JP2009033060A - 電磁波シールド部材、その製造方法及び該電磁波シールド部材を含むプラズマディスプレイ用前面フィルター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性粒子を含有する導電層形成用材料層を含んで成る導電層を有する電磁波シールド部材であって、前記の透明基材及び/又はプライマー層が、紫外線遮蔽能を有し、かつ該プライマー層が、少なくとも可視光域の光でラジカルを発生する重合開始剤を含む光硬化性プライマー層に、可視光域を含む光を照射して、該光硬化性プライマー層を硬化させたものであることを特徴とする電磁波シールド部材である。
【選択図】図2
Description
また、PDPにおいては、近赤外線を発することが知られている。この近赤外線は、コードレスホン、近赤外線リモートコントロール装置を使用するビデオデッキなど、周辺にある電子機器に作用し、正常な動作を阻害するおそれがあり、この近赤外線を極力遮断することが要求される。
したがって、PDPにおいては、これらの要求を満たすために、一般に表示画面に、前述の電磁波シールド機能を始め、近赤外線吸収機能、ネオン光カット機能、キセノン光カット機能、色調補正機能及び反射防止機能などが付与された前面フィルターが設けられる(例えば、特許文献1及び2参照)。
このような前面フィルターには、前記機能の中で、近赤外線吸収機能、ネオン光カット機能、キセノン光カット機能及び色調補正機能などを付与するために、色素が添加された層が存在する。該色素は、一般に日光や照明光に由来する紫外光(UV)に対して耐久性に乏しい。したがって該前面フィルターには、更にUVカット機能層を1層新たに設けるなどして、UVカット機能を付与することが行われるが、この場合、コスト的には不利となる。
さらに、特許文献4,5に記載の電磁波シールド材は、凹版から転写体又は透明基材に転写(転移とも云う)する際に、未転写部が発生したり、密着性に劣る転写不良が発生したりすると云う従来の凹版印刷固有の問題がある。
しかしながら、上記透明基材やプライマー層にUVカット機能を付与した場合には、プライマー層の作製に、一般に用いられているUV硬化性プライマー層をUV照射により硬化させる方法を採用する場合には、該UV硬化性プライマー層に含まれている光重合開始剤(UV波長域の光を吸収して硬化反応を開始する)の機能が発揮されにくく、UV硬化反応が充分に進行しないため、導電層形成用材料のプライマー層上への転写性、形成される導電層のプライマー層との密着性や性能の安定性の阻害などが生じる。
一般に、UV硬化性組成物はUV(紫外線)以外に電子線でも硬化可能であること、及び電子線は紫外線遮蔽能を持つ層でも透過性を有することが知られている。よって、先ず容易に思い付くことは、該UV硬化性プライマー層を電子線で硬化させることである。しかしながら、電子線硬化方式は、透明基材を変色させる力が紫外線よりも強い(特に、可塑化ポリ塩化ビニルについては黄変する傾向が知られている)。このことは、無色透明性を要求されるプラズマディスプレイ用前面フィルターの用途には不適である。材料の選定や照射条件の調節によって改善は可能であるが材料と加工条件の選択肢が狭まる。更に、電子線照射方式は、紫外線照射方式と比べて、制動放射のX線を遮蔽したり、窒素ガスで照射領域を酸素から遮断する必要も有り、又それ故に照射設備の価格も高価で且つ大規模なものとなると云う諸問題が有り、採用に踏み切ることは困難であった。
また、プライマー引き抜き印刷方式を採用することにより、プライマー層との密着性がよく、かつ未転写部の発生が抑制され、性能の安定した導電層を有する電磁波シールド部材が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
[1]透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性粒子を含有する導電層形成用材料層を含んで成る導電層を有する電磁波シールド部材であって、前記の透明基材及び/又はプライマー層が、紫外線遮蔽能を有し、かつ該プライマー層が、少なくとも可視光域の光でラジカルを発生する重合開始剤を含む光硬化性プライマー層に、可視光域を含む光を照射して、該光硬化性プライマー層を硬化させたものであることを特徴とする電磁波シールド部材、
[2]可視光域が、波長380〜830nmである上記[1]に記載の電磁波シールド部材、
[3](a)透明基材上に、少なくとも可視光域の光でラジカルを発生する重合開始剤を含むプライマー層形成用の光硬化性組成物を塗布して、未硬化液状の光硬化性プライマー層を形成する工程、(b)所定のパターンで凹部が形成された板状又は円筒状版面に、導電性粒子を含有する導電層形成用材料を充填する工程、(c)上記(a)工程で得られた光硬化性プライマー層を有する透明基材を、該光硬化性プライマー層が、上記(b)工程で得られた導電層形成用材料が充填されてなる版面の凹部側に対面するように圧着させ、次いで該光硬化性プライマー層を可視光域を含む光の照射により硬化させて固体状のプライマー層を形成する工程、(d)当該透明基材を、及び固体化したプライマー層上記版面から剥がして、上記凹部内の導電層形成用材料を、上記プライマー層上に転写させる工程、及び(e)プライマー層上に転写されてなる所定パターンで形成された導電層形成用材料を硬化させて導電層を形成する工程を含み、かつ上記透明基材及び/又は形成されたプライマー層が、紫外線遮蔽能を有することを特徴とする電磁波シールド部材の製造方法、及び
[4]上記[1]又は[2]に記載の電磁波シールド部材を含むことを特徴とするプラズマディスプレイ用前面フィルター、
を提供するものである。
本発明の電磁波シールド部材は、透明基材上に設けられた特定のプライマー層上に、所定のパターン且つ特定構成の導電層が形成されてなる電磁波シールド部材であって、プライマー層及び/又は透明基材自体にUVカット機能を付与することで、層数の削減が可能なPDP用前面フィルターを与えることができる。
また、当該電磁波シールド部材は、本発明の方法によれば、プライマー引き抜き印刷方式により作製することによって、プライマー層との密着性がよく、かつ未転写部の発生が抑制され、性能の安定した導電層を有するものが得られる。
[電磁波シールド部材]
本発明の電磁波シールド部材は、透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された導電層を有する電磁波シールド部材である。
本発明の電磁波シールド部材に用いる透明基材は、少なくとも可視領域で透明な基材が使用可能であり、ガラス、或いは樹脂の板や樹脂のフィルムが用いられる。この樹脂フィルムとしては、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂等をベースとするフィルムが好ましいが、これに限定されない。具体的には、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルスロース系;ポリエーテルサルホン;ポリアクリル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含ハロゲン樹脂;ポリカーボネート;ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ポリアミド;ポリイミド;ポリスルホン;ポリエーテル;ポリエーテルケトン;ポリ(メタ)アクリロニトリル等の樹脂から成るフィルム等を挙げることができる。中でも、二軸延伸PETフィルムが透明性、耐久性に優れ、好適である。
樹脂板としては、例えば、上記樹脂フィルムで列記した樹脂の板が用いられる。又、ガラス板としては、例えば、ソーダ硝子、カリ硝子、硼珪酸硝子等の板が用いられる。これらガラス板、或いは樹脂板の厚みは、通常、0.5mm〜5mm程度である。
また、表面処理としては、酸化法や凹凸化法などがあり、酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は透明基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
したがって、透明基材として、前記透明基材フィルムを用いる場合、該透明基材フィルムに紫外線遮蔽能を付与することができる。この場合、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を該透明基材フィルム中に練り込んだり、透明基材フィルムの構成層の一部として、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を含むコート層を表面に設けたり、あるいはその両方を併用した構成としてもよい。
紫外線吸収剤は、一般に、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、トリアジン系に大別することができる。
サリシレート系紫外線吸収剤の例としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどが挙げられ、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−アミル−5’−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
本発明においては、前記各種の紫外線吸収剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
紫外線散乱剤とは、紫外線を散乱させることによって、紫外線遮断効果をもたらす材料のことであり、主に金属酸化物粉体などの無機系材料が用いられる。この紫外線散乱剤の例としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどを微粒子化した粉体、あるいは二酸化チタン微粒子を酸化鉄で複合化処理してなるハイブリッド無機粉体、酸化セリウム微粒子の表面を非結晶性シリカでコーティングしてなるハイブリッド無機粉体などが挙げられる。紫外線散乱効果は、粒子径に大きく影響を受けるので、本発明においては、前記紫外線散乱剤の平均粒子径は5μm以下が好ましく、特に10nm〜200nmの範囲が好ましい。
一方、前記紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を含むコート層を、透明基材フィルムの表面に設ける場合には、バインダー樹脂として、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ブチラール系樹脂など、さらには紫外線硬化型樹脂の硬化物などを挙げることができる。
前記紫外線吸収剤や紫外線散乱剤をコート層中に含有させる場合、紫外線吸収剤では、コート層中の含有量は、通常0.01〜3質量%程度、好ましくは0.1〜1質量%であり、紫外線散乱剤では、コート層中の含有量は、通常0.005〜1質量%程度、好ましくは0.01〜1質量%である。このコート層の厚さは、通常1〜20μm、好ましくは3〜10μmである。なお、コート層中に紫外線散乱剤を含有させる場合には、透明基材フィルムと上記コート層との一体化物が、必要な透明度を保持することが肝要である。
本発明の電磁波シールド部材においては、前述の透明基材上に形成されるプライマー層は、少なくとも可視光域の光でラジカルを発生する重合開始剤を含む光硬化性プライマー層に、可視光域を含む光を照射して、該光硬化性プライマー層を硬化させたものである。なお、上記可視光域は、波長380〜830nm程度の領域を指す。
上記光硬化性プライマー層は、上記透明基材上にプライマー層形成用の未硬化状態では液状で流動性の光硬化性組成物を塗布することにより形成することができる。
該光硬化性組成物は、プライマー層形成用の材料として用いられ、可視光域を含む光の照射により硬化する。
この光硬化性組成物としては、光重合性モノマー及び/又は光重合性プレポリマーからなる光重合性化合物、及び少なくとも可視光域の光でラジカルを発生する重合開始剤を含むものを用いることができる。
上記光重合性モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの光重合性モノマーは一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。さらに、ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。これらの光重合性プレポリマーは一種用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよく、また、前記光重合性モノマーと併用してもよい。
なお、ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
当該光硬化性組成物における上記光重合開始剤の含有量は、前記光重合性化合物100質量部に対して、通常0.1〜10質量部程度、好ましくは0.5〜5質量部である。
この紫外線吸収剤や紫外線散乱剤の種類については、前述の透明基材の説明において、示したとおりである。
当該光硬化性組成物に紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を含有させる場合、その含有量は、形成されるプライマー層中に、通常0.001〜3質量%程度、好ましくは0.01〜1質量%の割合で含まれるように選定される。
このようにして調製された光硬化性組成物を、未硬化で液状の状態で前述の透明基材の一方の表面に塗布し、光硬化性プライマー層を形成し、これに可視光域(波長380〜830nm程度)を含む光を照射して硬化させることにより、プライマー層が得られる。このプライマー層の厚さは特に制限はないが、通常1〜100μm程度、好ましくは3〜10μmである。
なお、このプライマー層の形成方法については、後述の電磁波シールド部材の製造方法において、詳しく説明する。
本発明の電磁波シールド部材においては、前述の透明基材上に形成されたプライマー層上に、所定のパターンで設けられた導電層を有する。
上記所定のパターンとしては、例えばメッシュ状又はストライプ状の所定の電磁波遮蔽パターンを挙げることができる。この電磁波遮蔽パターンは、単位格子が、3角形、4角形、5角形、6角形等の多角形、或いは円、楕円等の形状の開口部を線部で囲繞した形状から成り、該単位格子を2次元的に(縦横に)周期配列させて成る電磁波シールド部材に通常採用されるメッシュ状であっても、或いは所定幅の線條部を所定間隔で周期的に配列して成るストライプ状であってもよい。その線幅と線間ピッチ(周期)も通常採用されている寸法であればよい。例えば、線幅は5〜30μmとすることができ、線間ピッチは100〜500μmとすることができる。またメッシュやストライプ形状の電磁波遮蔽パターンとは別に、それと導通を保ちつつ隣接した全ベタ(開口部の無い層から成る領域)等の接地パターンが、該メッシュやストライプ形状領域の周縁部の全周又は全周の一部に設けられる場合もある。
当該導電層は、以下に示す導電性粒子とバインダー樹脂を含む導電層形成用材料を用いて形成することができる。
導電層形成用材料を構成するバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能である。熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができ、電離放射線硬化性樹脂としては、プライマー層の形成材料として前記した光硬化性化合物、或いは該光硬化性化合物と同様の化合物を電子線照射によって硬化せしめる電子線硬化性化合物を挙げることができ、熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
なお、熱硬化性樹脂を使用する場合、必要に応じて硬化触媒を添加してもよい。光硬化性化合物を用いる場合は必要に応じて重合開始剤を添加してもよい。
また、後述の製造方法で説明する版の凹部への充填に適した流動性を得るために、これら樹脂は通常、溶剤に溶けたワニスとして使用する。溶剤の種類には特に制限はなく、一般的に印刷インキに用いられる溶剤を使用できる。溶剤の含有量は通常、10〜70質量%程度であるが、必要な流動性が得られる範囲でなるべく少ないほうが好ましい。また、光硬化性化合物を用いる場合には、もともと流動性があるため、必ずしも溶剤を必要としない。
これらの材料や形状のものは適宜混合して用いても良い。導電性粒子の大きさは種類に応じて任意に選択されるので一概に特定できないが、例えば、鱗片状の銀粒子の場合には粒子の平均粒子径が0.1〜10μm程度のものを用いることができ、カーボンブラック粒子の場合には平均粒子径が0.01〜1μm程度のものを用いることができる。また、特に無電解めっき触媒として用いるパラジウム粒子の場合にはコロイド粒子(1μm未満)程度の粒径のものを用いる。導電層形成用材料中の導電性粒子の含有量は、導電性粒子の導電性や粒子の形態に応じて任意に選択されるが、例えば導電層形成用材料の固形分100質量部のうち、導電性粒子を40〜99質量部の範囲で含有させることができる。
なお、本願において、平均粒子径というときは、粒度分布径、またはTEM(透過型電子顕微鏡)観察で測定した値を指している。
また、導電層形成用材料の流動性や安定性を改善するために、導電性や、プライマー層との密着性に悪影響を与えない限りにおいて適宜フィラー(充填剤ないしは体質顔料)や増粘剤、界面活性剤、酸化防止剤などを添加しても良い。
本発明においては、前記導電層のみでは所望の導電率に不足する場合に、導電率を更に向上させるために、必要に応じ、該導電層上に金属層を形成することができる。これは、導電層が、導電性粒子を含有する導電層形成用材料層と、其の表面に、更に導電性の金属層を積層した構成から成る場合に相当する。
そして、本発明において、「導電性粒子を含有する導電層形成用材料層を含んで成る導電層」と呼称するものは、上記の2種の形態を包含する。
(金属層)
この金属層は、導電層上にめっきにより形成することができる。めっきの方法としては電気めっき、無電解めっきなどの方法があるが、電気めっきは無電解めっきに比べて通電量を増やすことでめっき速度を数倍に上げることができ、生産性を著しく向上させることができるため好ましい。
電気めっきの場合、導電層への給電は導電層が形成された面に接触させた通電ロール等の電極から行われるが、導電層が電気めっき可能な程度の導電性(例えば、100Ω/□以下)を有するので、電気めっきを問題なく行うことができる。金属層を構成する材料としては、導電性が高く容易にめっき可能な、銅、銀、金、クロム、ニッケル等を挙げることができる。
銅等の低抵抗性金属層は、導電性粒子とバインダー樹脂(電気絶縁体)とから成る導電層形成用材料層に比べると一般的に体積抵抗率が1桁以上小さいため、導電層形成用材料層単体で電磁波シールド性を確保する場合に比べて、必要な導電材料の量を減らせるという利点がある。
なお、金属層を形成した後においては、必要に応じて、その金属層を黒化処理したり、保護層を設けてもよい。黒化処理は、例えば黒化ニッケルめっき、銅−コバルト合金めっき等の処理を例示でき、また、保護層は、例えばアクリル系の光硬化性樹脂などを用いて形成することができる。
図1は、本発明の電磁波シールド部材の一例を示す模式的な平面図であり、図2は、図1におけるA−A’断面の拡大図である。本発明の電磁波シールド部材10は、透明基材1と、透明基材1上に形成されたプライマー層2と、プライマー層2上に所定のパターンで形成された導電層3とを有し、必要に応じて導電層3上に形成された金属層4を有し、必要に応じてさらに保護層9を有する。なお、図1中、符号7は電磁波遮蔽パターン部であり、符号8は接地部である。
[電磁波シールド部材の製造方法]
本発明の電磁波シールド部材の製造方法は、(a)透明基材上に、少なくとも可視光域の光でラジカルを発生する重合開始剤を含むプライマー層形成用の光硬化性組成物を塗布して、未硬化液状の光硬化性プライマー層を形成する工程、(b)所定のパターンで凹部が形成された板状又は円筒状版面に、導電性粒子を含有する導電層形成用材料を充填する工程、(c)上記(a)工程で得られた光硬化性プライマー層を有する透明基材を、該光硬化性プライマー層が、上記(b)工程で得られた導電層形成用材料が充填されてなる版面の凹部側に対面するように圧着させ、次いで該光硬化性プライマー層を可視光域を含む光の照射により硬化させて固体状のプライマー層を形成する工程、(d)当該透明基材及び固体化したプライマー層を上記版面から剥がして、上記凹部内の導電層形成用材料を、上記プライマー層上に転写させる工程、及び(e)プライマー層上に転写されてなる所定パターンで形成された導電層形成用材料を硬化させて導電層を形成する工程を含み、かつ上記透明基材及び/又は形成されたプライマー層が、紫外線遮蔽能を有することを特徴とする。
この(a)工程は、透明基材1上にプライマー層形成用の光硬化性組成物を塗布して、未硬化液状の光硬化性プライマー層2を形成する工程である(図4(B)参照)。
当該(a)工程で用いるプライマー層形成用の光硬化性組成物は、前述したとおりであり、光重合性化合物、少なくとも可視光域(波長380〜830nm程度)の光でラジカルを発生する重合開始剤、及び必要に応じ紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を含む組成物である。
透明基材上に、上記光硬化性組成物を塗布する方法については特に制限はなく、各種コーティング方式が使用でき、例えばグラビアコート、コンマコート、ダイコート、ロールコート等の各種方式から適宜選ぶことができる。
該光硬化性組成物が溶媒を含む場合には、塗布後、乾燥処理を行うが、溶媒を含まないノンソルベントタイプである場合には、乾燥処理は不要である。
このようにして形成された光硬化性プライマー層は、後述する圧着時に流動性を保持した状態であることが肝要である。
この(b)工程は、図4(A)の如く、所定のパターンで凹部が形成された板状又は円筒状版面に、導電層形成用材料を充填する工程である。
具体的には、メッシュ状又はストライプ状の所定のパターンで凹部64が形成された板状又は円筒状の版101の版面に、導電性粒子を含む導電層形成用材料15を塗布した後、その凹部内以外に付着した導電層形成用材料を掻き取って凹部内に導電層形成用材料を充填する工程である。この導電層形成用材料については、前述で説明したとおりである。凹部以外に付着した導電層形成用材料の掻き取りは、例えばドクターブレード102などで行うことができる。
なお、その際に不可避な現象として、図4(A)に図示する様に、版の凹部64内に充填された導電層形成材料15の表面には凹部105が生じることである。このままでは、透明基材1を版面に押圧した際に、該凹部において印圧不足となり、該凹部の導電層形成材料15が透明基材1側に転移せず欠落部(インキ抜け)を生じたり、或いは転位はしても透明基材1との接着性が不足すると云う問題が生じる。本発明においては、上記工程(a)において未硬化液状の光硬化性プライマー層2とすることによって、以下の工程(c)及び工程(d)において、かかる問題を解消するものである。
この(c)工程は、上記(a)工程で得られた光硬化性プライマー層2を有する透明基材1を、図4(B)の如く、該光硬化性プライマー層2が、未硬化で液状のまま、上記(b)工程で得られた導電層形成用材料15が充填されてなる版面の凹部側に対面するように圧着させ(圧印を加え)、次いで図4(C)の如く、該光硬化性プライマー層2を可視光域を含む光Lの照射により硬化させて固体化したプライマー層2を形成する工程である。
当該(c)工程においては、まず、導電層形成用材料15が充填された版面の凹部64側に、光硬化性プライマー層を有する透明基材1を、該光硬化性プライマー層2が対面するように圧着させる。この圧着は、例えば付勢圧力の調整手段を備えたニップロール乃至は圧胴で行うことができる。該圧着操作により、凹部64内の導電層形成用材料15と、流動性が保持された光硬化性プライマー層2とを空隙なく密着させることができる。その際に、図4(C)の如く、凹部64内に充填された導電性材料上部の凹部105内部にも光硬化性プライマー層2が流入して、該凹部105を充填し、導電性材料15と光硬化性プライマー層2とは空隙無く密着する。
次いで、透明基材側1側から、上記光硬化性プライマー層2に、可視光域(波長360〜830nm程度の全帯域或いは其の一部帯域の波長)を含む光を照射することにより、該光硬化性プライマー層2を硬化させて、固体化(非流動化)したプライマー層2を形成させる。
この(d)工程は、上記(c)工程で未硬化液状の光硬化性プライマー層を硬化させて固体化したプライマー層2を形成後、図4(D)の如く、透明基材1及びこれと接着一体化し固体化したプライマー層2を版面から剥がして、凹部64内の導電層形成用材料15を、上記プライマー層2上に転写させる工程である。
当該(d)工程において、透明基材1を版面から剥がすと、光硬化性プライマー層2が硬化されていることから、それに密着した導電層形成用材料15は凹部64内から離れてプライマー層2上に綺麗に転写される。
なお、図4(D)からもわかる様に、プライマー層2の厚みは、所定パターンで形成された導電層形成用材料15から成る導電層直下における厚みが、該導電層非形成部における厚みよりも大となる。導電層直下におけるプライマー層2の具体的な厚み、及びプラーマー層と導電層形成材料層(導電層)との界面の形状は、各工程の条件、及びプライマーや導電層形成用材料の種類によっても異なる。
この(e)工程は、プライマー層上に転写されてなる所定パターンで形成された導電層形成材料を硬化させて導電層を形成する工程である。
上記導電層形成用材料の硬化方法及び条件は、バインダー樹脂の種類による。例えば、導電層形成材料のバインダー樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、通常40〜150℃程度、好ましくは60〜100℃の温度で熱処理することにより行われる。導電層形成材料のバインダー樹脂が電離放射線硬化性樹脂の場合は、紫外線、電子線等の電離放射線照射により行なわれる。
このようにして、電磁波シールド部材を製造することができる。
なお、本発明の製造方法においては、透明基材及び/又は形成されたプライマー層が、紫外線遮蔽能を有することを要す。その理由については、前述で説明したとおりである。
本発明の電磁波シールド部材の製造方法においては、前記のようにして形成された導電層のみでは、所望の導電率に不足する場合、導電率をさらに向上させるために、必要に応じ、該導電層にめっき処理を施して、金属層を形成してもよい。
めっき処理としては、電気めっき処理、無電解めっき処理のいずれも用いることができるが、前述で説明したように電気めっき処理が好ましい。電気めっき処理及び無電解めっき処理については、前述で説明したとおりである。
めっき処理後は、必要に応じ、他の処理、例えば金属層の黒化処理や防錆処理、あるいは保護層の形成を経たのち、そのまま巻き取られてもよいし、所定の寸法に切断されて枚葉シートとしてもよい。
〔PDP用前面フィルター〕
本発明のPDP用前面フィルターは、前述した本発明の電磁波シールド部材を含むことを特徴とする。
当該PDP用前面フィルターは、本発明の電磁波シールド部材を有すると共に、各光学調整層を有している。上記光学調整層としては、従来公知のもの、例えば近赤外線吸収層、ネオン光及び/又はキセノン光吸収層、色調補正層などの色素含有層、防眩層、及び反射防止層などを挙げることができる。
図3は、本発明のPDP用前面フィルターの一例の断面構造説明図である。
本発明のPDP用前面フィルター20は、透明基材フィルム1と、その上に形成されたプライマー層2と、該プライマー層2上に設けられてなる導電層3を有する本発明の電磁波シールド部材10の透明基材フィルム1側に、反射防止層11が、導電層3側に近赤外線、ネオン光、及びキセノン光吸収・色調補正層兼粘着剤層12が設けられた構造を有している。
電磁波シールド部材10における透明基材フィルム1及び/又はプライマー層2は、紫外線遮蔽能を有することから、色素を含有する近赤外線、ネオン光、及びキセノン光吸収・色調補正層兼粘着剤層12は、紫外線に対して耐久性に優れている。
ネオン光、キセノン光吸収層兼粘着剤層12に用いられるネオン光吸収色素は、580〜620nmの波長に極大吸収値を有する色素が用いられ、キセノン光吸収色素は、560〜580nmに極大吸収値を有する色素が用いられる。
このようなネオン光吸収色素及びキセノン光吸収色素としては、テトラアザポルフィリン系色素等のポルフィリン系色素が代表的なものであるが、この他、シアニン系色素、アズレニウム系色素、スクアリウム系色素、ジフェニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素、オキサジン系色素、アジン系色素、チオピリリウム系色素、ビオローゲン系色素、アゾ系色素、アゾ金属錯塩系色素、ビスアゾ系色素、アントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、インジゴ系色素、アゾメチン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素などが挙げられる。
色調補正粘着剤層12に用いられる色素としては、従来PDPの発光色の色調補正に用いられている染料や顔料を挙げることができる。
実施例1
厚み100μmの紫外線(UV)吸収剤添加ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[帝人デュポンフィルム社製、商品名「HBPF8W」、UVカット波長約380nm以下]上に、プライマー層形成用の光硬化性組成物を硬化後の厚さが5μmとなるように塗布して、光硬化性プライマー層を設けた。
塗布方式は、通常のグラビアリバース法を採用し、光硬化性組成物としては、エポキシアクリレート[大日本インキ化学工業社製、商品名「UNIDIC V−5506」]を35質量部、ウレタンアクリレート[日本合成化学社製、商品名「紫光 UV−1700B」]を12質量部、単官能モノマーとして、フェノキシポリエチレンアクリレート[東亞合成社製、商品名「アロニックス M−101」]を44質量部、3官能モノマーとして、ペンタエリスリトールトリアクリレート[日本化薬社製、商品名「KAYARAD PET−30」]を9質量部、及び光重合開始剤として、波長400nm以上の可視光域でも反応が開始可能な、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア784」]を3質量部含有する組成物を用いた。
一方、線幅が20μmで、線ピッチが300μm、版深が10μmの格子状のメッシュパターンとなる凹部が形成された凹版ロールに銀ペースト[藤倉化成社製、商品名「FA−333」]を充填した。この凹版ロールに、上記の光硬化性プライマー層を有するUVカットPETフィルムを当該光硬化性プライマー層が対面するように密着させ、PETフィルム側から、25℃の温度にて波長400〜500nmの光を500mJ/cm2の光量で照射することにより、当該光硬化性プライマー層を硬化させた後、PETフィルムを剥がして銀ペーストをプライマー層上に転写させ、次いで、120℃の温度で10分間熱処理を行い、電磁波シールド部材を作製した。
厚み100μmのPETフィルム[東洋紡績社製、商品名「A4300」]上に、プライマー層形成用の光硬化性組成物を硬化後の厚さが5μmとなるように塗布して、光硬化性プライマー層を設けた。
塗布方式は、通常のグラビアリバース法を採用し、光硬化性組成物として、実施例1の光硬化性組成物に、さらに紫外線吸収剤として、「アデカスタブLA−31」[商品名、ADEKA社製]を7質量部含有させた組成物を用いた。
以下、実施例1と同様な操作を行い、電磁波シールド部材を作製した。
厚み100μmのUVカットPETフィルム[帝人デュポンフィルム社製、商品名「HBPF8W」]上に、プライマー層形成用の光硬化性組成物を、硬化後の厚さが5μmとなるように塗布して、光硬化性プライマー層を設けた。
塗布方式は、通常のグラビアリバース法を採用し、光硬化性組成物として、実施例1の光硬化性組成物における光重合開始剤「イルガキュア784」の代わりに、光重合開始剤「イルガキュア184」[商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、化学名:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ラジカル発生波長380nm未満]を3質量部含有する以外は、実施例1と同様な組成物を用いた。
一方、線幅が20μmで、線ピッチが300μm、版深が10μmの格子状のメッシュパターンとなる凹部が形成された凹版ロールに、銀ペースト[藤倉化成社製、商品名「FA−333」]を充填した。この凹版ロールに、上記の光硬化性プライマー層を有するUVカットPETフィルムを、当該光硬化性プライマー層が対面するように密着させ、PETフィルム側から、25℃の温度にて波長200〜350nmの紫外線を500mJ/cm2の光量で照射したが、プライマー層が硬化しなかったため、銀ペーストが転移せず、電磁波シールド部材は得られなかった。
以下のようにして、プラズマディスプレイ用前面フィルターを作製し、耐紫外線劣化性を評価した。
<フィルター作製>
実施例1で作製した電磁波シールド部材の裏面(メッシュパターンが形成されていない側)に、高屈折率層と低屈折率層を順次積層して、反射防止層を形成した。ここで、高屈折率層は、ジルコニア超微粒子を含むUV硬化性樹脂(JSR社製、商品名「KZ7973」)の厚さ3μm、屈折率1.69の硬化物から成り、低屈折率層は、フッ素樹脂系のUV硬化樹脂(JSR社製、商品名「TM086」)の厚さ100nm、屈折率1.41の硬化物から成る。また、反射防止層を形成したのと反対側の面に、近赤外線吸収色素・ネオン光吸収色素・色調調整色素の3種類の色素を含有している粘着剤層を形成した。この粘着剤層は、アクリル系粘着剤(綜研化学社製、商品名)「SK2094」)の固形分100質量部に対して、フタロシアニン系近赤外線吸収色素である商品名「イーエクスカラーIR−12」(日本触媒社製)を0.157質量部、商品名「イーエクスカラーIR−14」(日本触媒社製)を0.09質量部、商品名「イーエクスカラーIR−910」(日本触媒社製)を0.22質量部、テトラアザポルフィリン系ネオン光吸収色素(山田化学社製、商品名「TAP−2」)を0.011質量部、色調調整用色素(有本化学社製、商品名「Plast red 8320」)を0.006質量部、各々添加し、十分分散させて調製した粘着剤を乾燥膜厚25μmとなるように塗工して形成した。
<耐紫外線劣化性評価>
JIS K7350−3 試験モード1に準拠し、紫外線蛍光ランプ式ウェザオメーター(アトラス社製、商品名「アトラスUV2000」)を使用して、24時間耐紫外線劣化試験を実施後に、分光光度計(島津製作所製、型番「UV−3100PC」)にて色度を測定した。試験前後の色度測定値(x、y)から、色度の値の差(Δx、Δy)を求めた結果、Δx<0.05、Δy<0.05となった。
(1)電磁波シールド部材の作製
実施例1において、厚み100μmのUVカットPETフィルム「HBPF8W」の代わりに、厚み100μmのPETフィルム「A4300」(前出)を用いた以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド部材を作製した。
(2)前面フィルターの作製
上記(1)で得た電磁波シールド部材を用い、実施例3と同様にして、プラズマディスプレイ用前面フィルターを作製した。
(3)耐紫外線劣化性の評価
上記(2)で得たプラズマディスプレイ用前面フィルターについて、実施例3と同様にして耐紫外線劣化性を評価した。その結果、Δx>0.05、Δy>0.05であった。
2 プライマー層
3 導電層
4 金属層
5 サイドエッジ
6 凹み
7 電磁波遮蔽パターン部
8 接地部
9 保護層
10 電磁波シールド部材
11 反射防止層
12 近赤外線、ネオン光、キセノン光吸収・色調補正層兼粘着剤層
15 導電性材料組成物
20 PDP用前面フィルター
Claims (4)
- 透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性粒子を含有する導電層形成用材料層を含んで成る導電層を有する電磁波シールド部材であって、前記の透明基材及び/又はプライマー層が、紫外線遮蔽能を有し、かつ該プライマー層が、少なくとも可視光域の光でラジカルを発生する重合開始剤を含む光硬化性プライマー層に、可視光域を含む光を照射して、該光硬化性プライマー層を硬化させたものであることを特徴とする電磁波シールド部材。
- 可視光域が、波長380〜830nmである請求項1に記載の電磁波シールド部材。
- (a)透明基材上に、少なくとも可視光域の光でラジカルを発生する重合開始剤を含むプライマー層形成用の光硬化性組成物を塗布して、未硬化液状の光硬化性プライマー層を形成する工程、(b)所定のパターンで凹部が形成された板状又は円筒状版面に、導電性粒子を含有する導電層形成用材料を充填する工程、(c)上記(a)工程で得られた光硬化性プライマー層を有する透明基材を、該光硬化性プライマー層が、上記(b)工程で得られた導電層形成用材料が充填されてなる版面の凹部側に対面するように圧着させ、次いで該光硬化性プライマー層を可視光域を含む光の照射により硬化させて固体状のプライマー層を形成する工程、(d)当該透明基材及び固体化したプライマー層を上記版面から剥がして、上記凹部内の導電層形成用材料を、上記プライマー層上に転写させる工程、及び(e)プライマー層上に転写されてなる所定パターンで形成された導電層形成用材料を硬化させて導電層を形成する工程を含み、かつ上記透明基材及び/又は形成されたプライマー層が、紫外線遮蔽能を有することを特徴とする電磁波シールド部材の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の電磁波シールド部材を含むことを特徴とするプラズマディスプレイ用前面フィルター。
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