JP2009031311A - 渦電流探傷方法 - Google Patents

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小治郎 小平
Katsumi Isaka
克己 井坂
Mitsuru Odakura
満 小田倉
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賢治 田山
Kazuhiro Suzuki
一弘 鈴木
Kenji Kumasaka
賢二 熊坂
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Abstract

【課題】渦電流探傷に要する時間を短縮することができる渦電流探傷方法を提供する。
【解決手段】渦電流探傷装置を用いた、蒸気タービンのローターのディスクフォーク部及び翼フォーク部の渦電流探傷を説明する。タービンケーシングから取り出したローターのディスクからフォークピンを取り外す(ステップ40)。フォークピンが挿入されていたディスクの複数の孔部の2つに支持棒をそれぞれ挿入する。各支持棒に支持されるセンサ部の渦電流探傷プローブをディスクの他の孔部内に挿入する(ステップ42)。隣り合う翼フォーク部の各フォークの合わせ目以外の部分で、プローブの零点調整を行う(ステップ43)。零点調整が終了後、プローブを回転走査し、孔部内の渦電流探傷を実施する(ステップ44)。探傷結果に基づいて孔部内のき裂の存在を判定する(ステップ45)。
【選択図】図5

Description

本発明は、渦電流探傷方法に係り、特に、蒸気タービンのローターにおけるタービン翼の翼フォーク部に形成されたフォークピン孔内面の検査に適用するのに好適な渦電流探傷方法に関する。
発電プラントに用いられる蒸気タービンは、製作性及び整備性の向上のため、回転軸とタービン翼を別々に製作して組み合わせている。具体的には、蒸気タービンの回転軸に設けられたディスクに形成されたディスクフォーク部とタービン翼に形成された翼フォーク部を組み合わせ、両フォーク部に形成されたフォークピン孔にピンを挿入することによってタービン翼をディスクに固定している(特許文献1の図2参照)。蒸気タービンの回転に伴い、翼フォーク部のフォークピン孔付近で、タービン翼の構造材に応力がかかる。このため、タービン翼のフォークピン孔付近にき裂が生じることがある。
タービン翼のフォークピン孔付近でのき裂の検査は、従来、タービン翼をディスクから取り外し、磁粉探傷(Magnetic particle Testing;以下、MTと称する)を適用することによって行われる。MTは、検査対象物に磁場をかけた際に欠陥から漏洩する磁束を検出する手法である。このMTによる検査を検査対象物であるタービン翼に適用する場合には以下のように行う。タービン翼の翼フォーク部に磁場を掛けた状態で、翼フォーク部の表面に、欠陥の漏洩磁束に集積される蛍光物質を塗布した磁性金属粉をまぶし、翼フォーク部に紫外線を照射する。その磁性金属粉は、例えば、フォークピン孔内の欠陥に集積される。紫外線を照射しているので、磁性金属粉の集積の有無を蛍光の発光として観察することで欠陥を検出する。MTによる欠陥検査では、ディスクのフォーク部とタービン翼のフォーク部を結合しているピンを抜くだけでなく、更にディスクからタービン翼を取り外す必要がある。このため、タービン翼を対象とした、MTによる欠陥検査には長時間を要する。さらに、検査終了後に、タービン翼をディスクにはめ込み、相互を、ピンで結合する作業を行わなければならない。
一方、検査対象物の表面き裂の検査方法としては、渦電流探傷(Eddy Current Testing;ECTという)がよく用いられる。特に、伝熱管など管状物体の内面に対するECT検査は、ECTプローブを管内で迅速に移動できて、ECTの高速検査に適する機能を十分に活かすことができるため、広く用いられている。この一例が特許文献2に説明されている。特許文献2に記載されたECT検査は、ECTセンサを搭載した探傷プローブを管内に挿入し、管の減肉腐食状態を探知するものである。
特開2001−12208号公報 特開平8−145954号公報
しかしながら、蒸気タービンのフォークピン孔内面のき裂の検査に、これまでECTが用いられたことはなかった。また、上記したフォークピン孔内面に生じたき裂を精度良く検知するには、後述するように、従来のECTプローブでは十分ではなかった。
本発明の目的は、渦電流探傷に要する時間を短縮することができる渦電流探傷方法を提供することにある。
上記した本発明の目的を達成する本発明の特徴は、ピンが引き抜かれて翼フォーク部がディスクフォーク部内に挿入されている状態で、ピンが引き抜かれることによってディスクフォーク部及び翼フォーク部を通して形成される孔部に、渦電流探傷センサを有するプローブを挿入して、その孔部の少なくとも一部の内面に対する渦電流探傷を実施することにある。
この特徴によれば、タービン翼をディスクから取り外す必要がないので、渦電流探傷に要する時間を著しく短縮することができる。
好ましくは、渦電流探傷に用いられる渦電流探傷センサに含まれる渦電流探傷コイルに用いられた磁性体コアの直径を0.1mm以上0.5mm以下の範囲にすることにある。このような渦電流探傷センサを用いることによって、タービンローターのディスクの周方向に配置された複数のタービン翼のそれぞれに形成された翼フォーク部とディスクに形成されたディスクフォーク部を、それぞれピンを用いて結合する構造において、このピンを引き抜くことによってディスクフォーク部及び翼フォーク部を通して形成される孔部の少なくとも一部の内面に生じるき裂を精度良く検出することができる。特に、そのような渦電流探傷センサを用いることによって、その孔部の少なくとも一部の内面である、隣り合う翼フォーク部のそれぞれに含まれて対向する2つのフォークの対向面に形成される溝部の内面で、それらのフォークの合せ目近傍に生じる微小なき裂を検出することができる。
磁性体コアの直径を0.1mm以上0.5mm以下の範囲にすることは、後述するように、発明者らが見出した新たな知見である。
本発明によれば、渦電流探傷に要する時間を短縮することができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である渦電流探傷装置は、蒸気タービンのローターに設けられたタービン翼に形成された翼フォーク部及びディスクに形成されたディスクフォーク部を検査する。具体的には、渦電流探傷装置は、翼フォーク部及びディスクフォーク部にそれぞれ形成されたフォークピン孔内面に、き裂が生じているかを検査する。
本実施例の渦電流探傷装置を説明する前に、まず、検査対象物であるタービン翼及びディスクをそれぞれ有する、蒸気タービンのローターの概略構成を、図1、図7及び図8を用いて説明する。蒸気タービンは、タービン動翼であるタービン翼3を複数段備えたローター(図示せず)をタービンケーシング(図示せず)内に回転可能に設置している。ローターは、回転軸にはディスク1が形成されており、ディスク1の周方向に配置した多数のタービン翼3をディスク1に着脱可能に取り付けている。一段のタービン翼配列に含まれる複数のタービン翼3は、それらの先端部がシュラウド7によって連結されている。
ディスク1とタービン翼3との結合構造を具体的に説明する。ディスクフォーク部2がディスク1の外周部に形成され、翼フォーク部4がタービン翼3の根元に形成される。翼フォーク部4は翼植込部である。ディスクフォーク部2は、ローターの軸方向において所定の間隔を置いて並列に配置された複数のディスク溝22を形成することによって形作られる。ディスクフォーク部2は、隣り合うディスク溝22の相互間にフォーク23を形成しており、例えば、タービン翼3一本当り6本のフォーク23を有する。翼フォーク部4は、タービン翼3の根元に所定の間隔を置いて配置された複数のフォーク溝24を形成することによって形作られる。翼フォーク部4は、隣り合うフォーク溝24間にフォーク25を形成している。例えば、翼フォーク部4は5本のフォーク25を有する。フォーク23,25の本数は、各段のタービン翼によって異なる。
ディスク1の各フォーク23には、多数のフォークピン孔(以下、単にピン孔という)5Bが形成されている。ピン孔5Bは円形の貫通孔である。これらのピン孔5Bは、各フォーク23に、周方向において所定の間隔でディスク1の周囲に配置されるタービン翼3の数だけそれぞれ設けられる。また、ディスク1の半径方向においても、等間隔に配置された複数のピン孔5Bが配置されている。本実施例では、その半径方向において、タービン翼3一本当り3個のピン孔5Bが設けられる。この半径方向に設けられた各ピン孔5Bは同心円状に配置される。
一つのタービン翼3に設けられた翼フォーク部4の各フォーク25のうち中央に位置する3本のフォーク25Bには、それぞれ、円形の貫通孔である複数のピン孔5Aが形成される。本実施例では、各フォーク25Bにフォーク25Bの長手方向において3個のピン孔5Aが等間隔で配置される。その長手方向における3個のピン孔5Aのそれぞれの位置は、フォーク23において半径方向に設けられた3個のピン孔5Bの位置と一致している。翼フォーク部4の各フォーク25のうち翼フォーク部4の両側に位置する各フォーク25Aは、ピン孔5Aを半割りにした形状の複数の溝(半円溝という)5Cを、ディスク1の周方向を向いている、フォーク25Aの両端面に形成している。半円溝5Cは、フォーク25Aの長手方向においてその両端面に3個ずつ形成される。一方の端面に形成される各半円溝5Cは、フォーク25の長手方向において、フォーク25Bに形成されたピン孔5Aと一致する位置に形成される。他方の端面に形成される各半円溝5Cは、ディスク1の周方向においてそのタービン翼3に隣接する他のタービン翼3のフォーク25Bに形成される各ピン孔5Aの位置と一致する。ピン孔5A,5B及び半円溝5Cの半径は同じである。
タービン翼3の各フォーク25は各ディスク溝22内に挿入される。換言すれば、ディスク1の各フォーク23がタービン翼3の各フォーク溝24内に挿入される。このような状態で、複数のタービン翼3がディスク1の外周部にその周方向に一列に並んで配置される。このように配置されたタービン翼3は複数のフォークピン6によってディスク1に取り付けられる。これらのフォークピン6は、ローターの軸方向に一直線に並んだ各フォーク23に形成された各ピン孔5B、各フォーク25Bに形成されたピン孔5A及び半円溝5C内に挿入される(図8参照)。一つのタービン翼3の各フォーク25には、3本のフォークピン6が挿入される。これらのフォークピン6は、外フォークピン6A,中フォークピン6B及び内フォークピン6Cである。ディスク1の半径方向に配置された3本のフォークピン6において、外フォークピン6Aは最も外側に位置し、内フォークピン6Cは最も内側に位置し、中フォークピン6Bは真ん中に位置している。
複数のタービン翼3が、ディスク1の周方向においてタービン翼3a,3b,3cのように並んでいるとする(図1参照)。隣り合うタービン翼3aとタービン翼3bのそれぞれのフォーク25Aの互いに向き合う端面に存在する各半円溝5Cによって、ピン孔5Aと同様な一つのピン孔が、それらのフォーク25Aに跨って形成される(図4参照)。互いに向き合うそれらのフォーク25Aの間には、合わせ目X,Yが形成される。合わせ目Yは合わせ目Xと180°反対側に位置している。
本発明の好適な一実施例である渦電流探傷装置を、図1、図2及び図3を用いて詳細に説明する。本実施例の渦電流探傷装置19は、図2に示すように、センサ部16、渦電流探傷器17及びコンピュータ18を備えている。センサ部16は、プローブ8、一対の支持棒9、フレキシブルシャフト部10、サポート部13及び位置決め装置14を有する。
一対の支持棒9がサポート部13に固定される。連結部材36が一対の支持棒9の先端部を連結している。一対の支持棒9がフレキシブルシャフト部10のケーシング10Aを貫通しており、フレキシブルシャフト部10は支持棒9に沿って支持棒9の軸方向に移動可能である。プローブ8は、ケーシング10Aに取り付けられ、一対の支持棒9の間に配置される。プローブ8及び支持棒9の先端部は、流線型をしており、ピン孔内に挿入しやすい形状となっている。プローブ8及び支持棒9の外径はピン孔5A,5Bの内径と一致している。なお、支持棒9の先端部及びプローブ8は、ディスク1等に形成されるピン孔の内径に応じて交換できるようにしてもよい。図1は位置決め装置14を省略している。
プローブ8は、図3(a)、図3(b)に示すように、プローブ本体8aにECTセンサ12を搭載している。ECTセンサ12は、ECTコイル12a,12bを含んでおり、プローブ本体8aの先端部に配置される。ECTコイル12a,12bは、プローブ本体8aの外面からプローブ本体8aの軸心に向かうように、プローブ本体8a内に並んで配置される。さらに、ECTコイル12a,12bは、プローブ本体8aの周方向において相互間に間隔を形成するように配置されている(図3(b)参照)。ECTコイル12a,12bは、共に、磁性体コア15の周囲にコイル29を巻き付けた構成を有する(図3(c)参照)。磁性体コア15はフェライト等の磁性材で構成される。励磁コイル13及び検出コイル14は、共に、直径0.5mmの磁性体コア15を用いている。ECTセンサ12は、自己誘導、自己比較方式のECTセンサであり、ECTコイル12a,12bは、共に、電流による励磁を行って、検出信号を出力する。なお、本実施例で記した自己誘導、自己比較方式のECTセンサは、測定対象である金属部材が磁性材で磁気ノイズを持つ場合に、磁気ノイズの影響を2つのECTコイル12a,12bの信号の差を見ることでキャンセルしやすい特徴を有する。磁気ノイズの影響が少ない場合は、2つのECTコイル12a,12bの一方を励磁、もう一方を検出とする相互相関方式や、単一コイルで行う自己誘導方式も適用できる。
フレキシブルシャフト部10は、ケーシング10Aを有し、さらに、ケーシング10Aに回転可能に取り付けたハンドル11、及びケーシング10A内に設置した回転力伝達機構(図示せず)を有する。回転力伝達機構は、ハンドル11の回転力をプローブ8に伝える回転軸及び傘歯車等を含んでいる。ハンドル11を回転させることによって、プローブ8が回転する。ケーシング10A内に位置する、プローブ本体8aの一端に、角度計(図示せず)が取り付けられる。この角度計はブローブ8の回転角度を検出する。他のハンドル及び伝達機構(図示せず)をサポート部13内に設置し、一対の支持棒9をプローブ8の左右の方向で移動できるように設置してもよい。他のハンドルを回転することによって各支持棒を左右に移動させ、後述するようにピン孔5Bの間隔に応じて支持棒9相互の間隔を調節することが可能になる。一対の支持棒9の左右への移動を可能にするため、ケーシング10Aに形成されるそれぞれの支持棒9に対する貫通孔は、左右に拡がる孔形状にする必要がある。
位置決め装置14は、板状の位置設定部材32及びストッパー部材34を有する。位置設定部材32はサポート部13及び一方の支持棒9に取り付けられる。位置設定部材32は、支持棒9と並行でフレキシブルシャフト部10の外側に配置される。フレキシブルシャフト部10の支持棒9の軸方向への移動が、位置設定部材32によって制限されない。位置設定部材32には、複数の位置決め用孔33がピン孔5B、半円溝5C及びピン孔5Aの位置関係と対応して形成されている。ストッパー部材34が、ケーシング10Aの側面に取り付けられ、位置設定部材32の方に伸びている。ストッパー部材34は、位置決め用孔33に出し入れが可能なストッパー部35を有する。ストッパー部35は、例えば、円筒部材内でその軸方向に移動可能な金属ボールをコイルバネによって下方に押圧する構成を有する。金属ボールは円筒部材からは落下しない。
励磁電流を供給する電源(図示せず)とECTコイル12a,12bのそれぞれのコイル29は別々の配線で接続されており、これらの配線にそれぞれ開閉器(図示せず)が設けられている。これらの開閉器はケーシング10A内に設置されている。ECTコイル12aのコイル29に接続される開閉器を第1開閉器という。ECTコイル12bのコイル29に接続される開閉器を第2開閉器という。
渦電流探傷器17に接続された多芯ケーブル21がフレキシブルシャフト部10のケーシング10A内に達している。例えば、多芯ケーブル21に含まれる1本の配線はECTコイル12aのコイル29に接続され、ECTコイル12aの検出信号を伝える信号線である。他の1本の配線はECTコイル12bのコイル29に接続され、ECTコイル12bの検出信号を伝える信号線である。他の1本の配線21は、第1開閉器及び第2開閉器に、渦電流探傷器17からの開閉指令を伝えるものである。また、他の1本の配線は上記した角度計に接続される。渦電流探傷器17はケーブル28によってコンピュータ18に接続される。コンピュータ18は、制御指令(例えば、後述の検査開始指令及び検査終了指令等)を出力する機能、及びECTコイル12a,12bからの検出信号等に基づいた渦電流探傷器17の出力であるECT信号を処理する信号処理機能を有する。したがって、コンピュータ18は、実質的に、制御指令を出力する制御装置、及びそのECT信号を処理する信号処理装置を含んでいる。
渦電流探傷装置19を用いた、蒸気タービンのローターのディスクフォーク部2及び翼フォーク部4のECT検査を、図5に示す手順(ステップ40〜45)に基づいて詳細に説明する。まず、タービンケーシングを分解し、複数のタービン翼3を設置したローターをタービンケーシングから取り出す。取り出したローターは、床面に設置された一対の支持台上に回転可能に置かれる。その後、ディスク1からフォークピン6を取り外す(ステップ40)。このフォークピン6の取り外しに際しては、一段のタービン翼配列に対して、最も外側に配置された外フォークピン6Aを全て取り外す。そのタービン翼配列に含まれる全タービン翼3は中フォークピン6B及び内フォークピン6Cによってディスク1に結合されているので、下向きになっているタービン翼3は落下することはない。
センサ部16を検査箇所に設置する(ステップ41)。センサ部16のサポート部13が、床面上に置かれた支持装置(図示せず)に支持棒9の軸方向にスライド可能に設置されている。この支持装置は検査対象のピン孔の位置に対応して高さが調節できるようになっている。ECT検査の対象は、外フォークピン6Aが挿入されていたピン孔5A,5B及び半円溝5Cの内面である。一つの外フォークピン6Aが挿入されていたピン孔5B,及び一つのタービン翼3のピン孔5A及び半円溝5Cの内面に対して、ECT検査を実施する。この検査が終了した後、ディスク1の周方向でその外フォークピン6Aの隣に位置していた他の外フォークピン6Aが挿入されていたピン孔5B,及び他のタービン翼3のピン孔5A及び半円溝5Cの内面に対し、ECT検査が実施される。例えば、ECT検査の最初の対象となるピン孔の内面が、タービン翼3bの翼フォーク部4bに形成されて外フォークピン6Aが挿入されていたピン孔5A、及びこのピン孔5Aの軸心の延長線上にあるピン孔5B及び半円溝5Cのそれぞれの内面であるとする。これらのピン孔5A,5B及び半円溝5Cを、以下、検査対象ピン孔という。検査対象ピン孔には後述するようにプローブ8が挿入される。一対の支持棒9は、タービン翼3bと周方向で隣接しているタービン翼3a,3cの翼フォーク部4a,4cにそれぞれ形成されて各外フォークピン6Aがそれぞれ挿入されていたピン孔5A、及びこのピン孔5Aの軸心の延長線上にあるピン孔5B及び半円溝5Cに、それぞれ挿入される。支持棒9が挿入されるこれらのピン孔5A,5B及び半円溝5Cを、以下、支持用ピン孔という。図1は、一対の支持棒9の先端部を、それらを挿入する、タービン翼3a,3cに対する2つの支持用ピン孔に合わせた状態を示している。一対の支持棒9の該当する支持用ピン孔への挿入は、作業員が手動でサポート部30を支持装置に対してスライドさせることによって行われる。一対の支持棒9が該当する支持用ピン孔にそれぞれ挿入されることにより、検査箇所にセンサ部16が設置される。これらの支持棒9は、ECT検査を行っている間、支持装置に設置されたサポート部30とそれらの支持用ピン孔によって保持される。なお、支持装置にモータを設置し、このモータの駆動により、サポート部30をディスクフォーク部2に向かって移動させる構成を採用することも可能である。
次に、検査対象のピン孔内にプローブを挿入する(ステップ42)。作業員が手動で、フレキシブルシャフト部10を、支持棒9をガイドにしてディスクフォーク部2に向かって移動させる。この移動により、プローブ8の先端部が、タービン翼3bの翼フォーク部4に形成されたピン孔5Aを含む検査対象ピン孔に挿入される。プローブ8に設けられたECTセンサ12の検査対象ピン孔内での位置決めは、位置決め装置14によって行われる。すなわち、ストッパー部材34のストッパー部35を位置設定部材32に形成された所定位置の位置決め用孔33に挿入することによって行われる。フレキシブルシャフト部10を移動させるときには、金属ボールがコイルバネを押し上げるので、ストッパー部35が位置決め用孔33から容易に抜け出し、フレキシブルシャフト部10の移動が可能になる。上記の位置決めにより、ECTセンサ12は、所定位置、例えば、隣り合うタービン翼3b、3aの各フォーク25Aにそれぞれ形成されて互いに向かい合っている2つの半円溝5Cの角部に位置決めされる。
隣り合う翼フォーク部の各フォークの合わせ目以外の部分で、ECTセンサ12の零点調整を行う(ステップ43)。角度計の検出信号がケーブル21を介して渦電流探傷器17に入力され、さらに、ケーブル28を介してコンピュータ18に入力される。コンピュータ18、すなわち、信号処理装置はその角度計で検出したプローブ8の回転角度の情報を表示装置20に出力する。作業員は表示された回転角度情報を見て、ECTセンサ12が合わせ目X,Y以外の部分(健全部)を向いているかを判断する。ECTセンサ12が合わせ目の一つ(XまたはY)の方を向いている場合には、作業員はハンドル11を回転させてプローブ8を回転させ、ECTセンサ12が合わせ目Xと合わせ目Yとの間で半円溝5Cの内面の部分(好ましくは、き裂が存在しない部分)を向くようにする。この状態で、作業員は、制御装置に接続される入力装置(例えば、キーボード)から検査開始信号を入力する。制御装置(コンピュータ18)は、この検査開始信号に基づいて検査開始指令を渦電流探傷器17に出力する。検査開始指令を入力した渦電流検出器17は、開閉指令を第1開閉器及び第2開閉器に出力し、これらの開閉器を閉じる。ECTコイル12a,12bの各コイル29に電源から励磁電流が供給される。このとき、半円溝5Cの表面部分で渦電流が発生し、この渦電流によって誘起された電流が各コイル29に発生する。
各コイル29で発生した各電流がECTコイル12a,12bのそれぞれの検出信号となってケーブル21により渦電流検出器17に入力される。渦電流検出器17は、内部に設けられた回路構成によってそれらの検出信号の差分を取り、得られたECT信号を信号処理装置(コンピュータ18)に出力する。このECT信号は、信号処理装置から表示装置20に出力され、表示装置20に表示される。そのECT信号が零である場合には、ECTセンサ12が零点調整されていることになる。そのECT信号が零でない場合には、渦電流探傷器17内部に有しているブリッジ回路(またはその相当回路)のバランスを調節してそのECT信号を零になるようにバランスを調節する。以上により、ECTセンサ12の零点調整が終了する。
零点調整が終了後、プローブを回転走査する(ステップ44)。作業員は、ハンドル11を走査してプローブ8を検査対象ピン孔内で一回転させる。この回転走査により、ECTセンサ12は、その一対の半円溝5Cのそれぞれの内面に沿って回転する。検査対象ピン孔に含まれる、向き合った一対の半円溝5Cの各内面に対するECT検査が実施される。ECTコイル12a,12bに励磁電流が供給されているので、前述したようにECTコイル12a,12bから出力されるそれぞれの検出信号が渦電流検出器17に入力される。渦電流検出器17は、両検出信号に基づいて得られた差分信号であるECT信号を出力する。このECT信号は、信号処理装置に入力されてここで処理される。信号処理装置は、例えば、入力したECT信号、及び角度計から入力されたプローブ8の回転角度情報を用いて、ECT信号の振幅と回転角度との関係を示す画像情報を作成する。この画像情報は、例えば、その振幅のX方向成分と回転角度との関係を示す画像情報、及びその振幅のY方向成分と回転角度との関係を示す画像情報を含んでいる。信号処理装置が表示装置20にそれらの画像情報を出力するので、それらの画像情報が表示装置に表示される。上記した角度計をセンサ部16に設置しない場合は、信号処理装置は、ECT信号の振幅と時間との関係を示す画像情報を作成する。
上記した一対の半円溝5Cの内面を対象にしたECT検査により、ECTコイル12a,12bのそれぞれの検出信号を入力した渦電流検出器17から出力されたECT信号の一例を図6に示す。両半円溝5Cの内面にき裂が存在しない健全な状態でも、合わせ目X,Yの合わせ面の形状に対応した大きなECT信号C1が合わせ目X,Yの位置で発生する(図6(A)参照)。合わせ目X,Y以外の位置では、ECT信号は零となる。半円溝5Cの内面で合わせ目近傍に、検査対象ピン孔の軸方向に伸びるき裂27(図7参照)がある場合には、渦電流検出器17から出力されたECT信号は、例えば、図6(B)に示すようになる。そのECT信号は、合わせ目X,Y近傍で発生するECT信号C1以外に、き裂の位置で発生する零よりも大きなECT信号が含まれている。合わせ目X近傍で翼フォーク部4aの半円溝5Cの内面にき裂27が存在する場合のECT信号は、そのき裂27の位置で零点よりも大きいECT信号C2を含む。合わせ目Y近傍で翼フォーク部4bの半円溝5Cの内面にき裂27が存在する場合には、ECT信号は零点よりも大きいECT信号C3を含んでいる。半円溝5Cの内面で発生するき裂27は小さいので、ECT信号C2,C3の大きさはECT信号C1に比べて著しく小さい。
従来のECTセンサは、合わせ目Xまたは合わせ目Y近傍にき裂27が発生した場合には、その合わせ目のECT信号C1の影響を受けるので、大きさが著しく小さいそのき裂27のECT信号を合わせ目で発生するECT信号から分離できなかった。このため、従来のECTセンサは、その合わせ目の近傍に発生したき裂27を検出することができなかった。発明者らは、半円溝5Cの内面でその合わせ目近傍に発生しているき裂27をECT信号C1の影響を受けないで検出できる方法を種々検討した。その結果、ECTセンサの磁性体コアの直径を0.5mm以下にすることによって、ECTセンサの空間分解能を向上させることができ、半円溝5Cの内面でその合わせ目近傍に発生しているき裂27によるECT信号が合わせ目のECT信号から分離できることを、発明者らが実験により新たに見出した。しかしながら、磁性体コアの直径を0.1mmよりも小さくすると、ECTコイルの製作が困難になる。このため、ECTセンサの磁性体コアの直径を0.1mm以上0.5mm以下の範囲にすることによって、半円溝5Cの内面で合わせ目近傍に生じたき裂27を検出することができるのである。
本実施例は、磁性体コア15の直径が0.5mmであるため、合わせ目X(または合わせ目Y)近傍で半円溝5Cの内面に発生したき裂27を検出することができる。
上記した一対の半円溝5Cに対するECT検査が終了した後、作業員がフレキシブルシャフト部10を手動で動かして、翼フォーク部4bに対応する上記の検査対象ピン孔内でプローブ8を移動させ、ECTセンサ12を他のピン孔5B,5Aの位置に順次位置決めする。それぞれの位置において前述したようにプローブ8を回転させ、それらの位置でのECT検査を実施する。それぞれのECT検査でECTセンサ12から出力された各検出信号は、渦電流検出器17に入力されてECT信号になる。これらのECT信号は信号処理装置に入力されて処理される。
き裂の存在を判定する(ステップ45)。信号処理装置におけるECT信号の処理で得られた情報(表示装置20に表示)に基づいて、作業員はECT検査を行った半円溝5Cの内面にき裂が発生しているかを判断する。
検査対象ピン孔に含まれるピン孔5A,5B及び半円溝5Cのいずれの内面にもき裂が発生していない場合には、手動でフレキシブルシャフト部10を動かしてプローブ8をその検査対象ピン孔から引き抜く。さらに、手動でサポート部30を動かして一対の支持棒9をそれぞれの支持用ピン孔から引き抜く。次の検査対象ピン孔は、タービン翼3bに隣接するタービン翼3cをディスク1に結合する外フォークピン6Aが挿入されていたピン孔5A,5B及び半円溝5Cとなる。センサ部16の高さ方向等の位置を調節し、プローブ8が次の検査対象ピン孔の前面に位置するようにする。前述したように、この検査対象ピン孔の両隣りに位置する各支持用ピン孔内にそれぞれの支持棒9を挿入し、検査対象ピン孔内にプローブ8を挿入する。この検査対象ピン孔に含まれる各ピン孔等の内面に対してそれぞれECT検査が実施される。このようにして、一段のタービン翼配列対しディスク1に取り付けられていた全外フォークピン6Aが挿入されていた全検査対象ピン孔の内面に対するECT検査が実施される。
外フォークピン6Aが挿入されていたある検査対象ピン孔、例えば、翼フォーク部4bの最も外側のピン孔5Aを含む検査対象ピン孔の半円溝5Cでき裂が発見された場合には、タービン翼3bに対する中フォークピン6Bをディスク1から引き抜く。この中フォークピン6Bが挿入されていたピン孔等を含む検査対象ピン孔内で、き裂が発見された上記の半円溝5Cよりも内側に位置する半円溝5Cの内面に対するECT検査が、前述したように行われる。この半円溝5Cにもき裂27が発見された場合には、内側に位置する内フォークピン6Cをさらに引き抜く。そして、この内フォークピン6Cが挿入されていた検査対象ピン孔に含まれる半円溝5Cの内面に対するECT検査が実施される。これらの中フォークピン6B及び内フォークピン6Cは、それらに対する検査対象ピン孔のECT検査が終了した後、該当するピン孔内に挿入される。これは、支持装置での高さ調節が不可能な場合に、他の外フォークピン6Aに対する検査対象ピン孔のECT検査を実施する前にプローブ8との位置合せのためにローターを一対の支持台上で回転させたときに、タービン翼3bが落下することを防止するためである。
上記した全外フォークピン6Aに対する全ての検査対象ピン孔でのECT検査が終了した後、別途準備した新品の外フォークピン6Aが、ディスク1等に形成された該当するピン孔内に挿入される。
検査対象ピン孔に含まれる、各フォークに形成されるピン孔5A,5B及び半円溝5Cのうち、プローブ8を挿入する方法で最も手前に位置する一対の半円溝5Cの内面、及び最も奥に位置する一対の半円溝5Cの内面だけに対し、ECT検査を実施してもよい。
本実施例は、前述したように、直径0.5mmの磁性体コア15を有するECTセンサ12を用いるので、き裂の検出精度が向上する。特に、隣り合う翼フォーク部4a,4bの各フォーク25Aの合せ目X(または合せ目Y)近傍で半円溝5Cの内面に発生した小さなき裂27も検出することができる。本実施例は、ECTセンサ12の各ECTコイル12a,12bが、各コイルの軸心をプローブ本体8aの外面を向くように配置しているため、ピン孔5A,5B及び半円溝5Cの内面でピン孔の軸方向に伸びるき裂を容易に検出することができる。また、プローブ8を回転させるので、ピン孔等の内面の全面に対してき裂の発生を確認することができる。
本実施例は、プローブ8の回転角度も検出しているので、この回転角度とECT信号を考慮することによって、図6(B)に示すように、き裂27が、隣り合うタービン翼3a,3bのいずれの翼フォーク部4に形成された半円溝5Cの内面に生じているかを作業員が認識することができる。また、回転角度情報とECT信号を一緒に表示することによって、上記の認識は勿論のこと、き裂27が生じている周方向の位置も把握することができる。
ECT検査においては、ECTセンサと検査対象箇所の表面との距離(この距離をリフトオフと呼ぶ)が変化する場合には出力される検出信号が変化する。このため、き裂を精度良く測定するためには、リフトオフに起因する検出信号の変化をなくする必要がある。
これを達成するためには、プローブ8を確実に支持しなければならない。しかしながら、本実施例でECT検査を行うディスクフォーク部2の周辺は狭隘部となっており、プローブ8をいかにして支持するかは非常に困難な課題であった。発明者らは、ディスクフォーク部2及び翼フォーク部4の検査対象ピン孔内面へのECT検査を行う際にリフトオフの要因を排除する対策案を執拗に検討した。この結果、ディスク1等に形成された、フォークピン6を挿入するピン孔を、プローブ8を支持する支持部材の保持に使用するという新たな発想に至った。そこで、センサ部16に一対の支持棒9を設け、これらの支持棒9を検査対象ピン孔付近でディスク1等に存在する2つの支持用ピン孔(好ましくは、調査対象ピン孔の隣りに位置する支持用ピン孔)に挿入させることで、支持棒9によるプローブ8の保持を実現した。本実施例は、このように、ディスク1等に形成されてフォークピン6が挿入される支持用ピン孔に挿入した支持棒9によってプローブ8を保持するため、プローブ8を精度良く確実に保持できる。従って、リフトオフの変化を著しく低減できるので、リフトオフに起因したECTコイル12a,12bからの各検出信号の変化を著しく抑制でき、き裂の検出精度が向上する。支持棒9は、フレキシブルシャフト部10に取り付けられたプローブ8の保持部材及びガイド部材として機能する。1本の支持棒を支持用ピン孔に挿入してプローブを支持することも可能である。しかしながら、本実施例のように、2本の支持棒9を2つの支持用ピン孔に挿入することによって、プローブ8の支持がより強固なものとなり、リフトオフの変化をより小さくすることができる。
本実施例は、ECT検査を実施する領域に存在するフォークピン6をディスク1等から引き抜けばよいので、タービン翼3をディスク1に取り付けた状態で検査対象ピン孔内面へのECT検査を行うことができる。このため、フォーク部に対するECT検査のために、タービン翼3をディスク1から取り外す必要がないので、ディスクフォーク部2及び翼フォーク部4に対するECT検査に要する時間を著しく短縮することができる。さらに、ディスク1にタービン3を取り付けた状態で検査対象ピン孔の内面に対するECT検査を実施するため、ディスクフォーク部2及び翼フォーク部4に形成された各ピン孔、及び翼フォーク部4に形成された各半円溝5Cの内面に対するECT検査を、プローブ8をその検査対象ピン孔に挿入した状態で継続して実施することができる。これも、ECT検査に要する時間のさらなる短縮に貢献する。以上に述べたECT検査時間の短縮が可能になった一つの要因は、支持棒9を支持用ピン孔に挿入するように構成したことである。
また、本実施例は、ディスク1の半径方向において最も外側に位置する外フォークピン6Aを引き抜き、その外フォークピン6Aが挿入されていた検査対象ピン孔に対するECT検査を実施する。一つのタービン翼3は、その半径方向に配置された中フォークピン6B及び内フォークピン6Cによってディスク1に結合されている。このため、一段のタービン翼配列に対してディスク1の周方向に配置された外フォークピン6Aを全て外してECT検査を行っても、タービン翼3がディスク1から落下することはない。本実施例は、まず、外フォークピン6Aが挿入されていた検査対象ピン孔を対象にECT検査を実施する。もし、その検査対象ピン孔の内面でき裂が発見されたとき、外フォークピン6Aの内側に位置する中フォークピン6Bが挿入されていた検査対象ピン孔に対するECT検査を実施する。このようなECT検査を行う本実施例は、ディスク1から引き抜くフォークピン6の本数を著しく低減できるので、ECT検査に要する時間をさらに短縮することができる。ECT検査終了後に、ディスク1に取り付けるフォークピン6の数も少なくなり、フォークピン6の取り付けに要する作業時間も著しく短くなる。外フォークピン6Aが挿入されていた検査対象ピン孔の周囲に存在するフォークの部分には、蒸気タービンの運転時に、中フォークピン6B及び内フォークピン6Cが挿入されていた各検査対象ピン孔の周囲に存在するそれぞれのフォークの部分よりも大きな応力が発生する。したがって、外フォークピン6Aが挿入されていた検査対象ピン孔の内面にき裂が発生していない場合には、中フォークピン6B及び内フォークピン6Cが挿入されていた各検査対象ピン孔の各内面にはき裂が発生していない。
本実施例は、ディスク1に取り付けられている複数のフォークピン6のうち最外周に位置する全ての外フォークピン6Aを取り外してECT検査を実施している。これに対し、ディスク1の軸心から上方に向かって例えば120°の範囲でディスク1に取り付けられている全ての外フォークピン6A、中フォークピン6B及び内フォークピン6Cを取り外し、それらのフォークピンが挿入されていた全検査対象ピン孔に対して渦電流探傷装置19を用いたECT検査を実施することも可能である。このような検査においては、その範囲でのECT検査が終了した後、取り外した全フォークピン6をディスク1に取り付け、そして、他の120°の範囲が上方に向くように、ローターを回転させる。この120°の範囲に位置する全フォークピン6をディスク1から引き抜き、ECT検査を実施する。
このようなECT検査を120°の範囲ごとに繰り返し実施する。
以上述べたECT検査によっても、タービン翼3のディスク1からの落下を防止でき、タービン翼3をディスク1から取り外す必要がない。すなわち、翼フォーク部4をディスクフォーク部2に挿入した状態で、プローブ8を用いて検査対象ピン孔の内面に対するECT検査を実施することができる。このようなECT検査は、前述した実施例よりもその検査に要する時間が長くなるが、タービン翼3をディスク1から取り外す従来の翼フォーク部に対するき裂を確認する検査よりも検査に要する時間が短縮される。
図2に示す渦電流探傷装置の支持棒をディスクに形成されたフォークピン孔に位置合わせした状態を示す説明図である。 本発明の好適な一実施例であれる渦電流探傷装置の構成図である。 図2に示すプローブ構成を示し、(a)はECTセンサを有するプローブの側面図、(b)はECTセンサの設置位置でのプローブの断面図、(c)はECTセンサに含まれる一対のECTコイルの斜視図である。 ディスクの周方向で隣り合う翼フォーク部4aのフォークと翼フォーク部4bのフォークの合わせ目の構造、及びプローブの走査を示す説明図である。 図2に示す渦電流探傷装置を用いたECT検査の手順を示すフローチャートである。 図2に示す渦電流検出器から出力されるECT信号の例を示す説明図である。 ECT検査の対象となるタービン翼の翼フォーク部の拡大斜視図である。 ディスクフォーク部と翼フォーク部との結合状態を示すそれらの結合部の構成図である。
符号の説明
1…ディスク、2…ディスクフォーク部、3,3a,3b,3c…タービン翼、4,4a,4b,4c…翼フォーク部、5A,5B…フォークピン孔、5C…半円溝、6…フォークピン、6A…外フォークピン、6B…中フォークピン、6C…内フォークピン、8…プローブ、9…支持棒、10…フレキシブルシャフト部、11…回転ハンドル、12…ECTセンサ、12a,12b…ECTコイル、13…サポート部、14…位置決め装置、15…磁性体コア、16…センサ部、17…渦電流探傷器、18…コンピュータ、19…渦電流探傷装置、23,25,25A,25B…フォーク、29…コイル。

Claims (14)

  1. ディスクと、前記ディスクの周方向に配置された複数のタービン翼と、前記ディスクに形成されたディスクフォーク部と各前記タービン翼のそれぞれに形成された翼フォーク部とを結合する複数のピンとを備えたタービンローターにおいて、前記ピンが引き抜かれて前記翼フォーク部が前記ディスクフォーク部内に挿入されている状態で、前記ピンが引き抜かれることによって前記ディスクフォーク部及び前記翼フォーク部を通して形成される孔部に、渦電流探傷センサを有するプローブを挿入し、
    前記プローブを用いて前記孔部の少なくとも一部の内面に対する渦電流探傷を行うことを特徴とする渦電流探傷方法。
  2. ディスクと、前記ディスクの周方向に配置された複数のタービン翼と、前記ディスクに形成されたディスクフォーク部と各前記タービン翼のそれぞれに形成された翼フォーク部とを結合する複数のピンとを備えたタービンローターにおいて、前記ピンを前記ディスクフォーク部及び前記翼フォーク部から引き抜き、
    前記ピンが引き抜かれて前記翼フォーク部が前記ディスクフォーク部内に挿入されている状態で、前記ピンが引き抜かれることによって前記ディスクフォーク部及び前記翼フォーク部を通して形成される孔部に、渦電流探傷センサを有するプローブを挿入し、
    前記プローブを用いて前記孔部の少なくとも一部の内面に対する渦電流探傷を行うことを特徴とする渦電流探傷方法。
  3. 引き抜かれる前記ピンが、前記ディスクの半径方向に配置されて前記翼フォーク部を前記ディスクに結合する複数のピンのうち最も外側に位置するピンである請求項1または請求項2に記載の渦電流探傷方法。
  4. ディスクと、前記ディスクの周方向に配置された複数のタービン翼と、前記ディスクに形成されたディスクフォーク部と各前記タービン翼のそれぞれに形成された翼フォーク部とを結合する複数のピンとを備えたタービンローターにおいて、第1の前記タービン翼を前記ディスクに結合している第1の前記ピンが引き抜かれることによって前記ディスクフォーク部及び前記第1のタービン翼の第1の前記翼フォーク部を通して形成される第1孔部に、渦電流探傷センサを有するプローブを挿入し、
    前記周方向に位置する、前記第1のタービン翼とは別の第2の前記タービン翼を前記ディスクに結合している第2の前記ピンが引き抜かれることによって前記ディスクフォーク部及び前記第2のタービン翼の第2の前記翼フォーク部を通して形成される第2孔部に、前記プローブを支持する支持部材を挿入し、
    前記プローブを用いて前記第1孔部の少なくとも一部の内面に対する渦電流探傷を行うことを特徴とする渦電流探傷方法。
  5. ディスクと、前記ディスクの周方向に配置された複数のタービン翼と、前記ディスクに形成されたディスクフォーク部と各前記タービン翼のそれぞれに形成された翼フォーク部とを結合する複数のピンとを備えたタービンローターにおいて、第1の前記タービン翼を前記ディスクに結合している第1の前記ピンを、前記ディスクフォーク部及び前記第1のタービン翼の第1の前記翼フォーク部から引き抜き、
    前記第1のタービン翼とは別の第2の前記タービン翼を前記ディスクに結合している第2の前記ピンを、前記ディスクフォーク部及び前記第2のタービン翼の第2の前記翼フォーク部から引き抜き、
    前記第1のピンが引き抜かれることによって前記ディスクフォーク部及び前記第1の翼フォーク部を通して形成される第1孔部に、渦電流探傷センサを有するプローブを挿入し、
    前記第2のピンが引き抜かれることによって前記ディスクフォーク部及び前記第2の翼フォーク部を通して形成される第2孔部に、前記プローブを支持する支持部材を挿入し、
    前記プローブを用いて前記第1孔部の少なくとも一部の内面に対する渦電流探傷を行うことを特徴とする渦電流探傷方法。
  6. 引き抜かれる前記第1のピンが、前記ディスクの半径方向に配置されて前記第1の翼フォーク部を前記ディスクに結合する複数のピンのうち最も外側に位置するピンである請求項4または請求項5に記載の渦電流探傷方法。
  7. 引き抜かれる前記第2のピンが、前記ディスクの半径方向に配置されて前記第2の翼フォーク部を前記ディスクに結合する複数のピンのうち最も外側に位置するピンである請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の渦電流探傷方法。
  8. 前記プローブの前記第1孔部への挿入は、前記プローブが取り付けられたプローブ保持部材を前記支持部材によって案内することにより行われる請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の渦電流探傷方法。
  9. 前記支持部材を前記第2孔部に挿入し、その後、前記プローブを前記第1孔部に挿入する請求項4ないし請求項8のいずれか1項に記載の渦電流探傷方法。
  10. 前記周方向に位置して、前記第2のタービン翼と共に、前記第1のタービン翼を間に挟む第3の前記タービン翼を前記ディスクに結合している第3の前記ピンが引き抜かれることによって前記ディスクフォーク部及び前記第3のタービン翼の第3の前記翼フォーク部を通して形成される第3孔部に、前記プローブを支持する別の前記支持部材を挿入する請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の渦電流探傷方法。
  11. 引き抜かれる前記第3のピンが、前記ディスクの半径方向に配置されて前記第3の翼フォーク部を前記ディスクに結合する複数のピンのうち最も外側に位置するピンである請求項10に記載の渦電流探傷方法。
  12. ディスクと、前記ディスクの周方向に配置された複数のタービン翼と、前記ディスクに形成されたディスクフォーク部と各前記タービン翼のそれぞれに形成された翼フォーク部とを結合する複数のピンとを備え、それぞれの前記翼フォーク部が前記ディスクの半径方向に配置された複数の前記ピンによって前記ディスクに結合されるタービンローターにおいて、それぞれの前記翼フォーク部ごとに前記半径方向に配置された前記複数のピンのうち最も外側に位置するそれぞれの前記ピンを、前記ディスクフォーク部及び各前記翼フォーク部から引き抜き、
    前記各ピンが引き抜かれてそれぞれの前記翼フォーク部が前記ディスクフォーク部に結合されている状態で、前記各ピンが引き抜かれることによって前記ディスクフォーク部及び該当するそれぞれの前記翼フォーク部を通して形成される複数の孔部に、渦電流探傷センサを有するプローブを、順次、挿入し、
    前記プローブを用いて該当する前記孔部の少なくとも一部の内面に対する渦電流探傷を行うことを特徴とする渦電流探傷方法。
  13. ある前記翼フォーク部を通る前記孔部の少なくとも一部の内面にき裂が生じているとき、前記ある翼フォーク部を前記ディスクに結合している、半径方向に配置された前記複数のピンのうち前記引き抜かれたピンよりも内側に位置する他の前記ピンを引き抜き、
    このピンの引抜によって前記ディスクフォーク部及び前記ある翼フォーク部を通して形成される他の孔部に、前記プローブを挿入する請求項12に記載の渦電流探傷方法。
  14. 前記プローブとして、直径が0.1mm以上0.5mm以下の範囲にある磁性体コアを含む渦電流センサを有するプローブを用いる請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の渦電流探傷方法。
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