JP2009042185A - レーザー墨出し器 - Google Patents
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Abstract
【課題】傾き検出装置を備えたレーザー墨出し器において、傾き検出装置の検出感度をより鋭敏にする。
【解決手段】傾き検出装置50は、重りが取り付けられ装置本体の傾きによって姿勢が傾くダイヤフラム4と、ダイヤフラム4を挟んで装置本体に配置された電極6,7を有し、ダイヤフラム4が傾くことによる電極間の静電容量の変動によって装置本体の傾きを検出する。重りは、ダイヤフラムを含めた重心位置がダイヤフラム4の傾きによって移動しダイヤフラム4の傾きを増幅する浮動重心材からなる。浮動重心材は、丸型気泡管52、ダイヤフラムの傾きにかかわりなく常時所定の姿勢をとるように吊り下げられている揺動体、あるいは容器に収容された液体で構成することができる。
【選択図】図1
【解決手段】傾き検出装置50は、重りが取り付けられ装置本体の傾きによって姿勢が傾くダイヤフラム4と、ダイヤフラム4を挟んで装置本体に配置された電極6,7を有し、ダイヤフラム4が傾くことによる電極間の静電容量の変動によって装置本体の傾きを検出する。重りは、ダイヤフラムを含めた重心位置がダイヤフラム4の傾きによって移動しダイヤフラム4の傾きを増幅する浮動重心材からなる。浮動重心材は、丸型気泡管52、ダイヤフラムの傾きにかかわりなく常時所定の姿勢をとるように吊り下げられている揺動体、あるいは容器に収容された液体で構成することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、建築作業現場などにおいてレーザー光により垂直基準線や水平基準線を投射するレーザー墨出し器に関するもので、特に、傾き検出装置を備えたレーザー墨出し器において上記傾き検出装の検出感度を高めることを目的とするものである。
レーザー墨出し器は、建築現場などにおいて、投射器により天井から壁面にかけて通り芯あるいは「たち」と呼ばれる鉛直方向の基準線、または壁面に「ろく」と呼ばれる水平方向の基準線をレーザー光によって投射する装置である。
レーザー墨出し器は、ジンバル機構によって吊り下げられた振り子にレーザー光源ユニットを取り付け、振り子が鉛直の姿勢を保った状態で基準線を投射するようになっている。そのため、従来一般のレーザー墨出し器には、傾き検出装置あるいは傾き検出スイッチの類は設けられておらず、せいぜい気泡管が装着されている程度であった。気泡管が装着されているものにおいては、ユーザーが気泡管内の泡の位置を目視しながら墨出し器の姿勢を修正していた。
しかし、気泡管による墨出し器の角度調整は、気泡管内の泡の状態をユーザーによる目視のみで行うものであるため、墨出し器のわずかな傾きを判断することは難しく、墨出し器が傾いているにもかかわらず、ユーザーのミスによって傾きがないものと判断してレーザーライン光を投射することがある。墨出し器が傾いていても、前述のように垂直ラインあるいは水平ラインを投射することは可能であるが、ユーザーのミスによって、精度が保証されない傾きであるにもかかわらずそのまま使用することもありえる。より精度の高い垂直ラインあるいは水平ラインを投射するためには、墨出し器の僅かな傾きも検出することができるようにして、墨出し器自体の傾きがない状態でレーザーライン光を投射できるようにすることが望まれる。
そこで、レーザー墨出し器の傾きを簡単に検出することができるようにするために、各種の工夫が行われている。例えば、レーザー墨出し器本体に取り付けられるとともに重りが取り付けられ、装置本体の傾きによって姿勢が傾くダイヤフラムと、このダイヤフラムを挟んで装置本体に配置された電極とを有し、ダイヤフラムが傾くことによる電極間の静電容量の変動によって装置本体の傾きを検出する傾き検出装置を備えたレーザー墨出し器が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
図5は、特許文献1および特許文献2に記載されているような従来の傾き検出装置の例を示している。図5において、メイン基板1の上には、リング状のスペーサー2と、ジンバル形板ばねからなるダイヤフラム4と、リング状のスペーサー3と、サブ基板5とがこの順に重ねられ、これら各部材は適宜の固着手段によって一体化されている。固着手段としては、例えばネジを用いる。このネジを、サブ基板5、スペーサー3、ダイヤフラム4の外周部、スペーサー2にそれぞれ設けられている孔に通し、このネジをメイン基板1のネジ孔にねじ込む。こうすることによって、メイン基板1とダイヤフラム4との間、ダイヤフラム4とサブ基板5との間に、それぞれスペーサー2、スペーサー3の厚さと同じ間隙が形成されて上記各部材が一体化されている。
上記ダイヤフラム4は、図6に示すように、180度近い円周に沿った一対の溝41、41が対称形に形成され、その内周側にも180度近い円周に沿った一対の溝43、43が対称形に形成されている。図6において、一対の溝41、41は左右対称で、一対の溝41、41の各端部間に、したがって図6において上下にブリッジ部42、42が形成されている。これに対して上記他の一対の溝43、43は図6において上下対称で、一対の溝43、43の各端部間に、したがって図6において左右にブリッジ部44、44が形成されている。上記各ブリッジ部42、44が弾性を発揮してねじれる部分である。そして、ブリッジ部42、44が2箇所に対をなして、かつ、2箇所のブリッジ部42、42を結ぶ線と、他の2箇所のブリッジ部44、44を結ぶ線とが直交する位置関係に形成されている。そのため、ダイヤフラム4の中心部があらゆる向きに傾くことができる。すなわち、ダイヤフラム4はジンバル形板ばねからなる。
ダイヤフラム4の中心には孔45が形成されていて、この中心孔45には、かしめ、その他適宜の固着手段によって、図5に示すように重り8が固着されている。重り8は、例えば真鍮などの材質からなり、円柱形状に形成され、その中心軸線を垂直方向に向けてダイヤフラム4の上側に取り付けられている。このように構成することにより、重り8の重心位置がダイヤフラム4の位置から、かなり高い位置に存在して不安定な状態を意図的に作り、かつ、重り8の重量が重いため、ダイヤフラム4が僅かに傾いてもブリッジ部42、44が強制的に大きくねじられてダイヤフラム4の前記溝43、43よりも内方がメイン基板1およびサブ基板5に対して強制的に大きく傾けられる。
図5において、サブ基板5には、重り8を突出させ、かつ、重り8の傾きをある程度の角度範囲で許容するための、円形の逃げ孔51が形成されている。また、メイン基板1には、ダイヤフラム4の上記溝43、43よりも内方と対向する位置に分割電極6とその内周側に共通電極61が埋め込まれている。同様に、サブ基板5にも、ダイヤフラム4の上記溝43、43よりも内方と対向する位置に分割電極7と共通電極71が埋め込まれている。上記分割電極6、7は周方向にほぼ4分割されていて、分割された電極がダイヤフラム4を挟んで上下で対向している。上記共通電極61、71は連続した環状の電極である。各分割電極6と共通電極61との間、各分割電極7と共通電極71との間でコンデンサを構成し、これら電極とダイヤフラム4との間隙の変動によって静電容量が変動するようになっている。各分割電極6と共通電極61との間の静電容量差は、ダイヤフラム4の傾きの向きによって異なるため、静電容量差によって傾きの向きを検出することができる。このようにして、各電極相互間の静電容量の差によって傾きを検出する傾き検出装置10が構成されている。
図5(a)は傾き検出装置10に傾きがない場合を示しており、上下の電極6、7に対しダイヤフラム4が平行な姿勢をとり、各分割電極相互間の静電容量に差はない。傾き検出装置10が傾くと、前述のように重り8によってダイヤフラム4が強制的に傾けられ、各分割電極相互間の静電容量に差が生じる。そこで、この静電容量差から傾き検出装置10本体の傾きおよび傾きの向きを検出することができる。
以上説明した特許文献1、特許文献2などに記載されている従来の傾き検出装置によれば、主な構成部品は、ダイヤフラムと、電極と、重りであり、構成が簡単で組み立ても容易であり、傾き検出装置を備えたレーザー墨出し器を低コストで得ることができる、という利点がある。また、上記傾き検出装置は、レーザー墨出し器がどの向きにどの程度傾いているかを検出することも可能で、フィードバック制御によって傾きを自動調整することも可能なレーザー墨出し器とすることも可能である、という利点もある。
本発明者は、特許文献1や特許文献2に記載されているような従来の傾き検出装置の検出感度をさらに高めるために技術的な検討をした結果、傾き検出装置の感度をさらに鋭敏にすることができる技術を開発した。
本発明は、傾き検出装置を備えたレーザー墨出し器において、傾き検出装置の検出感度をより鋭敏にすることを目的とする。
本発明は、傾き検出装置を備えたレーザー墨出し器において、傾き検出装置の検出感度をより鋭敏にすることを目的とする。
本発明は、傾き検出装置を有してなるレーザー墨出し器であって、上記傾き検出装置は、重りが取り付けられ装置本体の傾きによって姿勢が傾くダイヤフラムと、このダイヤフラムを挟んで装置本体に配置された電極とを有し、ダイヤフラムが傾くことによる電極間の静電容量の変動によって装置本体の傾きを検出するものであり、上記重りは、上記ダイヤフラムを含めた重心位置が上記ダイヤフラムの傾きによって移動し上記ダイヤフラムの傾きを増幅する浮動重心材からなることを最も主要な特徴とする。
上記浮動重心材は、丸型気泡管、ダイヤフラムの傾きにかかわりなく常時所定の姿勢をとるように吊り下げられている揺動体、あるいは容器に収容された液体で構成することができる。
上記浮動重心材は、丸型気泡管、ダイヤフラムの傾きにかかわりなく常時所定の姿勢をとるように吊り下げられている揺動体、あるいは容器に収容された液体で構成することができる。
装置本体の傾きとともに重りが傾き、重りの荷重によってダイヤフラムの姿勢が傾く。ダイヤフラムとともに傾く重りは、浮動重心材からなっていて、ダイヤフラムを含めた重心位置がダイヤフラムの傾きによって移動し、ダイヤフラムの傾きを増幅するため、僅かな傾きが大きな傾きとなるように強調される。したがって、ダイヤフラムを挟んで配置されている電極間の静電容量の変動も強調され、わずかな傾きも鋭敏に検出される。
以下、本発明にかかるレーザー墨出し器の実施例について図面を参照しながら説明する。なお、図5、図6に示す従来例の構成と同じ構成部分には共通の符号を付した。
図1は、本発明に適用される傾き検出装置の一例を示す。図1において、傾き検出装置50は、メイン基板1と、リング状のスペーサー2と、ジンバル形板ばねからなるダイヤフラム4と、リング状のスペーサー3と、サブ基板5とがこの順に重ねられ、これら各部材が適宜の固着手段によって一体化されることにより、本体部分が構成されている。上記固着手段として、例えばネジを用いることができる。すなわち、このネジを、サブ基板5、スペーサー3、ダイヤフラム4の外周部、スペーサー2にそれぞれ設けられている孔に通し、このネジをメイン基板1のネジ孔にねじ込む。こうすることによって、メイン基板1とダイヤフラム4との間、ダイヤフラム4とサブ基板5との間に、それぞれスペーサー2、スペーサー3の厚さと同じ間隙が形成されて上記各部材が一体化されている。
上記ダイヤフラム4は、既に説明した図6に示すように、180度近い円周に沿った一対の溝41、41が対称形に形成され、その内周側にも180度近い円周に沿った一対の溝43、43が対称形に形成されている。図6において、一対の溝41、41は左右対称で、一対の溝41、41の各端部間に、したがって図6において上下にブリッジ部42、42が形成されている。これに対して上記他の一対の溝43、43は図6において上下対称で、一対の溝43、43の各端部間に、したがって図6において左右にブリッジ部44、44が形成されている。上記各ブリッジ部42、44が弾性を発揮してねじれる部分である。そして、ブリッジ部42、44が2箇所に対をなして配置され、かつ、2箇所のブリッジ部42、42を結ぶ線と、他の2箇所のブリッジ部44、44を結ぶ線とが直交する位置関係に形成されているため、ダイヤフラム4の中心部があらゆる向きに傾くことができる。
ダイヤフラム4の中心には孔45が形成されていて、この中心孔45には、かしめ、その他適宜の固着手段によって、図1に示すように重り8が固着されている。重り8は、例えば真鍮などの材質からなり、円柱形状に形成され、その中心軸線を垂直方向に向けてダイヤフラム4の上側に取り付けられている。さらに、重り8の上端には丸型気泡管52が乗せられた形で固着されている。丸型気泡管52は、周知のように被検面の水平度を検出するために用いられるもので、底面が平坦で上面が球面状に形成された透明容器中に液体が封入されたもので、透明容器の内容積に対し、封入される液体の体積が小さく、容器の内方上部に気泡53が生じている。丸型気泡管52は、水平方向の姿勢を保っている場合は、図1(a)に示すように気泡53が容器の内方中央上部にあり、水平方向の姿勢から傾くに従い、図1(b)に示すように、気泡53が容器の中央から側方に偏る。
気泡管52は、本来、気泡53の位置を視認することによって、気泡管52が設置された被検体の傾き量と傾きの向きを検出することを目的とするものであるが、本発明では、重り8とともに丸型気泡管52も重りとして機能させている。さらに、重り8とともに丸型気泡管52が傾くと、丸型気泡管52の重心位置が移動し、結果的にはダイヤフラム4も含めた可動部分の重心位置が移動する。したがって、丸型気泡管52は浮動重心材を構成している。丸型気泡管52、重り8、ダイヤフラム4を含む可動部分の重心位置の移動は、ダイヤフラム4の傾きを増幅する向きへの移動であり、これによってダイヤフラム4の傾きが強調される。
重り8の重心位置をダイヤフラム4の位置から、かなり高い位置に存在させて不安定な状態を意図的に作り、かつ、重り8の重量を重くすると、ダイヤフラム4が僅かに傾いてもブリッジ部42、44が強制的に大きくねじられてダイヤフラム4の前記溝43、43よりも内方がメイン基板1およびサブ基板5に対して強制的に大きく傾けられる。これに加えて、上記のように重り8の上端に丸型気泡管52を固着することにより、ダイヤフラム4の傾きがさらに大きくなる。
図1において、サブ基板5には、重り8を突出させ、かつ、重り8の傾きをある程度の角度範囲で許容するための、円形の逃げ孔51が形成されている。また、メイン基板1には、ダイヤフラム4の上記溝43、43よりも内方と対向する位置に分割電極6とその内周側に共通電極61が埋め込まれている。同様に、サブ基板5にも、ダイヤフラム4の上記溝43、43よりも内方と対向する位置に分割電極7と共通電極71が埋め込まれている。上記分割電極6、7は周方向にほぼ4分割されていて、分割された電極がダイヤフラム4を挟んで上下で対向している。上記共通電極61、71は連続した環状の電極である。各分割電極6と共通電極61との間、各分割電極7と共通電極71との間でコンデンサを構成し、これら電極とダイヤフラム4との間隙の変動によって静電容量が変動するようになっている。これら電極の構成は、図6に示す電極の構成と同じでよい。各分割電極6と共通電極61との間の静電容量差は、ダイヤフラム4の傾きの向きによって異なるため、静電容量差によって傾きの向きを検出することができる。このようにして、各電極相互間の静電容量の差によって傾きを検出する傾き検出装置50が構成されている。
図1(a)は傾き検出装置50に傾きがない場合を示しており、上下の電極6、7に対しダイヤフラム4が平行な姿勢をとり、各分割電極相互間の静電容量に差はない。傾き検出装置50が傾くと、前述のように重り8および丸型気泡管52によってダイヤフラム4が強制的に傾けられ、かつ、ダイヤフラム4の傾きが強調され、各分割電極相互間の静電容量差が生じる。そこで、この静電容量差から傾き検出装置10本体の傾きおよび傾きの向きを検出することができる。上記静電容量差は、丸型気泡管52が付加されていることによって、より大きな静電容量差として出力される。そして、静電容量差検出信号を、傾き検出装置10が取り付けられている傾き修正手段にフィードバックし、静電容量差がなくなるように制御すれば、上記装置の傾きを修正することができる。
このように、図1に示す傾き検出装置50を使用することにより、当初の目的を達成することができる。
このように、図1に示す傾き検出装置50を使用することにより、当初の目的を達成することができる。
なお、メイン基板1と、リング状のスペーサー2と、リング状のスペーサー3と、サブ基板5からなる傾き検出装置50の本体部分が傾くことによって、重り8、丸型気泡管52、ダイヤフラム4からなる可動部が傾くのであるが、図1(b)は、上記可動部分のみが傾いた状態を示している。すなわち、図1(b)は、本体部分に対する可動部分の相対移動の様子を示している。
以上説明した傾き検出装置50によれば、装置本体が傾くことによって姿勢が傾くダイヤフラム4に重り8および丸型気泡管52を取り付けるとともに、分割電極相互間の静電容量がダイヤフラム4の傾きによって変動するようにしたため、装置本体の傾きによって重り8と丸型気泡管52が傾くと、ダイヤフラム4が強制的に傾けられて分割電極相互間の静電容量に差を生じ、この静電容量差によって装置本体の傾きおよび傾きの向きを検出することができる。この傾き検出装置50は、それ単独で傾き検出装置として完結しており、傾き検出対象であるレーザー墨出し器に取り付けるだけでよいから、レーザー墨出し器に取り付けるのが容易である。また、主な構成部品は、ダイヤフラム4と電極6、7と、重り8と、丸型気泡管52であり、構成が簡単で組み立ても容易であり、低コストの傾き検出装置を得ることができる。
上記静電容量差に応じた傾きの程度を段階的に表示してもよく、あるいは、静電容量差によって求めることができる傾きが適正範囲外である場合は、警告手段によって傾きが適正範囲外である旨の警告を発するように構成してもよい。警告手段による警告の方法としては、警告音による表示、警告灯による表示、その他適宜の方法を用いることができる。
上記傾き検出装置をレーザー墨出し器に実装した例について図2を参照しながら概略的に説明する。本発明にかかるレーザー墨出し器は、傾き検出装置を単に墨出し器本体に装着し、墨出し器本体の傾きを傾き検出装置で検出するようにしたものでもよいが、図2に示すレーザー墨出し器の実施例は、傾き検出装置の検出信号でレーザー墨出し器の振り子の姿勢を能動的に制御して、振子が常に傾きのない姿勢を保つようにしたものである。
図2において、レーザー墨出し器の基板11は下面側に図示されない三脚を有し、この三脚によって床などの上にレーザー墨出し器が設置されるようになっている。基板11の上面側には適宜数の支柱13が立てられていて、支柱13の上端部において、ジンバル機構14を介して振り子15が吊り下げられている。ジンバル機構14は互いに直交する水平軸を有していて、一方の軸で揺動可能に支持された揺動体に、上記一方の軸に直交する方向のもう一つの水平軸で振り子15を吊り下げている。こうすることにより、振り子15はあらゆる方向に揺動することができ、かつ、基板11が傾いたとしても、常時鉛直方向の姿勢を保つことができるようになっている。
上記振り子15には、複数のレーザー光源ユニットが以下のように取り付けられている。ジンバル機構14より上側に二つの光源ユニット16が斜め上方に向けて、かつ、振り子15の中心軸線に対し互いに対称に取り付けられている。振り子15の上下方向中央部にも二つの光源ユニット18が水平方向に向けて、かつ、振り子15の中心軸線に対し互いに対称に取り付けられている。各レーザー光源ユニット16、18は、例えば、レーザー光源としてのレーザーダイオードと、レーザーダイオードからの発散レーザー光を平行光束にするコリメータレンズと、平行光束を一方向にのみ伸張させる円筒レンズとを有してなる。二つのレーザー光源ユニット16は、レーザー光束を垂直方向にのみ伸張させる円筒レンズ17を有した垂直ライン投光用ユニットである。他の二つのレーザー光源ユニット18は、レーザー光束を水平方向にのみ伸張させる円筒レンズ19を有した水平ライン投光用ユニットである。振り子15の下端部には、地墨投光用のレーザー光源ユニット24が取り付けられている。
振り子15の下端近くの外側面には、振り子15の中心軸線に対し互いに対称位置に、制動板23が取り付けられている。各制動板23は導電体で作られていて、振子15の両側面から外側に向かってやや斜め上方に延び出ている。基板11の上には各制動板23に対応して横向きU字形のヨーク21が固定されている。ヨーク21の横向きU字の下側の片には、上面に磁石22が固定されている。ヨーク21の上側の片と磁石22とで、ある程度の空間をおいて上記制動板23を挟んでいる。相対向するヨーク21の上側の片と磁石22との間の空間には磁界が形成され、この磁界内に導電体からなる制動板23があるため、振り子15とともに制動板23が動くと、制動板23に渦電流が発生し、渦電流がジュール熱として失われる渦電流損によって、制動板23に電磁的な制動力が働き、振り子15は短持間で鉛直の姿勢をとるとともに、ふらつくことなく鉛直の姿勢を安定に保持する。
図2において、振り子15の上端からは傾き検出装置支持部材26が上方に伸び出ていて、この傾き検出装置支持部材26の上端に前記丸型気泡管52を有してなる傾き検出装置50が取り付けられている。振り子15は、ジンバル機構14によって吊り下げられているため、常時垂下した姿勢をとることができるが、ジンバル機構14の機械的な摩擦力によって常に正しい姿勢を精度よく保つことができるとは限らない。そこで、図2に示す実施例では、振り子15の傾きを検出してこの検出信号を二つのコイル25に入力するようになっている。各コイル25はそれぞれ制動板23に固着されていて、各U字形ヨーク21の一辺によって空間を空けて貫かれている。各ヨーク21は他の一辺に磁石22が固定されているため、コイル25を貫いている一辺の周囲にも磁界が形成されている。制動板23もヨーク21とともに磁気回路の一部を構成している。傾き検出装置50で検出された傾き信号が各コイル25に入力されると、上記磁界と各コイル25に流れる電流との電磁作用により、制動板23に傾きがゼロになる向きに推力が働き、傾きがゼロになると傾き検出装置50の検出信号がゼロとなって上記推力もゼロとなる。このようにして、振り子15の傾きがゼロになるように、能動的に姿勢が制御される。
振り子15が僅かでも傾くと、これとともに傾き検出装置50が傾く。傾き検出装置50は、前述のように、傾きが増幅されて検出されるように工夫されているため、その検出信号も誇張されて出力される。換言すれば、傾き検出装置50の感度が鋭敏になるように構造が工夫されている。したがって、この検出信号で姿勢が制御される振り子15は、常時精度よく所定の姿勢に保たれる。
静電容量差を発生させるための電極パターンは任意であり、図示の例のものに限られるものではない。
ダイヤフラムの形態も任意であり、重りを一体に設けて傾けたとき、重りによって強制的に傾けられるものであればよい。
ダイヤフラムの形態も任意であり、重りを一体に設けて傾けたとき、重りによって強制的に傾けられるものであればよい。
次に、図3に示す傾き検出装置の別の例について説明する。メイン基板1と、リング状のスペーサー2と、ダイヤフラム4と、リング状のスペーサー3と、サブ基板5からなる傾き検出装置60の本体部分の構成は、図1に示す例の本体部分の構成と同じであるからその説明は省略する。また、ダイヤフラム4を挟んで装置本体に配置された電極の構成も図1に示す例の電極の構成と同じであるから、その説明は省略する。ダイヤフラム4の上面中央からは、有底筒型のケース61が縦方向に向けて固着されていて、ケース61の天井からはワイヤ62を介して重り63が吊り下げられている。重り63は、上記本体部分が傾いても常に垂下した姿勢をとる。ケース61自体も重りとして機能するように構成するとよい。
図3に示す傾き検出装置60によれば、装置本体が傾くと、重り63は垂下した姿勢をとるため、装置本体に対し重り63が相対移動することになる。したがって、重り63は、ダイヤフラム4を含めた重心位置がダイヤフラム4の傾きによって移動しダイヤフラム4の傾きを増幅する浮動重心材として機能し、結果的には、静電容量差が拡大されて出力されることになる。よって、図1に示す傾き検出装置50と同様の効果を得ることができる。
図4は、傾き検出装置のさらに別の例を示す。図4において、傾き検出装置70の本体部分の構成、および、ダイヤフラム4を挟んで装置本体に配置された電極の構成も図1に示す例の電極の構成と同じであるから、これらの説明は省略する。ダイヤフラム4の上面中央からは、有底筒型のケース71が縦方向に向けて固着されていて、ケース71の天井板の下面には軸支部材72が取り付けられている。軸支部材72には、重り73が、ジンバル機構のようにあらゆる方向に回転可能な支持構造を介して吊り下げられている。したがって、重り63は、上記本体部分が傾いても常に垂下した姿勢をとる。ケース71自体も重りとして機能するように構成するとよい。
図4に示す傾き検出装置70によれば、装置本体が傾くと、重り73は垂下した姿勢をとるため、装置本体に対し重り73が相対移動することになる。したがって、重り73は、ダイヤフラム4を含めた重心位置がダイヤフラム4の傾きによって移動しダイヤフラム4の傾きを増幅する浮動重心材として機能し、結果的には、静電容量差が拡大されて出力されることになる。よって、図1に示す傾き検出装置50と同様の効果を得ることができる。
図3、図4に示す傾き検出装置も、図2に示すレーザー墨出し器の基板11などに装着する。これによって、図2に示すレーザー墨出し器について述べた作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
なお、図1に示す例では、丸型気泡管52自体も、封入された液体の荷重を重りとして利用している。しかしながら、本発明においては、液体の荷重を重りとして利用し、かつ、ダイヤフラム4の傾きを増幅する浮動重心材として利用することができれば、必ずしも丸型気泡管に限られるものではない。例えば、気泡管を構成していなくても、容器内に液体を封入し、容器の容積に対し液体の体積を小さくしているものであればよい。
4 ダイヤフラム
6 電極
7 電極
8 重り
50 傾き検出装置
52 丸型気泡管
60 傾き検出装置
63 重り
70 傾き検出装置
73 重り
6 電極
7 電極
8 重り
50 傾き検出装置
52 丸型気泡管
60 傾き検出装置
63 重り
70 傾き検出装置
73 重り
Claims (7)
- 傾き検出装置を有してなるレーザー墨出し器であって、
上記傾き検出装置は、重りが取り付けられ装置本体の傾きによって姿勢が傾くダイヤフラムと、このダイヤフラムを挟んで装置本体に配置された電極とを有し、ダイヤフラムが傾くことによる電極間の静電容量の変動によって装置本体の傾きを検出するものであり、
上記重りは、上記ダイヤフラムを含めた重心位置が上記ダイヤフラムの傾きによって移動し上記ダイヤフラムの傾きを増幅する浮動重心材からなることを特徴とするレーザー墨出し器。 - 浮動重心材は、ダイヤフラムの上側に取り付けられている請求項1記載のレーザー墨出し器。
- ダイヤフラムは、あらゆる方向に傾くことができるジンバル形板ばねからなる請求項1記載のレーザー墨出し器。
- 傾き検出装置の検出信号によって傾きが適正範囲外であることを警告する警告手段を有する請求項1記載のレーザー墨出し器。
- 浮動重心材は、丸型気泡管である請求項1記載のレーザー墨出し器。
- 浮動重心材は、ダイヤフラムの傾きにかかわりなく常時所定の姿勢をとるように吊り下げられている揺動体からなる請求項1記載のレーザー墨出し器。
- 浮動重心材は、容器に収容された液体である請求項1記載のレーザー墨出し器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007210380A JP2009042185A (ja) | 2007-08-10 | 2007-08-10 | レーザー墨出し器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007210380A JP2009042185A (ja) | 2007-08-10 | 2007-08-10 | レーザー墨出し器 |
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JP2009042185A true JP2009042185A (ja) | 2009-02-26 |
Family
ID=40443058
Family Applications (1)
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JP2007210380A Pending JP2009042185A (ja) | 2007-08-10 | 2007-08-10 | レーザー墨出し器 |
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JP (1) | JP2009042185A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105606081A (zh) * | 2016-03-22 | 2016-05-25 | 陈雅磁 | 便携移动快速稳定式标准光束仪 |
-
2007
- 2007-08-10 JP JP2007210380A patent/JP2009042185A/ja active Pending
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CN105606081A (zh) * | 2016-03-22 | 2016-05-25 | 陈雅磁 | 便携移动快速稳定式标准光束仪 |
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