JP2009041995A - 三次元計測システム、および、三次元計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】全域カメラ20は、砂場S及び全外部標定10を含む全域を撮影する。一方、エリアカメラ30a,30bは、雲台40a,40bにより回動自在であり、全域内の各エリアのうち、何れかのエリアを撮影する。処理制御装置50は、全域カメラ20が撮影した全域画像から砂場Sに残された痕跡が指定されると、対応するエリアを特定し、そのエリアをエリアカメラ30a,30bが撮影できるように雲台40a,40bを回動させる。そして、エリアカメラ30a,30bが撮影したエリア画像にて計測ポイントが指定されると、各エリア画像の外部標定10の絶対位置等に基づいて、計測ポイントの三次元位置を算出し、最終的には、踏切板Fからの跳躍距離を算出する。
【選択図】図1
Description
具体的には、砂場の近傍(例えば、砂場の長手方向の側)に三脚やポール等が立てられ、そこから斜め下方の砂場に向けてカメラが固定される。そして、このカメラから、選手が着地した砂場の画像を撮影する。なお、競技に先立って、踏切板からの距離が実測された基準物を、このカメラから撮影しておき、画像中の位置(各画素位置等)と実距離との関係を求めておく。これにより、撮影した画像における痕跡(足跡等)から、演算によって、選手の跳躍距離を計測することができる。
そして、実際の競技においては、過去の記録(計測実績等)を参考にして、この撮影領域を定めている。それでも、選手の実力差が大きい場合等では、撮影領域に届かない跳躍や、撮影領域を超えた跳躍がなされることもあり、一部の選手について装置による計測が行えない状況も生じていた。
同様に、たとえ同じ種目であっても、男子競技と女子競技や、七種、十種競技と跳躍競技や、社会人競技と学生競技等のように、着地が予想される領域が大きく異なる場合には、競技毎に(男子競技と女子競技、出場する競技者の能力等に応じて)、準備作業を行わなければならず極めて煩雑であった。
しかしながら、撮影領域を広くするとなると、その分、画像のサイズ(解像度)を大きく(細かく)撮影できないと、計測精度が維持できない。
しかも、画角を広げる場合には、画像(特に周辺部)に生じる歪みが大きくなり、計測精度が低下してしまうという問題があった。また、より高い遠方から撮影する場合には、高低差等による誤差が大きくなるため、やはり、計測精度が低下してしまうという問題があった。
このため、計測精度を低下させることなく、ある程度の広い範囲において、対象物を計測できる技術が求められていた。
複数のマーカが配置された計測範囲の全域を撮影する全域撮影手段と、
前記全域において前記マーカが所定数含まれるように区分けされた各エリアのうち、何れかのエリアを撮影する複数のエリア撮影手段と、
予め絶対位置が実測された前記各マーカの座標情報を記憶する座標情報記憶手段と、
前記全域撮影手段が撮影した画像中の計測対象が属するエリアについて、前記各エリア撮影手段が撮影できるように回動制御する回動制御手段と、
前記各エリア撮影手段が撮影した画像中の計測対象について、当該画像中に含まれる前記マーカの前記座標情報に基づき、三次元位置を計測する計測手段と、が設けられている、
ことを特徴とする。
この結果、より広範囲に渡って、対象物を高精度で計測することができる。
前記各エリア撮影手段は、所定の配置位置にて所定間隔を空けた複数の回動台上にそれぞれ載置され、
前記回動制御手段は、前記回動台をそれぞれ個別に制御して、前記各エリア撮影手段を回動させてもよい。
前記全域撮影手段が撮影した画像中における計測対象の箇所が指定されると、前記エリア情報記憶手段に記憶された各エリアの情報に基づいて、計測対象が属するエリアを特定する特定手段と、を更に備え、
前記回動制御手段は、前記エリア情報記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記各エリア撮影手段を回動させてもよい。
前記表示手段が表示した何れかの画像中における計測ポイントが指定されると、各画像の相関関係に基づいて、他方の画像中における同位置を算定する算定手段と、を更に備え、
前記計測手段は、指定された前記計測ポイントの三次元位置を計測してもよい。
固定して配置された撮影装置と、回動自在に配置された複数の撮影装置と、前記複数の撮影装置の回動を制御する回動制御装置と、各装置を制御する処理制御装置とを含むシステムにおける三次元計測方法であって、
前記撮影装置が行う、複数のマーカが配置された計測範囲の全域を撮影する全域撮影ステップと、
前記複数の撮影装置が行う、前記全域において前記マーカが所定数含まれるように区分けされた各エリアのうち、何れかのエリアを撮影するエリア撮影ステップと、
前記回動制御装置が行う、前記全域撮影ステップにて撮影した画像中の計測対象が属するエリアについて、前記複数の撮影装置が撮影できるように回動制御する回動制御ステップと、
前記処理制御装置が行う、前記複数の撮影装置が撮影した画像中の計測対象について、当該画像中に含まれる前記マーカの絶対位置の情報に基づき、三次元位置を計測する計測ステップと、
を備えることを特徴とする。
この結果、より広範囲に渡って、対象物を高精度で計測することができる。
図1は、この発明の実施形態に適用される計測システムの構成の一例を示す模式図である。
図示するように、計測システムは、複数の外部標定10と、全域カメラ20と、エリアカメラ30a,30bと、雲台40a,40bと、処理制御装置50と、を含んで構成される。
この外部標定10は、一例として、図2(a)に示すように、所定の大きさで円板状に形成されており、表面が円の中心を通る2本の直線で4つに分割され、2色(一例として、白と黒)で交互に色付けされている。そして、図2(b)に示すように、砂場Sの長手方向(選手の跳躍方向)に沿った両側の地表に、例えば、一定間隔に所定数配置されている。また、踏切板Fの近傍にも適宜配置されている。
また、後述するように、各外部標定10の絶対位置(三次元座標)は、光波距離計等によって正確に計測され、処理制御装置50に記憶される。
一例として、全域カメラ20は、図3(a),(b)に示すように、砂場Sの側面から所定距離を隔てた所定の高さの箇所(スタンドの手すりや壁等)に配置される。そして、全ての外部標定10等を含む全域が撮影可能となるように撮影方向、画角(レンズ等)及び、ピント等が調整され、その状態で固定される。具体的には、図4(a)に点線で示す全域Znが撮影可能となるように固定される。
なお、全域カメラ20について、歪曲収差の補正等のためキャリブレーションを行うことになるが、その際、設置位置に固定したまま行ってもよく、また、調整した状態に正確に戻せることを条件として、作業がしやすい別の場所で行うようにしてもよい。キャリブレーションは、例えば、株式会社アプライド・ビジョン・システムズの販売するキャリブレーション用ボードAVS−calb−B900と、ステレオカメラチェック用ソフトウェアAVS−ScamChkとを用いて行う。キャリブレーション用ボードAVS−calb−B900は平面上に決められた間隔の決められたサイズの水玉パターンを設けたもので、予め画角を覆うような位置に配置したこれを全域カメラ20で、少しずつ角度を変えながら数枚撮影し、ステレオカメラチェック用ソフトウェアAVS−ScamChkにより補正値を得る。エリアカメラ30a,30bについても同様に行う。
このエリアカメラ30a,30bは、フレーム同期が取れるタイプの撮影装置であり、同じタイミングでそれぞれの撮影を可能としている。つまり、環境変化が激しい屋外で使用されることを考慮し、明るさ等の変化による撮影のばらつき等を軽減するためにも、フレーム同期を取ってエリア画像をそれぞれ撮影する。
このようなエリアカメラ30a,30bも、例えば、上述した図3(a),(b)に示すように、砂場Sの側面から所定間隔を隔てた所定の高さの箇所に配置される。その配置位置では、エリアカメラ30a,30bが所定の間隔(基線長L)を隔て、それぞれが個別に回動可能なように、雲台40a,40b上に設置される。
そして、最初に(初期設定時に)、デフォルトエリアが撮影可能となるように、雲台40a,40bと共に設定される。具体的には、図4(b)に点線で示すエリアA0(デフォルトエリア)が撮影可能となるように、最適な焦点距離(画角)のレンズが装着され、撮影距離(ピント)等も最適に調整される。なお、デフォルトエリアは、競技において、選手が最も多く着地すると予想されるエリアが適宜選定される。
このエリアA0l,A0rは、一例として、60%以上が重複しており、それぞれの内部に外部標定10が3つ以上(外部標定10が一直線上に並ばない3つ以上)含まれるように選定されている。
このように、外部標定10が3つ以上含まれていれば(エリアカメラ30a,30bから撮影できれば)、画像におけるX,Y,Zの各軸の回転方向が算出でき、エリアカメラ30a,30bの位置も正確に算出できる。より具体的には、外部標定10、画像における外部標定10およびカメラの原点(レンズの中心)が一本の直線状に並んでいること(共線条件式)からカメラの位置を算出する。このような算出や後述する三次元位置の算出には、例えば、株式会社アプライド・ビジョン・システムズの販売する相関法ステレオ三次元計測ソフトウェアAVS−Cor3D−SDK−v2を用いる。
また、エリアカメラ30a,30bの間隔(基線長L)の情報も、処理制御装置50に供給されて記憶される。
この後、雲台40a,40bを適宜回動させ、エリアカメラ30a,30bが撮影するための他のエリアを適宜選定してプリセットする。なお、他のエリアの詳細については、後述する。
この雲台40a,40bは、上述したエリアA0(デフォルトエリア)以外のエリアもエリアカメラ30a,30bが撮影できるように、適宜駆動する。
具体的に雲台40a,40bは、図5に示すように、エリアA0の他にエリアA1〜A4を、エリアカメラ30a,30bが撮影できるように、処理制御装置50からの制御に基づいて、水平方向に回動させる。
なお、エリアA1〜A4は、エリアA0を設定した後に、適宜選定され、プリセットされている。
なお、各エリアA1〜A4についても、上述した図4(c)に示すエリアA0l,A0rのように、エリアカメラ30a,30bがそれぞれ撮影するエリアが分かれており、同様に、60%以上が重複しており、それぞれの内部に外部標定10が3つ以上(一直線上に重ならないものが3つ以上)含まれるように選定されている。
そして、エリアカメラ30a,30bが撮影したエリア画像における痕跡の計測ポイント(例えば、計測させたい痕跡の踏切板Fに近い側等)が指定されると、各エリア画像の外部標定10(例えば、エリアカメラ30a,30bとの直線上に重ならない3つの外部標定10)の絶対位置等に基づいて、計測ポイントの三次元位置を算出し、最終的には、踏切板Fからの跳躍距離を算出する。より具体的には、エリアカメラ30a,30b毎に、計測ポイントの画像における位置と、上述の算出処理と同様に画像に含まれる外部標定10に基づき求めたカメラの原点の位置とから、共線条件式を導く。更に、撮影されている外部標定10からそれぞれ共線条件式を導き、あわせて共線方程式として解くことによって、実際の計測ポイントの三次元位置を算出する。これらの解法については、さまざまな方法が開発されているが、基本的なものとしては、岡山職業能力開発短期大学校紀要第11号、1997年3月「画像計測の基礎」(秋本圭一、服部進)等に掲載されている。
そして、全域カメラ20やエリアカメラ30a,30bにて撮影された画像(動画や静止画)を、画像記憶部52に供給する。
その際、撮影制御部51は、例えば、制御部55から時刻情報(現在時刻等)が供給されると、この時刻情報を画像にインポーズして(合成して)画像記憶部52に供給する。この他にも、制御部55から選手ID等の識別情報が供給されている場合に、この識別情報を画像のヘッダ等に付加して画像記憶部52に供給する。
この画像記憶部52に記憶された画像は、制御部55により、適宜読み出される。なお、リアルタイムで全域画像やエリア画像を制御部55に供給する場合には、記憶を行わないようにしてもよい。
例えば、表示部53は、図7(a)に示すような全域画像を表示したり、また、図7(b)に示すようなエリア画像を表示する。
一方、図7(b)は、エリアカメラ30aが撮影したエリア画像(左目画像)と、エリアカメラ30bが撮影したエリア画像(右目画像)とからなる。
各エリア画像には、砂場Sの一部及び、所定数の外部標定10が含まれている。また、砂場Sには、着地した選手の痕跡Kが含まれている。
例えば、制御部55は、選手の跳躍後に、全域画像を画像記憶部52から読み出し、表示部53に表示する。つまり、上述した図7(a)に示すような全域画像を表示部53に表示する。その際、制御部55は、画像処理等により、このような全域画像における各外部標定10をそれぞれ自動的に認識する。なお、全域が広すぎる等により自動的に認識できない場合には、審判員等が、全域画像中の各外部標定10の位置をマウスのクリック等により、手動で入力してもよい。
そして、このような全域画像から痕跡K(おおよその位置)が、審判員によりマウス等により指定されると、制御部55は、エリア情報記憶部57に記憶されるエリア情報(各エリアA0〜A4の情報)を参照し、対応するエリア(痕跡が属するエリア)を特定する。つまり、指定された痕跡が指し示されることにより指定されたエリア(指定エリア)が、上述した図5に示す何れのエリアであるかを特定する。
そして、エリアカメラ30a,30bが撮影したエリア画像を画像記憶部52から読み出し、表示部53に表示する。つまり、上述した図7(b)に示すようなエリア画像(2画像)を表示部53に表示する。
このようにして、エリア画像の計測ポイントが指定(決定)されると、制御部55は、その計測ポイントの三次元情報を算出する。つまり、両方のエリア画像を用いたステレオカメラ方式の三次元計測によって、砂場S(痕跡K等)の高低差に拘わらず正確な計測を行う。
具体的に制御部55は、各エリア画像における3つの外部標定10(エリアカメラ30a,30bとの直線上に重ならない3つの外部標定10)を特定し、それぞれの絶対位置(三次元座標)の情報を座標情報記憶部58から読み出す。そして、読み出した情報等に基づく三次元計測によって、計測ポイントの三次元位置を算出する。
さらに、制御部55は、踏切板Fの絶対位置を座標情報記憶部58から読み出し、踏切板Fから計測ポイントまでの跳躍距離を計測する。より詳細には、まず、計測ポイントを通り、踏切板Fと平行となる直線(平行線)を求め、次に、踏切板Fから延ばした垂線がその平行線と交わるまでの距離を跳躍距離として計測する。その際、例えば、mm単位及び、mm単位を切り捨てたcm単位の跳躍距離を求める。
例えば、回動制御部56は、制御部55からエリアを指定した回動命令が発せられると、回動先となるエリアの角度情報等をエリア情報記憶部57から読み出し、雲台40a,40bを個別に回動させる。
例えば、エリア情報記憶部57は、上述した図5に示す各エリアA0〜A4について、外部標定10の情報(ID等)、及び、雲台40a,40bの角度情報等を記憶する。
なお、雲台40a,40bの回動に応じて、エリアカメラ30a,30bの間隔(基線長L)が変化する場合には、エリアA0〜A4毎の基線長Lの値も記憶する。
また、座標情報記憶部58は、同様に光波距離計等によって正確に計測された踏切板F等についての絶対位置の情報も記憶する。
すなわち、制御部55は、画像記憶部52から全域画像を読み出し、例えば、上述した図7(a)に示すような全域画像を表示部53に表示する。そして、審判員のマウス操作等により、全域画像から痕跡K(おおよその位置)が指定されるのを待機する。
処理制御装置50は、指定エリアがデフォルトエリアであると判別すると、後述するステップS17に処理を進める。
なお、雲台40a,40bを回動させた場合には、エリアカメラ30a,30bが安定する(揺れ等が収まる)のを待った後(所定の安定時間が経過した後)に、撮影を開始させる。
すなわち、制御部55は、画像記憶部52からエリア画像を読み出し、例えば、上述した図7(b)に示すようなエリア画像を表示部53に表示する。そして、審判員のマウス操作等により、一方のエリア画像にて計測ポイント(計測させたい痕跡Kの踏切板Fに近い側等)が指定されると、他方のエリア画像における同位置を求め、その箇所にカーソル等を移動させ、審判員が他方のエリア画像でも計測ポイントが確認できるようにする。
すなわち、制御部55は、各エリア画像における3つの外部標定10(エリアカメラ30a,30bとの直線上に重ならない3つの外部標定10)を特定し、それぞれの絶対位置(三次元座標)の情報を座標情報記憶部58から読み出す。そして、読み出した情報等に基づく三次元計測によって、計測ポイントの三次元位置を算出する。
さらに、制御部55は、踏切板Fの絶対位置を座標情報記憶部58から読み出し、踏切板Fから計測ポイントまでの跳躍距離(踏切板Fから垂直な距離)を計測する。
また、エリアカメラ30a,30b(ステレオカメラ)のエリア画像を用いた三次元計測することによって、高低差による誤差を抑えることができる。
例えば、選手が跳躍のための助走を開始するまたは踏み切りのタイミングで、グリップスイッチを押すようにし、それに応答して、処理制御装置50(撮影制御部51)は、全域カメラ20及び、エリアカメラ30a,30bに動画撮影の開始を指示する。そして、画像記憶部52は、全域カメラ20及び、エリアカメラ30a,30bが撮影した画像(動画)を順次記憶する。
やがて、選手が跳躍を終えると(砂場Sに痕跡が残されると)、再び、グリップスイッチが押され、それに応答して、撮影制御部51は、全域カメラ20及び、エリアカメラ30a,30bに動画撮影の終了を指示する。(実際には、グリップスイッチが押されて例えば20秒(指定時間)撮影する。)
なお、動画を再生する代わりに、時系列のサムネイル画像を並べて表示し、審判員が、サムネイル画像から目的の画像を容易に探せるようにしてもよい。
このようにして目的の全域画像を見つけると、審判員は、上記と同様に、全域画像からマウス等により痕跡を指定する。そして、制御部55は、上記と同様に、指定エリアを特定し、指定エリアがデフォルトエリアであるか否かを判別する。ここで、指定エリアがデフォルトエリアでない場合、上記と同様に、雲台40a,40bを回動させ、エリアカメラ30a,30bに指定エリアのエリア画像を撮影させることになる。
なお、動画を再生する代わりに、やはり、時系列のサムネイル画像を並べて表示し、審判員が、サムネイル画像から目的の画像を容易に探せるようにしてもよい。
これにより、より明確に着地点(痕跡)を判別することができる。例えば、判定が難しい痕跡が複数ある場合でも、その直前の画像等を確認することで、何れが有効な痕跡であるのかが判別できる。
また、砂場Sを監視している他の審判員が、実際の痕跡上にマーカを立てるような場合でも、そのマーカを立てる瞬間の画像から、より正確な計測ポイントを指定することが可能となる。
そして、計測ポイントが指定(決定)されると、制御部55は、上記と同様に三次元計測によって、計測ポイントの三次元位置を算出し、最終的に、跳躍距離を計測する。
この場合も、より広範囲に渡って、対象物を高精度で計測することができる。
上記の実施形態では、図5に示すように、合計5つのエリアに分けた場合を一例として説明したが、分けるエリアの数は、競技場の環境(エリアカメラ30a,30bの性能や設置場所、砂場Sの大きさ等)に応じて、適宜変更可能である。
また、水平方向にだけ、エリアを分けた場合を一例として説明したが、エリアの分け方は水平方向だけに限られず、適宜垂直方向にも分けてもよい。
例えば、エリアカメラ30a,30bの性能から、撮影可能範囲が狭くなるような場合には、エリアを垂直方向にも分ける必要がある。
なお、補助的な外部標定10’についても、上記と同様に光波距離計等によって、絶対位置(三次元座標)が正確に計測され、座標情報記憶部58に記憶される。
また、雲台40a,40bは、水平方向だけでなく、上下方向(垂直方向)にも適宜回動することになるため、この上下方向の角度情報もエリア情報記憶部57に記憶される。
そして、このエリアAu2が撮影されたエリア画像には、画像中に含まれる外部標定10の数が幾分少ないが、座標情報記憶部58に記憶された外部標定10’の絶対位置も適宜参照され(プリセット時にカメラの位置(座標)を計算して参照する)て、計測ポイントの三次元位置が計測されるため、高精度を維持することができる。
この場合も、より広範囲に渡って、対象物を高精度で計測することができる。
しかしながら、痕跡等をより見やすく加工した画像を表示して、審判員の作業負担を軽減できるようにしてもよい。
例えば、エリアカメラ30a,30bがそれぞれ撮影したエリア画像から画像処理により三次元画像を生成し、視点変換等の処理を適宜施して、砂場Sを真上等から見た画像(鳥瞰図等)を生成し、補助情報として表示するようにしてもよい。
この場合、この鳥瞰図によって、痕跡等をより見やすくなり、計測ポイントの指定もより容易となる。
さらに、一方のエリア画像、又は、両方のエリア画像から、痕跡を自動認識させることにより、審判員による計測ポイントの指定自体を不要とし、計測ポイントの指定から跳躍距離の計測までを、完全に自動化できるようにしてもよい。
例えば、競技日時、大会名、選手名(選手ID)、計測結果(跳躍距離等)及び、画像を関連付けて保存する。そして、例えば、競技日時や選手名等をキーにして、計測結果やその画像を検索可能とすることで、信頼性を高めた記録データとして活用することができる。
例えば、大がかりな建設現場等で、大型鋼材を組み上げるような場合に、大型鋼材の穴位置等を計測する必要が生じる。このような場合にも、本願発明の計測システムを適用することができる。以下、図10を参照して、簡単に説明する。
図1に示す計測システムと異なる点は、外部標定10が、大型鋼材KZに配置されている点である。つまり、外部標定10は、大型鋼材KZの表面(上面や側面等)に、例えば、一定間隔で貼り付けられている。なお、各外部標定10の絶対位置(三次元座標)は、上記と同様に、光波距離計等によって正確に計測され、処理制御装置50に記憶される。
この大型鋼材KZには、ボルト等を通すための穴Hが設けてあり、この穴Hの位置を計測することになる。
また、エリアカメラ30a,30bは、全域カメラ20が撮影する全域のうち、所定範囲のエリアを撮影する。例えば、エリアカメラ30aが図10(b)に示すエリアA0lを撮影し、一方、エリアカメラ30bがエリアA0rを撮影する。
なお、上記と同様に、全域Znが複数のエリアに分けられており、各エリアがプリセットされている。そして、処理制御装置50が雲台40a,40bを個別に制御し、エリアカメラ30a,30bが各エリアを撮影可能となっている。
そして、エリアカメラ30a,30bが撮影したエリア画像における穴H(例えば、穴Hの中心)が指定されると、各エリア画像の外部標定10(例えば、エリアカメラ30a,30bとの直線上に重ならない3つの外部標定10)の絶対位置等に基づいて、穴Hの三次元位置を算出する。
この場合も、より広範囲に渡って、対象物を高精度で計測することができる。
20 全域カメラ
30a,30b エリアカメラ
40a,40b 雲台
50 処理制御装置
Claims (5)
- 複数のマーカが配置された計測範囲の全域を撮影する全域撮影手段と、
前記全域において前記マーカが所定数含まれるように区分けされた各エリアのうち、何れかのエリアを撮影する複数のエリア撮影手段と、
予め絶対位置が実測された前記各マーカの座標情報を記憶する座標情報記憶手段と、
前記全域撮影手段が撮影した画像中の計測対象が属するエリアについて、前記各エリア撮影手段が撮影できるように回動制御する回動制御手段と、
前記各エリア撮影手段が撮影した画像中の計測対象について、当該画像中に含まれる前記マーカの前記座標情報に基づき、三次元位置を計測する計測手段と、が設けられている、
ことを特徴とする三次元計測システム。 - 前記全域撮影手段は、所定の配置位置に固定して設置され、
前記各エリア撮影手段は、所定の配置位置にて所定間隔を空けた複数の回動台上にそれぞれ載置され、
前記回動制御手段は、前記回動台をそれぞれ個別に制御して、前記各エリア撮影手段を回動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の三次元計測システム。 - 前記全域が区分けされた各エリアの情報を記憶するエリア情報記憶手段と、
前記全域撮影手段が撮影した画像中における計測対象の箇所が指定されると、前記エリア情報記憶手段に記憶された各エリアの情報に基づいて、計測対象が属するエリアを特定する特定手段と、を更に備え、
前記回動制御手段は、前記エリア情報記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記各エリア撮影手段を回動させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元計測システム。 - 前記エリア撮影手段が撮影したそれぞれの画像を並べて表示する表示手段と、
前記表示手段が表示した何れかの画像中における計測ポイントが指定されると、各画像の相関関係に基づいて、他方の画像中における同位置を算定する算定手段と、を更に備え、
前記計測手段は、指定された前記計測ポイントの三次元位置を計測する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の三次元計測システム。 - 固定して配置された撮影装置と、回動自在に配置された複数の撮影装置と、前記複数の撮影装置の回動を制御する回動制御装置と、各装置を制御する処理制御装置とを含むシステムにおける三次元計測方法であって、
前記撮影装置が行う、複数のマーカが配置された計測範囲の全域を撮影する全域撮影ステップと、
前記複数の撮影装置が行う、前記全域において前記マーカが所定数含まれるように区分けされた各エリアのうち、何れかのエリアを撮影するエリア撮影ステップと、
前記回動制御装置が行う、前記全域撮影ステップにて撮影した画像中の計測対象が属するエリアについて、前記複数の撮影装置が撮影できるように回動制御する回動制御ステップと、
前記処理制御装置が行う、前記複数の撮影装置が撮影した画像中の計測対象について、当該画像中に含まれる前記マーカの絶対位置の情報に基づき、三次元位置を計測する計測ステップと、
を備えることを特徴とする三次元計測方法。
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