JP2009036886A - 光スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】ミラー装置に角度ずれが生じた場合であっても所望する光強度の出力光を出力することができる光スイッチを提供する。
【解決手段】所定の光強度を基準として角度ずれの許容範囲rを設定した場合、従来のように電圧Vyの値のみ変化させてミラーをX軸方向回りのみ変化させた場合、角度ずれの許容範囲は、Vy軸と平行な2本の直線間の領域(左側のグラフ参照)となる。一方、本発明のように、パラメータVtを用いて駆動電圧を更新する場合、角度ずれの許容範囲は、直線Vtと平行な2本の直線間の領域(右側のグラフ参照)となり、従来の場合よりも許容範囲が大きくなる。したがって、角度ずれが生じた場合であっても、所望する光強度を有する出力光を出力できる駆動電圧を従来よりも広範囲に探索することができ、結果として、所望する光強度の出力光を出力することができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、通信用光伝送装置や波長ルーティング装置などに用いられる光スイッチに関するものである。
近年、光通信の分野では、光信号を電気信号に変換することなく相手先に送信することにより、光の特徴を生かした高速通信が実現されている。また、1つの波長に1つの光信号を対応させて波長多重するWDM(Wavelength Division Multiplexing)技術により、一本の光ファイバにより大容量の光伝送を行うことも実現されている。このような光通信技術の発展に伴って、光信号を電気信号等に変換することなく経路を切り替える光スイッチが脚光を浴びている。
光スイッチは、光通信ネットワークの大規模化に伴って、高機能化が促進されている。従来では、入力ポートが1つ出力ポートが2つの単純な1×2スイッチが用いられていたが、近年では、入力ポートおよび出力ポートを数百個有し万単位の光路制御を行うことができるマトリクススイッチ(例えば、非特許文献1参照)や数十もの波長から任意の波長を選択して複数の出力ファイバのうちの何れかから出力する波長選択スイッチ(例えば、特許文献1参照)などが提案されている。中でも、高機能化とともに小型化を実現できるのが空間光学系光スイッチである。
空間光学系光スイッチは、光ファイバとともにレンズやミラーなどの空間光学部品を3次元的に配置することにより、高機能化と小型化を実現している。このような空間光学スイッチには、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術で作成されたマイクロミラー装置(例えば、特許文献2参照)がよく用いられる。MEMSマイクロミラー装置は、ミラーを複数の回動軸により回動させることが可能なので、例えば、光路の切り替えを実現する第1の回動軸の他にその回転軸と直交する第2の回動軸を設け、この第2の回動軸によりミラーを傾けることによって、光損失を制御することが提案されている。このような光損失制御機能を、例えばWDM 光ネットワークなどで用いられる波長選択スイッチに用いることにより、中継数を増やしても光伝送路における波長利得や損失の差によって生じた光信号間のパワーのばらつきを抑圧することが可能となるので、ノード数の増加を実現することができる。したがって、光損失を制御できる空間光学系光スイッチは、将来の多波長光ネットワークに欠かせない装置となりつつある。
図24にMEMSマイクロミラー装置を用いた空間光学系光スイッチの一例を示す。この光スイッチは、外部より入力された入力光を装置内部に導入する1個の入射ポート101と、入力光を外部に出力するN個の出射ポート102と、ミラーにより入射ポート101から入力される入射光を出射ポート102に向けて選択的に反射するMEMSミラー装置103とともに、入射ポート101から入力された入力光を平行に調整するコリメートレンズ104と、MEMSミラー装置103からの反射光を出射ポート102に結合する結合レンズ105とを備える。
ここで、MEMSミラー装置103は、図24,図25に示すように、互いに直交するX軸およびY軸回りにミラー103aを回動させることができる。これにより、例えば、ミラー103aをY軸回りに回動させると、入力光を出射ポート102に選択的に反射させることができる。また、ミラー103aをX軸回りに回動させると、入力光のY軸方向の光損失を制御することができる。このようなミラー装置103は、図26に示すように、ミラー103aが可動枠を介して基部に連結されるジンバル構造がよく用いられている。また、ミラー103aには、複数の電極1031〜1034が対向配置されており、これらに選択的に電圧を印加することによりミラー103aに静電引力が働き、ミラー103aが所定の方向に回動することとなる。図26では、一例として、電極1031〜1034は、全体として平面視略矩形の形状を有し、それぞれはその対角線により4つに分割された平面視略三角形の形状を有する。
ここで、電極1031と電極1033とは、Y軸に対して対称に配設されている。したがって、電極1031と電極1033に所定の値の電圧Vxを印加してミラー103aをY軸に対して所定の角度に傾けることができる。ここで、出射ポート102は、X軸方向に併設されているため、電圧Vxを印加してミラー103aをY軸回りに回動させることにより、図27に示すように、入力光を任意の出射ポート102に反射させることができる。このときの電圧Vxと光強度Pとの関係は、図28に示すようなグラフで表される。すなわち、Vx軸上に出射ポート102の数量だけ光強度のピークが存在する。
また、電極1032と電極1034とは、X軸に対して対称に配設されている。したがって、電極1032と電極1034に所定の値の電圧Vyを印加することにより、図29に示すように、ミラー103aをX軸に対して所定の角度で傾けることができる。ここで、出射ポート102は、X軸方向に並設されているため、電圧Vyを印加すると、反射光がY軸方向に移動するので、反射光の出射ポート102に対する結合率を変化させて調整することができる。このときの電圧Vyと光強度Pとの関係は、図30に示すようなグラフで表される。すなわち、Vy軸とP軸との原点上に最も結合効率が高いピークが存在する。
図28および図30で示したVx軸とVy軸の光強度のプロファイルをVx−Vy電圧平面上の等高線図として描写すると、図31の示すグラフを得ることができる。一般的にVxとVyの制御電圧範囲は同程度であり、Vx方向には複数、Vy方向には1つのピークを有するので、Vx−Vy電圧平面上の光強度のプロファイルはVy方向に細長い楕円形がVx方向に出射ポートの数量分だけ並んだ形態となる。このとき、出射ポートを選択するということは、出射ポートに対応した楕円の頂点に対応する電圧Vxを印加することに対応する。また、損失を低くするということは、電圧Vyとして適当な値を印加してその楕円を長軸方向に走査することにより、光強度のピークを探索することを意味する。したがって、入力光を任意の出射ポートから低損失で出力する場合、その出射ポートに対応する電圧Vxを印加するとともに、電圧Vyを変動させて光強度のピークを探索し、そのピークに相当する電圧Vyを印加することが行われる。
このような光スイッチに用いられる静電駆動型のMEMSミラー装置は、電極間やその他の浮遊容量への充電に要する時間に関係したドリフトまたは電極周辺の帯電による影響などにより、電極に印加した駆動電圧で決まる本来の角度からミラーの傾斜角が変位するいわゆるドリフト現象が生じることがある。このドリフト現象が生じると、上述したような2つの回転軸をもつミラー装置の場合、出射ポートを選択するY軸の角度ずれおよび光損失を制御するX軸の角度ずれの何れも光強度の変動につながる。このため、従来より、所望の光強度の出力光を得るために、出射ポートから出力される出力光の光強度をモニタし、所望の光強度との偏差に基づいて光損失を制御するX軸回りの角度を調整することが行われてきた。具体的には、定期的に光強度が所望の値より大きければ損失を増加し、小さければ損失を減少させるように、X軸回りの角度、すなわち電圧Vxの値を調整していた。
特開2007−140168号公報 特開2003−57575号公報 Tsuyohi Yamamoto, et al., "A Three-Dimensional MEMS Optical Switching Module Having 100 Input and 100 Out put Ports", IEEE Photonics TECHNOLOGY LETTERS, VOL. 15, NO.10, pp.1360-1362, 2003
しかしながら、従来のように出力光の光強度に基づきX軸回りの角度を調整することによって光損失を補償する場合、出力光の光強度からは2つの回転軸の何れでミラーの角度ずれが生じてしまったのかを検出することができないので、例えば、出射ポートを選択するY軸に角度ずれが生じたために光損失が発生した場合であっても、その損失を補償するためにX軸回りの角度を変位させることになり、結果として、光損失を補償することができず、所望する光強度の出力光を得ることがなかった。
例えば、図32に示すように、光強度がVy軸方向に変化した場合には(符号a)、その変化に対応する電圧を相殺するように電圧Vyの値を印加することにより(符号b)、光強度の損失を補償することができる。また、図33に示すように、光強度がVy軸方向とともにVx軸方向に変化した場合(符号c)であっても、そのVx方向の変化量がわずかな場合には、VxとVy両電圧軸の変化に対応する光強度の変化を相殺するように一方の電圧Vyに適当な電圧を印加することにより(符号d)、光強度の損失を補償することができる。ところが、図34に示すように、光強度がVx軸方向に大きく変化した場合(符号e)、いくらVy方向の電圧Vyの値を変化させたところで、光強度の損失を補償することができず、所望する光強度を有する出力光を得ることができない。
そこで、本願発明は、ミラー装置に角度ずれが生じた場合であっても所望する光強度の出力光を出力することができる光スイッチを提供することを目的とする。
上述したような課題を解消するために、本発明に係る光スイッチは、入力光を入力する少なくとも1つの光入力部と、出力光を出力する少なくとも1つの光出力部と、X軸およびこのX軸と異なるY軸に対して回動可能に支持されたミラーおよびこのミラーと対向配置された複数の電極を有し、これらの電極に駆動電圧を印加することによりミラーを所定の角度に傾斜させるミラー装置と、光出力部から出力される出力光の光強度を検出する検出部と、この検出部の検出結果に基づいて、ミラーをX軸回りおよびY軸回りにそれぞれ回動させるために電極に電圧Vxおよび電圧Vyを印加する駆動制御部とを備えた光スイッチであって、駆動制御部は、電圧Vxおよび電圧Vyを所定の関数に基づいて演算して、所定の光入力部に入力された入力光を選択的に任意の光出力部から出力させることを特徴とする。
上記光スイッチにおいて、所定の関数は、VxおよびVyに関するパラメータVtの多項式で表されるようにしてもよい。ここで、上記所定の関数は、パラメータをVt、任意の光出力部に対応するX軸,Y軸に沿った駆動電圧のオフセットをそれぞれV0x,V0y、定数をそれぞれA,B(≠0)とすると、Vx=V0x+A・VtおよびVy=V0y+B・Vtで表されるようにしてもよい。このとき、VxとVyを座標軸とする平面上においてVyをVxの一次関数として表した場合にVyの軸に対する一次関数の傾きをφとすると、Vx=V0x+Vt・sinφおよびVy=V0y+Vt・cosφで表されるようにしてもよい。
また、上記光スイッチにおいて、駆動制御部は、パラメータVtを変化させたときに、検出部の検出結果に基づいて、選択された光出力部からの検出部が検出した光強度が所定の値に到達するか否かを判定する判定部と、この判定部により出力光の光強度が所定の値に到達しないと判定された場合、VxおよびVyの何れか一方についてパラメータVtの符号を逆転させる変更部とを備えるようにしてもよい。
また、上記光スイッチにおいて、駆動制御部は、パラメータVtを変化させたときに、検出部の検出結果に基づいて、選択された光出力部からの検出部が検出した光強度が所定の値に到達するか否かを判定する判定部と、この判定部により出力光の光強度が所定の値に到達しないと判定された場合、VxとVyを座標軸とする平面上において、パラメータVtを所定の角度で回転させる変更部とを備えるようにしてもよい。
また、本発明に係る他の光スイッチは、入力光を入力する少なくとも1つの光入力部と、出力光を出力する少なくとも1つの光出力部と、X軸およびこのX軸と異なるY軸に対して回動可能に支持されたミラーおよびこのミラーと対向配置された複数の電極を有し、これらの電極に駆動電圧を印加することによりミラーを所定の角度に傾斜させるミラー装置と、この検出部の検出結果に基づいて、ミラーをX軸回りおよびY軸回りにそれぞれ回動させるために電極に電圧Vxおよび電圧Vyを印加する駆動制御部とを備えた光スイッチであって、駆動制御部は、電圧Vxおよび電圧Vyのうちの一方を変化させる駆動電圧出力部と、光出力部から出力される出力光の光強度を検出する検出部と、駆動電圧出力部からの電圧Vxおよび電圧Vyのうちの一方によりミラー装置を駆動したときの検出部の検出結果に基づいて、出力光の光強度が所定の値に到達するか否かを判定する判定部と、この判定部により出力光の光強度が所定の値に到達しないと判定された場合、駆動電圧出力部において変化させる駆動電圧を電圧Vxおよび電圧Vyのうちの他方に変更する変更部とを備え、所定の光入力部に入力された入力光を選択的に任意の光出力部から出力させることを特徴とする。
本発明によれば、所定の関数に基づいて演算された電圧Vxおよび電圧Vyを電極に印加することにより、ミラーがX軸回りおよびY軸回りに同時に回動するため、出力光の光強度が所定の値以上となる電圧Vxおよび電圧Vyの値を従来よりもより広範囲に探索することが可能となり、結果として、ミラー装置に角度ずれが生じた場合であっても所望する光強度の出力光を出力することができる。
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して、本発明に係る第1の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態は、1×nポートの光スイッチに適用した場合を例に説明する。
<光スイッチの構成>
図1に示すように、本実施の形態に係る光スイッチ1は、1本の入力側光ファイバ11と、n本の出力側光ファイバ12−1〜nと、入力側光ファイバ11と出力側光ファイバ12−1〜nとを結ぶ光路上に配置されたMEMSミラー装置13と、出力側光ファイバ12−1〜nからの出力をモニタするフォトダイオード14−1〜nと、このフォトダイオード14−1〜nの検出結果をA/D変換するA/D変換器15と、このA/D変換器15からの出力に基づいてMEMSミラー装置13の駆動を制御する制御装置16とを備えている。また、入力側光ファイバ11の出力側および出力側光ファイバ12の入力側には、それぞれ空間光学系と光ファイバとを整合させるためのカップリングレンズ17,18が設けられている。
ここで、MEMSミラー装置13は、X軸方向およびY軸の2つの回動軸により回動可能に支持されたミラー13aと、このミラー13aに対向配置された複数の電極(図示せず)とを備えている。これらの電極は、例えば、図26で示したように、X軸またはY軸を挟んで対称に配設するようにしてもよい。この場合、Y軸に対称に配設された電極に対して電圧Vxを印加することにより、ミラー13aをX軸回りに回動させることができる。また、X軸に対称に配設された電極に対して電圧Vyを印加することにより、ミラー13aをY軸回りに回動させることができる。
なお、MEMSミラー装置13の電極としては、上述したようにX軸またはY軸に対称に配設したものに限定されず、例えばX軸およびY軸の間に設けたものなど、ミラー13aを異なる2つの軸回りに回動させるために各電極に印加される電圧を軸毎に区別することができるものであれば、適宜自由に設定することができる。
また、制御装置16は、図2に示すように、検出部21と、駆動電圧更新部22と、駆動電圧出力部23と、到達判断部24と、変更部25と、初期値設定部26とを備える。
検出部21は、A/D変換器15からの出力から、出力側光ファイバ12−1〜nから出力される出力光の光強度と所定の光強度との偏差を算出する。
駆動電圧更新部22は、検出部21による出力光の検出結果や到達判断部24による後述する判断結果に基づいて、MEMSミラー装置13の各電極に供給する駆動電圧の値を更新する。この更新した駆動電圧は、駆動電圧出力部23に入力される。
駆動電圧出力部23は、駆動電圧更新部22または初期値設定部26からの指示に基づいて、MEMSミラー装置13の各電極に駆動電圧を供給する。
到達判断部24は、検出部21により検出された出力光の光強度に基づいて、この光強度が所定の値に到達するか否かを判断する。
変更部25は、到達判断部24により光強度が所定の値に到達しないと判断された場合、MEMSミラー装置13に供給する駆動電圧のパラメータを変更する。
初期値設定部26は、制御装置16によりMEMSミラー装置13を駆動させる際に必要な各種初期値を設定する。
このような制御装置16は、CPU等の演算装置、RAMやROM等からなり動作プログラム、出力光の光強度MEMSミラー装置13の駆動電圧などの各種データ等を記憶した記憶装置を備え、上記プログラムに基づいて演算を行う、すなわちハードウェア装置とソフトウェアとが協働することによって、上記のハードウェア資源がプログラムによって制御され、上述した検出部21、駆動電圧更新部22、駆動電圧出力部23、到達判断部24、変更部25、初期値設定部26が実現される。
<光スイッチ1の動作>
次に、本実施の形態に係る光スイッチ1の全体の動作について説明する。まず、入力側ファイバ11から光スイッチ1内部に入力された光信号(入力光)は、コリメートレンズ17で平行にまたは集光されて、MEMSミラー装置13に照射される。このMEMSミラー装置13は、入力光を所定の方向に反射して、カップリングレンズ18を介して所定の出力側光ファイバ12に入力させる。
このとき、出力側光ファイバ12は、MEMSミラー装置13が有するミラー13aのX軸方向に沿って所定の間隔で並設されている。したがって、制御装置16により、MEMSミラー装置13に対して所定の電圧Vxを供給し、ミラー13aをY軸回りに所定の角度回動させて入力側光ファイバ11と任意の出力側光ファイバ12と光路を形成することにより、入力光をその任意の出力側光ファイバ12から出力させることができる。
また、ミラー装置13に対して所定の電圧Vyを供給し、ミラー13aをX軸回りに回動させることにより、ミラー13aによる入力光の反射光の光路をY軸方向に移動させることができる。すると、反射光と出力側光ファイバ12との結合効率が変わるため、出力側光ファイバ12から出力される出力光の光強度が変化する。
出力側光ファイバ12から出力される光信号(出力光)は、その幾らかをパワー分岐して、フォトダイオード14−1〜nにより受光される。アナログ信号からなる受光信号は、A/D変換器15によりA/D変換されてデジタル信号となり、制御装置16に入力される。
制御装置16は、A/D変換器15から入力された受光信号に基づいて、出力光が所定の値を超える光強度を有するよう、MEMSミラー装置13に供給する駆動電圧を設定し、これをMEMSミラー装置13に供給する。このような駆動電圧の設定は、例えばフィードバック制御としてよく知られたPID制御を実施することにより行われる。このような駆動電圧の設定動作については後述する。
<駆動電圧設定動作>
次に、図3を参照して、制御装置16による駆動電圧設定動作について説明する。
まず、制御装置16は、入力光を何れの出力側光ファイバ12−1〜nから出力するかが外部より選択されると(ステップS1)、初期値設定部26により、その選択された出力側光ファイバ12に対応する駆動電圧をMEMSミラー装置13に供給する(ステップS2)。ここで、初期値設定部26は、出力側光ファイバ12−1〜n毎にそれぞれに入力光を反射させる際にMEMSミラー装置13の電極に印加すべき駆動電圧の値を示すテーブルを予め備えているようにしてもよい。この場合、初期値設定部26は、そのテーブルに基づいて駆動電圧をMEMSミラー装置13に供給する。
MEMSミラー装置13に駆動電圧が供給され、この駆動電圧に基づいてミラー13aが傾動することにより、入力光が選択された出力側光ファイバ12−1〜nから出力光として出力されると、制御装置16は、検出部21により、フォトダイオード14−1〜nおよびA/D変換器15から出力光の光強度を取得し(ステップS3)、この値が所定の値を以上か否かを検出する(ステップS4)。
出力光の光強度が所定の値を超えている場合(ステップS4:YES)、制御装置16は、ステップS3の処理に戻る。
一方、出力光の光強度が所定の値を超えていない場合(ステップS4:NO)、制御装置16は、到達判断部24により、出力光の光強度が所定の値を超える可能性があるか否かを判断する(ステップS5)。この到達判断動作の詳細については後述する。
光強度が所定の値を超える可能性がある場合(ステップS5:YES)、制御装置16は、駆動電圧更新部22により、MEMSミラー装置13に供給する駆動電圧を更新し(ステップS6)、ステップS2の処理に戻る。なお、更新動作の詳細については後述する。
一方、光強度が所定の値を超える可能性がない場合(ステップS5:NO)、制御装置16は、変更部25により駆動電圧を更新するためのパラメータを変更し(ステップS7)、ステップS5の処理に戻る。なお、パラメータ変更動作の詳細については後述する。
これにより、光スイッチ1は、入力側光ファイバ11から入力された入力光を、任意の出力側光ファイバ12−1〜nから所定の値を超える光強度を有した状態で出力することができる。
<更新動作>
次に、駆動電圧更新部22による駆動電圧の更新動作について説明する。
まず、出力側光ファイバ12−1〜nを選択する電圧Vxと出力光の損失を制御する電圧Vyに対して、これらを成分とするパラメータVtを、下式(1),(2)で示すように定義する。
x=V0x+fx(Vt) ・・・(1)
y=Voy+fy(Vt) ・・・(2)
ここで、V0xとVoyは、図4に示すように、選択された出力側光ファイバ12−1〜nに対応する駆動電圧と他の出力側光ファイバ12に対応する駆動電圧のオフセット値であり、ドリフト等により角度ずれが生じていない際に光強度の損失が最小となるときの駆動電圧の値である。また、fx(Vt)とfy(Vt)は、Vtに対する一次以上の高次多項式を表す。なお、以下においては、fx(Vt)とfy(Vt)が一次関数の場合を例に説明する。この場合、式(1),(2)は、下式(3),(4)で表される。
x=V0x+A・Vt ・・・(3)
y=Voy+B・Vt ・・・(4)
上式(3),(4)をVxとVyを座標軸とする平面上に示すと、初期電圧、すなわち角度ずれが発生していない状態のVxとVyの値を通る直線となる。この直線のVy軸に対する傾きをφとすると、上式(3),(4)は、下式(5),(6)で表される。なお、角度φは、上記直線のVxに対する傾きとしても定義することできる。
x=V0x+Vt・sinφ ・・・(5)
y=Voy+Vt・cosφ ・・・(6)
駆動電圧更新部22は、図5に示すように、Vy軸に対して角度φだけ傾いたパラメータVtを変数として電圧Vxと電圧Vyの値を順次変更して出力光の光強度の最適値を探索する、いわゆるフィードバック制御を行う。これにより、Vtの値を変化させると、VxとVyの値が同時に変化するので、ミラー装置13のミラー13aがX軸およびY軸回りに同時に変化することとなり、結果として、角度ずれに対する許容量が拡大される。例えば、図6に示すように、所定の光強度P1を基準として角度ずれの許容範囲rを設定した場合、従来のように電圧Vyの値のみ変化させてミラー13aをX軸方向回りのみ変化させた場合、角度ずれの許容範囲は、Vy軸と平行な2本の直線間の領域となる(図7の左側のグラフ参照)。一方、本実施の形態のように、パラメータVtを用いて駆動電圧を更新する場合、角度ずれの許容範囲は、直線Vtと平行な2本の直線間の領域(図7の右側のグラフ参照)となり、従来の場合よりも許容範囲が大きくなる。したがって、角度ずれが生じた場合であっても、所望する光強度を有する出力光を出力できる駆動電圧を従来よりも広範囲に探索することができる。
<パラメータ変更動作>
次に、変更部25によるパラメータVtの変更動作について説明する。
上述したように、駆動電圧更新部22によりVy軸に対して斜めとなるパラメータVtを設定することによって角度ずれの許容範囲を拡げることができたが、許容範囲よりも大きな角度ずれが生じた場合には、パラメータVtを用いた場合であっても所望する光強度の出力光を取得することが不可能となる。例えば、図8に示すように角度ずれがない状態でMEMSミラー装置13の駆動を制御していたときに、ドリフト等により、図9に示すように角度ずれが生じて、直線VtがVx軸の正の方向にずれたとする。このような場合には、図10に示すように、パラメータVtをいくら変化させたところで、所望する光強度(図10における最内側の楕円)の出力光は得ることができない。このような場合、到達判断部24は、出力光の光強度が所定の値を超えないと判断する。この結果を受けて、変更部25は、パラメータVtと電圧VxおよびVyとの関係式を変更する。
例えば、図11に示すように、パラメータVtをVy軸に対して線対称に変更する、言い換えると、パラメータVtとVy軸との交差角であるφの符号を逆転する。これにより、VtとVxおよびVyとの関係式(5),(6)における定数項V0x、V0yは、下式(7)で表されるV0x’、V0y’に変更され、かつ、新しいVtとVy軸との角度は(−φ)となる。
(V0x’,Voy’)=(Vx(Vt’)−Vt’・sin(−φ),Voy) ・・・(7)
ここで、Vt’は、変更前のVt軸上の極大点近傍の値であり、目標とする所定の光強度の値に到達できないと判断した座標(以下、基点という)を示している。Vx(Vt’)は、Vt’におけるVxの値である。上式(7)には、三角関数が含まれるが、sin(−φ)=−sinφであることからφの値が一定であるならば、sinφを定数として与えることが可能であり、変換の際には単にsinの符号をマイナスにすればよい、したがって、変換を行う際の計算は、四則演算で十分であるため、CPUに大きな負荷を与えることなく実行することができる。
なお、変更部25は、パラメータVtをVy軸に対して線対称に変更するのみならず、例えば、図12に示すように、パラメータVtを基点を中心としてVx軸に対して線対称に変更したり、図13に示すように、パラメータVtを基点を中心として所定の角度αだけ回転させるようにしてもよい。特に、図11,図12に示すように軸対称でVtを変更する場合には、切り替えた前後の光強度とVt電圧の微分値が急激に変化しないため、切替前後で同じ制御パラメータのフィードバック制御を用いて更新動作を行うことができる。
<到達判断動作>
次に、到達判断部24による到達判断動作について説明する。この到達判断動作としては、光強度の最大値に基づく手法と、光強度の微分値に基づく手法とが挙げられる。それぞれについて、以下に説明する。
(最大値に基づく手法)
この場合、到達判断部24は、図14に示すように、制御電圧軸であるVt軸上で光強度の値Pをモニタし、現在の光強度の値が前回に測定した値以上の場合は最大値を現在の光強度に更新し、現在の光強度が前回の値を下回った場合は、その時点での最大値と目標とする所望の光強度とを比較する。このとき、最大値Pが目標値を下回る場合は、到達判断部24は、当該制御軸上では目標値に到達できないと判断する。
(微分値に基づく手法)
この場合、到達判断部24は、図15に示すように、制御電圧Vtと光強度の値Pとの微分値dP/dVtの符号変化をモニタし、過去に正および負の両符号をとったか否か検出することにより極大点を通過したことが判断する。この方法により極大点を通過したと判断した状況おいても、出力光の光強度が目標値を超えない場合、到達判断部24は、当該制御軸上では光強度が目標値に到達できないと判断する。
<制御装置16の動作の具体例>
次に、図16を参照して、制御装置16の動作の具体例について詳細に説明する。
まず、初期値設定部26は、光信号を出力する出力側光ファイバ12−1〜nと、これに対応した初期駆動電圧(V0x、V0y)、光強度の目標値Pt、Vtの初期値Vt0およびPID制御のパラメータなど、必要な変数の初期設定を行う(ステップS11)。また、初期設置部26は、パラメータVtの初期値Vt0を設定する(ステップS12)。これらが設定されると、駆動電圧出力部23は、設定されたVt0に対する電圧Vx,Vyを上記初期駆動電圧に基づいて算出し、これをMEMSミラー装置13に供給する(ステップS13)。
これにより、対称となる出力側光ファイバ12−1〜nから光信号が出力されると、検出部21は、その光信号の光強度P0を測定する(ステップS14)。このとき、パラメータVtの初期値Vt0では、出力光の光強度は必ずしも目標値とはなっていない。そこで、駆動電圧更新部22は、出力光の光強度が目標値に一致するように、定期的に目標値と光強度の偏差e(=Pt−P0)を算出し(ステップS15)、この偏差に応じた負帰還量FbをVtに加える(ステップS16,S17)。
tが更新されると、駆動電圧出力部23は、再度、電圧Vx,Vyを算出してMEMSミラー装置13の電極に印加する(ステップS18)。これにより、出力光の光強度は、目標値に近づき、最終的には一致することとなる。
しかしながら、ドリフト等により角度ずれが発生し、Vt 軸上では出力光が目標値に到達することができなくなることがある。このような場合を判断するために、到達判断部24は、Vt軸上での微分値dp/dVtを定期的に繰り返すPID制御の前回と今回の値の差分から算出{(dp/dVt)={P0(今回)−P0(今回)}/{Vt(今回)Vt(前回)}する(ステップS19,S20)。その微分値が正になった場合、PlusFlagを1にする(ステップS21)。一方、その微分値が負になった場合、到達判断部24は、MinusFlagを1とする。なお、MinusFlagとPlusFlagは初期値を0としておく。
MinusFlagとPlusFlagの両者の積が1となった場合(ステップS22:YES)、微分値dp/dsが正および負の両方を経験した、すなわち極大点を通ったことになるので、この状況で出力光の光強度が目標値に達していないと判断された場合、変換部25は、上述したようなパラメータ変更動作を行う(ステップS26)。このパラメータ変更動作を行うと、変換部25は、MinusFlagとPlusFlagを初期値である0に戻しておく。
MinusFlagとPlusFlagの両者の積が1とならない場合(ステップS22:NO)、駆動電圧更新部22は、パラメータVtおよび光強度P0を現在の値に更新する(ステップS24)。
上述したような動作は、外部より停止命令が入力されるまで繰り返される(ステップS24)。このようにすることにより、本実施の形態に係る光スイッチ1は、制御装置16により処理を行っている間はX軸およびY軸のどちらに角度ずれが生じても、出力光強度の値を目標値と一致させることが可能となる。
このような図16に示す処理を2軸で駆動するMEMSミラー装置を有する光スイッチに適用した場合の光強度の時間変化を、図17に示す。この図17は、目標値を-15.2dBmとしており、数十時間にわたって安定した動作を実現していることがかる。このときのVt軸における光強度を図18に示す。この図18に示すように、出力光の光強度の値は一定にも拘わらず、Vtの値は変化していることがわかる。これはミラーの経時的な角度変化を補償しているためである。図19は図18で示したVt軸上の軌跡をVx−Vy平面上に変換した軌跡を示している。このときのVt軸のVy軸に対する傾斜角は10°である。図18からは通常のPID制御が行われているだけのように観察されるが、図19に示すVx−Vy平面上の軌跡を見れば、単にVx−Vy平面上に固定された直線上を制御しているのではなく、ミラーの経時的な角度変化に対応して、必要に応じて、制御軸の傾斜角φを反転しながら目標値を追従していることがわかる。
また、図16に示す処理におけるVt軸上の微分値を用いて極大点をもつ損失プロファイル上をPID制御する方法について、図20を参照して説明する。通常、PID制御では、偏差に比例した補償量を制御電圧に加えるが、この加える際の符号は負帰還になるように設定される。例えば、Vtが減少することで光強度が増加するのであれば、出力光の光強度の減少により偏差が大きくなると、Vtが減少するような負の補償量が加えられる。しかしながら、極大点を有する場合は、その極大点よりVtが大きな領域ではVtが減少することで光強度が増加するのに対して、極大点よりVtが小さな領域ではVtが減少することで光強度も減少する(図20の矢印f参照)。したがって、極大点より小さな領域において、上述した場合と同様に出力光の光強度の減少を補償するためにVtを減少させると、かえって光強度が減少して正帰還状態になってしまう。そこで、本実施の形態では、Vtと出力光の光強度の微分値dP/dVtが極大点を前後して符号が変わることを利用することにより正帰還を防ぐ。
具体的には、補償電圧量をFbとした場合、下式(8)にしたがってFbをVtに加算することにより、正帰還に陥ることを避けることができる。
t=Vt+(dP/dVtの符号)×Fb ・・・(8)
また、下式(9)にしたがってFbをVtに加算することによっても、正帰還に陥ることを避けることができる。
t=Vt+(基準微分値)/(dP/dVt)×Fb ・・・(9)
この式(9)では、基準微分値を正値とすることにより、正帰還になることも避けることができる。また、この場合、二次方物線形状のため、極大点付近でdP/dVtの絶対値が小さくなり、フィードバック量Fbに対する出力光の光強度ΔPの変化が小さくなってしまう(図20の矢印g参照)ことを補正することも可能である。なお、dP/dVtの値が極めて小さい場合には、発散を防ぐために「(基準微分値)/(dP/dVt)」の絶対値が制限値を越えないようにする必要がある。基準微分値には、例えば任意の電圧VtにおけるdP/dVtを予め測定しておき、これを用いるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、パラメータVtに用いて電圧Vxおよび電圧Vyの値を算出し、これを電極に印加することにより、ミラーがX軸回りおよびY軸回りに同時に回動するため、出力光の光強度が所定の値以上となる電圧Vxおよび電圧Vyの値を従来よりもより広範囲に探索することが可能となり、結果として、ミラー装置に角度ずれが生じた場合であっても所望する光強度の出力光を出力することができる。
なお、本実施の形態において、1×nポートの光スイッチに適用した場合を例に説明したが、本発明は2つの回動軸を有するミラー装置を有する光スイッチであるならば各種スイッチに適用できることはいうまでもない。例えば、図21に示すようなm波長で1×nポートを有する波長選択スイッチ2に適用するようにしてもよい。この波長選択スイッチ2は、1本の入力側光ファイバ11と、n本の出力側光ファイバ12−1〜nと、入力側光ファイバ11からの入力光を回折しm個の特定の波長の光を生成する回折格子31と、この回折格子により回折されたm個の光を各波長毎に反射して対応する出力側光ファイバ12−1〜nに出力するMEMSミラー装置13−1〜mと、出力側光ファイバ12−1〜nからの出力を合波する合波器32と、この合波器32により合波された光をm個の特定の波長毎に分波器33と、この分波器33により分波された各光をモニタするフォトダイオード14−1〜mと、このフォトダイオード14−1〜mの検出結果をA/D変換するA/D変換器15と、このA/D変換器15からの出力に基づいてMEMSミラー装置13−1〜mの駆動を制御する制御装置16とを備えている。このような波長選択スイッチ2に対しても制御装置16により上述した光スイッチ1と同等の処理を行うことにより、光スイッチ1の場合と同等の作用効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、検出部21、駆動電圧更新部22、駆動電圧出力部23、到達判断部24、変更部25および初期値設定部26により、出力光の光強度が所定の値以上となる電圧Vxおよび電圧Vyの値を算出するようにしたが、これらの電圧の値をパラメータVtに基づいて算出するのであれば、各種構成を適用できることは言うまでもない。例えば、検出部21,駆動電圧更新部22,駆動電圧出力部23および初期値設定部26のみから制御装置16が構成されるようにしてもよい。この場合、初期値設定部26により選択された出力側光ファイバ12に対応する電圧Vxおよび電圧Vyの値を設定し、検出部21により出力光の光強度を監視し、この光強度が所定の値を超えないときに駆動電圧更新部22により上述した駆動電圧の更新動作を行う。これにより、出力光の光強度が所定の値以上となる電圧Vxおよび電圧Vyの値を従来よりもより広範囲に探索することが可能となり、結果として、所定の光強度を有する出力光を出力させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1の実施の形態における制御装置16の駆動電圧更新部22および変更部25の構成が異なるものである。したがって、本実施の形態において、第1の実施の形態と同等の構成要素は、同じ名称および符号を付し適宜説明を省略する。
本実施の形態では、到達判断部24により現在のVy軸上では目標とする光強度に到達できないと判断された場合、変更部25により目標とする光強度をVx軸上で探索するように変更する。例えば、図22に示すように、角度ずれが生じて駆動電圧が符号hに示す状態となった場合、Vy軸に沿った直線上(図22における点線i)に目標とする光強度を探索しても、その目標に到達することはできない。このような場合、図23に示すように、目標に到達できないと判断した電圧値を基点として、Vx軸に沿った直線状(図23における点線j)で目標とする光強度を探索する。これにより、目標とする光強度をとなる符号kで示す駆動電圧を探索することができる。
本発明は、複数の回動軸を有するミラー装置による反射光の光強度の最適化を行う各種装置に適用することができる。
本発明に係る1×nポートの光スイッチを示す模式図である。 制御装置の構成を示すブロック図である。 駆動電圧設定動作を示すフローチャートである。 x−Vy電圧平面上の光強度を等高線で示す図である。 パラメータVtを説明する図である。 角度ずれの許容量を説明する図である。 従来と本発明との角度ずれ許容範囲を説明する図である。 角度ずれがないときのVx−Vy電圧平面上の光強度を示す図である。 角度ずれがあるときのVx−Vy電圧平面上の光強度を示す図である。 図9において光強度のピークの探索を説明する図である。 tをVy軸に対して線対称に変更した図である。 tをVx軸に対して線対称に変更した図である。 tを角度α回転した図である。 最大値に基づいて光強度が目標値に到達するか否かを判断する手法を説明する図である。 微分値に基づいて光強度が目標値に到達するか否かを判断する手法を説明する図である。 制御装置の動作の具体例を示すフローチャートである。 光強度の時間変化の具体例を示す図である。 図17におけるVt軸の光強度を示す図である。 図18におけるVt軸上の軌跡をVx−Vy平面上に変換した図である。 t軸上の微分値を用いたPID制御を説明する図である。 本発明を適用したm波長、1×nポートを有する波長選択スイッチを示す図である。 角度ずれがあるときのVx−Vy電圧平面上の光強度を示す図である。 図22においてVx軸に沿った探索を説明する図である。 MEMSマイクロミラーを用いた空間光学系光スイッチの構成を示す図である。 MEMSマイクロミラーの構成を示す図である。 MEMSマイクロミラーのミラーと電極の構成を示す図である。 空間光学系光スイッチの出射ポート選択動作を示す図である。 電圧Vxと光強度Pとの関係を示す図である。 空間光学系光スイッチのポート結合率調整動作を示す図である。 電圧Vyと光強度Pとの関係を示す図である。 x−Vy電圧平面上の光強度を等高線で示す図である。 光強度がVy軸方向に変化した場合を説明する図である。 光強度がVy軸方向とともにVx軸方向に変化した場合を説明する図である。 光強度がVx軸方向に大きく変化した場合を説明する図である。
符号の説明
1…光スイッチ、2…波長選択スイッチ、11…入力側光ファイバ、12−1〜n…出力側光ファイバ、13…MEMSミラー装置、14−1〜n…フォトダイオード、15…A/D変換器、16…制御装置、17,18…コリメートレンズ、21…検出部、22…駆動電圧更新部、23…駆動電圧出力部、24…到達判断部、25…変更部、26…初期値設定部、31…回折格子、32…合波器、33…分波器。

Claims (7)

  1. 入力光を入力する少なくとも1つの光入力部と、
    出力光を出力する少なくとも1つの光出力部と、
    X軸およびこのX軸と異なるY軸に対して回動可能に支持されたミラーおよびこのミラーと対向配置された複数の電極を有し、これらの電極に駆動電圧を印加することにより前記ミラーを所定の角度に傾斜させるミラー装置と、
    前記光出力部から出力される出力光の光強度を検出する検出部と、
    この検出部の検出結果に基づいて、前記ミラーを前記X軸回りおよび前記Y軸回りにそれぞれ回動させるために前記電極に電圧Vxおよび電圧Vyを印加する駆動制御部と
    を備えた光スイッチであって、
    前記駆動制御部は、前記電圧Vxおよび前記電圧Vyを所定の関数に基づいて演算して、所定の前記光入力部に入力された入力光を選択的に任意の前記光出力部から出力させる
    ことを特徴とする光スイッチ。
  2. 前記所定の関数は、前記Vxおよび前記Vyに関するパラメータVtの多項式で表される
    ことを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
  3. 前記所定の関数は、
    パラメータをVt、任意の前記光出力部に対応する前記X軸,Y軸に沿った駆動電圧のオフセットをそれぞれV0x,V0y、定数をそれぞれA,B(≠0)とすると、
    x=V0x+A・Vt
    y=V0y+B・Vt
    で表されることを特徴とする請求項1または2記載の光スイッチ。
  4. 前記所定の関数は、
    前記Vxと前記Vyを座標軸とする平面上においてVyをVxの一次関数として表した場合に前記Vyの軸に対する前記一次関数の傾きをφとすると、
    x=V0x+Vt・sinφ
    y=V0y+Vt・cosφ
    で表されることを特徴とする請求項3記載の光スイッチ。
  5. 前記駆動制御部は、
    前記パラメータVtを変化させたときに、前記検出部の検出結果に基づいて、選択された光出力部からの前記検出部が検出した光強度が所定の値に到達するか否かを判定する判定部と、
    この判定部により前記出力光の光強度が所定の値に到達しないと判定された場合、前記VxおよびVyの何れか一方について前記パラメータVtの符号を逆転させる変更部と
    を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の光スイッチ。
  6. 前記駆動制御部は、
    前記パラメータVtを変化させたときに、前記検出部の検出結果に基づいて、選択された光出力部からの前記検出部が検出した光強度が所定の値に到達するか否かを判定する判定部と、
    この判定部により前記出力光の光強度が所定の値に到達しないと判定された場合、前記Vxと前記Vyを座標軸とする平面上において、前記パラメータVtを所定の角度で回転させる変更部と
    を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の光スイッチ。
  7. 入力光を入力する少なくとも1つの光入力部と、
    出力光を出力する少なくとも1つの光出力部と、
    X軸およびこのX軸と異なるY軸に対して回動可能に支持されたミラーおよびこのミラーと対向配置された複数の電極を有し、これらの電極に駆動電圧を印加することにより前記ミラーを所定の角度に傾斜させるミラー装置と、
    この検出部の検出結果に基づいて、前記ミラーを前記X軸回りおよび前記Y軸回りにそれぞれ回動させるために前記電極に電圧Vxおよび電圧Vyを印加する駆動制御部と
    を備えた光スイッチであって、
    前記駆動制御部は、
    前記電圧Vxおよび前記電圧Vyのうちの一方を変化させる駆動電圧出力部と、
    前記光出力部から出力される出力光の光強度を検出する検出部と、
    前記駆動電圧出力部からの前記電圧Vxおよび前記電圧Vyのうちの一方により前記ミラー装置を駆動したときの前記検出部の検出結果に基づいて、前記出力光の光強度が所定の値に到達するか否かを判定する判定部と、
    この判定部により前記出力光の光強度が所定の値に到達しないと判定された場合、前記駆動電圧出力部において変化させる駆動電圧を前記電圧Vxおよび前記電圧Vyのうちの他方に変更する変更部と
    を備え、
    所定の前記光入力部に入力された入力光を選択的に任意の前記光出力部から出力させる
    ことを特徴とする光スイッチ。
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