JP2009048073A - 感光性転写材料、隔壁及びその形成方法、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置 - Google Patents

感光性転写材料、隔壁及びその形成方法、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧着(ラミネート)時のエア(気泡)の巻き込みを防止し、現像後の欠け欠陥の発生を抑止する。
【解決手段】仮支持体上に、該仮支持体側から順に、少なくとも熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とを有しており、前記感光性樹脂層は、少なくとも色材、バインダーポリマー、モノマー、及び重合開始剤を含み、Tg(b)×(Mw(b)/10000)≧215(数式(1))〔Tg(b):バインダーポリマーのガラス転移温度[℃]、Mw(b):バインダーポリマーの重量平均分子量〕を満たすと共に、前記モノマーの該感光性樹脂層中における含有量が該感光性樹脂層の全固形分の35質量%以下である感光性転写材料である。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性転写材料、隔壁及びその形成方法、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置
近年、パーソナルコンピューターや大画面液晶テレビの発達に伴ない、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。
このようなカラーフィルタは、通常、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、及びBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、及びBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行なわれる。
従来のカラーフィルタの製造方法としては、例えば、染色法や電着法、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、及びBの3回印刷を行なった後、樹脂を熱硬化させる方法等が知られている。
例えば染色法では、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、及びBの着色画素(カラーフィルタ)を形成することができる。
また、上記以外の他の方法として、顔料分散法がある。顔料分散法では、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、及びBの着色画素(カラーフィルタ)を形成することができる。
この顔料分散法においては、感光性樹脂層を形成するための調製液を塗布等することにより直接、所望の永久支持体上に形成した感光性樹脂層をパターニングする方法のほか、予め仮支持体上に感光性樹脂層が形成された転写材料を用い、この転写材料を永久支持体に圧着することにより永久支持体上に形成した感光性樹脂層をパターニングする方法がある。
一方、顔料分散法等の前記方法でカラーフィルタを作製するときにはR、G、及びB等の色相数合わせて同一の工程を繰り返す必要がある。そのため、コスト面や同一の工程を繰り返すことによる歩留まりの低下を解消する方法の1つとして、インクジェット方式を利用して着色インクを吹き付けることにより着色画素を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。インクジェット方式を利用して着色画素を形成しようとする場合、あらかじめ各色の画素を形成しようとする領域を区画する壁(例えばいわゆるブラックマトリックス)を形成しておき、ブラックマトリックスで囲まれた凹状の領域に着色インクを吐出して画素形成することができる。
また、非湿式の剥離現像によりカラーフィルタを作製する方法において、所定のガラス転移温度と重量平均分子量を持つポリマーを含有する感光性樹脂組成物を用いる技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。ここでは、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層が形成された複合体を形成し、露光後に剥離現像することにより画像が転写形成されるようになっている。
特開昭59−75205号公報 特開平2004−339332号公報 特開平10−115917号公報
しかしながら、壁や着色画素などを熱可塑性樹脂層及び感光性樹脂層を有する転写材料を用いて形成する場合、例えば第1色目のパターン形成時など、感光性樹脂層は比較的平面性の高い永久支持体の表面に圧着されて転写されるにも拘らず、転写材料を所望の支持体に圧着してラミネートする際に感光性樹脂層と支持体との間に泡(エア)を巻き込みやすく、巻き込まれた泡は感光性樹脂層の性状によっては抜けずに残ってしまい、巻き込まれた泡の影響で現像が助長され、現像後の壁や着色画素などの形状に欠けたような欠陥(欠け欠陥)が生じてしまうことがある。
殊に、いわゆるブラックマトリックスなどの壁を形成しようとする場合は、この欠け欠陥は例えばインクジェット法でインクを吹き付けて画素形成しようとする際に混色を招くことがあり、混色の発生はカラーフィルタの色特性や表示性能を悪化させる要因となる。
また、前記所定の感光性樹脂組成物を用いた複合体により画像を剥離形成する場合では、仮に感光性樹脂層との間に気泡ができても経時で消滅しやすく、しかも現像処理を必要としない系のため、気泡が影響して大きな欠け欠陥となることはない。ところが、加熱圧着(ラミネート)時の気泡の巻き込みについては、モノマーの含有量が多く、好ましいとされる40重量%以上の範囲ではむしろ圧着時に気泡を巻き込みやすく、気泡の混入を回避するのは難しく、現像処理を要する系では欠け欠陥の発生防止は困難である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、圧着(ラミネート)時にエア(気泡)を巻き込み難く、現像後の欠け欠陥の発生が防止された感光性樹脂転写材料、欠け欠陥の発生が防止された隔壁及びその形成方法、混色が防止され、色特性が良好で表示特性に優れたカラーフィルタ及びその製造方法並びに表示装置を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 仮支持体上に、該仮支持体側から順に、少なくとも熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とを有しており、前記感光性樹脂層は、少なくとも色材、バインダーポリマー、モノマー、及び重合開始剤を含み、下記数式(1)を満たすと共に、前記モノマーの該感光性樹脂層中における含有量が該感光性樹脂層の全固形分の35質量%以下である感光性転写材料である。
Tg(b)×(Mw(b)/10000)≧215 ・・・(1)
〔Tg(b):バインダーポリマーのガラス転移温度[℃]、Mw(b):バインダーポリマーの重量平均分子量〕
<2> 前記バインダーポリマーの含有量が、前記感光性樹脂層の全固形分の30質量%以上であること特徴とする前記<1>に記載の感光性転写材料である。
<3> 前記色材が、顔料であることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載の感光性転写材料である。
<4> 前記バインダーポリマーは、ベンジルメタクリレートが共重合した共重合体であって、前記ベンジルメタクリレートの共重合比率が20モル%以下であることを特徴とする前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の感光性転写材料である。
<5> 前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の感光性転写材料を、感光性樹脂層が永久支持体に接するように、該永久支持体に圧着する工程を有する隔壁の形成方法である。
<6> 圧着後の少なくとも前記感光性樹脂層を露光し、現像する工程を有することを特徴とする前記<5>に記載の隔壁の形成方法である。
<7> 前記<5>又は前記<6>に記載の隔壁の形成方法により形成された隔壁である。
<8> 前記<5>又は前記<6>に記載の隔壁の形成方法により隔壁を形成する工程と、形成された隔壁間に着色領域を形成する工程とを有するカラーフィルタの製造方法である。
<9> 前記着色領域の形成は、着色液体組成物をインクジェット法により前記隔壁間に付与する方法により行なうことを特徴とする前記<8>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<10> 前記<8>又は前記<9>に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタである。
<11> 前記<10>に記載のカラーフィルタを備えた表示装置である。
本発明によれば、圧着(ラミネート)時にエア(気泡)を巻き込み難く、現像後の欠け欠陥の発生が抑止された感光性樹脂転写材料を提供することができる。また、
本発明によれば、欠け欠陥の発生が防止された隔壁及びその形成方法、並びに、混色が防止され、色特性が良好で表示特性に優れたカラーフィルタ及びその製造方法、表示装置を提供することができる。
以下、本発明の感光性転写材料、並びにこれを用いた隔壁及びその形成方法、カラーフィルタ及びその製造方法、表示装置について詳細に説明する。
<感光性転写材料>
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に、該仮支持体側から順に少なくとも、熱可塑性樹脂層と、少なくとも色材、バインダーポリマー、モノマー、及び重合開始剤を含む感光性樹脂層と、を少なくとも有してなり、この感光性樹脂層が、下記数式(1)を満たし、かつ該感光性樹脂層中におけるモノマーの含有量を35質量%以下になるように構成したものである。また、本発明の感光性転写材料は、必要に応じて、熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層との間に中間層などの他の層を有していてもよい。
本発明の感光性転写材料は、例えば、カラーフィルタを構成する着色領域(例えば着色画素)、ブラックマトリックス等の遮蔽機能を有する隔壁、等の形成に好適であり、特には、インクジェット方式により着色領域(以下、「画素」ともいう。)を形成する際に永久支持体上のインクを付与する領域を区画する隔壁を形成するための転写材料として好適に用いることができる。
本発明の感光性転写材料においては、構成層である感光性樹脂層が下記数式(1)を満たす。感光性樹脂層の加熱圧着(ラミネート)時の溶融粘度は気泡の混入に影響しやすく、本発明においては、含有されるバインダーポリマーのガラス転移温度(Tg(b))と重量平均分子量(Mw(b))を下記数式(1)を満たすように選択し、加熱時の感光性樹脂層の溶融粘度を維持できるようにする。これより、加熱圧着(ラミネート)後に存在する気泡(エア)が大幅に低減され、その後の現像処理での欠け欠陥の発生に対する抑制効果を向上させることができる。
Tg(b)×(Mw(b)/10000)≧215 ・・・(1)
〔Tg(b):バインダーポリマーのガラス転移温度[℃]、Mw(b):バインダーポリマーの重量平均分子量〕
前記数式(1)を満たすことにより、特に、例えばブラックマトリクス等の遮光機能を有する隔壁を形成するときには、隔壁間の凹状領域にインクをインクジェット付与して着色領域を形成する際に欠け欠陥の影響で混色するのを抑止でき、色特性が良好で表示特性に優れたカラーフィルタを得るのに有効である。
前記数式(1)の左辺〔Tg(b)×(Mw(b)/10000)〕が215未満になると、感光性樹脂層の加熱圧着時における溶融粘度が低くなりすぎて、ラミネートのときに気泡を巻き込み易くなったり、あるいは巻き込んだ気泡が抜けにくくなる等の結果、その後の現像処理で気泡混入した部位が欠けてしまう。
数式(1)の左辺〔Tg(b)×(Mw(b)/10000)〕は、215以上とし、好ましくは230以上である。
また、本発明においては、感光性樹脂層中のバインダーポリマーのガラス転移温度(2種以上含むときは下記より求められる温度)が70〜140℃の範囲内(好ましくは80〜110℃)にあるとき、及び/又は、感光性樹脂層中のバインダーポリマーの重量平均分子量(2種以上含むときは下記より求められる分子量)が10000〜50000の範囲内(好ましくは15000〜40000)にあるときに、前記数式(1)を満たす場合が好ましい。
ここで、バインダーポリマーのガラス転移温度〔Tg(b)〕は、示差走査熱量測定(DSC;例えばセイコーインスツル(株)製)を用いて測定されるものである。
重量平均分子量〔Mw(b)〕は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定されるものである。具体的には、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムとして、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を用いた。また、条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行なう。検量線は、東ソー社製「polystyrene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製されたものである。
感光性樹脂層が2種以上のバインダーポリマーを含有する場合、ガラス転移温度〔Tg(b)〕、及び重量平均分子量〔Mw(b)〕はそれぞれ、各バインダーポリマーの重量平均で算出できる。例えば、感光性樹脂層がa質量%のポリマーA(Tg=a℃、重量平均分子量=a)とb質量%のポリマーB(Tg=b℃、重量平均分子量=b)の2種を含有する場合、ガラス転移温度は、Tg(b)=(a×(a/(a+b))+(b×(b/(a+b))により、また、重量平均分子量は、Mw(b)=(a×(a/(a+b))+(b×(b/(a+b))により、それぞれ求められる。
本発明においては、前記数式(1)を満たすことにより加熱圧着時の気泡混入が抑制されるが、ここでの「加熱圧着」とは、温度が80〜120℃程度であり、圧着力が0.05〜3.0MPa程度の場合である。
以下、本発明の感光性転写材料を構成する熱可塑性樹脂層、感光性樹脂層等の各層について詳細に説明する。
−熱可塑性樹脂層−
本発明の感光性転写材料は、少なくとも一層の熱可塑性樹脂層を有する。
熱可塑性樹脂層は、アルカリ現像を可能とし、転写時にはみ出した熱可塑性樹脂層自身による被転写体の汚染防止を可能とする点から、アルカリ可溶性であることが好ましい。
また、後述する感光性樹脂層を被転写体上に転写する際に、被転写体上に存在する凹凸に起因して発生する転写不良を効果的に防止するクッション材としての機能を有し、感光性転写材料を被転写体上に加熱密着させた際の被転写体上の凹凸に対応して変形可能な層である。
本発明においては、熱可塑性樹脂層の層厚は、2〜50μmであることが転写性の観点から好ましい。層厚が前記範囲内であると、転写時の仮支持体からの剥離を剥離面を損なうことがなく良好に行なえ、厚み変動による露光不良に伴なって精細なパターン形成が可能となる。層厚は、より好ましくは5〜40μmである、特に好ましくは10〜30μmである。
熱可塑性樹脂層は、少なくとも熱可塑性樹脂を用いて構成することができ、必要に応じて更に適宜他の成分を用いて構成することができる。
熱可塑性樹脂は、特に制限はなく適宜選択することができ、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、等より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記以外に更に、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用することもできる。
熱可塑性樹脂層に含まれる熱可塑性樹脂としては、熱可塑性樹脂層の実質的な軟化点が80℃以下になるものが好ましい。
これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。充分なクッション性と転写後の除去のしやすさの点で、異なる2種類の特性を有する樹脂(好ましくは後述のポリマーP及びポリマーP)を混合して用いることが好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸を総称し、その誘導体の場合も同様である。
熱可塑性樹脂層に含まれる熱可塑性樹脂の中でも、好ましくは、重量平均分子量が5万〜50万(Tg=0〜140℃)の範囲である樹脂であり、更に好ましくは重量平均分子量が6万〜20万(Tg=30〜110℃)の範囲である樹脂である。これらの樹脂の具体例としては、特公昭54−34327号、特公昭55−38961号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭61−134756号、特公昭59一44615号、特開昭54−92723号、特開昭54−99418号、特開昭54−137085号、特開昭57−20732号、特開昭58−93046号、特開昭59−97135号、特開昭60−159743号、特開昭60−247638号、特開昭60−208748号、特開昭60−214354号、特開昭60−230135号、特開昭60−258539号、特開昭61−169829号、特開昭61−213213号、特開昭63−147159号、特開昭63−213837号、特開昭63−266448号、特開昭64−55551号、特開昭64一55550号、特開平2−191955号、特開平2−199403号、特開平2−199404号、特開平2−208602号、特開平5−241340号の各公報に記載の、アルカリ水溶液に可溶な樹脂を挙げることができる。
特に好ましいのは、特開昭63−147159号公報に記載の、メタクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体である。
また、種々の熱可塑性樹脂のうち低分子側では、好ましくは、重量平均分子量が3千〜3万(Tg=30〜170℃)の範囲である樹脂、更に好ましくは、重量平均分子量が4千〜2万(Tg=60〜140℃)の範囲である樹脂である。これらの好ましい具体例としては、上記の公報に記載されているものの中から選ぶことができるが、特に好ましくは、特公昭55−38961号、特開平5−241340号の各公報に記載のスチレン/(メタ)アクリル酸共重合体である。
更には、上記のように異なる2種類の特性を有する樹脂、具体的には、高分子量ポリマーPと低分子量ポリマーPとを混合して用いることが好ましい。ここで、低分子量ポリマーとは、重量平均分子量が3,000以上12000未満のポリマーであり、高分子量ポリマーとは重量平均分子量が12000以上のポリマーである。
好ましい形態は、充分なクッション性と転写後の除去のしやすさの点で、重量平均分子量が5000以上10000未満のPと重量平均分子量が50000以上120000未満のPとを混合して用いる場合であり、好ましい例として、メタクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体(P)とスチレン/(メタ)アクリル酸共重合体(P)とを混合して用いる場合が挙げられる。
熱可塑性樹脂層には、前記熱可塑性樹脂以外に他の成分として、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的に軟化点が80℃を超えない範囲内で各種ポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤等を添加することができる。これらによるTgの調整も可能である。また、軟化点が80℃以上の有機高分子化合物も、その有機高分子化合物中に該高分子物質と相溶性のある各種可塑剤を添加することで、実質的な軟化点を80℃以下に下げて用いることもできる。
好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂とポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアネートとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアネートとポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、フタル酸ジエステル類、ビスフェノールAとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの縮合反応生成物を挙げることができる。
前記熱可塑性樹脂と前記可塑剤との組み合わせして、好ましくは、1)メタクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、ビスフェノールA及びポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの縮合反応生成物の組み合わせ、2)メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、ビスフェノールA及びポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの縮合反応生成物の組み合わせ、3)メタクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、フタル酸ジエステル類の組み合わせ、4)メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、フタル酸ジエステル類の組み合わせ、などを挙げることができる。
可塑剤の熱可塑性樹脂層中における量は、熱可塑性樹脂に対して、200質量%以下が一般的であり、熱可塑性樹脂層の軟化を容易に制御できる点で、20〜100質量%の範囲が好ましい。
前記界面活性剤としては、熱可塑性樹脂と混ざり合うものであれば使用可能である。
好ましい界面活性剤としては、特開2003−337424号公報の段落[0015]〜[0024]、特開2003−177522号公報の段落[0012]〜[0017]、特開2003−177523号公報の段落[0012]〜[0015]、特開2003−177521号公報の段落[0010]〜[0013]、特開2003−177519号公報の段落[0010]〜[0013]、特開2003−177520号公報の段落[0012]〜[0015]、特開平11−133600号公報の段落[0034]〜[0035]、特開平6−16684号公報に記載の界面活性剤が好適に挙げられる。
仮支持体との接着性をより高めるためには、フッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、又は、シリコーン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいはこれらの2種以上を含有することが好ましく、フッ素系界面活性剤が最も好ましい。
また、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。使用できる市販の界面活性剤として、例えば、エフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF−780−F、F171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、又は、シリコン系界面活性剤を挙げることができる。また、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
熱可塑性樹脂層の100℃における溶融粘度(ηCu)は、200Pa・s〜3000Pa・sが好ましく、より好ましくは200Pa・s〜2000Pa・sであり、最も好ましくは500Pa・s〜2000Pa・sである。
ηCuが前記範囲内であると、ラミネートにより形成される隔壁の欠け欠陥の発生防止に有効であると共に、転写時の熱可塑性樹脂層のはみ出し及びこれによるラミネートのヒートロールの汚染を防止して良好に転写が行なえ、基板上の凹凸に対する追従性を確保して永久支持体への密着を良好にすることができる。
熱可塑性樹脂層の溶融粘度ηCuを上記の範囲に調整する手段としては、熱可塑性樹脂層を構成するポリマーの中の低分子量ポリマーの含有率と可塑剤の含有率とを調整する方法等がある。熱可塑性樹脂層を柔らかく軟化する場合には、(1)可塑剤を添加量を高め
る、(2)低分子量ポリマーの含有率を高めて高分子量成分の割合を低くする、等の方法
により調整できる。
熱可塑性樹脂層を構成するポリマーの中の高分子量ポリマーPと低分子量ポリマーPとの含有比(P/P)としては、10/90以上70/30未満が好ましく、12/88以上60/40未満がより好ましく、15/85以上50/50未満が最も好ましい。これらの含有比が前記範囲内であると、ラミネートにより形成される隔壁の欠け欠陥の発生防止に有効であると共に、剥離性とクッション性を確保することができる。
可塑剤を添加する場合の添加量としては、熱可塑性樹脂層に含まれる樹脂成分及び可塑剤の固形分量に対して、28〜43質量%が好ましく、より好ましくは30〜40質量%であり、32〜38質量%が特に好ましい。可塑剤の含有量が前記範囲内であると、ラミネートして転写形成される隔壁の欠け欠陥の発生を防止し得る程度に熱可塑性樹脂層の粘度を低減するのに有効であると共に、クッション性を確保でき、転写時の熱可塑性樹脂層のはみ出し及びこれによるラミネートのヒートロールの汚染を防止することができる。
−感光性樹脂層−
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に設けられた前記熱可塑性樹脂層の仮支持体と対向しない側に少なくとも一層の感光性樹脂層を有してなる。感光性樹脂層は、隔壁等の樹脂構造物を形成する場合に該樹脂構造物を構成する層であり、カラーフィルタを構成する着色領域(例えば着色画素)のほか、後述するようなブラックマトリックス等の遮蔽機能を有する隔壁を形成するための組成物を用いて形成することができる。
本発明の感光性転写材料の感光性樹脂層は、隔壁を形成した際にブラックマトリクスなどの遮光機能を持つように構成されることが好ましい。隔壁は、公知のカラーフィルタ用ブラックマトリクスと同様の素材を用いて作製することができる。公知のカラーフィルタ用ブラックマトリクスとしては、例えば、特開2005−3861号公報の段落番号[0021]〜[0074]や特開2004−240039号公報の段落番号[0012]〜[0021]に記載のブラックマトリクス、特開2006−17980号公報の段落番号[0015]〜[0020]や特開2006−10875号公報の段落番号[0009]〜[0044]に記載のインクジェット用ブラックマトリクスなどである。
感光性樹脂層の構成を詳細に説明する。
感光性樹脂層は、色材、バインダーポリマー、モノマー、及び重合開始剤を含んでなり、必要に応じて更に、重合禁止剤、界面活性剤などを用いて構成することができる。
(色材)
前記色材としては、赤色、青色、緑色、黒色など目的に応じた色相の公知の着色剤(染料、顔料など)を適宜選択して用いることができる。具体的には、特開2005−17716号公報[0038]〜[0054]に記載の顔料及び染料や、特開2004−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
感光性樹脂層は遮光機能を有していることが好ましく、この場合は色材として黒色の色材が好適に用いられる。中でも、耐熱性、耐光性の点で、顔料が好ましく、遮光機能を付与するときには黒色顔料が好ましい。
黒色顔料としては、炭素質黒(カーボンブラック、グラファイトなど)、金属化合物(チタンブラックなど)等が挙げられる。カーボンブラックの例としては、Pigment Black(ピグメント・ブラック)7(カーボンブラック C.I.No.77266)が好適である。チタンブラックの例としては、TiO、TiO、TiNやこれらの混合物がある。これら黒色顔料の中でも、遮光性に優れる点で、カーボンブラックが好ましい。
感光性樹脂層中における色材(好ましくは顔料)の含有量としては、感光性樹脂層の全固形分に対して、10〜50質量%が好ましい。色材量が前記範囲内であると、遮光機能を付与しつつ、膜強度を十分に維持できる。
色材として好ましくは、遮光機能、膜強度の点で、顔料の含有量が、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることが更に好ましい。
感光性樹脂層は、アルカリ水溶液により現像可能なものと有機溶剤で現像可能なものとがある。安全性と現像液のコストの点で、アルカリ水溶液現像可能なものが好ましい。更には、感光性樹脂層は、感光性を有し、アルカリ水溶液で現像可能なものがより好ましく、光重合性組成物を用いて構成することができる。
「感光性を有し、アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂層」を構成する光重合性組成物としては、主成分として、カルボン酸基などの酸基を有するアルカリ可溶性のバインダーポリマーと、多官能アクリルモノマーなどの重合性もしくは架橋性化合物と、光重合開始剤とを含むものが好適に挙げられ、露光されると光重合開始剤からラジカルなどの開始種が発生し、重合性もしくは架橋性化合物の重合、架橋反応を生起、進行させ、露光領域が硬化する特性を有する。
(モノマー)
本発明における感光性樹脂層を構成するモノマーとしては、後述の重合開始剤からの活性種の作用を受けて重合もしくは架橋硬化する化合物の中から選択することができ、前記重合性もしくは架橋性化合物が好ましい。
重合性もしくは架橋性化合物としては、多官能アクリルモノマーが好適である。多官能アクリルモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類が好ましく挙げられる。
本発明においては、感光性樹脂層中におけるモノマーの含有量を該感光性樹脂層の全固形分(質量)に対して35質量%以下とする。モノマーの量が35質量%を超えると、加熱圧着(ラミネート)時に感光性樹脂層が柔らかくなり過ぎ、エア混入の抑制効果が低下し、また、圧着時に混入したエアは気泡として残ってしまう。これにより、現像後の欠け欠陥を極力防止することができる。
モノマーの含有量としては、上記同様の理由から少ない方が望ましいが、硬化性を考慮して、20〜40質量%の範囲が好ましく、25〜35質量%の範囲がより好ましい。
(バインダーポリマー)
本発明における感光性樹脂層を構成するバインダーポリマーとしては、露光、現像してパターン形成する観点から水可溶ないしアルカリ可溶性のポリマーが好ましく、前記酸基(カルボン酸基等)を有するアルカリ可溶性のバインダーポリマーは好適である。
酸基を有するバインダーポリマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和有機酸化合物と、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等の不飽和有機酸エステル化合物との共重合体が好適である。
前記共重合体のうち、加熱圧着時の気泡の混入を回避でき、特に例えばブラックマトリクス等の遮光機能を有する隔壁を形成したときのインクジェット付与されたインクの混色防止の観点から、バインダーポリマーが共重合成分として、ベンジルメタクリレートに由来する構成単位を有していることが好ましい。さらに、ベンジルメタクリレートが共重合するときの1分子中の共重合比率としては、同様の理由から、20モル%以下の範囲が好ましく、10モル%以下の範囲がより好ましく、0.5〜15モル%の範囲が特に好ましい。
本発明における感光性樹脂層を構成するのに適したバインダーポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/ブチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/シロクヘキシル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/イソボニル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、などを挙げることができる。
中でも、加熱圧着時の気泡の混入を回避する点で、メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート共重合体、が好ましい。
バインダーポリマーのガラス転移温度Tg(b)としては、70〜140℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜110℃の範囲である。Tg(b)は、70℃以上であると、加熱圧着(ラミネート)時のエア(気泡)の巻き込みを抑止でき、140℃以下であると、加熱圧着(ラミネート)時のエア(気泡)の巻き込みが充分となり、現像も良好に行なえる。
また、バインダーポリマーの重量平均分子量Mw(b)としては、10000〜50000の範囲が好ましく、より好ましくは15000〜40000の範囲である。Mw(b)は、10000以上であると加熱圧着(ラミネート)時のエア(気泡)の巻き込みを抑止でき、50000以下であると加熱圧着(ラミネート)時のエア(気泡)の巻き込みが充分となり、現像も良好に行なえる。
バインダーポリマーの感光性樹脂層中における含有量としては、感光性樹脂層の全固形分に対して、30質量%以上とすることが好ましい。バインダーポリマーの量が前記範囲内であると、加熱圧着(ラミネート)時の感光性樹脂層の溶融粘度を層が柔らかくなり過ぎない程度に維持でき、ある程度の硬さを保って圧着時の気泡の混入を効果的に抑制することができる。
バインダーポリマーの含有量としては、10〜40質量%がより好ましく、20〜35質量%が更に好ましい。
(重合開始剤)
本発明における感光性樹脂層を構成する重合開始剤としては、公知の重合開始剤の中から適宜選択することができる。中でも、光重合開始剤が好ましく、例えば、ハロメチルオキサジアゾール系化合物、又はハロメチル−s−トリアジン系化合物などを好適に挙げることができる。
感光性樹脂層中における重合開始剤の含有量としては、感光性樹脂層の全固形分に対して、1〜20質量%が好ましい。重合開始剤の量が前記範囲内であると、良好な硬化性を得ることができる。
重合開始剤の含有量は、1〜5質量%がより好ましい。
なお、本発明に使用可能な光重合性組成物は上記に限定されるものではなく、公知のものの中から適宜選択することできる。
感光性樹脂層の100℃における溶融粘度(η)は、η/ηCu>2〔ηCu:前記熱可塑性樹脂層の100℃における溶融粘度〕の関係を満たす範囲が好ましい。
中でも、ηは、2000Pa・s〜1000000Pa・sが好ましく、より好ましくは4000Pa・s〜50000Pa・sであり、最も好ましくは10000Pa・s〜50000Pa・sである。ηが前記範囲内であると、ラミネートにより形成される隔壁の欠け欠陥の発生が効果的に抑えられると共に、永久支持体への密着を確保できる。
感光性樹脂層の溶融粘度ηを上記の範囲に調整する手段としては、既述のように(1)感光性樹脂層中に含まれるバインダーポリマーのガラス転移温度〔Tg(b)〕及び重量平均分子量〔Mw(b)〕を調整するほか、(2)モノマー/バインダーポリマーの比率を調節する、(3)感光性樹脂層の固形分中の顔料割合を調整する、等の方法が挙げられる。
特に感光性樹脂層を硬くする方法としては、(1')モノマー(M)/バインダーポリマー(B)の比率(M/B)を小さく(好ましくは0.7≦M/B≦1.0)する、(2')感光性樹脂層に顔料を添加して固形分中の顔料割合を高める、(3)Tg(b)の高い(好ましくはTg≧80)バインダーポリマーを選択する、等が挙げられる。
感光性樹脂層の層厚としては、0.5〜10μmが好ましく、1.0〜5.0μmがより好ましい。ブラックマトリクス等の遮光機能を有する隔壁を形成する場合には、混色防止の点で前記範囲内が好ましい。
(その他)
本発明の感光性転写材料は、上記の熱可塑性樹脂層や感光性樹脂層以外に、必要に応じて中間層や保護フィルムを有してもよい。
感光性樹脂転写材料を構成する仮支持体、中間層、及び保護フィルム、並びに転写材料の作製方法の詳細については、特開2005−3861号公報の段落番号[0023]〜[0066]に記載のものを好適なものとして適用することができる。
感光性転写材料は、特開平5−72724号公報に記載の感光性樹脂転写材料、すなわち一体型に構成されたフィルムに構成されることが好ましい。一体型フィルムの構成例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層/保護フィルムの順に積層された構成が挙げられる。
<隔壁及びその形成方法>
本発明の隔壁は、前記本発明の感光性転写材料を用い、この感光性転写材料を、感光性樹脂層が永久支持体に接するように、該永久支持体に圧着する工程(以下、「転写工程」ということがある。)を設けて形成される。
本発明の隔壁は、好ましくは、本発明の感光性転写材料をその感光性樹脂層が永久支持体に接するように該永久支持体に圧着する工程(転写工程)と、圧着後の少なくとも前記感光性樹脂層を露光し、現像する工程(以下、「パターニング工程」ということがある。)とを設けて形成される。
永久支持体に圧着する工程(転写工程)では、少なくとも隔壁を形成する感光性樹脂層を永久支持体に加圧下で密着(ラミネータなどによって貼付)し、転写形成する。すなわち、感光性転写材料を感光性樹脂層が永久支持体に接するように永久支持体に圧着し、必要により仮支持体を剥離した後、永久支持体上の感光性樹脂層を所望のパターン状に露光し、さらに現像することにより好適に作製することができる。また、必要に応じて、ポスト露光する工程やポストベークする工程などの他の工程を設けてもよい。仮支持体は、転写後パターン状に露光する前に除去してもよいし、パターン状に露光した後に除去してもよい。
転写工程としては、特開2006−23696号公報の段落番号[0037]に記載の方法や、WO2006−4225に記載のラミネータを用いて転写する方法が、本発明においても好適である。また、パターン状に行なう露光、現像、ポスト露光やポストベークなどの工程については、特開2006−23696号公報の段落番号[0038]〜[0051]に記載の方法を適用することができる。
パターニング工程では、感光性樹脂層を露光し、現像する。
露光は、例えば、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(例えば、日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)等を用いて行なえ、露光量は適宜(例えば300mJ/cm)選択すればよい。露光に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
露光する工程では、仮支持体除去後の除去面(例えば仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層の層構造であるときには熱可塑性樹脂層の表面)と、所望のフォトマスク(例えば石英露光マスク)とを向き合うように配置し、永久支持体とフォトマスクとを垂直に立てた状態で、フォトマスク面と感光性樹脂層との間の距離を適宜(例えば200μm)設定し、露光することができる。
露光後は現像処理が施され、露光後の感光性樹脂層を所定の現像液を用いて現像処理する。続いて、必要に応じて水洗処理し、パターン画像を得る。なお、現像前には、純水をシャワーノズル等にて噴霧し、感光性樹脂層又は酸素遮断層の表面を均一に湿らせることが好ましい。
現像処理に用いる現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が用いられるが、水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。
現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。
前記アルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、燐酸三ナトリウム、等が挙げられる。アルカリ性物質の希薄水溶液は、アルカリ性物質の濃度としては0.01〜30質量%が好ましく、pHは8〜14が好ましい。
前記「水と混和性の有機溶剤」としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が好適に挙げられる。水と混和性の有機溶剤の濃度は0.1〜30質量%が好ましい。
更に、公知の界面活性剤を添加することもでき、該界面活性剤の濃度としては0.01〜10質量%が好ましい。
また、ポスト露光する工程やポストベークする工程を設けてもよい。
ポスト露光に用いる光源としては、感光性樹脂層を硬化し得る波長領域の光(例えば、365nm、405nm)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、前記露光を補う露光量であればよく、通常は50〜5000mJ/cm2であり、好ましくは200〜4000mJ/cm2、更に好ましくは500〜2000mJ/cm2である。
ポストベーク時の温度は、通常、150〜280℃であり、好ましくは180〜250℃である。加熱時間は、前記ベーク温度により適宜選択できるが、例えばベーク温度を240℃とした場合は10〜120分が好ましく、30〜90分がより好ましい。
本発明の隔壁は、前記本発明の感光性転写材料を用いて形成されるので、壁欠けの欠陥(欠け欠陥)の発生が防止されており、インクジェット法によりインクを付与した際のインクの混色が効果的に防止され、色特性の良好なカラーフィルタ、ひいては表示特性に優れた表示装置が得られる。また、感光性樹脂転写材料を用いた転写によるので、コスト削減の観点でも好ましい。
隔壁は、本発明の感光性転写材料を用いた転写法により得られるものであればいずれのものでもよいが、カラーフィルタを作製する場合は隔壁がブラックマトリクスなどの遮光機能を有していることが好ましい。
また、隔壁は、付与されたインクジェットインクの混色を防ぐために、撥インク処理が施されてもよい。撥インク処理については、例えば、(1)撥インク性物質を隔壁に練りこむ方法(例えば、特開2005−36160号公報参照)、(2)撥インク層を新たに設ける方法(例えば、特開平5−241011号公報参照)、(3)プラズマ処理により撥インク性を付与する方法(例えば、特開2002−62420号公報参照)、(4)隔壁の壁上面に撥インク材料を塗布する方法(例えば、特開平10−123500号公報参照)、などが挙げられ、特に(3)基板上に形成された隔壁にプラズマ処理により撥インク性を付与して隔壁を撥インク化処理する方法が好ましい。
隔壁の高さとしては、混色防止の点で、0.5〜10μmが好ましく、1.0〜5.0μmがより好ましい。
隔壁の光学濃度は、高い遮光性を有する隔壁(例えばブラックマトリックス)を形成できる点で、3〜5であることが好ましい。
隔壁の光学濃度は、分光光度計UV−2100〔(株)島津製作所製〕を用いて、隔壁(例えばブラックマトリクス)が形成された隔壁付き基板の透過光学濃度(OD)を波長555nmで測定すると共に、各隔壁付き基板に用いた基材(例えばガラス基材)の透過光学濃度(OD)を同様の方法で測定し、ODからODを差し引いた透過濃度OD(=OD−OD)を光学濃度として測定できる。
<カラーフィルタ及びその製造方法>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、本発明の隔壁を形成する工程と、形成された隔壁間に着色領域を形成する工程(以下、「着色領域形成工程」ということがある。)とを設けて構成される。「本発明の隔壁を形成する工程」は、既述の本発明の隔壁の形成方法により隔壁を形成するものであり、転写工程を有し、好ましくは転写工程とパターニング工程とを有して構成されるものである。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、既述のように本発明の隔壁を形成した後、永久支持体上に形成された隔壁で挟まれた隔壁間、具体的には例えばマトリックス状のカラーフィルタを形成する場合は隔壁で囲まれた凹状の領域に、着色液体組成物(以下、インクともいう)を、(好ましくはインクジェット方式により)付与して着色領域を形成する(着色領域形成工程)。着色領域は、カラーフィルタを形成したときの赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の個々の着色画素をなすものである。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、着色領域形成工程以外に、好ましくは更に、形成された少なくとも1色の着色領域を活性エネルギー線の照射により硬化する硬化工程や、所望の色相の着色領域の少なくとも1つ又は全てを形成した後に熱により硬化する硬化工程を有する。
−着色領域形成工程−
着色領域形成工程では、形成された隔壁間に着色領域を形成する。この着色領域の形成は、上記のように、着色液体組成物(インク)をインクジェット法により隔壁間に付与する方法により行なうことが好ましい。この場合、基板上に形成された隔壁で取り囲まれた凹状の部分に、着色画素(例えばRGB3色の画素パターン)を形成するためのインクジェットインクを吐出して侵入させることで、2色以上の複数の着色画素で構成されるようにカラーフィルタを作製することができる。
カラーフィルタのパターン形状については、特に限定はなく、ブラックマトリックス形状として一般的なストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
インクジェット法としては、帯電したインクジェットインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。具体的には、インクジェットヘッドを用いてインクを吐出する方法が好適である。
インクジェットヘッド(以下、単にヘッドともいう。)には、公知のものを適用することができ、コンティニアスタイプ、ドットオンデマンドタイプが使用可能である。
ドットオンデマンドタイプのうち、サーマル型ヘッドでは、吐出のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。ピエゾ型ヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを用いることができる。これらの中で、インクジェットインクに対する熱の影響を少なくすることができ、使用可能な溶剤の選択が広いことから、ピエゾヘッドがより好ましい。
ヘッドは、インクの温度が管理できるように温調機能を持つものが好ましい。射出時の粘度は、5〜30mPa・sとなるように射出温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるようにインク温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、1〜500kHzで稼動することが好ましい。
ヘッドのノズルの形状は、必ずしも円形である必要はなく、楕円形、矩形など形状には制限はない。ノズル径は、10〜100μmの範囲であることが好ましい。なお、ノズルの開口部自身必ずしも真円とは限らないが、その場合にはノズル径とは、開口部の面積と同等の円を仮定しその径とする。
インクジェットインクの射出条件としては、特に制限はなく、室温で行なってもよい。インクジェットインクを30〜60℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。有機系インクジェットインクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動は、そのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こしやすいため、インクジェットインク温度をできるだけ一定に保つことが重要である。
なお、着色液体組成物(インク)をインクジェット法により付与する場合、隔壁を有する永久支持体を固定配置し、インクジェットヘッドを1次元方向に平行移動させてもよいし、逆にインクジェットヘッドを固定配置し、永久支持体を1次元方向に平行移動させてもよく、あるいはインクジェットヘッドを1次元方向に平行移動させると共にこの方向と略直交する1次元方向に隔壁を有する永久支持体を平行移動させてもよい。
本発明におけるカラーフィルタは、RGBを含む少なくとも3色のインクを吹き付けて少なくとも3色の着色領域(すなわち着色画素)からなる群(画素群)で構成された形態が好ましい。
本発明における着色液体組成物(インク)は、着色剤、有機溶剤、及びモノマーを少なくとも含有することができ、必要に応じて他の成分を含んでもよい。
インクの物性値は、25℃の粘度としては10〜100mPa・sが好ましく、25℃の表面張力としては10〜50mN/mが好ましい。
本発明に用いるインクは、油性及び水性のいずれであってもよい。また、そのインクに含まれる着色剤は、染料、顔料ともに使用することができ、耐久性の面からは顔料の使用が好ましい。また、公知のカラーフィルタの作製に用いられる塗布方式の着色インク(例えば、特開2005−3861号公報の段落[0034]〜[0063]や[0076]〜[0078]などに記載の着色樹脂組成物)や、特開平10−195358号公報の段落[0009]〜[0026]や、特開2004−339332号公報や特開2002−372615号公報に記載のインクジェット用組成物を使用することができる。
本発明におけるインクには、着色領域形成後の工程を考慮し、加熱によって硬化する、又は紫外線などのエネルギー線によって硬化する成分を添加することもできる。
加熱によって硬化する成分としては、各種の熱硬化性樹脂が広く用いられ、また、エネルギー線によって硬化する成分としては、例えばアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体に光反応開始剤を添加したものが挙げられる。特に耐熱性を考慮すると、アクリロイル基、メタクリロイル基を分子内に複数有するものがより好ましい。これらのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導体は水溶性のものが好ましく使用でき、水に難溶性のものでもエマルション化するなどして使用できる。
本発明においては、インクを隔壁間に付与(例えば吐出)後、液滴に含まれる溶剤を除去してインク残部とした後に、前記インク残部を加熱(いわゆるベーク処理)することでインク残部を硬化させて着色層を形成するようにすることができる。ここでの加熱は、1段階で行なうことも、多段階で行なうことも可能である。
1段階での加熱とは、溶剤除去してインク残部とした後、初めから完全にインクを硬化させる所定の温度にて加熱することであり、多段階での加熱とは、初めは比較的低温で加熱を開始し、その後順次加熱温度を上げて最終的に完全にインクを硬化させる所定の温度で加熱することである。
加熱の方法としては、ホットプレート、電気炉、乾燥器等による加熱、あるいは赤外線を照射することによる方法が挙げられるが、これに制限されるものではない。
この加熱前に、インク残部を活性エネルギー線で硬化させる工程を設けてもよい。
加熱時の加熱温度及び加熱時間は、インクジェットインクの組成や着色領域の厚みに依存するが、一般に充分な画素強度、耐溶剤性、耐アルカリ性などを確保する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
本発明においては、着色領域形成工程から加熱を行なう加熱工程までを24時間以内で行なうことが好ましく、12時間以内で行なうことがより好ましく、6時間以内に行なうことがさらに好ましい。着色領域を形成した後長時間放置せずに前記時間範囲内で加熱を開始することにより、インク中の顔料の凝集や各種バインダー等の析出を防止でき、面状の良好な着色領域(すなわち着色画素)を形成することができる。
上記のように、隔壁及び着色領域(着色画素)を形成してカラーフィルタを作製した後には、耐性向上の目的で、着色領域及び隔壁の全面を覆うようにオーバーコート層を形成することができる。
オーバーコート層は、R,G,B等の着色領域及び隔壁を保護すると共に、カラーフィルタの表面を平坦にすることができる。但し、工程数が増える点からは、設けないことが好ましい。
オーバーコート層は、樹脂(OC剤)を用いて構成することができる。樹脂(OC剤)としては、アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物などが挙げられる。中でも、可視光領域での透明性に優れ、着色液体組成物(インク)の樹脂成分が通常アクリル系樹脂を主成分としたものであって密着性に優れることから、アクリル系樹脂組成物が望ましい。オーバーコート層の例として、特開2003−287618号公報の段落番号[0018]〜[0028]に記載のものや、オーバーコート剤の市販品として、JSR社製のオプトマーSS6699Gが挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明のカラーフィルタの製造方法により作製されたものであり、例えば、テレビ、パーソナルコンピューター、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく好適に適用できる。本発明のカラーフィルタにおいては、隔壁(例えばブラックマトリクスとして機能する隔壁)が既述の本発明の感光性転写材料で構成されていればよく、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、白色(W)、紫色(V)等の任意の色画素を形成して構成することができる。
<表示装置>
本発明の表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを備えるものであれば、特に限定するものではない。本発明の表示装置には、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置が含まれる。
表示装置の定義や各表示装置の説明は、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置としては、中でも液晶表示装置であることが特に好ましい。液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。液晶表示装置には、特に制限はなく、例えば前記「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置が適用できる。
本発明の表示装置は、特にカラーTFT方式の液晶表示装置に構成されるのが有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに、本発明の表示装置は、IPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については、例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置は、カラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルムなど、様々な部材を用いて構成される。これらの部材については、例えば、「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場
(島 健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉、(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
本発明の表示装置は、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用できる。
本発明の表示装置は、既述のように本発明の感光性転写材料を用いることにより混色を抑えて色純度及び色相の良好なカラーフィルタを備えるので、テレビ、モニターに搭載したときに、色ムラ等の表示ムラがなく、広い色再現域と高コントラスト比を有する画像を表示することができる。また、ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の表示装置等にも好適である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。下記実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は、本発明の範囲から逸脱しない限り適宜変更することができ、したがって本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例において、特に断りのない限り、「%」及び「部」はいずれも質量基準であり、分子量は重量平均分子量を表す。
(実施例1)
[バインダー1の合成]
窒素気流下、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〔MMPG-Ac、ダイセル化学工業(株)製〕250gを、冷却管を設置した1000mlの三つ口フラスコに入れ、パラフィン入りのウォーターバスで内温が80℃まで加熱した。これに、MMPG−Ac80gにメタクリル酸〔MAA、三菱レーヨン(株)製〕19.35gとベンジルメタクリレート〔BzMA、共栄社化学(株)製〕6.72gとメタクリル酸メチル〔MMA、共栄社化学(株)製〕242.68gとを溶解させた溶液及び、MMPG−Ac20gに2,2'−アゾビス(イソ酪酸メチル)〔V601、和光純薬工業(株)製〕3.14gを溶解させた溶液をそれぞれプランジャーポンプで3時間かけて滴下した。滴下終了後、5時間攪拌し、H−NMRにより残存モノマーの消失を確認した。これを更に27%となるようにMMPG-Acで希釈した。
以上のようにして、MAA/BzMA/MMA=7.2/2.5/90.3(質量比)のバインダー1を合成した。バインダー1は、ガラス転移温度が110℃であり、重量平均分子量は3.0万であった。
モノマーが消失しており、かつ高分子量成分の生成から、樹脂の合成を確認した。
ここで、ガラス転移温度は、得られたバインダー1に対して、示差走査熱量測定(DSC;セイコーインスツル(株)製EXSTER6000)を用いて測定した。
また、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。GPCは、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムとして、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。また、条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー社製「polystyrene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
[K顔料分散物1の調製]
下記組成の成分を混合してK顔料分散物1を調製した。
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) ・・・13.1%
・分散剤(下記化合物1) ・・・0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物、Tg=76℃、重量平均分子量=3.0万) ・・・6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・79.53%
Figure 2009048073


[感光性樹脂組成物K1の調製]
下記組成に示す量のK顔料分散物1、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、攪拌しながら更に、下記組成に示す量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、フェノチアジン、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、150r.p.m.で30分間攪拌することによって、感光性樹脂組成物K1を調製した。
<感光性樹脂組成物K1の組成>
・K顔料分散物1 ・・・30.33%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 8.60%
・メチルエチルケトン ・・・34.16%
・シクロヘキサノン ・・・ 8.55%
・2,4-ビス(トリクロロメチル)−6-〔4´−(N、Nジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3´−ブロモフェニル〕−s−トリアジン ・・・ 0.24%
・前記バインダー1 ・・・11.59%
・下記DPHA液 ・・・ 6.46%
・フェノチアジン ・・・ 0.01%
・下記界面活性剤1 ・・・ 0.06%
なお、各成分の詳細は下記の通りである。
〜DPHA液〜
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) ・・・ 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 24%
〜界面活性剤1〜
・下記構造物1 ・・・ 30%
・メチルエチルケトン ・・・ 70%
Figure 2009048073

なお、本発明における感光性樹脂層にバインダーが2種以上含まれる場合、本発明にいう「バインダーポリマーのガラス転移温度」は、各バインダーの重量平均で算出される。
すなわち、実施例1では、K顔料分散物1からベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(Tg=76℃、重量平均分子量=3.0万)が2.04%、バインダー1からMAA/BzMA/MMA=7.2/2.5/90.3(質量比;Tg=110℃、重量平均分子量=3.0万)が3.13%存在する。よって、本発明にいう「バインダーポリマーのガラス転移温度」は、(76×(2.04/(2.04+3.13))+(110×(3.13/(2.04+3.13))=96.6℃と算出される。
また、本発明にいう「バインダーポリマーの重量平均分子量」の計算も同様である。
[隔壁の形成]
(感光性転写材料K1の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成した。次に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を、熱可塑性樹脂層の上にさらに塗布、乾燥させて中間層(酸素遮断膜)を形成した。この中間層上にさらに、前記感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させて、感光性樹脂層K1を形成した。
このようにして、PET仮支持体の上に、乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.3μmの感光性樹脂層K1を積層し、この感光性樹脂層K1の表面に保護フィルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
以上のようにして、仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層と感光性樹脂層K1とが一体となった感光性転写材料K1を作製した。
<熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1>
・メチルエチルケトン ・・・171.6部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃、21%,メチルエチルケトン26%、プロピレングリコールモノメチルエーテル13%、メタノール40%溶液) ・・・444.7部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、平均分子量=1万、Tg≒100℃、42%、メチルエチルケトン49.5%、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.5%) ・・・271.8部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) ・・・106.0部
・前記界面活性剤1 ・・・5.94部
<中間層用塗布液:処方P1>
・PVA205 ・・・32.2部
(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550)
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)・・・14.9部
・蒸留水 ・・・524部
・メタノール ・・・429部
次に、無アルカリガラス基板(以下、単に「ガラス基板」ともいう。)を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながら、ナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、さらに純水でシャワー洗浄した。その後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱した。
得られたシランカップリング処理ガラス基板に、上記より得た感光性転写材料K1から保護フィルムを除去し、除去後に露出した感光性樹脂層K1を、その表面がシランカップリング処理ガラス基板の表面と接するように重ね合わせ、WO2006−4225のFig.24に記載の大型二丁貼ラミネータを用いてラミネートした。このとき、ラミネータ
の詳細については、以下の通りである。
Figure 2009048073

〜気泡の評価〜
感光性転写材料K1がラミネートされたシランカップリング処理ガラス基板を、高輝度シャーカステン上で感光性転写材料K1側が上(観察側)になるように置き、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、10μm以上のピンホールの数をカウントした。その結果を下記表2に示す。
続いて、仮支持体を熱可塑性樹脂層との間で剥離後、ミラープロジェクション型露光機(MPA−8800CF、キャノン(株)製)により、感光性樹脂層を露光量100mJ/cmにてパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1部と純水11部の割合で混合)に希釈した液)を30℃で50秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、このガラス基板の上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。
引き続き、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−CD1(富士フイルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液)を用いて29℃で30秒間、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し、感光性樹脂層K1を現像し、パターン像を得た。
引き続き、洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有;商品名:T−SD1(富士フイルム(株)製))を純水で10倍に希釈した液を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaにてシャワーで吹きかけ、更にナイロン毛を有する回転ブラシにより、形成されたパターン像を擦って残渣除去を行ない、所望の隔壁パターンを得た。
その後、メタルハライドランプを有するウシオ電気(株)製の露光機で3000mJ/cmの露光量にて隔壁パターンが形成されたガラス基板に対して両面からポスト露光を
行なった後、220℃で20分間熱処理し、光学濃度4.0、膜厚2.0μm、100μm幅の開口部を有するストライプ状の隔壁を得た。
[撥インク化プラズマ処理]
隔壁が形成されたガラス基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にて撥インク化プラズマ処理を施した。
(条件)
・使用ガス :CF4
・ガス流量 :80sccm
・圧力 :40Pa
・RFパワー:50W
・処理時間 :30sec
[着色液体組成物の調製]
下記の成分のうち、まず顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色(R)画素用の着色液体組成物(インクR)を調製した。
〈赤色画素用の着色液体組成物の組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) ・・・5部
・高分子分散剤(AVECIA社製のソルスパース24000) ・・・1部
・バインダー ・・・ 3部
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物、重量平均分子量3.7万)
・第一エポキシ樹脂 ・・・2部
(ノボラック型エポキシ樹脂、油化シェル社製エピコート154)
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル) ・・・5部
・硬化剤(トリメリット酸) ・・・ 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル ・・・80部
さらに、前記組成中のC.I.ピグメントレッド254をこれと同量のC.I.ピグメントグリーン36に代えた以外は、前記赤色画素用の着色液体組成物と同様にして、緑色(G)画素用の着色液体組成物(インクG)を調製した。
また更に、前記組成中のC.I.ピグメントレッド254をこれと同量のC.I.ピグメントブルー15:6に代えた以外は、赤色画素用の着色液体組成物と同様にして、青色(B)画素用の着色液体組成物(インクB)を調製した。
[インクジェット法による画素の形成]
インクジェットヘッドとしてDimatix社製のSE−128を、吐出制御装置としてDimatix社製のApolloIIを用い、以下の形態でインクを打滴した。
インクジェットヘッドを自動2次元移動ステージ(駿河精機製KS211−200)上に搭載し、隔壁が形成されたガラス基板の隔壁で囲まれた凹部に所定インク量が吐出されるように、ステージを移動させながら吐出制御装置によるヘッドからの吐出を同期させた。ここで、インクR、インクG、及びインクBの3色のインクは、各々別のヘッドに充填されており、各ヘッドはXYステージ上に固定され、各々のインクが所定の位置に着弾するように、吐出制御装置により3つのヘッドを独立に制御した。
打滴は、所望の濃度になるまで各色のインクを吐出し、吐出完了後、ホットプレートで100℃で2分間加熱乾燥させた後、さらに230℃のオーブン中で30分間ベーク処理することにより、隔壁及び着色画素(R画素、G画素、及びB画素)ともに良好に硬化されたカラーフィルタ(以下、これを「カラーフィルタ基板」という。)を作製した。
〜カラーフィルタの評価〜
得られたカラーフィルタ基板における混色の程度を以下の方法により評価した。
カラーフィルタを光学顕微鏡を用いて観察し、カラーフィルタから任意に選択した3000画素について、インク混色の発生の有無を観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。結果は下記表2に示す。なお、実用上許容可能なランクは、Aランク、Bランク、及びCランクである。
〈評価基準〉
Aランク:全く混色がなかった。
Bランク:混色が1〜2箇所認められた。
Cランク:混色が3〜4箇所認められた。
Dランク:混色が5〜10箇所認められた。
Eランク:混色が11箇所以上認められた。
[表示装置の作製]
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びに隔壁の上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、同様にITO透明電極をスパッタリングにより形成した。そして、前記ITO透明電極上の隔壁の上方に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
−液晶配向分割用突起の形成−
下記処方Aよりなる突起用感光性樹脂層用塗布液を、上記と同様のスリットコーターによりカラーフィルタ上のITO透明電極の上に塗布し、乾燥させて突起用感光性樹脂層を形成した。
次に、突起用感光性樹脂層上に前記処方P1よりなる中間層用塗布液を用いて、乾燥膜厚が1.6μmの保護層を設けた。
〈突起用感光性樹脂層用塗布液:処方A〉
・ポジ型レジスト液 ・・・53.3部
(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製、FH−2413F)
・メチルエチルケトン ・・・46.7部
・前記界面活性剤1 ・・・ 0.04部
次に、フォトマスクの位置が突起用感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティー露光機を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cmにてプロキシミティー露光した。その後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間、突起用感光性樹脂層に噴霧しながら現像し、突起用感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去した。すると、カラーフィルタのITO透明電極の上の、R画素、G画素、及びB画素の上方に位置する部分に、所望形状にパターニングされた突起が形成された。次いで、この突起が形成されたカラーフィルタ基板を240℃下で50分間ベーク処理することにより、カラーフィルタ基板上に高さ1.5μm、縦断面形状(ガラス基板面の法線方向と平行な面の形状)が蒲鉾様の配向分割用突起を形成することができた。
その後、カラーフィルタの画素群の周囲を取り囲むように設けられた隔壁外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、MVAモード用液晶を滴下して対向基板と貼り合わせ、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして液晶セルを得た。この液晶セルの両面に(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付け、次いで冷陰極管のバックライトを構成して前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
〜表示装置の評価〜
表示装置に通電して表示画像を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。結果は下記表2に示す。
〈評価基準〉
正常 :色ムラ等の表示ムラはなかった。
ムラ有り:色ムラが認められた。
(実施例2〜8、比較例1〜3)
実施例1において、下記表2に示すように、バインダーポリマーの種類を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタを作製し、評価を行なうと共に、液晶表示装置を作製した。評価結果は下記表2に示す。
(比較例4)
実施例1において、感光性樹脂組成物K1を下記組成よりなる感光性樹脂組成物K2に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタを作製し、評価を行なうと共に、液晶表示装置を作製した。評価結果は下記表2に示す。
<感光性樹脂組成物K2の組成>
・前記K顔料分散物1 ・・・30.33%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・10.97%
・メチルエチルケトン ・・・34.16%
・シクロヘキサノン ・・・ 8.55%
・2,4-ビス(トリクロロメチル)−6-〔4´−(N、Nジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3´−ブロモフェニル〕−s−トリアジン ・・・ 0.29%
・前記バインダー1 ・・・ 3.57%
・前記DPHA液 ・・・ 4.36%
・フェノチアジン ・・・ 0.01%
・前記界面活性剤1 ・・・ 0.06%
(比較例5)
実施例1において、熱可塑性樹脂層を付与しなかった以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタを作製し、評価を行なうと共に、液晶表示装置を作製した。評価結果は下記表2に示す。
Figure 2009048073
前記表2に示すように、実施例では、ラミネート時の気泡の混入を大幅に防止することができた。これより、混色の発生が抑えられ、表示された画像は色ムラ等がなく正常な画像であった。
これに対し、比較例では、ラミネート時の気泡の混入が顕著であり、カラーフィルタの作製に際しては混色が発生し、表示された画像には色ムラが発生した。

Claims (11)

  1. 仮支持体上に、該仮支持体側から順に、少なくとも熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とを有しており、前記感光性樹脂層は、少なくとも色材、バインダーポリマー、モノマー、及び重合開始剤を含み、下記数式(1)を満たすと共に、前記モノマーの該感光性樹脂層中における含有量が該感光性樹脂層の全固形分の35質量%以下である感光性転写材料。
    Tg(b)×(Mw(b)/10000)≧215 ・・・(1)
    〔Tg(b):バインダーポリマーのガラス転移温度[℃]、Mw(b):バインダーポリマーの重量平均分子量〕
  2. 前記バインダーポリマーの含有量が、前記感光性樹脂層の全固形分の30質量%以上であること特徴とする請求項1に記載の感光性転写材料。
  3. 前記色材が、顔料であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光性転写材料。
  4. 前記バインダーポリマーは、ベンジルメタクリレートが共重合した共重合体であって、前記ベンジルメタクリレートの共重合比率が20モル%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性転写材料を、感光性樹脂層が永久支持体に接するように、該永久支持体に圧着する工程を有する隔壁の形成方法。
  6. 圧着後の少なくとも前記感光性樹脂層を露光し、現像する工程を有することを特徴とする請求項5に記載の隔壁の形成方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の隔壁の形成方法により形成された隔壁。
  8. 請求項5又は請求項6に記載の隔壁の形成方法により隔壁を形成する工程と、形成された隔壁間に着色領域を形成する工程とを有するカラーフィルタの製造方法。
  9. 前記着色領域の形成は、着色液体組成物をインクジェット法により前記隔壁間に付与する方法により行なうことを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 請求項8又は請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタ。
  11. 請求項10に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
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