JP2009049869A - 移動端末受付制御方法、無線基地局装置、および無線パケット通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記移動端末から帯域割当を要求する帯域割当要求パケットを受信した場合に、予め設定された最大移動端末数で、総チャネル占有時間を割ることによって一台の移動端末に割り当て可能な単位チャネル占有時間を算出し、前記帯域割当要求パケットに含まれる情報に基づいて前記移動端末が要求する要求チャネル占有時間を算出し、前記要求チャネル占有時間が、前記単位チャネル占有時間よりも大きい場合には帯域割当を拒否し、それ以外の場合には、帯域割当を許可した各移動端末のチャネル占有時間の総和に基づいて利用可能な余剰チャネル占有時間を算出し、前記要求チャネル占有時間が前記余剰チャネル占有時間以内である場合に限り帯域割当を許可する。
【選択図】図1
Description
この形態は、オフィスネットワーク、ホームネットワーク、公衆無線LANなど様々な環境で広く利用されている形態である。この形態において無線基地局装置は、基本的にイーサネット等の有線ネットワークに接続されており、無線ネットワークと有線ネットワークとのブリッジ機能を持つ。すなわち、移動端末から見たとき、無線基地局装置は有線ネットワークヘの入り口としての役割を担う。インフラストラクチャモードにおいて、無線基地局装置および移動端末はCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス方法により無線パケットを交換する。
CSMA/CAでは、それぞれの移動端末は無線チャネルにパケットが送信されているか否かを調べ(キャリアセンス)、無線パケットが送信されていない場合に限って無線パケットの送信を開始する。すなわち、無線基地局装置が移動端末に送信するタイミングを指示することなく、各移動端末が自律的に無線パケットを送信する。
ここで、チャネル占有時間とは、当該移動端末がデータを送信するために単位時間あたりにチャネルを使用する時間と定義する。また、単位時間あたりに使用できるチャネル占有時間の総和を無線帯域と定義する。通常は、単位時間が1[s]の場合は、無線帯域は1[s]である。
一方、音声や動画などのリアルタイム性の高いアプリケーションのトラヒックを無線LAN上で伝送するためにIEEE802.11e規格(下記、非特許文献2参照)が規定されている。
IEEE802.11e規格の特徴の一つとして、受付制御技術がある。先述のように、無線LANでは、無線基地局装置が各移動端末のチャネル占有時間を制御できないため、多数の移動端末が接続すると、リアルタイム性の高いアプリケーションが必要とするチャネル占有時間を確保できない。リアルタイム性の高いアプリケーションが必要とするチャネル帯域を確保できない場合は、遅延時間が著しく増加して通信品質が劣化する。そこで、予め定められた条件に応じて移動端末の受付を拒否する機能が必要となる。
無線基地局装置は、移動端末から帯域割当を要求されると、当該移動端末にチャネル占有時間を割り当てることが可能かどうかを判断し、可能である場合には受付を許可し、それ以外の場合には受付を拒否する。
受付を許可した移動端末が使用するチャネル占有時間は図9(a)のように無線基地局装置により管理される。このとき、干渉波の存在を考慮するためのマージン(干渉マージン)を設定し、割当チャネル占有時間が干渉マージンの領域に入らないように受付制御を行う。
無線基地局装置は、このような制御を実施するために、自局が使用している無線チャネルについて、帯域割当を許可した各移動端末のチャネル占有時間を管理するための帯域管理テーブルを具備する。図10は、この管理テーブルの内容を示す図である。
帯域管理テーブルは、受付済みの各移動端末に許可したチャネル占有時間、干渉波等の影響を避けるための干渉マージンなどから構成され、新規の帯域割当が許可される度に更新される。
要求チャネル占有時間および余剰チャネル占有時間は下記のようにして得られる。
まず、要求チャネル占有時間は、帯域割当時に移動端末により申請される各種のパラメータにより算出される。各種のパラメータには、当該移動端末が使用するアプリケーションのトラヒックパターン(単位時間あたりの平均データ量、平均パケットサイズ、トラヒックの最小生起間隔、トラヒックの最大生起間隔、許容される遅延時間の閾値)、当該移動端末が使用する最低の伝送レートなどが含まれる。
無線基地局装置は、これらのパラメータを利用して、例えば、下記(1)式により要求チャネル占有時間を算出する。
[数1]
要求チャネル占有時間=1パケットの送信に必要な時間×単位時間に送信するパケット数
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1)
[数2]
1パケットの送信に必要な時間=平均パケットサイズ/最低の伝送レート+オーバヘッド
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)
また、単位時間に送信するパケット数は、下記(3)式によって求められる。
[数3]
単位時間に送信するパケット数=単位時間あたりの平均データ量/平均パケットサイズ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)
次に、余剰チャネル占有時間は、下記(4)式により得られる。
[数4]
余剰チャネル占有時間=無線帯域−(受付済みの各移動端末に許可したチャネル占有時間の総和+干渉マージン)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (4)
ここで、受付済みの各移動端末に許可したチャネル占有時間は、無線基地局装置が具備する帯域管理テーブルを参照することにより得られる。また、干渉マージンは予め与えられるパラメータであり、同様に帯域管理テーブルを参照することにより得られる。
帯域割当が許可された移動端末は、データパケットの送信を開始する。一方、帯域割当を拒否された移動端末のその後の動作については規定されていない。
このように、新規の移動端末が帯域割当を要求するときに、当該移動端末が使用するチャネル占有時間を無線基地局装置に予め申請することにより、無線基地局装置は余剰チャネル占有時間を超える帯域割当を拒否することが可能となる。これにより、無線帯域を超えるトラヒックが生じることを回避し、通信品質の劣化を抑制できる。
また、下記非特許文献1では、移動端末が使用できる伝送レートが複数規定されている。すなわち、各移動端末は移動端末間の距離、干渉、フェージングなどの伝搬路状況に応じて、誤り率が低く、かつ、高いスループットを得られる伝送レートを適応的に選択し、使用することが可能である。同じ量のトラヒックを送信する場合であっても、使用する伝送レートが高いほどチャネル占有時間は小さくなる。
IEEE802.11,「Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical(PHY) Layer Specifications, 」August 1999 IEEE802.11,「Medium Access Control(MAC)Quality of Service Enhancements,」Nov.2005
しかしながら、従来の技術では、余剰チャネル占有時間が移動端末により要求されたチャネル占有時間より大きいときは、無線基地局装置は常に受付を許可するため、要求端末数を確保できない場合がある。すなわち、接続済み移動端末の中にチャネル占有時間が著しく大きいものがある場合、余剰チャネル占有時間が小さくなるため、要求端末数を収容できない状況が生じる。
この問題は、当該無線パケット通信システムが使用できるチャネル占有時間が小さくなるに伴い顕著となる。例えば、干渉波が存在する場合や、音声通信を行う移動端末(移動音声端末)とベストエフォート型のアプリケーションを使用する端末(BE端末)のようなトラヒックパターンの異なる複数種類の移動端末を同時に収容するときに、BE端末のためのチャネル占有時間を確保しつつ移動音声端末に要求端末数を設定する必要がある場合である。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、干渉波のチャネル占有時間が比較的大きい場合や複数種類の移動端末を同時に収容して一部の種類の移動端末のみに要求端末数を設定する場合であっても、要求端末数を収容できる移動端末受付制御方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前述の移動端末受付制御方法を実行する無線基地局装置、および無線パケット通信システムを提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
(1)無線基地局装置と移動端末との間でキャリアセンスにより無線パケットを送受信する無線パケット通信システムにおける無線基地局装置の移動端末受付制御方法であって、前記無線基地局装置は、前記移動端末から帯域割当を要求する帯域割当要求パケットを受信した場合に、干渉波がチャネルを使用するチャネル占有時間に基づいて、前記無線基地局装置が利用できるチャネル占有時間、および自局に接続した移動端末が利用できるチャネル占有時間の総和である総チャネル占有時間を算出し、予め設定された最大移動端末数で、総チャネル占有時間を割ることによって一台の移動端末に割り当て可能な単位チャネル占有時間を算出し、前記帯域割当要求パケットに含まれるパケットサイズ、データ量および最低の伝送レートに基づいて前記移動端末が要求する要求チャネル占有時間を算出し、前記要求チャネル占有時間が、前記単位チャネル占有時間よりも大きい場合には帯域割当を拒否し、それ以外の場合には、帯域割当を許可した各移動端末のチャネル占有時間の総和に基づいて利用可能な余剰チャネル占有時間を算出し、前記要求チャネル占有時間が前記余剰チャネル占有時間以内である場合に限り帯域割当を許可する。
(3)(1)または(2)において、前記無線基地局装置は、前記移動端末からの帯域割当を拒否する場合に、前記帯域割当を要求する移動端末に対して、前記帯域割当要求パケットに含まれるパケットサイズ、データ量のときに、前記要求チャネル占有時間が前記単位チャネル占有時間以下となる最低伝送レートを通知する。
(7)(4)ないし(6)の何れかにおいて、前記帯域割当を要求する移動端末に対して、推奨最低伝送レートを含む帯域割当応答パケットを発行する手段を備え、前記推奨最低伝送レートは、前記移動端末からの帯域割当を許可する場合は、前記帯域割当要求パケットに含まれる最低の伝送レートであり、前記移動端末からの帯域割当を拒否する場合は、前記帯域割当要求パケットに含まれるパケットサイズ、データ量のときに、前記要求チャネル占有時間が前記単位チャネル占有時間以下となる最低伝送レートである。
(8)無線基地局装置と移動端末との間でキャリアセンスにより無線パケットを送受信する無線パケット通信システムであって、前記無線基地局装置は、前記(4)ないし(6)のいずれか1項に記載の無線基地局装置である。
(9)無線基地局装置と移動端末との間でキャリアセンスにより無線パケットを送受信する無線パケット通信システムであって、前記無線基地局装置は、前記(7)に記載の無線基地局装置であり、前記移動端末は、伝送レート管理テーブルと、前記伝送レート管理テーブル内の、前記無線基地局装置からの帯域割当応答パケットに含まれる推奨最低伝送レートよりも低い伝送レートを使用不可とする手段とを備える。
本発明によれば、無線基地局装置において、干渉波のチャネル占有時間が比較的大きい場合や複数種類の移動端末を同時に収容して一部の種類の移動端末のみに要求端末数を設定する場合であっても、要求端末数を収容することが可能となる。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施例1]
本実施例では、本発明による受付制御における無線基地局装置の動作について説明し、その後に移動端末の動作について説明する。
図1は、本発明の実施例の無線基地局装置の移動端末受付制御方法を説明するための図であり、図1(a)は、本発明の実施例の無線基地局装置のチャネル割当方法、図1(b)は、本発明の実施例の無線基地局装置における移動端末受付制御方法の処理手順を説明するためのフローチャートである。
無線基地局装置は、移動端末から帯域割当を要求されると、当該移動端末にチャネル占有時間を割り当てることが可能かどうかを判断し、可能である場合には受付を許可し、それ以外の場合には受付を拒否する。
従来の技術との違いは、それぞれの移動端末に割り当てるチャネル占有時間が、後述する単位チャネル占有時間以内となるように割り当てられることである。
受付を許可した移動端末が使用するチャネル占有時間は、図1(a)に示すように、無線基地局装置により管理される。このとき、干渉波の存在を考慮するためのマージン(干渉マージン)を設定し、割当チャネル占有時間が干渉マージンの領域に入らないように受付制御を行う。
無線基地局装置は、このような制御を実施するために、自局が使用している無線チャネルについて、帯域割当を許可した各移動端末のチャネル占有時間を管理する帯域管理テーブルを具備する。この帯域管理テーブルの内容は、図10に示す従来の帯域管理テーブルと同じである。帯域管理テーブルは、受付済みの各移動端末に許可したチャネル占有時間、干渉波等の影響を避けるための干渉マージンなどから構成され、帯域割当が許可される度に更新される。
各種のパラメータには、当該移動端末が使用するアプリケーションのトラヒックパターン(単位時間あたりの平均データ量、平均パケットサイズ、トラヒックの最小生起間隔、トラヒックの最大生起間隔、許容される遅延時間の閾値)、当該移動端末が使用する最低の伝送レートなどが含まれる。
図1(b)のステップS11では、総チャネル占有時間を算出する。
総チャネル占有時間とは、無線基地局装置と当該無線基地局装置に接続している移動端末により構成される無線ネットワーク(自無線ネットワーク)が利用可能であるチャネル占有時間の合計の上限であり、下記(5)式により算出される。
[数5]
総チャネル占有時間=無線帯域−干渉波のチャネル占有時間
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (5)
ここで、無線帯域とは単位時間あたりに使用できるチャネル占有時間の総和と定義し、通常は、単位時間が1[s]の場合は、無線帯域は1[s]である。以降は、無線帯域=1[s]として説明する。
無線基地局装置は、帯域割当済みの移動端末との間で無線パケットの交換をしながら、干渉波がどの程度チャネルを使用しているかを測定する。測定の方法としては、当該無線基地局装置が無線パケットを送信している時間および当該無線基地局装置に接続している移動端末が無線パケットを送信している時間以外の時間において、受信電力が予め定められた閾値を超える時間を干渉が発生している時間(干渉時間)として累積する。
この測定に基づいて、干渉波のチャネル占有時間は、下記(6)式で表される。
[数6]
干渉波のチャネル占有時間=干渉時間/測定期間
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (6)
測定は、一定の測定期間を定期的に設定してもよく、随時実施してもよい。また、測定期間は1秒単位で設定してもよく、1日単位で設定してもよい。本明細書において、測定期間の長さおよび間隔は制限しない。
[数7]
単位チャネル占有時間=総チャネル占有時間/要求端末数
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (7)
要求端末数は、当該無線基地局装置によって帯域割当すべき移動端末の数(最大移動端末数)であり、運用のポリシーに応じて与えられる。例えば、当該無線基地局装置のカバレッジにおいて5台の移動端末が同時に帯域割当できることが要求される場合には、要求端末数は5となる。
ステップS13では、単位チャネル占有時間と、新規の帯域割当を要求している移動端末により要求されたチャネル占有時間(要求チャネル占有時間)を比較する。
要求チャネル占有時間は前述した移動端末により申請される各種のパラメータを利用して、下記(8)式のように求められる。
[数8]
要求チャネル占有時間=1パケットの送信に必要な時間×単位時間に送信するパケット数
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (8)
ここで、1パケットの送信に必要な時間は下記(9)式によって求められる。
[数9]
1パケットの送信に必要な時間=平均パケットサイズ/最低の伝送レート+オーバヘッド
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (9)
[数10]
単位時間に送信するパケット数=単位時間あたりの平均データ量/平均パケットサイズ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (10)
以上のようにして得られた要求チャネル占有時間が単位チャネル占有時間よりも小さい場合には、ステップS14に進み、それ以外の場合は帯域割当を拒否する(ステップS16)。
ステップS14では、要求チャネル占有時間と余剰チャネル占有時間を比較する。
余剰チャネル占有時間は、下記(11)式により得られる。
[数11]
余剰チャネル占有時間=総チャネル占有時間−受付済みの各移動端末に許可したチャネル占有時間の総和
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (11)
ここで、受付済みの各移動端末に許可したチャネル占有時間は、無線基地局装置が具備する帯域管理テーブルを参照することにより得ることができる。
以上のようにして得られた余剰チャネル占有時間が要求チャネル占有時間以上の場合には、帯域割当の許可を決定し(ステップS15)、帯域割当の許可を示す無線パケットを移動端末へ送信する。
それ以外の場合には帯域割当の拒否を決定し(ステップS16)、帯域割当の拒否を示す無線パケットを移動端末へ送信する。
帯域割当応答パケットは、ヘッダ、ペイロード、誤り検出用符号によって構成される。ヘッダには、あて先となる移動端末のMACアドレスや自局のMACアドレスなどが含まれる。誤り検出用符号は、当該無線パケットに伝送誤りが含まれていないかを検出するための符号であり、CRC符号などが使用される。
ペイロードには、受付判断の結果(許可/拒否)、理由(拒否の場合のみ)、推奨される伝送レートなどが含まれる。
受付許可の場合には、推奨される伝送レートには、移動端末から要求された伝送レートが示される。受付拒否の場合には、最低伝送レートが示される。最低伝送レートとは、当該移動端末のアプリケーションに必要なチャネル占有時間が単位チャネル占有時間以下となる最低の伝送レートであり、下記(12)式によって算出される。
[数12]
最低伝送レート=平均パケットサイズ/(単位チャネル占有時間/単位時間に送信するパケット数−オーバヘッド)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (12)
以上説明したように、本実施例では、無線基地局装置の移動端末受付制御方法において、単位チャネル占有時間を超えるチャネル占有時間を要求する移動端末の受付を拒否する機能を追加することによって、一部の移動端末が著しく大きなチャネル占有時間となることを回避し、要求端末数を確保することが可能となる。
そこで、以下に、本実施例の無線基地局装置の移動端末受付制御方法に対応する移動端末の動作について、図3を用いて説明する。
移動端末は、自局が使用できる伝送レートを管理する伝送レート管理テーブルを具備する。図4に、この伝送レート管理テーブルの内容を示す。
無線基地局装置と移動端末との間で使用する伝送レートはそれぞれが具備する伝送レートが互いに異なる場合があるため、帯域割当を実行する度に、どの伝送レートを使用するかを交渉する必要がある。よって、伝送レート管理テーブルには、当該無線基地局装置との通信において使用できる伝送レートをチェックするための使用の可否フィールドが設定される。
移動端末は、無線基地局装置に帯域割当を要求するトリガが生じると、帯域割当を要求する無線パケット(帯域割当要求パケット)を無線基地局装置宛に送信する(ステップS21)。無線基地局装置に帯域割当を要求するトリガとしては、移動端末の無線回路が起動する、アプリケーションにより帯域割当が要求されるなどが挙げられる。
ペイロードには、当該移動端末が使用するアプリケーションのトラヒックパターン(単位時間あたりの平均データ量、平均パケットサイズ、トラヒックの最小生起間隔、トラヒックの最大生起間隔、許容される遅延時間の閾値)、当該移動端末が使用する最低の伝送レートなどが含まれる。このときの最低の伝送レートには、自局が具備する伝送レート管理テーブルの中で最も低い伝送レートを示して送信する。
移動端末は、帯域割当要求パケットを送信した後は、無線基地局装置から帯域割当応答パケットを受信するまで待機する。
移動端末は、無線基地局装置から帯域割当応答パケットを受信すると、当該帯域割当応答パケットに含まれる推奨する伝送レートを取得し、それよりも低い伝送レートについて、伝送レート管理テーブルの使用の可否フィールドを”否”に設定する(ステップS22)。
また、移動端末は、受付判断の結果を取得し、帯域割当要求の結果が許可であったか拒否であったかを認識する(ステップS23)。
帯域割当が許可された移動端末は、帯域割当処理を終了し、データパケットの送信を開始する。一方、帯域割当を拒否された移動端末は、帯域割当要求パケットの最低の伝送レートを、伝送レート管理テーブルの使用の可否フィールドが、”可”であるものの中で最も低い伝送レートに変更して(ステップS24)、再び帯域割当要求パケットを送信する。
このように、移動端末が、自局が使用できる伝送レートの中で、無線基地局装置によって推奨された伝送レートよりも低い伝送レート以外のものを通信に使用する制御を追加することによって、各移動端末のチャネル占有時間を単位チャネル占有時間以内とすることが可能となる。
従来技術では、無線基地局装置は移動端末に要求されたチャネル占有時間が余剰チャネル占有時間以内であれば受付を許可していたのに対して、本実施例では、干渉波のチャネル占有時間に基づいて総チャネル占有時間を算出し、総チャネル占有時間と最大移動端末数に基づいて単位チャネル占有時間を算出し、単位チャネル占有時間よりも要求チャネル占有時間の方が大きい場合には、当該移動端末への帯域割当を拒否するという判断処理が従来技術に追加されることになる。
以上説明したように、本実施例によれば、新規移動端末により要求されたチャネル占有時間が、最大移動端末数に基づいて算出された単位チャネル占有時間を超える場合には受付を拒否することができるため、各移動端末の使用するチャネル占有時間を要求端末数が確保されるように制御することが可能となる。このとき、無線帯域から干渉波のチャネル占有時間を引いて算出される総チャネル占有時間を用いることにより、干渉波が存在する環境においても、要求帯域数を確保することが可能となる。
本実施例では、トラヒックパターンの互いに異なる複数の移動端末が一つの無線基地局装置に接続する場合を想定する。
トラヒックパターンAとして、音声アプリケーションのように、データサイズやトラヒックの生起間隔が一定であり、かつ、リアルタイム性を厳しく要求されるものを想定する。また、トラヒックパターンBとして、WebブラウジングやFTPトラヒックのようなデータサイズやトラヒックの生起間隔が一定でなく、リアルタイム性を厳しく要求されないものを想定する。
また、トラヒックパターンAの移動端末に対しては要求端末数が設定されるが、トラヒックパターンBの移動端末に対しては要求端末数が設定されないものとする。すなわち、実施例1とはトラヒックパターンの異なる複数の移動端末を収容する点、および、リアルタイム性のトラヒックについてのみ要求端末数を設定する点が異なる。
なお、トラヒックパターンBの移動端末については、要求チャネル占有時間の大小に関わらず、受付を許可するものとする。これは、トラヒックパターンBのトラヒック量は利用するアプリケーションに依存し、また、定常的に生じるものではないためである。
また、前述の非特許文献2に記載の優先制御方式の適用により、トラヒックパターンBの移動端末の送信頻度を低くすることができる。
以上のことから、本実施例の移動端末受付制御方法では、トラヒックパターンBの全移動端末のトラヒックの送受信を行うためのチャネル占有時間を予め設定し、それ以外のチャネル占有時間をトラヒックパターンAの移動端末が使用するものとする。
このポリシーは、総チャネル占有時間の算出方法に反映される。
前述の実施例1と同様の処理を行う処理ボックスについては、同じ番号を付与しており、ここでは実施例1と異なる処理を行う処理ボックスについてのみ説明する。
無線基地局装置は、移動端末から帯域割当を要求されると、当該移動端末にチャネル占有時間を割り当てることが可能かどうかを判断し、可能である場合には受付を許可し、それ以外の場合には受付を拒否する。
実施例1との違いは、総チャネル占有時間の算出において、トラヒックパターンB用のチャネル占有時間を予め確保しておくことである。
ステップS61では、トラヒックパターンAの帯域割当要求であるかトラヒックパターンBの帯域割当要求であるかを判断する。
当該判断を行うために、全ての移動端末は、図7に示す帯域割当要求パケットを用いて当該無線基地局装置に帯域割当を要求する。この帯域割当要求パケットと図5の帯域割当要求パケットの違いは、トラヒックの種類を示すフィールドの有無のみである。
移動端末はこのフィールドに、自局が使用するアプリケーションのトラヒックがトラヒックパターンAに属するかトラヒックパターンBに属するかを通知する。
ステップS62では、総チャネル占有時間を算出する。総チャネル占有時間は下記(13)式により算出される。
[数13]
総チャネル占有時間
=無線帯域−(干渉波のチャネル占有時間+トラヒックパターンB用チャネル占有時間)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (13)
ここで、総チャネル占有時間、無線帯域、干渉波のチャネル占有時間の定義は前述の実施例1と同様である。
トラヒックパターンB用チャネル占有時間は予め与えられ、図8に示す帯域管理テーブルにおいて管理される。なお、トラヒックパターンB用に割り当てた帯域が、予め確保したトラヒックパターンB用チャネル占有時間を超える場合には、受付を拒否してもよい。
本実施例で使用する帯域管理テーブルは、トラヒックパターンB用チャネル占有時間を管理するためのフィールドがある点においてのみ、従来の技術における帯域管理テーブルと異なる。
ステップS12〜S16までの処理は実施例1と同様である。
即ち、本実施例では、要求端末数を設定しない方の移動端末のためのチャネル占有時間を予め確保し、それを除いたチャネル占有時間のみで要求端末数の設定されたトラヒックパターンの移動端末を受付制御することにより、トラヒックパターンの異なる複数の移動端末を同時に収容し、一方のトラヒックパターンのものにのみ要求端末数を設定する必要のある場合においても、要求端末数を確保することが可能となる。
例えば、音声通信を行う移動端末(移動音声端末)とベストエフォート型のアプリケーションを使用する端末(BE端末)のようなトラヒックパターンの異なる複数種類の移動端末を同時に収容するときには、総チャネル占有時間を算出する際に、無線帯域から干渉波のチャネル占有時間とBE端末が使用するチャネル占有時間の和を減算することによって、BE端末のためのチャネル占有時間を確保しつつ移動音声端末に要求端末数を設定することが可能となる。
無線基地局装置は、トラヒック送受信部10により、自らが構成する無線ネットワークにおいて、移動端末との間でトラヒックの送受信を行う。
また、情報収集管理部20には、帯域管理テーブルなどの情報が収集管理される。例えば、情報収集管理部20には、帯域割当要求時に移動端末からの帯域割当要求パケットに含まれる各種のパラメータ、即ち、当該移動端末が使用するアプリケーションのトラヒックパターン(単位時間あたりの平均データ量、平均パケットサイズ、トラヒックの最小生起間隔、トラヒックの最大生起間隔、許容される遅延時間の閾値)、当該移動端末が使用する最低の伝送レートなども管理される。
受付判断処理部30は、前述の図1(b)、あるいは、図6(b)に示す、本実施例の移動端末受付制御方法を実行する。この受付判断処理部30は、前述の各式に示すそれぞれの演算も行う。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
20 情報収集管理部
30 受付判断処理部
Claims (9)
- 無線基地局装置と移動端末との間でキャリアセンスにより無線パケットを送受信する無線パケット通信システムにおける無線基地局装置の移動端末受付制御方法であって、
前記無線基地局装置は、前記移動端末から帯域割当を要求する帯域割当要求パケットを受信した場合に、干渉波がチャネルを使用するチャネル占有時間に基づいて、前記無線基地局装置が利用できるチャネル占有時間、および自局に接続した移動端末が利用できるチャネル占有時間の総和である総チャネル占有時間を算出し、
予め設定された最大移動端末数で、総チャネル占有時間を割ることによって一台の移動端末に割り当て可能な単位チャネル占有時間を算出し、
前記帯域割当要求パケットに含まれるパケットサイズ、データ量および最低の伝送レートに基づいて前記移動端末が要求する要求チャネル占有時間を算出し、
前記要求チャネル占有時間が、前記単位チャネル占有時間よりも大きい場合には帯域割当を拒否し、それ以外の場合には、帯域割当を許可した各移動端末のチャネル占有時間の総和に基づいて利用可能な余剰チャネル占有時間を算出し、前記要求チャネル占有時間が前記余剰チャネル占有時間以内である場合に限り帯域割当を許可することを特徴とする移動端末受付制御方法。 - 無線基地局装置と移動端末との間でキャリアセンスにより無線パケットを送受信する無線パケット通信システムにおける無線基地局装置の移動端末受付制御方法であって、
前記無線基地局装置は、トラヒックパターンが互いに異なる複数の前記移動端末を同時に収容し、
前記無線基地局装置は、前記移動端末から帯域割当を要求する前記帯域割当要求パケットを受信したときに、前記帯域割当を要求する移動端末のトラヒックパターンの種別を判断し、
前記帯域割当を要求する移動端末が、要求端末数が設定されていないトラヒックパターンに属する場合には帯域割当を許可し、
前記帯域割当を要求する移動端末が、要求端末数が設定されているトラヒックパターンに属する場合には、干渉波がチャネルを使用するチャネル占有時間と要求端末数が設定されていないトラヒックパターンに属する全移動端末が共有するチャネル占有時間に基づいて、前記無線基地局装置が利用できるチャネル占有時間および帯域割当が許可された移動端末が利用できるチャネル占有時間の総和である総チャネル占有時間を算出し、
予め設定された最大移動端末数で前記総チャネル占有時間を割ることによって一台の端末に割り当て可能な単位チャネル占有時間を算出し、
前記帯域割当要求パケットに含まれるパケットサイズ、データ量および最低の伝送レートに基づいて前記移動端末が要求する要求チャネル占有時間を算出し、
前記要求チャネル占有時間が前記単位チャネル占有時間よりも大きい場合には帯域割当を拒否し、それ以外の場合には、帯域割当を許可した各移動端末のチャネル占有時間の総和に基づいて利用可能な余剰チャネル占有時間を算出し、前記要求チャネル占有時間が前記余剰チャネル占有時間以内である場合に限り帯域割当を許可することを特徴とする移動端末受付制御方法。 - 前記無線基地局装置は、前記移動端末からの帯域割当を拒否する場合に、前記帯域割当を要求する移動端末に対して、前記帯域割当要求パケットに含まれるパケットサイズ、データ量のときに、前記要求チャネル占有時間が前記単位チャネル占有時間以下となる最低伝送レートを通知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動端末受付制御方法。
- 無線基地局装置と移動端末との間でキャリアセンスにより無線パケットを送受信する無線パケット通信システムにおける無線基地局装置であって、
前記移動端末から帯域割当を要求する帯域割当要求パケットを受信した場合に、干渉波がチャネルを使用するチャネル占有時間に基づいて、前記無線基地局装置が利用できるチャネル占有時間、および自局に接続した移動端末が利用できるチャネル占有時間の総和である総チャネル占有時間を算出する手段と、
予め設定された最大移動端末数で、総チャネル占有時間を割ることによって一台の移動端末に割り当て可能な単位チャネル占有時間を算出する手段と、
前記帯域割当要求パケットに含まれるパケットサイズ、データ量および最低の伝送レートに基づいて前記移動端末が要求する要求チャネル占有時間を算出する手段と、
前記要求チャネル占有時間が、前記単位チャネル占有時間よりも大きい場合には帯域割当を拒否し、それ以外の場合には、帯域割当を許可した各移動端末のチャネル占有時間の総和に基づいて利用可能な余剰チャネル占有時間を算出し、前記要求チャネル占有時間が前記余剰チャネル占有時間以内である場合に限り帯域割当を許可する手段とを備えることを特徴とする無線基地局装置。 - 無線基地局装置と移動端末との間でキャリアセンスにより無線パケットを送受信する無線パケット通信システムにおける無線基地局装置であって、
前記無線基地局装置は、トラヒックパターンが互いに異なる複数の前記移動端末を同時に収容し、
前記移動端末から帯域割当を要求する前記帯域割当要求パケットを受信したときに、前記帯域割当を要求する移動端末のトラヒックパターンの種別を判断する手段と、
前記帯域割当を要求する移動端末が、要求端末数が設定されていないトラヒックパターンに属する場合には帯域割当を許可する手段と、
前記帯域割当を要求する移動端末が、要求端末数が設定されているトラヒックパターンに属する場合には、干渉波がチャネルを使用するチャネル占有時間と要求端末数が設定されていないトラヒックパターンに属する全移動端末が共有するチャネル占有時間に基づいて、前記無線基地局装置が利用できるチャネル占有時間および帯域割当が許可された移動端末が利用できるチャネル占有時間の総和である総チャネル占有時間を算出する手段と、
予め設定された最大移動端末数で前記総チャネル占有時間を割ることによって一台の端末に割り当て可能な単位チャネル占有時間を算出する手段と、
前記帯域割当要求パケットに含まれるパケットサイズ、データ量および最低の伝送レートに基づいて前記移動端末が要求する要求チャネル占有時間を算出する手段と、
前記要求チャネル占有時間が前記単位チャネル占有時間よりも大きい場合には帯域割当を拒否し、それ以外の場合には、帯域割当を許可した各移動端末のチャネル占有時間の総和に基づいて利用可能な余剰チャネル占有時間を算出し、前記要求チャネル占有時間が前記余剰チャネル占有時間以内である場合に限り帯域割当を許可する手段とを備えることを特徴とする無線基地局装置。 - 前記各移動端末のチャネル占有時間を管理する帯域管理テーブルを備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の無線基地局装置。
- 前記帯域割当を要求する移動端末に対して、推奨最低伝送レートを含む帯域割当応答パケットを発行する手段を備え、
前記推奨最低伝送レートは、前記移動端末からの帯域割当を許可する場合は、前記帯域割当要求パケットに含まれる最低の伝送レートであり、前記移動端末からの帯域割当を拒否する場合は、前記帯域割当要求パケットに含まれるパケットサイズ、データ量のときに、前記要求チャネル占有時間が前記単位チャネル占有時間以下となる最低伝送レートであることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の無線基地局装置。 - 無線基地局装置と移動端末との間でキャリアセンスにより無線パケットを送受信する無線パケット通信システムであって、
前記無線基地局装置は、前記請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の無線基地局装置であることを特徴とする無線パケット通信システム。 - 無線基地局装置と移動端末との間でキャリアセンスにより無線パケットを送受信する無線パケット通信システムであって、
前記無線基地局装置は、前記請求項7に記載の無線基地局装置であり、
前記移動端末は、伝送レート管理テーブルと、
前記伝送レート管理テーブル内の、前記無線基地局装置からの帯域割当応答パケットに含まれる推奨最低伝送レートよりも低い伝送レートを使用不可とする手段とを備えることを特徴とする無線パケット通信システム。
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