JP2009040038A - インモールド成形用ラベル及び該ラベル付き成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各種の熱可塑性樹脂よりなるブロー成形体に用いるインモールド成形用ラベルであって、該インモールド成形用ラベルが少なくともヒートシール層と基層とを含む積層樹脂フィルムからなり、該ヒートシール層に大気圧近傍の圧力下にてプラズマ処理を施し、ラベル付きブロー成形体を成形後の該インモールド成形用ラベルと該ブロー成形体との接着力が200〜500g/15mmの範囲であるインモールド成形用ラベル。
【選択図】なし
Description
樹脂成形体の耐水性、対薬品性、耐久性といった特徴に併せて、同じく耐水性、対薬品性、耐久性等が必要な用途に供し得るインモールド成形用ラベルの開発が従来から行われている。例えば、ポリオレフィン樹脂からなる延伸または無延伸の透明フィルムや、ポリオレフィン樹脂に無機微細粉末や有機フィラーを配合した延伸または無延伸の白色フィルム(合成紙)等、更にはこれらの片面に、各種のヒートシール層をフィルム製造の過程で共押し出ししたもの(特許文献1)、ヒートシール性樹脂フィルムを貼合またはラミネートしたもの、各種の塗工設備を用いてヒートシール性樹脂を表面にコートしたもの(特許文献2)等が提案され、一部で実用化されている。
最も簡便なインモールド成形用ラベルの製造方法である、基材フィルムの製造過程で共押し出しまたはラミネートによりヒートシール層を設け、これにエンボス加工を施す従来法では、耐水性、対薬品性、耐久性に優れたラベルを供し得る。しかしながら、ヒートシール性樹脂を押出機にて溶融押出して使用するため、樹脂の耐熱性、機器腐食性、溶融時の粘度特性から自ずと使用可能な樹脂が制限され、主として、融点温度が60〜130℃のポリオレフィン系樹脂が用いられている。これらの樹脂からは同じく非極性のポリオレフィンよりなる成形体には高い接着力で密着するラベルが製造できても、ポリエチレンテレフタレートのような極性樹脂には高い接着力で密着するラベルを製造することができなかった。
(1)高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリエチレンテレフタレートの共重合体、よりなる群より選ばれる1以上の熱可塑性樹脂よりなるブロー成形体に用いるインモールド成形用ラベルであって、該インモールド成形用ラベルが少なくともヒートシール層と基層とを含む積層樹脂フィルムからなり、該ヒートシール層が以下の要件を満足することを特徴とするインモールド成形用ラベル、
1)大気圧近傍の圧力下にてプラズマ処理が施され、成形後の該インモールド成形用ラベルと該ブロー成形体との接着力がドライ、耐水密着、対油密着のいずれにおいても200〜500g/15mmの範囲である、
2)表面粗さが、三次元中心面平均粗さ(SRa)として1〜10μmである、
3)融点60〜130℃の熱可塑性樹脂よりなる、、
(2)該プラズマ処理が、固体誘電体に覆われた一対の対向する電極を用い、この電極間に大気圧近傍の圧力下にてガスを満たした上で、この電極に高周波パルス状電圧を加えてガス中にプラズマを発生させ、この電極間にインモールド成形用ラベルを通過させることでヒートシール層の活性化処理を行なうものであることが好ましく、または
(3)該プラズマ処理が、少なくとも一方が固体誘電体に覆われた一対の対向する電極を用い、この電極間に大気圧近傍の圧力下にてガスを満たした上で、この電極に高周波電圧を加えてガス中にプラズマを発生させ、該プラズマガスを電極間より外に位置するインモールド成形用ラベルのヒートシール層へ電極より吹き出させて、ヒートシール層の活性化処理を行なうものであることが好ましい。
(4)該プラズマ処理において使用されるガスは、窒素ガスであることが好ましい。
(5)該ヒートシール層の表面から深さ10nmまでの原子構成比が、該プラズマ処理を施すことによって、ESCAを用いた1S軌道スペクトルのピーク面積より求めた窒素原子数及び炭素原子数の比(N/C)として0.02〜0.07の範囲であることが好ましく、更にインモールド成形時に成形体とラベルの間に空気を閉じこめてフクレを生じることがないよう、
(6)特に熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂よりなることがより好ましい。
(8)無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも1つを含み、且つこれを核として形成された空孔を含むことが好ましい。
(9)該ブロー成形用ラベル付きブロー成形体は、界面活性剤溶液に24時間浸漬した後の該インモールド成形用ラベルと該ブロー成形体との接着力が150〜300g/15mmに維持されていることが好ましく、また本発明は、
(10)上記のインモールド成形用ラベルを、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリエチレンテレフタレートの共重合体よりなる群より選ばれる1以上の熱可塑性樹脂よりなるブロー成形体に貼着してなるラベル付き樹脂成形体を含むものである。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(1)基層
本発明のインモールド成形用ラベルを構成する積層樹脂フィルムにおいて、基層とはラベルの支持体として、ラベルに強度や印刷適性、耐水性、耐薬品性、場合により不透明性等を付与するものである。またラベルの成形に際してはヒートシール層を支持して成形しやすくするものである。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタクティック重合体またはシンジオタクティック重合体を用いることが好ましい。また、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合させた様々な立体規則性を有するプロピレンを主成分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
無機微細粉末としては、安定したフィルム延伸や均一な空孔形成の観点から、平均粒径が通常0.01〜15μm、好ましくは0.01〜8μm、さらに好ましくは0.03〜4μmのものを使用することができる。具体的には、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ等を使用することができる。
延伸の温度は、熱可塑性樹脂が非結晶樹脂の場合は使用するオレフィン系樹脂のガラス転移点以上、結晶性樹脂の場合には、非結晶部分のガラス転移点以上から結晶部の融点以下に設定することができる。具体的には使用する熱可塑性樹脂の融点より2〜60℃低い温度であり、樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)のときは152〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)のときは110〜120℃が好ましい。また、延伸速度は20〜350m/分が好ましい。
本発明のインモールド成形用ラベルを構成する積層樹脂フィルムにおいて、ヒートシール層とは、ラベルとブロー成形体とを接合する接着剤の働きをするものであり、常温では固体状であるが、金型内で樹脂成形体を成形する際に溶融した樹脂の熱で活性化し、樹脂成形体と溶融接合して、冷却後は再度固形状となり強固な接着力を発揮しえるものである。該ヒートシール層は、熱可塑性樹脂よりなり、本発明のインモールド成形用ラベルにおいて、上記基層に積層した積層樹脂フィルムの一部として設けられる。より具体的には、積層樹脂フィルムの製造過程において、基層と共押し出し、または基層に溶融ラミネートすることによりフィルムとしてヒートシール層を設ける。
本発明におけるヒートシール層を構成する熱可塑性樹脂は、DSC測定によりピーク温度として求めた融点が60〜130℃であることが好ましい。60℃未満であると常温でのべた付きによりラベルのスベリ性が悪くなり、ブロッキング等を起こしやすい。その為ラベルを金型へインサートする際に、2枚挿し等のトラブルが多発しやすい。また130℃を超えて大きいとラベルと成形体との接着性が悪くなりやすいため、好ましくない。
ヒートシール層には、ヒートシール層に要求される性能を阻害しない範囲で、他の公知の樹脂用添加剤を任意に添加することができる。そのような添加剤としては、染料、核剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。
本発明で実施する大気圧近傍の圧力下でのプラズマ処理は、以下の2種類の方法が適用できる。一つは対向する電極間に発生させたプラズマに被処理基材を通過させることで処理を行う方法であり、ダイレクト方式、或いはプラナー方式などと呼ばれるものである。本明細書では以後、ダイレクト方式と表記する。
もう一つは電極間で発生したプラズマをガス流や電界配置等により、被処理基材に向かって電極から吹き付けることで処理を行う方法であり、リモート方式、ダウンストリーム方式、或いはプラズマジェット方式などと呼ばれているものである。本明細書では以後、リモート方式と表記する。
ダイレクト方式のプラズマ処理は、固体誘電体に覆われた一対の対向する電極を用い、被処理基材を当該電極間に配置した状態でこの対向電極間に大気圧近傍の圧力のガスを導入し、一方の電極にパルス状電圧を印加して他方を接地することで、ガス中にプラズマ放電を行い、該基材にプラズマを接触させて処理を行なう方法である。
この場合、本発明で用いられる一対の電極はどちらも平面板状のものでも良く、接地側電極がロール形状で印加側電極がロール曲面に沿う曲面板状のものでも良く、接地側電極が平板状で印加側電極が複数の細線状のものでも良い。
なお、ここでいう立ち上がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して増加する時間、立ち下がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して減少する時間を指すものとする。
また、パルス継続時間は1〜1000μsであることが好ましい。該時間が1μs未満であると放電が不安定となり、1000μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。より好ましくは3〜200μsである。ここで、ひとつのパルス継続時間とは、ON、OFFの繰り返しからなるパルス電圧における、ひとつのパルスの連続するON時間を言う。
従前のコロナ処理では、高周波の交流(正弦波、サイン波)電圧を用いてコロナを発生させるが、アーク放電が発生しやすく、被処理基材に均一な処理を施し得る処理強度、すなわち設定電圧、の範囲が狭い。例えば、同コロナ処理において充分な処理効果を得るべく、例えば窒素ガス雰囲気下で被処理基材に窒素原子を導入するべく、電圧を上げても、均一で安定したコロナは生じにくくアーク放電が多く発生して、窒素原子導入効果は低く、また表面欠陥が多くなる。また被処理基材表面に低分子量の酸化物(劣化物)が多く発生して接着性を阻害する要因となることや、被処理基材のマイグレーションにより処理のライフが短いことが問題であった。本プラズマ処理は広範な処理強度で安定したプラズマを発生でき、被処理基材へ均一な活性化処理が可能なものであり、例えば、窒素ガス雰囲気下では高効率に窒素原子を導入することができ、結果としてインモールド成形時に成形体への高い接着力が得られる。
本発明において、窒素ガスを用いてプラズマ処理を施すことによって、多孔質接着層の表面から深さ10nmまでの原子構成比は、ESCAを用いた1S軌道スペクトルのピーク面積より求めた窒素原子数及び炭素原子数の比(N/C)として、0.015〜0.070の範囲であることが好ましい。
電極間の外にあるため、強い電界の影響を受けて被処理基材がダメージを受けることはない。そのため印加エネルギーに応じた高い処理効果が得られる。その装置形状および方法としては、平行に並んでいる板状の電極の平行する2辺が密封されて略筒状となり、密封されていない一端よりガスが導入され、他方の端から被処理基材に向けてプラズマを吹き付ける方法、印加側、接地側の電極がどちらも円筒形状であり、一方が他方の内側に位置し、円筒の端から円筒間にガスが導入され、他方の端から被処理基材に向けてプラズマを吹き付ける方法、または、板状の固体誘電体の中に板状の印加側、接地側の電極が埋め込まれており、この平板に複数の貫通孔が開いており、被処理基材は接地側電極の下方に位置し、印加側よりガスを導入し貫通孔内にてプラズマ化させ、被処理基材に吹き付ける方法などが挙げられるが、これらの中でもより好ましくは、処理面積を大きくできる板状の電極を使用した方式である。
また、本発明においてラベル付き樹脂成形体を界面活性剤溶液に24時間浸漬した後(後述の〔ラベル接着性〕の項における、対洗剤密着の接着力)のラベルと樹脂成形体との接着力が150〜300g/15mmであることが好ましく、170〜290g/15mmであることがより好ましい。接着力が150gf/15mmよりも低いと、成形体が例えば容器でありボディーソープやシャンプー等の界面活性剤を内容物として使用する際、長期の使用に耐えられずラベルが剥がれることがある。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<積層樹脂フィルムの製造>
プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPPMA−8」、融点164℃、日本ポリプロ(株)製)67重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHDHJ580」、融点134℃、日本ポリエチレン(株)製)10重量%、および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末23重量%よりなる樹脂組成物(C)を、押出機を用いて250℃で溶融混練したのち、ダイよりフィルム状に押し出し、約50℃の温度となるまでフィルムを冷却した。このフィルムを約150℃に再度加熱したのち、ロール群の周速度を利用して縦方向に4倍延伸して、コア層となる一軸延伸フィルムを得た。
上記積層樹脂フィルムに、下記条件の大気圧近傍の圧力下でのダイレクト方式プラズマ処理を施した。
一対の電極はそれぞれ板状で、各々長さ100mm、幅150mm、厚さ20mmとなるようステンレス鋼にて製作し、固体誘電体であるセラミックスで被覆した。この電極内部には冷却用の媒体を流すことのできる空洞が設けられており、放電処理中は冷却媒体を循環圧送して一定温度を保つことが出来るようにした。これらの一対の電極は20mmの距離を保持するように固定した。これらの電極間に被処理基材(積層樹脂フィルム)のヒートシール層側が印加側電極に向くように通し、印加側電極と基材間との距離は10mmとなるように調整した。更に電極間に窒素ガスを10.133×104Pa、100l/minにて導入し、基材ロールを30m/minの速度で巻き取ながら、印加側電極に周波数50kHz、パルス継続時間100μsのパルス電圧を印加して被処理基材のヒートシール層にプラズマ放電処理を施した。パルス化前の直流電源の電力量を被処理基材の面積で除した値を処理強度とすると、同プラズマ処理の強度は12kJ/m2であった。
このようにして得られたプラズマ処理基材の表面層側の表面に、高速凸版ラベル印刷機((株)志機製)およびUVオフセットインキ(商品名「ベストキュアー」、(株)T&K TOKA社製)を使用し、26.4m/minの速度で、商品名、製造元、販売会社名、キャラクター、バーコード、使用方法等をUVシール4色印刷した。更に離型剤を添加したUVグロスOPニスをコートし、紫外線照射して乾燥させた。
<打抜き加工>
このようにして得られた印刷品を一旦、ロール状からシート状に断裁後、長さ11cm、幅9cmのラベル形状に打抜き、インモールド成形用ラベルを得た。
このインモールド成形用ラベルをブロー成形用割型の一方に真空を利用して表面層側が金型と接するように固定した後、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHDHB330」、融点133℃、日本ポリエチレン(株)製)を220℃で溶融押出しパリソンとし、割型間に導入後に割型を型締めし、0.4MPaの圧空をパリソン内に供給し、パリソンを膨脹させて容器状に賦形すると共にインモールド成形用ラベルと熱融着させた。該金型は10℃に冷却しており、約10秒後、型開きをして内容量1,000mlのラベルを貼着した樹脂製容器(本発明のラベル付きインモールド成形体)を得た。樹脂製容器に貼着したラベルの印刷に退色はなく、ラベルの収縮やブリスターの発生も見られなかった。
また、このインモールド成形用ラベルをブロー成形用割型の一方に真空を利用して表面層側が金型と接するように固定した後、ポリエチレンテレフタレート(商品名「ユニペットRD383」、融点235℃、日本ユニペット(株)製)を260℃で溶融押出しパリソンとし、割型間に導入後に割型を型締めし、0.5MPaの圧空をパリソン内に供給し、パリソンを膨脹させて容器状に賦形すると共にインモールド成形用ラベルと熱融着させた。該型は15℃に冷却しており、約10秒後、型開きをして内容量1,000mlのラベルを貼着した樹脂製容器(本発明のラベル付きインモールド成形体)を得た。樹脂製容器に貼着したラベルの印刷に退色はなく、ラベルの収縮やブリスターの発生も見られなかった。
実施例1において、プラズマ処理の処理強度が半分の6kJ/m2となるよう、処理速度を実施例1の2倍の60m/minにしたこと以外は、実施例1と同じく製造してインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
(実施例3)
実施例1において、プラズマ処理の処理強度が4分の1の3kJ/m2となるよう、処理速度を実施例1の4倍の120m/minにしたこと以外は、実施例1と同じく製造してインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
(実施例4)
実施例1において、プラズマ処理の窒素ガスの替わりに空気を導入すること以外は実施例1と同じく製造してインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
実施例1において、プラズマ処理をダイレクト方式からリモート方式に変えるべく、実施例1と同様な電極を用い、電極間距離を1mmに固定し、電極の平方する2辺を密封して筒状にし、被処理基材である積層樹脂フィルムのロールを一対の電極の外に配置し、これらの電極側に被処理基材(積層樹脂フィルム)のヒートシール層側が向くように配置し、電極と被処理基材との距離を3mmに調整した。更に電極間に窒素ガスを10.133×104Pa、300l/minの流量にてロールの接着層側に吹き付けるように導入した。ロールを5m/minの速度で巻き取りながら、高周波変換前の直流電源の電力量が1kwとなるよう電極に高周波電圧を印加し、処理強度80kJ/m2のプラズマ処理を施したこと以外は実施例1と同じく製造してインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
実施例1において、ヒートシール層のエンボス面の三次元中心面平均粗さ(SRa)が9μmとなるように、エンボスロール(1インチあたり150線、深さ130μm、逆グラビア型)を変更し、エンボス加工を施したこと以外は実施例1と同じく製造してインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
実施例1において、ヒートシール層にプラズマ処理を施していない以外は実施例1と同じく製造してインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
(比較例2)
実施例1において、ヒートシール層(B)を設けない以外は実施例1と同じく製造してインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
実施例1において、プラズマ処理の替わりに、コロナ放電処理を用いた。同装置の放電電極の周りを囲い、囲いの中に窒素ガスを10.133×104Pa、80l/minの流量にて導入し、ロールを20m/minの速度で巻き取りながら、高周波へ変換前の直流電源の電力量を被処理基材の面積で除した処理強度が3kJ/m2となるように電極に高周波電圧を印加することで、積層樹脂フィルムのヒートシール層へコロナ放電処理を施したこと以外は実施例1と同じく製造してインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
実施例1において、エンボスロールによるエンボス加工を施さないこと以外は実施例1と同じく製造して、ヒートシール層のエンボス面の三次元中心面平均粗さ(SRa)が0.5μmのインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
(比較例5)
実施例1において、ヒートシール層のエンボス面の三次元中心面平均粗さ(SRa)が12μmとなるように、エンボスロール(1インチあたり150線、深さ170μm、逆グラビア型)を変更し、エンボス加工を施したこと以外は実施例1と同じく製造してインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
実施例1において、ヒートシール層に用いる熱可塑性樹脂として、直鎖線状ポリエチレン(樹脂a)(商品名「ノバテックLLUJ580」、融点123℃、日本ポリエチレン(株)製)80重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(樹脂c)(融点44℃)20重量%よりなる樹脂組成物を使用したこと以外は実施例1と同じく製造してインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
実施例1において、ヒートシール層に用いる熱可塑性樹脂として、高密度ポリエチレン(樹脂d)(商品名「ノバテックHDHJ360」、融点132℃、日本ポリエチレン(株)製)80重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(樹脂b)(融点63℃)20重量%よりなる樹脂組成物を使用したこと以外は実施例1と同じく製造してインモールド成形用ラベルおよびラベル付きインモールド成形体を得た。
上記実施例1〜6および比較例1〜7で製造したインモールド成形用ラベルとラベル付きインモールド成形体について、以下の物性の測定と評価を行った。
〔ヒートシール層の三次元中心面平均粗さ(SRa)〕
JIS−B−0601:2001に基づき、インモールド成形用ラベルのヒートシール層の表面の三次元中心面平均粗さ(SRa)を、三次元粗さ測定機(商品名「SE−3AK」、小坂研究所製)および解析装置(商品名「ModelSPA−11」、小坂研究所製)を用いて測定した。結果を表1に示す。
ESCAスペクトロメーター(商品名「ESCA3200型」、島津製作所製)を用いて、入射X線:Mg−Kα線(1250eV)、X線出力:8kv×30mA(出力240W)、測定環境は真空度:約10E−5Paの条件下で、インモールド成形用ラベルのヒートシール層の表面から深さ10nmまでの表層部の炭素の1S軌道スペクトルから求めたピーク面積、同様に求めた窒素の1S軌道スペクトルから求めたピーク面積を測定した。また、この各元素の検出強度から、窒素原子数と炭素原子数の比(N/C)を求めた。結果を表1に示す。
上記印刷を施した後、ヒートシール層の粗さの基層側(表面層側)表面への影響による印刷のムラを目視にて観察して以下の評価を行った。結果を表1に示す。
○:注意深く観察しても全く問題がない。
△:注意深く観察するとムラがわかる。
×:通常の目視でもムラがわかる。
上記貼着−1、貼着−2のそれぞれのプロセスにおいて、各100ショットの中空成形におけるラベルの金型への装着状況を以下に示す基準で評価判定した。結果を表1に示す。
○:全て指定された位置に問題なく装着した。
×:装着時にラベルの落下、ラベルの2枚挿し、ラベル指定位置のズレ等の問題がみられた。
上記貼着−1、貼着−2のそれぞれのプロセスにおいて、得られた容器各20個の貼着されたラベルのブリスター発生状況を以下に示す基準で判定した。
○:全ての容器のブリスター発生がラベル面積の20%未満。
×:1つでもブリスター発生がラベル面積の20%以上の容器がある。
ラベルが貼着された容器のラベル部分を15mm幅に4点切り取り、そのまま又は下記の条件で浸漬処理した後、貼着したラベル端部の一部を剥がし、引張試験機(商品名「オートグラフAGS−D形」、島津製作所製)を用いて、ラベル部と容器部を200mm/分の引張速度で引き剥がした際の剥離強度(g)を測定し、その平均値を求めて以下に示す基準で判定した。
◎:200g以上
○:150〜200g未満
△:100〜150g未満
×:100g未満
ドライ :漬け込み無し
耐水密着 :水(蒸留水)
耐油密着 :食用油(商品名「日清べに花油」、日清オイリオグループ(株)製)
耐洗剤密着:食器用洗剤(商品名「チャーミーグリーン」、ライオン(株)製)
Claims (10)
- 高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリエチレンテレフタレートの共重合体、よりなる群より選ばれる1以上の熱可塑性樹脂よりなるブロー成形体に用いるインモールド成形用ラベルであって、該インモールド成形用ラベルが少なくともヒートシール層と基層とを含む積層樹脂フィルムからなり、該ヒートシール層が以下の要件を満足することを特徴とするインモールド成形用ラベル。
(1)大気圧近傍の圧力下にてプラズマ処理が施され、成形後の該インモールド成形用ラベルと該ブロー成形体との接着力がドライ、耐水密着、対油密着のいずれにおいても200〜500g/15mmの範囲である、
(2)表面粗さが、三次元中心面平均粗さ(SRa)として1〜10μmである、
(3)融点60〜130℃の熱可塑性樹脂よりなる。 - 該プラズマ処理が、固体誘電体に覆われた一対の対向する電極を用い、この電極間に大気圧近傍の圧力下にてガスを満たした上で、この電極に高周波パルス状電圧を加えてガス中にプラズマを発生させ、この電極間にインモールド成形用ラベルを通過させることでヒートシール層の活性化処理を行なうものであることを特徴とする請求項1に記載のインモールド成形用ラベル。
- 該プラズマ処理が、少なくとも一方が固体誘電体に覆われた一対の対向する電極を用い、この電極間に大気圧近傍の圧力下にてガスを満たした上で、この電極に高周波電圧を加えてガス中にプラズマを発生させ、該プラズマガスを電極間より外に位置するインモールド成形用ラベルのヒートシール層へ電極より吹き出させて、ヒートシール層の活性化処理を行なうものであることを特徴とする請求項1に記載のインモールド成形用ラベル。
- 該プラズマ処理において使用されるガスが、窒素ガスであることを特徴とする請求項2又は3のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
- 該ヒートシール層の表面から深さ10nmまでの原子構成比が、該プラズマ処理を施すことによって、ESCAを用いた1S軌道スペクトルのピーク面積より求めた窒素原子数及び炭素原子数の比(N/C)として0.02〜0.07の範囲であることを特徴とした請求項4に記載のインモールド成形用ラベル。
- 該熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
- 該基層が、ポリオレフィン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
- 該基層が、無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも1つを含み、且つこれを核として形成された空孔を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
- 該インモールド成形用ラベル付きブロー成形体を界面活性剤溶液に24時間浸漬した後の該インモールド成形用ラベルと該ブロー成形体との接着力が、150〜300g/15mmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベルを、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリエチレンテレフタレートの共重合体、よりなる群より選ばれる1以上の熱可塑性樹脂よりなるブロー成形体に貼着してなるラベル付きブロー成形体。
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