JP2009032527A - 無電極放電灯点灯装置及び照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温時の電力変換回路へのストレスを低減させることができる無電極放電灯点灯装置及び高温時でも信頼性の高い照明器具を提供することにある。
【解決手段】直流電源からの電力供給を受け高周波電圧を出力する電力変換回路9と、前記電力変換回路9の出力端間に接続され、バルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯6に近接配置される誘導コイル5と、誘導コイル5の両端間電圧を無電極放電灯6が点灯する大きさに設定する点灯期間と点灯しない大きさに設定する不点灯期間とを交互に切り替えて無電極放電灯6を点滅動作させる周波数制御回路12と、前記無電極放電灯6の周囲温度を検出する温度検出手段である周囲温度検出回路414とを備え、PWM発振回路13とオンデューティ設定回路411とから構成される再点弧電圧低下手段は、周囲温度検出回路414による検出温度が高温時に前記点灯期間を上昇させて再点弧電圧を低減する。
【選択図】図1
【解決手段】直流電源からの電力供給を受け高周波電圧を出力する電力変換回路9と、前記電力変換回路9の出力端間に接続され、バルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯6に近接配置される誘導コイル5と、誘導コイル5の両端間電圧を無電極放電灯6が点灯する大きさに設定する点灯期間と点灯しない大きさに設定する不点灯期間とを交互に切り替えて無電極放電灯6を点滅動作させる周波数制御回路12と、前記無電極放電灯6の周囲温度を検出する温度検出手段である周囲温度検出回路414とを備え、PWM発振回路13とオンデューティ設定回路411とから構成される再点弧電圧低下手段は、周囲温度検出回路414による検出温度が高温時に前記点灯期間を上昇させて再点弧電圧を低減する。
【選択図】図1
Description
本発明は、無電極放電灯点灯装置及び照明器具に関するものである。
従来から、無電極放電灯を点灯させる無電極放電灯点灯装置として、無電極放電灯を点滅動作させて調光を行うものが提案されている(特許文献1)。ここで、上記特許文献1に開示された無電極放電灯点灯装置は、直流電源の出力を高周波電圧に変換して無電極放電灯に近接する誘導コイルへ供給する電力変換回路を備えており、電力変換回路から誘導コイルの両端間に印加する電圧を図16に示すように無電極放電灯が点灯する大きさに設定した点灯期間Tonと点灯しない大きさに設定した不点灯期間Toffとを周期的に交互に切り替えることにより無電極放電灯を点滅動作させ、点滅動作の1周期T(=Ton+Toff)に占める点灯期間Tonの割合を調節することにより調光を行うものである。
特開2000−353600号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている無電極放電灯点灯装置では、無電極放電灯の点滅動作における再点弧始動時毎(つまり、点滅動作の周期毎)に誘導コイルの両端間に高い再点弧電圧が発生するので、特に、周囲温度が高温(例えば、60℃)のときに電力変換回路の半導体素子(例えば、FET等)や共振回路のコンデンサ(例えば、フィルムコンデンサ等)のパルス耐圧が低下し、再点弧電圧による連続ストレス印加が問題となる。
本願発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、高温時における電力変換回路へのストレスを低減することが可能な無電極放電灯点灯装置及び照明器具を提供することにある。
請求項1の発明は、直流電源からの電力供給を受け高周波電圧を出力する電力変換回路であって、少なくともスイッチング素子及び共振回路を含む電力変換回路と、前記電力変換回路の出力端間に接続され、バルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯に近接配置される誘導コイルと、前記電力変換回路の動作周波数を制御し、前記高周波電圧を前記無電極放電灯が点灯する大きさに設定する点灯期間と点灯しない大きさに設定する不点灯期間とを交互に切り替えて前記無電極放電灯を点滅動作させる周波数制御回路と、前記無電極放電灯の周囲温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段による検出温度が常温よりも高い規定温度以上のときに前記無電極放電灯の点滅動作における不点灯期間に対する点灯期間の時間比率を上昇させる再点弧電圧低下手段を有することを特徴とする。
この発明によれば、前記温度検出手段による検出温度が常温よりも高い規定温度以上のときには、前記再点弧電圧低下手段が、不点灯期間に対する点灯期間の時間比率を上昇させるので不点灯期間を短縮できて、前記再点弧電圧を低減することができるから、高温時における前記電力変換回路へのストレスを低減させることが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記点灯期間での前記動作周波数を前記電力変換回路における共振回路の共振周波数近傍に設定することを特徴とする。
この発明によれば、前記無電極放電灯の前記点滅動作における前記点灯期間の前記動作周波数を前記共振回路の前記共振周波数近傍に設定するので、前記共振回路の部品定数のばらつきや、前記電力変換回路の周囲温度の変化により前記共振周波数のずれが生じても、前記動作周波数が前記共振回路の点灯時における共振曲線のピーク付近であるため、前記共振周波数のずれによる前記電力変換回路の出力の変化は小さく、前記無電極放電灯の点灯を安定させ、立ち消え防止が可能となる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記周波数制御回路へPWM信号を与えるPWM発振回路を有し、前記周波数制御回路は、PWM発振回路からのPWM信号に基づいて前記動作周波数の制御を行うものであり、前記再点弧電圧低下手段は、前記時間比率を上昇させるときにPWM信号の周波数を上昇させることにより前記再点弧電圧を低下させることを特徴とする。
この発明によれば、前記温度検出手段による検出温度が前記規定温度以上の場合、前記再点弧電圧低下手段が、前記不点灯期間に対する前記点灯期間の時間比率を上昇させるときにPWM信号の周波数を上昇させる為、点灯期間は常温時と同じにすることができ、常温時の再点弧始動時間占有率を維持することにより常温時の前記無電極放電灯の点灯の安定性を維持することができる。しかも、前記再点弧電圧低下手段は、PWM信号の周波数を上昇させ、かつ、前記点灯期間Tonの時間比率を上昇させるので前記不点灯期間Toffが短縮し、前記再点弧電圧を低減することにより高温時の前記電力変換回路へのストレスを低減させることが可能となる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明において、前記再点弧電圧低下手段は、前記不点灯期間から前記点灯期間への移行時に前記電力変換回路の出力電圧の立ち上がりを緩やかにすることを特徴とする。
この発明によれば、前記再点弧電圧低下手段は、前記温度検出手段による検出温度が常温よりも高い規定温度以上の場合、前記時間比率を上昇させたときに前記電力変換回路の出力電圧の立ち上がりを緩やかにして再点弧始動時間を長くするので、常温時の前記無電極放電灯の点灯の安定性を維持することができる。しかも、前記再点弧電圧低下手段は、前記電力変換回路の出力電圧の立ち上がりを緩やかにすることで前記再点弧電圧を低減して高温時に前記電力変換回路へのストレスを低減させることが可能となる。
請求項5の発明は、請求項1乃至3の発明において、前記温度検出手段は、感温素子により前記周囲温度を検出することを特徴とする。
この発明によれば、前記温度検出手段を小型化することが可能となり、かつ、前記温度検出手段の部品コストを低減できる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無電極放電灯点灯装置を備えることを特徴とする。
この発明によれば、照明器具の周囲温度が常温よりも高い規定温度以上の場合に無電極放電灯点灯装置に含まれる前記電力変換回路へのストレスを低減することができるので、高温時でも信頼性の高い照明器具を提供することができる。
本発明では、無電極放電灯の周囲温度が常温よりも高い規定温度以上でも点滅動作における不点灯期間に対する点灯期間の時間比率を上昇し、不点灯期間が短縮されて再点弧電圧が低下するので、電力変換回路へのストレスを低減することを可能とする効果がある。
(実施形態1)
以下、本実施形態の無電極放電灯点灯装置について図1乃至図7に基づいて説明する。
以下、本実施形態の無電極放電灯点灯装置について図1乃至図7に基づいて説明する。
本実施形態の無電極放電灯点灯装置は、図1(a)に示すように、交流電源ACからの電力供給を受けて直流電圧VDCを出力する直流電源Eと、直流電源Eからの電力供給を受けて高周波電圧Vcoilを出力する電力変換回路9と、電力変換回路9の出力端間に接続され、無電極放電灯6に近接して配置される誘導コイル5と、電力変換回路9を駆動するドライブ回路11と、電力変換回路9に含まれるスイッチング素子Q3,Q4のスイッチング周波数(以下、動作周波数という)finvを制御する始動スイープ回路12と、始動スイープ回路12にPWM信号Vpwmを入力するPWM発振回路13とを備えている。なお、本実施形態の無電極放電灯点灯装置は、直流電源E、電力変換回路9、ドライブ回路11、始動スイープ回路12及びPWM発振回路13により点灯回路1が構成されている。
直流電源Eは、交流電源ACを整流するダイオードブリッジ10と、ダイオードブリッジ10の出力を昇圧する昇圧チョッパとから構成されている。ここで、昇圧チョッパは、ダイオードブリッジ10の出力端間にインダクタL10とMOSFETからなるスイッチング素子Q6との直列回路が接続され、スイッチング素子Q6の両端間にダイオードD10と平滑コンデンサC10との直列回路が接続されており、スイッチング素子Q6をオン・オフして平滑コンデンサC10の両端電圧からなる上述の直流電圧VDCを制御する制御回路2とを備えている。なお、ダイオードD10は、インダクタL10から平滑コンデンサC10に電流が流れる向きに接続される。
電力変換回路9は、直流電源Eの出力端間に一対のMOSFETからなるスイッチング素子Q3,Q4の直列回路が接続され、直流電源Eからの直流電圧VDCをスイッチング素子Q3,Q4でスイッチングして高周波電圧に変換する。ここで、低電位側のスイッチング素子Q4のドレイン・ソース間には、インダクタLsとコンデンサCpとの直列回路が接続されており、インダクタLsとコンデンサCpとで共振回路を構成している。また、コンデンサCpの両端間にはコンデンサCsを介して上述の誘導コイル5が接続されている。ここにおいて、電力変換回路9は、ドライブ回路11からの駆動信号によりスイッチング素子Q3,Q4が高周波で交互にオン・オフされて高周波電圧を発生させ、誘導コイル5に対して数十kHzから数百kHzの高周波電流を流すことにより、誘導コイル5に高周波電磁界を発生させる。この高周波電磁界によって無電極放電灯6から紫外線もしくは可視光が発生する
ドライブ回路11は、図1(b)に示すように、定電圧源Esの両端間に二つの抵抗R10,R11の直列回路が接続され、抵抗R11の両端間に電圧制御発振器VCOが接続されており、電圧制御発振器VCOは、入力端子VIへの入力電圧に応じた動作周波数finvでHout端子・H−GND端子間、Lout端子・L−GND端子間に、相互に位相が180°ずれた矩形波状の駆動信号を出力する。電圧制御発振器VCOの入力端子VIには、定電圧源Esの出力電圧が抵抗R10,R11で分圧されて与えられており、入力端子VIへの入力電圧が抵抗R10,R11の接続点から始動スイープ回路12に流れるシンク電流Ivpの変化に応じて変化する。なお、ドライブ回路11のHout端子・H−GND端子間はスイッチング素子Q3のゲート・ソース間に接続され、Lout端子・L−GND端子間はスイッチング素子Q4のゲート・ソース間に接続されている。
ドライブ回路11は、図1(b)に示すように、定電圧源Esの両端間に二つの抵抗R10,R11の直列回路が接続され、抵抗R11の両端間に電圧制御発振器VCOが接続されており、電圧制御発振器VCOは、入力端子VIへの入力電圧に応じた動作周波数finvでHout端子・H−GND端子間、Lout端子・L−GND端子間に、相互に位相が180°ずれた矩形波状の駆動信号を出力する。電圧制御発振器VCOの入力端子VIには、定電圧源Esの出力電圧が抵抗R10,R11で分圧されて与えられており、入力端子VIへの入力電圧が抵抗R10,R11の接続点から始動スイープ回路12に流れるシンク電流Ivpの変化に応じて変化する。なお、ドライブ回路11のHout端子・H−GND端子間はスイッチング素子Q3のゲート・ソース間に接続され、Lout端子・L−GND端子間はスイッチング素子Q4のゲート・ソース間に接続されている。
始動スイープ回路12は、直流電源(図示せず)の直流電圧E1を抵抗R1を介してコンデンサC1に与えるとともに、コンデンサC1の両端に抵抗R3とMOSFETからなるスイッチング素子Q7の直列回路と抵抗R2が接続されている。また、コンデンサC1の一端と抵抗R1との接続点はオペアンプOP8の反転入力端子に接続され、コンデンサC1の他端は抵抗R122を介してオペアンプOP8の非反転入力端子と接続されており、オペアンプOP8の非反転入力端子と出力端子間には抵抗R121が接続されている。オペアンプOP8から出力される制御電圧Vfは抵抗R4、ダイオードD4を介してドライブ回路11に印加される。この始動スイープ回路12とドライブ回路11とで、電力変換回路9の動作周波数finvを制御し、高周波電圧Vcoilを無電極放電灯6が点灯する大きさに設定する点灯期間と点灯しない大きさに設定する不点灯期間とを交互に切り替えて無電極放電灯6を点滅動作させる周波数制御回路が構成されている。
次に、本実施形態の無電極放電灯点灯装置の基本的な動作について図2,図3を参照しながら説明する。
図2は、電力変換回路9に含まれる上述の共振回路の始動時の共振曲線イと点灯時の共振曲線ロを示す。ここで、図2中の周波数feは無電極放電灯6の点弧始動に充分な高周波電圧Vcoilが誘導コイル5に印加されるように同図の共振回路の共振周波数付近に設定されている。また、図2中の周波数fsは無電極放電灯6が点灯維持できない程度の高周波電圧Vcoilが誘導コイル5に印加されるように設定されている。
図3は点滅動作の説明図であり、同図(a)は高周波電圧Vcoilの時間変化を示し、同図(b)は動作周波数finvの時間変化を示し、同図(c)は始動スイープ回路12に入力されるPWM信号Vpwmの時間変化を示す。始動スイープ回路12に入力されるPWM信号Vpwmは最大値H、最小値Lの矩形波状である。時刻t1でPWM信号VpwmがLとなると、動作周波数finvは周波数fsから周波数feへ徐々に変化する(以下、周波数スイープという)。これに伴い、高周波電圧Vcoilが徐々に増大し、初期点弧始動時の最高電圧Ving1(以下、初期点弧電圧という)を越えたところで無電極放電灯6が点灯する。そして、時刻t2で動作周波数finvが周波数feとなると周波数スイープが終了する。次に、時刻t3でPWM信号VpwmがHとなると、動作周波数finvが周波数fsに変化し、これに伴って、高周波電圧Vcoilが点灯維持電圧より低くなり無電極放電灯6が消灯する。次に、時刻t4でPWM信号VpwmがLとなると再び動作周波数finvの周波数スイープが開始し、これに伴い、高周波電圧Vcoilが徐々に増大し、再点弧始動時の最大電圧(以下、再点弧電圧という)Ving2を越えたところで無電極放電灯6が点灯する。そして、時刻t5で動作周波数finvが周波数feとなると周波数スイープが終了する。次に、時刻t6でPWM信号VpwmがHとなると、動作周波数finvが周波数fsに変化し、これに伴って、高周波電圧Vcoilが点灯維持電圧より低くなり無電極放電灯6が消灯する。以降、PWM信号Vpwmに応じてこれらの一連の動作を繰り返し行うことにより無電極放電灯6がPWM信号Vpwmの周波数fpwmで点滅動作をする。そして、PWM信号Vpwmのデューティを可変することにより、無電極放電灯6の点灯期間Tonと不点灯期間Toffとの時間比率を変化させ、無電極放電灯6を調光することができる。
なお、図3に示すように、初期点弧電圧Vign1に対して再点弧電圧Vign2は小さくなるが、これは無電極放電灯6のバルブ内に残留するイオンの存在のためである。また、電力変換回路9の動作周波数finvは装置の低コスト化のため、数十kHz〜数百kHzとし、PWM信号Vpwmの周波数fpwmは人間の目にちらつき感を与えないよう、100Hz〜数kHzに設定される。
ところで、本実施形態の無電極放電灯点灯装置は、無電極放電灯6の周囲温度を検出する温度検出手段を備えており、PWM発振回路13が温度検出手段の出力に基づいてPWM信号Vpwmのオンデューティを変化させる。
ここで、上述のPWM発振回路13は、入力端子415に接続された抵抗の抵抗値に応じてPWM信号Vpwmのオンデューティが変化するものである。入力端子415には、図1(c)に示すようなデューティ設定回路411が接続されている。デューティ設定回路411は、入力端子415にスイッチング素子Q412を介して感温素子(例えば、サーミスタなど)からなる感温抵抗Rth又は抵抗R413を選択的に接続する。スイッチング素子Q412は、無電極放電灯6の周囲温度を検出する温度検出手段である周囲温度検出回路414の出力に基づいて制御され、周囲温度検出回路44による検出温度が常温(例えば、図4(a)に示すように無電極放電灯6を全点灯させたときに無電極放電灯6の光出力が最高となる20℃)よりも高い規定温度(例えば、60℃)以上になると感温抵抗Rth側に接続される。ここで、感温抵抗Rthは、無電極放電灯6の周囲温度に応じてその抵抗値が変化する。すると、PWM発振回路13から出力されるPWM信号Vpwmのオンデューティは、無電極放電灯6の周囲温度が常温よりも高い規定温度以上では前記周囲温度が高くなるにつれて、PWM信号Vpwmのオンデューティが下降する。すると、図4(b)に示すように、無電極放電灯6の点滅動作における一周期のうち点灯期間Tonの占める割合(以下、点灯期間占有率という)が上昇する。すると、前記点滅動作の周期が一定であることを前提とすれば、点灯期間占有率の上昇に伴い、不点灯期間Toffが減少するため、不点灯期間Toffに対する点灯期間Tonの時間比率が上昇することになる。これにより、前記規定温度を60℃に限らず適宜設定することで、図4(a)の調光時の光出力の周囲温度依存性が示すように、常温よりも高い規定温度以上での光出力の急激な低下を和らげることができる。また、周囲温度検出回路414は、感温素子(例えば、サーミスタなど)により前記周囲温度を検出するものであってもよい。なお、上述のPWM発振回路13としては、例えばルネサステクノロジ社製のM62212FPを用いればよく、この集積回路のFB端子を上述の入力端子415とすればよい。
また、オンデューティ設定回路411としては、図7に示すように、入力端子415・グランド間に抵抗R423とスイッチング素子(例えば、MOSFET)Q424の直列回路を接続し、前記直列回路の両端に抵抗R422を接続したものであってもよい。ここで、スイッチング素子Q424は無電極放電灯6の周囲温度を検出する温度検出手段からの出力に基づいて制御され、前記温度検出手段は、図7に示すように定電圧源E425からの直流電圧を感温素子である感温抵抗Rth,抵抗R426で分圧してスイッチング素子Q424に出力するものである。前記温度検出手段による検出温度が前記規定温度以上の場合にスイッチング素子Q424がオンすることでPWM発振回路13の入力端子415に接続されたオンデューティ設定回路411の抵抗値が変化する。すると、PWM信号Vpwmのオンデューティが下降し、点灯期間占有率が上昇し、不点灯期間Toffに対する点灯期間Tonの時間比率が上昇することになる。
次に、本実施形態の無電極放電灯点灯装置の常温時の動作と高温時の動作とを図5に基づいて説明する。図5(a)は常温時での動作波形、同図(b)は高温時の動作波形を示す。なお、図5(a)(b)には誘導コイル5の両端間の高周波電圧Vcoilの包絡線のみを示す。次に、本実施形態の動作について説明する。ここで、点灯期間Tonのうち、再点弧始動に要する時間T1の割合(以下、再点弧始動時間占有率という)は無電極放電灯6が安定して点滅動作が行えるかどうかの重要な要素でもあり、この割合が大きすぎると、例えば、無電極放電灯6の周囲温度変化等による影響で再点弧始動に要する時間T1が変動した場合に無電極放電灯6の光出力の変化が大きくなることで無電極放電灯6の点灯が不安定になり、場合によっては立ち消えの可能性がある。
本実施形態では、無電極放電灯6の周囲温度が前記規定温度以上のとき(高温時)に無電極放電灯6の点滅動作における不点灯期間Toffに対する点灯期間Tonの時間比率を上昇させる再点弧電圧低下手段が、PWM発振回路13とオンデューティ設定回路411とから構成され、図5に示すようにPWM信号Vpwmの周波数fpwmを一定に保ちつつ、不点灯期間Toffに対する点灯期間Tonの時間比率を増加させる点に特徴がある。これにより高温時には常温時に比べて不点灯期間Toffが短縮され(図5(a)(b)参照)、再点弧電圧Ving2を低下させることができるものである。
また、本実施形態における再点弧電圧低下手段は、周波数fe(図2参照)は電力変換回路9に含まれる共振回路の共振周波数付近に設定することを可能とするので、無電極放電灯6が再点弧始動を行った後の動作点は、点灯時における曲線ロ(図2参照)のピーク付近となるため、電力変換回路9に含まれる部品定数のばらつきや、前記電力変換回路9の周囲温度の変化により前記共振周波数のずれが生じても、前記共振周波数のずれによる電力変換回路9の出力の変化は小さく、無電極放電灯6の点灯を安定させ、立ち消え防止が可能となる。
ここで、無電極放電灯6の周囲温度が前記規定温度以上の場合に点灯期間Tonの時間比率を増加させると、PWM信号Vpwmの周波数fpwmは一定であることを前提とすれば、無電極放電灯6の光出力が常温時に比べて増加することが懸念される。
しかし、例えば、図8に示した無電極放電灯6と図9に示したカプラ319とからなるランプユニットは、図6に示すように無電極放電灯6の周囲温度が前記規定温度以上になると、光出力及び供給される高周波電力が大きく低下する。特に、前記無電極放電灯6であって、バルブ214内の水銀の蒸気圧を制御するためのアマルガムを使用しないものでは前記規定温度以上での光出力の低下がより顕著になる。
この点、本実施形態では、上述のように無電極放電灯6の周囲温度が前記規定温度以上の場合に点灯期間Tonの時間比率を上昇させるので、前記規定温度以上での光出力の大きな低下を緩和し、前記規定温度以上の温度領域における光出力の温度依存性を少なくすることができる。
また、無電極放電灯6の周囲温度が前記規定温度以上の温度領域における無電極放電灯6の光出力の温度依存性を少なくする手段として、常温時では電力変換回路9における動作周波数finvを電力変換回路9に含まれる共振回路の共振周波数から相対的に大きくずらし、一方、無電極放電灯6の周囲温度が前記規定温度以上では動作周波数finvを前記共振周波数付近になるように設定することにより、前記規定温度以上において常温時に比べて無電極放電灯6に供給される高周波電力を増加させ、無電極放電灯6の光出力が増加するように制御することが考えられる。
しかし、この場合、常温時では動作周波数finvが前記共振周波数から相対的に大きくずれているため、常温時に立ち消えしやすくなる。
この点、本実施形態では無電極放電灯6の周囲温度が前記規定温度以上でのみならず常温時においても前記動作周波数finvを電力変換回路9に含まれる共振回路の共振周波数付近に設定することができるため、無電極放電灯6の点灯を安定させつつ、無電極放電灯6の周囲温度が前記規定温度以上の温度領域における無電極放電灯6の光出力の温度依存性を小さくすることができるため有利である。
なお、無電極放電灯6としては、例えば、上述の図8に示すように、不活性ガスや金属蒸気等の放電ガスが封入されるガラス製のバルブ214を備え、バルブ214に、図9に示すカプラ319が挿入されるキャビティ25が形成され、キャビティ25の底部からキャビティ25の開口に向かって排気細管28が突設されているものがある。ここで、バルブ214の内壁には、保護膜22及び蛍光体膜23が塗布されている(図示では一部のみを示す)。また、無電極放電灯6のバルブネック部223には樹脂材から成る口金215が取り付けられ、その内側にキャビティ25の封止部211がある。なお、図9に示すように、カプラ319には、上述の誘導コイル5が設けられており、誘導コイル5は点灯回路1が収納された金属ケース320から導出された接続線322を介して点灯回路1と接続されている。
本実施形態の無電極放電灯点灯装置を用いた照明器具は、例えば図10に示すように一つの筐体96内に無電極放電灯6及びカプラ319と共に収納されることで構成され、或いは、図11に示すような筐体106内に無電極放電灯6及びカプラ319とともに収納されることで構成される。なお、図10に示す照明器具は、屋外で例えば防犯灯として使用される。
(実施形態2)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置は上述の図1と略同じであり、PWM発振回路13の構成のみが異なる。上述の実施形態1と同一の構成については説明を省略する。
本実施形態の無電極放電灯点灯装置は上述の図1と略同じであり、PWM発振回路13の構成のみが異なる。上述の実施形態1と同一の構成については説明を省略する。
ところで、本実施形態の無電極放電灯点灯装置は無電極放電灯6の周囲温度を検出する温度検出手段を備えており、PWM発振回路13が温度検出手段の出力に基づいて出力されるPWM信号の周波数fpwmを変化させる。
ここで、PWM発振回路13は、図12に示すように、入力端子415とグランドの間の容量に応じてPWM信号Vpwmの周波数が変化するものである。入力端子415には図12に示すような周波数設定回路431が接続されている。周波数設定回路431は、入力端子415・グランド間にコンデンサC433とスイッチング素子(例えば、MOSFET)Q434の直列回路を接続され、前記直列回路の両端にコンデンサC432を接続されたものである。ここで、スイッチング素子Q434は無電極放電灯6の周囲温度を検出する温度検出手段である周囲温度検出回路435からの出力に基づいて制御され、常温よりも高い規定温度以上になるとスイッチング素子Q434がオンする。すると、PWM発振回路13の入力端子415に接続された周波数設定回路431の容量が小さくなり、PWM信号Vpwmの周波数fpwmが上昇する。ここで、周囲温度検出回路435は感温素子により前記周囲温度を検出する回路であってもよい。なお、上述のPWM発振回路13としては、例えばルネサステクノロジ社製のM62212FPと呼ばれている集積回路を用いればよく、この集積回路のCosc端子を上述の入力端子415とすればよい。
次に、本実施形態の無電極放電灯点灯装置の常温時の動作と高温時の動作とを図13に基づいて説明する。図13(a)は常温時での動作波形、同図(b)は高温時の動作波形を示す。なお、図13(a)(b)には誘導コイル5の両端間の高周波電圧Vcoilの包絡線のみを示す。
本実施形態では、PWM発振回路13と周波数設定回路431とで構成される再点弧電圧低下手段が無電極放電灯6の周囲温度が前記規定温度以上で点灯期間Tonの時間比率を上昇させると同時にPWM信号Vpwmの周波数fpwmを上昇させることで必然的に再点弧始動時間占有率を常温時と同じに維持できる点にある。すると、無電極放電灯6の点灯は常温時の安定性を維持し、また、PWM信号Vpwmの周波数fpwmを上昇させることにより不点灯期間Toffが短縮されるため、不点灯期間Toffにおけるバルブ内のイオンの拡散が減少し、再点弧電圧Ving2を常温時よりも小さく抑えることが可能となる。
ここで、無電極放電灯6は再点弧始動時間占有率が大きくなると点灯が不安定になるため、再点弧始動時間占有率はある値以下になるように設定されるのが通例である。そして、再点弧始動時間占有率を小さく抑えるための手段にはPWM信号Vpwmの周波数fpwmを小さくすることによるものがある。
しかし、PWM信号Vpwmの周波数fpwmを小さくしすぎると不点灯期間Toffが大きくなり、点灯期間Tonでバルブ内に生成されたイオンが拡散し、再点弧電圧Ving2が上昇する。その結果、電力変換回路9から出力される高周波電圧が上昇し、電力変換回路9へのストレスが増大する問題がある。
この点、本実施形態では、点灯期間Tonの時間比率を上昇させると同時に、PWM信号Vpwmの周波数fpwmを上昇させるため、無電極放電灯6の常温時の点灯の安定性を維持しつつ、再点弧電圧Ving2を下げることができるので有利である。
(実施形態3)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置は図14に示すように上述の図1と略同じであり、始動スイープ回路12のみが異なる。上述の実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の無電極放電灯点灯装置は図14に示すように上述の図1と略同じであり、始動スイープ回路12のみが異なる。上述の実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の始動スイープ回路12ではコンデンサC1の両端間にコンデンサC32及びスイッチング素子Q32の直列回路が接続されている。スイッチング素子Q32は無電極放電灯6の周囲温度の温度検出手段である周囲温検出回路14からの出力に応じてオン・オフし、スイッチング素子Q32がオンするとコンデンサC32がコンデンサC1の両端に接続される。ここで、周囲温度検出回路14は、直流電源E14の電圧を抵抗R14、感温素子である感温抵抗Rthで分圧してスイッチング素子Q32に出力するものである。
次に、本実施形態の無電極放電灯点灯装置の常温時の動作と高温時の動作とを図15に基づいて説明する。図15(a)は常温時での動作波形、同図(b)は高温時の動作波形を示す。なお、図15(a)(b)には誘導コイル5の両端間の高周波電圧Vcoilの包絡線のみを示す。
本実施形態では、無電極放電灯6の周囲温度が前記規定温度以上の場合に、PWM発振回路13と始動スイープ回路12とから構成される再点弧電圧低下手段が、不点灯期間Toffに対する点灯期間Tonの時間比率を上昇させると同時に始動スイープ回路12により前記不点灯期間から前記点灯期間への移行時に高周波変換回路9から出力される高周波電圧Vcoilの立ち上がりを緩やかにする点である。これにより、再点弧始動時間占有率が常温時と比べて上昇せず、無電極放電灯6の点灯の常温時の安定性を維持することができ、かつ、再点弧電圧Ving2を低減することが可能となる。
ここで、本実施形態における始動スイープ回路12の動作では、無電極放電灯6の周囲温度が常温時では抵抗R1、コンデンサC1より決定される第1の時定数τ1(=C1×R1)で動作周波数finvを周波数スイープするのに対し、無電極放電灯6の周囲温度が常温よりも高い規定温度以上になるとスイッチング素子Q32がオンし、抵抗R1、コンデンサC1,C32より決定される第1の時定数τ1よりも大きい第2の時定数τ2(=(C1+C2)×R1)で動作周波数finvが周波数スイープする点である。これにより、動作周波数finvの周波数スイープの速度を前記規定温度以上では常温時に比べて遅くすることができ、その結果として、前記規定温度以上での高周波電圧Vcoilの立ち上がりを常温時に比べて緩やかにすることが可能となる。再点弧始動時に高周波電圧Vcoilの立ち上がりを緩やかにすると再点弧始動電圧Ving2が小さく抑えられることから、前記規定温度以上で再点弧電圧Ving2を低減することが可能となる。
ここで、再点弧始動時の高周波電圧Vcoilの立ち上がりを緩やかにし過ぎると再点弧時間が長くなるため、再点弧始動時間占有率が大きくなり無電極放電灯6の点灯が不安定になることが懸念される。
しかし、本実施形態では、前記規定温度以上で点灯期間Tonの時間比率を上昇させると同時に再点弧始動時の高周波電圧Vcoilの立ち上がりを緩やかにするため、結果的に再点弧始動時間占有率が常温時と比べて上昇しない。従って、無電極放電灯6の点灯の常温時の安定性を維持しつつ、再点弧電圧Ving2を低減することが可能となる。
1 点灯回路
5 誘導コイル
6 無電極放電灯
9 電力変換回路
10 ダイオードブリッジ
11 ドライブ回路
12 始動スイープ回路
13 PWM発振回路
411 オンデューティ設定回路
414 周囲温度検出回路
E 直流電源
5 誘導コイル
6 無電極放電灯
9 電力変換回路
10 ダイオードブリッジ
11 ドライブ回路
12 始動スイープ回路
13 PWM発振回路
411 オンデューティ設定回路
414 周囲温度検出回路
E 直流電源
Claims (6)
- 直流電源からの電力供給を受け高周波電圧を出力する電力変換回路であって、少なくともスイッチング素子及び共振回路を含む電力変換回路と、前記電力変換回路の出力端間に接続され、バルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯に近接配置される誘導コイルと、前記電力変換回路の動作周波数を制御し、前記高周波電圧を前記無電極放電灯が点灯する大きさに設定する点灯期間と点灯しない大きさに設定する不点灯期間とを交互に切り替えて前記無電極放電灯を点滅動作させる周波数制御回路と、前記無電極放電灯の周囲温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段による検出温度が常温よりも高い規定温度以上のときに前記無電極放電灯の点滅動作における不点灯期間に対する点灯期間の時間比率を上昇させる再点弧電圧低下手段を有することを特徴とする無電極放電灯点灯装置。
- 前記点灯期間での前記動作周波数を前記共振回路の共振周波数近傍に設定することを特徴とする請求項1に記載の無電極放電灯点灯装置。
- 前記周波数制御回路へPWM信号を与えるPWM発振回路を有し、前記周波数制御回路は、PWM発振回路からのPWM信号に基づいて前記動作周波数の制御を行うものであり、前記再点弧電圧低下手段は、前記時間比率を上昇させるときにPWM信号の周波数を上昇させることにより前記再点弧電圧を低下させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無電極放電灯点灯装置。
- 前記再点弧電圧低下手段は、前記点滅動作における前記時間比率を上昇させたときに前記不点灯期間から前記点灯期間への移行時に前記電力変換回路の出力電圧の立ち上がりを緩やかにすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無電極放電灯点灯装置。
- 前記温度検出手段は、感温素子により前記周囲温度を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無電極放電灯点灯装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無電極放電灯点灯装置を備えた照明器具。
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---|---|---|---|
JP2007195259A JP2009032527A (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | 無電極放電灯点灯装置及び照明器具 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010232064A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Mitsubishi Electric Corp | 放電灯点灯装置,照明装置 |
-
2007
- 2007-07-26 JP JP2007195259A patent/JP2009032527A/ja not_active Withdrawn
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