JP2009037689A - 磁気記録ヘッドの製造方法、磁気記録ヘッド、磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録ヘッドの製造方法、磁気記録ヘッド、磁気記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高密度磁気記録装置において、オーバーライト特性を損なうことなく記録時に隣接トラックのサイドイレーズを抑制できる磁気記録ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】主磁極の記録媒体対向面が、前記記録媒体の移動方向に対し左右非対称形状を有する垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法であって、前記主磁極層のエッチングマスクとして、主磁極層上に第1のマスク層を形成する工程と、前記主磁極層上に、前記第1のマスク層に隣接して、前記第1のマスク層とは異なる材料よりなる第2のマスク層を形成する工程と、前記主磁極層に対して異方性エッチングを、前記第1のマスク層と前記第2のマスク層をマスクとして行う第3の工程と、を含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、垂直磁気記録再生装置に係り、特に磁気記録ヘッドの製造方法に関する。
近年、情報の記録装置として、例えばハードディスクに情報を記録するハードディスクドライブが普及している。このハードディスクドライブの開発分野では、ハードディスクの面記録密度の向上に伴い、磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドの記録方式としては、例えば、信号磁界の向きをハードディスクの面内方向(長手方向)にする長手記録方式と、ハードディスクの面に対して垂直な方向にする垂直記録方式とが知られている。現在のところは長手記録方式が広く利用されているが、面記録密度の向上に伴う市場動向を考慮すれば、今後は長手記録方式に代わり垂直記録方式が有望視されるものと想定される。なぜなら、垂直記録方式では、高い線記録密度を確保可能な上、記録済みの記録媒体が熱揺らぎの影響を受けにくいという利点が得られるからである。
垂直記録方式を利用した記録態様としては、例えば、一端側においてギャップを介して互いに対向し、かつ他端側において互いに磁気的に連結されたヘッド(リング型ヘッド)を使用して、主要部が単層膜構成をなすハードディスクに情報を記録する態様や、ハードディスクに対して垂直に配置されたヘッド(単磁極型ヘッド)を使用して、主要部が2層膜構成をなすハードディスクに情報を記録する態様が提案されている。これらの態様のうち、単磁極型ヘッドと2層膜構成のハードディスクとの組み合わせは、熱揺らぎに対する耐性が顕著に優れている点に基づき、磁気ヘッドの性能向上を実現し得るものとして注目されている。
日経エレクトロニクス2001年2月12日号(No.789)
ところで、垂直記録型の磁気ヘッドの記録性能を向上させるためには、例えば、一般に「サイドイレーズ」と呼ばれる不具合の影響を可能な限り抑制する必要がある。このサイドイレーズとは、ハードディスク上の記録対象となるトラック(以下、「記録対象トラック」という)への記録時に、その記録対象トラックに隣接したトラック(以下、「隣接トラック」という)に既に記録されている情報が意図せずに上書きされてしまう現象である。
このサイドイレーズは、主に、スキューに起因して発生する。このスキューとは、ハードディスクドライブの記録動作時にサスペンション(スライダを支持するステンレス製の板バネ)をトラック方向に移動させた際、ハードディスクの回転方向に対して単磁極型ヘッドが僅かに傾いてしまう現象である。スキューが発生すると、単磁極型ヘッドのうち、記録対象トラックに対応した本来の記録箇所以外の箇所に集中した磁束に基づいて余分な垂直磁界が発生し、この余分な垂直磁界により隣接トラックが上書きされてしまうのである。したがって、サイドイレーズに起因する悪影響を抑制するためには、例えば、サイドイレーズを誘発する余分な垂直磁界の発生量が低下することとなるように単磁極型ヘッドを構成すればよい。
この点を考慮した磁気ヘッドの構成に関しては、既にいくつかの提案がなされている。例えば、日経エレクトロニクス2001年2月12日号(No.789)中の67頁には、単磁極型ヘッドのうち、一定幅を有する先端部分の下方部を部分的に除去してその先端部分の先端面の面積を小さくすることにより、余分な垂直磁界の発生量を低下させる手法が掲載されている。
しかしながら、この種の単磁極型ヘッドについては、主に2つの問題が挙げられる。
第1に、単磁極型ヘッドの先端面の面積が小さくなると、サイドイレーズに起因する悪影響(例えば、出力信号の劣化等)の抑制に関する観点において利点が得られる一方、先端面の面積の減少に応じて単磁極型ヘッドから放出される記録用の磁束の放出量が減少し、これにより垂直磁界強度が低下するため、磁気ヘッドの記録性能を決定する重要な因子のうちの1つであるオーバーライト特性が劣化してしまう。このオーバーライト特性とは、ハードディスクに記録されていた情報に新たな情報を重ね書きする特性をいう。
第2に、先端部分の下方部が部分的に除去された特徴的な構成をなす単磁極型ヘッドを形成するために、例えば、量産性の低いFIB(Focused Ion Beam)などのエッチング技術を使用して、エアベアリング面側から先端部分の下方部を部分的に除去する必要があるものと推定されるため、量産性に劣り、かつエッチング時に単磁極型ヘッドまたはその周辺部にダメージを与えるおそれがある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、オーバーライト特性の確保とサイドイレーズに起因する出力信号の劣化等の悪影響の抑制とを両立可能な磁気記録ヘッドを提供することにある。
一の側面によれば本発明は、主磁極の記録媒体対向面が、前記記録媒体の移動方向に対し左右非対称形状を有する磁気記録ヘッドの製造方法であって、前記主磁極層のエッチングマスクとして、主磁極層上に第1のマスク層を形成する工程と、前記主磁極層上に、前記第1のマスク層に隣接して、前記第1のマスク層とは異なる材料よりなる第2のマスク層を形成する工程と、前記主磁極層に対して異方性エッチングを、前記第1のマスク層と前記第2のマスク層をマスクとして行う第3の工程と、を含む、磁気記録ヘッドの製造方法を、提供する。
他の側面によれば本発明は、基台と、前記基台上に形成された主磁極層と、前記主磁極層に磁気的に結合した薄膜コイルと、を備えた磁気記録ヘッドであって、前記主磁極層は前記基台上において、記録媒体に対向する面が前記磁気記録媒体の移動方向に対して左右非対称な逆台形形状を有し、前記主磁極層上には、前記右側に第1の層が、前記左側に第2の層が形成されており、前記第1の層の材料は、前記第2の層の材料とは異なる磁気記録ヘッド、およびかかる磁気記録ヘッドを使った磁気記録装置を提供する。
本発明によれば、進行方向における媒体流出側から媒体流入側に向かって連続的または段階的に幅が拡大する幅拡大領域を、矩形領域の幅方向におけるいずれか一方の側からのぞいてなる形状を有するような磁極端面を容易に形成することが可能となる。その結果、例えば、矩形領域から幅拡大領域が除かれることとなる一方の側を、サイドイレーズが発生する側、すなわち磁極端面から記録媒体の記録対象トラックに向けて放出された磁束により隣接トラックに既に記録されている情報が意図せずに上書きされることとなる側に対応させれば、隣接トラックへの磁極端面のはみ出しが防止または抑制されると共に、磁束の放出口としての磁極端面の面積が確保されるために十分な垂直磁界強度が得られる。したがって、オーバーライト特性の確保とサイドイレーズに起因する悪影響の抑制とを両立させることができる。ここで、「媒体流出側」とは、記録媒体の移動を1つの流れと見た場合に、その流れの流出する側をいい、「媒体流入側」とは、その流れの流入する側をいう。
その際、本発明では、主磁極層上、第1の側(右側)および第2の側(左側)に、それぞれ第1および第2の層を、異なった材料で形成しておくことにより、かかる前記主磁極層上に第1および第2の層を担持する構造に対して異方性エッチングを適用し、前記第1および第2の層をマスクに前記主磁極層をエッチングした場合、前記第1の層と第2の層とで材料が異なる結果、エッチング速度も右側と左側で異なり、前記磁気記録媒体を走査する磁極端面を、右側と左側で傾斜角の異なる傾斜側壁面で画成された逆台形状のパターンに形成することが可能となる。本発明によれば、かかる逆台形状パターンを有する主磁極層を、生産性に優れたイオンミリング法により形成することが可能となり、磁気記録ヘッドの製造費用を低減することが可能となる。
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。以下ではまず本発明の磁気ヘッドの構造を、製造方法を含め概観し、次に本発明の主磁極の磁気記録特性を、最後に本発明の主磁極形成方法を、説明する。
1.本発明の磁気ヘッドの構造
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの構成について説明する。
図1は、本発明の磁気ヘッドの断面構成を表し、図2は、前記図1に示した磁気ヘッドの主要部(主磁極層)の斜視構成を拡大して表す。なお前記図1中、(A)図はエアベアリング面に平行な断面を示し(B)図はエアベアリング面に垂直な断面を示す。なお図1に示した上向きの矢印Bは、磁気ヘッドに対してハードディスクが相対的に進行する方向を表す。
以下の説明では、図1および図2におけるX軸方向の距離を「幅」、Y軸方向の距離を「長さ」、Z軸方向の距離を「厚みまたは高さ」とそれぞれ表記すると共に、Y軸方向のうちのエアベアリング面に近い側を「前側または前方」、その反対側を「後側または後方」とそれぞれ表記する。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、例えばハードディスクなどの記録媒体に情報を記録することを目的として、ハードディスクドライブなどの磁気記録再生装置に磁気記録用のデバイスとして搭載される。
本発明の磁気ヘッドは、例えば、再生・記録の双方の機能を実行可能な複合型ヘッドであり、図1に示すように、例えばアルティック(Al・TiC)などのセラミック材料よりなる基板1上に、例えば酸化アルミニウム(Al;以下、単に「アルミナ」という)よりなる絶縁層2と、磁気抵抗効果(MR;Magneto−resistance)を利用して再生処理を実行する再生ヘッド部100Aと、例えばアルミナよりなる非磁性層8と、垂直記録方式により記録処理を実行する記録ヘッド部100Bと、例えばアルミナよりなるオーバーコート層15と、がこの順に積層された構成を有する。
前記再生ヘッド部100Aは、例えば下部シールド層3と、シールドギャップ膜4と、上部シールド層7とをこの順に積層した構成を有し、前記シールドギャップ膜4には、エアベアリング面20に一端面が露出するように、磁気再生デバイスとしてMR素子5が埋設されている。前記エアベアリング面20は、ハードディスクに対向する磁気ヘッドの対向面(記録媒体対向面)を意味する。
前記下部シールド層3および上部シールド層7は、主に、MR素子5を周囲から磁気的に遮蔽する。前記下部シールド層3および上部シールド層7は、例えば、ニッケル鉄合金(NiFe(以下、単に「パーマロイ(商品名)」という);Ni:80重量%,Fe:20重量%)などの磁性材料により構成され、約1.0〜2.0μmの厚さを有する。
前記シールドギャップ膜4は、下部シールド層3や上部シールド層7からMR素子5を磁気的かつ電気的に分離し、例えば、アルミナなどの非磁性非導電性材料により構成され、約0.1〜0.2μmの厚さを有する。
前記MR素子5は、例えば、巨大磁気抵抗(GMR;Giant Magneto−resistive)効果やトンネル磁気抵抗(TMR;Tunneling Magneto−resistive)効果などを利用して再生処理を実行する。
一方、前記記録ヘッド部100Bは、例えば補助磁極層9と、薄膜コイル11を埋設するギャップ層10ならびに連結部12と、ギャップ層10に設けられた開口10CKを通じて連結部12を介して補助磁極層9と磁気的に連結された主磁極層13とがこの順に積層された構成を有する。
前記補助磁極層9は、主に主磁極層13から放出された磁束をハードディスク(図示せず)を経由して環流させる機能を担い、例えば、パーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)などの磁性材料により構成されており、約1.0〜2.0μmの厚さを有する。
前記ギャップ層10は前記補助磁極層9上に配設され、開口10AKが設けられたギャップ層部分10Aと、前記ギャップ層部分10A上に配設され薄膜コイル11の各巻線間よびその周辺領域を覆うギャップ層部分10Bと、前記ギャップ層部分10A,10Bを部分的に覆うように配設され、開口10CKが設けられたギャップ層部分10Cとを含んで構成されている。
前記ギャップ層部分10Aは、例えばアルミナやシリコン酸化物(SiO)などの非磁性非導電性材料により構成されており、約0.1〜1.0μmの厚さを有する。一方、前記ギャップ層部分10Bは、例えば、加熱されることにより流動性を示すフォトレジスト(感光性樹脂)やスピンオングラス(SOG)などにより構成されている。さらに前記ギャップ層部分10Cは、例えばアルミナやシリコン酸化物などの非磁性材料により構成され、前記ギャップ層部分10Bの厚さよりも大きな厚さを有する。
前記薄膜コイル11は主に、記録用の磁束を発生させるものであり、例えば、銅(Cu)などの高導電性材料により構成されており、連結部12を中心としてスパイラル状に巻回する巻線構造をなしている。なお前記図1は、薄膜コイル11を構成する複数の巻線のうちの一部のみを示していることに注意すべきである。
前記連結部12は前記補助磁極層9と主磁極層13と間を磁気的に連結させるためのものであり、例えばパーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)などの磁性材料により構成される。
前記主磁極層13は、主に薄膜コイル11において発生した磁束を収容し、その磁束をハードディスク(図示せず)に向けて放出するものであり、例えば、ギャップ層部分10Cのうちの前方部分上に配設された磁極部分層13Aと、前記磁極部分層13A上に配設されたバッファ層14を挟んで、前記磁極部分層13Aの後方部分を周囲から覆うように配設されたヨーク部分層13Bとを含む。
前記磁極部分層13Aは、主に磁束の放出部分として機能する。前記磁極部分層13Aは、例えば、ヨーク部分層13Bよりも飽和磁束密度が大きい磁性材料により構成されており、約0.1〜1.0μmの厚さを有する。前記磁極部分層13Aの構成材料としては、例えば、鉄および窒素を含む材料や、鉄、ジルコニアおよび酸素を含む材料や、鉄およびニッケルを含む材料などが挙げられ、より具体的には、パーマロイ(Ni:45%,Fe:55%)、窒化鉄(FeN)、鉄コバルト合金(FeCo)、鉄を含む合金(FeM)、鉄およびコバルトを含む合金(FeCoM)のうちの少なくとも1種を選択可能である。ここで、上記構造式(FeM,FeCoM)中のMは、例えば、ニッケル、窒素、炭素(C)、ホウ素(B)、珪素、アルミニウム、チタン(Ti)、ジルコニア、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、銅のうちの少なくとも1種である。
前記磁極部分層13Aは、例えば、図2に示したように、エアベアリング面20側から順に、ハードディスクの記録トラック幅を規定する先端部13A1と、前記先端部13A1に磁気的に連結された後端部13A2とを含んで構成されており、前記先端部13A1の一端面(露出面)20Mが、前記エアベアリング面20に露出している。なお、露出面20Mの構成を含む磁極部分層13Aの詳細な構成については、後述する(図3参照)。
前記ヨーク部分層13Bは、主に磁束の収容部分として機能し、例えば、耐食性に優れ、かつ磁極部分層13Aよりも高抵抗な磁性材料により構成され、約1.0〜2.0μmの厚さを有する。なお、例えば前記ヨーク部分層13Bの構成材料として、前記磁極部分層13Aの構成材料と同様の組成系のものを用いる場合には、磁極部分層13Aよりもヨーク部分層13Bについて飽和磁束密度を小さくするために、鉄の含有割合を少なめにするのが好ましい。
前記ヨーク部分層13Bは、前記磁極部分層13Aのうちの後端部13A2の両側面と磁気的に連結されていると共に、その後端部13A2の後端面とも磁気的に連結されている。前記磁極部分層13Aとは異なり、前記ヨーク部分層13Bはエアベアリング面20に露出しておらず、例えば、エアベアリング面20から約1.5μm以上後退している。前記主磁極層13の詳細な作製手順については後述する(図7、図8参照)。
前記バッファ層14は、主に前記磁極部分層13Aの形成時に、後述する特徴的な構成をなすように先端部13A1を形成するために用いられるものであり、例えば、磁極部分層13Aとほぼ同様の平面構成をなしている。前記このバッファ層14は、例えば、磁極部分層13Aよりもエッチング速度が遅い材料、具体的にはニッケル銅、チタンまたはタンタルを含む材料や、アルミナや、シリコン酸化物などの非磁性絶縁材料などにより構成されており、約0.1〜1.0μmの厚さを有する。
次に、図1〜図3を参照しながら、磁極部分層13Aの詳細な構成について説明する。
図3は、磁極部分層13Aの露出面20Mの平面構成を拡大して表す図である。
図3に示すように、前記磁極部分層13Aの一部をなす先端部13A1の露出面20Mは、媒体流出側から媒体流入側に向かって連続的に幅が拡大する幅拡大領域R2を、矩形領域R1の幅方向(図中のX軸方向)における両方の側から除いてなる形状を有する。すなわち前記露出面20Mは、媒体流出側に位置し、ハードディスクの記録トラック幅を規定する幅W1を有する上端縁E1(第1の端縁)と、媒体流入側に位置し、幅W2を有する下端縁E2(第2の端縁)と、幅方向に位置する2つの側端縁E3,E4(第3の端縁,第4の端縁)とを有しており、矩形領域R1のうち、幅方向(図中のX軸方向)における両方の側(例えば側端縁E4側)から、上端縁E1側から下端縁E2側に向かって連続的に幅が拡大する幅拡大領域R2を除いた残存領域R3に相当する形状をなしている。「媒体流出側」とは、進行方向Bに向かうハードディスクの進行(図1参照)を1つの流れと見た場合に、その流出する側を意味し、例えば図中、上側となる。また、「媒体流入側」とは、その流れの流入する側を意味し、例えば図中、下側となる。
前記矩形領域R1から幅拡大領域R2が除かれる「左の側」(側端縁E4側)の形状は、薄膜磁気ヘッドの記録動作時におけるサイドイレーズの発生状況に基づいて決定される。すなわち、「左の側」は、主磁極層13からハードディスクの記録対象トラックに向けて放出された磁束により、当該記録対象トラックに隣接した隣接トラックに既に記録されている情報が上書きされる恐れのある側を意味し、具体的には、例えば、所定の中心点を中心とする円盤状をなすハードディスクに対して主磁極層13が対向した場合、そのハードディスクの半径方向における中心点から遠い側を意味する。サイドイレーズの発生状況との詳細な関連については、後述する(図4〜図6参照)。
前記露出面20Mの構成についてより具体的に説明すると、前記露出面20Mは、上端縁E1を互いに平行な一組の対辺のうちの長い方の対辺とし、下端縁E2を短い方の対辺とすると共に、側端縁E3と上端縁E1とのなす角(底角)の角度θ1と、側端縁E4と上端縁E1とのなす角(底角)の角度θ2とが互いに異なる左右非対象の逆台形状をなしている。すなわち、上端縁E1の幅W1は、下端縁E2の幅W2(下端縁E2の近傍部分D)よりも大きくなっている(W1>W2)。ここでは、例えば、角度θ2が角度θ1よりも大きくなっている(θ1<θ2)。なお、角度θ1と角度θ2との関係が逆転する場合もあり、角度θ1または角度θ2のいずれが大きいかに関しては、サイドイレーズの発生状況に基づいて決定される。前記角度θ1は、例えば、約70度〜75度に、前記角度θ2は、例えば、約80度〜85度に設定される。
図2に示すように、長さ方向(図中のY軸方向)における先端部13A1の幅は、上端縁E1側おいて一定幅W1をなし、下端縁E2側において前記露出面20Mに向かって幅W1から幅W2に狭まっている。すなわち、先端部13A1は、側端縁E4側にテーパ面TMを有しており、前記エアベアリング面20に平行な断面Sの面積は、前記露出面20Mに近づくに従って減少する。
なお、前記後端部13A2の幅は、例えば、後方において先端部13A1の上端幅W1よりも大きな一定幅(例えば2.0μm)をなし、前方において先端部13A1に向かって狭まっている。
次に、図1〜図3を参照して、本発明の磁気ヘッドの動作について説明する。
本発明の磁気ヘッドでは、記録動作時において、図示しない外部回路を通じて記録ヘッド部100Bの薄膜コイル11に電流が流れると、薄膜コイル11において磁束が発生する。このとき発生した磁束は、主に主磁極層13に収容されてヨーク部分層13Bから磁極部分層13Aへ流入し、先端部13A1の露出面20Mからハードディスク(図示せず)に向けて放出されたのち、そのハードディスクを経由して補助磁極層9に環流される。その際、前記先端部13A1から放出された磁束に基づいて、前記ハードディスクをその表面と直交する方向に磁化するための記録用の磁界(垂直磁界)が発生し、この垂直磁界によってハードディスクの表面が磁化されることにより、ハードディスクに磁気的に情報が記録される。
一方、再生時には、前記再生ヘッド部100AのMR素子5にセンス電流が流され、前記ハードディスクから発生する再生用の信号磁界に応じて生じるMR素子5の抵抗値がセンス電流の変化として検出され、前記ハードディスクに記録されている情報が磁気的に読み出される。
2.本発明の主磁極の磁気記録特性
以下、本発明の主磁極の磁気記録特性について説明する。
本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、磁極部分層13Aの一部をなす先端部13A1の露出面20Mが、矩形領域R1のうち、側端縁E4側から直角三角形状の幅拡大領域R2が除かれてなる左右非対象の逆台形状をなすようにしたので、以下の理由により、オーバーライト特性の確保とサイドイレーズに起因する悪影響の抑制とを両立させることができる。
まず、図4、図5を参照して、サイドイレーズに起因する悪影響の抑制の観点について説明する。
図4に示したように、ハードディスク300が中心点Nを中心とする円盤状をなし、このハードディスク300上をアームAが誘導軸Kを中心として誘導可能にハードディスクドライブが構成されている場合、アームAの一端部に設けられたスライダSは、ハードディスク300の記録面300M上をその半径方向に移動する。この種のハードディスクドライブでは、スライダSの移動軌道のうち、中心点Nに近い側を位置P1,ほぼ中央を位置P2,中心点Nから遠い側を位置P3とすると、進行方向Bに向かって移動(回転)するハードディスク300に対して、スライダSに搭載された薄膜磁気ヘッドを使用して記録処理を施した際にスキューが生じると、磁極部分層の露出面の形状に応じてサイドイレーズの発生状況に大きな差異が生じる。
具体的に、サイドイレーズの発生状況の差異について説明するため、磁極部分層の露出面の形状が、本実施の形態の左右非対称な場合(θ1≠θ2;図5)と、比較例として左右対称な場合(θ1=θ2;図6)について示す。
図5に示すように、本実施の形態の左右非対象の逆台形状をなす露出面20Mでは、前記角度θ1,θ2が、最内周トラックを走査する場合(A)において、前記主磁極露出面13Aが、外側の隣接トラックATにはみ出さないように、かつ最外周トラックを走査する場合(C)において、前記露出面13Aが、内側の隣接トラックATにはみ出さないように、最適化されている。その際、前記場合(A)と場合(C)とで、トラックの曲率半径が異なるため、前記角度θ1とθ2が異なり、角度θ2は角度θ1よりも大きな値を有する(θ1<θ2)。かかる構成により、スキューの発生時に露出面20Mが内側方向または外側方向のいずれに傾いた場合においても、記録対象トラックSTから隣接トラックATに側端縁E3,E4ともはみ出すことがなく、図4の位置P1〜P3の全てにおいて、サイドイレーズに起因する悪影響を良好に抑制可能となる。なお図5(B)は、前記図4の位置P2に対応しており、スキューがゼロの状態で前記露出面20Mの幅W1が走査トラックSTの幅に対応して設定されているため、隣接トラックATへのオーバーライトは生じない。
一方、図6に示したように、比較例として左右対象な逆台形状(θ1=θ2)をなす露出面220Mでも、本実施の形態の左右非対象の逆台形状の場合と同様に、スキューの発生時に露出面220Mが内側方向または外側方向のいずれに傾いた場合においても、記録対象トラックSTから隣接トラックATに側端縁E3,E4ともはみ出すことがない。すなわち、第2の比較例の薄膜磁気ヘッドを使用して記録処理を行った場合には、位置P1〜P3の全てにおいてサイドイレーズに起因する悪影響を良好に抑制可能となる。
以下、図3〜6を参照して、オーバーライト特性の確保について説明する。
上記したように、磁極部分層13Aの先端部13A1は磁束の放出部分として機能するため、磁束の放出量はその磁束の放出口に相当する露出面20Mの面積に依存し、露出面20Mの面積が大きいほど垂直磁界強度が高まることとなる。この点を考慮して一連の薄膜磁気ヘッドを比較すると、図5図6から明らかなように、露出面の面積は、比較例(露出面120M;図6)よりも本実施の形態(露出面20M;図5)の方が大きくなることから、垂直磁界強度もこの順に増加する。したがって、露出面の面積が大きな本実施の形態では、意図的な上書き処理(オーバーライト)を実行し得る大きな垂直磁界強度が得られるのに対して、露出面の面積が小さな図6の比較例では、垂直磁界強度が不足し、上書き処理を実行し得ない可能性が高くなる。
以上説明したサイドイレーズに起因する悪影響の抑制ならびにオーバーライト特性の確保に関する双方の観点を考慮すると、以下の結論が導き出される。
すなわち、露出面20Mが左右非対称の逆台形をなす本実施の形態(図5)では、サイドイレーズに起因する悪影響を抑制し、同時に前記露出面220Mの面積を最大化でき、オーバーライト特性を確保し得る。一方、露出面120Mが左右対象の逆台形状をなす図6の比較例では、サイドイレーズに起因する悪影響を抑制し得るものの、主磁極露出面120Mの面積が不必要に小さくなり、オーバーライト特性が劣化する。
したがって、本実施の形態である露出面20Mが左右非対象の逆台形状をなすように構成することで、サイドイレーズに起因する出力信号の劣化等の悪影響を抑制し正常な記録動作を担保することができると同時に、オーバーライト特性を確保することにより情報の上書き処理を正常に実行することが可能となる。
3.本発明の主磁極形成方法
以下、図5に示した本発明の主磁極形成方法について説明する。
以下では、図7および図8を参照して、本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの主磁極層13の形成方法について詳細に説明する。
図7(a)を参照するに、最初に図1のギャップ層部分10C上に、例えばスパッタリングにより前記主磁極層13を作製する。前記主磁極層13は、例えば前記ヨーク部分層13Bよりも飽和磁束密度が大きい磁性材料により構成されており、約0.1〜1.0μmの厚さに形成される。前記主磁極層13としては、例えば、鉄および窒素を含む材料や、鉄、ジルコニアおよび酸素を含む材料や、鉄およびニッケルを含む材料が使われ、より具体的には、パーマロイ(Ni:45%,Fe:55%)、窒化鉄(FeN)、鉄コバルト合金(FeCo)、鉄を含む合金(FeM)、鉄およびコバルトを含む合金(FeCoM)のうちの少なくとも1種を選択可能である。ここで、上記構造式(FeM,FeCoM)中のMは、例えば、ニッケル、窒素、炭素(C)、ホウ素(B)、珪素、アルミニウム、チタン(Ti)、ジルコニア、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、銅のうちの少なくとも1種である。
次に図7(b)の工程において、前記主磁極層13上に、例えばスパッタリングを使用して第1のマスク層13C1を形成する。前記第1のマスク層13C1は、例えば前記主磁極層13よりもイオンミリングレートが大きい非磁性材料により構成されており、約0.1〜1.0μmの厚さに形成される。前記第1のマスク層13C1としては、例えば、アルミニウム、チタン(Ti)、ジルコニア、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、シリコン、炭素と、それらの酸化物、炭化物、窒化物のうちの少なくとも1種を使うことができる。
次に図7(c)の工程において、前記第1のマスク13C1上に、厚さが約0.3〜1.0μmのフォトレジストパターン13C2をフォトリソグラフィにより形成し、次に図7(d)の工程において、前記フォトレジストパターン13C2をマスクに、前記第1のマスクC13C1を、例えばイオンミリングにより、エッチングする。ここで前記イオンミリングは、例えばArガスを使い、前記主磁極層13の積層方向に対して垂直方向から、約30〜50°の角度だけ傾斜した方向から行い、前記第1のマスク層13C1を、主磁極層13の積層方向に対してほぼ垂直な側壁面が生じるようにエッチングする。かかるイオンミリングを行う際には、例えば、基板を揺動させてもよいし、回転させてもよい。また、揺動・回転・静状態を組み合わせてもよい。
次に図7(e)の工程において、前記フォトレジスト13C2を例えばアセトンを使った超音波洗浄により、リフトオフし、次に図7(f)の工程において、前記第1のマスク層13C1上に、例えばスパッタリングにより、第2のマスク層13C3を形成する。
ここで前記第2のマスク層13C3としては、例えば、前記主磁極層13よりもイオンミリングレートが大きい非磁性材料であって、かつ第1のマスク層13C1とは異なるイオンミリングレートを有する非磁性材料が使われ、例えば約0.1〜1.0μmの厚さを有する。
より具体的には、前記第2のマスク層13C3としては、例えば、アルミニウム、チタン(Ti)、ジルコニア、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、シリコン、炭素と、それらの酸化物、炭化物、窒化物のうちの少なくとも1種を使うことができる。
次に図7(g)の工程において、前記第1のマスク層13C1と第2のマスク層13C3の表面に対して例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により平坦化処理を行い、前記第1のマスク層13C1と第2のマスク層13C3の表面を、前記主磁極層13の積層方向に平坦化する。ここで前記CMP法は、例えばアルミナ研磨剤を含有したスラリーを使用して実行することができる。
次に図7(h)の工程において、前記第1のマスク層13C1と第2のマスク層13C3の境界面を覆うように、厚さが約0.3〜1.0μmのフォトレジストパターン13C4を形成し、次に図7(i)の工程において、前記フォトレジストパターン13C4をマスクに、例えばイオンミリングにより、前記第1のマスク層13C1と第2のマスク層13C3をエッチングする。
ここで前記図7(i)のイオンミリング工程は、例えばArガスを使い、主磁極層13の積層方向の垂直方法と約30°〜約50°の角度をなす方向からエッチングを行い、前記主磁極層13の積層方向に対してほぼ垂直な側壁面が生じるように第1のマスク層13C1と第2のマスク層13C3をエッチングする。前記イオンミリング工程は、例えば、基板を揺動させて実行してもよいし、回転させて実行してもよい。また、揺動・回転・静状態を組み合わせて実行してもよい。
次に図7(j)の工程において、前記フォトレジストパターン13C4を、例えばアセトンによる超音波洗浄を使用して、リフトオフする。
さらに図7(k)の工程において、前記第1のマスク層13C1と第2のマスク層13C3をマスクとして、例えばイオンミリング法により、前記主磁極層13をエッチングする。図7(k)のイオンミリング工程は、例えばArガスを使用して実行されるが、イオンミリングの入射角度は1種類でもよいし、イオンミリングを、2種類以上の入射角度を組み合わせて実行してもよい。例えば、最初に主磁極層13の積層方向の垂直方法と45°の方向にArイオンを入射させ、続いて前記主磁極層13の積層方向に対して垂直方法から75°の方向に入射させてもよい。また前記図7(k)の工程でイオンミリングを行う際、基板を揺動させてもよいし、回転させてもよい。また、揺動・回転・静状態を組み合わせてもよい。
図8(a),(b)は、イオンミリングレートの異なる2つのマスク13C1,13C2を使って、その下の主磁極層13をイオンミリングした場合に生じる主磁極パターン形状について、シミュレーションした結果を示す。ただし図8のシミュレーションでは、主磁極層13の積層方向の垂直方向と45°の角度をなす方向からイオンミリングを行ったあと、引き続き、主磁極層13の積層方向の垂直方向と75°の角度をなす方向からイオンミリングを行っている。
図8(a),(b)を参照するに、同一の条件でイオンミリングを行っても、イオンミリングレートが速いマスク層を使った場合(図8(a))では、形成される主磁極層パターンの側壁面が基板に対して垂直方向に対し角度αをなすのに対し、イオンミリングレートがより遅いマスク層を使った場合(図8(b))では、形成される主磁極層パターンの側壁面が基板に対して垂直方向に対し、前記角度αとは異なる角度βをなすのがわかる。これは、図8(a),(b)のような、基板面に対して略垂直方向に進行する異方性エッチング工程において、使われるエッチングマスクの消耗速度により、得られるエッチングパターンの幅ないし径が変化し、これにより、前記エッチングパターンの側壁面の角度が制御されることを示している。
そこで、図8(a),(b)の結果は、図7(k)のエッチング工程において、前記マスク層13C1とマスク層13C3の材質を、エッチング条件に合わせて選択することにより、前記非対称逆台形状主磁極パターン13を画成する、角度がθ1およびθ2の傾斜側壁面を、先に図5(a)〜(c)で説明した幾何学的要件を満たすように制御できることを意味している。
また図8(a),(b)からわかるように、前記逆台形状主磁極パターン13の非対称傾斜側壁面形状は、マスクパターン13C1,13C2の消耗速度、すなわちエッチングレートの差を利用して形成されているため、前記図8(a),(b)あるいは図7(k)の工程において、イオンミリング工程を必ずしも主磁極層13に対して特定の斜めの角度で行う必要はなく、垂直方向に行ってもよい。また図7(k)の工程をRIE法により行うことも可能である。
[第2の実施形態]
図9は、本発明の実施の第2の実施の形態に係る磁気記憶装置90の要部を示す平面図である。
図9を参照するに、磁気記憶装置90は大略ハウジング91からなる。ハウジング91内には、スピンドル(図示されず)により駆動されるハブ92、ハブ92に固定されスピンドルにより回転される磁気記録媒体93、アクチュエータユニット94、アクチュエータユニット94に支持され、磁気記録媒体93の径方向に駆動されるアーム95およびサスペンション96、サスペンション96に支持された磁気ヘッド98が設けられている。磁気記録媒体93は面内磁気記録方式あるいは垂直磁気記録方式のいずれの磁気記録媒体でもよく、斜め異方性を有する記録媒体でもよい。磁気記録媒体93は磁気ディスクに限定されず、磁気テープであってもよい。
磁気ヘッド98は、図1に示したように、アルミナ基板1の上に形成された磁気抵抗効果素子5を含む再生ヘッド部100Aと、その上に形成された主磁極層13を有する記録ヘッド部100Bから構成され、前記主磁極層13は、前記次記記録媒体93を走査する面20Mが、先に説明したように、非対称逆台形形状を有している。かかる構成により、先に図5で説明したように本発明は、サイドイレーズの問題を回避しつつ、所望のオーバーライト特性を確保することができる。
なお、第3の実施の形態に係る磁気記憶装置90の基本構成は、図14に示すものに限定されるものではない。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。すなわち、上記実施の形態で示した磁気ヘッドの構成やその製造方法に関する詳細は、必ずしも上記実施の形態において説明したものに限られるものではなく、オーバーライト特性の確保とサイドイレーズに起因する悪影響の抑制とを両立させることが可能な限り、自由に変更可能である。
また本発明は垂直磁気記録ヘッドの製造を念頭においているが、長手記録方式の磁気記録ヘッドの製造にも適用可能である。
(付記1)
主磁極の記録媒体対向面が、前記記録媒体の移動方向に対し左右非対称形状を有する磁気記録ヘッドの製造方法であって、
前記主磁極層のエッチングマスクとして、主磁極層上に第1のマスク層を形成する工程と、
前記主磁極層上に、前記第1のマスク層に隣接して、前記第1のマスク層とは異なる材料よりなる第2のマスク層を形成する工程と、
前記主磁極層に対して異方性エッチングを、前記第1のマスク層と前記第2のマスク層をマスクとして行う第3の工程と、
を含む、磁気記録ヘッドの製造方法。
(付記2)
前記異方性エッチングは、前記主磁極層に対して、斜め方向に作用する、付記1記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
(付記3)
前記異方性エッチングは、イオンミリング法により行われる、付記1または2記載の磁気ヘッドの製造方法。
(付記4)
前記第1および第2のマスク層のエッチングレートは、前記主磁極層を構成する磁性金属材料よりもエッチングレートが遅い、付記1〜3のうち、いずれか一項記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
(付記5)
前記主磁極層を構成する材料は、Fe、Co、Niのうち少なくともいずれか1つを含有する、請求項1から4のいずれか1項記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
(付記6)
前記第1のマスク層及び前記第2のマスク層を構成する材料は、アルミニウム、チタン(Ti)、ジルコニア、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、シリコン、炭素と、それらの酸化物、炭化物、窒化物のうち少なくともいずれか1つを含有する、付記1〜5のうち、いずれか一項記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
(付記7)
前記第1の工程の後、前記第2の工程の前に、前記第1のマスク層によるパターニングを行うため、前記第1のマスク層に対してエッチングを行う第4の工程をさらに有する、請求項1〜6のうち、いずれか一項記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
(付記8)
前記第2の工程の後、前記第3の工程の前に、前記第1のマスク層および前記第2のマスク層によるパターニングを行うため、前記第1のマスク層及び前記第2のマスク層に対してエッチングを行う第5の工程をさらに有する、付記1〜7のうち、いずれか一項記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
(付記9)
基台と、
前記基台上に形成された主磁極層と、
前記主磁極層に磁気的に結合した薄膜コイルと、
を備えた磁気記録ヘッドであって、
前記主磁極層は前記基台上において、記録媒体に対向する面が前記磁気記録媒体の移動方向に対して左右非対称な逆台形形状を有し、
前記主磁極層上には、前記右側に第1の層が、前記左側に第2の層が形成されており、前記第1の層の材料は、前記第2の層の材料とは異なる磁気記録ヘッド。
(付記10)
前記第1および第2の層は、アルミニウム、チタン(Ti)、ジルコニア、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、シリコン、炭素と、それらの酸化物、炭化物、窒化物のうち少なくともいずれか1つを含有することを特徴とする付記9記載の磁気記録ヘッド。
(付記11)
付記9または10記載の磁気記録ヘッドと、磁気記録媒体とを備える磁気記録装置。
本発明の第1の実施形態による磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。 図1に示した磁気ヘッドの主要部の斜視構成を拡大して表す斜視図である。 磁極部分層の露出面の平面構成を拡大して表す平面図である。 磁気ヘッドが搭載されるハードディスクドライブの概略平面構成を表す平面図である。 ハードディスクドライブに本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドを搭載した場合におけるサイドイレーズの発生状況を説明するための平面図である。 ハードディスクドライブに比較例としての磁気ヘッドを搭載した場合におけるサイドイレーズの発生状況を説明するための平面図である。 本発明の磁気ヘッドの主磁極形成方法の手順を説明するための図である。 本発明の磁気ヘッドの主磁極層エッチング形状をシミュレーションした断面図である。マスク層のイオンミリングレートが、(a)は速い場合、(b)は遅い場合である。 本発明の第2の実施形態による磁気記録装置の全体構成を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 絶縁層
3 下部シールド層
4 シールドギャップ膜
5 MR素子
7 上部シールド層
8 非磁性層
9 補助磁極層、
10 ギャップ層
10A〜10C ギャップ層部分
11 薄膜コイル
12 連結部
13 主磁極層
13A 磁極部分層
13A1 先端部
13A2 後端部
13B ヨーク部分層
13C1 第1のマスク層
13C2 フォトレジスト
13C3 第2のマスク層
14 バッファ層
15 オーバーコート層
20 エアベアリング面
20M 露出面
100A 再生ヘッド部
100B 記録ヘッド部
200 ハードディスク
200M 記録面
A アーム
AT 隣接トラック
D 主磁極層狭端部
E1 上端縁
E2 下端縁
E3,E4 側端縁
K 誘導軸
R1 矩形領域
R2 幅拡大領域
R3 残存領域
S スライダ
ST 記録対象トラック
TM テーパ面

Claims (7)

  1. 主磁極の記録媒体対向面が、前記記録媒体の移動方向に対し左右非対称形状を有する磁気記録ヘッドの製造方法であって、
    前記主磁極層のエッチングマスクとして、主磁極層上に第1のマスク層を形成する工程と、
    前記主磁極層上に、前記第1のマスク層に隣接して、前記第1のマスク層とは異なる材料よりなる第2のマスク層を形成する工程と、
    前記主磁極層に対して異方性エッチングを、前記第1のマスク層と前記第2のマスク層をマスクとして行う第3の工程と、
    を含む、磁気記録ヘッドの製造方法。
  2. 前記異方性エッチングは、前記主磁極層に対して、斜め方向に作用する、請求項1記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  3. 前記第1のマスク層及び前記第2のマスク層を構成する材料は、アルミニウム、チタン(Ti)、ジルコニア、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、シリコン、炭素と、それらの酸化物、炭化物、窒化物のうち少なくともいずれか1つを含有する、請求項1または2記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  4. 前記第1の工程の後、前記第2の工程の前に、前記第1のマスク層によるパターニングを行うため、前記第1のマスク層に対してエッチングを行う第4の工程をさらに有する、請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記第2の工程の後、前記第3の工程の前に、前記第1のマスク層および前記第2のマスク層によるパターニングを行うため、前記第1のマスク層及び前記第2のマスク層に対してエッチングを行う第5の工程をさらに有する、請求項1〜4のうち、いずれか一項記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  6. 基台と、
    前記基台上に形成された主磁極層と、
    前記主磁極層に磁気的に結合した薄膜コイルと、
    を備えた磁気記録ヘッドであって、
    前記主磁極層は前記基台上において、記録媒体に対向する面が前記磁気記録媒体の移動方向に対して左右非対称な逆台形形状を有し、
    前記主磁極層上には、前記右側に第1の層が、前記左側に第2の層が形成されており、前記第1の層の材料は、前記第2の層の材料とは異なる磁気記録ヘッド。
  7. 請求項6記載の磁気記録ヘッドと、磁気記録媒体とを備える磁気記録装置。
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