JP2009039934A - 中空セラミックス部品の成形方法および中空セラミックス部品の成形用ピン - Google Patents

中空セラミックス部品の成形方法および中空セラミックス部品の成形用ピン Download PDF

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Abstract

【課題】成形時における粒度分布、分散状態のばらつきや偏肉を抑制し、歩留、信頼性の高い中空セラミックス部品を提供する。
【解決手段】セラミックス粉体と熱可塑性樹脂との混練物を調製し、樹脂部2と、樹脂部2を貫通するように配置された棒状のピン1とを備える中子3を、型4内に挿入、固定し、型4と中子3間に、混練物を射出して成形体5を形成し、型4より、ピン1を抜いて成形する中空セラミックス部品の成形方法であって、ピン1は、基材と、基材表面に形成され、窒化チタン、窒化クロム、炭窒化チタンのうち少なくとも1種からなるコーティング層を備える、あるいはピン1のヤング率が530〜560GPaである。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば放電灯の発光管などに用いられる中空セラミックス部品の成形方法と、中空セラミックス部品を成形する際に用いられる成形用ピンに関する。
一般に、ナトリウムランプ、メタルハライドランプなどの放電灯用発光管の素材として、セラミックスが好適に用いられている。セラミックスを用いることにより、耐熱性が得られるとともに、石英発光管に比べ点灯中に封入物との反応が抑えられることから、光色変化の抑制、長寿命化を実現することができる。このようなセラミックスを用いた発光管は、両端部が中央部に比べて細いチューブ状の中空形状を有している。
このようなセラミック発光管などの中空セラミックス部品は、例えば、樹脂部と樹脂部を貫通するように配置された芯棒(以下、ピンという)とが一体化した中子を、成形用型(以下、単に「型」という)の内部に設置して、型と中子間にスラリーを注入して、スラリーを硬化させた後、スラリー硬化体と中子の一体物を前記型から取り出し、ピンを引き抜き、残った樹脂部を除去することにより成形される(例えば特許文献1、2参照)。
また、射出成形により形成することも可能であり、この場合、例えば、型内に水溶性樹脂部とピンとを備える中子を配置し、型と中子間にセラミック粉体と熱可塑性樹脂との混練物を射出することにより成形品を得て、成形品を中子とともに取り出す。そして、ピンを引き抜き、ピンを引き抜いた後に残された貫通孔に水を通すことにより、水溶性樹脂部を除去し、成形品を脱脂、焼成することにより形成される(例えば特許文献3参照)。
特開2002−334653号公報([請求項1]など) 特開2003−187698号公報([請求項1]など) 特開平7−47518号公報([請求項1]、[0022]など)
しかしながら、上述のようにスラリーを用いた成形方法によると、硬化あるいは脱水に時間がかかるため、セラミックス粉体の粒度分布に起因する沈降が生じやすく、得られる成形体において、均一な粒度分布を得ることが困難となる。特に、異なる2種以上のセラミックス粉体(以下、混合粉体という)を用いる場合、その比重や分散状態の差により、さらに均一な成形体を得ることが困難となる。
これに対して、射出成形を用いると、成形時間が短縮される、或いは混練物の粘度が高いといったことから混合粉体を用いた場合でも成形時のセラミックス粉体の粒度分布や比重、分散状態に起因する沈降を抑えることができる。しかしながら、混練物が型に流入する際、また、混練物を加圧して成形する際に、中子に用いられるピンに応力が発生する。その際、ピンに撓みが生じ、ピンの両端と中央部との同軸度が、例えば50μm以上と悪化する。そのため、ピンを引き抜く際に成形体に応力がかかり、破損により歩留が低下したり、成形体が偏肉し、これを脱脂、焼成することにより得られる中空セラミックス部品が偏肉するという問題が生じる。また、内圧が付与されるような発光管(高圧放電灯等)として用いる場合、破裂しやすくなり、信頼性が低下するという問題が生じる。
そこで、本発明は、成形時における粒度分布、分散状態のばらつきや偏肉を抑制し、歩留、信頼性の高い中空セラミックス部品を形成することが可能な中空セラミックス部品の成形方法および中空セラミックス部品の成形用ピンを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、セラミックス粉体と熱可塑性樹脂との混練物を調製し、樹脂部と、前記樹脂部を貫通するように配置された棒状のピンとを備える中子を、型内に挿入、固定し、前記型と前記中子間に、前記混練物を射出して成形体を形成し、前記型より、前記ピンを抜いて成形する中空セラミックス部品の成形方法であって、前記ピンは、基材と、前記基材表面に形成され、窒化チタン、窒化クロム、炭窒化チタンのうち少なくとも1種からなるコーティング層を備えることを特徴とする中空セラミックス部品の成形方法を提供するものである。
このような構成により、成形時における粒度分布のばらつきや偏肉を抑制し、ピンの引き抜き時の応力を抑え、歩留、信頼性を向上させることが可能となる。
前記基材は、超硬合金又は炭化珪素焼結体であることが好ましい。このような基材を用いることにより、ピンの撓みを抑えることが可能となる。
そして、本発明は、セラミックス粉体と熱可塑性樹脂との混練物を調製し、樹脂部と、前記樹脂部を貫通するように配置された棒状のピンとを備える中子を、型内に挿入、固定し、前記型と前記中子間に、前記混練物を射出して成形体を形成し、前記型より、前記ピンを抜いて成形する中空セラミックス部品の成形方法であって、前記ピンのヤング率が520〜560GPaであることを特徴とする中空セラミックス部品の成形方法を提供するものである。
このような構成により、成形時における粒度分布のばらつきや偏肉を抑制し、ピンの両端と中央部の同軸度を例えば50μm未満と良好に保つことにより、ピンの引き抜き時に生じる応力を緩和し、歩留、信頼性を向上させることが可能となる。
本発明の中空セラミックス部品の成形方法において、セラミックス粉体は、少なくとも異なる2種以上のセラミックス粉体であることが好ましい。このような構成により、成形体を構成するセラミックス材料の自由度を向上させ、用途に応じた特性を有する中空セラミックス部品の形成が可能となる。
また、本発明の中空セラミックス部品の成形方法において、前記樹脂部は、可溶性材料で構成されていることが好ましい。このような構成により、ピンを除去した後、成形体の内部に溶剤を注入することにより、容易に中子を溶解除去することが可能となる。
また、本発明は、樹脂部を貫通するように配置され、中空セラミックス部品の成形用に用いられる棒状のピンであって、前記ピンは、基材と、前記基材表面に形成され、窒化チタン、窒化クロム、炭窒化チタンのうち少なくとも1種からなるコーティング層を備えることを特徴とする中空セラミックス部品の成形用ピンを提供するものである。
このような構成により、中空セラミックス部品の成形に用いた際に、粒度分布のばらつきや偏肉を抑制し、ピンの引き抜き時の応力を抑え、歩留、信頼性を向上させることが可能となる。
また、本発明は、樹脂部を貫通するように配置され、中空セラミックス部品の成形用に用いられる棒状のピンであって、前記ピンは、ヤング率が520〜560GPaであることを特徴とする中空セラミックス部品の成形用ピンを提供するものである。
このような構成により、中空セラミックス部品の成形に用いた際に、粒度分布のばらつきや偏肉を抑制し、ピンの両端と中央部の同軸度を例えば50μm未満と良好に保つことにより、ピンの引き抜き時に生じる応力を緩和し、歩留、信頼性を向上させることが可能となる。
本発明の中空セラミックス部品の成形方法によれば、成形時における粒度分布、分散状態のばらつきや偏肉を抑制し、歩留、信頼性の高い中空セラミックス部品を形成することが可能となる。
そして、本発明の中空セラミックス部品の成形用ピンを用いて中空セラミックス部品を成形する際、粒度分布のばらつきや偏肉を抑制し、歩留、信頼性の高い中空セラミックス部品を形成することが可能となる。
本発明の中空セラミックス部品の成形方法は、セラミックス粉体と熱可塑性樹脂との混練物を調製し、樹脂部と、樹脂部を貫通するように配置された棒状のピンとを備える中子を、型内に挿入、固定し、型と中子間、すなわち、型と中子との隙間に混練物を射出して成形体を形成し、型より、ピンを抜いて成形する中空セラミックス部品の成形方法であって、ピンは、基材と、基材表面に形成され、窒化チタン、窒化クロム、炭窒化チタンのうち少なくとも1種からなるコーティング層を備えることを特徴とする。
また、本発明の中空セラミックス部品の成形方法は、セラミックス粉体と熱可塑性樹脂との混練物を調製し、樹脂部と、樹脂部を貫通するように配置された棒状のピンとを備える中子を、型内に挿入、固定し、型と中子間、すなわち、型と中子との隙間に混練物を射出して成形体を形成し、型より、ピンを抜いて成形する中空セラミックス部品の成形方法であって、ピンのヤング率が520〜560GPaであることを特徴とする。
ここで、セラミックス粉体としては、例えば、アルミナ、酸化イットリウム、ジルコニアなど酸化物系、炭化ケイ素などの炭化物系、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの窒化物系などが用いられる。そして、これらをそれぞれ単体、あるいは2種以上混合して用いられる。また、例えばアルミナ粉末に対して粒成長抑制剤として硝酸マグネシウムを添加するように、粉体調製時に助剤などが添加されていてもよい。
また、熱可塑性樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリオキシメチレン、エラストマーなどが用いられる。そして、これらをそれぞれ単体、あるいは2種以上混合して用いられる。
このようなセラミックス粉体と、熱可塑性樹脂を混練することにより、混練物を形成する。このとき、混練物中の熱可塑性樹脂の量は、55vol%以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂の量が55vol%を超えると、焼成により、樹脂由来の気孔を多く含みやすくなり、信頼性の高い焼結体を形成することが困難となる。
また、混練物中の熱可塑性樹脂の量は、30vol%以上、55vol%以下であることがより好ましい。30vol%未満であると、射出時に加熱により十分な可塑性が得られず、型内に混練物を射出することが困難であるという問題がある。
本発明の実施形態に係る成形に用いられる中子は、中空セラミックス成形体の内面形状を形作るもので、その外面形状は、中空セラミックス成形体を脱脂、焼成して得られる中空セラミックス部品の内面形状と相似する形状を有している。
すなわち、中子は、図1に示すように、樹脂部2と、樹脂部2を貫通するように配置された棒状のピン1とを備えている。詳しくは、棒状のピン1は、樹脂部2の中心を貫通するように配置されている。
ここで用いられるピン1は、基材と、基材の表面に形成され、窒化チタン、窒化クロム、炭窒化チタンのうち少なくとも1種からなるコーティング層を備えている。
基材としては、炭化タングステンを主体とする超硬合金や、炭化珪素焼結体を用いることができる。このような基材を用いることにより、ピンの撓みを抑えることが可能となる。
コーティング層としては、硬質材料である窒化チタン、窒化クロム、炭窒化チタンが用いられる。このような硬質材料でコーティングを施すことにより、ピン表面の気孔や凹凸を埋め、ピンの引き抜きに要する摩擦力を低減させ、引き抜き時の成形体の破損を抑制することが可能となる。コーティング層の膜厚は、特に規定されるものではなく、ピン表面の気孔や凹凸を埋め、混練物が直接ピンの基材に触れない程度であればよく、例えばピン径が1mm程度のとき、膜厚1〜3μm程度のものを用いることができる。
また、本発明の他の実施形態に係る成形に用いられる中子は、図1に示すように、樹脂部2と、樹脂部2を貫通するように配置された棒状のピン1とを備えており、ピン1は、そのヤング率が520〜560GPaで構成されている。ヤング率が520〜560GPaで構成されている材料としては、炭化タングステン
等の超硬合金が用いられる。
ヤング率が520GPa未満であると、成形時の応力によりピン1の同軸度の悪化を生じてしまう。また、ヤング率が560GPaを超えるような材料は入手が困難であり、入手できたとしても、硬度が高くなるため、棒状のピンの作製が難しくなり、作製コストが増大するため好ましくない。
このようにピン1のヤング率を520〜560GPaの範囲とすることで、ピン1の両端と中央部の同軸度を例えば50μm未満と良好に保つことが可能となり、ピン1の引き抜き時に生じる応力を緩和し、偏肉を抑制し、歩留、信頼性を向上させることが可能となる。
樹脂部2は、ポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂が好適に用いられ、その他、有機溶媒などにより可溶性の樹脂、熱可溶性樹脂、ワックスなどの可溶性材料を用いることができる。そして、このような材料を、ピン1の両端部を除く表面に、射出成形などにより所定の形状となるように成形することにより、中子3が形成される。
このように、基材と、前記基材表面に形成され、窒化チタン、窒化クロム、炭窒化チタンのうち少なくとも1種からなるコーティング層を備えるピン、又は、ヤング率が520〜560GPaであるピンが、樹脂部2の中心を貫通するように配置された中子3を用いて、中空セラミックス部品を成形する。
中空セラミックス部品の成形は、図2に示すように、最初に、中子3を型4に挿入、固定する。この型4は、中空セラミックス成形体の外面形状を形作るものであり、型4の内面形状は、中空セラミックス成形体を脱脂、焼成して得られる中空セラミックス部品の外面形状と相似する形状を有している。
そして、型4と中子3との間の隙間に、混練物を射出することにより、成形体5が形成される。このとき、混練物は、含有される熱可塑性樹脂の融点、あるいはガラス転移点より高い温度に加熱され、かつ高速・高圧をかけて前記隙間内に射出される。
次いで、図3に示すように型4よりピン1を抜いた後、図4に示すように成形体5及び樹脂部2の一体物を型4から取り出す。その後、ピン1を抜いたことにより形成された開口部から溶剤を注入することで、樹脂部2を除去する(図5)。なお、樹脂部2に水溶性樹脂を用いた場合、前記開口部から水を注入することにより、溶解除去することができる。
このようにして中空セラミックス成形体5が形成される。そして、得られた成形体5を乾燥機中で乾燥させ、例えば大気中、最高900℃で脱脂仮焼し、水素雰囲気中、最高1800℃で焼成することにより、中空セラミックス部品が形成される。
なお、前述した成形方法は、型4と中子3との間の隙間に、混練物を射出することにより、成形体5を形成し、次いで、図3に示すように、型4から成形体5を取り出す前に、ピン1を抜いているが、本願発明はこれに限定されるものではなく、成形体5と中子3の一体物を前記型4から取り出した後に、前記一体物からピン1を抜いてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1〜6、比較例1〜3のサンプルの作成)
以下のようにして、中空セラミックス成形体のサンプルを作成した。
先ず、純度99.99%、平均粒径0.3μmの高純度アルミナ粉末に、助剤として、硝酸マグネシウム水溶液を添加、混合し、これを乾燥させることにより、マグネシウムが対アルミナ濃度で1000ppm含有されるアルミナ粉体を調製した。そして、この粉体に熱可塑性樹脂(ポリスチレン)を含有量が55vol%となるように添加して加熱混練し、混練物を形成した。
次いで、直径1mm、長さ150mmの棒状のサンプルピンに、図1に示すように、ピン1の端部を除く中央部表面を被覆するように、樹脂部2として水溶性ポリビニルアルコール樹脂を射出成形して中子3を形成した。このときピン1は、表1に示すように、基材として、超硬合金(炭化タングステン:実施例1〜3)、炭化珪素焼結体(実施例4〜6)を用い、各々の基材表面のコーティング層として、膜厚3μmの窒化チタン、膜厚1μmの窒化クロム、膜厚3μmの炭窒化チタンをそれぞれ用いた(実施例1〜6)。
また、比較例1〜3として、コーティングを施さない超硬合金(炭化タングステン)、炭化珪素焼結体、SUS304を用いた。
一方、中空セラミックス部品の外面形状に相似する内面形状を有する型4を作製した。そして、図2に示すように、この型4に、それぞれのサンプルピン1を用いて形成された中子3を挿入、固定した。そして、型4と中子3との間の隙間に、先に調製した混練物を180℃程度まで加熱し、高速・高圧をかけて射出することにより、成形体5を形成した。
次いで、図3に示すように、型4よりピン1を抜いた後、図4に示すように、成形体5及び樹脂部2の一体物を型4から取り出した。その後、ピンを抜いたことにより成形体5に形成された開口部より水を注入し、樹脂部2を溶解除去して、図5に示すような中空セラミックス成形体5を形成し、これを乾燥機中で乾燥させて評価サンプルとした。
(実施例7、8、比較例4〜7のサンプルの作成)
先ず、実施例1と同様に、混練物を形成した。
次いで、実施例1と同様に、直径1mm、長さ150mmの棒状のサンプルピンに、図1に示すように、ピン1の端部を除く中央部表面を被覆するように、樹脂部2として水性ポリビニルアルコール樹脂を射出成形して中子3を形成した。このときピン1は、表2に示すように、実施例7、8として、ヤング率が520GPa、560GPaの異なる超硬合金(炭化タングステン)を用いたもの、比較例4〜7として、ヤング率が520GPa未満の炭化珪素焼結体、アルミナ焼結体、SKH51、SUS304を用いた。
一方、実施例1と同様な型4に、それぞれのサンプルピン1を用いて形成された中子3を挿入、固定した。そして、実施例1と同様に、型4と中子3との間の隙間に、先に調製した混練物を180℃程度まで加熱し、高速・高圧をかけて射出することにより、成形体5を形成した。
次いで、実施例1と同様に、図3に示すように、型4よりピン1を抜いた後、図4に示すように、成形体5及び樹脂部2の一体物を型4から取り出した。その後、ピン1を抜いたことにより成形体5に形成された開口部より水を注入し、樹脂部2を溶解除去して、図5に示すような中空セラミックス成形体5を形成した。
このようにして形成された中空セラミックス成形体5を、乾燥機中で乾燥させて、大気中、最高900℃で脱脂仮焼し、水素雰囲気中、最高1800℃で焼成を行うことにより、アルミナ焼結体からなる中空セラミックス部品を形成し、評価サンプルとした。
(実施例9、10、比較例8〜11のサンプルの作成)
先ず、純度99.99%、平均粒径0.3μmの高純度アルミナ粉末と、純度99.99%、平均粒径1μmの高純度酸化イットリウム粉末を、モル比5:3となるように秤量し、助剤として、正珪酸エチルを原料粉末に対して0.6wt%、分散媒としてエタノールを添加し、ジルコニアボールを用いてボールミル混合を行った。得られたスラリーをスプレードライヤにより乾燥させ、顆粒状のセラミックス粉体を調製した。そして、実施例1と同様に、この粉体に熱可塑性樹脂を含有量が55vol%となるように添加して加熱混練し、混練物を形成した。
次いで、実施例1と同様に、直径1mm、長さ150mmの棒状のサンプルピンに、図1に示すように、ピン1の端部を除く中央部表面を被覆するように、樹脂部2として水性ポリビニルアルコール樹脂を射出成形して中子3を形成した。このときピン1は、表3に示すように、実施例9、10として、ヤング率520GPa、560GPaの異なる超硬合金(炭化タングステン)を用いたもの、比較例8〜11として、ヤング率が520GPa未満の炭化珪素焼結体、アルミナ焼結体、SKH51、SUS304を用いたものを用意した。
次いで、実施例1と同様な型4に、それぞれのサンプルピン1を用いて形成された中子3を挿入、固定した。そして、実施例1と同様に、型4と中子3との間の隙間に、先に調製した混練物を180℃程度まで加熱し、高速・高圧をかけて射出することにより、成形体5を形成した。
次いで、実施例1と同様に、図3に示すように、型4よりピン1を抜いた後、図4に示すように、成形体5及び樹脂部2の一体物を型4から取り出した。その後、ピン1を抜いたことにより成形体5に形成された開口部より水を注入し、樹脂部2を溶解除去して、図5に示すような中空セラミックス成形体5を形成した。
このようにして形成された中空セラミックス成形体を、乾燥機中で乾燥させ、大気中、最高900℃で脱脂仮焼し、真空雰囲気中、最高1750℃で焼成を行うことにより、イットリウムアルミニウムガーネット焼結体からなる中空セラミックス部品を形成し、評価サンプルとした。
(実施例1〜6、比較例1〜3のサンプルの評価)
形成された中空セラミックス成形体を乾燥機中で乾燥させたサンプルについて、X線CT(Computed Tomography)を用いて、非破壊断面観察を行い、内部のクラックを観察した。ピン引き抜き時に成形体が破壊されたもの、巨視的なクラックが確認されたもの、およびX線CTにより内部のクラックが認められたものを不良とし、100個のサンプルについて歩留を求めた。
表1に歩留を示す。表1に示すように、超硬合金(炭化タングステン)、、炭化珪素焼結体で構成された基材にコーティングが施された実施例1〜6については、95%以上の高い成形歩留が得られた。これは、超硬合金、炭化珪素焼結体等の基材を用いることで、撓みをある程度抑制した上で、コーティングを施すことにより、摩擦を抑えることができたためであると考えられる。一方、基材にコーティングを施していない比較例1〜3については歩留が70%以下となり、ピン引き抜き時の破壊、クラック等の発生により十分な歩留を得ることができなかった。
(実施例7〜10、比較例4〜11のサンプルの評価)
形成された中空セラミックス部品のサンプルについて、X線CTを用いて非破壊断面観察を行い、両端と中央部との同軸度について評価を行った。
表2、3に、それぞれ作成されたサンプルにおける同軸度を示す。表2、3に示すように、実施例7〜10のように、ヤング率が520〜560GPaの範囲のとき、同軸度が40μm以下と、良好な同軸度が得られることがわかる。そして、非破壊断面観察において、クラックなどの発生は認められなかった。これは520GPa以上の高いヤング率のピンを用いることにより、撓み、すなわち、ピンの両端と中央部の同軸度を抑えることができたためであると考えられる。一方、ヤング率が低い比較例4〜11においては、同軸度が50μmを超えており、撓み、偏肉等が生じていることがわかる。そして、非破壊断面観察において、クラックなどの発生が認められた。
なお、実施例7〜10、比較例4〜11において、ヤング率が420GPa〜520GPaの範囲の材料の試験は行っていない。この範囲の材料として、サファイア(およそ470GPa)が挙げられるが、サファイア自体、非常に高価な材料であるため、ピンの材料として用いるのは好ましくないため、除外した。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。その他要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、これら実施形態において、射出形成により中空セラミックス部品を形成しているが、必ずしも射出形成には限定されるものではなく、成形時に応力が印加される例えば加圧鋳込成形などにおいて好適に用いることができる。その他、ピンを有する中子を用いて形成されるセラミックス部材の成形方法に適用することが可能である。
Figure 2009039934
Figure 2009039934
Figure 2009039934
本発明の一態様における中子の構成を示す断面図。 本発明の成形方法に係る一工程を示す断面図。 本発明の成形方法に係る一工程を示す断面図。 本発明の成形方法に係る一工程を示す断面図。 本発明の成形方法に係る一工程を示す断面図。
符号の説明
1…ピン、2…樹脂部、3…中子、4…型、5…成形体。

Claims (7)

  1. セラミックス粉体と熱可塑性樹脂との混練物を調製し、
    樹脂部と、前記樹脂部を貫通するように配置された棒状のピンとを備える中子を、型内に挿入、固定し、
    前記型と前記中子間に、前記混練物を射出して成形体を形成し、
    前記型より、前記ピンを抜いて成形する中空セラミックス部品の成形方法であって、
    前記ピンは、基材と、前記基材表面に形成され、窒化チタン、窒化クロム、炭窒化チタンのうち少なくとも1種からなるコーティング層を備えることを特徴とする中空セラミックス部品の成形方法。
  2. 前記基材は、超硬合金又は炭化珪素焼結体であることを特徴とする請求項1に記載の中空セラミックス部品の成形方法。
  3. セラミックス粉体と熱可塑性樹脂との混練物を調製し、
    樹脂部と、前記樹脂部を貫通するように配置された棒状のピンとを備える中子を、型内に挿入、固定し、
    前記型と前記中子間に、前記混練物を射出して成形体を形成し、
    前記型より、前記ピンを抜いて成形する中空セラミックス部品の成形方法であって、
    前記ピンのヤング率が520〜560GPaであることを特徴とする中空セラミックス部品の成形方法。
  4. 前記セラミックス粉体は、少なくとも異なる2種以上のセラミックス粉体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の中空セラミックス部品の成形方法。
  5. 前記樹脂部は、可溶性材料で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の中空セラミックス部品の成形方法。
  6. 樹脂部を貫通するように配置され、中空セラミックス部品の成形用に用いられる棒状のピンであって、
    前記ピンは、基材と、前記基材表面に形成され、窒化チタン、窒化クロム、炭窒化チタンのうち少なくとも1種からなるコーティング層を備えることを特徴とする中空セラミックス部品の成形用ピン。
  7. 樹脂部を貫通するように配置され、中空セラミックス部品の成形用に用いられる棒状のピンであって、
    前記ピンは、ヤング率が520〜560GPaであることを特徴とする中空セラミックス部品の成形用ピン。
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WO2014111786A1 (fr) * 2013-01-17 2014-07-24 Tih Sa Technique Et Innovation Horlogère Procede de fabrication d'un objet d'une forme choisie par injection sous pression en matiere ceramique ou refractaire
JP6992231B1 (ja) * 2020-06-04 2022-01-13 住友電工ハードメタル株式会社 切削工具

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