具体的には、連通路の接続部分に段差が存在する場合、連通路の上流側から下流側に流通する流体の流れが段差部分において乱れることとなる。このため、例えば流通される流体が血液である場合には、血液中の血小板が損傷するなどの不都合が生じ得る。また、例えば従来のルアーテーパーを有するコネクタの場合には、テーパー角度が僅かに異なることによって一対のコネクタのテーパー部間に隙間が存在する。このため、この隙間の中に例えば液体に含まれる物質が詰まってしまうなどの不都合もある。この点、上述のように内径を設定した場合には、そのようなことがない。
また、他方のコネクタでは、一方のコネクタと係合する機能が外周部に割り当てられ、一方のコネクタとの間に連通路を形成する機能が内周部に割り当てられるため、それぞれの機能の信頼性を高いものとすることができる。
さらに、上記第一実施形態や第三実施形態における雄コネクタは、内周部と外周部とが一体的に構成されるものであるため、取り扱いが容易である。
なお、本発明に係る医療用具の接続構造、及び、該接続構造に用いられる雄コネクタ並びに雌コネクタは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、医療用具として医療用チューブ同士を接続するものを例示したが、これに限定されず、他にも注射器、三方活栓などが挙げられる。そして、各コネクタは、これら医療用具とは別の部材として設けられるものであってもよく、医療用具の一部分として一体的に設けられるものであってもよい。
また、一対のコネクタの係合部に設けられる突起は、上述のものに限定されず、図12に示すようなものであってもよい。具体的に説明すると、図12(A)のものでは、いずれか一方のコネクタの突起322が間隔を置いて形成され、底部326が所定の幅を有するとともに、他方のコネクタの突起362は、頂部365が所定の幅を有する。また、図12(B)のものでは、いずれか一方のコネクタの突起422は、傾斜端面423及び立ち上がり端面424を有するものの、他方のコネクタの突起462は傾斜端面を有さず、一方のコネクタの係合部の立ち上がり端面と当接可能な当接端面(若しくは、立ち上がり端面)464のみを有する。さらに、図12(C)のものでは、いずれか一方のコネクタの突起522が他方のコネクタの突起562に比べて少なく形成される。さらに、突起は複数設けられるものでなく、一つのみ設けられるものであってもよい。
そして、上記実施形態においては、前記他方のコネクタが内周部及び外周部の二重構造を有するとともに、一方のコネクタはそれに対応する形状を有するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、図13に示すような一対のコネクタであってもよい。この他方のコネクタ(雄コネクタ)650は、一方のコネクタ(雌コネクタ)610の前方部611の拡開部612に収容される小径の前方部651を有する。そして、一方のコネクタ610の係合部620は、拡開部612の内周に設けられるとともに、他方のコネクタ650の係合部660は、前方部651の外周に設けられる。
なお、上記実施形態においては、コネクタ同士の間に回転規制機構が設けられるものとして説明したが、回転規制機構は必須の構成要素ではなく、コネクタ同士の接触部分に発生する摩擦によって回転が規制されるものであってもよい。
また、上記実施形態においては、コネクタ同士を連結する際には、各コネクタの突起領域同士を一致させた状態で対向させ、雄コネクタの前方部を雌コネクタの前方部に挿入し、各コネクタは、傾斜端面同士を摺接させて、突起の頂部同士が互いを乗り越えつつ嵌合させるものとして説明した。ただし、これに限定されるものではなく、各コネクタの隣接領域同士を一致させた状態で対向させ、雄コネクタの前方部を雌コネクタの前方部に挿入した後、コネクタ同士を回転させて、一方のコネクタの係合部の立ち上がり端面と当接端面とを当接させた状態とするものであってもよい。
さらに、上記実施形態においては、補助抜け防止機構80を構成する突出部82が雄コネクタ50の一部位として一体的に設けられるものであったが、これに限定されるものではなく、弾力性を有する環状部材(いわゆるゴム製のOリング)を別途用いて構成されるものであってもよい。かかる環状部材を用いれば、補助抜け防止機構を構成する凹部に圧接し、また、大きな摩擦力を発揮するため、コネクタ同士をより好適に抜け止めすることができる。このような環状部材を用いた構成は、特に高い圧力で流体を流通させる場合(例えば、心臓バイパス手術等において高い血圧の血液を流通させる場合)に効果的である。
そして、上記実施形態においては、突起領域及び隣接領域は、前記連通路を中心にして対向する位置に二箇所ずつ設けられるものであったが、これに限定されるものではなく、二箇所より多く設けられるものであってもよく、一箇所のみ設けられるものであってもよい。また、突起領域及び隣接領域の角度範囲は、上述した数値に限定されるものではない。突起の傾斜角度に関しても同様である。
本発明の第一実施形態に係る医療用具の接続構造の断面側面図を示す。 同実施形態に係る一対のコネクタの斜視図であって、(A)は、雌コネクタを示し、(B)は、雄コネクタを示す。 同実施形態に係る一対のコネクタの断面側面図であって、(A)は、雌コネクタを示し、(B)は、雄コネクタを示す。 同実施形態に係る一対のコネクタの正面図であって、(A)は、雌コネクタを示し、(B)は、雄コネクタを示す。 同実施形態に係る医療用具の接続構造に備えられる回転規制機構の他の具体例の図であって、(A)は、雌コネクタの部分正面図を示し、(B)は、雌コネクタの部分断面側面図を示し、(C)は、雄コネクタの部分正面図を示し、(D)は、雄コネクタの部分断面側面図を示す。 同実施形態に係る医療用具の接続構造に備えられる回転規制機構のさらに他の具体例の正面図を示す。 本発明の第二実施形態に係る医療用具の接続構造の断面側面図を示す。 同実施形態に係る一対のコネクタの断面側面図であって、(A)は、雌コネクタを示し、(B)は、雄コネクタを示す。 本発明の第三実施形態に係る医療用具の接続構造に用いられる雄コネクタ及び雌コネクタの正面図であって、(A)は、雌コネクタを示し、(B)は、雄コネクタを示す。 同実施形態に係る一対のコネクタの部分断面側面図であって、(A)は、雌コネクタを示し、(B)は、雄コネクタを示す。 同実施形態に係る一対のコネクタを外す方法を説明する正面図であって、(A)は、一対のコネクタの連結状態を示し、(B)は、一対のコネクタを外すべく雄コネクタを変形させた状態を示す。の断面側面図を示す。 本発明の他の実施形態に係る一対のコネクタに設けられる突起の変形例を説明する部分断面側面図を示す。 本発明の他の実施形態に係る一対のコネクタの断面側面図であって、(A)は、雌コネクタを示し、(B)は、雄コネクタを示す。
符号の説明
10…雌コネクタ、11…前方部、12…拡開部、13…外周面、14…後方部、15…段差面、20…係合部、21…突起領域、22…突起、23…傾斜端面、24…立ち上がり端面、25…頂部、26…底部、27…収容空間、28…隣接領域、50…雄コネクタ、51…前方部、52…内周部、52a…先端端面、53…外周部、54…内周面、60…係合部、61…突起領域、62…突起、63…傾斜端面、64…立ち上がり端面、65…頂部、66…底部、67…収容空間、68…隣接領域、80…補助抜け防止機構、81…凹部、82…突出部、90…回転規制機構、91…周方向端部、92…干渉部、90’…回転規制機構、91’…突出部、92’…凹部、60”…係合部、62”…突起、67”…底部、90”…回転規制機構、110…雌コネクタ、111…前方部、120…係合部、122…突起、150…雄コネクタ、160…係合部、162…突起、150…雄コネクタ、151…前方部、152…コネクタ本体、153…ロックリング、156…被係止部、157…係止部、210…雌コネクタ、211…前方部、213…外周面、220…係合部、221…突起領域、222…突起、228…隣接領域、250…雄コネクタ、251…前方部、252…内周部、253…外周部、254…内周面、260…係合部、261…突起領域、262…突起、268…隣接領域、270…突起形成体、271…変形体、273…一体連結手段、274…鉤部、275…鉤孔、280…防止機構、281…凹部、282…突出部、290…保持機構、291…保持部、292…被保持部、322…突起、326…底部、362…突起、365…頂部、422…突起、423…傾斜端面、424…端面、462…突起、522…突起、562…突起、610…コネクタ、611…前方部、612…拡開部、620…係合部、650…コネクタ、651…前方部、660…係合部、C…連通路、M…医療用具

Claims (5)

  1. 係脱可能に構成される一対のコネクタを備え、各コネクタの前方部同士を互いに連結させて、各コネクタの後方部に繋げられる各医療用具の間に流体を流通させる連通路を形成しつつ、これら医療用具同士を接続する医療用具の接続構造であって、
    各コネクタは、互いに嵌合する態様で連結されるとともに、連結された状態を維持すべく互いに係合可能な係合部を前方部にそれぞれ有し、
    一方のコネクタの係合部は、嵌合方向に対して傾斜する前方側の傾斜端面と、嵌合方向に直交するか若しくは前記傾斜端面よりも急角度で傾斜する後方側の立ち上がり端面とを有する突起を備え、
    他方のコネクタの係合部は、一方のコネクタの係合部の立ち上がり端面と当接可能な当接端面を少なくとも有する突起を備え、
    しかも、前記一方のコネクタの係合部には、前記傾斜端面及び立ち上がり端面を有する突起が設けられる突起領域と、該突起領域に隣接し突起よりも径方向に凹む隣接領域とが、前記連通路の軸線周りに設定されるとともに、
    前記他方のコネクタの係合部には、前記当接端面を有する突起が設けられる突起領域と、該突起領域に隣接し突起よりも径方向に凹む隣接領域とが前記連通路の軸線周りに設定され、
    各コネクタの突起領域と隣接領域とは、相対するコネクタの隣接領域と突起領域とにそれぞれ対応させて配置され、且つ、各コネクタの突起領域は、相対するコネクタの隣接領域と同一又はそれ以下の角度範囲で設けられることを特徴とする医療用具の接続構造。
  2. 前記他方のコネクタは、径方向内側に設けられる内周部と、径方向外側に設けられる外周部とを有し、
    前記内周部は、一方のコネクタの前方部に収容され、
    前記外周部は、一方のコネクタの前方部を径方向外側から包囲し、前記内周部との間に前記一方のコネクタの前方部を収容することを特徴とする請求項1に記載の医療用具の接続構造。
  3. 前記一方のコネクタは、後方部よりも内径が大きくなるように前方に向かって拡開する拡開部を前方部に有し、
    該一方のコネクタの拡開部には、前記他方のコネクタの内周部が収容され、
    前記一方のコネクタの係合部は、前方部の外周に設けられるとともに、前記他方のコネクタの係合部は、前記外周部の内周に設けられ、
    前記一方のコネクタの後方部の内径と他方のコネクタの前方部が有する内周部の内径とは、略同一に構成されることを特徴とする請求項2に記載の医療用具の接続構造。
  4. 雌コネクタの前方部が連結される前方部と医療用具が繋げられる後方部とを有し、該後方部に繋げられる医療用具と前記雌コネクタの後方部に繋げられる医療用具との間に流体を流通させる連通路を形成しつつこれら医療用具同士を接続するのに用いられ、雌コネクタに対して係脱可能に構成される雄コネクタであって、
    雌コネクタと嵌合する態様で該雌コネクタと連結され、
    前記前方部には、連結状態を維持すべく雌コネクタと係合する係合部が備えられ、
    該係合部は、雌コネクタとの嵌合方向に対して傾斜する前方側の傾斜端面と、嵌合方向に直交するか若しくは前記傾斜端面よりも急角度で傾斜する後方側の立ち上がり端面とを有する突起を備え、
    しかも、前記係合部には、前記傾斜端面及び立ち上がり端面を有する突起が形成される突起領域と、該突起領域に隣接し突起よりも径方向に凹む隣接領域とが前記連通路の軸線周りに設られることを特徴とする雄コネクタ。
  5. 雄コネクタの前方部が連結される前方部と医療用具が繋げられる後方部とを有し、該後方部に繋げられる医療用具と前記雄コネクタの後方部に繋げられる医療用具との間に流体を流通させる連通路を形成しつつ、これら医療用具同士を接続するのに用いられ、雄コネクタに対して係脱可能に構成される雌コネクタであって、
    雄コネクタと嵌合する態様で該雄コネクタと連結され、
    前記前方部には、連結状態を維持すべく雄コネクタと係合する係合部が備えられ、
    該係合部は、雄コネクタとの嵌合方向に対して傾斜する前方側の傾斜端面と、嵌合方向に直交するか若しくは前記傾斜端面よりも急角度で傾斜する後方側の立ち上がり端面とを有する突起を備え、
    しかも、前記係合部には、前記傾斜端面及び立ち上がり端面を有する突起が形成される突起領域と、該突起領域に隣接し突起よりも径方向に凹む隣接領域とが前記連通路の軸線周りに設られることを特徴とする雌コネクタ。
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