JP2010096701A - 傾斜検出器およびレーザー墨出し器 - Google Patents

傾斜検出器およびレーザー墨出し器 Download PDF

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Abstract

【課題】温度変化による検出誤差を無くして高い精度で検出することができ、温度補正手段を必要としない傾斜検出器、およびこれを用いたレーザー墨出し器を得る。
【解決手段】 ケーシング2と、ケーシングに固定された傾斜調整ホルダ3と、傾斜調整ホルダ3に取り付けられた光源と、傾斜調整ホルダ3から吊り下げられたレンズホルダ6レンズ63と、光検出器11を備える。レンズ63は上方仮想中心Cに向かって傾斜している複数の吊り下げ部材5によって傾斜調整ホルダ3から吊り下げるとよい。
【選択図】図3

Description

本発明は、レーザー墨出し器、測量機、測定器、その他、高精度の傾き角度検出が要求される装置や機器に用いる傾斜検出器およびこれを用いたレーザー墨出し器に関するものである。
レーザー墨出し器、測量機、測定器、その他、高精度の傾き角度検出が要求される装置や機器においては、傾き角度を検出しながら、手動操作により、あるいは自動的な制御により傾きがゼロとなるように調整するようにしたものがある。精度のよい傾き調整ないしは傾き制御を行うには、機器の傾きを精度良く検出する必要がある。従来、傾き角度の検出器として、気泡を利用したもの、電解液の電気抵抗を利用したものがある。
気泡を利用した傾斜検出器は、気泡管を挟んで一方側に配置した光源から光ビームを照射し、気泡管を挟んで他方側に配置した光センサで光ビームの投射位置を検出することにより傾斜を検出するものである(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の傾斜検出器は、光源からの光ビームを平行光束とし、この平行光束を気泡管に透過させ、この透過光を、レンズを通して光センサに導くようになっている。光センサは受光面が2分割または4分割されたセンサで、傾きのない状態では気泡管の気泡が中央にあって分割された各受光面の受光量に差がなく、傾きがあると気泡位置がずれて各受光面の受光量に差が生じるので、各受光面の検出出力の差をとることにより、傾きの向き、傾き角度を検出することができるように構成したものである。
電解液の電気抵抗を利用した傾斜検出器は、電解液を収容する容器の水平方向中心にコモン電極を、コモン電極の両側に所定距離をおいて外側電極を配置し、傾斜することによって、外側電極の一方と他方とで電解液の接触面積に差が生じ、コモン電極に対する外側電極の一方と他方との間に電気抵抗の差が生じるので、この電気抵抗の差を検出することにより傾斜を検出するものである(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。電解液の電気抵抗を利用した傾斜検出器も、電解液容器内に気泡が生じるように電解液を密封するもので、一種の気泡管を使用するものであるが、検出の原理が異なっている。
特開平9−304060号公報 特開平9−250923号公報 特開平10−318747号公報 特開平8−219780号公報
気泡管を利用したものにせよ、電解液の電気抵抗を利用したものにせよ、従来の傾斜検出器には、温度変化によって検出精度が低下する難点がある。気泡管を利用した傾斜検出器によれば、温度変化によって気泡が膨張、縮小し、センサによる検出特性が変化して検出精度が低下する。電解液の電気抵抗を利用した傾斜検出器によれば、電解液の抵抗が温度変化により変化するので、温度変化によって検出結果に誤差を生じる。このように、いずれの方式にせよ、従来の傾斜検出器には温度変化によって検出結果に誤差を生じるので、温度補正を行う必要があるという難点があるとともに、検出精度を高めることも難しい。
本発明は、以上説明したような従来技術の問題点を解消し、温度変化による検出誤差を無くすことにより、高い精度で検出することができ、また、温度補正手段を必要としない傾斜検出器、およびこれを用いたレーザー墨出し器を提供することを目的とする。
本発明に係る傾斜検出器は、ケーシングと、ケーシングに固定された傾斜調整ホルダと、傾斜調整ホルダに取り付けられた光源と、傾斜調整ホルダから吊り下げられたレンズホルダに保持されて一定の姿勢を保つレンズと、光源からの光ビームがレンズを通して照射され、ケーシングの傾きに対応して光ビームの照射位置に応じた信号を出力する光検出器と、を備え、レンズホルダは、複数の吊り下げ部材によって傾斜調整ホルダに吊り下げされており、この複数の吊り下げ部材はレンズの上方仮想中心に向かって傾斜していることを最も主要な特徴とする。
また、本発明に係る傾斜検出器は、上記傾斜検出器において、ケーシングは中空の円筒形状を有し、傾斜調整ホルダを固定する端面の内周は面取り加工が施されていることを特徴とする。
また、本発明に係る傾斜検出器は、傾斜調整ホルダが、光源は光源ホルダに保持され、傾斜調整ホルダは、光源ホルダを嵌合する円筒形状部とこの円筒形状部の端部にケーシングの端面と対向するフランジ部を有しており、フランジ部は、このフランジ部を貫通してケーシングの端面に固定する固定部材によって傾き調整可能に固定されていることを特徴とする。
また、本発明に係る傾斜検出器は、ケーシングの端面の反対側端面内周の径が、端面の内周の径よりも大きくなっており、反対側端面の内周には磁石が嵌合されていることを特徴とする。
また、本発明に係る傾斜検出器は、レンズホルダが、底面に銅板が固着されており上記磁石によって制動がかかることを特徴とする。
また、本発明に係る傾斜検出器は、レンズが、光源からの光ビームを光検出器に集光する凸レンズであることを特徴とする。
また、本発明に係る傾斜検出器は、レンズが、光源からの光ビームを平行光束にするコリメータレンズであることを特徴とする。
また、本発明に係る傾斜検出器は、光検出器が、受光面が複数に分割され、各受光面に対応した出力端子から検出信号を出力することを特徴とする。
また、本発明に係る傾斜検出器は、光検出器の各受光面に対応した出力端子から出力される検出信号の差によってケーシングの傾きを検出することを特徴とする。
本発明に係るレーザー墨出し器は上記の傾斜検出器を備えていることを特徴とする。
ケーシングが傾くと、光源と光検出器もケーシングとともに傾くが、光源を保持している部材から吊り下げられたレンズは一定の姿勢を保つため、光源と光検出器に対しレンズが相対的に移動し、レンズを透過して光検出器に照射する光ビームの位置が変動する。光検出器への光ビームの照射位置変動はケーシングの傾き方向および傾き度合に対応しているので、光検出器の出力信号からケーシングの傾き方向および傾き度合を検出することができる。
ケーシングの傾きとレンズ位置との関係は、温度変動によってほとんど影響を受けることはないから、温度変化による傾き検出誤差もほとんどなく、温度補正手段を設ける必要がない。その分構成が簡単になり、検出精度を低下させる要因も少なくなる。
また、レンズホルダを吊り下げるワイヤがレンズ中心上方に向かって傾斜していることから、ケーシングの傾きに応じて、レンズはワイヤの仮想中心を中心とする回転運動をすることができ、ケーシングの傾きが小さくてもレンズの相対位置が大きく変動するようになる。これによって、僅かな傾きであっても光ビームの位置の変動を検出することができるようになり、従来の傾斜検出器に比べて分解能が高い傾斜検出器を得ることができる。
以下、本発明に係る傾斜検出器の実施例について図面を参照しながら説明し、併せて本発明に係る傾斜検出器を備えたレーザー墨出し器の実施例について説明する。
図1は本発明に係る傾斜検出器の外観を示す斜視図である。傾斜検出器10は、光検出器を備える回路基盤を含む土台1と、外観が略長方形で所定の厚みを持つ平板部材であり土台1に固定されるベース21とベース21の短辺と略等しい外径を有する円筒形状の胴体部材22が一体的に形成されているケーシング2と、胴体部材22の上端開口部に設置される傾斜調整ホルダ3と、傾斜調整ホルダ3の上面に固定され、図示しない光源を保持する光源ホルダ4、を有してなる。
図2は本発明に係る傾斜検出器10の分解斜視図である。図2においてケーシング2は省略されている。図2に示すように傾斜調整ホルダ3は、側面からの外観がつば広の帽子形状であって図示しない胴体部材22の上部開口部と所定の隙間を形成するフランジ部31と、フランジ部31と同心の円筒形である円筒部32を有している。円筒部32の側面には光源ホルダ4を固定する締結部材を挿入するための孔が形成されている。
光源ホルダ4の中央部には半導体レーザーからなる光源が光ビームの出射方向を下に向け取り付けられている。光源ホルダ4は、光源の端子を半田づけして所定の信号処理を行う回路パターンを有する回路基盤42と、傾斜調整ホルダ3の胴体部材22に係合する円筒部41を有してなる。光源ホルダ4は、円筒部41を傾斜調整ホルダの円筒部32に挿入し、円筒部32の側面の孔から挿入される締結部材によって傾斜調整ホルダと嵌合して固定される。
傾斜調整ホルダ3の円筒部32の上部端面から下方向に向けて吊り下げ部材であるワイヤ5が複数(図示の例では4本)取り付けられている。各ワイヤ5は、傾斜調整ホルダの円筒部32を貫いて下方に向けて外側に広がるように傾きをもちながら垂下して、もう一方の端部がレンズホルダ6に結合される。傾斜検出器10が傾いたときにレンズホルダ6が平行移動や回転移動をすることができるように、ワイヤ5の移動空間を確保するための切り欠き部33が円筒部32の内周面の一部に形成されている。また、円筒部32の内周面の一部には組み立て工程において冶具を固定するための溝が中心軸線と平行に形成されている。
レンズホルダ6は、ワイヤ5によって吊り下げされ、その中心部に形成された円形の窓孔にレンズ63が嵌め込まれている。またレンズホルダ6は、ワイヤ5が結合するフランジ部61と、窓孔を内周径としワイヤ5の移動空間を確保する切り込み部62aが形成されている円筒部62と、を有して成る。円筒部62の内周面の一部には組み立て工程において冶具を固定するための溝が中心軸線と平行に形成されている。
傾斜調整ホルダ3にレンズホルダ6を吊り下げ固定する作業のとき、上記円筒部62の溝と円筒部32の内周面の溝にまたがって冶具の突起を嵌めることにより、傾斜調整ホルダ3とレンズホルダ6の相対的な位置決め精度を向上させ、傾斜検出器10全体の組立て精度を向上させることができる。
レンズ63はその光軸が常に鉛直方向を保つように、上記ワイヤ5の長さが調整されている。ケーシング2の傾きがない状態では、光源から出射される光ビームの中心とレンズ63の光軸中心が一致するように、レンズホルダ6の位置が調整されている。レンズ63は凸レンズであって、光源である半導体レーザーからの発散光を土台1上に配置された光検出器11の中心の所定の大きさの光スポットを形成させる。
なお、図2においては、ワイヤ5を4本用いているが本発明に係る傾斜検出器はこれに限ることなく、ワイヤ5が最低3本以上であればレンズホルダ6を吊り下げ固定し、かつ、平行運動と回転運動を支持することができる。その場合、ワイヤ5の数に合わせて切り欠き部33と切り込み部62aを形成すればよい。
ここで、図5を用いて傾斜検出器10の傾きと、光源から出射されレンズ63によって光検出器11上に形成される光スポットの関係を説明する。土台1の上面に配置されている光検出器11は四角形の平板状に形成されていて、受光面が複数に等分されている。例えば、光検出器11は互いに直交する十字状の線に沿って4分割されている。
傾斜検出器10に傾きがない状態では、光検出器11はその受光面がレンズ63の光軸に対して直交するように、また、上記直交する線の交点にレンズ63の光軸が位置するように設置されているから、光源から出射される光束中心とレンズ63の光軸が一直線になり、この光軸が光検出器11の互いに直交する十字状の分割線の交点にある。
したがって、光検出器11の受光面に照射される光ビームの照射パターン12は、図5(a)に示すように、上記十字状の線の交点を中心とした円形になる。説明の都合上、光検出器11の4つの受光面には、図5(a)に示すように、左上、右上、右下、左下の順に、符号a,b,c,dを付しておく。つまり、前記各受光面a,b,c,dの受光面積は等しく、各受光面a,b,c,dの出力信号は等しくなる。そこで、図5(a)に示す左側の受光面の出力と右側の受光面の出力の差をとると、
(a+d)−(b+c)=0
となる。また、図5(a)において、傾斜検出器10の前後方向の傾きを表わす上側の受光面の出力と下側の受光面の出力の差をとると、
(a+b)−(c+d)=0
となる。このように、受光面の左右の出力差と前後の出力差がゼロになるように、傾斜調整ホルダ3によって光源の左右方向の傾きと前後方向の傾きを調整すれば、傾斜検出器10の傾きゼロ点を調整することができる。
例えば傾斜検出器10が組み込まれた機器が、左側に傾いたときは上記機器とともに傾斜検出器10の光源と光検出器11も左側に傾くが、レンズ63はワイヤ5によって常に水平を保って所定位置に留まる。その結果、図5(b)に示すように、レンズ63の光軸位置が光検出器11の左側に移動し、光検出器11の受光面に照射される光ビームの照射パターン12は左側に偏る。したがって、(a+d)−(b+c)を演算するとプラスの値が出るので、この値がゼロになるように上記機器の傾きを修正ないしは制御する。
傾斜検出器10が組み込まれた機器が、傾斜検出器10とともに例えば右側に傾いたときは、図5(c)に示すように、レンズ63の光軸位置が光検出器11の右側に移動し、光検出器11の受光面に照射される光ビームの照射パターン12が右側に偏る。したがって、(a+d)−(b+c)を演算するとマイナスの値が出るので、この値がゼロになるように上記機器の傾きを修正ないしは制御する。
上記の説明では、傾斜検出器10が左右方向に傾いた場合を例に挙げて説明したが、傾斜検出器10が前後方向に傾いた場合も同様の原理によって、傾斜検出器10の傾きを修正ないしは制御することができる。この場合は、4分割された受光面の出力から、(a+b)−(c+d)を演算し、その結果がゼロになるように傾斜検出器10の傾きを修正ないしは制御する。
図2に戻って、本発明に係る傾斜検出器10の構成について説明する。フランジ部61の底面には銅板7が接着されている。また、図示しないケーシング2の胴体部の内部に所定の位置で固定されたドーナツ形状の磁石8を備える。すでに説明したとおり、傾斜検出器10の傾きによって、ワイヤ5によって吊り下げられているレンズホルダ6は相対的に傾きと反対方向に移動することになる。このレンズホルダ6が移動した後に、素早く制止させるための制動に、銅板7と磁石8による磁気制動を用いている。
図3は、土台1、光検出器11、磁石8、ワイヤ5、傾斜調整ホルダ3及びレンズホルダ6、を示した斜視図である。図3に示すようにワイヤ5は、レンズ63の中心から上方に向けた仮想中心Cを頂点とする略円錐形の面に沿うような傾きもって設置され、その一端は円筒部32の上部端面に固定され、もう一方の端部はフランジ部61に固定されている。傾斜検出器10が傾くと、図示しないケーシング2が傾く。そうするとケーシング2の上部端面に固定されている傾斜調整ホルダ3の一方の端部に固定されているワイヤ5によって中空に吊り下げられているレンズホルダ6は、傾きに応じて平行方向M1や回転方向M2に相対移動する。
すでに説明したとおり、傾斜検出器10は、このレンズ63の相対的な従動により光源4から出射された光ビームのスポットが光検出器11の中央部分からずれることを検出し、この検出結果に応じて傾きを検出するものであるから、このレンズ63が傾きに応じた位置でなるべく早く静止することが望ましい。レンズホルダ6の動きを制止するために、銅板7と磁石8による磁気制動を用いている。すなわち、フランジ部61の底面に接着されている銅板には磁石8の磁気によって渦電流が生じ、これによって磁気制動がかかり、従動したレンズホルダ6を傾きに応じた位置ですばやく静止させることができる。
また、図示の実施例に係る傾斜検出器10は、組み立て工程において光源4から出射されレンズ63によって所定のスポットを形成する光ビームが光検出器11の中心に照射されるよう調整することができる。図4を用いて、この調整機構の説明をする。図4(a)は上記傾斜検出器の分解斜視図、図4(b)は上記傾斜検出器の分解断面図である。図4(a)に示すように土台1の上に設置され固定されるケーシング2の上面端部には、傾斜調整ホルダ3を固定する螺子を受けるネジ孔2aが複数形成されている。また、ケーシング2の上面端部の内周角はC面加工が施され面取りされた設置面2bが形成されている。傾斜調整ホルダ3のフランジ部31には孔が形成され、この孔を貫通する締着部材であるネジ3aが上記ネジ孔2aに螺着されている。傾斜調整ホルダ3の上記孔を貫通したネジ3aをネジ孔2aに合わせて、各ネジ3aを螺合させることで傾斜調整ホルダ3はケーシング2に固定される。
図4(b)に示すように傾斜調整ホルダ3の底面部には、下端外周縁が面取りされて凸形に曲面加工された設置面33が形成されている。この設置面33は、傾斜調整ホルダ3がケーシング2の上面に設置されたときにC面加工された設置面2bと当接する。このように、上記設置面33、2bは各ネジ3aの締め付けバランスによって、傾斜調整ホルダ3が傾き動作をしやすいように面取り加工がされている。つまり、光源4から出射される光ビームのスポットが光検出器11の中心部分に来るように、光検出器11の出力を計測しながらネジ3aの締め付けバランスを調整することで、精度よく0点調整ができるようになる。
このように本発明に係る傾斜検出器10によれば、組み立て精度を向上させることができるようになる。
以上説明した傾斜検出器の実施例によれば、従来の傾斜検出器のように、気泡管、あるいは電解液を封入した容器などを使用する必要がなく、光源と光検出器との間に配置されるレンズをケーシングから吊り下げるだけの構成で足りるので、構成およびメンテナンスが容易な傾斜検出器を得ることができる。
また、液体や気泡を利用するものではないことから、温度変化の影響がほとんどなく、温度補正を不要としながら高精度の傾斜検出が可能である。
また、上記の傾斜検出器によれば、レンズホルダを吊り下げるワイヤをレンズの中心上方の仮想中心点を有する傾斜を持たせているので、僅かな傾斜であっても、レンズの相対的な従動量を大きくすることができ、傾斜検出の分解能を高めることができる。また、 上記の傾斜検出器の実施例によれば、組み立て工程において、光源の光軸をレンズ63の中心に合わせて調整する作業を、傾斜調整ホルダを保持するネジによって細かく調整することができるので、高精度の傾斜検出器を得ることができる。
以上説明した傾斜検出器は、これをレーザー光源から出射されるレーザー光束を一方向にのみ放射して鉛直方向のライン光または水平方向のライン光を照射するレーザー墨出し器に設置するとよい。レーザー墨出し器本体に本発明にかかる傾斜検出器を設置し、レーザー墨出し器本体の傾きがゼロになるように調整する。あるいは、レーザー墨出し器本体に対して姿勢制御可能に設けられた光源ユニットホルダの傾きを本発明に係る傾斜検出器で検出し、光源ユニットホルダをその傾きがゼロになるように制御する。上に述べたような本発明に係る傾斜検出器によって得られる効果と同様の効果を得ることができるレーザー墨出し器を得ることができる。
本発明に係る傾斜検出器の実施例を示す斜視図である。 上記傾斜検出器の実施例を示す分解斜視図である。 上記傾斜検出器の実施例のケーシングを除去した斜視図である。 上記傾斜検出器の実施例を示す(a)は分解斜視図、(b)は分解断面図である。 上記実施例を示すもので、(a)は傾きがないときの光検出器および受光位置の例を示す図、(b)上記実施例が一方向に傾いたときの光検出器および受光位置の例を示す図、(c)は、上記実施例が反対方向に傾いたときの光検出器および受光位置の例を示す図である。
符号の説明
1 土台
2 ケーシング
3 傾斜調整ホルダ
4 光源ホルダ
5 ワイヤ
6 レンズホルダ
7 銅板
8 磁石
10 傾斜検出器
11 光検出器
63 レンズ

Claims (10)

  1. ケーシングと、
    上記ケーシングに固定された傾斜調整ホルダと、
    上記傾斜調整ホルダに取り付けられた光源と、
    上記傾斜調整ホルダから吊り下げられたレンズホルダに保持されて一定の姿勢を保つレンズと、
    上記光源からの光ビームが上記レンズを通して照射され、上記ケーシングの傾きに対応して光ビームの照射位置に応じた信号を出力する光検出器と、を備え、
    上記レンズホルダは、複数の吊り下げ部材によって上記傾斜調整ホルダに吊り下げされており、この複数の吊り下げ部材は上記レンズの上方仮想中心に向かって傾斜していることを特徴とする傾斜検出器。
  2. 上記ケーシングは中空の円筒形状を有し、上記傾斜調整ホルダを固定する端面の内周は面取り加工が施されていることを特徴とする請求項1記載の傾斜検出器。
  3. 上記光源は光源ホルダに保持され、
    上記傾斜調整ホルダは、上記光源ホルダを嵌合する円筒形状部とこの円筒形状部の端部に上記ケーシングの端面と対向するフランジ部を有しており、
    上記フランジ部は、このフランジ部を貫通して上記ケーシングの端面に固定する固定部材によって傾き調整可能に固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の傾斜検出器。
  4. 上記ケーシングの端面の反対側端面内周の径は、上記端面の内周の径よりも大きくなっており、
    上記反対側端面の内周には磁石が嵌合されていることを特徴とする請求項2または3記載の傾斜検出器。
  5. 上記レンズホルダは、底面に銅板が固着されており上記磁石によって制動がかかることを特徴とする請求項4記載の傾斜検出器。
  6. レンズは、光源からの光ビームを上記光検出器に集光する凸レンズである請求項1乃至5のいずれかに記載の傾斜検出器。
  7. レンズは、光源からの光ビームを平行光束にするコリメータレンズである請求項1乃至5のいずれかに記載の傾斜検出器。
  8. 光検出器は、受光面が複数に分割され、各受光面に対応した出力端子から検出信号を出力する請求項1乃至7のいずれかに記載の傾斜検出器。
  9. 光検出器の各受光面に対応した出力端子から出力される検出信号の差によってケーシングの傾きを検出する請求項4乃至8のいずれかに記載の傾斜検出器。
  10. レーザー光源から出射されるレーザー光束を一方向にのみ放射して鉛直方向のライン光または水平方向のライン光を照射するレーザー墨出し器であって、レーザー墨出し器本体に請求項1ないし9のいずれかに記載の傾斜検出器が取り付けられているレーザー墨出し器。
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