JP2009039863A - 洗浄用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄性が高く、焼却処分時の燃焼残渣を減少できる洗浄用樹脂組成物の提供。
【解決手段】(A)熱可塑性樹脂と(B)セルロース繊維集合体が解繊されたセルロース繊維を含有する洗浄用樹脂組成物。(B)成分の解繊されたセルロース繊維は、攪拌手段として回転羽根11を有するミキサー(ヘンシェルミキサー)10中にセルロース繊維集合体を入れ、高速攪拌することにより、前記セルロース繊維集合体を解繊して得ることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、各種樹脂やセラミックス材料の成形に使用する成形加工機を洗浄するために用いる洗浄用樹脂組成物と、それを用いた成形加工機の洗浄方法に関する。
熱可塑性樹脂は、射出成形品、押出成形品、フィルム等に幅広く利用されている。これらのプラスチック成形品は多品種少量生産の傾向にあり、品種の切替え頻度が多くなっているため、品種切替え時の成形機内の洗浄が品質管理上重要となってきている。熱可塑性樹脂の成形加工において、品種切替えの際における成形機の洗浄法としては、洗浄剤で洗浄する方法が知られている。
この洗浄剤による洗浄法の場合も、洗浄後に前剤が残留して焼けや成形不良の原因になったり、また完全に前剤を排出できても洗浄剤が残留し、次の樹脂への置換に多量の樹脂と長い時間を必要とするという問題がある。
また、洗浄剤には、洗浄性を高めるためにガラス繊維や金属繊維を配合したものが汎用されているが、この場合には、洗浄後の洗浄剤を焼却処理したときに残渣が発生するという問題がある。
特許文献1には、洗浄材料の成分として、無機繊維及び/又は無機粉末、有機繊維及び/又は有機粉末、金属繊維及び/又は金属粉末を配合することが記載されている。有機繊維としてセルロース繊維が例示されているが、セルロース繊維についての具体的な記載はなく、実施例で使用されているものはガラス繊維のみである。
特許文献2には、洗浄剤の成分として、木粉、もみがら、パルプ、コルク等のセルロース材料を配合することが記載されているが、実施例で使用されているものは木粉のみである。
特許第3050774号公報 特開2000−34499号公報
従来、洗浄剤の成分としてセルロース繊維を配合できることは記載されているが、具体的に効果が確認されたものはない。
本発明は、高い洗浄性を有しており、使用後に焼却処理した場合に燃焼残渣が生じないようにすることができ、セラミックス成形用の成形加工機の洗浄にも使用できるようになる洗浄用樹脂組成物と、それを用いた成形加工機の洗浄方法を提供することを課題とする。
請求項1の発明は、課題の解決手段として、(A)熱可塑性樹脂と(B)セルロース繊維集合体が解繊されたセルロース繊維を含有する洗浄用樹脂組成物を提供する。
請求項2の発明は、課題の解決手段として、(B)成分のセルロース繊維集合体が解繊されたセルロース繊維が、前記セルロース繊維と熱可塑性樹脂が一体化されたものである、請求項1記載の洗浄用樹脂組成物を提供する。
請求項3の発明は、課題の解決手段として、熱可塑性樹脂を溶融混練して成形するための成形加工機の洗浄用であり、無機化合物又は金属を含有していてもよい、請求項1又は2記載の洗浄用樹脂組成物を提供する。
請求項4の発明は、課題の解決手段として、セラミックス粉末とバインダー樹脂を混練して成形するための成形加工機の洗浄用であり、無機化合物及び金属を実質的に含有していない、請求項1又は2記載の洗浄用樹脂組成物を提供する。
請求項5の発明は、他の課題の解決手段として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄用樹脂組成物を用いた成形加工機の洗浄方法であり、成形加工機のシリンダー温度を200℃以下に設定して前記洗浄用樹脂組成物を使用する、洗浄方法を提供する。
本発明の洗浄用樹脂組成物は、成形加工機の洗浄性が良く、使用後の組成物を焼却処理した場合に燃焼残渣が生じないようにすることができる。更に、本発明の洗浄用樹脂組成物は、セラミックス成形用の成形加工機の洗浄にも使用できるようになる。
<(A)成分>
(A)成分の熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリメタクリレート、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリサルホン系樹脂(PSF)、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)等を挙げることができる。これらの中でも、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリメタクリレート、ポリアセタールから選ばれるものが好ましい。
スチレン系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマーの単独又は共重合体のほか、これらのスチレン系モノマーと共重合可能なモノマー、例えばアクリロニトリル、メチルメタクリレート等のビニル系モノマーとの共重合体を挙げることができる。
また、スチレン系樹脂は、ブタジエンゴム等のジエン系ゴム、エチレン/プロピレン系ゴム、アクリル系ゴム等に上記のスチレン系モノマー及びビニル系モノマーをグラフト重合させたゴム変性スチレン系樹脂にすることができる。このようなスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、MS樹脂、MBS樹脂等を挙げることができる。特に好ましくは、ポリスチレン、AS樹脂である。
スチレン系樹脂は、重量平均分子量が100,000〜600,000の範囲のものが好ましく、100,000〜500,000の範囲のものがより好ましく、150,000〜450,000の範囲のものがより好ましい。
オレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、3−メチルブテン−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの単独重合体、又はこれらα−オレフィンのランダム若しくはブロック等の共重合体、或いはこれらのα−オレフィンを主成分として含有し(好ましくは50質量%以上)、その他のモノマーを共重合させた共重合体を挙げることができる。
他のモノマーとしては、ブタジエン、イソプレン、ジシクロペンジエン、1,4−ヘキサジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のジエン類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、マレイン酸イミド等の不飽和酸又はその誘導体、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族アルケニル化合物等を挙げることができる。
オレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びポリプロピレン(PP)から選ばれる1種又は2種以上のものが好ましい。また、(A)成分のポリオレフィン樹脂としては、前記したものと共に、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、マレイン酸イミド等の不飽和酸又はその誘導体を共重合させた酸変性ポリオフィン樹脂を少量含有させることができる。
ポリアミド樹脂は、ジアミンとジカルボン酸とから形成されるポリアミド樹脂及びそれらの共重合体、具体的にはナイロン66、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6・10)、ポリヘキサメチレンドデカナミド(ナイロン6・12)、ポリドデカメチレンドデカナミド(ナイロン1212)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)及びこれらの混合物や共重合体;ナイロン6/66、6T成分が50モル%以下であるナイロン66/6T(6T:ポリヘキサメチレンテレフタラミド)、6I成分が50モル%以下であるナイロン66/6I(6I:ポリヘキサメチレンイソフタラミド)、ナイロン6T/6I/66、ナイロン6T/6I/610等の共重合体;ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリ(2−メチルペンタメチレン)テレフタルアミド(ナイロンM5T)、ポリ(2−メチルペンタメチレン)イソフタルアミド(ナイロンM5I)、ナイロン6T/6I、ナイロン6T/M5T等の共重合体が挙げられ、そのほかアモルファスナイロンのような共重合ナイロンでもよく、アモルファスナイロンとしてはテレフタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合物等を挙げることができる。
ポリメタクリレートとしては、公知のメタクリル酸のアルキルエステルのホモポリマー又は他のモノマーとのコポリマーを挙げることができる。ポリアセタールは、公知のホルムアルデヒドのみが重合したホモポリマーのほか、パラホルムアルデヒドとオキシエチレン単位を含むコポリマー等を挙げることができる。
本発明の洗浄剤樹脂組成物中の(A)成分の含有量は、30〜95質量%が好ましく、40〜90質量%がより好ましく、40〜80質量%が更に好ましい。
<(B)成分>
(B)成分の(B)セルロース繊維集合体が解繊されたセルロース繊維は、洗浄性を向上させるために必須の成分であって、機械的手段により、セルロース繊維集合体が解繊されたもので、例えば、解繊された多数のセルロース繊維が絡み合って、全体として塊状になったものである。
セルロース繊維集合体は、多数のセルロース繊維が結合一体化されたものであり、天然物(例えば、植物体そのもの、植物体を薄く加工したもの)でも工業製品(例えば、紙パルプ)でもよく、麻繊維、竹繊維、綿繊維、木材繊維、ケナフ繊維、ヘンプ繊維、ジュート繊維、バナナ繊維、ココナツ繊維等の集合体を用いることができる。
セルロース繊維は、熱安定性が高い点から、αセルロース含有量が高いものが好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
セルロース繊維集合体としては、パルプシート又はその切断物が好ましい。パルプシート又はその切断物の厚み、形状、大きさは特に制限されず、解繊作業が円滑にできるように選択することができる。
セルロース繊維集合体がシートの場合は、例えば、厚さが0.1〜5mm、好ましくは1〜3mmで、幅1〜50cmで、長さ3〜100cm程度のものを用いることができる。
セルロース繊維集合体がシートの切断物の場合は、例えば、厚さが0.1〜5mm、好ましくは1〜3mmで、幅2mm〜1cmで、長さ3mm〜3cm程度の短冊状のもの、又は一辺が2mm〜1cm程度の四角形状のものが好ましい。
セルロース繊維集合体の水分含有率は、20質量%以下が好ましく、17質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。水分含有率が20質量%以下であると、次工程において摩擦熱の発生による昇温が容易になり、セルロース繊維集合体が解繊され易く凝集物が残らないので好ましい。なお、水分含有率は、カールフッシャー法による水分測定等により求める。
必要に応じて、セルロース繊維以外の有機繊維を使用することができるが、セルロース繊維と有機繊維の合計量中、セルロース繊維の割合が50質量%以上になるようにすることが好ましく、より好ましくは55質量%以上である。セルロース繊維以外の有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等を用いることができる。
更に(B)成分は、(A)成分との混練性を向上させるため、解繊されたセルロース繊維集合体に(A)成分と同じ熱可塑性樹脂が付着一体化されたもの(例えば、ペレット状の造粒物の形態のもの)を用いることもできる。
セルロース繊維集合体の解繊方法は特に制限されるものではないが、例えば、下記の第1〜第3の解繊方法を適用することができる。
(1)第1の解繊方法(特開2007−84713公報に記載されている方法)
〔第1工程〕
第1工程において、攪拌手段として回転羽根を有するミキサー中にセルロース繊維集合体を入れ、高速攪拌することにより、前記セルロース繊維集合体を解繊する。
ミキサーは、攪拌手段として回転羽根を有するものであればよく、好ましくは加温手段を有しているものであり、例えば、三井鉱山(株)製ヘンシェルミキサー、FM20C/I(容量20L)や(株)カワタ製スーパーミキサー、SMV−20(容量20L)を用いることができる。
回転羽根は、通常、上羽根と下羽根の2枚構成、あるいは上羽根、中間羽根、下羽根の3枚構成であるが、その枚数に制約はない。また、羽根の形状に制約はないが、たとえば上羽根には混練用タイプ、下羽根には高循環・高負荷用、中間羽根を使用する場合は溶融液用を用いる。
第1工程では、攪拌時の回転羽根の平均周速が10〜100m/秒の範囲で攪拌することが好ましく、より好ましくは平均周速が10〜90m/秒、更に好ましくは平均周速が10〜80m/秒で攪拌する。
第1工程における処理は、セルロース繊維集合体の解繊を充分に行うことができればよく、例えば、セルロース繊維集合体が綿状に変化したことが目視にて確認できた時点を第1工程の処理の終了とすることができる。回転羽根の平均周速と攪拌時間は、セルロース繊維集合体の種類、形状、大きさ、投入量等により変化するものであるため、前記したように綿状に変化した時点を基準とすることが好適である。
この第1工程の処理法を適用して解繊されたセルロース繊維を、そのまま本発明の(B)成分として用いることができるが、更に以下の工程の処理をすることもできる。
〔第2工程〕
第2工程において、前記ミキサー内に熱可塑性樹脂を入れた後に攪拌することで、発生した摩擦熱により前記熱可塑性樹脂を溶融させて、解繊されたセルロース繊維に前記熱可塑性樹脂が付着した混合物を得る。第1工程と第2工程は、ミキサーの攪拌を停止することなく、連続した1つの工程にすることができる。
この工程で用いる熱可塑性樹脂は、上記した(A)成分と同じものを用いることができる。(B)成分の製造時に(A)成分と同じものを用いた場合には、組成物中における(A)成分の含有量には、(B)成分に含まれる熱可塑性樹脂の量も含まれることになる。
第1工程において、ミキサー内にてセルロース繊維集合体が解繊されているため、そこに所要量の熱可塑性樹脂を投入し、高速攪拌する。この高速攪拌により、摩擦熱が発生してミキサー内が昇温するため、熱可塑性樹脂が溶融し、解繊されたセルロース繊維に付着して、セルロース繊維と熱可塑性樹脂との混合物が得られる。
なお、第2工程では、熱可塑性樹脂と共に少量の酸化剤を添加することができる。本発明の洗浄用樹脂組成物をセラミックス粉末とバインダー樹脂を混練して成形するための成形加工機の洗浄用として適用した場合には、洗浄後の成形加工機内に解繊されたセルロース繊維が残留する可能性がある。このようにセルロース繊維が残留していると、成形加工機にセラミックス粉末とバインダー樹脂を投入したとき、それらにセルロース繊維が混入する可能性がある。
酸化物系のセラミックスであれば、成形後の焼結工程において酸素雰囲気で加熱されるため、混入したセルロース繊維も燃焼除去されることになるが、窒化物系や炭化物系のセラミックスの場合には、非酸素雰囲気で加熱されるため、燃焼除去されずに成形体中に残存するおそれがある。よって、第2工程において熱可塑性樹脂と共に酸化剤を添加して、セルロース繊維、熱可塑性樹脂、酸化剤が一体化された(B)成分を含む洗浄剤組成物として、成形加工機内にセルロース繊維に付着した状態で酸化剤を残留させることで、非酸素雰囲気で加熱した場合でも、セルロース繊維を燃焼除去できるようになる。
第2工程では、攪拌時の回転羽根の平均周速が10〜100m/秒の範囲で攪拌することが好ましく、より好ましくは平均周速が10〜90m/秒、更に好ましくは平均周速が10〜80m/秒で攪拌する。攪拌を継続するとミキサー内の温度が上昇し続け、モーターの動力が上昇する。この動力の上昇及びミキサー内の温度に応じて攪拌速度を徐々にあるいは一気に減速して回転数を低下させることが好ましく、平均周速が前記範囲になるようにする。
この状態で撹拌を継続した場合、再び動力が上昇するので、連結する次の第3工程で使用する冷却ミキサーに混合物を排出する。このとき、この混合物では、解繊されたセルロース繊維が熱可塑性樹脂中にほぼ均一に付着している。
第2工程では、ミキサー内の昇温を補助して、セルロース繊維と熱可塑性樹脂との混合物の製造を容易にするため、加温手段により、ミキサーを加温することもできる。このときの温度は120〜140℃程度が好ましい。
セルロース繊維と熱可塑性樹脂の総量は、ミキサーの容量等に応じて設定する。セルロース繊維と熱可塑性樹脂の比率は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、セルロース繊維5〜500質量部が好ましく、より好ましくは7〜450質量部、更に好ましくは10〜400質量部である。
特に、セルロース繊維の配合比率を多くする場合、例えば、樹脂100質量部に対しセルロース繊維を67質量部超えて配合する場合は、熱可塑性樹脂として粘度が低いものを用いることが望ましい。
例えば、ポリプロピレンを用いる場合、そのメルトフローレートは、温度230℃、荷重21、6Nの条件下、20〜200g/10分のものが好ましく、ポリエチレンを用いる場合、そのメルトフローレートは、温度190℃、荷重21、6Nの条件下、10〜200g/10分のものが好ましい。
例えば、ABS樹脂を用いる場合、そのメルトフローレートは、温度220℃、荷重100Nの条件下、10〜200g/10分のものが好ましく、ポリスチレンを用いる場合、温度200℃、荷重50Nの条件下、5〜100g/10分のものが好ましい。
〔第3工程〕
第3工程において、第2工程で得られた混合物を冷却しながら低速攪拌する。この工程の処理により、前記混合物を固化する(固化により造粒する)。第3工程では、ミキサーの冷却効率を高めるため、第1工程と第2工程で用いたミキサーとは別のミキサー(好ましくは冷却手段を有しているもの)を用いることが好ましい。
第3工程では、攪拌時の回転羽根の平均周速が1〜30m/秒の範囲で攪拌することが好ましく、より好ましくは平均周速が2〜25m/秒、更に好ましくは平均周速が3〜25m/秒で攪拌する。第3工程の攪拌速度は、第1工程及び第2工程の攪拌速度よりも小さい。
第3工程における処理は、セルロース繊維と熱可塑性樹脂との混合物が、成形用の材料として取り扱いできる程度に固化された時点を第3工程の処理の終了とすることができる。なお、摩擦熱の発生により、ミキサー内の温度が上がりすぎると一旦固化された熱可塑性樹脂が再溶融してしまうため、第3工程においても、ミキサー内の温度を管理することが好ましい。
このような処理により、セルロース繊維と熱可塑性樹脂を含む固化物(造粒物)が得られ、これを(B)成分として用いることができる。
(2)第2の解繊方法
〔第1工程〕
第1工程において、セルロース繊維集合体を解繊機により解繊して、綿状のセルロース繊維を得る。
解繊機は、セルロース繊維集合体に対して機械的に作用することで解して、綿状のセルロース繊維(多数本のセルロース繊維が絡み合って、綿状になっているもの)にすることができるものであればよい。解繊機は、乾式による解繊方式を採用するものが好ましく、市販されている古紙等の解繊に用いるものを挙げることができる。このような解繊機としては、(株)瑞光製の解繊機(Model FF-270,FF-280,FF-290)、池上機械(株)製のリサイクルブレーカーRB-100、石川県創造化開発共同組合製の古紙解繊機、西日本技術開発(有)製の小型乾式解繊機「ファイバライザ」、ターボ工業(株)のターボミル等を挙げることができる。
第1工程における処理は、セルロース繊維集合体の解繊を充分に行うことができればよく、例えば、セルロース繊維集合体が綿状に変化したことが目視にて確認できた時点を第1工程の処理の終了とすることができる。回転羽根の平均周速と攪拌時間は、セルロース繊維集合体の種類、形状、大きさ、投入量等により変化するものであるため、前記したように綿状に変化した時点を基準とすることが好適である。
この第1工程の処理法を適用して解繊されたセルロース繊維を、そのまま本発明の(B)成分として用いることができるが、更に以下の工程の処理をすることもできる。
第1工程に続いて、上記した第1の解繊方法の第2工程と第3工程の処理をすることで、セルロース繊維と熱可塑性樹脂を含む固化物(造粒物)が得られ、これを(B)成分として用いることができる。
(3)第3の解繊方法
〔第1工程〕
第1工程において、攪拌手段として回転羽根を有するミキサー中にセルロース繊維集合体を入れ、高速攪拌することにより、前記セルロース繊維集合体を解繊する。
本発明で用いるセルロース繊維集合体は、棒状のパルプシートである。「棒状」とは、細長い形状で、単なる1枚のシートよりも強度の大きなものを意味する。棒状のパルプシートとしては、例えば、
(I)パルプシートを1回巻き又は2回巻き以上(好ましくは2〜5回巻き)丸めて筒状にしたもの、
(II)パルプシートを1巻き又は2巻き以上丸めて筒状にした後、半径方向に押し潰して細長い板状にしたもの、
(III)パルプシートを交互に異なる方向になるように1回又は複数回(好ましくは2〜10回)折り畳んで細長い板状にしたもの、
(IV)パルプシートを同一方向に1回又は複数回(好ましくは2〜10回)折り畳んで細長い板状にしたもの、
(V)パルプシートをランダムな方向に1回又は複数回(好ましくは2〜10回)折り畳んで細長い板状にしたもの、等を用いることができる。
パルプシートの形状は特に制限されるものではなく、上記(I)〜(V)の形態にできるものであればよく、長方形、正方形、円、扇形、三角形、五角形以上の多角形等のものを用いることができる。
パルプシートは、例えば、厚さが0.1〜5mm、好ましくは1〜3mm、幅10〜50cm、長さ60〜100cm程度のものを用いることができる。
パルプシートは、JIS P8112,P8131に記載された方法(ミューレン破裂強さ試験機を使用)により測定される破裂強さが0.5〜10.0kPam/gの範囲であることが好ましい。この範囲内であると、上記した(I)〜(V)の方法を適用して、棒状のパルプシートを得ることができる。なお、引張強度が上記の下限値未満であっても、巻き回数や折り畳み回数をより多くすればよい。
(I)の筒状形態のものは、例えば、図1(a)、(b)に示すようにして筒状に巻かれたものである。図1では、パルプシートが2回半巻かれた状態を示している。これを押し潰したものが(II)の板状形態のものになる。
(III)の板状形態のものは、例えば、図2(a)、(b)に示すようにして、パルプシートを交互に異なる方向になるように折り畳んで、細長い板状にしたもの(即ち、蛇腹状に折り畳んだもの)である。図2(c)は、(IV)の板状形態に相当する、同じ方向に折り畳まれたものを示している。
棒状のパルプシートは、上記(I)〜(V)の筒状又は板状のパルプシートと同程度の強度を有しているものであれば、巻いたり、折り畳んだりすることなく、単に1枚のシートを切断しただけのものでもよい。
棒状のパルプシートは、作業性を考慮すると、縦長さ/横幅(直径)の比率が3以上であることが好ましい。
ミキサーは、攪拌手段として回転羽根を有するものであればよく、好ましくは加温手段を有しているものであり、例えば、三井鉱山(株)製ヘンシェルミキサー、FM20C/I(容量20L)や(株)カワタ製スーパーミキサー、SMV−20(容量20L)を用いることができる。
回転羽根は、通常、上羽根と下羽根の2枚構成、あるいは上羽根、中間羽根、下羽根の3枚構成であるが、その枚数に制約はない。また、羽根の形状に制約はないが、たとえば上羽根には混練用タイプ、下羽根には高循環・高負荷用、中間羽根を使用する場合は溶融液用を用いる。
第1工程では、攪拌時の回転羽根の平均周速が10〜100m/秒の範囲で攪拌することが好ましく、より好ましくは平均周速が10〜90m/秒、更に好ましくは平均周速が10〜80m/秒で攪拌する。
第1工程では、図3に示すようにして、パルプシートを棒状にしたものと、ミキサーの羽根とのなす角度が所定範囲になるようにして解繊する。図3は、棒状のパルプシートとミキサーの羽根との接触状態を説明するためのものであり、ミキサーの構造を説明するためのものではない。
第1工程では、図3に示す棒状のパルプシート1の中心線と、ミキサー10の羽根11の中心線(又は回転状態の羽根11により生じる円形回転面の表面)とのなす角度αは、45〜90°であり、好ましくは60〜90°、より好ましくは75〜90°であり、90°かそれに近似した角度であることが更に好ましい。なお、上記したとおり、ミキサーが上羽根と下羽根の2枚構成、あるいは上羽根、中間羽根、下羽根の3枚構成であるとき、少なくとも最初に接触する上羽根とのなす角度αが上記範囲を満たしていればよい。
第1工程では、図3に示す状態にて棒状のパルプシート1の端部(羽根11から遠い方の端部)を機械的又は人為的に固定しておき、解繊の進行と共に、上記した所定角度αを維持したまま、回転状態の羽根11に向かって棒状のパルプシート1を押し込んでいく。そして、棒状のパルプシート1の固定端部が回転状態の羽根11に近づいたとき、固定状態を解放する。このようにして解繊するとき、羽根11の回転圧力により、棒状のパルプシート1の先端の解繊部分(接触部分)も振動するため、上記の角度αも多少変動する可能性があるが、角度αの変動範囲は、初期の設定角度αから±10°程度の範囲であればよい。
第1工程における処理は、セルロース繊維集合体の解繊を充分に行うことができればよく、例えば、セルロース繊維集合体が綿状に変化したことが目視にて確認できた時点を第1工程の処理の終了とすることができる。回転羽根の平均周速と攪拌時間は、セルロース繊維集合体の種類、形状、大きさ、投入量等により変化するものであるため、前記したように綿状に変化した時点を基準とすることが好適である。
このような第1工程の解繊法を適用することにより、例えば、特開2007−84713公報の発明のように、パルプシートをそのままミキサーで解繊した場合と比べると、より解繊状態が向上され、熱可塑性樹脂と混合した場合の分散性も向上される。
この第1工程の処理法を適用して解繊されたセルロース繊維を、そのまま本発明の(B)成分として用いることができるが、更に以下の工程の処理をすることもできる。
第1工程に続いて、上記した第1の解繊方法の第2工程と第3工程の処理をすることで、セルロース繊維と熱可塑性樹脂を含む固化物(造粒物)が得られ、これを(B)成分として用いることができる。
本発明の洗浄剤樹脂組成物中の(B)成分の含有量(解繊されたセルロース繊維のみの含有量)は、5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、20〜60質量%が更に好ましい。
<(C)成分>
本発明の洗浄用樹脂組成物は、必要に応じて、(C)成分のアニオン界面活性剤を含有することができる。
(C)成分のアニオン界面活性剤は、洗浄性及び排出性を向上させるための成分であって、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、炭素数8〜20のα−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩類、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルフォ脂肪酸塩、α−スルフォ脂肪酸エステル、炭素数が12〜20の飽和又は不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩等から選ばれる1又は2以上を挙げることができる。
アニオン界面活性剤としては、特にアルカンスルホン酸又はその塩を50質量%以上含む陰イオン界面活性剤が好ましい。
アルカンスルホン酸又はその塩は、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。一般式(1)中のnは平均値であるから、一般式(1)で表されるものは炭素数の異なるものの混合物となる。(C)成分として用いるアルカンスルホン酸又はその塩は、自己排出性の発現に寄与する。
Figure 2009039863
〔式中、mは平均で5〜30の数、nは0〜30、n≦m、Mは、好ましくはH、Na、K、Mg、Caを示す。〕
アルカンスルホン酸又はその塩以外の陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、炭素数8〜20のα−オレフィンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルフォ脂肪酸塩、α−スルフォ脂肪酸エステル、炭素数が12〜20の飽和又は不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩等から選ばれる1又は2以上を挙げることができる。
(C)成分中のアルカンスルホン酸又はその塩の含有量は50質量%以上、好ましくは90〜100質量%、より好ましくは99〜100質量%である。
(C)成分のアニオン系界面活性剤の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部である。配合量が20重量部を超えると(A)成分のポリオレフィン樹脂と混じり合わず、0.1重量部未満である洗浄性及び排出性の効果が低くなる。
<その他の成分>
本発明の洗浄用樹脂組成物は、必要に応じて、更に(D)アルキレングリコール脂肪酸エステル、(E)有機燐化合物、(F)多価アルコール、(G)金属石鹸から選ばれるものを含有することができる。
(D)成分のアルキレングリコール脂肪酸エステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等のアルキレングリコールと炭素数12〜22の脂肪酸のエステル化合物を挙げることができる。
(E)成分の有機燐化合物としては、燐原子に結合するエステル性酸素原子を1つ以上有するものが好ましい。(E)成分は、焦げに対して高い溶解力を有しているため、特に異物除去性の発現に寄与する成分である。
(F)成分の多価アルコールは、複数個のヒドロキシル基が結合している非環式及び環式化合物である。かかる(F)成分としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ペンチトール類(アドニトール、アラビトール等)、ヘキシトール類(ズルシトール、イノシトール等)、サッカリド類(アミロース、キシラン等)及びこれらの誘導体(N−メチルグルカミン等)等から選ばれる1又は2以上を挙げることができる。
(G)成分の金属石鹸としては、炭素数6〜22の脂肪酸と金属(Mg,Li,Zn,Ca,Al,Sn等)の塩が好ましい。
本発明の洗浄用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を溶融混練して成形するための成形加工機の洗浄用、セラミックス粉末とバインダー樹脂を混練して成形するための成形加工機の洗浄用として適用することができる。
本発明の洗浄用樹脂組成物を、熱可塑性樹脂を溶融混練して成形するための成形加工機の洗浄用として適用する場合には、洗浄性能を高めるため、更にガラス繊維、人造鉱物繊維、金属繊維及びウォラストナイトを含有させることができる。
本発明の洗浄用樹脂組成物をセラミックス粉末とバインダー樹脂を混練して成形するための成形加工機の洗浄用として適用する場合には、セラミックス材料の不純物となるような成分を実質的に含有しないことが望ましく、例えば、上記したガラス繊維、人造鉱物繊維、金属繊維及びウォラストナイトのような成分を含まないほか、他の無機化合物や金属も含まないことが望ましい。前記の「実質的に含有しない」とは、組成物中の無機化合物や金属の含有量が1質量%以下であることを意味し、前記含有量は、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%であり、0質量%であることが特に好ましい。
本発明の洗浄用樹脂組成物は、上記各成分を、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダー、ニーダー等の混合機で予備混合した後、押出機で混練したり、加熱ロール、バンバリーミキサーで溶融混練することによって製造する。
本発明の洗浄用樹脂組成物を用いて成形加工機(例えば、射出成形機、押出成形機)を洗浄するときには、前記成形加工機のシリンダー温度を200℃以下に設定した状態で洗浄用樹脂組成物を供給して洗浄する。
本発明の洗浄用樹脂組成物を用いてセラミックス粉末とバインダー樹脂を混練して成形するための成形加工機を洗浄した後、窒化物系又は炭化物系のセラミックス粉末とバインダー樹脂を混練して成形するときには、セラミックス粉末とバインダー樹脂と共に酸化剤を配合して混練成形することができる。窒化物系又は炭化物系のセラミックスは、非酸素雰囲気(窒素雰囲気等)で焼結するが、洗浄用樹脂組成物に含まれていたセルロース繊維が成形加工機内に残留し、それが成形体に混入した場合には、燃焼されずに残留してしまうことになる。しかし、原料中に酸化剤を混入させておくことにより、非酸素雰囲気中で焼結した場合でも、残留するセルロース繊維を燃焼除去できるようにすることができる。
製造例1〔(B−1)成分の製造〕
〔第1工程〕
ヒーターミキサー(上羽根:混練用タイプ、下羽根:高循環・高負荷用,ヒーター及び温度計付き,容量20L,品名ヘンシェルミキサーFM20C/I,三井鉱山(株)製)を140℃に加温し、表1に示す各種セルロース繊維品を投入し、平均周速50m/秒で攪拌した。
約2分経過時点において、セルロース繊維品が綿状に変化した。比較例1、2では、セルロース繊維の投入完了後、すぐに次の第2工程を行った。
〔第2工程〕
引き続き、ヒーターミキサー内にポリプロピレンを投入した後、平均周速50m/秒で攪拌を続けた。このときのモーターの動力は2.5kWであった。ミキサーの温度が120℃に達した時に、MPPを投入し攪拌を続けた。
約10分経過時点において、動力が上がり始めた。更に1分後、動力は4kWに上昇したので、周速を25m/secの低速に落とした。更に、低速の撹拌の継続により、動力が再度上昇し始めた。低速回転開始1分30行後、電流値は5kWに達したので、ミキサーの排出口をあけ、接続する冷却ミキサーに排出した。
〔第3工程〕
冷却ミキサー〔回転羽根:冷却用標準羽根,水冷手段(20℃)及び温度計付き,容量45L,品名クーラーミキサーFD20C/K,三井鉱山(株)製)平均周速10m/秒で攪拌を開始し、ミキサー内の温度が80℃になった時点で攪拌を終了した。第3工程の処理により、セルロース繊維とポリプロピレンの混合物は固化して、直径が数mmから2cm程度の造粒物が得られた。
製造例2〔(B−2)成分の製造〕
〔第1工程〕
解繊機(ターボ工業株式会社;ターボミル T−250)内に表1に示す各種セルロース繊維品を投入し、解繊した。目視上は、きれいに完全に解繊されていることを確認した。運転条件は、8300rpmで実施。処理能力は、約20kg/hであった。
〔第2工程〕
引き続き、ヒーターミキサー内にポリプロピレンを投入した後、平均周速50m/秒で攪拌を続けた。このときのモーターの動力は2.5kWであった。ミキサーの温度が120℃に達した時に、MPPを投入し攪拌を続けた。
約10分経過時点において、動力が上がり始めた。更に1分後、動力は4kWに上昇したので、周速を25m/secの低速に落とした。更に、低速の撹拌の継続により、動力が再度上昇し始めた。低速回転開始1分30行後、電流値は5kWに達したので、ミキサーの排出口をあけ、接続する冷却ミキサーに排出した。
〔第3工程〕
冷却ミキサー〔回転羽根:冷却用標準羽根,水冷手段(20℃)及び温度計付き,容量45L,品名クーラーミキサーFD20C/K,三井鉱山(株)製)平均周速10m/秒で攪拌を開始し、ミキサー内の温度が80℃になった時点で攪拌を終了した。第3工程の処理により、セルロース繊維とポリプロピレンの混合物は固化して、直径が数mmから2cm程度の造粒物が得られた。
得られた造粒物を用いて、二軸押出機を用いて押出成形して、本発明の樹脂成形体を得た。シリンダー温度は190℃であった。二軸押出機を用いた成形性(混練性、押出性)は良好であった。
製造例3〔(B−3)成分の製造〕
〔第1工程〕
ヒーターミキサー(上羽根:混練用タイプ、下羽根:高循環・高負荷用,ヒーター及び温度計付き,容量200L)を140℃に加温し、表1に示す棒状のパルプシートを所定角度αにてミキサーに投入し(図3参照)、平均周速50m/秒で攪拌した。約3分経過時点において、棒状のパルプシートが綿状に変化した。
〔第2工程〕
引き続き、ヒーターミキサー内にポリプロピレンを投入した後、平均周速50m/秒で攪拌を続けた。このときのモーターの電流値は30Aであった。ミキサーの温度が120℃に達した時に、MPPを投入し攪拌を続けた。
約10分経過時点において、動力が上がり始めた。更に1分後、電流値が50Aに上昇したので、周速を25m/secの低速に落とした。更に、低速の撹拌の継続により、動力が再度上昇し始めた。低速回転開始1分30行後、電流値が60Aに達したので、ミキサーの排出口をあけ、接続する冷却ミキサーに排出した。
〔第3工程〕
冷却ミキサー〔回転羽根:冷却用標準羽根,水冷手段(20℃)及び温度計付き,容量500L)平均周速10m/秒で攪拌を開始し、ミキサー内の温度が80℃になった時点で攪拌を終了した。第3工程の処理により、セルロース繊維とポリプロピレンの混合物は固化して、直径が数mmから2cm程度の造粒物が得られた。
得られた造粒物を用いて、二軸押出機を用いて押出成形して、本発明の樹脂成形体を得た。シリンダー温度は190℃であった。二軸押出機を用いた成形性(混練性、押出性)は良好であった。
実施例1〜4、比較例1〜2
表1に示す組成の各成分をタンブラーブレンダーで混合後、押出機にて溶融混練し、ペレット形状の洗浄用樹脂組成物を得た。これらの成分を使用し、下記の方法で洗浄試験を行った。実施例、比較例における使用成分、材料、及び測定方法は下記のとおりである。
(A)成分
ポリプロピレン(J139,プライムポリマー社製)
酸変性ポリプロピレン(三洋化成工業社製,ユーメックス1010)
(B)成分
上記製造例3で製造したもの。
(C)成分
α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(商品名ルポランPB-800,ライオン社製)
(D)成分
プロピレングリコールモノベヘネート(商品名リケマールPB-100,理研ビタミン(株)製)
(E)成分
トリフェニルフォスフェート(大八化学工業(株))
ガラス繊維:日本電気硝子(株)のECS-03-T-120
(1)洗浄性の評価
射出成形機(三菱重工業製「三菱射出成形機265/100MSII」)を用い、成形温度175℃で下記の先行樹脂1kgを流した。その後、表1の各組成物を流して、黒色が消えるまでの使用量(kg)により、洗浄性を評価した。
(先行樹脂)
ポリプロピレン(J139,プライムポリマー社製)に対して1質量%濃度となるようにカーボンブラックを添加したものを用いた。
(2)燃焼残渣の有無
洗浄に使用した後の組成物のTG/DTA測定を実施し、燃焼残渣量を評価した。
測定条件
装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製のTG/DTA6200
測定雰囲気:空気200ml/min
測定温度:30〜580℃
昇温速度:20℃/min
サンプル量:13〜15mg
Figure 2009039863
(a)は、セルロース繊維集合体の解繊(第3の解繊方法)の第1工程で使用する筒状のパルプシートの斜視図、(b)は(a)の平面図。 (a)は、セルロース繊維集合体の解繊(第3の解繊方法)の第1工程で使用する別形態の板状のパルプシートの斜視図、(b)は(a)の平面図、(c)は更に別形態の板状のパルプシートの平面図。 セルロース繊維集合体の解繊(第3の解繊方法)の第1工程の解繊方法を説明するための図。

Claims (5)

  1. (A)熱可塑性樹脂と(B)セルロース繊維集合体が解繊されたセルロース繊維を含有する洗浄用樹脂組成物。
  2. (B)成分のセルロース繊維集合体が解繊されたセルロース繊維が、前記セルロース繊維と熱可塑性樹脂が一体化されたものであり、前記(B)成分が(A)成分の熱可塑性樹脂と混合されているものである、請求項1記載の洗浄用樹脂組成物。
  3. 熱可塑性樹脂を溶融混練して成形するための成形加工機の洗浄用であり、無機化合物又は金属を含有していてもよい、請求項1又は2記載の洗浄用樹脂組成物。
  4. セラミックス粉末とバインダー樹脂を混練して成形するための成形加工機の洗浄用であり、無機化合物及び金属を実質的に含有していない、請求項1又は2記載の洗浄用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄用樹脂組成物を用いた成形加工機の洗浄方法であり、成形加工機のシリンダー温度を200℃以下に設定して前記洗浄用樹脂組成物を使用する、洗浄方法。
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