JP2009045575A - 廃液排水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】設置のためには、水槽内の水等を抜き出し、廃液を循環させる装置、および水槽内外を含む設備等の工事を行うことが避けられず、その間工場等の操業を停止しなければならないという問題があった。
【解決手段】本発明の廃液排水処理装置1は、既存の水槽の水等はそのままで設置工事が行なえる構造を備え、浄化の対象となる汚染された液体2を収容する排水処理槽3内に配置され、送風機に接続され送風機から送られる気体と排水処理槽3内の液体2とを混合する気液混合衝突手段4と、気液混合衝突手段4の上方に配置される微生物担体5と、微生物担体5を気液混合衝突手段4の上方に配置して支持するフレーム6とからなる構成を有し、生物化学的物質や油、有機物質等の汚染物質を含んだ廃液の処理を効率よく行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は微細な生物化学的物質や油、有機物質等の汚染物質を含んだ水等の液体に対して、このような生物化学的物質や油、有機物質等の汚染物質を取り除くための廃液排水処理装置に関し、特に既存の浄化用の水槽等に容易に設置可能な廃液排水処理装置に関するものである。
油や有機物質等の汚染物質を含んだ廃液の処理を必要とする工場等において、特にこれらの廃液を生物化学的手法によって浄化するため、バイオ等の担体を水槽等に配置し、これらの廃液を循環させる構成の廃液排水処理装置が用いられている。
汚染気体の集塵あるいは除臭をするためには、汚染気体を浄化用の水等の液体と混合し、あるいは汚染気体を液体中に通過させ、処理する方法が一般的に使用されている。
特開昭62−225297号公報
上記従来の排液処理装置等においては、既存の工場等における水槽等の水等をすべて廃水した上で、廃液を循環させる装置、および水槽内外を含む設備等の工事を行うことが避けられず、その間工場等の操業を停止しなければならないという問題があった。また、さらには排水処理装置自体には生産性がないのに、能力向上に莫大な費用がかかってしまう等という問題があった。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、既存の水槽の水等はそのままで工事が可能な構造を備え、フレームに微生物固定担体を設け、有機物と微生物の接触効率を大幅に上げることができる廃液排水処理装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決するための本発明の廃液排水処理装置は、浄化の対象となる汚染された液体を収容する排水処理槽内に配置され、送風機に接続されてこの送風機から送られる気体と排水処理槽内の液体とを混合する気液混合衝突手段と、気液混合衝突手段の上方に配置される微生物担体と、微生物担体を気液混合衝突手段の上方に配置して支持するフレームとからなる構成を有する。
また、さらに上記課題を解決するための本発明の廃液排水処理装置は、浄化の対象となる汚染された液体を収容する排水処理槽内に配置され、送風機に接続され送風機から送られる気体と排水処理槽内の液体とを混合する気液混合衝突手段と、気液混合衝突手段の上方に配置される微生物担体と、微生物担体を気液混合衝突手段の上方に配置して支持するフレームとからなり、フレームは送風機より気液混合衝突手段へ気体を送る配管の少なくとも一部を構成するものでも良い。
また、気液混合衝突手段には、送風機に接続された気体噴出口が下部に設けられ、この気体噴出口より噴出される空気を微細化する微細気泡発生手段が気体噴出口より上方に配置され、微細気泡発生手段は円筒状の本体と、本体から中心に向かって突き出た複数の突起部とからなる円柱体を、気体噴出口より噴出される空気が上昇する位置に配置した構成をとっても良い。
また、微細気泡発生手段における円柱体の突起部は、その各先端が向かい合う中央部において先端が鋭角に成形され、かつ複数の突起部の先端を中央部においてキャビテーション発生用の開口を構成するように所定の長さに設定したものでも良い。
また、気液混合衝突手段において、送風機より吐出される汚染気体の空気流によって、気液混合衝突手段を通過する液体の速度が毎秒5m以上となる構成としてもよく、さらには、微細気泡発生手段は、円柱体の軸方向に円柱体が複数配置され、かつ互いに隣接する円柱体においては、軸方向に見た突起部が互いに重ならないように配置されてもよい。
また、微生物担体は板材に複数の貫通穴が設けられ、この貫通穴の周辺にはこの貫通穴から放射状に形成された複数の窪みを備えた構成を有するものとしても良い。
さらに、本発明では、気体は汚染物質を含む気体であり、汚染気体浄化装置としての機能するものを含む。
本発明によれば、装置を既存の水槽に設置可能なので、水槽の水はそのままで工事が可能となり、フレームにより支持された微生物固定担体を備え、大掛かりな工事は不要でありながら有機物と微生物の接触効率を大幅に上げることができ、効率的な廃液の浄化が可能となる効果を有する。
(実施の形態1)
以下、図を参照しながら、本発明の実施の形態1の廃液排水処理装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態1の廃液排水処理装置の概略を示す断面図であり、図2は同平面図である。廃液排水処理装置1は、浄化の対象となる汚染された液体2を収容する排水処理槽3内に配置され、送風機(図示せず)に接続されてこの送風機から送られる気体と排水処理槽3内の液体2とを混合する気液混合衝突手段4と、排水処理槽3内で気液混合衝突手段4の上方に配置される微生物担体5と、微生物担体5を気液混合衝突手段4の上方に配置し支持するフレーム6とから構成されている。なお、排水処理槽3は、タンクまたはピットで構成される。
また、送風機(図示せず)から気液混合衝突手段4へは配管7を介して気体が送られる。さらに気体は汚染物質を含む気体であってもよく、この場合には、本装置が汚染気体浄化装置としての機能をも有する。
次に、微生物担体5について、図3を用いて詳細に説明する。図3は、微生物担体の斜視図である。微生物担体5はポリウレタンや石材からなり、約3cmから5cm程度の厚さで、100cmから150cmの正方形もしくは長方形の板材8に複数の貫通穴9が設けられ、この貫通穴9の周辺にはこの貫通穴9から放射状に形成された複数の窪み10が形成された構成である。この微生物担体5は約10cmの間隔で、抜き差し交換可能にフレーム6にて支持されている。また、微生物担体5の貫通穴9は、複数の窪み10を形成することなく、単に直径40mm前後の丸穴でもよい。
なお、本実施の形態では排水処理槽3内に一台の廃液排水処理装置1が配置されているが、排水処理槽3の大きさに応じて、求める能力に合わせて複数台の廃液排水処理装置1を設置することも可能である。
次に、気液混合衝突手段4について、図4を用いて詳細に説明する。図4は、気液混合衝突手段4の排水処理槽3内における、断面説明図である。気液混合衝突手段4においては、エアポンプ5に配管7を介して接続される気体噴出口102が下端部に設けられ、気体噴出口102より噴出される汚染気体を微細化する微細気泡発生手段103が気体噴出口102より上方に配置されている。この気液混合衝突手段4は、液体2を保持する排水処理槽3内にフレーム6および配管7によって支持されており、液体2中で使用される。微細気泡発生手段103は、円筒状の外筒106の内部に円柱体107が外筒106の軸方向に複数個重ねて配置されている。円柱体107は、円筒状の本体108と、本体108から中心に向かって突き出た複数の突起部109とから構成されている。
図4においては、円柱体107が、気体噴出口102より噴出される汚染気体が上昇する位置(気体噴出口102より上方)に複数個配置される構成に加え、さらに別構造の円柱体112を積み重ねて配置している。外筒106内には、円柱体107、112を所定の間隔で配置するためのスペーサ111が適所に配置されている。スペーサ111は、突起部109のない本体108のみで構成されている。このスペーサ111は円柱体112を積み重ねて配置する際の間隔の維持や、円柱体112が多いと詰まり等を起こす場合の詰まり防止、あるいは円柱体112を積み重ねる数を少なくして、所定の全体の高さを維持する際に使用する。円筒状の外筒106と、その内部に配置され、スペーサ111を適宜挟んで外筒106の軸方向に複数個積み重ねられた円柱体107、112とは、上下の2箇所(X,Y)において、各4本のリベット112によって相互に固定されている。また、互いに隣接する円柱体107は、円柱体107、112の軸方向に見た状態で、突起部109が互いに重ならないように、回転方向に適宜(例えば22.5度)ずらせて配置される。
本装置では、微細気泡発生手段103を通過する液体の速度が毎秒5m以上となるよう、気体噴出口102より噴出される汚染気体の圧力が送風機(図示せず)の動作によって調整される。このように、送風機の動作によって気体噴出口102より噴出される汚染気体の圧力によって、液体2が早く移動することによって、液体同士の衝突が生まれ、その結果として、単に水中で塵等の捕捉物を気液接触させるだけでなく、装置内で水等の液体の衝突原理を利用したプラスの電位、すなわち酸化電位が発生する。そして、水の酸化が行われることで、有機物の物理的な酸化分解が行われる。
さらに、ある一定の速度以上で激しく気液を混合させることでキャビテーションを誘発し、超微細気泡を発生させ、その気泡が弾ける力を利用して、有機性の臭気成分等を分解する。このような効果から、塵埃や有機成分を捕捉した排水の浄化が行われる。
以上の構成を有する廃液排水処理装置は以下の効果を有する。従来の排水処理の現場においては、工場の操業を停止しない限りは、処理水槽から水を抜くことは非常に困難であるが、廃液排水処理装置は水を抜かなくても工事を行うことが可能である。
また、微生物担体(固定床)だけを設置した場合には、生物の酸素消費量が増加するため、逆に酸素不足となる可能性があるが、酸素溶解効率の非常に高い気液混合衝突手段4を下部に配置してあり、微生物担体(固定床)に必要な酸素を供給するだけでなく、それ以上の酸素を供給することができるので、リスクが少ない。
気液混合衝突手段4は、排水処理槽3の液体2とスラッジ等をともにエアリフト効果によって巻き上げるので、スラッジの分解も促され、排水処理槽3の底部分も酸素が十分に行き渡った好気状態とすることができる。酸素溶解効率を上げることで、微生物を酸素の呼吸の代謝、いわゆる好気呼吸の状態を維持することが可能で、その状態での微生物は、ブドウ糖1molから合計38molのアデノシン3リン酸(ATP)を生成することができる。逆に、微生物が酸素を大量に消費し、酸素不足に陥った場合には、酸素不足を補うため、嫌気呼吸と言われる、硫酸イオンで呼吸を行おうとする。その際には、ブドウ糖1molから2molのアデノシン3リン酸(ATP)しか生成されないだけでなく、硫化水素という、コンクリートを腐食したり、高い濃度で吸入すれば、人間も死に至るほどのガスを発生させるが、それも防ぐことが可能となる。従って、好気呼吸と嫌気呼吸ではエネルギー代謝に19倍もの差が生じることになり、よって分解力も大きくことなるが、気液混合衝突手段4を搭載したエアレーター一体式生物担体を使用することによって、水1mあたりの処理能力を、槽容積を増やすことなくUPさせることができる。
なお、微生物担体5を使用する場合には、それに汚泥が付着しすぎて脱落することがよく見受けられるが、微生物担体5の表面を気液混合衝突手段4により強洗浄することで、表面に厚い生物汚泥膜を形成させないので、生物膜の脱落の心配がない。表面に生物膜を形成させないかわりに、貫通穴9に放射線状の窪み10を形成して表面積を最大限にするための工夫を施しており、脱落しにくい部分や担体深部に微生物コロニーを形成させることができる。
本実施例では、各種の排水に応じるため、色々な種類の生物担体を差し替えることを可能にフレーム6により支持している。気液混合衝突手段4から噴射される気液混合体を、微生物担体5の下部に衝突させることにより、ノルマルヘキサン抽出物質により表される、いわゆる油脂分の分解削減の効率化を図っている。フレーム6は4本で形成されているため、既設の散気配管等と干渉しにくい構造となっているので、設置が容易である。
(実施の形態2)
以下、図5及び図6を参照しながら、本発明の実施の形態2の廃液排水処理装置について説明する。
なお実施の形態1と同一の構成については、同一番号を付し説明を略する。
担体ボックス11はスリーピース構造となっており、支持フレーム12、担体保持フレーム13および担体支持フレーム14が相互にボルト等により固定され構成されている。このような構成により設置導入後も微生物担体5を収納した担体支持フレーム14だけの入れ替えを可能としている。
また、本実施形態では、支持フレーム12と担体保持フレーム13とが接続され、支持フレーム12と担体保持フレーム13と中空構造となっている。送風機(図示せず)からの気体(空気)は、送気口15より支持フレーム12と担体保持フレーム13を通って、送気管16を介して気液混合衝突手段4へ至る。送気管16は、さらに気液混合衝突手段4を支持する。支持フレーム12と担体保持フレーム13とが気体を送る配管の役割をしており、構成を簡略にしている。
本発明は、フレームにより支持された微生物固定担体を備え、既設の排水処理漕に設置可能であり、そのため大掛かりな工事は不要であり、有機物と微生物の接触効率を大幅に上げて、効率的な廃液の浄化が可能となる。このため、塗装工場、機械加工装置から発生する排水処理、製紙工場、化学物質を扱う工場の排水処理等において広く利用可能である。
本発明の実施の形態1における廃液排水処理装置の断面図 同装置の平面図 同装置の微生物担体の斜視図 同装置の気液混合衝突手段の一部破断断面詳細説明図 本発明の実施の形態2における廃液排水処理装置の斜視図 同装置の分解斜視図
符号の説明
1 廃液排水処理装置
2 液体
3 排水処理槽
4 気液混合衝突手段
5 微生物担体
6 フレーム
7 配管
8 板材
9 貫通穴
10 窪み
11 担体ボックス
12 支持フレーム
13 担体保持フレーム
14 担体支持フレーム
15 送気口
16 送気管
102 気体噴出口
103 微細気泡発生手段
106 外筒
107 円柱体
108 円筒状の本体
109 突起部

Claims (8)

  1. 浄化の対象となる汚染された液体を収容する排水処理槽内に配置され、送風機に接続されてこの送風機から送られる気体と前記排水処理槽内の前記液体とを混合する気液混合衝突手段と、
    前記気液混合衝突手段の上方に配置される微生物担体と、
    前記微生物担体を前記気液混合衝突手段の上方に配置して支持するフレームと、
    からなることを特徴とする廃液排水処理装置。
  2. 浄化の対象となる汚染された液体を収容する排水処理槽内に配置され、送風機に接続されてこの送風機から送られる気体と前記排水処理槽内の前記液体とを混合する気液混合衝突手段と、
    前記気液混合衝突手段の上方に配置される微生物担体と、
    前記微生物担体を前記気液混合衝突手段の上方に配置して支持するフレームと、
    からなり、前記フレームは前記送風機より前記気液混合衝突手段へ気体を送る配管の少なくとも一部を構成することを特徴とする廃液排水処理装置。
  3. 前記気液混合衝突手段には、前記送風機に接続された気体噴出口が下部に設けられ、前記気体噴出口より噴出される空気を微細化する微細気泡発生手段が気体噴出口より上方に配置され、前記微細気泡発生手段は円筒状の本体と、前記本体から中心に向かって突き出た複数の突起部とからなる円柱体を、前記気体噴出口より噴出される前記空気が上昇する位置に配置した構成を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃液排水処理装置。
  4. 前記微細気泡発生手段における前記円柱体の前記突起部は、その各先端が向かい合う中央部において先端が鋭角に成形され、かつ複数の前記突起部の前記先端を前記中央部においてキャビテーション発生用の開口を構成するように所定の長さに設定したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の廃液排水処理装置。
  5. 前記気液混合衝突手段において、前記送風機より吐出される前記汚染気体の空気流によって、前記気液混合衝突手段を通過する液体の速度が毎秒5m以上となる構成としたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の廃液排水処理装置。
  6. 前記微細気泡発生手段は、前記円柱体の軸方向に前記円柱体が複数配置され、かつ互いに隣接する前記円柱体においては、前記軸方向に見た前記突起部が互いに重ならないように配置されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の廃液排水処理装置。
  7. 前記微生物担体は板材に複数の貫通穴が設けられ、前記貫通穴の周辺には前記貫通穴から放射状に形成された複数の窪みを備えた構成を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の廃液排水処理装置。
  8. 前記気体は汚染物質を含む気体であり、汚染気体浄化装置として機能することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の廃液排水処理装置。
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