JP2009037061A - 偏光板 - Google Patents

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Koji Matsumoto
浩司 松本
Yoshihiko Imanaka
嘉彦 今中
Tomine Matsuo
十峰 松尾
Akihiko Uchiyama
昭彦 内山
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Abstract

【課題】本発明は、耐環境性に優れ、且つ位相差機能として位相差特性を有し、その位相差特性の安定性に優れた偏光子位相差フィルムを有する偏光板を提供することにある。
【解決手段】位相差フィルムおよび/または偏光子の少なくとも片面に、アクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤を塗布して接着層を固形分100重量部に対して水分量20〜80重量部にした後、位相差フィルムと偏光子とを貼り合わせることを特徴とする偏光板の製造方法及びその偏光板に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐薬品性、耐環境性等の耐久性に優れ、且つ、位相差機能を有する偏光板の製造方法及びその偏光板に関するものである。
近年、多様な環境で偏光板が使用され、従来にない過酷な使用状況にも耐えるような機能を持った偏光板が期待されている。この偏光板は、通常偏光子の片面または両面に偏光子保護フィルムを有しており、偏光子保護フィルムとしては、現在、トリアセテートセルロース系樹脂フィルムが多く用いられている。
しかし、このトリアセテートセルロース系樹脂フィルムは、高温度、高湿下での環境試験下において寸法の収縮が起こり、偏光子の機能劣化や収縮に伴う応力の発生に起因して、液晶表示素子の画質品位に影響を与えることが大きな問題となっている。
一方では、この偏光板は、位相差フィルムを粘着剤により偏光板と貼り合せることで、位相差機能を具備した偏光板を作製している。しかし、液晶表示素子のコストダウンを図る為、部材点数、加工工数の削減が望まれている。そこで、偏光子保護フィルムに位相差機能を発現させる方法や、位相差フィルムを直接偏光子に接着して偏光子を保護する取り組みがなされている。
この内、位相差フィルムを直接偏光子に接着して偏光子を保護する取り組みにおいては、偏光子と位相差フィルムを接着する接着剤として様々なものが提案されている。
例えば、ポリビニルアルコール系シートの少なくとも片面に、アクリル系粘着剤を介して熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートを積層し、加熱圧着して複合シートとすることが記載されている(特許文献1)。また、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなる保護フィルムを積層して偏光板とすることが記載されており、そのために用いる接着剤は、ポリウレタン系樹脂溶液とポリイソシアネート樹脂溶液とを混合したドライラミネート用接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤などが例示されている(特許文献2)。しかしながら、これらの発明は偏光度が大きく劣化するという問題を残している。
更に、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に、ポリビニルアルコール系接着剤と2液タイプ接着剤の混合物である接着剤層を介して、環状オレフィン系樹脂からなる保護膜を積層し、偏光板とすることが記載されている(特許文献3)。ポリビニルアルコール系偏光フィルムと熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなる保護フィルムとを、ポリウレタン系接着剤により接着して、偏光板とすることが記載されている(特許文献4)。しかしながら、これらの発明は、現行のプロセスでは1液タイプの水系接着剤を使用しているので設備改良の必要があり、また一度混合してしまうと長期保存ができず、ゲルが発生するという問題を残している。
特開平5−212828号公報 特開平6−51117号公報 特開2000−321430号公報 特開2000−321432号公報
本発明は、耐環境性に優れ、且つ位相差機能として位相差特性を有し、その位相差特性の安定性に優れた偏光板の製造方法及びその偏光板を提供することにある。
具体的には、位相差フィルムを直接偏光子に接着するに際して、特定の接着方法を用いることにより、位相差特性の安定性に優れた偏光板を提供するものである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、耐環境性に優れ、且つ位相差機能として位相差特性を有し、その位相差特性の安定性に優れた位相差フィルムを有する偏光板を得ることに成功したものである。
すなわち本発明は、下記の[1]〜[5]のより達成することが出来た。
[1]位相差フィルムおよび/または偏光子の少なくとも片面に、アクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤を塗布して、該接着剤よりなる接着層を固形分100重量部に対して水分量20〜80重量部にした後、位相差フィルムと偏光子とを貼り合わせることを特徴とする偏光板の製造方法。
[2]前記位相差フィルムが下記式(A)
Figure 2009037061
(上記式(A)においてR〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Xは下記式(X)
Figure 2009037061
であり、RおよびR10はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる少なくとも一種の基である。)
で示される繰り返し単位および下記式(B)
Figure 2009037061
(上記式(B)においてR11〜R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Yは下記式群(Y)
Figure 2009037061
であり、ここでR19〜R21、R23及びR24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、R22及びR25はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Ar〜Arはそれぞれ独立に炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくとも1種の基である。)
で示される繰り返し単位を含んでなり、上記式(A)で表される繰り返し単位が当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の10〜99mol%を占めるポリカーボネート樹脂組成物である[1]に記載の偏光板製造方法。
[3]上記式(A)におけるR1〜R8がそれぞれに独立に水素原子、および炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、R9及びR10が水素原子、および炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、かつ上記式(B)におけるR11〜R18がそれぞれ独立に水素原子、および炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Yが下記式(Y−1)
Figure 2009037061
(R20およびR21はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
で示される繰り返し単位を含んでなり、上記式(A)で表される繰り返し単位が当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の10〜99mol%を占めるポリカーボネート樹脂組成物である[1]〜[2]に記載の偏光板製造方法。
[4]上記式(A)においてR1〜R8、R9及びR10が水素原子、またはメチル基であり、かつ上記式(B)においてR11〜R18が水素原子であり、Yが下記式(Y−2)である[1]〜[3]記載の偏向板の製造方法。
Figure 2009037061
[5]請求項1〜4のいずれかに記載された製造方法により製造された偏光板。
[6]請求項5に記載の偏光板を具備した液晶表示装置。
本発明の偏光板は、位相差フィルムおよび/または偏光子の少なくとも片面に、アクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤を塗布及び乾燥して固形分100重量部に対して水分量20〜80重量部の接着層を形成した後、位相差フィルムと偏光子とを貼り合わせることを特徴とする製造方法によって製造された偏光板であり、位相差特性の安定性に優れる。
特に、ポリカーボネート系樹脂からなる位相差フィルムを用いることで、接着性、耐久性がより良好であり、コントラストと広視野角の液晶パネルを提供できる。
〔偏光子〕
本発明に用いる偏光子としては特に制限されず従来公知のPVA系偏光子を用いることができ、例えば、PVA系フィルムにヨウ素を吸着配向せしめたヨウ素系偏光子、PVA系フィルムに二色性染料を吸着配向せしめた染料系偏光子、これらのフィルムを部分的に脱水処理したポリエン系偏光子等が挙げられ、その厚みは例えば約5〜50μm程度である。
PVA系フィルムとしては、PVAフィルム、ポリビニルブチラールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体ケン化フィルム等が挙げられるが、この限りではない。
〔ポリカーボネート樹脂組成物〕
本発明で使用される位相差フィルムは、光が液晶を透過する過程で発生する複屈折をフィルムの位相差で補正することにより、光の歪みを無くすものであり、特に、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
ポリカーボネート系樹脂は、一般的に、炭酸とグリコール又は2価フェノールとのポリエステルであり、炭酸と2、2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(通称ビスフェノール−A)とを構造単位とする芳香族ポリカーボネートはもちろんのこと、本発明ではこれに限定されるわけではなく、例えば1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、1,1−ビス(3−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、1、1−ビス(3,5−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類からなる群から選択される少なくとも1種の2価フェノールをモノマー成分とするホモまたは共重合ポリカーボネート、上記2価フェノールとビスフェノールAをモノマー成分とするポリカーボネートとの混合物、上記2価フェノールとビスフェノールAとをモノマー成分とする共重合ポリカーボネートが挙げられる。そして、本発明では、式(A)で示される繰返し単位及び式(B)で示される繰返し単位で表される繰り返し単位を含んでなり、上記式(A)で表される繰り返し単位が当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の10〜99mol%を占めるポリカーボネート樹脂組成物が好ましい。
<式(A)で示される繰返し単位を誘導する2価フェノール>
例えば、式(A)を誘導する2価フェノールは次が挙げられる。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンの具体例としては、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
1,1−ビス(3−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンとしては、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン基で置換された1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、例えば、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
1、1−ビス(3,5−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンとしては、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン基で置換された1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、例えば、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等が挙げられる。これらのうち、特に、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好ましい。
<式(B)で示される繰返し単位を誘導する2価フェノール>
例えば、式(B)を誘導する2価フェノールは次が挙げられる。
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−A)、4,4’−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘブタン、4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)2,5−ジメチルヘブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)4−フルオロフェニルメタン、2,2’−ビス(3−フルオロー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上混合して用いることができる。これらのうち、特に、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−A)や4,4’−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノールが好ましい。更には、4,4’−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノールが好ましい。
上記ポリカーボネート樹脂組成物は、上記ビスフェノール成分の他に、酸成分のコモノマーとして少量の脂肪族、芳香族ジカルボン酸を用いたポリエステルカーボネートを含む。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、p−キシレングリコール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、1、1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン、2、2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン等を挙げることができる。この中で、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
上記のポリカーボネート樹脂組成物は、特に、下記式(A)
Figure 2009037061
で示される繰り返し単位および下記式(B)
Figure 2009037061
で示される繰り返し単位を含んでなるポリカーボネートが好ましい。
上記式(A)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基である。炭素数1〜6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。特に、水素原子およびメチル基が好ましい。
上記式(A)におけるXは、下記式(X)
Figure 2009037061
で表される。ここでRおよびR10はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基である。かかるアルキル基としてはメチル基、エチル基等を挙げることができる。特に、水素原子が好ましい。
上記式(B)において、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基である。かかる炭化水素基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。
特に、水素原子が好ましい。
上記式(B)におけるYは下記式群(Y)
Figure 2009037061
で表される基からなる群から選ばれる。
ここでR19〜R21、R23及びR24は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜22の炭化水素基である。かかる炭化水素基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。
22及びR25は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基である。かかる炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基等のアルキレン基、フェニル基等のアリーレン基が挙げられる。Ar〜Arはそれぞれ独立に、フェニル基等の炭素数6〜10のアリール基から選ばれる。
そしてYは、特に、
Figure 2009037061
(R20およびR21はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基である。)のいずれか一方が、好ましい。
より、好ましくは、
Figure 2009037061
が、好ましい。
上記のポリカーボネート樹脂組成物として好ましくは、上記式(A)におけるR1〜R8がそれぞれに独立に水素原子、および炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、R9及びR10が水素原子、および炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、かつ上記式(B)におけるR11〜R18がそれぞれ独立に水素原子、および炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Yが下記式(Y−1)
Figure 2009037061
(R20およびR21はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基である。)で示される繰り返し単位を含んでなり、上記式(A)で表される繰り返し単位が当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の10〜99molを占めるものである。より上記のポリカーボネート樹脂組成物として好ましくは、上記式(A)においてR1〜R8、R9及びR10が水素原子、またはメチル基であり、かつ上記式(B)においてR11〜R18が水素原子であり、Yが下記式(Y−2)である。
Figure 2009037061
上記の式(A)及び(B)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂組成物においては、(A)の含有量が、当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の10〜99mol%であり、より好ましくは10〜95mol%である。このポリカーボネート樹脂組成物において、(A)の含有量が10mol%未満となる場合、ポリマーフィルムの複屈折が大きくなるために、均一位相差特性を有するフィルムを得ることが困難となる。より効果的には繰り返し単位(A)の含有量が20〜93mol%、さらに効果的には繰り返し単位(A)の含有量が30〜90mol%であることが好ましい。とりわけ、光学異方性が負である特性が要求される用途では、繰り返し単位(A)の含有量が75〜99mol%であることが適しており、位相差値が短波長ほど大きい特性が要求される用途では、10〜55mol%であることが適しており、位相差値が短波長ほど小さい特性が要求される用途では、55〜75mol%であることが適しており、位相差値が波長によらずほとんど変化しない特性が要求される用途では40〜60mol%であることが適しており、位相差値がほとんど発生しない特性が要求される用途では65〜80mol%であることが適している。
繰り返し単位(A)の含有量が85mol%であれば、光学異方性が負である特性が要求される用途で用いられ、繰り返し単位(A)の含有量が67mol%であれば、位相差値が短波長ほど小さい特性が要求される用途に用いられている。
このポリカーボネート樹脂組成物は、共重合体、ブレンド体、共重合体のブレンド体、共重合体とホモポリマーのブレンド体などの組成形態が好ましい。
ここで上記モル比は、共重合体、ブレンド体に関わらず、高分子配向フィルムを構成するポリカーボネートバルク全体で、例えば核磁気共鳴(NMR)装置により求めることができる。
上記のポリカーボネート樹脂組成物は、分子量が2000〜100000の粘度平均分子量を有するものであることが好ましく、より好ましくは、5000〜70000、さらに好ましくは7000〜50000の粘度平均分子量が良い。濃度0.7g/dlの塩化メチレン溶液にして20℃で測定した比粘度で表して0.07〜2.70、好ましくは、0.15〜1.80、さらに好ましくは、0.20〜1.30のものである。粘度平均分子量が2000未満のものでは得られるフィルムが脆くなるので適当でなく、100000以上のものでは、フィルムへの加工性が困難になるために好ましくない。
なお、ブレンド体の場合には上記の好ましい組成や分子量とは、ブレンド体全体でのことを示す。ブレンド体の場合は、相溶性ブレンドが好ましいが、完全に相溶しなくても成分間の屈折率を合わせれば成分間の光散乱を抑え、透明性を向上させることが可能である。
〔位相差フィルム〕
本発明における位相差フィルムは、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、透明核剤、永久帯電防止剤、蛍光増白剤等のポリマー改質剤が同時にフィルム中に存在しても良い。
位相差フィルムのガラス転移点温度としては、120〜290℃、好ましくは150〜280℃、より好ましくは160〜270℃、さらに好ましくは170〜260℃、特に好ましくは、180〜250℃が良い。120℃未満の温度では、寸法安定性が悪く、また、290℃を超える温度では、延伸工程の温度制御が非常に困難になるために製造が困難となる。
本発明の偏向板には少なくとも一方の面を保護する目的で保護フィルムを貼付してもよい。
この位相差フィルムは、偏光板を構成する偏光子の少なくとも一方の面を保護するフィルムであると同時に、位相差特性を有したフィルムである。その位相差フィルムの面内位相差値(R値)と厚み方向位相差値(K値)は、それぞれ下記式(a)および(b)
R=(n−n)×d (a)
K=((n+n)/2−n)×d (b)
で表される。上式中、n、n、nは高分子フィルムの三次元屈折率であり、それぞれフィルム面内におけるx軸方向、y軸方向、フィルムに垂直なz軸方向の屈折率である。また、dはフィルムの厚み(nm)である。
つまり、n、n、nはフィルムの光学異方性を表す指標である。特に本発明におけるフィルムの場合には
:フィルム面内における最大屈折率
:フィルム面内における最大屈折率を示す方向に直交する方位の屈折率
:フィルム法線方向の屈折率
とする。
ここで、本発明ではフィルムを一軸延伸した場合には延伸方向、二軸延伸の場合にはより配向度が上がるように延伸した方向、すなわち化学構造的に言えば高分子主鎖の配向方向の屈折率が最大となるときを光学異方性が正、かかる配向方向の屈折率が最小となるときを光学異方性が負であると呼ぶ。本発明ではフィルムの光学異方性を屈折率楕円体と見なして公知の屈折率楕円体の式により求める方法によりこの三次元屈折率を求めている。この三次元屈折率は使用する光源の波長依存性があるので、使用する光源波長で定義することが好ましく、本発明において特に波長の指定がない場合は550nmでの値とする。
本発明に用いる位相差フィルムは、下記式(1)および/または(2)
0≦R≦500nm (1)
−400≦K≦500nm (2)
を満足することが好ましく、R値およびK値は用途により適宜選択される。例えばIPS液晶の視野角補償機能を持たせる場合は下記式(1−1)および/または(2−1)
0≦R≦300nm (1−1)
−400≦K≦150nm (2−1)
を満足することが好ましく、例えばVA液晶の視野角補償機能を持たせる場合は下記式(1−2)および/または(2−2)
30≦R≦200nm (1−2)
80≦K≦300nm (2−2)
を満足することが好ましく、例えば円偏光板の機能を持たせる場合は下記式(1−3)および/または(2−3)
100≦R≦170nm (1−3)
−150≦K≦90nm (2−3)
を満足することが好ましく、例えば偏光板単体としての広視野角化の機能を持たせる場合は下記式(1−4)および/または(2−4)
100≦R≦300nm (1−4)
−150≦K≦150nm (2−4)
を満足することが好ましい。
本発明における位相差フィルムは透明性が良好であり、ヘーズは5%以下、全光線透過率は85%以上であることが好ましいが、意図的にヘーズ値が高くなるようにされる場合もある。
〔位相差フィルムの製造方法〕
本発明の位相差フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、既知の方法を用いて作製されたフィルムを用いることが可能である。例えば、フィルムの製膜には溶融製膜法、溶液製膜法、カレンダー法、射出成型法などが挙げられる。得られたフィルムに目的に応じた位相差特性を持たせるために、延伸処理などがなされる場合が多く、延伸方法の例としては、ロール速度差を利用するロール縦一軸延伸方法、フィルム幅方向端部をピンあるいはクリップにより把持し、把持した部分を幅方向に広げるテンター横一軸延伸法、把持した部分のフィルム流れ方向速度差および/または走行距離差を利用するテンター斜め一軸延伸法、厚み方向に引張応力をかける特殊Z軸延伸方法、面内に圧縮応力をかける特殊Z軸延伸方法等の連続延伸方法が挙げられる。さらに、上述したような一軸延伸法を繰り返す逐次二軸延伸法、フィルム流れ方向に速度差のついたテンターを幅方向に広げる同時二軸延伸法、さらにはこのような延伸を数回繰り返す多段延伸法等が挙げられる。
位相差を与えるフィルムを得るための連続延伸法の例をいくつか挙げたが、本発明の高分子フィルムの延伸方法はこれらに限定されるものではなく、生産性の観点から連続延伸が好ましいが、特に連続延伸である必要はない。
位相差を与える別の方法として、フィルム表面に光学異方層を設けることもできる。光学異方層は特に限定されるものではないが、例えばフィルム上に直接または下引き層を設けた上にさらに配向層を形成し、その上に液晶性化合物を配向固化させて形成することができる。あるいは、配向層単独で光学異方層とすることもできる。光学異方層は、偏光子を接着する面、偏光子を接着しない面のいずれの面に設けてもよいが、偏光子を接着しない面に設けることが好ましい。
前記配向層は、フィルム上に配置され、後述する光学異方層に隣接して、光学異方層中の液晶化合物を配向するために用いられる。配向層を構成する具体的な材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルカルボニル、ポリエーテルカルボニル、ポリカルボニルサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリビニルピロリドン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。
配向処理は、公知の方法を用いることができるが、ラビング処理等のLCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができ、また、公知の光配向層を用いることもできる。
光学異方層は、液晶表示素子の視野角特性を改良するため、光学異方層の厚さはそれを構成する液晶化合物の複屈折の大きさ、及び液晶化合物の配向状態によって異なるが、概ね、その膜厚は0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmである。光学異方層は、1つのフィルムに対して複数層設置することもできる。
液晶化合物は、配向できるものであれば特に限定されるものではなく、ディスコチック化合物または棒状の液晶化合物が挙げることができ、数種類の液晶化合物の混合物でもよく、化学反応または温度差を利用した処理により、配向を固定化できるものである。また、液晶化合物と有機溶媒を含む溶液を調製し、その溶液を塗布、乾燥して光学異方層を作製する場合、液晶転移温度以上に加熱しなくても該温度以下で液晶化合物の配向処理をすることも可能である。
液晶化合物を含む溶液を塗布した場合、塗布後、溶媒を乾燥して除去し、膜厚が均一な液晶層を得ることができる。液晶層は、熱または光エネルギーの作用、または熱と光エネルギーの併用で化学反応によって、液晶の配向を固定化することができる。
また、液晶化合物が高分子液晶である場合、上記化学反応による硬化反応を用いて液晶の配向を固定しなくてもよい。例えば高分子液晶をガラス転移点温度以上で熱処理し、ガラス転移温度以下に冷却することで配向を固定化することができる。高分子液晶のガラス転移点温度がフィルムの耐熱性温度よりも高い場合は、フィルム上に前記配向膜を設置し高分子液晶を塗布後、高分子液晶のガラス転移点温度以上に加熱し配向させることができる。また別の支持体上に配向固化させた後、フィルムに接着剤を用いて転写して光学異方体を作製することもできる。
目的に応じた位相差特性を持たせるために、延伸処理と光学異方層を設ける方法を挙げたが、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。特に、面内位相差と厚み方向位相差それぞれに異なる波長依存性を持たせたい場合には、位相差フィルムと異なる位相差波長依存性を有する光学異方層を設ける場合がある。あるいは特殊Z軸延伸などのように生産性の悪い延伸処理が必要な場合には、生産性のよい延伸処理がされた位相差フィルム上に光学異方層を設け、全体として目的とする位相差特性とする場合がある。例えばIPS液晶には、一軸延伸処理をした位相差フィルム上に厚み方向位相差が負となるような光学異方層を設ける。
〔アクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤〕
本発明の偏光板は、位相差フィルムと偏光子の間に接着層としてアクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤を用いることを特徴とする。
このアクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤は、水中において親水性の乳化剤や保護コロイドにより、疎水性の合成樹脂微粒子が安定化されており、乾燥、融着の2段階を経て接着層を形成する。
このアクリル樹脂エマルジョンは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどの重合物及びこれらにさらに酢酸ビニル、スチレン、ブタジエンなどを共重合させたエマルジョンの1種又は2種以上が使用できる。エマルジョン化の方法については、上記同様特に制限はなく、通常の乳化法によりエマルジョンとしたものや、あるいは自己分散型のアクリル樹脂を用いてもよい。
更に、本発明では、カルボニル基を有するアクリル樹脂エマルジョンが好ましい。カルボニル基を有するアクリル樹脂のモノマーの具体例としては、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート等が挙げられ、中でもダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミドが好ましく用いられる。
共重合させるモノマーの具体例としてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもアルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
本発明における接着剤の製法の一例を以下に挙げるが、この限りではない。
(a)カルボニル基を有するモノマーを2〜30重量%、
(b)共重合させるモノマーの総量を0〜1.5重量%、
(c)スチレンを0〜30重量%、及び
(d)モノマー混合体のSP値が8.0〜9.3である、
(a)〜(c)以外のモノマー混合体を38.5〜98重量%含む重合性モノマー混合物を、
(e)重合性モノマー混合物に対して、0.1〜6.0重量%のポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン鎖含有アニオン界面活性剤存在下に乳化重合する。
接着剤を所望の目的に応じて、例えば上記以外の水溶性高分子、界面活性剤、消泡剤などを適宜混合することができる。なお、これらを含む接着剤を作製する際には、適宜濃度調整されたそれぞれの水溶液を作製したのち、これらを混合して接着剤を作製することが望ましい。それぞれの水溶液を作製する際には溶解性を高めるために加熱溶解してもよい。
本発明における接着剤にはアクリル樹脂エマルジョン以外に、架橋剤として、ヒドラジン系化合物を含有させることが必要である。ヒドラジン系化合物は、カルボニル基を有する樹脂、特にダイアセトンアクリルアミドからなるアクリル樹脂と反応性に富み、架橋反応により接着強度の高い接着層を形成することができる。
ヒドラジン系化合物は、分子中に少なくとも2個以上のヒドラジド基を有するものであればよく、例えば、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等が挙げられる。特に、水溶性および反応性の点でコハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドが好ましい。
アクリル樹脂とヒドラジン系化合物の割合は、通常0.1~10重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部であることが好ましい。この接着剤は、市販品として大成ファインケミカルのSE−2716Lが挙げられる。
また、必要に応じて接着剤中に含まれるカルボキシル基と架橋するものを併用することも好ましく、例えばエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤はグリシジルオキシ基を含有するものであり、純化学的には2,3−エポキシプロポキシ基とでも呼ぶべきものである。グリシジルオキシ基を有する化合物は、分子中に少なくとも2個のグリシジルオキシ基を有するものが好ましく、その例としては、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジグリセリンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
イソシアネート系架橋剤は、分子内にイソシアネ−ト基を少なくとも2個有する化合物であって、具体的には例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。またこれら単量体のほかエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量300〜6,000)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパンのような多価アルコールに付加したアダクト体、ジイソシアネート3分子がそれぞれの片末端イソシアネート基の部分でイソシアヌレート体、ジイソシアネート3分子がそれぞれの片末端イソシアネート基の部分で水和・脱炭酸して形成されるビュレット体のようなポリイソシアネート変性体などがある。
本発明における接着剤の固形分濃度は特に限定されるものではないが、通常0.01〜60重量%、好ましくは10〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%含有することが好ましい。20重量%以下であると接着性が低下し、50重量%以上であると接着剤の粘度が高いため工程通過性を考慮した場合好ましくない。通常、水、有機溶媒等の溶剤に溶解あるいは分散させて用いられるが、溶剤としては水が好ましい。
また、本発明における接着剤には親水性高分子化合物を含むことができ、水酸基などの親水性の基を持つ高分子化合物を指す。かかる親水性高分子化合物としては、例えば親水性セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシセルロース等)、ポリビニルアルコール誘導体(例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルホマール、ポリビニルベンザール等)、天然高分子化合物(例えば、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム等)、親水性ポリエステル誘導体(例えば、部分的にスルホン化されたポリエチレンテレフタレート等)、ポリビニル誘導体(例えば、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等)が挙げられ、単独あるいは2種以上を併用しても構わない。これらは他の共重合成分を少量含んでいてもよく、またカルボキシル基やそのエステル、アミノ基、シリル基、メチロール基、アセトアセチル基等の官能基を有していてもよい。親水性高分子化合物として、偏光子と類似する組成であるポリビニルアルコールまたはその誘導体が好ましい。ポリビニルアルコールを用いる場合には、重合度は100〜7000であることが好ましく、より好ましくは300〜5000、さらに好ましくは500〜5000であり、特に好ましくは1000〜4000であることである。またけん化度は40〜99.9%であることが好ましく、より好ましくは50〜99.9%、さらに好ましくは60〜99.9%であり、特に好ましくは70〜99.9%であることである。
接着剤中の親水性高分子化合物は接着剤100重量部に対して、通常0.1〜25重量部であり、好ましくは0.3〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、特に1〜10重量部であることが好ましい。
〔偏光板の製造方法〕
本発明の偏光板は位相差フィルムおよび/または偏光子の少なくとも片面に、アクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤を塗布して、接着層を固形分100重量部に対して水分量を20〜80重量部にした後、偏光子と位相差フィルムとを貼り合わせることにより偏光板を得ることができる。具体的な製造方法としては、次の通りである。
(i)位相差フィルムの一方の面に接着剤を塗布して、接着層を固形分100重量部に対して水分量20〜80重量部にした後、この接着層の上に偏光子を載せ貼り合わせる方法。
(ii)偏光子の一方の面に接着剤を塗布して、接着層を固形分100重量部に対して水分量20〜80重量部にした後、この接着層の上に位相差フィルムを載せ貼り合わせる製造方法。
(iii)位相差フィルムの一方の面及び偏光子の一方の面にそれぞれ接着剤を塗布して、接着層を固形分100重量部に対して水分量20〜80重量部にした後、貼り合わせる製造方法、などが挙げられる。
接着層の水分量に関しては、固形分100重量部に対して水分量が20〜80重量部である場合には、アクリル樹脂と架橋剤等との反応により、位相差フィルムと偏光子との接着する為に必要十分な架橋密度が形成される。そして、接着層の固形分100重量部に対して水分量は25〜75重量部の状態が更に好ましい。
なお、接着層の固形分100重量部に対して水分量が80重量部以上であると位相差フィルムと偏光子との接着性が低下し、偏光板の機能が低下する。これは、接着層の中でアクリル樹脂と架橋剤等との反応に必要以上の水分量が存在すると副反応等により、位相差フィルムと偏光子との接着する為に必要十分な架橋密度が形成されないためと考えられる。
一方、接着層の固形分100重量部に対して水分量が20重量部未満である場合にも位相差フィルムと偏光子との接着性が低下し、偏光板の機能が低下する。これは、接着層の中で、アクリル樹脂と架橋剤等との反応に必要な水分量に達していないため、位相差フィルムと偏光子との接着する為に必要十分な架橋密度が形成されないためと考えられる。
そして、固形分100重量部に対して水分量が80重量部を超えるアクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤を用いる場合には、この接着剤を塗布した後、常温で放置して乾燥する方法や乾燥機を用いて乾燥する方法等を実施して接着層を固形分100重量部に対して、水分量が20〜80重量部になるように調整することが出来る。
一方、固形分100重量部に対して水分量が20〜80重量部のアクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤を用いる場合には、位相差フィルム及び/または偏光子に塗布して後、乾燥等の調整をせず、そのまま位相差フィルムと偏光子とを貼り合わせることも出来る。また、乾燥する等の調整を行ってもかまわない。しかし、これらに限定されるものはない。
次に、アクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤を塗布面(位相差フィルム及び/または偏光子の少なくとも片面)に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、マイヤーバーコート法、正回転ロールコート法、グラビアロールコート法、リバースロールコート法等が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
接着剤が塗布され、位相差フィルムと偏光子とを貼り合わせたのち、通常、加熱等を行い熱処理される。こうして本発明の偏光板を製造することができる。なお、より高い接着力を発現させるために、数時間から数日間のエージング処理を実施してもよい。
最終的に得られる接着層の厚さとしては、通常0.01〜50μm、好ましくは0.02〜30μm、より好ましくは0.05〜10μmである。
なお、偏光子と接着させる前には位相差フィルムに表面処理を施すことが好ましい。表面処理としては、コロナ放電処理、紫外線照射処理などが挙げられ、好ましくはフィルム面の水滴の接触角で65°以下、さらに好ましくは60°以下の表面状態にするのが好ましい。
〔偏光板の利用分野〕
本発明の偏光板は、例えば、偏光子の少なくとも片面に、アクリル樹脂を含む接着剤により形成される接着層を介して位相差フィルムが設けられる。前記偏光板において、偏光子の少なくとも片面に、アクリル樹脂を含む接着剤により形成される接着層を介して位相差フィルムが設けられていれば良く、偏光子の反対側にはあらゆるフィルムをあらゆる接着剤を用いて設けても良い。
かかる偏光板の厚さとしては、通常40〜250μmであので、液晶表示素子の部材の更なるコストダウンを実現することが出来、さらには全体として薄型化にも寄与しうる。
本発明により得られた偏光板は、粘着層を用いて液晶パネルとの貼り合わせを行うが、粘着層の汚染防止等を目的に離形フィルムを表面に仮粘着保護された形態をとる場合が多い。
粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの添加剤を含有してもよい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などであってもよい。偏光板への粘着層の形成は適宜な方法で行うことが出来る。その例としては、トルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解または分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調整し、それを流延方法や塗工方式等の適宜な展開方法で偏光板上または光学フィルム上に粘着層を形成してそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式などが挙げられる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜決定でき、一般には1〜300μmであり、2〜100μmが好ましく、特に3〜50μmが好ましい。
粘着層の離形フィルムとしては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を必要に応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを持ちうることが出来る。
以下本発明は、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、本明細書中に記載の材料特性値等は、以下の評価法によって得られたものである。
(1)面内位相差R値、厚み方向位相差K値の測定
面内位相差R値および厚み方向位相差K値は、分光エリプソメータ『M150』(日本分光(株)製)により測定した。R値は入射光線と位相差フィルムの表面が直交する状態で測定した。また、K値は入射光線と位相差フィルムの表面の角度を変えることにより、各角度での位相差値を測定し、公知の屈折率楕円体の式でカーブフィッティングすることにより三次元屈折率であるn、n、nを求めた。なお、その際、別のパラメータとして平均屈折率nが必要になるが、これはアッベ屈折計((株)アタゴ社製の『アッベ屈折計2−T』により測定した。
(2)ガラス転移点温度の測定
ガラス転移点温度(Tg)は『DSC2920 Modulated DSC』(TA Instruments社製)により測定した。フィルム成形後ではなく、ポリマーを重合後、フレークスまたはチップの状態で測定した。
(3)共重合体の13C−NMR測定:日本電子製JNM−α400型のNMR装置を使用した。重オルトジクロロベンゼン溶媒に溶解し、温度100℃で測定した。化学シフトの基準としてテトラメチルシランを用いた。定量のため、150MHz 13C−NMRスペクトルを逆ゲーテッドデカップリングモードで測定した。
(4)フィルムの全光線透過率およびヘーズ値:日本電色工業(株)製濁度計NDH−2000型を用いて測定した。
(5)フィルムの厚み:アンリツ社製の電子マイクロ膜厚計で測定した。
(6)偏光板の評価
(6)−1.〔偏光板の接着性評価〕
作製した偏光板の端面にカッターの刃を入れても偏光子から位相差フィルムを剥離できないものを○とし良好と判断し、剥離できるものを×して接着性不十分と判断した。
(6)−2.〔偏光板の耐環境性評価〕
(6)−2−1.〈偏光度変化の評価〉
作製した偏光板を80℃DRY、60℃90%RH環境にて、それぞれ1000時間放置した後、任意の点で偏光度変化を評価した。
偏光度の変化が1%以内である場合、耐環境性を○とし良好と判断し、それ以外を×として劣化ありと判断した。
(6)−2−2.〈寸法変化の評価〉
作製した偏光板を80℃DRY、60℃90%RH環境にて、それぞれ1000時間放置した後、任意の点で寸法変化を評価した。寸法は位相差フィルム上の基準点間の距離を測定した。寸法変化が0.5%以内である場合、耐環境性を○とし良好と判断し、それ以外を×として劣化ありと判断した。
(6)−2−3.〈位相差変化の評価〉
作製した偏光板を80℃DRY、60℃90%RH環境にて、それぞれ1000時間放置した後、任意の点で位相差変化を評価した。位相差変化が5%以内である場合、耐環境性を○とし良好と判断し、それ以外を×として劣化ありと判断した。
(6)−2−4.〈接着性劣化の評価〉
作製した偏光板を80℃DRY、60℃90%RH環境にて、それぞれ1000時間後の接着性を評価した。偏光板の端面にカッターの刃を入れても偏光子から位相差フィルムを剥離できないものを○とし良好と判断し、剥離できるものを×して接着性不十分と判断した。
また、以下の実施例、比較例で用いたポリカーボネートのモノマー構造を以下に示す。
Figure 2009037061
[実施例1]
<位相差フィルムの製法>
攪拌機、温度計および環流冷却器を備えた反応槽に水酸化ナトリウム水溶液およびイオン交換水を仕込み、これに上記構造を有するモノマー(E)、(F)を85:15のmol比で溶解させ、少量のハイドロサルフィトを加えた。次にこれに塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さらに、p−tert−ブチルフェノールを加えて乳化させた後、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後有機相を分取し、塩化メチレンを蒸発させてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同等であった。また、この共重合ポリカーボネートのガラス転移点温度は、216℃であった。
この共重合ポリカーボネートを塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液をスチールドラム上に流延し、それを連続的に剥ぎ取って乾燥させ、このフィルムをそれぞれ220℃で縦方向1.6倍、2.6倍の延伸処理をした。このようにして得られた位相差フィルムはそれぞれ位相差値がR=90nm、K=−45nm、全光線透過率は89.9%、ヘーズは0.2%と位相差値がR=280nm、K=−140nm、全光線透過率は89.7%、ヘーズは0.2%であった。
<偏光子の製法>
また、厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素1部、ヨウ化カリウム2部、ホウ酸4部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光子を得た。
<偏光板の製法>
前記の位相差フィルムのコロナ処理した面の表面に、接着剤として大成ファインケミカル(株)製の“SE-2716L”(固形分濃度40%の水溶液)を#14のワイヤーバーで塗布した。ここで接着層は、固形分100重量部に対して、水分量は150重量であった。これを常温で7分放置した結果、固形分100重量部に対して水分量が75重量部になった。
次に、接着層の上に前記の偏光子を載せ貼り合わせた。そして0.2〜0.3MPaの圧力のニップロール間を通した後、80℃で10分の乾燥をして偏光板を得た。
<偏光板の評価>
このように作製した偏光板を評価したところ、接着性は良好であり、偏光度99.9%であり、偏光板として十分な特性を有することを確認した。また、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、寸法変化、位相差変化、接着性劣化は確認できず良好であった。
更に、市販されている透過型VA液晶パネルの両側の偏光板を剥離して、本実施例で得られた偏光板を液晶セル側に本発明の位相差フィルムが設置されるように粘着剤を介してセルの上下に貼り合わせて液晶パネルを得た。この液晶パネルの表示画面を確認したところ、良好なコントラストと広い視野角を有していた。
[実施例2]
接着層の固形分100重量部に対して水分量を50重量部とした以外は実施例1と同様な方法で偏光板を得た。
このように作製した偏光板を評価したところ、接着性は良好であり、偏光板として十分な特性を有することを確認した。また、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、寸法変化、位相差変化、接着性劣化は確認できず良好であった。
更に、市販されている透過型VA液晶パネルの両側の偏光板を剥離して、本実施例で得られた偏光板を液晶セル側に本発明の位相差フィルムが設置されるように粘着剤を介してセルの片側に、反対側にはサンリッツ製HLC2−5618を貼り合わせて液晶パネルを得た。この液晶パネルの表示画面を確認したところ、良好なコントラストと広い視野角を有していた。
[実施例3]
接着層の固形分100重量部に対して水分量を25重量部とした以外は実施例1と同様な方法で偏光板を得た。
このように作製した偏光板を評価したところ、接着性は良好であり、偏光板として十分な特性を有することを確認した。また、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、寸法変化、位相差変化、接着性劣化は確認できず良好であった。
更に、市販されている透過型VA液晶パネルの両側の偏光板を剥離して、本実施例で得られた偏光板を液晶セル側に本発明の位相差フィルムが設置されるように粘着剤を介してセルの上下に貼り合わせて液晶パネルを得た。この液晶パネルの表示画面を確認したところ、良好なコントラストと広い視野角を有していた。
[実施例4]
大成ファインケミカル(株)製の“SE-2716L”(固形分濃度40%の水溶液)100重量部にエポキシ系硬化剤である坂本薬品工業(株)製の“SR-4GL”(有効成分100%品)3重量部を配合し調整した以外は実施例1と同様にして偏光板を得た。
このように作製した偏光板を評価したところ、接着性は良好であり、偏光板として十分な特性を有することを確認した。また、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、寸法変化、位相差変化、接着性劣化は確認できず良好であった。
更に、市販されている透過型VA液晶パネルの両側の偏光板を剥離して、本実施例で得られた偏光板を液晶セル側に本発明の位相差フィルムが設置されるように粘着剤を介してセルの上下に貼り合わせて液晶パネルを得た。この液晶パネルの表示画面を確認したところ、良好なコントラストと広い視野角を有していた。
[実施例5]
(E)、(G)のモノマーを67:33のモル比で溶解させてポリカーボネート共重合体を得た以外は実施例1と同様にして偏光板を得た。
このように作製した偏光板を評価したところ、接着性は良好であり、偏光板として十分な特性を有することを確認した。また、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、寸法変化、位相差変化、接着性劣化は確認できず良好であった。
更に、市販されている透過型VA液晶パネルの両側の偏光板を剥離して、本実施例で得られた偏光板を液晶セル側に本発明の位相差フィルムが設置されるように粘着剤を介してセルの上下に貼り合わせて液晶パネルを得た。この液晶パネルの表示画面を確認したところ、良好なコントラストと広い視野角を有していた。
[比較例1]
ポリビニルアルコール樹脂(クラレPVA217、重合度1700、けん化度88%)5wt%水溶液からなる接着剤用いた以外は実施例1と同様にして偏光板を得た。
このように作製した試料を評価したところ、接着性は不十分であった。また、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、接着性劣化が確認できた。
[比較例2]
接着層の固形分100重量部に対して水分量を100重量部とした以外は実施例1と同様にして偏光板を得た。
このように作製した試料を評価したところ、接着性は不十分であった。また、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、接着性劣化が確認できた。
Figure 2009037061
本発明の偏光板は、位相差機能を具備しており、広い視野角を有し、コントラスト等の表示品位に優れる液晶表示装置を形成しうるものであり、STN、TN、VA、IPS、OCBモード等の透過型、反射型、半透過反射型などいずれの方式にも使用できる。また、偏光板を用いる他の表示装置、例えば、強誘電性液晶、反強誘電性液晶を用いたもの、液晶プロジェクター、有機EL表示装置等にも用いられ、偏光めがねなどの表示装置以外の偏光板を用いたものにも使用できる。
アクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤が乾燥、融着して、接着層を形成することを示す概念図である。 Aは、比較例2を示す概念図である。接着層の乾燥が不十分なため、接着層に水分が残存する。一方、Bは実施例1〜4を示す概念図である。接着層の乾燥が十分であり、良好な接着層が形成される。
符号の説明
1・・・アクリル樹脂エマルジョン
2・・・水分
3・・・乾燥
4・・・融着
5・・・接着層
6・・・位相差フィルム
7・・・偏光子
8・・・圧着

Claims (6)

  1. 位相差フィルムおよび/または偏光子の少なくとも片面に、アクリル樹脂エマルジョンを含む水系接着剤を塗布して、該接着剤よりなる接着層を固形分100重量部に対して水分量20〜80重量部にした後、位相差フィルムと偏光子とを貼り合わせることを特徴とする偏光板の製造方法。
  2. 前記位相差フィルムが下記式(A)
    Figure 2009037061
    (上記式(A)においてR〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Xは下記式(X)
    Figure 2009037061
    であり、RおよびR10はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる少なくとも一種の基である。)
    で示される繰り返し単位および下記式(B)
    Figure 2009037061
    (上記式(B)においてR11〜R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Yは下記式群(Y)
    Figure 2009037061
    であり、ここでR19〜R21、R23及びR24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、R22及びR25はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Ar〜Arはそれぞれ独立に炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくとも1種の基である。)
    で示される繰り返し単位を含んでなり、上記式(A)で表される繰り返し単位が当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の10〜99mol%を占めるポリカーボネート樹脂組成物である請求項1に記載の偏光板製造方法。
  3. 上記式(A)におけるR1〜R8がそれぞれに独立に水素原子、および炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、R9及びR10が水素原子、および炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、かつ上記式(B)におけるR11〜R18がそれぞれ独立に水素原子、および炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Yが下記式(Y−1)
    Figure 2009037061
    (R20およびR21はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
    で示される繰り返し単位を含んでなり、上記式(A)で表される繰り返し単位が当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の10〜99mol%を占めるポリカーボネート樹脂組成物である請求項1〜2に記載の偏光板製造方法。
  4. 上記式(A)においてR1〜R8、R9及びR10が水素原子、またはメチル基であり、かつ上記式(B)においてR11〜R18が水素原子であり、Yが下記式(Y−2)である請求項1〜3記載の偏向板の製造方法。
    Figure 2009037061
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された製造方法により製造された偏光板。
  6. 請求項5に記載の偏光板を具備した液晶表示装置。
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