JP2004158965A - 集中制御を含むプロトコルを用いた集中制御方法 - Google Patents
集中制御を含むプロトコルを用いた集中制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ノードが次に要求する伝送データの転送量を親局に事前に送信することにより、帯域幅制御をダイナミックに行える集中制御方法を提供する。
【解決手段】親局とノード間のデータ通信において、親局がポーリング信号(P)により各ノードに送信権を与える集中制御を含むプロトコル(PCF)を用いた集中制御方法において、各ノードが、伝送データ(DATA)と共に、次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅(BWREQ+1)を親局に送信する。親局は、受信した前記次要求帯域幅に基づき、前記各ノードの伝送データの伝送許可帯域幅(BWREQ)をダイナミックに制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】親局とノード間のデータ通信において、親局がポーリング信号(P)により各ノードに送信権を与える集中制御を含むプロトコル(PCF)を用いた集中制御方法において、各ノードが、伝送データ(DATA)と共に、次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅(BWREQ+1)を親局に送信する。親局は、受信した前記次要求帯域幅に基づき、前記各ノードの伝送データの伝送許可帯域幅(BWREQ)をダイナミックに制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ通信における帯域幅制御方法に関し、特に、親局とノード間のデータ通信において、集中制御を含むプロトコルを用いて帯域幅をダイナミックに制御する集中制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
キャリアを共有するために用いられている方法として、種々の多重方式がある。その一例として、TDMA(Time Division MultipleAccess)方式が有り、TDMA方式は、通信帯域を狭帯域分割し、さらに時間軸で再分割する事により多くのチャンネルを確保する方式であり、同期メッセージをやり取りするものである。このTDMA方式は、PDC(Personal Digital Cellular)やPHS(Personal Handyphone System)等に用いられている。
【0003】
図5を用いて、TDMA方式による親局(制御局)と各ノード間におけるデータの送受信の様子を簡単に説明する。親局からのビーコンBの後に、ノード1に対してデータNT1を送信する。それに応答してノード1は、NR1を返信する。次に親局がノード2に対してデータNT2を送信しそれに応答してノード2はNR2を返信する。同様に、親局がノード3にNT3を送信すると、それに応答してノード3はNR3を返信する。これらのステップを、時間的に等間隔に、即ち、固定の時間割り当てにしたがってデータ転送量にかかわらず同期的に、データを送信するものである。このように、TDMA方式は、厳しくノードの送信時間が決められている。
【0004】
また、無線通信ネットワーク、所謂無線LAN等に使用される方式で、非同期メッセージをやり取りするものに、衝突回避キャリア検出多重アクセス(CSMA/CA:Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式がある。これは、伝送データを転送する前に他のノードが伝送データを転送していないかをキャリアセンスすることで検知し、他のノードが送信中は待機し、その後ランダムな時間を待って再度キャリアセンスすることで、事前に衝突を回避する方式である。CSMA/CA方式は、アドホックネットワークやP−Pネットワーク等の形態に非常に適した方式であり、また、TCP/IPのようなネットワークプロトコルにおいて用いるのに適しており、トラフィックの変化する条件に良く適応するものである。
【0005】
図6を用いて、CSMA/CA方式による親局(制御局)と各ノード間におけるデータの送受信の様子を簡単に説明する。例えばノード1からノード2へデータを送信したい場合、図示のように、衝突期間中、即ち、他のノードが通信中や、雑音、干渉等により、チャネルがBusyの場合には、衝突タイマを走らせ、送信せずランダムな時間待機する。ノード1が再度キャリアセンスを行い、衝突期間が終了したことを検知すると、ノード1からノード2にデータを送信する。この間に、ノード3がノード1にデータを送信しようと思った場合、ノード1はデータ送信中であるため、衝突を回避するため、ノード3は、衝突タイマを走らせランダムな時間待機する。そして、再度キャリアセンスし、チャネルがBusyでなければ、ノード3は、ノード1にデータを送信する。なお、衝突タイマはランダム化されており、全てのノードに対して実行されるものであり、各ノードはこれによりチャネルにアクセスする等しい機会が与えられている。このように制御することで、複数のノードから同時に送信しようとする場合の競合、即ち衝突を回避することができるようになっている。
【0006】
さらに、上記TDMA方式とCSMA方式の複合型方式のものに、PCF(Point Coordination Function)方式がある。PCF方式は、親局からのポーリングにより送信権を指示するものであるため、衝突が無い通信方式である。PCF方式におけるポーリング信号は、TDMA方式のような厳しいタイミングを要求されず、非同期メッセージをやり取りするものである。
【0007】
図7を用いて、PCF方式による親局(制御局)と各ノード間におけるデータの送受信の様子を簡単に説明する。PCF方式による親局は、送信権を与えるために、各ノードに対してポーリング信号を送信する。ポーリングはビーコン信号により行われ、親局配下のノード全てへのメッセージとなる。集中制御期間において、親局がポーリングによりノードへ送信権を付与する形で、送信データがあるか否かを確認する。そして、送信権が有るノードにおいて、送信データが有る場合、例えばノード1の場合、データNR1を送信する。送信データが無い場合には、ACK信号のみとなる。親局側からノードへの転送データが有る場合には、ポーリングと一緒に転送データNT2を送信することができる。これらを繰り返すことにより、ポーリング信号により送信権を獲得したノードのみが送信をおこなうため、衝突が起きずに通信が行えるものである。
【0008】
【非特許文献1】
IEEE Std 802.11, 1999 Edition for Information Technology − Telecommunications and Information Exchange between Systems − Local and Metropolitan Area Network − Specific Requirements − Part 11: Wireless LAN MediumAccess Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications p.71−73
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記TDMA方式の場合、厳しくノード(端末)の送信時間が決められているため、多くの端末を一つの基地局で処理できない問題がある。また、同期方式であるため、あるノードにおいて送信するデータが少ない場合でも、一定の時間を経過しなければ次のノードは送信が始められないため、その間の時間的なタイムロスが大きく影響する場合があった。即ち、同期である必要の無いデータの送信であれば、すぐに次のデータの送信が行えるにも拘らず、厳しく送信時間が定められているため、時間的なロスが多く発生する問題もあった。このように、固定の時間割り当てのため、ノードの必要とする伝送データの転送量に的確に対応することが難しかった。
【0010】
また、CSMA/CA方式の場合、他のノードが送信中である間は、衝突タイマが走り、送信待ちの状態となるので、あるノードが非常に大きな転送量のデータを送信した場合には、このノードにチャネルが占領されてしまい、他のノードが送信できなくなってしまうという問題があった。即ち、帯域幅と遅延は保障されないベストエフォートサービスのみしか提供できない方式であった。
【0011】
さらに、PCF方式の場合には、ノード数が多い場合、多くのノードに対しても必ず全てのノードにポーリングを行ってから伝送データの転送を行うため、全てのノードにポーリングを行うことに対して比較的長い時間がかかる問題があった。また、親局は、送信データ量の多少にかかわらず各ノードにポーリングを行って送信権を付与してから伝送データを受信するため、各ノードより要求される伝送データの転送量が事前に不明なので、単位時間内でのノード毎の伝送データの転送帯域幅制御をノード毎にダイナミックに制御することができなかった。このため、非同期メッセージを渡す場合において、伝送データの転送帯域幅を的確に設定できないため、特定のノードに対して適当な伝送帯域幅を割り当てるようになり、各ノードにおける単位時間内の伝送データの転送量を均等に保つことができなかった。即ち、スタティックに帯域幅を制御することは可能であるが、次に送信される伝送データの転送量が分からないため、ダイナミックに帯域幅を制御することはできなかった。
【0012】
さらに、周波数共用時や基地局間干渉時、親局・ノード間の干渉時、輻輳時等に再送回数が多くなると、通信システムの能力が低下する問題もあった。また、伝送データの種類に応じて、帯域保障を行ったり非同期通信・同期通信の切り替え等をダイナミックに行ったりすることができないため、伝送データに的確に対応してデータ転送することができなかった。
【0013】
本発明は、斯かる実情に鑑み、ノードが次に要求する伝送データの転送量を親局に事前に送信することにより、帯域幅制御をダイナミックに行える集中制御方法を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による集中制御方法は、各ノードが、伝送データと共に、次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅を親局に送信するステップと、親局が、前記次要求帯域幅に基づき、前記各ノードの伝送データの伝送許可帯域幅をダイナミックに制御するステップとを具備する。
【0015】
ここで、伝送許可帯域幅を制御するステップは、前記親局が、前記次要求帯域幅に基づき前記各ノードに割り当てられる伝送許可帯域幅を、集中制御期間の初めにブロードキャストで送信し、前記各ノードが、受信した前記伝送許可帯域幅に従って、前記ノードの伝送データを送信すれば良い。
【0016】
また、親局は、前記次要求帯域幅に基づき、各ノードに対する送信権取得待ち時間をスケジューリングし、前記各ノードに対する前記送信権取得待ち時間を、集中制御期間の初めにブロードキャストで各ノードに送信し、前記各ノードが、受信した送信権取得待ち時間に従って、前記ノードの伝送データを送信しても良い。
【0017】
なお、前記集中制御期間の初めのブロードキャストには、前記親局から前記各ノードへの転送データが含まれても良い。
【0018】
また、伝送許可帯域幅を制御するステップは、親局が、ポーリング信号と共に、前記次要求帯域幅に基づき前記各ノードに割り当てられる伝送許可帯域幅を送信し、前記各ノードが、受信した前記伝送許可帯域幅に従って、前記ノードの伝送データを送信するようにしても良い。
【0019】
ここで、伝送許可帯域幅の最大値である帯域幅閾値は、通信路の帯域幅の総量を現在アクティブなノード数で除算することで、前記各ノードの帯域幅閾値がそれぞれ均一となるように設定すれば良い。
【0020】
また、伝送許可帯域幅の最大値である帯域幅閾値は、前記各ノードに設定された優先順位に応じて、前記各ノードの帯域幅閾値をそれぞれ設定しても良い。
【0021】
なお、伝送許可帯域幅を制御するステップは、前記次要求帯域幅と前記帯域幅閾値とを比較し、前記次要求帯域幅の方が大きければ前記帯域幅閾値を、前記次要求帯域幅の方が小さければ前記次要求帯域幅を、前記伝送許可帯域幅とすれば良い。
【0022】
さらに、前記親局が伝送データの種類をチェックするステップと、前記伝送データの種類に応じて各ノードとの伝送データ間隔を非同期か同期の何れかにするステップとを有するようにしても良い。
【0023】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。即ち、各ノードが次に要求する伝送データの転送量を親局が事前に知ることができるため、ノード毎に的確に帯域幅制御を行えるようになる。次要求帯域幅が事前に分かるので、送信するデータの無いノードに対してはポーリングを行う必要がなくなるため、ポーリングによる遅延を減らすことが可能となる。また、次のノードに対するポーリングは常に一定の帯域幅閾値に応じた時間だけ待つ必要が無く、それよりも次要求帯域幅が少ない場合には、送信権取得待ちにかかる遅延も減らすことが可能となる。また、予め次要求帯域幅を知ることができるため、これに応じて各ノードに対する送信権取得待ち時間をスケジューリングし、この各ノードに対する送信権取得待ち時間が埋め込まれた一斉同報パケットを集中制御期間の始めに送信することで、各ノードに対する送信権のスケジューリングが一度のポーリングで可能となる。したがって、例えばポーリングが行えないような輻輳状態のとき等でも、親局が一旦送信権を取得したときは、そのときにスケジューリングされた送信権取得待ち時間が埋め込まれた同報パケットを一度送信するだけで、全てのノードはこの同報パケットの送信権取得待ち時間に応じた時間だけ待った後に伝送データを送信するようにすることが可能となる。また、帯域幅制御においては、各ノードに優先順位を持たせておくことも可能であり、例えば使用料金に応じて帯域幅を任意に制御することも可能となる。さらに、事前に送信するデータの種類を検知することで、時間的にクリティカルなデータ、例えば同期データ通信を行わなければならないようなVoIP(Voice over IP)等のデータの伝送時には、非同期ではなく、同期的にデータを送信することも可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の第1実施例の集中制御方法における親局(制御局)とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。本発明は、親局とノード間のデータ通信において、親局がポーリング信号により各ノードの送信権を与えて集中制御を行うPCF方式がベースとなっている。なお、本発明はPCF方式に限定されず、集中制御を行うプロトコルであれば、如何なる方式であっても構わない。まず、PCF制御開始を意味する親局のビーコン信号(B)により、集中制御期間(衝突回避期間)が始まる。なお、集中制御期間の終了は、親局からCF_END信号を同報することにより通知される。次に、親局は、各ノードに送信権を与えるために、ポーリング信号をポーリングリストに基づき各ノードに順番に送信していく。ここで、NTn(n=1,2,3・・・)は、ポーリング信号が含まれる転送データであり、具体的にこの中には、制御方法を示すデータCONT、ポーリングIDであるPID、ノードからのデータを最後に正しく受信したかどうかの確認データACKLAST、パケットのシーケンス番号SQN、各ノードの帯域幅制御用であるノードに対する伝送許可帯域幅BWREQ、存在すればノードへの転送データDATAT、そして巡回符号を用いた誤り検出用データCRC等が含まれる。ここで、親局からのデータであるNTnの中で、本発明で最も重要なデータは、伝送許可帯域幅BWREQである。他のデータに関しては、パケットの種類、通信プロトコル等により適宜変化するものであり、これらのデータの種類・内容に関しては、本明細書及び図面で開示したものに限定されるものではない。なお、ポーリングリストは、事前に衝突期間を用いて加入受付を行い、加入を許可されたノードにPIDを付与することで作成する。そして、ポーリングリストに加入しているノードのみが送信権を与えられるようになっている。各ノードnは、NTnデータの受信に応じて、順に返信データNRnを送信する。以下、NRnについて説明する。
【0025】
NT1パケットを受け取ったノード1は、NR1を親局に向けて送信する。ここで、NRn(n=1,2,3・・・)には、具体的には制御方法を示すデータCONT、ポーリングリスト番号Un(n=1,2,3・・・)、親局からのデータを最後に正しく受信したかどうかの確認データACKLAST、パケットのシーケンス番号SQN、そのノードが次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅BWREQ+1、BWREQに対応した容量の送信データDATAR、そして巡回符号を用いた誤り検出用データCRC等が含まれる。ここで、ノードからのデータであるNRnの中で、本発明で最も重要なデータは、次要求帯域幅BWREQ+1である。他のデータに関しては、パケットの種類、通信プロトコル等により適宜変化するものであり、これらのデータの種類・内容に関しては、本明細書及び図面で開示したものに限定されるものではない。同様に、NT2を受けたノード2は、次要求帯域幅BWREQ+1が含まれるNR2を親局に送信し、NT2を受けたノード3は、次要求帯域幅BWREQ+1が含まれるNR3を親局に送信する。そして、CF_END信号により集中制御期間が終了する。このようにすることで、親局は、ポーリングリストを一巡すると、受信するデータDATARと共に、次に要求する伝送データ量に関する情報であるBWREQ+1を得ることができる。
【0026】
そして、衝突期間の後、再度ビーコン信号(B)により、集中制御期間が始まる。この際、親局は、各ノードが次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅BWREQ+1を入手しているため、この次要求帯域幅BWREQ+1に基づき、各ノードの伝送データの伝送許可帯域幅BWREQを制御することが可能となる。したがって、各ノードから要求される伝送データの事前の明確な転送量の情報により、非同期メッセージを渡す場合に、転送帯域幅を単位時間内でノード毎に均一な帯域幅となるようにダイナミックに制御可能となる。
【0027】
各ノードに対する帯域幅閾値BWthは、通信路(チャネル)の帯域幅の総量BWtotalを現在アクティブなノード数(PIDtotal)で除算することで、各ノードの帯域幅閾値BWthがそれぞれ均一となるように設定することができる。最初の一巡目であり次要求帯域幅BWREQ+1がまだ不明な場合や、簡易的なシステムの場合には、この帯域幅閾値BWthを伝送許可帯域幅BWREQとする。次要求帯域幅BWREQ+1に関する情報を入手した場合には、次要求帯域幅BWREQ+1と帯域幅閾値BWthを比較し、次要求帯域幅BWREQ+1の方が大きければ帯域幅閾値BWthを伝送許可帯域幅BWREQとする。また、帯域幅閾値BWthの方が大きい場合には、次要求帯域幅BWREQ+1を伝送許可帯域幅BWREQとする。なお、帯域幅閾値BWthは、簡易的には均一になるように設定すれば良いが、ノード毎に優先順位をつけ、その優先順位に応じて帯域幅閾値BWthを大きくしたり、逆に小さくしたりすることも勿論可能である。例えば、課金料の多少に応じて優先順位をつけ、課金料が高いノードに対しては帯域幅閾値BWthを大きくし、課金料が低いノードに対しては帯域幅閾値BWthを小さくするようにすることも可能である。また、次要求帯域幅と共に送信パケットの種類等の情報も送ることで、パケットの種類に応じて適宜ダイナミックに伝送許可帯域幅を変更することも可能となる。このようにして、サービスレベルに応じて各ノードに重み付けをすることができるので、QoS(Quality of Service)等にも対応可能となる。
【0028】
このような集中制御方法により、親局は、次要求帯域幅が事前に分かるので、送信するデータの無いノードに対してはポーリングを行う必要がなくなるため、ポーリングによる遅延を減らすことが可能となる。また、次のノードに対するポーリングは一定の帯域幅閾値に応じた時間だけ待つ必要が無く、それよりも次要求帯域幅が少ない場合には、伝送許可帯域幅をダイナミックに制御できるため、送信権取得待ちにかかる遅延も減らすことが可能となる。
【0029】
次に、図2を用いて本発明の第2実施例を説明する。図2は、本発明の第2実施例の集中制御方法における親局(制御局)とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。本実施例と図1の第1実施例とは、ブロードキャストパケットBroad_Castを集中制御期間の初めに送信する点が異なる。なお、本実施例もPCF方式をベースに説明する。以下、より具体的に本発明の第2実施例を説明する。PCF制御開始を意味する親局のビーコン信号(B)により、集中制御期間(衝突回避期間)が始まり、集中制御期間の終了は、親局からCF_END信号を同報することにより通知される点は上記第1実施例と同様である。次に、ブロードキャストパケットBroad_Castをポーリングリストの全てのノードに送信する。このブロードキャストBroad_Castには、各ノードの帯域幅制御用であるノードに対する伝送許可帯域幅BWREQが含まれる。なお、伝送許可帯域幅BWREQは、上記第1実施例と同様に決定されるものである。簡易的には、伝送許可帯域幅BWREQは各ノードに対して一定の帯域幅で決定される。その後、親局からポーリング信号であるNTn(n=1,2,3・・・)が各ノードに送信権を順番に与えるために送信される。NTnには具体的に、制御方法を示すデータCONT、ポーリングIDであるPID、ノードからのデータを最後に正しく受信したかどうかの確認データACKLAST、パケットのシーケンス番号SQN、存在すればノードへの転送データDATAT、そして巡回符号を用いた誤り検出用データCRC等が含まれる。これに応答して、ノードnは送信権を取得し、送信データNRnを親局に送信する。なお、ノードからの返信データであるNRnは、上記第1実施例と同様の構成からなるデータであり、次要求帯域幅BWREQ+1が含まれるパケットである。そして、この次要求帯域幅BWREQ+1に基づき、各ノードの伝送データの伝送許可帯域幅BWREQを決定する。決定された各ノードに対する伝送許可帯域幅BWREQは、次のサイクルの集中制御期間の初めにブロードキャストBroad_Castにより全ノードに送信される。これにより、伝送許可帯域幅BWREQをダイナミックに制御可能となる。このブロードキャストにより、各ノードは、ポーリングによる送信権を取得したときに送信可能な伝送許可帯域幅を予め知ることができるため、ポーリング信号を受信してから送信パケットを構築するのではなく、予めブロードキャストBroad_Castにより伝送許可帯域幅に基づく伝送パケットを構築しておけるため、ポーリング信号を受信した後すぐに伝送データを送信することが可能となる。
【0030】
即ち、第1実施例では、ポーリング信号に伝送許可帯域幅BWREQが含まれているために、ポーリング信号に応答して遅延無く直ぐに伝送許可帯域幅BWREQに基づきパケットを生成し送信するためには、高速な処理が必要であったが、本第2実施例では、ノードがブロードキャストにより予め伝送許可帯域幅BWREQを知ることができるため、これに基づき予め伝送許可帯域幅BWREQに基づく送信パケットを生成しておくことが可能となる。
【0031】
なお、帯域幅閾値BWthや伝送許可帯域幅BWREQを決定する際に、サービスレベルに応じて各ノードに重み付けをすること等に関しては、上記の第1実施例における説明のとおりであり、重複説明は省略する。
【0032】
次に、図3を用いて本発明の第3実施例を説明する。図3は、本発明の第3実施例の集中制御方法における親局(制御局)とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。本実施例と図2の第2実施例とは、集中制御期間の初めに送信するブロードキャストパケットBroad_Castに、各ノードに対する送信権取得待ち時間情報を含める点が異なる。以下、より具体的に本発明の第3実施例を説明する。PCF制御開始を意味する親局のビーコン信号Bにより、集中制御期間(衝突回避期間)が始まり、集中制御期間の終了は、親局からCF_END信号を同報することにより通知される点は上記第1実施例及び第2実施例と同様である。次に、ブロードキャストパケットBroad_Castをポーリングリストの全てのノードに送信する。このブロードキャストBroad_Castには、第2実施例のように、各ノードの帯域幅制御用であるノードに対する伝送許可帯域幅BWREQが含まれるだけではなく、さらに各ノードに対する送信権取得待ち時間PIDtimeが含まれる点が本実施例の特徴である。送信権取得待ち時間PIDtimeは、親局が各ノードから入手した、次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅BWREQ+1に基づき、予め各ノードに対する送信権取得のための待ち時間をスケジューリングすることで決定される。そして、この決定された送信権取得待ち時間PIDtimeを、集中制御期間の初めにブロードキャストで各ノードに送信し、各ノードは、自局に設定された送信権取得待ち時間PIDtimeだけ待った後に、伝送許可帯域幅BWREQに基づき生成した伝送データNRnを送信するようにする。即ち、ブロードキャストパケットに、各ノードからの返信用の送信権取得待ち時間PIDtimeを挿入することで、集中制御期間の初めにノードに対する正しい伝送タイミングを通知することができる。これにより、ノードの親局への返答が、ポーリング信号が無くても時間タイミングを合わせることができるようになる。各ノードに送信権を与えるためのポーリング信号が不要となるので、ポーリングリストを一巡することを省くことができ、ポーリングに必要なコントロールフレームによる多くの遅延時間を減少させることが可能となる。
【0033】
さらに、第3実施例におけるブロードキャストパケットBroad_Castに、各ノードへの転送データNTn(n=1,2,3・・・)も含めることが可能である。より具体的には、ブロードキャストパケットBroad_Castを、制御方法を示すデータCONT、ポーリングIDであるPIDn、ノードnに設定する送信権取得待ち時間PIDtimen、ノードnからのデータを最後に正しく受信したかどうかの確認データACKLASTn、ノードnへのパケットのシーケンス番号SQNn、ノードの帯域幅制御用であるノードnに対する伝送許可帯域幅BWREQn、存在すればノードnへの転送データDATATn、そして巡回符号を用いた誤り検出用データCRCn等からなるように構成する。即ち、ブロードキャストBroad_Castによって、各ノードは、自局の送信権取得待ち時間PIDtimeと、伝送許可帯域幅BWREQ、さらには自局への転送データDATATをも入手することができる。各ノードは、上述の場合と同様に、自局に設定された送信権取得待ち時間PIDtimenだけ待った後に、伝送許可帯域幅BWREQnに基づき生成した、次要求帯域幅BWREQ+1が含まれる伝送データNRnを送信するようにする。これは、周波数共用時や基地局間干渉時、親局・ノード間の干渉時、輻輳時等で、親局が送信権を得にくい状況のときに、一旦送信できる状況になったときに、必要な全ての情報をブロードキャストすることで、再送回数等により全体の通信パフォーマンスが低下することを防止するのに有用である。
【0034】
ここで、キャリアセンスにより干渉時か否かを判断し、必要により上記の第3実施例のようにブロードキャストBroad_Castに送信権取得待ち時間PIDtimeや転送データDATATを含めるか、通常の第1実施例のような制御とするか否かを決定して、通信路の状況に応じた集中制御を行うことも可能である。例えば、親局は、各ノードとの通信状態を、RSSI(Receive Signal Strength Indication)レベル、PER(Packet Error Rate)又はBER(Bit Error Rate)等を受信されたパケットの伝送データにより把握し、ある閾値以上のエラーが発生している場合で、なおかつRSSIレベルがある閾値よりも高い場合には、何らかの干渉があると判断する。干渉があると判断すると、各ノードへのパケットを一つにまとめたブロードキャストパケットBroad_Castを構築し、キャリアセンスにより干渉が無いことを確認した後に一斉同報するようにする。これにより、干渉時には各ノードへのポーリング信号を省略でき、結果として再送回数等も減らすことができるので、遅延等の問題を解消できる。そして、キャリアセンス時のRSSIレベルが閾値を越えた回数をカウントしておけば、単位時間当たりに、ある閾値以下になった場合には、自動的に元のポーリング信号による集中制御方式に戻すようにすることも可能である。なお、具体的な集中制御方法の切り替えに関しては、伝送データに含まれる、制御方法を示すデータCONTを用いることで、通常時の制御なのか干渉時の制御なのかを通知することが可能である。
【0035】
次に、各ノードの帯域幅制御をダイナミックに行う非同期通信を行った場合に、時間的にクリティカルな伝送データ、即ち同期的に通信を行う必要があるデータを転送するのに問題が生ずる点について説明する。時間的にクリティカルなデータ、例えば、VoIPやVideo等のデータの場合、時間的に伝送データ間隔が一定周期になるように送信しなければ、通信品質を確保できない。したがって、上記の本発明のダイナミックに帯域幅制御を行う集中制御方法をそのまま用いた場合、VoIP等の通信に使用することができない問題がある。この問題を解決するために、伝送パケットの種類に応じて、各ノードとの伝送データ間隔を非同期にするか同期にするかを判定するステップを設けることが可能である。このパケットの種類は、伝送データのIPデータ内のプロトコルIDを解析することで、時間的にクリティカルな伝送データかそうでないかを判定することが可能である。また、送信パケットの種類等の情報も次要求帯域幅BWREQ+1と共に送ることで、次に送る伝送データの種類を事前に判定することも可能となる。各ノードは、時間的にクリティカルなデータを伝送したい場合、制御方法を示すデータCONTを利用して親局に通知を行う。親局は、時間的にクリティカルなデータを伝送するためのCONTを受けると、時間間隔をずらさないように、ポーリング信号を一定間隔で送信し、同期的にデータを伝送するようにする。CONTが時間的にクリティカルなデータで無くなれば、各ノードに対して帯域幅制御をダイナミックに行うようにする。
【0036】
以下、図4を用いて、本発明の集中制御方法における、時間的にクリティカルなデータを伝送する場合の各ノードからの送信データの伝送間隔について説明する。図示のように、親局は、各ノードへの優先伝送データ(Tn1,Tn2・・・)、各ノードからの優先伝送データ要求(Rn1,Rn2・・・)、各ノードへの非優先伝送データ(NTn1,NTn2・・・)、各ノードからの非優先伝送データ要求(NRn1,NRn2・・・)を、少しずつ使用し、集中制御期間と衝突期間を一定な伝送データ長になるように制御する。本発明の集中制御方法によれば、親局は、各ノードが次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅BWREQ+1が事前に分かるため、伝送許可帯域幅BWREQを制御することで一定の伝送データ長となるようにすることができるので、優先伝送データ、即ち、時間的にクリティカルなデータを優先して同期的に伝送することが可能となる。なお、通常の伝送データを扱う場合、即ち、各ノードに対して帯域幅をダイナミックに制御する場合には、集中制御期間と衝突期間を一定な割合になるように最適化すれば良い。
【0037】
なお、図4では、優先データが非優先データの2倍の帯域幅で一定の間隔で同期的に伝送される例を示したが、本発明はこれに限定されず、一定の間隔である同期的な転送であれば、帯域幅は3倍又はそれ以上であっても、同じであっても構わない。
【0038】
なお、本発明の集中制御を含むプロトコルを用いた集中制御方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の集中制御を含むプロトコルを用いた集中制御方法によれば、各ノードが次に要求する伝送データの転送量を親局が事前に知ることができるため、ノード毎に的確にダイナミックに帯域幅制御を行えるようになるという優れた効果を奏し得る。したがって、ポーリング信号による待ち時間やポーリングに必要なコントロールフレームによる多くの遅延時間を減少させることが可能となる。さらに、非同期・同期を任意に制御可能なため、時間的にクリティカルなデータの転送にも効率良く利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例の集中制御方法における親局とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施例の集中制御方法における親局とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。
【図3】図3は、本発明の第3実施例の集中制御方法における親局とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。
【図4】図4は、本発明の集中制御方法における、時間的にクリティカルなデータを伝送する場合の各ノードからの送信データの伝送間隔について説明するための図である。
【図5】図5は、従来のTDMA方式による親局と各ノード間におけるデータの送受信の様子を説明するための図である。
【図6】図6は、従来のCSMA/CA方式による親局と各ノード間におけるデータの送受信の様子を説明するための図である。
【図7】図7は、従来のPCF方式による親局と各ノード間におけるデータの送受信の様子を説明するための図である。
【符号の説明】
B ビーコン信号
Broad_Cast ブロードキャストパケット
BWREQ+1 次要求帯域幅
BWREQ 伝送許可帯域幅
BWth 帯域幅閾値
PIDtime 送信権取得待ち時間
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ通信における帯域幅制御方法に関し、特に、親局とノード間のデータ通信において、集中制御を含むプロトコルを用いて帯域幅をダイナミックに制御する集中制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
キャリアを共有するために用いられている方法として、種々の多重方式がある。その一例として、TDMA(Time Division MultipleAccess)方式が有り、TDMA方式は、通信帯域を狭帯域分割し、さらに時間軸で再分割する事により多くのチャンネルを確保する方式であり、同期メッセージをやり取りするものである。このTDMA方式は、PDC(Personal Digital Cellular)やPHS(Personal Handyphone System)等に用いられている。
【0003】
図5を用いて、TDMA方式による親局(制御局)と各ノード間におけるデータの送受信の様子を簡単に説明する。親局からのビーコンBの後に、ノード1に対してデータNT1を送信する。それに応答してノード1は、NR1を返信する。次に親局がノード2に対してデータNT2を送信しそれに応答してノード2はNR2を返信する。同様に、親局がノード3にNT3を送信すると、それに応答してノード3はNR3を返信する。これらのステップを、時間的に等間隔に、即ち、固定の時間割り当てにしたがってデータ転送量にかかわらず同期的に、データを送信するものである。このように、TDMA方式は、厳しくノードの送信時間が決められている。
【0004】
また、無線通信ネットワーク、所謂無線LAN等に使用される方式で、非同期メッセージをやり取りするものに、衝突回避キャリア検出多重アクセス(CSMA/CA:Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式がある。これは、伝送データを転送する前に他のノードが伝送データを転送していないかをキャリアセンスすることで検知し、他のノードが送信中は待機し、その後ランダムな時間を待って再度キャリアセンスすることで、事前に衝突を回避する方式である。CSMA/CA方式は、アドホックネットワークやP−Pネットワーク等の形態に非常に適した方式であり、また、TCP/IPのようなネットワークプロトコルにおいて用いるのに適しており、トラフィックの変化する条件に良く適応するものである。
【0005】
図6を用いて、CSMA/CA方式による親局(制御局)と各ノード間におけるデータの送受信の様子を簡単に説明する。例えばノード1からノード2へデータを送信したい場合、図示のように、衝突期間中、即ち、他のノードが通信中や、雑音、干渉等により、チャネルがBusyの場合には、衝突タイマを走らせ、送信せずランダムな時間待機する。ノード1が再度キャリアセンスを行い、衝突期間が終了したことを検知すると、ノード1からノード2にデータを送信する。この間に、ノード3がノード1にデータを送信しようと思った場合、ノード1はデータ送信中であるため、衝突を回避するため、ノード3は、衝突タイマを走らせランダムな時間待機する。そして、再度キャリアセンスし、チャネルがBusyでなければ、ノード3は、ノード1にデータを送信する。なお、衝突タイマはランダム化されており、全てのノードに対して実行されるものであり、各ノードはこれによりチャネルにアクセスする等しい機会が与えられている。このように制御することで、複数のノードから同時に送信しようとする場合の競合、即ち衝突を回避することができるようになっている。
【0006】
さらに、上記TDMA方式とCSMA方式の複合型方式のものに、PCF(Point Coordination Function)方式がある。PCF方式は、親局からのポーリングにより送信権を指示するものであるため、衝突が無い通信方式である。PCF方式におけるポーリング信号は、TDMA方式のような厳しいタイミングを要求されず、非同期メッセージをやり取りするものである。
【0007】
図7を用いて、PCF方式による親局(制御局)と各ノード間におけるデータの送受信の様子を簡単に説明する。PCF方式による親局は、送信権を与えるために、各ノードに対してポーリング信号を送信する。ポーリングはビーコン信号により行われ、親局配下のノード全てへのメッセージとなる。集中制御期間において、親局がポーリングによりノードへ送信権を付与する形で、送信データがあるか否かを確認する。そして、送信権が有るノードにおいて、送信データが有る場合、例えばノード1の場合、データNR1を送信する。送信データが無い場合には、ACK信号のみとなる。親局側からノードへの転送データが有る場合には、ポーリングと一緒に転送データNT2を送信することができる。これらを繰り返すことにより、ポーリング信号により送信権を獲得したノードのみが送信をおこなうため、衝突が起きずに通信が行えるものである。
【0008】
【非特許文献1】
IEEE Std 802.11, 1999 Edition for Information Technology − Telecommunications and Information Exchange between Systems − Local and Metropolitan Area Network − Specific Requirements − Part 11: Wireless LAN MediumAccess Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications p.71−73
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記TDMA方式の場合、厳しくノード(端末)の送信時間が決められているため、多くの端末を一つの基地局で処理できない問題がある。また、同期方式であるため、あるノードにおいて送信するデータが少ない場合でも、一定の時間を経過しなければ次のノードは送信が始められないため、その間の時間的なタイムロスが大きく影響する場合があった。即ち、同期である必要の無いデータの送信であれば、すぐに次のデータの送信が行えるにも拘らず、厳しく送信時間が定められているため、時間的なロスが多く発生する問題もあった。このように、固定の時間割り当てのため、ノードの必要とする伝送データの転送量に的確に対応することが難しかった。
【0010】
また、CSMA/CA方式の場合、他のノードが送信中である間は、衝突タイマが走り、送信待ちの状態となるので、あるノードが非常に大きな転送量のデータを送信した場合には、このノードにチャネルが占領されてしまい、他のノードが送信できなくなってしまうという問題があった。即ち、帯域幅と遅延は保障されないベストエフォートサービスのみしか提供できない方式であった。
【0011】
さらに、PCF方式の場合には、ノード数が多い場合、多くのノードに対しても必ず全てのノードにポーリングを行ってから伝送データの転送を行うため、全てのノードにポーリングを行うことに対して比較的長い時間がかかる問題があった。また、親局は、送信データ量の多少にかかわらず各ノードにポーリングを行って送信権を付与してから伝送データを受信するため、各ノードより要求される伝送データの転送量が事前に不明なので、単位時間内でのノード毎の伝送データの転送帯域幅制御をノード毎にダイナミックに制御することができなかった。このため、非同期メッセージを渡す場合において、伝送データの転送帯域幅を的確に設定できないため、特定のノードに対して適当な伝送帯域幅を割り当てるようになり、各ノードにおける単位時間内の伝送データの転送量を均等に保つことができなかった。即ち、スタティックに帯域幅を制御することは可能であるが、次に送信される伝送データの転送量が分からないため、ダイナミックに帯域幅を制御することはできなかった。
【0012】
さらに、周波数共用時や基地局間干渉時、親局・ノード間の干渉時、輻輳時等に再送回数が多くなると、通信システムの能力が低下する問題もあった。また、伝送データの種類に応じて、帯域保障を行ったり非同期通信・同期通信の切り替え等をダイナミックに行ったりすることができないため、伝送データに的確に対応してデータ転送することができなかった。
【0013】
本発明は、斯かる実情に鑑み、ノードが次に要求する伝送データの転送量を親局に事前に送信することにより、帯域幅制御をダイナミックに行える集中制御方法を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による集中制御方法は、各ノードが、伝送データと共に、次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅を親局に送信するステップと、親局が、前記次要求帯域幅に基づき、前記各ノードの伝送データの伝送許可帯域幅をダイナミックに制御するステップとを具備する。
【0015】
ここで、伝送許可帯域幅を制御するステップは、前記親局が、前記次要求帯域幅に基づき前記各ノードに割り当てられる伝送許可帯域幅を、集中制御期間の初めにブロードキャストで送信し、前記各ノードが、受信した前記伝送許可帯域幅に従って、前記ノードの伝送データを送信すれば良い。
【0016】
また、親局は、前記次要求帯域幅に基づき、各ノードに対する送信権取得待ち時間をスケジューリングし、前記各ノードに対する前記送信権取得待ち時間を、集中制御期間の初めにブロードキャストで各ノードに送信し、前記各ノードが、受信した送信権取得待ち時間に従って、前記ノードの伝送データを送信しても良い。
【0017】
なお、前記集中制御期間の初めのブロードキャストには、前記親局から前記各ノードへの転送データが含まれても良い。
【0018】
また、伝送許可帯域幅を制御するステップは、親局が、ポーリング信号と共に、前記次要求帯域幅に基づき前記各ノードに割り当てられる伝送許可帯域幅を送信し、前記各ノードが、受信した前記伝送許可帯域幅に従って、前記ノードの伝送データを送信するようにしても良い。
【0019】
ここで、伝送許可帯域幅の最大値である帯域幅閾値は、通信路の帯域幅の総量を現在アクティブなノード数で除算することで、前記各ノードの帯域幅閾値がそれぞれ均一となるように設定すれば良い。
【0020】
また、伝送許可帯域幅の最大値である帯域幅閾値は、前記各ノードに設定された優先順位に応じて、前記各ノードの帯域幅閾値をそれぞれ設定しても良い。
【0021】
なお、伝送許可帯域幅を制御するステップは、前記次要求帯域幅と前記帯域幅閾値とを比較し、前記次要求帯域幅の方が大きければ前記帯域幅閾値を、前記次要求帯域幅の方が小さければ前記次要求帯域幅を、前記伝送許可帯域幅とすれば良い。
【0022】
さらに、前記親局が伝送データの種類をチェックするステップと、前記伝送データの種類に応じて各ノードとの伝送データ間隔を非同期か同期の何れかにするステップとを有するようにしても良い。
【0023】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。即ち、各ノードが次に要求する伝送データの転送量を親局が事前に知ることができるため、ノード毎に的確に帯域幅制御を行えるようになる。次要求帯域幅が事前に分かるので、送信するデータの無いノードに対してはポーリングを行う必要がなくなるため、ポーリングによる遅延を減らすことが可能となる。また、次のノードに対するポーリングは常に一定の帯域幅閾値に応じた時間だけ待つ必要が無く、それよりも次要求帯域幅が少ない場合には、送信権取得待ちにかかる遅延も減らすことが可能となる。また、予め次要求帯域幅を知ることができるため、これに応じて各ノードに対する送信権取得待ち時間をスケジューリングし、この各ノードに対する送信権取得待ち時間が埋め込まれた一斉同報パケットを集中制御期間の始めに送信することで、各ノードに対する送信権のスケジューリングが一度のポーリングで可能となる。したがって、例えばポーリングが行えないような輻輳状態のとき等でも、親局が一旦送信権を取得したときは、そのときにスケジューリングされた送信権取得待ち時間が埋め込まれた同報パケットを一度送信するだけで、全てのノードはこの同報パケットの送信権取得待ち時間に応じた時間だけ待った後に伝送データを送信するようにすることが可能となる。また、帯域幅制御においては、各ノードに優先順位を持たせておくことも可能であり、例えば使用料金に応じて帯域幅を任意に制御することも可能となる。さらに、事前に送信するデータの種類を検知することで、時間的にクリティカルなデータ、例えば同期データ通信を行わなければならないようなVoIP(Voice over IP)等のデータの伝送時には、非同期ではなく、同期的にデータを送信することも可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の第1実施例の集中制御方法における親局(制御局)とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。本発明は、親局とノード間のデータ通信において、親局がポーリング信号により各ノードの送信権を与えて集中制御を行うPCF方式がベースとなっている。なお、本発明はPCF方式に限定されず、集中制御を行うプロトコルであれば、如何なる方式であっても構わない。まず、PCF制御開始を意味する親局のビーコン信号(B)により、集中制御期間(衝突回避期間)が始まる。なお、集中制御期間の終了は、親局からCF_END信号を同報することにより通知される。次に、親局は、各ノードに送信権を与えるために、ポーリング信号をポーリングリストに基づき各ノードに順番に送信していく。ここで、NTn(n=1,2,3・・・)は、ポーリング信号が含まれる転送データであり、具体的にこの中には、制御方法を示すデータCONT、ポーリングIDであるPID、ノードからのデータを最後に正しく受信したかどうかの確認データACKLAST、パケットのシーケンス番号SQN、各ノードの帯域幅制御用であるノードに対する伝送許可帯域幅BWREQ、存在すればノードへの転送データDATAT、そして巡回符号を用いた誤り検出用データCRC等が含まれる。ここで、親局からのデータであるNTnの中で、本発明で最も重要なデータは、伝送許可帯域幅BWREQである。他のデータに関しては、パケットの種類、通信プロトコル等により適宜変化するものであり、これらのデータの種類・内容に関しては、本明細書及び図面で開示したものに限定されるものではない。なお、ポーリングリストは、事前に衝突期間を用いて加入受付を行い、加入を許可されたノードにPIDを付与することで作成する。そして、ポーリングリストに加入しているノードのみが送信権を与えられるようになっている。各ノードnは、NTnデータの受信に応じて、順に返信データNRnを送信する。以下、NRnについて説明する。
【0025】
NT1パケットを受け取ったノード1は、NR1を親局に向けて送信する。ここで、NRn(n=1,2,3・・・)には、具体的には制御方法を示すデータCONT、ポーリングリスト番号Un(n=1,2,3・・・)、親局からのデータを最後に正しく受信したかどうかの確認データACKLAST、パケットのシーケンス番号SQN、そのノードが次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅BWREQ+1、BWREQに対応した容量の送信データDATAR、そして巡回符号を用いた誤り検出用データCRC等が含まれる。ここで、ノードからのデータであるNRnの中で、本発明で最も重要なデータは、次要求帯域幅BWREQ+1である。他のデータに関しては、パケットの種類、通信プロトコル等により適宜変化するものであり、これらのデータの種類・内容に関しては、本明細書及び図面で開示したものに限定されるものではない。同様に、NT2を受けたノード2は、次要求帯域幅BWREQ+1が含まれるNR2を親局に送信し、NT2を受けたノード3は、次要求帯域幅BWREQ+1が含まれるNR3を親局に送信する。そして、CF_END信号により集中制御期間が終了する。このようにすることで、親局は、ポーリングリストを一巡すると、受信するデータDATARと共に、次に要求する伝送データ量に関する情報であるBWREQ+1を得ることができる。
【0026】
そして、衝突期間の後、再度ビーコン信号(B)により、集中制御期間が始まる。この際、親局は、各ノードが次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅BWREQ+1を入手しているため、この次要求帯域幅BWREQ+1に基づき、各ノードの伝送データの伝送許可帯域幅BWREQを制御することが可能となる。したがって、各ノードから要求される伝送データの事前の明確な転送量の情報により、非同期メッセージを渡す場合に、転送帯域幅を単位時間内でノード毎に均一な帯域幅となるようにダイナミックに制御可能となる。
【0027】
各ノードに対する帯域幅閾値BWthは、通信路(チャネル)の帯域幅の総量BWtotalを現在アクティブなノード数(PIDtotal)で除算することで、各ノードの帯域幅閾値BWthがそれぞれ均一となるように設定することができる。最初の一巡目であり次要求帯域幅BWREQ+1がまだ不明な場合や、簡易的なシステムの場合には、この帯域幅閾値BWthを伝送許可帯域幅BWREQとする。次要求帯域幅BWREQ+1に関する情報を入手した場合には、次要求帯域幅BWREQ+1と帯域幅閾値BWthを比較し、次要求帯域幅BWREQ+1の方が大きければ帯域幅閾値BWthを伝送許可帯域幅BWREQとする。また、帯域幅閾値BWthの方が大きい場合には、次要求帯域幅BWREQ+1を伝送許可帯域幅BWREQとする。なお、帯域幅閾値BWthは、簡易的には均一になるように設定すれば良いが、ノード毎に優先順位をつけ、その優先順位に応じて帯域幅閾値BWthを大きくしたり、逆に小さくしたりすることも勿論可能である。例えば、課金料の多少に応じて優先順位をつけ、課金料が高いノードに対しては帯域幅閾値BWthを大きくし、課金料が低いノードに対しては帯域幅閾値BWthを小さくするようにすることも可能である。また、次要求帯域幅と共に送信パケットの種類等の情報も送ることで、パケットの種類に応じて適宜ダイナミックに伝送許可帯域幅を変更することも可能となる。このようにして、サービスレベルに応じて各ノードに重み付けをすることができるので、QoS(Quality of Service)等にも対応可能となる。
【0028】
このような集中制御方法により、親局は、次要求帯域幅が事前に分かるので、送信するデータの無いノードに対してはポーリングを行う必要がなくなるため、ポーリングによる遅延を減らすことが可能となる。また、次のノードに対するポーリングは一定の帯域幅閾値に応じた時間だけ待つ必要が無く、それよりも次要求帯域幅が少ない場合には、伝送許可帯域幅をダイナミックに制御できるため、送信権取得待ちにかかる遅延も減らすことが可能となる。
【0029】
次に、図2を用いて本発明の第2実施例を説明する。図2は、本発明の第2実施例の集中制御方法における親局(制御局)とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。本実施例と図1の第1実施例とは、ブロードキャストパケットBroad_Castを集中制御期間の初めに送信する点が異なる。なお、本実施例もPCF方式をベースに説明する。以下、より具体的に本発明の第2実施例を説明する。PCF制御開始を意味する親局のビーコン信号(B)により、集中制御期間(衝突回避期間)が始まり、集中制御期間の終了は、親局からCF_END信号を同報することにより通知される点は上記第1実施例と同様である。次に、ブロードキャストパケットBroad_Castをポーリングリストの全てのノードに送信する。このブロードキャストBroad_Castには、各ノードの帯域幅制御用であるノードに対する伝送許可帯域幅BWREQが含まれる。なお、伝送許可帯域幅BWREQは、上記第1実施例と同様に決定されるものである。簡易的には、伝送許可帯域幅BWREQは各ノードに対して一定の帯域幅で決定される。その後、親局からポーリング信号であるNTn(n=1,2,3・・・)が各ノードに送信権を順番に与えるために送信される。NTnには具体的に、制御方法を示すデータCONT、ポーリングIDであるPID、ノードからのデータを最後に正しく受信したかどうかの確認データACKLAST、パケットのシーケンス番号SQN、存在すればノードへの転送データDATAT、そして巡回符号を用いた誤り検出用データCRC等が含まれる。これに応答して、ノードnは送信権を取得し、送信データNRnを親局に送信する。なお、ノードからの返信データであるNRnは、上記第1実施例と同様の構成からなるデータであり、次要求帯域幅BWREQ+1が含まれるパケットである。そして、この次要求帯域幅BWREQ+1に基づき、各ノードの伝送データの伝送許可帯域幅BWREQを決定する。決定された各ノードに対する伝送許可帯域幅BWREQは、次のサイクルの集中制御期間の初めにブロードキャストBroad_Castにより全ノードに送信される。これにより、伝送許可帯域幅BWREQをダイナミックに制御可能となる。このブロードキャストにより、各ノードは、ポーリングによる送信権を取得したときに送信可能な伝送許可帯域幅を予め知ることができるため、ポーリング信号を受信してから送信パケットを構築するのではなく、予めブロードキャストBroad_Castにより伝送許可帯域幅に基づく伝送パケットを構築しておけるため、ポーリング信号を受信した後すぐに伝送データを送信することが可能となる。
【0030】
即ち、第1実施例では、ポーリング信号に伝送許可帯域幅BWREQが含まれているために、ポーリング信号に応答して遅延無く直ぐに伝送許可帯域幅BWREQに基づきパケットを生成し送信するためには、高速な処理が必要であったが、本第2実施例では、ノードがブロードキャストにより予め伝送許可帯域幅BWREQを知ることができるため、これに基づき予め伝送許可帯域幅BWREQに基づく送信パケットを生成しておくことが可能となる。
【0031】
なお、帯域幅閾値BWthや伝送許可帯域幅BWREQを決定する際に、サービスレベルに応じて各ノードに重み付けをすること等に関しては、上記の第1実施例における説明のとおりであり、重複説明は省略する。
【0032】
次に、図3を用いて本発明の第3実施例を説明する。図3は、本発明の第3実施例の集中制御方法における親局(制御局)とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。本実施例と図2の第2実施例とは、集中制御期間の初めに送信するブロードキャストパケットBroad_Castに、各ノードに対する送信権取得待ち時間情報を含める点が異なる。以下、より具体的に本発明の第3実施例を説明する。PCF制御開始を意味する親局のビーコン信号Bにより、集中制御期間(衝突回避期間)が始まり、集中制御期間の終了は、親局からCF_END信号を同報することにより通知される点は上記第1実施例及び第2実施例と同様である。次に、ブロードキャストパケットBroad_Castをポーリングリストの全てのノードに送信する。このブロードキャストBroad_Castには、第2実施例のように、各ノードの帯域幅制御用であるノードに対する伝送許可帯域幅BWREQが含まれるだけではなく、さらに各ノードに対する送信権取得待ち時間PIDtimeが含まれる点が本実施例の特徴である。送信権取得待ち時間PIDtimeは、親局が各ノードから入手した、次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅BWREQ+1に基づき、予め各ノードに対する送信権取得のための待ち時間をスケジューリングすることで決定される。そして、この決定された送信権取得待ち時間PIDtimeを、集中制御期間の初めにブロードキャストで各ノードに送信し、各ノードは、自局に設定された送信権取得待ち時間PIDtimeだけ待った後に、伝送許可帯域幅BWREQに基づき生成した伝送データNRnを送信するようにする。即ち、ブロードキャストパケットに、各ノードからの返信用の送信権取得待ち時間PIDtimeを挿入することで、集中制御期間の初めにノードに対する正しい伝送タイミングを通知することができる。これにより、ノードの親局への返答が、ポーリング信号が無くても時間タイミングを合わせることができるようになる。各ノードに送信権を与えるためのポーリング信号が不要となるので、ポーリングリストを一巡することを省くことができ、ポーリングに必要なコントロールフレームによる多くの遅延時間を減少させることが可能となる。
【0033】
さらに、第3実施例におけるブロードキャストパケットBroad_Castに、各ノードへの転送データNTn(n=1,2,3・・・)も含めることが可能である。より具体的には、ブロードキャストパケットBroad_Castを、制御方法を示すデータCONT、ポーリングIDであるPIDn、ノードnに設定する送信権取得待ち時間PIDtimen、ノードnからのデータを最後に正しく受信したかどうかの確認データACKLASTn、ノードnへのパケットのシーケンス番号SQNn、ノードの帯域幅制御用であるノードnに対する伝送許可帯域幅BWREQn、存在すればノードnへの転送データDATATn、そして巡回符号を用いた誤り検出用データCRCn等からなるように構成する。即ち、ブロードキャストBroad_Castによって、各ノードは、自局の送信権取得待ち時間PIDtimeと、伝送許可帯域幅BWREQ、さらには自局への転送データDATATをも入手することができる。各ノードは、上述の場合と同様に、自局に設定された送信権取得待ち時間PIDtimenだけ待った後に、伝送許可帯域幅BWREQnに基づき生成した、次要求帯域幅BWREQ+1が含まれる伝送データNRnを送信するようにする。これは、周波数共用時や基地局間干渉時、親局・ノード間の干渉時、輻輳時等で、親局が送信権を得にくい状況のときに、一旦送信できる状況になったときに、必要な全ての情報をブロードキャストすることで、再送回数等により全体の通信パフォーマンスが低下することを防止するのに有用である。
【0034】
ここで、キャリアセンスにより干渉時か否かを判断し、必要により上記の第3実施例のようにブロードキャストBroad_Castに送信権取得待ち時間PIDtimeや転送データDATATを含めるか、通常の第1実施例のような制御とするか否かを決定して、通信路の状況に応じた集中制御を行うことも可能である。例えば、親局は、各ノードとの通信状態を、RSSI(Receive Signal Strength Indication)レベル、PER(Packet Error Rate)又はBER(Bit Error Rate)等を受信されたパケットの伝送データにより把握し、ある閾値以上のエラーが発生している場合で、なおかつRSSIレベルがある閾値よりも高い場合には、何らかの干渉があると判断する。干渉があると判断すると、各ノードへのパケットを一つにまとめたブロードキャストパケットBroad_Castを構築し、キャリアセンスにより干渉が無いことを確認した後に一斉同報するようにする。これにより、干渉時には各ノードへのポーリング信号を省略でき、結果として再送回数等も減らすことができるので、遅延等の問題を解消できる。そして、キャリアセンス時のRSSIレベルが閾値を越えた回数をカウントしておけば、単位時間当たりに、ある閾値以下になった場合には、自動的に元のポーリング信号による集中制御方式に戻すようにすることも可能である。なお、具体的な集中制御方法の切り替えに関しては、伝送データに含まれる、制御方法を示すデータCONTを用いることで、通常時の制御なのか干渉時の制御なのかを通知することが可能である。
【0035】
次に、各ノードの帯域幅制御をダイナミックに行う非同期通信を行った場合に、時間的にクリティカルな伝送データ、即ち同期的に通信を行う必要があるデータを転送するのに問題が生ずる点について説明する。時間的にクリティカルなデータ、例えば、VoIPやVideo等のデータの場合、時間的に伝送データ間隔が一定周期になるように送信しなければ、通信品質を確保できない。したがって、上記の本発明のダイナミックに帯域幅制御を行う集中制御方法をそのまま用いた場合、VoIP等の通信に使用することができない問題がある。この問題を解決するために、伝送パケットの種類に応じて、各ノードとの伝送データ間隔を非同期にするか同期にするかを判定するステップを設けることが可能である。このパケットの種類は、伝送データのIPデータ内のプロトコルIDを解析することで、時間的にクリティカルな伝送データかそうでないかを判定することが可能である。また、送信パケットの種類等の情報も次要求帯域幅BWREQ+1と共に送ることで、次に送る伝送データの種類を事前に判定することも可能となる。各ノードは、時間的にクリティカルなデータを伝送したい場合、制御方法を示すデータCONTを利用して親局に通知を行う。親局は、時間的にクリティカルなデータを伝送するためのCONTを受けると、時間間隔をずらさないように、ポーリング信号を一定間隔で送信し、同期的にデータを伝送するようにする。CONTが時間的にクリティカルなデータで無くなれば、各ノードに対して帯域幅制御をダイナミックに行うようにする。
【0036】
以下、図4を用いて、本発明の集中制御方法における、時間的にクリティカルなデータを伝送する場合の各ノードからの送信データの伝送間隔について説明する。図示のように、親局は、各ノードへの優先伝送データ(Tn1,Tn2・・・)、各ノードからの優先伝送データ要求(Rn1,Rn2・・・)、各ノードへの非優先伝送データ(NTn1,NTn2・・・)、各ノードからの非優先伝送データ要求(NRn1,NRn2・・・)を、少しずつ使用し、集中制御期間と衝突期間を一定な伝送データ長になるように制御する。本発明の集中制御方法によれば、親局は、各ノードが次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅BWREQ+1が事前に分かるため、伝送許可帯域幅BWREQを制御することで一定の伝送データ長となるようにすることができるので、優先伝送データ、即ち、時間的にクリティカルなデータを優先して同期的に伝送することが可能となる。なお、通常の伝送データを扱う場合、即ち、各ノードに対して帯域幅をダイナミックに制御する場合には、集中制御期間と衝突期間を一定な割合になるように最適化すれば良い。
【0037】
なお、図4では、優先データが非優先データの2倍の帯域幅で一定の間隔で同期的に伝送される例を示したが、本発明はこれに限定されず、一定の間隔である同期的な転送であれば、帯域幅は3倍又はそれ以上であっても、同じであっても構わない。
【0038】
なお、本発明の集中制御を含むプロトコルを用いた集中制御方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の集中制御を含むプロトコルを用いた集中制御方法によれば、各ノードが次に要求する伝送データの転送量を親局が事前に知ることができるため、ノード毎に的確にダイナミックに帯域幅制御を行えるようになるという優れた効果を奏し得る。したがって、ポーリング信号による待ち時間やポーリングに必要なコントロールフレームによる多くの遅延時間を減少させることが可能となる。さらに、非同期・同期を任意に制御可能なため、時間的にクリティカルなデータの転送にも効率良く利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例の集中制御方法における親局とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施例の集中制御方法における親局とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。
【図3】図3は、本発明の第3実施例の集中制御方法における親局とノード間のデータのやり取りを説明するための図である。
【図4】図4は、本発明の集中制御方法における、時間的にクリティカルなデータを伝送する場合の各ノードからの送信データの伝送間隔について説明するための図である。
【図5】図5は、従来のTDMA方式による親局と各ノード間におけるデータの送受信の様子を説明するための図である。
【図6】図6は、従来のCSMA/CA方式による親局と各ノード間におけるデータの送受信の様子を説明するための図である。
【図7】図7は、従来のPCF方式による親局と各ノード間におけるデータの送受信の様子を説明するための図である。
【符号の説明】
B ビーコン信号
Broad_Cast ブロードキャストパケット
BWREQ+1 次要求帯域幅
BWREQ 伝送許可帯域幅
BWth 帯域幅閾値
PIDtime 送信権取得待ち時間
Claims (9)
- 親局とノード間のデータ通信において、親局がポーリング信号により各ノードに送信権を与える集中制御を含むプロトコルを用いた集中制御方法であって、該方法は、
各ノードが、伝送データと共に、次に要求する伝送データの転送量である次要求帯域幅を親局に送信するステップと、
親局が、前記次要求帯域幅に基づき、前記各ノードの伝送データの伝送許可帯域幅をダイナミックに制御するステップと、
を具備することを特徴とする集中制御方法。 - 請求項1に記載の集中制御方法において、前記伝送許可帯域幅を制御するステップは、前記親局が、前記次要求帯域幅に基づき前記各ノードに割り当てられる伝送許可帯域幅を、集中制御期間の初めにブロードキャストで送信し、前記各ノードが、受信した前記伝送許可帯域幅に従って、前記ノードの伝送データを送信することからなることを特徴とする集中制御方法。
- 請求項2に記載の集中制御方法において、前記親局は、前記次要求帯域幅に基づき、各ノードに対する送信権取得待ち時間をスケジューリングし、前記各ノードに対する前記送信権取得待ち時間を、集中制御期間の初めにブロードキャストで前記各ノードに送信し、前記各ノードが、受信した送信権取得待ち時間に従って、前記ノードの伝送データを送信することを特徴とする集中制御方法。
- 請求項2又は請求項3の何れかに記載の集中制御方法において、前記集中制御期間の初めのブロードキャストには、前記親局から前記各ノードへの転送データが含まれることを特徴とする集中制御方法。
- 請求項1に記載の集中制御方法において、前記伝送許可帯域幅を制御するステップは、親局が、ポーリング信号と共に、前記次要求帯域幅に基づき前記各ノードに割り当てられる伝送許可帯域幅を送信し、前記各ノードが、受信した前記伝送許可帯域幅に従って、前記ノードの伝送データを送信することからなることを特徴とする集中制御方法。
- 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の集中制御方法において、前記伝送許可帯域幅の最大値である帯域幅閾値は、通信路の帯域幅の総量を現在アクティブなノード数で除算することで、前記各ノードの帯域幅閾値がそれぞれ均一となるように設定することを特徴とする集中制御方法。
- 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の集中制御方法において、前記伝送許可帯域幅の最大値である帯域幅閾値は、前記各ノードに設定された優先順位に応じて、前記各ノードの帯域幅閾値をそれぞれ設定することを特徴とする集中制御方法。
- 請求項6又は請求項7に記載の集中制御方法において、前記伝送許可帯域幅を制御するステップは、前記次要求帯域幅と前記帯域幅閾値とを比較し、前記次要求帯域幅の方が大きければ前記帯域幅閾値を、前記次要求帯域幅の方が小さければ前記次要求帯域幅を、前記伝送許可帯域幅とすることからなることを特徴とする集中制御方法。
- 請求項1に記載の集中制御方法であって、さらに、前記親局が伝送データの種類をチェックするステップと、前記伝送データの種類に応じて各ノードとの伝送データ間隔を非同期か同期の何れかにするステップとを含むことを特徴とする集中制御方法。
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