JP2009041041A - 水周り部材用フェライト系ステンレス鋼板 - Google Patents

水周り部材用フェライト系ステンレス鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性に優れるとともに、研磨性にも優れる水周り部材に用いて好適なフェライト系ステンレス鋼板を提供することと、その鋼板を製造する有利な方法を提案する。
【解決手段】mass%で、C:0.020%以下、Si:0.30〜1.00%、Mn:0.50%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:20.0〜28.0%、Ni:0.60%以下、Al:0.03〜0.15%以下、N:0.020%以下、O:0.0020〜0.0150%、Mo:0.30〜1.5%、Nb:0.10〜0.50%、Ti:0.10%以下を含有し、かつCrとMoが下記式;
24mass%≦Cr+3.3Mo≦32mass%
を満たし、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、鋼板表層に平均厚さ10〜100nmの酸化皮膜を有する水周り部材用フェライト系ステンレス鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、フェライト系ステンレス鋼板に関し、特に、温水器の缶体や貯水槽、シンク等の厨房機器、浴槽などに用いて好適な、研磨性と耐食性に優れる水周り部材用フェライト系ステンレス鋼板に関するものである。
ステンレス鋼板は、塗装などの防錆処理を施さずに使用することが多いため、優れた耐食性を有することが求められている。また、無垢のまま、シンク等の厨房機器や温水器の缶体、貯水槽、浴槽などの水周り部材に使用する場合には、耐食性のほか、金属特有の金属光沢を基調とした意匠性にも優れることが要求される。
このような水周り部材に用いられるステンレス鋼板としては、JISに規定されているSUS444に代表されるフェライト系ステンレス鋼板がある。このフェライト系ステンレス鋼板は、Niを含まないため安価であり、オーステナイト系ステンレス鋼板と比較して、応力腐食割れ(SCC)感受性が小さいという特長を有するため、このような用途に用いて好適である。
ところで、水道水には、殺菌のために塩素が投入されており、0.1mg/L以上の多量の残留塩素が含まれている。そのため、この残留塩素の酸化作用に起因する材料の腐食が問題となる。特に、衛生対策を強化する観点から、2003年に、建築物衛生法やビル管理法が改正され、特定建築物においては、給湯水にも0.1mg/L以上の残留塩素を含有することが求められることとなった。さらに、ウオーターフロントで使用される建材用の水周り部材の場合、酸やハロゲン等が多く存在する環境下あるいは飛来塩分等の多い大気環境下での耐食性が問題となる。そのため、水周り部材に用いられる材料への耐食性改善の要求はさらに高くなっている。この点、上述したSUS444(18mass%Cr−2mass%Mo鋼)は、酸やハロゲン等が多く存在する環境下や飛来塩分等の多い大気環境下で使用された場合でも、発銹を抑制することができる優れた耐食性を有するものである。
しかし、SUS444に代表されるMo添加鋼は、その製造工程において、冷間圧延後、機械的性質を確保するための仕上焼鈍が施されるのが普通である。この焼鈍は、アンモニア分解ガスや水素ガス等のいわゆるBA雰囲気と呼ばれる還元性雰囲気中で行われる場合と、コークス炉から排出されるガスと空気を混合させて燃焼させたガスような酸化性雰囲気中で行われる場合とがある。前者の焼鈍では、鋼板表面に酸化皮膜が生成しないため、焼鈍後も鋼板表面は光沢があり、研磨性もよいが、BA雰囲気とするために、製造コストが高くなるという問題がある。
一方、後者の焼鈍では、酸化性雰囲気での焼鈍によって、鋼板表面に酸化皮膜が形成されるため、これを除去するための工程を付加する必要がある。しかし、Mo添加鋼では、Moに起因した緻密な酸化皮膜が形成されるが、この緻密な酸化皮膜は、ステンレス製造において通常行われているNaSO等の溶液中での中性塩電解処理だけでは除去しきれないため、その後さらに、ハロゲンを含む酸溶液中で下地の母材までをも溶解させて脱スケールし、製品としている。
そのため、酸化性雰囲気で焼鈍されたMo添加鋼は、金属光沢に劣り、また、金属光沢を出すための表面研磨性にも劣るという問題がある。さらに、良好な金属光沢を得るためには、地鉄を含めて大幅に溶解するか研削しなければならず、実質的に金属光沢を得ることが難しいという問題がある。
そこで、水周り用途に用いて好適な、耐食性に優れる材料の開発が別途進められている。例えば、特許文献1には、特に、溶接部の耐食性を向上することを目的とし、ステンレス鋼の高純度化精錬技術を活用してPとS、CとNを低減することにより、耐食性と加工性に優れた安価なフェライト系ステンレス鋼を得る技術が開示されている。また、特許文献2には、Ti添加量を制限した上で、TiとAlを複合添加し、さらに適正量のCuを添加して溶接部の耐食性を向上させた、塩素イオンや残留塩素などを多く含んだ環境下で使用されるフェライト系ステンレス鋼が開示されている。さらに、特許文献3には、Nb,Ti,Alの添加量を制限した低Cフェライト系ステンレス鋼板をかしめて接合することで、塩化物溶液中でも隙間部の発錆を抑えることができる温水器缶体が開示されている。
特開昭58−71356号公報 特開平10−81940号公報 特開2005−15816号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示された上記技術は、焼鈍後の鋼板表面の研磨性を改善することについては触れられていなかった。
そこで、本発明の目的は、耐食性に優れるとともに、研磨性にも優れる水周り部材に用いて好適なフェライト系ステンレス鋼板を提供することおよびその鋼板を製造する有利な方法を提案することにある。
発明者らは、従来技術が抱える上述した問題点を解決し、耐食性に優れるとともに、研磨性にも優れるステンレス鋼板を開発するべく、特に、仕上焼鈍時に形成される鋼板表層の酸化皮膜と、その酸化皮膜を酸溶液中で溶解した場合に残存する酸化皮膜とが、耐食性および研磨性に及ぼす影響について鋭意検討を重ねた。
その結果、Mo添加鋼では、Moの含有量によって焼鈍時に生成する酸化皮膜の緻密さが異なり、Mo含有量がある一定量を超えると酸化皮膜が緻密化し、従来の中性塩電解処理やそれに続く酸処理では、酸化皮膜が不均一に溶解するようになり、その結果、残留した酸化皮膜と地鉄との境界部が発錆の起点となりやすいことを見出した。
また、Cr濃度がある一定量を下回ると、地鉄表層の粒界におけるCr濃度が低下し、ハロゲンを含む酸による粒界侵食孔が大きくなり、研磨性を阻害する。したがって、研磨性を確保するためには、ハロゲンを含む酸による粒界侵食孔の発生を極力抑える、つまりハロゲンを含む酸による溶解量を極力抑えることが重要であることを見出した。
さらに、ハロゲンを含む酸中での溶解量を抑えた場合には、鋼板表面に、薄い酸化皮膜が部分的に残留するが、鋼中のCr濃度を増加させ、脱クロム層の濃度を一定値以上とすれば、酸化皮膜残留部や地鉄部の耐食性をむしろ向上できること、また、上記焼鈍後の酸処理によって、鋼板表面にAl、SiOを多く含むテンパーカラー状の薄い酸化皮膜を残留させれば、ハロゲンを含む酸中での耐食性が向上することを見出した。
本発明は、上記知見を踏まえて、フェライト系ステンレス鋼板のMo,Cr,AlおよびSiの成分を適切な範囲に制御するとともに、焼鈍後の酸処理によって鋼板表層に一定量の厚さの酸化皮膜を残留させることによって、耐食性と研磨性とを兼備したフェライト系ステンレス鋼板を開発するに至ったものである。
すなわち、本発明は、C:0.020mass%以下、Si:0.30〜1.00mass%、Mn:0.50mass%以下、P:0.040mass%以下、S:0.010mass%以下、Cr:20.0〜28.0mass%、Ni:0.60mass%以下、Al:0.03〜0.15mass%以下、N:0.020mass%以下、O:0.0020〜0.0150mass%、Mo:0.30〜1.5mass%、Nb:0.10〜0.50mass%、Ti:0.10mass%以下を含有し、かつCrとMoが下記式;
24mass%≦Cr+3.3Mo≦32mass%
を満たし、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、鋼板表層に平均厚さ10〜100nmの酸化皮膜を有する水周り部材用フェライト系ステンレス鋼板である。
本発明の鋼板は、上記成分組成に加えてさらに、Cu:0.2〜1.0mass%およびZr:0.1〜0.6mass%のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする。
また本発明の鋼板は、酸化皮膜中のSiおよびAlのいずれか1つ以上の濃度が、母材濃度の3倍以上であることを特徴とする。
また本発明は、C:0.020mass%以下、Si:0.30〜1.00mass%、Mn:0.50mass%以下、P:0.040mass%以下、S:0.010mass%以下、Cr:20.0〜28.0mass%、Ni:0.60mass%以下、Al:0.03〜0.15mass%以下、N:0.020mass%以下、O:0.0020〜0.0150mass%、Mo:0.30〜1.5mass%、Nb:0.10〜0.50mass%、Ti:0.10mass%以下を含有し、かつCrとMoが下記式;
24mass%≦Cr+3.3Mo≦32mass%
を満たし、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼板を焼鈍して表層に酸化皮膜を形成し、次いで、硝弗酸溶液に浸漬して酸化皮膜の平均厚さを10〜100nmに調整し、その後、硝酸溶液中で正電解、負電解を各1回以上行う水周り部材用フェライト系ステンレス鋼板の製造方法を提案する。
本発明によれば、製造性を害することなく、ハロゲンを含む溶液中でも優れた耐食性を有するとともに、研磨性にも優れるフェライト系ステンレス鋼板を得ることができる。したがって、本発明の鋼板は、水周り部材の素材として好適に用いることができる。
本発明のフェライト系ステンレス鋼が有すべき成分組成について説明する。
C:0.020mass%以下
Cは、Crと結合して炭化物を形成しやすい元素であり、特に、溶接時に、熱影響部などに形成されやすい。このCr炭化物の形成は、Cr欠乏層を発生させ、粒界腐食を引き起こす原因となるので、Cは低いほど好ましい。よって、本発明では、Cを0.020mass%以下とする。好ましくは、0.015mass%以下である。
Si:0.30〜1.00mass%
Siは、脱酸剤として添加される元素である。また、発明者らの研究によれば、鋼中にSiを含有させると、熱処理時に、Siが地鉄の最表層粒界部に酸化物(SiO)を形成し、これが、酸による粒界侵食を抑える働きがある。この効果は、特に、ハロゲンを含む酸やpHの低い溶液において大きく、粒界が深く掘られて、研磨性が悪化するのを防ぐことができる。また、SiOは、酸化皮膜として鋼板表面に連続的に存在している必要はなく、適度に表面に残留していることによっても、鋼の耐食性を向上する働きがある。これらの効果は、Si含有量が0.30mass%以上で発現する。一方、Si含有量が1.0mass%を超えると、酸化皮膜を形成する時に、酸化皮膜と地鉄との界面に濃化し過ぎて、特に、最表層の粒界部にSi酸化物が生成し過ぎて、逆に研磨性の劣化を招く。さらに、Siの過度の添加は、鋼を硬質化し、加工性の低下を招く。よって、本発明では、Si含有量は、0.30〜1.00mass%の範囲とする。好ましくは、0.4〜0.6mass%の範囲である。
Mn:0.50mass%以下
Mnは、脱酸作用を有する元素であるが、鋼中に存在するSと結合して、可溶性硫化物であるMnSを形成し、耐食性を低下させる。また、過剰な添加は、固溶強化により加工性を損なう。さらに、Mnは、0.50mass%を超えて添加すると、熱処理時に生成する酸化皮膜中に、特に外層に生成するスピネル酸化物中にMnが濃化し、テンパーカラー状の薄い酸化皮膜を残留させたときの耐食性を劣化させる。よって、本発明では、Mnは低いほど好ましく、0.50mass%以下とする。好ましくは0.3mass%以下である。
P:0.040mass%以下
Pは、耐食性を害する元素であり、特に、含有量が0.040mass%を超えると、その影響が大きくなる。よって、Pは0.040mass%以下とする。好ましくは、0.030mass%以下である。
S:0.010mass%以下
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、初期発銹の起点となる。また、結晶粒界に偏析して粒界脆化を促進する有害元素でもある。特に、Sの含有量が0.010mass%を超えると、その悪影響が顕著となる。よって、本発明においては、Sは0.010mass%以下とする。好ましくは、0.005mass%以下である。
Cr:20.0〜28.0mass%
Crは、フェライト系ステンレス鋼の耐食性を決定する基本成分である。しかし、Cr含有量が20.0mass%未満では、鋼板表層に酸化皮膜が生成すると、皮膜と地鉄との界面のCr濃度が局部的に低下するために、この部分が露出した場合には、短時間で発銹に至る。また、耐食性を向上させるMoの添加量を多くしても、耐食性は、Crが消費されてしまうと極端に低下する。しかし、Crの含有量が20.0mass%以上であれば、本発明が所期した程度の酸化皮膜の生成によって地鉄のCr濃度が低下しても、粒界や粒内での脱クロム層の分布も腐食速度に影響を与えるような分布とはならない。一方、Crの含有量が28.0mass%を超えると、酸化物中のCr濃度が上がり、前述した表層粒界でのSi酸化物の生成が抑制されるため、本発明が所期した程度の酸化皮膜を残存させても、ハロゲンを含む酸やpHの低い溶液による選択的な粒界腐食を防止することができずに粒界侵食が起こり、研磨性を悪化させることになる。また、Crの含有量が28.0mass%を超えると、伸びが減少し、加工性が低下する。よって、Crの含有量は20.0〜28.0mass%の範囲とする。好ましくは22.0〜25.0mass%の範囲である。
Ni:0.60mass%以下
Niは、靭性の向上に有効な元素であるが、0.60mass%を超えて含有すると、応力腐食割れ(SCC)感受性が高くなる。よって、Niは0.60mass%以下にする。
Al:0.03〜0.15mass%
Alは、Siと同じく、800℃未満で酸化皮膜を形成するため、Si,Moと並んで本発明においては重要な元素である。すなわち、Alを鋼中に0.03mass%以上添加すると、熱処理した時に、Si同様、Alが地鉄の最表層に酸化皮膜を形成し、耐食性を向上する。一方、Alの含有量が0.15mass%を超えると、酸化皮膜形成時に、その外層に生成する酸化物、特に、スピネル系の酸化物中のAl濃度が上がり、耐食性が劣化する。よって、本発明では、Alは0.03〜0.15mass%とする。好ましくは、Alの添加量は、0.05〜0.11mass%の範囲である。
N:0.020mass%以下
Nは、Crと結合してCr窒化物を形成しやすい。特に、溶接時に、熱影響部にCr窒化物が形成されると、粒界腐食の原因となるので、Nは低いほど好ましい。よって、本発明では、Nを0.020mass%以下とする。
O:0.0020〜0.0150mass%
Oは、溶接時の溶け込み性を向上させる元素である。一方、多量の添加は、介在物を増加させ、耐食性の低下が顕著となる。よって、Oは、0.0020〜0.0150mass%の範囲とする。
Mo:0.30〜1.5mass%
Moは、耐食性の向上に極めて有効な元素である。鋼中のMoは、酸溶液中での不動態皮膜を強固にし、また、ハロゲンなどで破壊された不動態皮膜の再生を促進する働きが強いので、研磨後の耐食性を考慮した場合には、積極的に添加するのが好ましい。特に、温水器や水槽などのように、ハロゲンを含む水回りに使用する場合には、積極的に添加したほうがよい。上記Moの効果は、0.30mass%以上の添加で得られる。
しかし、発明者らが、Cr:22.0〜25.0mass%、Si:0.3〜0.6mass%、Nb:0.2〜0.5mass%を含有する鋼において、焼鈍時に形成される酸化皮膜の形態とMo含有量との関係を調査したところ、Moが1.5mass%を超えてしまうと、焼鈍時に形成される酸化皮膜はCrリッチなCr主体の皮膜となり、本発明において重要な働きをするAlやSiなどの元素の粒界での酸化を抑制してしまうことがわかった。これは、Moの添加により、酸化の初期において、Cr濃度の高い皮膜が生成されてしまうためと考えられる。さらに、Cr濃度の高い皮膜の生成は、粒界付近にCr濃度の低いCr欠乏領域を形成して粒界侵食を助長し、研磨性を劣化させることもわかった。したがって、本発明のように、若干の酸化皮膜を残留させて研磨性を確保するには、Moの上限を規制し、それによる不動態皮膜の低下をCrの添加で補償したほうが好ましいとの結論を得た。よって、本発明では、Moの含有量は0.30〜1.50mass%の範囲とする。なお、ハロゲンなどを多く含む高温溶液中での耐食性を向上させるためには、Moの含有量は0.8〜1.2mass%とするのが好ましい。
Nb:0.10〜0.50mass%
Nbは、Crに優先して炭窒化物を形成する元素であり、熱延後にCr炭窒化物が形成されるのを防ぎ、靭性の劣化を抑制する働きがある。この効果を得るためには、Nbは、化学当量的な関係から、8×(C+N)mass%以上添加する必要がある。一方、0.50mass%を超え添加すると、逆に熱延板の靭性が劣化し、また溶接部での耐食性を低下させる。よって、Nbは0.10〜0.50mass%の範囲とする。なお、好ましいNbの添加量は0.20〜0.40mass%である。
Ti:0.10mass%以下
Tiは、Nbと同様、Crよりも優先的に炭窒化物を形成し、溶接部などでの耐食性を向上させるので、耐食性の向上には好ましい元素である。しかし、0.1mass%を超える添加は、熱延板のシャルピー吸収エネルギー低下の原因となり、破断しやすくなる。また、TiNのクラスター状介在物による表面傷の発生を招き、研磨性を著しく阻害する。よって、Tiは0.10mass%以下とする。なお、好ましくは、Tiは0.03mass%以下とする。
(Cr+3.3Mo):24〜32mass%
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、基本成分が上記組成範囲を満たしていることの外に、さらに、CrとMoが下記(1)式;
24mass%≦Cr+3.3Mo≦32mass% ・・・(1)
を満たしていることが必要である。上記(1)式の左辺の値は、残留塩素濃度が高い温水器や水槽、シンクなどにおいても、耐食性を確保するために必要な条件を示したものである。一方、上記(1)の右辺の値は、母材の耐食性と溶接時のテンパーカラーの生成によって劣化した溶接部との耐食性の差が大きくなると、腐食が優先的にテンパーカラー部で起こるようになり、隙間腐食を助長するようになるので、これを防止するための条件を示したものである。
なお、本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、上記必須成分に加えてさらに、CuおよびZrを下記の範囲で添加することができる。
Cu:0.2〜1.0mass%
Cuは、Crを20.0mass%以上含有する鋼の母材の耐食性を向上させる効果を有する。この効果は、0.2mass%以上の添加で発現し、特に、ハロゲンを含む低pHの酸溶液中での、地鉄の溶解を少なくする効果が大きい。この理由は、十分に明らかとはなっていないが、ハロゲンを含む低pH溶液中で溶け出したCuが地鉄に再付着して、地鉄の耐溶解性を高めるためと推定している。一方、Cuを1.0mass%超え添加すると、逆に、Cuの溶解が促進されて耐隙間腐食性が低下する。よって、Cuは、0.2〜1.0mass%の範囲で添加するのが好ましい。より好ましいCuの添加量は0.3〜0.7mass%である。
Zr:0.1〜0.6mass%
Zrは、Nbと同様、Crよりも優先して炭窒化物を形成し、溶接部の耐食性を向上させる元素である。この効果は、0.1mass%以上の添加で発現する。一方、0.6mass%を超える過多の添加は、金属間化合物を形成して、熱延板の靭性を劣化させる。よって、本発明では、Zrは0.1〜0.6mass%の範囲で添加するのが好ましい。より好ましくは、Zrは0.15〜0.35mass%の範囲である。
本発明に係るフェライト系ステンレス鋼板における上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。ただし、本発明の効果を害しない範囲であれば、その他の成分の含有を許容することができ、たとえば、Mg:0.0020mass%以下、Ca:0.0020mass%以下を含有してもよい。
次に、本発明のフェライト系ステンレス鋼板において極めて重要な要件である鋼板表層の酸化皮膜について説明する。
本発明の鋼板は、上記成分組成を単に満たすだけでは、本発明が目的とする耐食性と研磨性とを両立させることは不可能であり、特に、優れた研磨性を得ることはできない。上記目的を達成するためには、上記成分組成条件を満たした上で、さらに、鋼板の表層に、特定の酸化皮膜を選択的に残留させる必要がある。
一般に、耐食性を確保する観点からは、焼鈍時に鋼板表面に生成する酸化皮膜は好ましいものではない。しかし、本発明は、この酸化皮膜を敢えて選択的に残留させることによって、地鉄の溶解を最小限に抑制し、研磨性を確保しようとするところに、従来技術にない特徴がある。なお、この酸化皮膜は、加工後、研磨して使用する際の耐食性にも、好ましい効果を発揮する。
発明者らは、Cr:20.0〜28.0mass%、Si:0.2〜1.0mass%、Cu:0.2〜1.0mass%、Ni:0.1〜0.5mass%、Mo:0.3〜1.5mass%を含有する鋼板に、800〜1050℃×10〜600秒の条件で焼鈍を施し、鋼板表面に種々の厚さの酸化皮膜を形成させた。そして、この時に生成した酸化皮膜の状態と地鉄表層部の粒界に生成したSi酸化物の状態と、この鋼板を、ハロゲンを含む酸溶液中に浸漬したときの酸化皮膜の溶解形態と、上記溶解後に残留した酸化皮膜の厚さとが、鋼板の研磨性および耐食性(研磨後の耐食性も含む)に及ぼす影響について詳細に調査した。
その結果、酸溶解処理により、鋼板表面にSi濃度の高くかつ平均厚さが10〜100nmの酸化皮膜を残留させた場合には、非常に良好な研磨性が得られること、しかし、平均厚さが100nmを超えると、酸化皮膜外層のMn,Feを多く含むスピネル酸化物が発錆の起点となり、短時間で発錆してしまうだけでなく、その酸化物を除去するのに要する研磨負荷が増大すること、一方、平均厚さが10mm未満になるまで酸化皮膜を溶解してしまうと、鋼板表層の粒界の一部が深く掘られて、表面が白く曇りを生じて金属光沢が失われ、研磨性が劣化することを知見した。よって、本発明においては、酸溶解処理後、鋼板表層に残存する酸化皮膜の平均厚さを10〜100nmの範囲に限定する。好ましくは、酸化皮膜の厚みは20〜50nmである。
また、発明者らは、酸化皮膜中に含まれるSi,Alのうちのいずれか1以上の濃度が、母材(地鉄)中に含まれるそれらの濃度の3倍以上に濃化している場合には、その酸化皮膜は、優れた耐食性向上効果を発現することを知見した。
なお、上記平均厚さが10〜100nmの酸化皮膜を得るための冷延板を最終焼鈍した後の酸処理は、硝弗酸に浸漬して酸化皮膜の厚さを調整した後、硝酸溶液中で正電解、負電解をそれぞれ1回以上行うのが好ましい。硝弗酸浸漬処理では、溶解性の違いから、外層のMn,Feを多く含むスピネル酸化物のみを除去することが容易であり、さらに、硝酸中で正電解、負電解処理を施すことにより、酸化物中と地鉄とのSi,Al濃度比を上げて、酸化皮膜による耐食性向上効果をより高めることが可能となるからである。なお、硝弗酸浸漬処理の前工程で、通常行われている中性塩電解処理を施してもよいことは勿論である。
次に、本発明に係るフェライト系ステンレス鋼板の製造方法について説明する。
本発明の鋼板の製造方法は、特に制限されるものではく、従来から用いられている公知のステンレス鋼板の製造方法を適用することができる。たとえば、上述した成分組成を有する溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の公知の方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊法で鋼素材(スラブ)とし、この鋼素材を再加熱してから熱間圧延するかあるいは再加熱することなく直接熱間圧延して熱延板とし、次いで、この熱延板に、必要に応じて熱延板焼鈍を施し、酸洗し、冷間圧延して冷延板とするのが好ましい。
その後、この冷延板を、コークス炉ガスと空気を空気比1.0〜1.5で混合し燃焼させたガス雰囲気中で、例えば、1000℃×60秒の焼鈍を行い、鋼板表面に酸化皮膜を形成してから、中性塩電解し、硝弗酸溶液(硝酸:50g/L、弗酸:30g/L、60℃)に浸漬処理するのが好ましい。この浸漬処理の時間は、概ね30秒前後であるが、この浸漬時間は、鋼板表層に残留させる酸化皮膜の平均厚さが10〜100nmの範囲に収まるよう調節する。最後に、硝酸溶液(硝酸100g/L)中に、浸漬し、電解処理して製品とするのが好ましい。なお、上記硝弗酸溶液や硝酸溶液の濃度、浸漬時間および液温等は、単なる例示であり、これに限定されるものではなく、鋼中Cr濃度や形成される酸化皮膜厚さ、目標とする残留酸化皮膜の厚さ等に応じて、適宜変更するのが好ましい。
表1に示した成分組成を有する鋼を50kgの小型真空溶解炉で溶製し、鋼塊とした後、これらの鋼塊を1050〜1250℃に加熱し、仕上温度を750〜950℃とする熱間圧延により板厚4.0mmの熱延板とし、保熱ボックスに保持することにより、巻取温度650〜850℃相当の熱処理を施した。次いで、これらの熱延板に対して、900〜1100℃の熱延板焼鈍を施した後、酸洗し、冷間圧延して板厚1.0mmの冷延板とし、この冷延板に980℃×60秒の焼鈍を施してから、中性塩溶液中(NaSO:200g/L、80℃)で電流(+100C/dm、−100C/dm)の電解処理を行い、次いで、硝弗酸溶液(硝酸:50g/L、弗酸:20g/L、温度55℃)に浸漬した。この時、浸漬時間を変化させることにより、表層の酸化皮膜の厚みを調整した。その後、100g/Lの硝酸を含む45℃の硝酸溶液中で、+30C/dm、−30C/dmの電解処理を各2回施して冷延製品板とした。なお、一部の鋼板については、硝酸溶液中での電解処理は行わなかった。
Figure 2009041041
上記のようにして得た冷延製品板を以下の試験に供した。
<酸化皮膜の特性評価>
上記冷延製品板から試験片を採取し、Auger分光分析装置およびGDS分析装置を用いて、残留酸化皮膜の厚さを測定するとともに、酸化皮膜中および地鉄中のSiおよびAlの濃度を測定し、それぞれの強度比(皮膜濃度/地鉄濃度)を求めた。
<研磨性の評価>
上記冷延製品板から試験片を採取し、♯600番のアルミナ砥粒を用いて、有機樹脂のバフロールにより1分間湿式研磨し、研磨後の板の光沢度を測定し、光沢度が400以上を研磨性良と評価した。なお、光沢度の測定は、光沢度計HG−268(スガ試験機製)を用い、L方向(圧延方向)に平行に入射光の測定角度60°で行った。
<孔食電位の測定>
上記研磨性評価の試験前および試験後の試験片について、JIS G0577「ステンレス鋼の孔食電位測定方法」に準拠して、孔食電位(V’c10)を測定し、耐食性を評価した。なお、研磨前の測定に用いた試験片は、研磨は一切行わず、また、試験液への10分間の浸漬も行うことなく、浸漬後、直ちに電位走査を開始した。なお、孔食電位による耐食性の評価は、研磨前は、300mV以上を耐食性良好、研磨後は、400mV以上を耐食性良好と評価した。
<CCT試験>
上記冷延製品板から幅60mm×長さ80mmの試験片を2枚採取し、そのうちの1枚を上記研磨性評価と同じ条件で研磨し、研磨前と研磨後の試験片を準備した。これらの試験片を、乾湿繰り返し試験(CCT試験)に供して耐食性を評価した。CCT試験に用いた試験片は、アルカリ洗浄液(脱脂液:ホメザリン:花王(株)製)に30秒間浸漬して洗浄したのち試験面のエッジから5mmまでの縁部とエッジそれに試験面の反対面を、ビニールテープでシールしてから耐食性試験に供した。CCT試験は、噴霧(NaCl:5%溶液、温度35℃、0.5時間)→乾燥(温度60℃、1時間)→湿潤(温度40℃、湿度95%、1時間)の2.5時間の行程を1サイクルとしてこれを繰り返して行い、初期錆が発生するまでの発錆時間を測定し、評価した。なお、発錆時間による耐食性の評価は、研磨前は、200時間以上(80サイクル以上)を耐食性良好、研磨後は、400時間以上(160サイクル以上)を耐食性良好と評価した。
以上の結果を総合評価して表2に示した。総合評価では、孔食電位、CCT試験および光沢度の全てが良好あるいはそれ以上の評価になったものを◎、光沢度のみが良好未満であったものを△、CCT試験および光沢度のいずれかが良好未満であったものを×とした。表1および表2の結果から、本発明範囲の成分組成を有するとともに、本発明範囲の酸化皮膜を有する鋼板はいずれも、耐食性と研磨性に優れていることがわかる。
Figure 2009041041
本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、耐食性と研磨性に優れるため、水周り部材用途の外に、例えば、海上輸送コンテナーや建材、建具等の意匠性と耐食性を求められる部位の材料としても好適に用いることができる。さらに、本発明のステンレス鋼板は、不純物元素を低減した上で、安定化元素であるNbを添加し、さらに、Si,Alなどを添加しているので、溶接性に優れるのみならず、溶接部加工性や溶接部耐食性にも優れた特性を有するので、溶接して使用される用途にも用いることができる。

Claims (4)

  1. C:0.020mass%以下、Si:0.30〜1.00mass%、Mn:0.50mass%以下、P:0.040mass%以下、S:0.010mass%以下、Cr:20.0〜28.0mass%、Ni:0.60mass%以下、Al:0.03〜0.15mass%以下、N:0.020mass%以下、O:0.0020〜0.0150mass%、Mo:0.30〜1.5mass%、Nb:0.10〜0.50mass%、Ti:0.10mass%以下を含有し、かつCrとMoが下記式;
    24mass%≦Cr+3.3Mo≦32mass%
    を満たし、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、鋼板表層に平均厚さ10〜100nmの酸化皮膜を有する水周り部材用フェライト系ステンレス鋼板。
  2. 上記成分組成に加えてさらに、Cu:0.2〜1.0mass%およびZr:0.1〜0.6mass%のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
  3. 酸化皮膜中のSiおよびAlのいずれか1つ以上の濃度が、母材濃度の3倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  4. C:0.020mass%以下、Si:0.30〜1.00mass%、Mn:0.50mass%以下、P:0.040mass%以下、S:0.010mass%以下、Cr:20.0〜28.0mass%、Ni:0.60mass%以下、Al:0.03〜0.15mass%以下、N:0.020mass%以下、O:0.0020〜0.0150mass%、Mo:0.30〜1.5mass%、Nb:0.10〜0.50mass%、Ti:0.10mass%以下を含有し、かつCrとMoが下記式;
    24mass%≦Cr+3.3Mo≦32mass%
    を満たし、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼板を焼鈍して表層に酸化皮膜を形成し、次いで、硝弗酸溶液に浸漬して酸化皮膜の平均厚さを10〜100nmに調整し、その後、硝酸溶液中で正電解、負電解を各1回以上行う水周り部材用フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
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