JP2007029865A - 廃液の生物処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は廃液の生物処理が自然の河川とほとんど同じ条件で迅速に実施でき、主要部が強化プラスチック材などで構成できる廃液の生物処理装置を提供する。
【解決手段】固形分除去後の廃液1が上部から下向きに下降する間に生物処理される生物処理槽10と、この生物処理槽10における生物処理に先立って廃液をその中に気体を微細に溶存させつつ生物処理槽10の上部の廃液レベルWLに相当するレベルまで上昇させる気体溶存兼廃液上昇装置と、生物処理槽10内に内装されて生物膜に関与する接触材11とから成って、この接触材11を上下から合成樹脂から成る通孔性支持架台14、15で挾持して成る。
【選択図】図2

Description

本発明は廃液の生物処理装置に係り、詳しくは、不所望な固形物を除去したのちの廃液中に含まれる有機物などを好気性や嫌気性の微生物によって分解除去して浄化する生物処理装置であって、その生物処理が自然の河川とほとんど同じ条件で実施でき、構造的には、廃液に予め空気などを溶存させる気体溶存兼廃液上昇槽と、空気などが溶存した廃液を生物処理する生物処理槽とが分けられて構成される構造から成って、この生物処理槽や空気溶存兼廃液上昇槽などの主要部が合成樹脂材、なかでも、強化プラスチック材などからも構成される廃液の生物処理装置に係る。
なお、ここで処理すべき廃液のうちには生活廃水や工場廃水のほかに、埋設処理された生ゴミから浸出水なども含まれる。
一般にいって水はいろいろな物質をよく溶かす性質がある。身近にある水をみても、その中に不所望な有機物質などが溶かされ、飲料や排出のためにその水を処理することが求められている。水の処理といっても、その目的に応じて飲料に適する水を得る浄水処理があり、工場や生活上の廃水を公共用水域に排出できる水質まで浄化する廃水処理がある。これらは目的の差に応じて、処理する方法のしくみで相違するところはあるが、溶かされている不所望な有機物質などの除去というところで共通し、この点についての処理方法として多くの処理技術や装置が提案および実施されている。
これを処理技術の点でみると、前者の廃水処理技術としては、急速ろ過、緩速ろ過などのろ過処理と塩素酸化(消毒)処理が中心であり、後者の廃水処理技術としては、活性汚泥法、接触酸化法(接触ばっ気法)、散水ろ床法、酸化池法、嫌気ろ床法などの生物的処理や、中和法、酸化還元法、塩素酸化(消毒)法、凝集沈澱法などの化学的処理や、スクリ−ニング、沈澱分離法、油水分離法、ろ過法、イオン交換法、限外ろ過法、逆浸透法、電気透析法などの物理的処理が提案され、それぞれの目的に応じて実施されている。
これら廃水処理の中で生物的処理によると、物理的処理や化学処理に較べ、高度の品質の水が得られることもあって、生物的処理がよく用いられている。とくに、有機物質に対する微生物の多様な機能がわかるようになってきたこともあって、これを有効に活用できるようになっている。さらに、生物的処理は、処理すべき有機物質などの好気分解による処理か嫌気分解による処理かあるいはこれら両処理の併用かであって、その水処理装置として多くの装置が提案されている。
このような生物的処理のうちで、このような分解反応を利用する手段としてみると、その手段は接触酸化法や接触ばっ気法などといわれる型式で利用されることが多い。この方法は、廃水中に好気性微生物を担持する担体又は接触材にばっ気して好気性微生物の生成、繁殖に適した環境を与え、これにより担体又は接触材の表面に生成、成長した微生物の生物膜の上で廃水中の有機物を分解除去するものである。
しかし、これら処理はいずれも担体や接触材表面に生成付着する微生物を介しての接触反応に依存し、元来、これは自然界の浄化機構をそのまま利用しているものであるため、廃水の滞留時間(処理時間)がかかり、その浄水の程度は生成する生物膜の成長度合に左右される。この点についての改善が望まれ、多くの処理技術も開発されている。
例えば、処理時間の短縮という要請からみても、一つの生物処理装置が浄化槽と称して特開2004−174433号公報によって開示、提案されている。
この装置は生物処理領域と濾過処理領域とが一体に結合されて構成されているものである。すなわち、生物処理領域は、固形分などを除去した廃液が上向流として上昇される間に微生物と接触酸化反応させて有機物質を分解除去する領域であり、濾過処理領域はこの分解除去後の廃液を濾過し、分解除去の際に生成する汚泥などを除去する領域であり、これらが一体になって形成されている。
この生物処理領域は固定床として生物処理床が設けられ、この生物処理床において、上昇する廃液が生物処理床の担体又は接触材などに接触し、有機物質などが除去され、除去された廃水はオ−バ−フロ−により濾過処理領域に流れて濾過処理により汚泥やSS(浮遊成分)などの生成物が除去され、その廃水は濾過処理領域の下から取出される。この生物処理と濾過処理は旋回流方式としてくり返し行なわれるようになっており、生物処理能率の向上および短縮化がはかられている。
また、生物処理領域の下方には空気供給手段が設けられ、空気供給手段からの空気の上向流によって廃液に空気が与えられて、有孔板を層状に積み重ねた固定床で生物処理が行なわれ、隣接する濾過処理領域で濾過されている。
この装置は廃液を2つ領域の間で旋回させて浄化処理できるため、浄化性能を高めることができる。しかし、浄化に関与する生物処理は固定床であり、金属の有孔板を間隔をあけて層状に並べて強固に固定したものである。このため、上向流として供給される廃液との接触面積を大きくとることができず、それとの接触や微生物の付着度合は下からの空気の供給度合により左右され、局部的に片寄ることが多い。また、担体又は接触材上に生成する汚泥や反応生成物の生成度合によっては孔隙などがつまって廃水との接触が不均一になり、担体や接触材の表面に全体にわたり均一な新しい生物膜が常に生成している状態を維持することができない。
とくに、固定床は多孔質又は有孔プレ−トを間隔をおき層状に積み重ねて構成し、これらを装置に固定することになる。このため、その取付けに多大の手間がかかり、さらに、担体や接触材に付着する微生物への酸素などは上向きに空気を吹出すことにとどまって、単に担体や接触材上の微生物への接触が行なわれる程度で、廃液中の溶存酸素量(DO値)を積極的に効率よく高めることもできない。
要するに、従来例の廃水処理は、いずれも、微生物の介在のもとで廃水中の有機性物質の低分子化並びにガス化を達成するものである。好気性生物処理法は廃水中の溶存酸素量(DO値)を通常1.0ppm以上に保つことにより好気性微生物が活性化し、この微生物群の触媒作用により有機性物質を酸化分解させるものである。嫌気性生物処理は嫌気性微生物により有機物の低分子化並びに分解するものであり、所謂硝化法、メタン醗酵法等である。
また、生物処理は廃水中の有機物の低分子化並びに分解やガス化であり、とくに、好気性生物処理では好気性微生物への酸素の供給、廃液中のDO値を高めることであり、このところが必須の条件である。
しかしながら、特開2004−174433号公報を含め、いずれの従来例の装置であっても、これらの条件を達成するのには、曝気に要する時間、設備、コスト、運転経費が多くかかり、さらに浄化効率もそれほど改善がなされていない。
さらに、設備や施工的にみても、高い水圧がかかりきびしい腐食環境にある廃液処理で使用する材料は、一部を除いてほとんどがステンレス材、鋼材などの耐食鋼である。このため、近時廃水中の塩化物イオン濃度が高くなることもあって、その処理装置や処理槽の耐食鋼から成る枠部材などが腐蝕され、その部分に応力が集中することもあって破損する。この点から設備などの見直しが求められ、設備の一部に合成樹脂などのプラスチック材を用いることも試みられているが、プラスチック材を用いるのに適するように構造的改善をはかることが行なわれていない。
特開2004−174433号公報
本発明は上記欠点の解決を目的とする。なかでも、従来例のほとんどの生物処理装置、とくに、従来例の好気性微生物処理装置は生物処理に関与する処理層の直下に所謂ばっ気装置をおいて微生物が呼吸するのに必要な空気(酸素)を上向き強制的に供給する方式の構造に構成されている。このところから先にのべた欠点が生じる。本発明は、これら欠点を解決することを目的とする。
これに併せて、本発明はこのような構造的な改善をはかり、耐食性が劣り比較的高価で加工に多種の機械的設備と重筋労働を必要とする重い鋼材やステンレス鋼材のかわりに合成樹脂(とくに強化プラスチック材)が使用でき、その利用の拡大をはかって、生物処理装置の施工性やその施工コストの軽減化をはかることも目的とする。
まず、本発明は、固形分除去後の廃液が上部から下向きに下降する間に生物処理される生物処理槽と、この生物処理槽における生物処理に先立って廃液をその中に気体を微細に溶存させつつ生物処理槽の上部の廃液レベルに相当するレベルまで上昇させる気体溶存兼廃液上昇装置とこの気体溶存兼廃液上昇槽と生物処理槽との間を仕切り、しかも生物処理槽の廃液レベルより低い高さに構成された仕切り壁と、生物処理槽内に内装されて生物膜に関与する接触材と、を具え、この接触材を上下から合成樹脂から成る網状シ−トでおおう一方、この網状シ−トでおおわれた接触材を上下から合成樹脂から成る通孔性支持架台で挾持し、さらに、生物処理槽と気体溶存兼廃液上昇装置との間を連絡流路で連絡させて成ることを特徴とする。
以上説明したとおり、本発明に係る廃液の生物処理装置は固形分が除去された廃液を下降させる間に生物処理する生物処理槽に対し、ここで生物処理されるべき廃液中に空気などを微細に溶存させかつこの廃液を生物処理槽の廃液レベルに相当するレベルまで上昇させる気体溶存兼廃液上昇槽を組み合わせ、これら2つの槽を仕切る仕切り壁の高さを廃液レベルより低く構成し、さらに、2つの槽は連絡流路を介して互いに連通されて成るものである。
生物処理槽を下降する廃液から溶存酸素が十分に微生物に与えられ、廃液は強制的でなく自然に下降する。このため、廃液は2つの槽の間を巡回して水処理が行なわれ、とくに、生物処理槽における処理は河川などの自然条件とほとんど同じ条件で浄化できる。
また、生物処理槽内において生物処理に関与する接触材を合成樹脂の網状体をおおい、上下から合成樹脂から成る支持架台を支持して構成する。
この構成から、接触材は槽内部で自由に流動して有効接触面積を大きくできるとともに、表面の生物膜が均一に生長し、浄化効果が向上する。
また、支持架台を、例えば強化プラスチックなどの合成樹脂よりなる型材などをすのこ状又は格子状に組み合わせて構成することができ、施工性や経済性が高められるほか、耐食性も高められる。
また、気体溶存兼廃液上昇槽の下部に固形物が除去された廃液の流入口が設けられるとともに、この流入口にディフュ−ザを設ける一方、気体溶存兼廃液上昇槽の上部に廃液の流出口を設ける。
このように構成されるところから、気体溶存兼廃液上昇槽そのものとディフュ−ザとによって所謂ジェットポンプのように作用し、廃液が廃液レベルまで達したときには、吹出空気から与えられる運動量を失なって静かな流れになり、上澄液として浄化された廃液が得られ、容易に取出すことができる。
そこで、本発明について、それを実施するための最良の形態を図示するところを通じて詳しく説明すると、つぎのとおりである。
なお、図1は本発明に係る生物処理装置の一例の平面図である。
図2は図1において矢視A−A線方向からみた縦断面図である。
図3は図1において矢視B−B方向からみた横断面図である。
図4は図1に示す生物処理装置における生物処理に関与する接触材から成る生物処理層を支持する支持枠の平面図である。
図5は図4に示す生物処理装置の底部の構造を平面的に示す説明図である。
図6は図1に示す生物処理装置における流出装置の一例の説明図である。
図7は図1に示す生物処理装置の使用態様の一つの説明図である。
まず、図1、図2および図3において符号100は本発明の一つの実施例に係る生物処理装置を示す。すなわち、図1は生物処理装置100はそれを上方から視たものである。図2はそれを矢視A−Aで切断してみた縦断面である。図3はそれを矢視B−Bからみた横断面である。
この生物処理装置100は、図3に示すように、生物処理槽10と気体溶存兼廃液上昇槽20とから成っている。すなわち、これら2つ槽10、20は仕切り壁60によって仕切られて構成され、仕切り壁60の高さは生物処理装置100内に収容される廃液1のレベル(WL)より低く構成する。気体溶存兼廃液上昇槽20はこの生物処理装置100の廃液レベル(WL)まで廃液1を上昇させ、この上昇の間に廃液1の中に空気などの気体を細かく分散させるものである。したがって、後記のように、高圧空気の噴射装置21と廃液1の上昇流路を成すハウジング22とから構成できる。(図3参照)
また、生物処理槽10と気体溶存兼廃液上昇槽20との間にその間を連絡する連絡流路30を設け、生物処理された廃液1は連絡流路30を通って気体溶存兼廃液上昇槽20にリタ−ンされる。
すなわち、生物処理槽10内で生物処理浄化された廃液1は連絡流路30を経て気体溶存兼廃液上昇槽20にリタ−ンされ、気体溶存兼廃液上昇槽20で再び空気を溶存しつつ廃液レベル(WL)まで上昇される。上昇した廃液1は後記の如く上部の流出装置23(図1、図6参照)から上澄液として取出され、その外の廃液1は生物処理槽10で再び生物処理される。
要するに、本発明に係る生物処理装置100内においては、気体溶存兼廃液上昇槽20、生物処理槽10および連絡流路30の経路を経て廃液1は循環され、この間に上澄液として順次取出されながら浄化される。
換言すると、上澄液として後記のように廃液レベル(WL)まで上昇された廃液1のうちで速度エネルギを失なって上澄液となったものが取出される。
また、図1、図2および図3に例示する生物処理装置100においては、生物処理槽10は、それが好気性微生物の介在のもとでの酸化分解により浄化するものである。このように所謂BOD槽であるときには、そのBOD槽の生物処理槽10は単独でも2つ以上連結して用い、浄化能力を高めることができる。(図7参照)
また、BOD槽としての生物処理槽10にはその前後に嫌気性分解処理を行なう嫌気性分解処理槽40などを結合させ、このように結合して、一連の生物処理による廃水処理システム、つまり好気性微生物処理と嫌気性微生物処理、さらに脱窒処理も行なうことができる。(図7参照)
また、処理すべき廃液1そのままではその中に不所望な固形成分が含まれていることが多い。このときには、予め、図7に示すように、沈澱槽その他の固形物除去装置50を結合し、予め固形成分を除去することもでき、この除去後の廃液を好気性微生物分解や生物処理槽10や嫌気性微生物分解による処理槽40にも供給することもできる。
また、所謂BOD槽の生物処理槽10より好気性微生物分解される廃液1は、気体溶存兼廃液上昇槽20で上昇される間に空気が溶存されているため、分解処理の間にばっ気する必要がなく、この溶存処理はくり返して行なわれているため、生物処理の間にばっ気する必要がない。要するに、生物処理槽10での処理に関与する廃液1は常に溶存酸素量(DO値)が高いことから、従来例のように、下から上向きに空気などの気体をばっ気する必要がない。しかし、必要な場合は、ばっ気することもでき、この場合でも補足する程度のばっ気で十分である。
すなわち、廃液レベル(WL)に達した廃液1は速度エネルギを相当失なう。とくに廃液レベル(WL)より上の廃液1は生物処理槽10で上部から下向きに下降する流れにしたがって、気体溶存兼廃液上昇槽20から生物処理槽10に流れる。その廃液1には微生物に必要な溶存酸素が含まれているため、生物処理槽10内の微生物には河川その他の自然の条件に近い状態で酸素が与えられ、効率よく自然条件に近い状態で生物処理される。
このように自然の条件に近い生物処理であるところは本発明の一つの特徴である。この特徴は、2つの槽10、20を仕切る仕切り壁60は廃液レベル(WL)より低く構成され気体溶存処理と生物処理とが分けられているところによって達成でき、上部の上澄液はほとんど自然の清水に近い浄化水となる。
以上のとおり、本発明に係る生物処理装置100は生物処理槽10と気体溶存兼廃液上昇槽20とを分離し、これらを連絡流路30で結合一体のものとして構成する。一方、この構成に併せて、各槽10、20内の諸設備は、合成樹脂材や強化プラスチック材などの軽量でかつ耐食性にすぐれる機材で構成でき、軽量化による施工性の改善や構造の集約化をはかるとともに、耐食性を向上させることができる。
すなわち、廃液1はその速度エネルギをほとんど失なって、上部から下向きに下降する。この間に生物処理が行なわれる生物処理槽10に設けられる生物処理床の接触材の間を通過する間に、廃液1は微生物を介して酸化分解される。この酸化分解の際に必要な酸素は廃液1中に予め空気などの気体が微細かつ均一に溶存されDO値は高い。平らたくいうと、十分な酸素が微生物の摂取し易い型式で供給されている。このため、接触材11がどのような型式であっても、その表面の生物膜中の微生物に十分な酸素を与えることができ、接触酸化反応により有機物質が分解されて浄化される。
この表面に生物膜が付着生成される接触材11は耐食性にすぐれかつ軽量な合成樹脂のものが用いることができ、例えば、耐薬品性や、機械的強度にすぐれ軽量(比重1以下)のポリプロピレン樹脂などが用いることができ、その塊状物、片状物、粉状物などと構成することができ、これ以外のものでも表面に生物膜が生成できるものであれば、例えば木片、ブロック片そのほかいずれのものも用いることができる。
接触材11は表面に生物膜を保持することから保持体ともいわれる一面をもっている。廃液1中の有機物質の分解反応で微生物が触媒として働くために担体ともいわれている一面をもっている。これらの面から接触材11は固体粉末や多孔質物、さらに繊維など有効表面積の大きく比重の小さいものであればいずれのものも用いられている。
一方、このようなところ、接触材11は有効表面積をなるべく大きくとるのが好ましいが、従来例の生物処理槽は先にのべた従来例にも示すとおり、接触材から成る生物処理層を直接強制的にばっ気するものが多い。このため、ほとんどが接触材を固定するか、接触材を密実に充填し、これを一体に固定したものが多い。また、固定した生物処理層として構成するのにともなって、その固定機構や支持機構はほとんど鋼材(ステンレス鋼材)から構成され、施工性や耐食性、経済性が劣る。
これに対し、本発明は予め空気が溶存された廃液1にその下降の間に接触材11が接触するのであって廃液1の流動に応じてある程度自由に動けるように構成し接触を高めることができる。さらに、接触材11としてほとんど比重が内外の合成樹脂(例えばポリエチレン)などのものを用い、それを合成樹脂などの網状体12でおおって生物処理層を構成できるため、その比重は軽く、ある程度の移動性をもっている。このように構成される生物処理層は上下から合成樹脂の支持架台14、15で押さえるので十分である。
すなわち、支持架台14、15は上下から生物処理層を挾持するように構成し、各支持架台14、15は強化プラスチックの型材から成る枠材141、151と強化プラスチックの棒状材から成る支持材142、152をすの子状に組み合わせて構成する。
更に説明すると、接触材11は通常合成樹脂や木その他から構成し、その比重はほとんど1又はそれに近い。接触材11は生物処理槽10の内部に固定又は拘束して固定床として構成することなく、その周囲、なかでも上下を網状体12によって包囲し、これを合成樹脂から成る支持架台14、15で保持する。このため、各接触材11は、支持架台14、15の間で網状体12での包囲のもとで拘束されることなく下降する廃液1に接触し溶存空気を摂取してその表面には常に新しく生物膜が成長し、廃液1中の有機物は分解されて生物処理される。
したがって、比較的軽い接触材11を保持できれば十分であるから、支持架台14、15として、合成樹脂、好ましくは強化プラスチックの型材などから構成することができ、きわめて過酷な腐蝕環境であっても腐蝕することがない。それに起因する有害な腐食生成物も発生することがない。とくに、合成樹脂材のうちでも強化プラスチック材は強化材としてガラス繊維などが入ったものであり、機械的強度もステンレス鋼材に近いものも開発されており、コストも安く経済的であるとともにきわめて軽く、廃液中に各種の有機物やその分解反応生成物に対する耐食性はきわめて高い。
とくに、このように軽く軽量であること、支持架台14、15の枠材や支持材の設置がきわめて容易であって、例えば、その取付けは生物処理槽10内にボルトなどの止め具(図示せず)によって簡単に取付けることができ、施工時の運搬や取付けに全くといっていいほど重筋作業を必要としない。
次に、このように構成される生物処理槽10に隣接させて気体溶存兼廃液上昇槽20を設けられる。この槽20は、先にのべたとおり、廃液1を生物処理装置100の廃液レベル(WL)まで上昇させ、この上昇の間に空気などの気体を微細かつ均一に溶存させる一方、これを生物処理槽10に送って生物処理させるものである。この槽10、20は従来例のばっ気式のものと異なって、箱型などのハウジング22と空気などの噴射装置21とから構成され、ハウジング22の中を廃液1が上昇し、空気と混合される。ハウジング22の内壁面を合成樹脂などの耐食性コ−ティングを施し、噴射装置21の大部分の機材は合成樹脂材から構成することができ、施工性や耐食性、さらに経済性も向上させることができる。
気体溶存兼廃液上昇槽20は、図3および図5に示すように、生物処理槽10の一部をも成す仕切り壁60によって生物処理槽10と区切られている。この仕切り壁60の高さは、先にのべたとおり、生物処理槽10の廃液レベル(WL)より僅かに低く構成し、2つの槽10、20はその上部において共通一体化する。この上部の廃液1はくり返して浄化するときは、生物処理槽10で浄化し、仕切り壁60より上に達した廃液1の一部は、後記のように上澄液として取出すことができる。
また、気体溶存兼廃液上昇槽20の下部には噴射装置21が設けられ、この噴射装置21に対応して気体溶存兼廃液上昇槽20、ハウジング22の内部は細長い箱型の流路として構成されている。このような構成であるため、気体溶存兼廃液上昇槽20そのものが所謂ジェットポンプ又エゼクタ的な機能を発揮でき、廃液1は速度エネルギをもつ空気にともなわれて上昇される。
すなわち、気体溶存兼廃液上昇槽20は生物処理槽10の側壁の全長に沿って構成される。本発明に係る生物処理装置100は通常鉄筋コンクリ−トなどの方形枠として設置し、これを例えば仕切り壁60で区切って、それぞれに気体溶存兼廃液上昇槽20と生物処理槽10とを構成する。気体溶存兼廃液上昇槽20の下部に噴射装置21を設け、この噴射装置21から空気などの気体が上向きに噴射されるように構成する。仕切り壁60の高さは生物処理装置100中の廃液1の廃液レベル(WL)より低くする。廃液1の廃液が廃液レベル(WL)まで上昇させると、後記の如く上昇する廃液1は速度エネルギを失なって上澄液となり、この生物処理装置100の上澄液は生物処理槽10で再び浄化され、上澄液は浄化された状態で取出される。
通常、気体溶存兼廃液上昇槽20のところ、その下部から固形物除去後の前記廃液の流入口24を設ける一方、上部の隅部に流出装置23を設ける。
更に詳しく説明すると、気体溶存兼廃液上昇槽20は所謂ジェットポンプ的機能を達成するため、流入口24から流入する廃液1や連絡流路30からの低速の廃液1は、それに対し高圧の空気を高速で噴射されると、高速の空気によって低速で低圧の廃液1を誘い出され、上昇される。両者が廃液レベル(WL)に達したときに完全に混合し、同じ速度となる。要するに高速で吹出した高圧空気の運動量は廃液1に与えられて上昇し、混合し合った両者は同じ速度となる。つまり、噴出空気は細長い縦長の箱型のハウジング22内で廃液1と混合し、微細な空気が混り合って溶存する廃液1となる。
要するに、従前の生物処理におけるばっ気は単に生物処理に関与する微生物に酸素を与えるに過ぎないが、この気体溶存兼廃液上昇槽20は廃液1中への空気や酸素の混合溶存をはかるもので構造は相違し、流入口24や連絡流路30、空気などの噴射装置21、気体を溶存しかつ上昇させて互いに混合させるハウジング22から成って、これらが一体となって廃液1を誘い、ハウジング22内で空気は廃液中に均一に混合し、廃液レベル(WL)に達したときに速度エネルギを相当失なって上澄液となり、上澄液はその一部は後記の流出装置23から取出され、一部の廃液1が低速で生物処理槽10に流れる。
すなわち、流出装置23は、図6に示すように、箱型のじゃま板部231と取出し口232と流出口233とから構成する。したがって、廃液1は速度を失ない上部の上澄液は浄化されているため、底部の取出し口232からじゃま板部231の内部に入り、流出口233から流出する。この間上澄液は一時的に滞留するために、混入物はさらに沈降し浄化されて取出される。
また、このように気体溶存兼廃液上昇槽20は噴射装置21から噴射した空気により廃液1を上向きに誘い出し、ハウジング22内で空気は速度を序々に失なう一方、廃液1は加速され、互いに速度が等しくなって混合が終了する。したがって、噴射装置21はハウジング22の形状や構造に合わせて配置し、例えば、図1に示すとおり、ハウジング22が縦長の方形物として構成する場合には、その長さ方向にわたって吹出しノズル221を設けることができる。
この吹出しノズル221としては高圧空気を高速で廃液1に均一に噴射できるものであれば何れのものとしても構成でき、例えば本発明者が先に提案した特公昭56−31130号に示す気体散気装置なども用いることができ、このような装置のほかにも、通常エゼクタ又はジェットポンプといわれるもので用いる吹出しノズルなども用いることができる。
なお、つけ加えるならば、先に提案した散気装置は吹込空気の圧力に応じて弾力性をもって開閉するリップル弁を有するもので、このリップル片が吹込空気の圧力により円環状開口が開閉し、吹込まれた空気が高速で吹出す。このような吹出しノズルであると、高圧空気は広がって高速で噴射でき、連絡流路30や流入口24からの流出した廃液1中に広がって高速で噴出され、その速度エネルギが廃液1に与えながら上昇し、ハウジング22の上部(廃液レベルWL)に達したときに、空気と廃液1に混合して均一に溶存し空気が微細に溶存された廃液1は生物処理槽10の上部に流れ、生物処理槽10では廃液1が河川などの自然に近い条件で浄化される。
以上のとおり、本発明は河川などと同等又はそれに近い条件で生物的処理によって廃水の水質を改善するものであって、併せて、この装置の一部に強化プラスチック材などを用いて経済性、施工性、さらに耐食性などを改善できるものである。したがって、本発明は生物的処理が行なわれる処理槽に広く適用できるものであって、上記のBOD槽のほかにも例えば硝化槽、脱窒槽などにも広く一般に適用できる。
本発明に係る生物処理装置の一例の平面図である。 図1において矢視A−A線方向からみた縦断面図である。 図1において矢視B−B方向からみた横断面図である。 図1に示す生物処理装置における生物処理に関与する接触材から成る生物処理層を支持する支持枠の平面図である。 図4に示す生物処理装置の底部の構造を平面的に示す説明図である。 図1に示す生物処理装置における流出装置の一例の説明図である。 図1に示す生物処理装置の使用態様の一つの説明図である。
符号の説明
10 生物処理槽
11 接触材
12 網状体
14 支持架台
141 枠材
142 支持材
15 支持架台
151 枠材
152 支持材
20 気体溶存兼廃液上昇槽
21 空気などの噴射装置
22 ハウジング
23 流出装置
24 廃液の流入口
30 連絡流路
40 嫌気性分解処理槽
50 固形物除去装置
60 仕切り壁
100 生物処理装置

Claims (6)

  1. 固形分除去後の廃液が上部から下向きに下降する間に生物処理される生物処理槽と、
    この生物処理槽における生物処理に先立って前記廃液をその中に気体を微細に溶存させつつ前記生物処理槽の上部の廃液レベルに相当するレベルまで上昇させる気体溶存兼廃液上昇装置と
    この気体溶存兼廃液上昇槽と前記生物処理槽との間を仕切り、しかも前記生物処理槽の廃液レベルより低い高さに構成された仕切り壁と、
    前記生物処理槽内に内装されて生物膜に関与する接触材と、
    を具え、
    この接触材を上下から合成樹脂から成る網状シ−トでおおう一方、この網状シ−トでおおわれた前記接触材を上下から合成樹脂から成る通孔性支持架台で挾持し、
    さらに、前記生物処理槽と前記気体溶存兼廃液上昇装置との間を連絡流路で連絡させて成ることを特徴とする廃液の生物処理装置。
  2. 前記生物処理槽における生物処理を好気性処理とすることを特徴とする請求項1記載の廃液の生物処理装置。
  3. 前記通孔性支持台を合成樹脂より成る型材を格子状又はすのこ状に組み合わせて成ることを特徴とする請求項1又は2記載の廃液の生物処理装置。
  4. 前記気体溶存兼廃液上昇装置の下部に、気体を吹込みこの気体につれて前記廃液を上昇させる気体噴射装置を設けることを特徴とする請求項1又は2記載の廃液の生物処理装置。
  5. 前記気体溶存兼廃液上昇装置の上部に浄化された上澄液を取り出す流出装置を設けることを特徴とする請求項1又は2記載の廃液の生物処理装置。
  6. 前記接触材を合成樹脂の球状材、塊状材、粉状材、棒状材又は片状材から構成することを特徴とする請求項1又は2記載の廃液の生物処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014046217A (ja) * 2012-08-29 2014-03-17 Toshiba Corp 有機性廃水処理ユニット及びこれを用いた有機性廃水処理システム

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