JP2009032879A - 照射装置および照射システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ランプの出力である光の量を一定にすることが可能な照射装置を提供する。
【解決手段】ランプ1から出射する光の量が減少すると、光量検出器6により検出される光の量が減少し、光量検出器6から電源制御部7に与えられるアナログ電圧が減少する。アナログ電圧は電源制御部7に設定されたアナログ電圧より大きくなり、電源制御部7は電源3を制御する制御量を増加させる。もって、マグネトロン2,2から発生するマイクロ波のエネルギー量が増加し、ランプ1から出射する光の量が増加する。こうして、ランプ1から出射する光の量が、電源制御部7に設定された光の量に等しくなっていく。
【選択図】図1

Description

本発明は、被照射物に紫外線を照射する照射装置および照射システムに関するものである。
マイクロ波により無電極のランプ内に放電を生じさせて紫外線を発光させるようにした照射装置は、その出力である光の量を多く必要とする用途、例えばフィルムの貼り合わせや印刷等の用途において多く用いられている。
こうした用途では、ランプの出力に厳しい要求はなく、一定以上の出力が得られれば良い場合が多かった。そのため、ランプの入力条件つまりランプにマイクロ波を供給するマグネトロンの出力を設定さえすれば良かった。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
米国特許第4633140号明細書
しかし、例えば、半導体や液晶パネルの製造といった用途では、ランプの出力における精度の要求が厳しく、かかる要求を満たす照射装置が求められている。例えば、同一の照射装置の出力を一定にするという要求や、複数の照射装置間で出力を揃えたいという要求がある。
前者の要求の背景には、ランプの出力が経年変化により低下するので、これを防止したいという事情がある。一方、後者の要求の背景には、複数の照射装置を同時使用して、面積の大きい被照射物を均一に照射したいという事情がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ランプの出力である光の量を一定にすることが可能な照射装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る照射装置は、紫外光を透過させる誘電体からなりかつマイクロ波による放電で発光する物質が封入される管状のランプと、マイクロ波を発生させるためのマグネトロンと、前記マグネトロンに電力を供給する電源と、前記マグネトロンにより発生したマイクロ波を前記ランプに伝達する導波管と、前記ランプから出射する光を受光する受光素子と、前記受光素子が受光した光の量を検出する光量検出器と、予め光の量が設定され、前記光量検出器により検出された光の量が前記設定された光の量に等しくなるように前記電源を制御する電源制御部とを備えることを特徴とする。
請求項1に係る照射装置によれば、光量検出器により検出された光の量が、電源制御部に設定された光の量に等しくなるように、電源制御部が電源を制御することで、光の量を、電源制御部に設定された光の量に等しくできるので、ランプの出力である光の量を一定にすることが可能となる。
本発明の請求項2に係る照射装置は、請求項1記載の照射装置において、開口部が設けられた金属でありかつ前記受光素子を覆うカバーを備えることを特徴とする。
請求項2に係る照射装置によれば、開口部が設けられた金属でありかつ受光素子を覆うカバーを備えることで、開口部が光を通過させ、金属が受光素子の加熱および誤動作をもたらす電磁波をカットするので、受光素子に光を受光させかつ受光素子の加熱および誤動作を防止することができる。
本発明の請求項3に係る照射システムは、請求項1または2記載の照射装置を複数備え、該複数の照射装置が同一の被照射物に光を照射するように構成されたことを特徴とする。
請求項3に係る照射システムによれば、照射装置を複数備え、該複数の照射装置が同一の被照射物に光を照射するように構成したことで、長尺の被照射物などに光を照射することができる。
本発明の請求項4に係る照射システムは、請求項3記載の照射システムにおいて、各照射装置の電源制御部に同一の光の量が設定されていることを特徴とする。
請求項3に係る照射システムによれば、各照射装置の電源制御部に同一の光の量を設定することで、複数の照射装置間で光の量を揃えることができるので、例えば、経年変化の程度が相違した場合であっても、被照射物を均一に照射することができる。
本発明によれば、光量検出器により検出された光の量が、電源制御部に設定された光の量に等しくなるように、電源制御部が電源を制御することで、ランプの出力である光の量が、電源制御部に設定された光の量に等しくなるので、ランプの出力である光の量を一定にすることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る照射装置の構成を示す図である。図1(a)は、照射装置の本体を正面側から見たときの内部の様子を示す図であり、図1(b)は、図1(a)のAA’線矢視図と本体以外の構成を示している。
照射装置は、紫外光を透過させる誘電体からなりかつ希ガスとメタルハライドが封入さた管状のランプ1と、マイクロ波を発生させるためのマグネトロン2,2と、マグネトロン2,2に電力を供給する電源3と、マグネトロン2,2により発生したマイクロ波をランプ1に伝達する導波管4,4と、ランプ1から出射する光を受光する受光素子5と、受光素子5が受光した光の量を検出する光量検出器6と、予め光の量が設定され、光量検出器6により検出された光の量が、設定された光の量に等しくなるように電源3を制御する電源制御部7とを備える。
ランプ1は、電極を備えないいわゆる無電極ランプであり、その外径、有効な発光長はそれぞれ、例えば10mm、240mmである。ランプ1に封入されるメタルハライドは、マイクロ波による放電で発光する物質であり、ここでは、水銀と鉄が主成分である。また、ランプ1の背面側に反射鏡8が設けられ、マイクロ波を送出するアンテナ9,9が各マグネトロン2,2に設けられている。
ランプ1と被照射物(図示せず)との間には、照射窓を構成するスクリーン10が設けられている。スクリーン10は、金属でありかつ開口部が設けられている。スクリーン10は、例えば、金属線をメッシュ状に編み込むことや、金属板にパンチング加工を施すことにより形成され、こうして開口部を有するようになっている。
受光素子5は、照射の妨げにならないように、反射鏡8とスクリーン10を結ぶ直線上を避けて設けられている。
この受光素子5を覆うカバー11が設けられている。カバー11は、開口部が設けられた金属である。スクリーン10と同様にカバー11は、例えば、金属線をメッシュ状に編み込むことや、金属板にパンチング加工を施すことにより形成され、こうして開口部を有するようになっている。
光量検出器6は、受光素子5に対しリード線などで接続され、受光素子5が受光した光の量を例えば受光素子5から供給される電流の値により検出するようになっている。光量検出器6は、電源制御部7に対しリード線などで接続され、検出した光の量を示すアナログ電圧を電源制御部7へ与えるようになっている。
電源制御部7は、コンピュータプログラムにより動作するコンピュータやこのコンピュータを集積化した集積回路により構成される。電源制御部7は、所望の光の量を示すアナログ電圧、電源3の制御量ならびに制御量を増加または減少させるときの1回の量(単位制御量という)が記憶されるメモリ(図示せず)を備え、メモリには当初は当該アナログ電圧、制御量の初期値および当該単位制御量が記憶されている。また、電源制御部7は、光量検出器6から与えられるアナログ電圧と、メモリに記憶したアナログ電圧と基づいて、メモリに記憶された制御量を更新し、電源3に与える制御量を増加または減少させるようになっている。
電源3は、電源制御部7から与えられた制御量に応じたエネルギー量のマイクロ波が発生するようにマグネトロン2,2を制御するようになっている。
なお、図示しないが照射装置には、例えば、風を供給することによりランプ1とマグネトロン2,2を冷却する冷却機構が設けられる。
次に、図2のフローチャートを参照して、照射装置の動作を説明する。
まず、ランプ1を点灯させる(S1)。ここで電源制御部7は、メモリに記憶した制御量の初期値を電源3に与え、電源3はこの制御量に応じたエネルギー量のマイクロ波が発生するようにマグネトロン2,2を制御する。マグネトロン2,2は、当該エネルギー量のマイクロ波を発生させ、アンテナ9,9がマイクロ波を導波管4,4内に送出する。導波管4,4は、マイクロ波をランプ1に伝達し、そのマイクロ波によりランプ1内で放電が生じる。その放電により、メタルハライドである水銀と鉄が紫外線を発光し、その紫外線が被照射物に照射される。
次に、ランプ1の点灯の有無が判定され(S2)、点灯していないと判定されたなら、照射装置の動作が停止されるあるいはエラーが表示される(S3)。
一方、点灯していると判定されたなら、電源制御部7は、光量検出器6から与えられているアナログ電圧と、メモリに記憶したアナログ電圧とを比較する(S4)。電圧同士が相違していたなら、制御はステップS5へ遷移する。
ここで電源制御部7は、光量検出器6から与えられているアナログ電圧がメモリに記憶したアナログ電圧より大きかったなら、メモリの制御量から単位制御量を減算し、減算後の制御量でメモリの制御量を更新し、当該制御量を電源3に与えることで、電源3へ与える制御量を減少させる(S5)。一方、電源制御部7は、光量検出器6から与えられているアナログ電圧がメモリに記憶したアナログ電圧より小さかったなら、メモリの制御量に単位制御量を加算し、加算後の制御量でメモリの制御量を更新し、当該制御量を電源3に与えることで、電源3へ与える制御量を増加させる(S5)。いずれにしても、ステップS5の処理を終えると制御はステップS4に戻る。
また、アナログ電圧同士が等しかった(S4)なら、電源制御部7は所定の長さの時間だけ待機し(S6)、その後、制御はステップS4に戻る。
例えば、ランプ1から出射する光の量が増加し、制御量が減少すると、マイクロ波のエネルギー量が減少し、光の量が減少する。一方、光の量が減少し、制御量が増加すると、マイクロ波のエネルギー量が増加し、光の量が増加する。いずれにしても、ランプ1から出射する光の量は、電源制御部7がメモリに記憶したアナログ電圧が示す光の量に等しくなっていく。
仮に、この制御を行わない場合、ランプ1から出射する光の量は経年変化により減少する可能性があるが、上記の制御により、実際には、経年変化が生じてもランプ1から出射する光の量を一定にすることができる。
また、仮にカバー11を設けない場合、金属以外のカバーを設けた場合、マイクロ波やこれに起因して発生する電磁波(電磁波と総称する)により、受光素子5が加熱または誤動作する可能性がある。また、仮にカバー11に開口部を設けない場合、受光素子5は光を受光できず、上記の制御も行えない。
しかしながら、実際には、開口部を設けた金属のカバー11で受光素子5を覆ったことで、開口部が光を通過させ、金属が電磁波をカットするので、受光素子5に光を受光させかつ受光素子5の加熱および誤動作を防止することができる。
また、仮にスクリーン10を設けない場合、電磁波により被照射物が加熱する可能性がある。しかしながら、実際にはスクリーン10を設けたことで、被照射物に光を照射させかつ被照射物の加熱を防止することができる。
したがって、第1の実施の形態によれば、ランプ1から出射する光を受光する受光素子5と、受光素子5が受光した光の量を検出する光量検出器6と、予め光の量が設定され、光量検出器6により検出された光の量が、設定された光の量に等しくなるように電源3を制御する電源制御部7とを備えたことで、光の量を、電源制御部7に設定された光の量に等しくできるので、ランプ1の出力である光の量を一定にすることができる。
また、開口部が設けられた金属でありかつ受光素子5を覆うカバー11を設けたことで、開口部が光を通過させ、金属が電磁波をカットするので、受光素子5に光を受光させかつ受光素子5の加熱および誤動作を防止することができる。
[第2の実施の形態]
次に、第1の実施の形態の照射装置を使用した照射システムについて説明する。
図3は、第2の実施の形態に係る照射システムの構成を部分的に示す図である。
照射システムは、第1の実施の形態に係る照射装置を複数備え、該複数の照射装置が同一の被照射物20に光を照射するように構成されている。同図では、各照射装置の本体における受光素子とカバーを除く構成のみを示し、電源、光量検出器および電源制御部を図示省略している。また、照射装置の構成要素と同一のものには同一符号を付し重複説明を省略する。また、各照射装置では、第1の実施の形態で説明した同一の動作がなされるので、その重複説明を省略する。
この照射システムによれば、複数の照射装置を用いることで、照射範囲が拡大し、例えば、長尺の被照射物20(例えば、液晶表示装置のバックライトに使用されるフィルムなど)に光を照射することができる。
また、被照射物20を均一に照射したい場合は、その照射量に応じた同一の光の量を示すアナログ電圧を各照射装置の電源制御部に設定すればよい。
仮にこうしない場合、例えば、各照射装置における経年変化の程度が相違し、各照射装置で同一の光の量が得られず、被照射物20を均一に照射できない可能性がある。
しかし、実際には、同一の光の量を設定することで、各照射装置において同一の光の量が得られ、上記のように経年変化の程度が相違した場合であっても、被照射物20を均一に照射することができる。
したがって、第2の実施の形態によれば、照射装置を複数備え、該複数の照射装置が同一の被照射物20に光を照射するように構成したことで、長尺の被照射物などに光を照射することができる。
また、各照射装置の電源制御部に同一の光の量を設定することで、例えば、経年変化の程度が相違した場合であっても、被照射物を均一に照射することができる。
第1の実施の形態に係る照射装置の構成を示す図である。 照射装置の動作を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る照射システムの構成を部分的に示す図である。
符号の説明
1…ランプ
2…マグネトロン
3…電源
4…導波管
5…受光素子
6…光量検出器
7…電源制御部
8…反射鏡
9…アンテナ
10…スクリーン
11…カバー
20…被照射物

Claims (4)

  1. 紫外光を透過させる誘電体からなりかつマイクロ波による放電で発光する物質が封入される管状のランプと、
    マイクロ波を発生させるためのマグネトロンと、
    前記マグネトロンに電力を供給する電源と、
    前記マグネトロンにより発生したマイクロ波を前記ランプに伝達する導波管と、
    前記ランプから出射する光を受光する受光素子と、
    前記受光素子が受光した光の量を検出する光量検出器と、
    予め光の量が設定され、前記光量検出器により検出された光の量が前記設定された光の量に等しくなるように前記電源を制御する電源制御部と
    を備えることを特徴とする照射装置。
  2. 開口部が設けられた金属でありかつ前記受光素子を覆うカバー
    を備えることを特徴とする請求項1記載の照射装置。
  3. 請求項1または2記載の照射装置を複数備え、該複数の照射装置が同一の被照射物に光を照射するように構成されたことを特徴とする照射システム。
  4. 各照射装置の電源制御部に同一の光の量が設定されていることを特徴とする請求項3記載の照射システム。
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