JP2009037982A - 画像表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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裕康 柳瀬
Tsutomu Kuniyasu
努 國安
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悦子 西村
Toshiaki Kusunoki
敏明 楠
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Abstract

【課題】走査信号配線の低抵抗化を図ると共に、給電及び導通の信頼性の向上と素子分離の信頼性の確保を図り、表示特性の優れた長寿命の画像表示装置を提供する。
【解決手段】走査信号配線9と層間絶縁膜14間にクロム帯24を埋設し、このクロム帯24の一方の側壁から外側方向に向かって連続してこのクロム帯厚さに略等しい間隙からなるアンダーカット部25を前記走査信号配線9と前記層間絶縁膜間14に配置した。
【選択図】図3

Description

本発明は、自発光型フラットパネル型画像表示装置に係り、特に薄膜型電子源をマトリクス状に配列した画像表示装置に関する。
マトリクス状に配置した電子源を有する自発光型フラットパネルディスプレイ(FPD)の一つとして、微少で集積可能な冷陰極を利用する電界放出型画像表示装置(FED:Field Emission Display)や電子放出型画像表示装置が知られている。この冷陰極の形式としては、スピント型電子源、表面伝導型電子源、カーボンナノチューブ型電子源、金属―絶縁体―金属を積層したMIM(Metal−Insulator−Metal )型、金属―絶縁体―半導体を積層したMIS(Metal−Insulator−Semiconductor)型、あるいは金属―絶縁体―半導体−金属型等の薄膜型電子源などがある。
一般的な自発光型FPDは、上記のような電子源をガラス板からなる背面基板上に備えた背面パネルと、蛍光体層及びこの蛍光体層に前記電子源から放出される電子を射突させるための電界を形成する陽極とをガラスを好適とする光透過性の材料からなる前面基板上に備えた前面パネルと、両パネルの対向する内部空間を所定の間隔に保持する枠体とを備え、前記両パネルと枠体で形成される表示領域を含む内部空間を真空状態に保持する構成とし、この表示パネルに駆動回路を組み合わせて構成される。
又、前記背面パネルの前記背面基板上には、一方向に延在し該一方向と直交する他方向に並設された複数の映像信号配線と、この映像信号配線を覆って形成された絶縁膜と、この絶縁膜上で前記他方向に延在し前記映像信号配線に交差する如く前記一方向に並設され走査信号が順次印加される複数の走査信号配線を備えている。加えて前記走査信号配線と画像信号配線の交差部付近に上記の電子源がそれぞれ設けられ、走査信号配線と電子源とは給電電極で接続され、走査信号配線から電子源に電流が供給される構成が一般的である。
更に、前記個々の電子源は対応する蛍光体層と対になって単位画素を構成する。通常は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の単位画素で一つの画素(カラー画素、ピクセル)が構成される。なお、カラー画素の場合、単位画素は副画素(サブピクセル)とも呼ばれる。
上述の構成に加え、前述したような画像表示装置では、背面パネルと前面パネル間の前記枠体で囲繞された表示領域を含む減圧領域内に複数の間隔保持部材(スペーサ)が配置固定され、前記両パネル間の間隔を前記枠体と協働して所定間隔に保持している。このスペーサは、一般にはガラスやセラミックスなどの絶縁材あるいは幾分かの導電性を有する部材で形成した板状体からなり、通常、複数の画素ごとに画素の動作を妨げない位置に設置される。
又、封止枠となる枠体は背面基板と前面基板との内周縁にフリットガラスなどの封着部材で固着され、この固着部が気密封着され封止領域となっている。両基板と枠体とで形成される減圧領域内部の真空度は、例えば10-5〜10-7Torr程度である。
枠体と基板との封止領域には、背面基板に形成された走査信号配線につながる走査信号配線引出端子や画像信号配線につながる画像信号配線引出端子がそれぞれ貫通する。
前述したMIM型電子源については、例えば特許文献1、特許文献2に開示されている。MIM型電子源の構造と動作は以下のとおりである。すなわち、上部電極と下部電極との間に絶縁層を介在させた構造を有し、上部電極と下部電極との間に電圧を印加することで、下部電極中のフェルミ準位近傍の電子がトンネル現象により障壁を透過し、電子加速層である絶縁層の伝導帯へ注入されホットエレクトロンとなり、上部電極の伝導帯へ流入する。これらのホットエレクトロンのうち、上部電極の仕事関数φ以上のエネルギーをもって上部電極表面に達したものが真空中に放出される。
特開2004−363075号公報 特開2006−107741号公報
このような電子源を複数の行(例えば水平方向)と複数の列(例えば垂直方向)に並べてマトリクスを形成し、各電子源対応に配列した多数の蛍光体層を真空中に配置して画像表示装置を構成することができる。この構成とした画像表示装置において画像表示を行う場合、線順次駆動方式と呼ばれる駆動方法が標準的に採用されている。
この駆動方法は、毎秒60枚(60フレーム)の静止画を表示する際、各フレームにおける表示を走査信号配線(水平方向)毎に行う方式である。従って、同一走査信号配線上にある、映像信号配線の数に対応する電子源は全て同時に動作することになる。動作時走査信号配線には、サブピクセル{フルカラー表示のためのカラー1画素(ピクセル)を構成する副画素}に含まれる電子源が消費する電流に、全映像信号配線数をかけた電流が流れる。この走査信号配線電流は、配線抵抗により走査信号配線に沿った電圧降下をもたらすため、電子源の均一な動作を妨げることになる。特に大型の表示装置を実現する上で走査信号配線の配線抵抗による電圧降下は大きな問題である。
この問題を解決するには、走査信号配線の配線抵抗を低減する必要がある。薄膜型電子源の場合、下部電極(映像信号電極)、又は上部電極に給電する上部バス電極配線(走査信号配線)を低抵抗化することが考えられる。しかしながら、下部電極を低抵抗化するため厚膜化すると配線の凹凸が激しくなり、電子加速層の品質が低下したり、上部バス電極などが断線しやすくなるなど、信頼性に問題が生じる。そこで上部バス電極配線を低抵抗化する方法が好ましい。
上部バス電極配線の配線抵抗を下げるには、比抵抗が小さい厚膜材料を用いるのが有効である。銅(Cu)は比抵抗が銀(Ag)に次いで小さく、また安価であり、スパッタ成膜速度も速いため厚膜化しやすい。また、Cuはめっき法によっても厚膜を形成できるので上部バス電極配線に適した材料である。しかし、Cuは酸化しやすく、例えばFEDパネルに適用した場合、その高温封着工程で容易に酸化してしまう。そこで、Cuの上下を耐熱性で耐酸化性の高い金属で挟み込み酸化防止することが考えられるが、Cuの上下を耐酸化性の高い金属でサンドイッチすることでCuの大部分は酸化されずに済むものの、配線側面の酸化は防止できない。上部バス電極配線には、上部電極を自己整合的に分離する機構も併せ持つことが望ましいが、配線側面の酸化により、Cuと下層膜で形成したアンダーカット部が変形し、画素分離特性が劣化する場合がある。
又、上部バス電極配線の配線抵抗を下げるには、例えば、スクリーン印刷によって形成する銀(Ag)や金(Au)電極なども有効である。さらに、上部バス電極配線には上部電極を自己整合的に分離する構造、スペーサを設置し、スペーサの帯電を防止すると共にスペーサにかかる大気圧による下層配線等への機械的損傷を防止できるスペーサ電極の機能(スペーサを上部バス電極配線に電気的に接続する機能)を付加することが求められる。しかし、スクリーン印刷では、上部電極を自己整合的に分離する画素分離特性実現のための複雑な構造を作成することは困難である。
真空成膜等による薄膜配線上にAg等のスクリーン印刷等による厚膜配線を積層することも開示されているが、AgやAu等のペーストを用いたスクリーン印刷配線の場合は、ペーストを焼結する際、バインダを焼失させるために、大気中雰囲気など酸素が存在する状態で高温熱処理を行うため、薄膜の表面が酸化し、薄膜と厚膜配線間の接触抵抗が大きくなり、実質的に低抵抗化できない問題がある。
更に、低抵抗材料として耐酸化性の高いアルミニウム(Al)(以下、単にアルミとも呼称する)又はアルミニウム合金(Al合金)(以下、アルミ合金とも呼称する)材料を使用し、上下の電極は耐酸化性の高く、Alより標準電極電位の貴なクロム(Cr)またはクロム合金(Cr合金)等で形成する構成が特許文献2に開示されている。
特許文献2では、AlまたはAl合金に対し、CrまたはCr合金等を選択的にエッチング処理して、片方は下層のCrまたはCr合金等の電極が張り出し、他の片方は下層のCrまたはCr合金等の電極がAlまたはAl合金電極に対しアンダーカットを形成する。電極電位の卑なAlまたはAl合金より、電極電位の貴なCrまたはCr合金等の金属材料を選択的にエッチングしてアンダーカットを入れるために、下層より上層のCrまたはCr合金等の膜厚を厚くし、また上層CrまたはCr合金等で被覆されないAl又はAl合金の露出量を制限して、AlまたはAl合金とCrまたはCr合金等の間の局部電池作用を制御し、適切なアンダーカット量を確保する製造方法が開示されている。
この構成では、アンダーカット部の変形が抑制されて上部電極の自己整合分離特性を向上でき、又、画像表示装置の封着工程などの酸素含有雰囲気中での高温熱処理を経ても画素分離特性を劣化させることなく、低抵抗の上部バス電極配線(走査信号配線)を作成でき、これにより、表示領域内で均一な輝度の画像が得られる特徴を備えている。
しかしながら、このような特徴を持つこの特許文献2の構成においても、走査信号配線下層Crを側壁の一方が素子分離用のアンダーカット、他方がコンタクト用のテーパー加工とそれぞれ異なる加工を同時に行うことが要求され、加工性の低下は免れない。
又、テーパー加工が不十分であると、上部電極の断線が発生する恐れがあり、断線の発生は電子源への給電不良となる。
更に、走査信号配線下層Crは、パネル封着時等に受ける熱処理の影響により、前記下層Crが酸化し、導通の変動や導通不良の発生の恐れがあり、その解決が求められている。
本発明の目的は、上述した問題を解決し、給電及び導通の信頼性の向上と素子分離の信頼性の確保、更には製造工程の短縮を可能とし、表示特性の優れた長寿命の画像表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、走査信号配線と層間絶縁膜間にクロム帯を埋設し、このクロム帯の一方の側壁から外側方向に向かって連続してこのクロム帯厚さに略等しいアンダーカット部を前記走査信号配線と前記層間絶縁膜間に備え、このアンダーカット部で上部電極を分断して素子分離を行うことを特徴とする。
又、本発明は、走査信号配線をアルミニウム膜の単層膜構造としたことを特徴とする。
走査信号配線と層間絶縁膜間にクロム帯を埋設し、クロム帯を実質的に密封したことにより、クロムの揮発による電子源汚染を回避でき、電子放射特性の信頼性が確保され、長寿命化を達成できる。
又、アンダーカット部の形成にクロムを利用することにより、加工精度と加工性の向上が図れ、素子分離の信頼性が確保できる。
以下、本発明の最良の形態につき、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至図3は、本発明による画像表示装置の実施例の構成を説明する模式図で、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)の側面図、図2は図1(b)のA−A線に沿う断面図、図3(a)は図2のB−B線に沿う断面図とその背面基板と対応する部分の前面基板の断面図、図3(b)は図3(a)の要部拡大図である。
図1乃至図3において、参照符号1は背面基板、2は前面基板、3は枠体、4は排気管、5は封着部材、6は表示領域を含む真空領域、7は貫通孔、8は映像信号配線、9は走査信号配線、10は電子源、11は接続配線、12はスペーサ、13は接着部材、14は層間絶縁膜、15は蛍光体層、16は遮光用のBM(ブラックマトリクス)膜、17は金属薄膜からなるメタルバック(陽極電極)である。
参照符号1で示す背面基板と前面基板2は略矩形状を呈し、厚さ数mm、例えば1〜10mm程度のガラス板からそれぞれ構成されている。参照符号3は枠状を呈する枠体である。この枠体3は例えばフリットガラスの燒結体或いはガラス板等から構成され、単体で若しくは複数部材の組み合わせで略矩形状とされ、前記両基板1、2間に介挿されている。また、枠体3は、前記両基板1、2間の周縁部に介挿され、両端面が両基板1、2と気密接合されている。この枠体3の厚さは数mm〜数十mm、その高さは両基板1、2間の前記間隔に略等しい寸法に設定されている。
参照符号4は排気管で、この排気管4は前記背面基板1に固着されている。参照符号5は封着部材で、この封着部材5は例えば低融点フリットガラス、例えばPbO:75〜80wt%、B2O3:約10wt%、その他:10〜15wt%等の組成からなり、かつ非晶質タイプのフリットガラスを含むガラス材料からなるもの等が知られており、前記枠体3と両基板1、2間を接合して気密封着している。
前記枠体3と両基板1、2及び封着部材5で囲まれた表示領域を含む真空領域6は前記排気管4を介して排気され、例えば10-5〜10-7Torrの真空度を保持している。又、前記排気管4は前述のように前記背面基板1の外表面に取り付けられ、この背面基板1を貫通して穿設された貫通孔7に連通しており、排気完了後前記排気管4は封止される。
参照符号8はストライプ状の映像信号配線で、この映像信号配線8は例えばアルミニウム(Al)膜、アルミニウムとネオジム(Al−Nd)膜等からなり、前記背面基板1の内面に一方向(Y方向)に延在し他方向(X方向)に並設されている。後述するようにこの映像信号配線8の上面にトンネル絶縁層82及びフィールド絶縁膜81を備えている。この映像信号配線8は表示領域を含む真空領域6から枠体3と背面基板1との接合領域を気密に貫通し、背面基板1の長辺側の端部まで延在し、その先端部を映像信号配線引出端子8aとしている。
参照符号9はストライプ状の走査信号配線で、この走査信号配線9は前記映像信号配線8上でこれと交差する前記他方向(X方向)に延在し前記一方向(Y方向)に並設されている。この走査信号配線9の詳細は後述するが、この走査信号配線9はアルミニウム膜からなる単層厚膜92からなっている。この走査信号配線9は表示領域を含む真空領域6から枠体3と背面基板1との接合領域を気密に貫通し、背面基板1の短辺側の端部まで延在し、その先端部を走査信号配線引出端子9aとしている。
参照符号10は電子源である。この電子源10は例えば特許文献1、特許文献2に開示された電子源の一種のMIM型電子源で、この電子源10は前記走査信号配線9と映像信号配線8の交差部近傍で、前記映像信号配線8の前記トンネル絶縁層82の部分に設けられている。この電子源10は前記走査信号配線9と接続配線11で接続されている。
又、前記映像信号配線8と、前記走査信号配線9間には層間絶縁膜14及びクロム帯24が配置されている。この層間絶縁膜14としては、例えばシリコン酸化物やシリコン窒化物、シリコンなどを用いることができるが、ここではシリコン窒化物を用いている。
この層間絶縁膜14は前記フィールド絶縁膜81にピンホールがあった場合、その欠陥を埋め、映像信号配線8と走査信号配線9間の絶縁を保つ役割を果たす。クロム帯24の詳細については後述する。
次に、参照符号12はスペーサで、このスペーサ12はセラミックス材等の絶縁材料からなり、抵抗値の偏在が少なく、かつ長方形の薄板形状に整形された絶縁性基体121と、この絶縁性基体121の表面を覆い、かつ抵抗値の偏在の少ない被膜層122から構成されている。このスペーサ12は108〜109Ω・cm程度の抵抗値を有し、全体として抵抗値の偏在の少ない構成となっている。また、スペーサ12は前記枠体3と略平行で走査信号配線9上に1本おきに直立配置され、接着部材13で両基板1、2と接着固定している。このスペーサ12の基板との接着固定は一端側のみでも良く、更にその配置は通常、複数の画素毎に画素の動作を妨げない位置に設置される。
スペーサ12の寸法は基板寸法、枠体3の高さ、基板素材、スペーサの配置間隔、スペーサ素材等により設定されるが、一般的には高さは前述した枠体3と略同一寸法、厚さは数十μm〜数mm、長さは20mm乃至1000mm程度、更にはそれ以上の長尺も可能であるが、好ましくは80mm乃至300mm程度が実用的な値となる。
一方、前記スペーサ12の一端側が固定された前面基板2の内面には、赤色、緑色、青色用の蛍光体層15が遮光用のBM(ブラックマトリクス)膜16で区画された窓部に配置され、これらを覆うように金属薄膜からなるメタルバック(陽極電極)17が例えば蒸着方法で設けられて、蛍光面を形成している。このメタルバック17は前面基板2と反対側、つまり背面基板1側への発光を前面基板2側へ向け反射させ、発光の取り出し効率を上げる為の光反射膜であると共に蛍光体粒子の表面の帯電を防ぐ機能も合わせ持っている。又、このメタルバック17は面電極として示してあるが、走査信号配線9と交差して画素列ごとに分割されたストライプ状電極とすることもできる。
前記蛍光体としては、例えば赤色用としてY23:Eu、Y22S:Euを、又、緑色用としてZnS:Cu,Al、Y2SiO5:Tb、更に、青色用としてZnS:Ag,Cl、ZnS:Ag,Al等を用いることができる。この蛍光体層15は、蛍光体粒子の平均粒径は例えば4μm〜9μm、膜厚は例えば10μm〜20μm程度となっている。
次に、前述したクロム帯24はストライプ状を呈して前記走査信号配線9と同方向に延在し、前記層間絶縁膜14と走査信号配線9間に埋設されている。この埋設されたクロム帯24は、その側壁から外側方向に連続して設けられた間隙でアンダーカット部25を形成しており、このアンダーカット部25で上部電極26を分断して素子分離を行う構成である。
実施例1による素子分離は、前記走査信号配線9がこの走査信号配線9を挟んでその両側に配置されている前記電子源10の一方とは導通し、他方とは非導通とする構成で実施されている。前記アンダーカット部25は、前記走査信号配線9が前記電子源10と非導通となる側で前記走査信号配線9が庇状を呈する形状となって構成されている。
このアンダーカット部25で、前記電子源10を構成するトンネル絶縁層82と前記走査信号配線9とを繋ぐ上部電極26を分断し、前記他方の電子源と非導通として素子分離を図っている。一方、前記導通側ではクロム帯24は前記走査信号配線9下に埋設されている。
クロム帯24は、前記層間絶縁膜14と走査信号配線9間に実質的に密封された構成となっており、従って、後工程における熱処理工程においてもクロムガスの放出は殆ど無視でき、このガス放出によって発生ずる電子放射への悪影響を回避して長寿命の画像表示装置の提供を可能にしている。
次に、本発明の画像表示装置の製造方法の実施例について、実施例1の両信号配線及び電子源等の製造工程を図4乃至図14を参照して説明する。図4乃至図14において、各図(a)は模式平面図、各図(b)は各図(a)のC−C線に沿う模式断面図、各図(c)は各図(a)のD−D線に沿う模式断面図で、前述した図と同一部分には同一記号を付してある。この電子源はMIM型電子源である。
先ず、図4に示すように背面基板1を構成するガラス等の絶縁性の基板上の略全面に映像信号配線8用の金属膜を成膜する。この映像信号配線8の材料としてはアルミ(Al)又はアルミを主成分とするアルミ合金を用いた。このAlを用いるのは陽極酸化により良質の絶縁膜を形成できる特性を利用できることが一つの要因である。ここでは、ネオジム(Nd)を2原子量%ドープしたAl―Nd合金を用いた。成膜には、スパッタリング方法を用い、膜厚は600nmとした。
成膜後、パターニング工程、エッチング工程によりストライプ形状の映像信号配線8を形成した(図5)。この映像信号配線8の配線幅は画像表示装置のサイズや解橡度により異なるが、そのサブピクセルのピッチ程度、大体100〜200ミクロン(μm)程度とする。エッチングは例えば燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液でのウェットエッチングを用いる。この配線は幅の広い簡易なストライプ構造のため、レジストのパターニングは安価なプロキシミティ露光や、印刷法などで行うこともできる。
次に、前記映像信号配線8表面に、電子放出部を制限し、映像信号配線8のエッジヘの電界集中を防止するフィールド絶縁膜81と、トンネル絶縁層82をそれぞれ形成する(図6)。これは、先ず図6に示した映像信号配線8上の線幅の略中央部で将来電子放出部となる部分に相当する部位をレジスト膜でマスクし、その他の部分を選択的に厚く陽極酸化して保護絶縁膜となるフィールド絶縁膜81を形成する。この作業では化成電圧を100V〜200Vとすれば、厚さ約140nm〜280nmのフィールド絶縁膜81が形成される。
その後、前記レジスト膜を除去して残りの映像信号配線8の表面を陽極酸化する。例えば、化成電圧を6Vとすれば、映像信号配線8上に厚さ約10nmのトンネル絶縁層82が形成される(図6)。
次に、層間絶縁膜14をスパッタリング方法で成膜する(図7)。この成膜はCVDを利用することも可能である。前記層間絶縁膜14としては、例えばシリコン酸化物やシリコン窒化物、シリコンなどの材料を用いる。ここでは、前記層間絶縁膜14をアルゴン(Ar)と窒素(N2)雰囲気中で反応性スパッタにより成膜した窒化シリコン(SiN)を用い膜厚は200nmとした。この層間絶縁膜14は、陽極酸化で形成する前記フィールド絶縁膜81にピンホールがあった揚合、その欠陥を埋め、映像信号配線8と走査信号配線9間の絶縁を保つ役割を果たす。
次に、層間絶縁膜14を加工し、トンネル絶縁層82上の層間絶縁膜14を除去してトンネル絶縁層82を露呈する。この加工のエッチングは、例えばCF4やSF6を主成分とするエッチングガスを用いたドライエッチングによって行うことができる(図8)。
次に、クロム膜23をスパッタリング方法で形成する(図9)。このとき、スパッタリング成膜による膜厚を100nm〜200nmとした。
次に、クロム膜23をエッチング加工し、クロム帯24を形成する。このクロム膜23のエッチングは例えば硝酸アンモニウムセリウム水溶液でのウェットエッチングにより行う。加工されたクロム帯24は、映像信号配線8と略直交する方向に延在するストライプ状を呈する(図10)。
このクロム膜23の加工において、電子源のトンネル絶縁層82に対応する部分と層間絶縁膜14に対応する部分の間の狭い細長領域で、クロム膜23が除去される。すなわち、クロム膜23がトンネル絶縁層82、層間絶縁膜14とオーバーラップしない領域で、クロム膜23が除去され、フィールド絶縁膜81が露呈されるように溝241が形成される。この溝241は平面がストライプ状で、クロム帯24による側壁がテーパー状の構成である(図10)。
次に、走査信号配線9用のアルミ膜91を前記クロム膜24と露呈された溝241の全面を覆うようにスパッタリング方法で成膜した。膜厚は4.5μmとした(図11)。
続いて、前記アルミ膜91をホトエッチングにより加工し、前記映像信号配線8とは直交する方向に延在するストライプ状の走査信号配線9の厚膜92を形成する(図12)。
この加工でのエッチングは例えば燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液でのウェットエッチングを用いる。
この厚膜92の位置は、前記溝241から隣接する同色のトンネル絶縁層82(図示せず)との間で、前記クロム帯24とは中心がオフセットされて重畳配置され、クロム帯24の一端側、すなわち前記隣接する同色のトンネル絶縁層82(図示せず)側の露呈部24bを除く残部を覆う構成となっている。又、この厚膜92は延在方向に直交する断面は略台形状である。
この厚膜92をアルミで構成することは、低抵抗を呈することと、エッチング液の燐酸、酢酸、硝酸の比率を調整することにより、具体的には硝酸の比率を高めることによりレジスト端面の接着性を低下させることで加工が容易であり、走査信号配線材料として好ましいものである。
次に、クロム帯24を例えば硝酸アンモニウムセリウム水溶液を用いてウェットエッチングにより加工する。このウェットエッチング工程により、前記露呈部24bが溶解除去される。
更に、これに加えて前記露呈部24bに続く前記厚膜92の下側のクロム帯24の一部もサイドエッチによって溶解除去されクロム帯24の側壁が厚膜92の下側に後退する。
これにより、クロム帯24の側壁から前記露呈部24b側の外側方向に向かって連続してこのクロム帯24の厚さに略等しい間隙が前記走査信号配線と前記層間絶縁膜間に形成され、前記厚膜92が庇状を呈してこの部分がアンダーカット部25となる(図13)。
次に、上部電極26の成膜を行う。この成膜法は、例えばスパッタ成膜を用いる。上部電極26としては、例えばイリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)の積層膜を用い、膜厚は例えば3nmとした。この上部電極26は、トンネル絶縁層82からフィールド絶縁膜81、上層膜94を連続して覆う形状に成膜され、図示しない隣接する走査信号配線とは前記アンダーカット部25で隔絶する構成となっている(図14)。
以上の工程で背面基板1上の走査信号配線9、映像信号配線8、電子源10及び上部電極26をそれぞれ形成する。
実施例2では、走査信号配線は、前記電子源と導通する側のエッジと非導通側となるエッジとの形状が異なり、厚さ方向の断面形状が線の中心軸の左右で非対称形状となっている。導通側のエッジは前記走査信号配線がテーパー形状を呈し,反対側の非導通側エッジでは前記クロム帯がサイドエッチングで凹み、前記走査信号配線が庇状を呈する形状となっている。このエッジ形状の差により、導通側エッジでは前記上部電極が走査信号配線から電子源まで連続して形成されるのに対し、非導通側エッジ部分では前記上部電極がアンダーカット部分で分断され、隣接する電子源と非導通とする素子分離の構成となっている。
以上の実施例では、電子源にMIM型を用いた構造を例としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記した各種の電子源を用いた自発光型FPDに対しても同様に適用できるものである。
本発明による画像表示装置の実施例の構成を説明する模式図で、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)の側面図である。 図1(b)のA−A線に沿う模式断面図である。 図3(a)は図2のB−B線に沿う模式断面図とその背面基板と対応する部分の前面基板の模式断面図、図3(b)は図3(a)の要部を拡大して示す模式断面図である。 本発明による画像表示装置の製造工程を説明する模式図で、図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のC−C線に沿う断面図、図4(c)は図4(a)のD−D線に沿う断面図である。 本発明による画像表示装置の製造工程を説明する図で、図5(a)は平面図、図5(b)は図5(a)のC−C線に沿う断面図、図5(c)は図5(a)のD−D線に沿う断面図である。 本発明による画像表示装置の製造工程を説明する図で、図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)のC−C線に沿う断面図、図6(c)は図6(a)のD−D線に沿う断面図である。 本発明による画像表示装置の製造工程を説明する図で、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)のC−C線に沿う断面図、図7(c)は図7(a)のD−D線に沿う断面図である。 本発明による画像表示装置の製造工程を説明する図で、図8(a)は平面図、図8(b)は図8(a)のC−C線に沿う断面図、図8(c)は図8(a)のD−D線に沿う断面図である。 本発明による画像表示装置の製造工程を説明する図で、図9(a)は平面図、図9(b)は図9(a)のC−C線に沿う断面図、図9(c)は図9(a)のD−D線に沿う断面図である。 本発明による画像表示装置の製造工程を説明する図で、図10(a)は平面図、図10(b)は図10(a)のC−C線に沿う断面図、図10(c)は図10(a)のD−D線に沿う断面図である。 本発明による画像表示装置の製造工程を説明する図で、図11(a)は平面図、図11(b)は図11(a)のC−C線に沿う断面図、図11(c)は図11(a)のD−D線に沿う断面図である。 本発明による画像表示装置の製造工程を説明する図で、図12(a)は平面図、図12(b)は図12(a)のC−C線に沿う模式断面図、図12(c)は図12(a)のD−D線に沿う断面図である。 本発明による画像表示装置の製造工程を説明する図で、図13(a)は平面図、図13(b)は図13(a)のC−C線に沿う模式断面図、図13(c)は図13(a)のD−D線に沿う断面図である。 本発明による画像表示装置の製造工程を説明する図で、図14(a)は平面図、図14(b)は図14(a)のC−C線に沿う模式断面図、図14(c)は図14(a)のD−D線に沿う断面図である。
符号の説明
1・・・背面基板、2・・・前面基板、3・・・枠体、4・・・排気管、5・・・封着部材、6・・・表示領域を含む真空領域、7・・・貫通孔、8・・・映像信号配線、81・・・フィールド絶縁膜、82・・・トンネル絶縁層、9・・・走査信号配線、92・・・単層厚膜、10・・・電子源、11・・・接続配線、12・・・スペーサ、13・・・接着部材、14・・・層間絶縁膜、15・・・蛍光体層、16・・・遮光用のBM(ブラックマトリクス)膜、17・・・金属薄膜からなるメタルバック(陽極電極)、24・・・クロム帯、241・・・溝、25・・・アンダーカット部、26・・・上部電極。

Claims (4)

  1. 一方向に延在し該一方向と直交する他方向に並設された複数の映像信号配線と、前記他方向に延在し前記映像信号配線に交差する如く前記一方向に並設された複数の走査信号配線と、この走査信号配線と前記映像信号配線間に配置された層間絶縁膜と、前記映像信号配線と前記走査信号配線の交差部近傍に設けられ前記走査信号配線と接続された電子源とを備えた背面基板と、
    前記電子源に対応して設けられた蛍光体層と、前記電子源から放出される電子を前記蛍光体層に指向する如く加速電圧を印加するための陽極とを備えた前面基板と、
    前記前面基板と前記背面基板間に配置され前記両基板を所定の間隔に保持する枠体と、
    前記枠体と前記両基板を気密封着する封着部材とを備えた画像表示装置であって、
    前記走査信号配線と前記層間絶縁膜間にクロム帯を埋設配置し、このクロム帯の側壁から外側方向に向かって連続してこのクロム帯厚さに略等しいアンダーカット部を前記走査信号配線と前記層間絶縁膜間に備えたことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記クロム帯はクロム又はクロムを含むクロム合金からなることことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記走査信号配線はアルミニウム膜の単層膜構造としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  4. 一方向に延在し該一方向と直交する他方向に並設された複数の映像信号配線と、前記他方向に延在し前記映像信号配線に交差する如く前記一方向に並設された複数の走査信号配線と、この走査信号配線と前記映像信号配線間に配置された層間絶縁膜と、前記映像信号配線と前記走査信号配線の交差部近傍に設けられ前記走査信号配線と接続された電子源とを備えた背面基板と、
    前記電子源に対応して設けられた蛍光体層と、前記電子源から放出される電子を前記蛍光体層に指向する如く加速電圧を印加するための陽極とを備えた前面基板と、
    前記前面基板と前記背面基板間に配置され前記両基板を所定の間隔に保持する枠体と、
    前記両基板と前記枠体とを気密封着する封着部材とを備えた画像表示装置の製造方法であって、
    前記背面基板を構成する絶縁性の基板上にトンネル絶縁層及びフィールド絶縁膜を表面に備えたストライプ状の映像信号配線を形成する工程と、
    前記映像信号配線を前記層間絶縁膜で覆う工程と、
    前記層間絶縁膜上にクロム又はクロムを含むクロム合金からなるクロム膜を形成する工程と、
    前記クロム膜を加工し、前記映像信号配線と略直交する方向に延在するストライプ状のクロム帯を形成する工程と、
    前記クロム帯を含む表面をアルミニウム膜で覆う工程と、
    前記アルミニウム膜を加工し、前記クロム帯と幅方向でオフセットして重畳し前記クロム帯の幅方向の一端側を露呈させたストライプ状の単層膜を形成する工程と、
    前記クロム帯を前記露呈部分から前記単層膜下の一部まで連続して溶解し、残存したクロム帯から外側方向の前記単層膜と層間絶縁膜間に前記クロム帯厚さに略等しいアンダーカット部を形成する工程と、
    前記映像信号配線の前記トンネル絶縁層上に積層されている膜を除去して前記トンネル絶縁層を露呈させる工程と、
    このトンネル絶縁層上から前記走査信号配線上に亘って上部電極膜を成膜する工程と、
    前記アンダーカット部で前記上部電極膜を分断して隣接する走査信号配線との素子分離を行うと共に、前記トンネル絶縁層上から前記走査信号配線の一方の側壁を経て頂面迄連続して上部電極を形成する工程を備えたことを特徴とする画像表示装置の製造方法。
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