JP2009030836A - 浴室空調装置 - Google Patents

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Tomonori Tokumoto
智憲 徳本
Yuzuru Nakamura
譲 中村
Konosuke Matsushita
幸之助 松下
Hiroyuki Seki
裕之 関
Kazuhiro Shimoda
和博 下田
Hiroko Ebihara
裕子 海老原
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Abstract

【課題】閉空間である浴室空間の中にあって、露天風呂のような心地の良い入浴環境を入浴者に提供することができる浴室空調装置を提供すること。
【解決手段】浴室空調装置は、浴槽側の入浴者に対して涼感を体感させ得る涼感運転モードを備えており、涼感運転モードにおいては、涼水ミストCMの噴出を行いつつ気流CCを発生させることで、浴槽側の入浴者から気化熱を奪い続けることができるようにミストポンプ等の涼水ミスト噴出手段、循環ファンCFや換気ファンVF等の気流発生手段を制御し、涼水ミストCMの噴出による浴室空間の湿度上昇を抑制するように構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、浴室空間の空調を制御する浴室空調装置に関する。
従来、このような浴室空調装置の一例として、下記特許文献1に記載されているようなものが提案されている。下記特許文献1には、夏季に入浴する場合等において快適な入浴環境を提供するために涼水ミストを噴出させるミスト冷房装置が記載されている。具体的には、段落番号23にあるように、ミストサウナの使用後は、放熱に頼るだけでは浴室内の温度が速やかに低下せず、特に夏場などにおいては入浴者に不快感を与えてしまうこともあるため、早期に、かつ適度に浴室内の温度を低下させ、さらに入浴者にミストサウナ後の快適なクールダウンも提供することを目的に、水を微粒化した涼水ミストを噴出し得るミストノズルを設けた構成を開示している。
特開平8−164183号公報
上述した従来の技術では、ミストサウナ後、浴室内温度を速やかに低下させること、及び入浴者に快適なクールダウンを提供することを目的に、浴室内のミストノズルから涼水を噴出させることにより、浴室内の温度を低下させる技術を開示している。つまり、体温よりも低い温度の涼水を入浴者に供給し、入浴者の体に涼水が触れることで、入浴者の体表面と涼水との間で熱交換が行われ、これによって入浴者に涼感を与えるという技術を開示している。
従来の技術のように涼感を与えるために涼水ミストを噴出して、この涼水ミストが体表面と熱交換を行って熱を奪うようにすることは、入浴者に涼感を与える手段としては非常に有効な手段である。しかしながら、熱交換によって涼感を与える為には、熱交換できる程度の体温より低い温度の水分が必要量確保される必要があるため、必然的に涼水ミストの粒径を大きくしたり、涼水ミストの噴出量を多くしたりする等の必要があった。
ここで、ミストサウナ後のクールダウンに従来の技術を適用することを想定すると、ミストサウナ後の入浴者に涼感を的確に与えるために、入浴者の目に見えるような大粒径の涼水ミストを多量に噴出することが好ましいと考えられる。これは、ミストサウナ後の入浴者の体温が非常に高くなっていることと、ミストサウナ後の入浴者が急速で強い涼感刺激を得たいと欲していることに起因する。このような状況の入浴者であれば、上述したような大粒径の涼水ミストを多量に浴びても違和感がなく、寧ろそのような大粒径の涼水ミストを多量に浴びないと良好な涼感を得ることができない。
一方、ミストサウナ後ではなく、入浴者が普通に浴槽に浸かっている状態で、のぼせないために頭だけを涼しくしたいと感じている状況や、入浴者が浴槽のリムに腰かけている状態で少し涼みたいと感じている状況、換言すると露天風呂のような心地良さの入浴がしたいと感じている状況では上述した従来の技術を適用することは困難であることを本発明者らは見出した。
より具体的に本発明者らの知見を説明すると次のようになる。すなわち、露天風呂のような心地良さの入浴がしたいと感じている入浴者に従来の技術のように熱交換によって涼感を与えようとすれば、大粒径の涼水ミストを多量に浴びさせることになり、ずぶ濡れ感や強すぎる涼感に起因する違和感や不快感を与えることになる。
ずぶ濡れ感による違和感や不快感を詳述すると、露天風呂のような環境で入浴をしたいと思っている入浴者に対して、目に見えるような大き目の粒径の涼水ミストを多く噴出することは、降雨の露天風呂に入っているような感じで視覚的な感覚が良好でないだけでなく、顔や髪の毛などが濡れてしまって非常に不快感を覚え、決して良好な感覚を与えることが出来ない。
強すぎる涼感による違和感や不快感を詳述すると次のようになる。従来の技術にあるようなミストサウナ後は、浴室内の相対湿度が100%に達して浴室内で結露が発生しているような環境であるため、入浴者の体表面に付着した水分が気化することはない。従って、体から気化熱を奪うことができないような環境であるため、水との熱交換によって涼感を与える必要があるため粒径の大きな涼水ミストを多く噴出させて入浴者を冷たい水で濡らすようにすることが好ましい。一方、露天風呂のような入浴環境を実現しようとすると、ミストサウナ後と違って相対湿度が比較的に低い環境にする必要があることから、入浴者の体表面に付着した水分が気化しやすい状況にある。この環境に対してミストサウナ後のように、大き目の粒径の涼水ミストを多く噴出して入浴者を積極的に濡らして熱交換によって涼感を与えるような技術を導入すると、熱交換による涼感に加えて、この涼水ミストが気化する際に体から熱を奪うため、露天風呂のような心地良さとは程遠い、強い涼感刺激を与えてしまう。
さらに、熱交換をさせるために噴出する大粒径で多量の涼水ミストが浴槽の中に入ってお湯の温度を低下させてしまい、温度が高めのお湯の中に長く浸かっていることができるという露天風呂の良さの一つをスポイルしてしまうという新たな課題も生じた。
そこで本発明では、閉空間である浴室空間の中にあって、露天風呂のような心地の良い入浴環境を入浴者に提供することができる浴室空調装置を提供することを目的とする。
本発明に係る浴室空調装置は、浴室空間の空調を制御する浴室空調装置であって、浴室空間に涼水ミストを噴出する涼水ミスト噴出手段と、浴室空間内に気流を発生させる気流発生手段と、ミスト噴出手段及び気流発生手段をそれぞれ制御する制御手段と、を備え、制御手段は、浴槽側の入浴者に対して涼感を体感させ得る涼感運転モードを備えており、涼感運転モードにおいては、涼水ミスト噴出手段及び気流発生手段を制御し、涼水ミストの噴出による浴室空間の湿度上昇を抑制するように構成されている。
本発明は、浴室内という閉空間に中にあって極めて快適な露天風呂のような感覚で入浴ができるように浴室内を心地の良い涼感環境にすることが目的であるが、単に浴室内に風を送るだけでは浴室内の温度が高いこともあって野外の風と違って心地良いと感じられるような風にならず、露天風呂のような雰囲気を作り出すことは難しかった。そこで、本発明者らは、閉空間である浴室内にあっても心地良い露天風呂のような雰囲気を作り出すために、送風する風の中に涼水ミストを混入させることでさわやかな冷たい風を作り出すと同時に、体に付着した涼水ミストが風によって更に気化し、その際に熱を奪うため屋外と同じような心地良い涼感を与えることができるように工夫したものである。
上述した技術的思想に基づき本発明では、浴室空間に涼水ミストの噴出を行いつつ気流を発生させるので、浴槽側で入浴中の入浴者に涼水ミストを供給するのと合わせて風を当てることによって、入浴者の体表面から気化熱で熱を速やかに奪うことができる。従って、閉空間である浴室空間内にあって、屋外の露天風呂のように、風が吹いた時に気化熱で体から熱が奪われて心地の良い涼感を得るのと同じような感覚を得ることができる。また、気化熱を利用して涼感を与える構成であるため、粒径が大きく明らかに目に見えるような涼水ミストを噴出する必要がなく、涼水ミストを多く噴出する必要もないため、降雨の露天風呂のような感じではなく、極めて快適な露天風呂に近い良好な雰囲気の涼感環境を作り出すことができる。更に、人体がびしょ濡れになったという不快な感覚を覚えたり、浴槽内のお湯の温度を大きく低下させたりしてしまうことも回避できる。
また、気化熱を奪うために必要な涼水ミストを浴室のような閉空間で噴出し続けると開放空間ではないために涼水ミストが蓄積されて湿度が除々に高くなっていき、結果として水分の蒸発が起こり難くなって気化熱による涼感効果が低下してしまうという問題が発生した。また、浴室のような温度が高い状態では湿度が高まっていくと湿度の上昇に伴って蒸し暑さすら感じるような不快感を与える状況になるという問題も招いた。しかしながら、本発明においては涼感運転モードの期間中に渡って気化熱が発生するように浴室空調装置を制御するので、入浴者に開放空間である露天風呂のような心地良さの涼感を継続的に与え続けることができる。具体的に言えば本発明では、気流発生手段や必要に応じて他の手段を用いることで、涼水ミストの噴出による湿度上昇を抑制するように構成されているので、涼感運転モードの期間中に渡って水分の蒸発が起こり難くなる状況を回避して最適な量の気化熱を継続的に確実に奪い、入浴者に開放空間である露天風呂のような心地良さの涼感を継続的に与え続けることができる。
本願請求項2に係る浴室空調装置では、涼感運転モード時の気流発生手段として浴室空間の換気を行う構成としているため、換気を行うことで浴室空間内に気化熱を奪うための気流を発生できるとともに、それと同時に換気を行っているため浴室空間の湿度上昇をも抑制できることから同時に二つの効果を奏することができ、構成を極めてシンプルなものとできる。また、浴室空調装置として換気を行う手段は一般的に装備されているため、本発明における涼感運転モードを実行する上で欠かすことができない、気流発生手段や、湿度の上昇を抑制する手段を別途設ける必要がないという効果も奏することができる。
本願請求項3に係る浴室空調装置は、気流発生手段が単位時間当たりにおける浴室空間の換気量が変動するように制御されている。連続的に浴室空間の換気を行うようして気流を発生させると、入浴者は涼感刺激を連続的に与えられることになり、その涼感刺激に入浴者が慣れてしまう場合がある。入浴者が涼感刺激に慣れてしまうと、より強い涼感刺激を求めるようになってしまい、結果的に入浴者を満足しうる涼感刺激を与えるためには多くの涼水ミストを噴出させる必要が生じたり、気流を強く発生させる必要が生じる。結果として、そのような制御を行うことで露天風呂のような心地良い感覚をスポイルさせてしまうだけでなく、涼水ミストを多めに噴出させるため、浴室のような小さな閉空間では湿度がすぐに上昇して蒸し暑さを与えてしまうという問題が生じる。本請求項に係る発明では、気流発生手段による単位時間当たりにおける浴室空間の換気量を変動させているため、入浴者が涼感刺激に慣れることを防止でき、これによって少ない涼水ミストの量、気流の量によって心地の良い快適な涼感刺激を長時間に渡って与え続けることが可能となっているものである。また、気化熱による涼感を入浴者に効果的に与えるためには、入浴者が涼水ミストで濡れてその後に風に当たることが好ましい。本請求項に係る発明においては、換気量を変動させて入浴者に当たる風を抑える期間を設けているため、入浴者が少ない涼水ミストによっても必要十分なだけ濡れる時間を確保できるため、確実に適切量の涼感刺激を与えることができるという効果も合わせて提供することができる。
本願請求項4に係る浴室空調装置では、気流発生手段による単位時間当たりにおける浴室空間の換気量は、涼水ミストの累積噴出時間が短い時よりも長い時の方が多くなるように構成されている。この態様では、気流発生手段による単位時間当たりにおける換気量を変動させると共に、その換気量を涼水ミストの累積噴出時間が短い時よりも長い時の方が多くなるように構成している。涼水ミストの累積噴出時間が短い時は、浴室空間内の湿度上昇があまり見込まれないので、換気量を比較的少なくすることで涼水ミストの浮遊量を適切な状態に確保して、入浴者から最適に気化熱が奪えるように構成しているとともに、過剰な気化熱を奪うことがないようにしている。すなわち、換気量を多くすると湿度の排出量の増大とともに気流が強く発生するが、湿度が上昇していない状態で多くの気流を発生させると気化熱が多く奪われるため強い涼感刺激に伴う不快感を入浴者に与えたり、強い涼感刺激の慣れに伴ってその後更に強い涼感刺激を与えないと満足しなくなるため多くの涼水ミストを噴出させなくてはいけなくなったりといった問題が発生しないように構成している。一方、涼水ミストの累積噴出時間が長い時は、浴室空間内の湿度上昇が相当程度に見込まれ、最適量の気化熱を奪うことが困難になるが、換気量を多くして涼水ミストの過剰な浮遊による湿度上昇を抑制しているため、入浴者から最適な気化熱を継続して確実に奪うことができるようにしている。従って、涼水ミストを噴出し続けても、入浴者から最適に気化熱を長い時間に渡って奪い続けることができるようにしている。
本願請求項5に係る浴室空調装置は、気流発生手段が、浴室空間の換気を行うための換気ファンと、浴室空間内の空気を循環させるための循環ファンとを備えている。気流発生手段として換気ファンと循環ファンとを独立して備えているので、換気気流と循環気流とを独立して発生させることができる。従って、涼水ミスト噴出手段が噴出した涼水ミストを循環ファンが発生する循環気流に乗せて下方に送り出すことができるため、換気ファンが発生する換気気流に涼水ミストが引き込まれて排気されることを抑制でき、涼水ミストの噴出量を少なくすることができる。また、換気ファンによって換気気流を発生させているのみであると、涼水ミストを浴室空間内に行き渡らせるためには必要以上に噴出量を増大させる必要があるが、循環気流に乗せて涼水ミストを下方に送り出すことで、涼水ミストの噴出量を必要以上に増大させる必要がなくなり、涼水ミストの過剰噴射に伴う湿度の上昇や雰囲気の低下を緩和できる。また、確実に落下させるために涼水ミストの粒径を大きくするなどの対策を講じる必要がないことから、この点からも湿度の上昇や露天風呂のような心地良さをスポイルすることがない。また、ヒータ等が風路に組み込まれていないため騒音を小さくできる換気ファンと、噴出し風であるため入浴者に向かう直接風とできる循環ファンとの二つのファンを用いて気流を発生させることができるので、最適な気流と騒音の抑制を両立でき、快適な雰囲気をこの点からも作り出すことができる。
本願請求項6に係る浴室空調装置では、涼感運転モードの開始に近い所定の第1の時点では、循環ファンによって発生する循環気流が換気ファンによって発生する換気気流より多く、第1の時点より所定時間後の第2の時点では換気ファンによって発生する換気気流が循環ファンによって発生する循環気流より多くなるように制御されている。この態様によれば、涼感運転モードの開始に近い第1の時点においては、循環気流を主たる気流とすることで涼水ミストの換気に伴う排出を抑制して浴室空間内に確実に浮遊させて入浴者に触れさせて気化熱を確実に奪い涼感を与えることができる。また、浴室内に空気を押込む循環ファンを用いて気流を主に作ることで入浴者に直接風を強めに与えることができ、よって涼感運転モードの開始初期は涼感を強く得たいと思っている入浴者の意向に沿った形で強めの涼感を確実に提供できる。一方、第1の時点より所定時間経過した第2の時点では涼水ミストの継続噴出に伴って浴室空間内の湿度が上がって気化熱を奪うことが困難になると同時に、涼水ミストの粒径が小さく噴射量が少ないため入浴者が濡れるような状況でない環境で湿度が高くなっていくような本発明の環境においては、蒸し暑さを与えるような状況になるが、本請求項に係る発明では、第2の時点においては換気気流を主たる気流とするように構成しているため浴室空間内の過度な湿度上昇を抑制することができる。また、時間経過とともに入浴者の強い涼感要求も低下していることから、第2の時点においては循環気流から換気気流を主たる気流とすることで、騒音も大きめで、かつ入浴者に吹き付ける気流で強い涼感刺激を与える循環気流を緩和して、騒音も低く浴室内から空気を吸い出すことによって生じる優しい風の気流となる換気気流によって入浴者から気化熱によって熱を奪って涼感を与えるようにすることで、露天風呂のような雰囲気で、かつ露天風呂のような心地の良い感じで適度な涼感を与えることができる。
本願請求項7に係る浴室空調装置では、涼感運転モードの開始に近い所定の第1の時点では、該第1の時点より所定時間後の第2の時点に比して、循環気流の流量と換気気流の流量をともに多くすると共に互いの流量割合差が少なくなるように制御され、第2の時点では、第1の時点に比して循環気流の流量及び換気気流の流量をともに低下させるとともに、換気気流の流量に比して循環気流の流量割合が多くなるように制御され、第2の時点より所定時間後の第3の時点では、第2の時点に比して循環気流の流量に比して換気気流の流量割合が多くなるように気流発生手段が制御されている。涼感運転モードの開始に近い第1の時点は、涼みたいという要求が入浴者に生じた時であるので、循環気流と換気気流との総量を多くすることで入浴者により多くの風を当てて、入浴者からより多くの気化熱を奪うことでその要求に応えることができる。第1の時点より所定時間経過した第2の時点は、上述したような入浴者の要求も少しは収まってきたと考えられるので、気流の総流量を低下させて騒音の低下を図るとともに、涼感刺激を若干緩和させている。また、換気気流の流量を多めに低下させることで、直接の送風で強めの涼感を与えることができる循環気流の流量を高めに維持しているので、気流を低下させても強めの涼感を確保できるので涼感不足を入浴者に与えることはない。その後の第3の時点では、更に入浴者の涼感要求は低下したと考えられることに加え、涼水ミストの継続噴射に伴って浴室空間内の湿度が上昇してくるので、換気に伴う気流が支配的になるように制御されている。これによって、循環ファンによる直接入浴者に当てるような吹き下ろしの風から、吸出しによる優しい気流の風によって涼感を与えるようになるため、騒音が低く、また入浴者の涼感要求にも沿った露天風呂のような心地の良い雰囲気と涼感を入浴者に与えることができる。さらに、換気によって上昇した浴室空間内の湿度を低下させることができ、入浴者から更に継続的に気化熱を奪って涼感刺激を与え続けることができる。
本願請求項8に係る浴室空調装置は、浴室空間を除湿するための除湿装置を備え、制御手段は涼感運転モードにおいて、浴室空間を除湿して浴室空間の湿度上昇を抑制するように除湿装置を制御する。この態様によれば、浴室空間を除湿するための除湿装置を備え、その除湿装置を利用して浴室空間の湿度上昇を抑制しているので、除湿装置の性能に応じた的確な湿度上昇制御を行うことができるとともに、気流の発生と湿度上昇の抑制を分離して独立的に制御できるため一層最適に気化熱を奪う制御と心地良さの両立を高い次元で満足させることができ、また、換気を用いた場合では外気の状態に左右されるが、除湿装置を用いることで外気の湿度状態に関わりなく確実に浴室内の湿度を最適な状態にすることが可能となる。
本願請求項9に係る浴室空調装置は、涼水ミスト噴出手段によって噴出される涼水ミストの粒径は、涼感運転モードにおける粒径が、涼感運転モード以外の第2の涼水ミスト噴出モードにおける粒径よりも小さくなるように構成されている。この態様によれば、涼感運転モード以外における涼水ミストの粒径を大きくすることができるので、涼感運転モードの際、明確には目に見えないぐらいの小さな粒径で涼水ミストを噴出させることで雨の露天風呂ではなく晴天時の露天風呂のような感覚でありながら気化熱によって心地良い涼感を確実に与えることができる。一方入浴者が晴天時の露天風呂のような爽やかな涼感ではなく、湯上り時等に若干水を浴びるような感覚で強めにクールダウンをしたいと思っているような場合は、明確には目に見えない粒径の涼水ミストでは視覚的にも体感的にも涼感を得難いが、本請求項に係る発明においては大きめの粒径の涼水ミストを噴出可能な第2の涼水ミスト噴出モードを備えているため入浴者の要求に合った強い涼感をも合わせて提供することを可能としている。
本発明によれば、入浴中の入浴者に、閉空間の浴室内にあってあたかも屋外の露天風呂に入っているかのような、心地よい快適な涼感環境を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の実施形態に係る浴室空調装置を使用する態様について図1を参照しながら説明する。図1は、浴室空調装置を構成する浴室空調機本体10を浴室ユニットBRに取り付けた一例を説明するための図である。
浴室ユニットBRは、集合住宅や戸建住宅に浴室を設ける際に用いられるものであり、壁、床、天井、浴槽といった構成部材を組み立てて浴室とするものである。浴室ユニットBRは、床部材20と、壁部材21,22,23と、天井部材24とを備えている。壁部材21,22,23は床部材20の周囲に立設させて取り付けられている。壁部材21と壁部材23とは互いに対向した位置に設けられている。壁部材22は、壁部材21と壁部材23とに隣接して設けられている。尚、図1には明示しないが、壁部材22と対向する位置に壁部材が設けられており、この壁部材は壁部材21と壁部材23とに隣接している。また、床部材20と対向するように天井部材24が設けられている。
壁部材22には、カウンター部分221と収納棚223とが設けられている。カウンター部分221にはシャワー水栓222が取り付けられている。壁部材23には、浴室ユニットBRに出入りするための扉231が設けられている。尚、図1には明示しないが、扉231にはガラリが設けられている。
床部材20には浴槽BTが設けられている。浴槽BTは直方体を成す升状の形態となっており、浴槽BTを構成する四つの壁のうちの三つの壁が壁部材21,22及び図1に明示しない壁部材に沿って配置されている。従って、浴槽BTの一つの壁は床部材20の略中央付近に立設された状態になっている。
天井部材24は、平坦な天井部分241とドーム型の天井部分242とで構成されている。天井部分241は浴槽BTの略直上に、天井部分242は浴槽BTが設けられていない床部材20の略直上にそれぞれ配置されている。天井部分241には浴室空調機本体10が取り付けられている。浴室空調機本体10から噴出されるミストや風は、ルーバー(図1においては明示しない)によって浴室ユニットBR内の意図した部分に送り出すことが可能なように構成されている。
引き続いて、本実施形態である浴室空調装置によって実現可能な空調制御について説明する。本実施形態である浴室空調装置は、浴室ユニットBR内の浴室空間の空調を制御する装置であって、涼感運転モード制御(露天風呂モード制御とも呼称する、以下同じ)が可能なように構成されている。
涼感運転モード制御とは、入浴者に対して涼感を体感させ得るモードであって、より具体的には、入浴者に微細な涼水ミストを付着させ、その涼水ミストの気化熱に相当する熱を入浴者から奪って涼感を体感させ得るモードである。より具体的に涼感運転モード制御とは、露天風呂のような心地の良い入浴環境を入浴者に提供するモードであって、浴槽BT側の入浴者に対して涼感を体感させ得るモードである。換言すれば、閉空間である浴室空間BR内にあって、屋外の露天風呂のように、風が吹いた時に気化熱で体から熱が奪われて心地の良い涼感を得るのと同じような感覚を得ることができるモードである。
尚、微細な涼水ミストとしては、3〜5ミクロン程度が明確には目に見えず、一方で気化熱によって熱も奪ってくれるという程度で良好であり、20ミクロンまでが妥協できる最大範囲であると考えている。3〜5ミクロン程度の最良のミストを生成するためには、超音波式が騒音などの様々な要素を含めて最適である。
図2は、涼感運転モード制御を説明するための図である。図2においては、浴槽BTのリムの一端にベンチBT1が、浴槽BTの内側にベンチBT2が、それぞれ形成されている。また、図1で説明した浴室ユニットBRとは反対側の壁面にベンチカウンター224が設けられており、ベンチカウンター224が設けられている壁面には鏡225が設けられている。また、浴室ユニットBRの洗い場側下方には、扉(図2には明示しないが、図1における扉231)にガラリ232が設けられている。
浴槽BTの上方には浴室空調機本体10が配置されている。浴室空調機本体10は、循環ファンCF及び換気ファンVFを備えている。循環ファンCFは、浴室ユニットBR内の空気を吸引して浴室ユニットBR内に送風し、浴室ユニットBR内に循環気流CCを形成するものである。換気ファンVFは、浴室ユニットBR内の空気を吸引して浴室ユニットBR外に送り出し、浴室ユニットBR内に換気気流VCを形成するものである。
浴槽BTには湯が張られており、入浴者Hは浴槽BTにおいて入浴中である。入浴者Hが、涼感運転モード制御を選択すると、洗い場側に向けて涼水ミストCMが噴出される。図2の場合、循環ファンCFも回転しており、循環気流CCが形成されている。循環気流CCは、洗い場床面に向けて噴出されており、洗い場床面に沿って浴槽側に流れ、その後浴室空調機本体10に吸い込まれる。従って、循環気流CCは、浴室空調機本体10から洗い場床面に向かる下降循環気流と、洗い場床面から浴槽側に循環した後に浴槽BT上方へと循環する上昇循環気流とによって構成されている。
図2の場合、換気ファンVFも回転しており、換気気流VCが形成されている。換気気流VCは、ガラリ232から浴室空調機本体10の内気吸引口(図2においては明示しない)へ向かって流れており、循環気流CCの上昇循環気流と並行するように形成されている。
涼水ミストCMは、洗い場側に向けて噴出され、循環気流CCの下降循環気流によって洗い場床面に搬送される。その後、下降循環気流が涼水ミストCMを搬送して浴槽側に循環した後に上昇して浴室空調機本体10に吸い込まれる。また、換気気流VCは、その涼水ミストCMを搬送している上昇循環気流と並行して浴室空調機本体10へと吸い込まれる。
したがって、涼水ミストCMは、洗い場床面を経由して浴槽BT上方へと向かう気流に搬送されて入浴者Hに接触する。入浴者Hは、涼水ミストCMを頭上から浴びるのではなく、横もしくは下方から吹いてくるそよ風のような気流に乗った状態の涼水ミストCMに接触するので、心地よい露天風呂のような涼感を得ることができる。
心地よい露天風呂のような感じを与えることのできる涼感運転モードは図2に例示した態様が好ましいが、入浴者Hがより強い涼感を得たいと欲する場合には図3に例示する態様も好ましい。
図3の場合、入浴者Hが、涼感運転モード制御を選択すると、浴槽BT側に向けて涼水ミストCMが噴出される。図3の場合、循環ファンCFも回転しており、循環気流CCが形成されている。循環気流CCは、浴槽BT側に向けて噴出されており、浴槽BT内を循環し、その後浴室空調機本体10に吸い込まれる。
図3の場合、換気ファンVFも回転しており、換気気流VCが形成されている。換気気流VCは、ガラリ232から浴室空調機本体10の内気吸引口(図2においては明示しない)へ向かって流れている。
涼水ミストCMは、浴槽BTに向けて噴出され、循環気流CCによって浴槽BTに搬送される。従って、浴槽BTで入浴中の入浴者Hに直接吹き付けることができ、より強い涼感刺激を入浴者Hに与えることができる。
尚、涼水ミストCMの噴出方向や噴出量、循環気流CC及び換気気流VCの形成態様の詳細については後述する。
引き続いて、本実施形態である浴室空調装置について説明する。図4は、浴室空調装置MSのブロック構成図である。
図4に示すように、浴室空調装置MSは、CPU40(制御手段)と、ROM・RAMからなる記憶部41(制御手段)と、洗面所操作リモコン42と、浴室操作リモコン43と、浴室温度センサー44と、洗面所温度センサー45と、浴室湿度センサー46と、洗面所湿度センサー47と、可動ルーバー用モータ50と、可動ルーバー501と、循環ファン駆動モータ53(循環送風手段、気流発生手段)と、循環ファンCF(循環送風手段、気流発生手段)と、ポンプ駆動モータ54(涼水ミスト噴出手段)と、ミストポンプ541(涼水ミスト噴出手段)と、換気ファン駆動モータ55(換気手段、気流発生手段)と、換気ファンVF(換気手段、気流発生手段)と、メインバルブ56(涼水ミスト噴出手段)と、ミストバルブ57(涼水ミスト噴出手段)と、排水バルブ59と、暖房ヒータ60と、スイッチ601と、暖房ヒータ61と、スイッチ611と、暖房ヒータ62と、スイッチ621と、ミストヒータ63と、スイッチ631と、を備えている。引き続いて、各構成要素について説明する。
CPU40は、他の各構成要素から出力される指示信号や状態表示信号を受信し、その受信した信号に基づいて所定の情報処理を行う演算装置である。CPU40は、記憶部41に格納されているソフトウェアを読み込んで情報処理を行う。
洗面所操作リモコン42は、浴室空調装置MSが取り付けられる住宅の浴室隣の洗面所等に配置されるリモコンである。洗面所操作リモコン42に入力される指示は、指示信号としてCPU40に送信される。
浴室操作リモコン43は、浴室空調装置MSが取り付けられる住宅の浴室に着脱自在で入浴者が取り外して手元で操作が可能なように設置されている。浴室操作リモコン43に入力される指示は、無線電波を利用して指示信号としてCPU40に送信される。
浴室操作リモコン43の操作パネルの一例を図5に示す。図5に示すように、浴室操作パネル431は、表示領域43aと、操作領域43bと、タッチパネル式の露天風呂モード操作・表示領域43cと、ミスト操作領域43dとを備えている。
表示領域43aには、時刻の表示や浴室空調装置MSの運転状況の表示がなされる。運転状況の表示としては、「露天風呂モード(涼感運転モード)実行中」であるとの表示や、涼感温度の表示が含まれる。
操作領域43bには、「電源」ボタン43ba、「止」ボタン43bb、「暖房」ボタン43bc、「換気」ボタン43bd、「ミストサウナ」ボタン43be、「涼風」ボタン43bf、「涼水ミスト」ボタン43bgが設けられている。
「電源」ボタン43baは、浴室空調装置MSの主電源を投入するためのボタンである。「電源」ボタン43baを押下すると主電源が投入され、再度押下すると主電源を切ることができる。「止」ボタン43bbは、他のボタンを押下することによって作動中の動作を停止させるためのボタンである。
「暖房」ボタン43bcは、浴室内において暖房を行うためのボタンであって、このボタンを押下することで、スイッチ601,611,621が閉じられて、電気式の暖房ヒータ60,61,62にそれぞれ通電される。また、循環ファン駆動モータ53が駆動されて、循環ファンCFが回転する。
「換気」ボタン43bdは、浴室の湿度や温度の状態に応じて換気時間を設定して最適な時間自動的に換気を行うためのボタンであって、このボタンを押下することで、換気ファン駆動モータ55が駆動されて、換気ファンVFが上記設定された時間だけ回転する。
「ミストサウナ」ボタン43beは、ミストサウナ浴を行う際に用いるボタンであって、このボタンを押下すると、スイッチ631が閉じられてミストヒータ63に通電される。また、ポンプ駆動モータ54が回転してミストポンプ541が駆動され、メインバルブ56及びミストバルブ57が開かれて浴室内に温水ミストが噴出される。また、前記した暖房が行われる。
「涼風」ボタン43bfは、浴室内に涼風を噴出させるためのボタンである。このボタンを押下すると、循環ファン駆動モータ53及び換気ファン駆動モータ55が駆動されて、循環ファンCF及び換気ファンVFが回転する。尚、スイッチ601,611,621は開かれて、電気式の暖房ヒータ60,61,62には通電されない。
「涼水ミスト」ボタン43bgは、ミストサウナや入浴中において、クールダウンするために強制的に涼水ミストを最大量噴出させるためのボタンである。このボタンを押下すると、スイッチ631が開かれてミストヒータ63への通電が停止される。また、ポンプ駆動モータ54が最大回転してミストポンプ541が駆動され、メインバルブ56及びミストバルブ57が開かれて浴室内に涼水ミストが最大量噴出される。急速で強い涼感を得たい時等に有効なものである。
露天風呂モード操作・表示領域43cはタッチパネル構造として構成されており、タッチ操作することで色が反転するように構成されている。操作ボタンとしては、「クールダウン付き露天風呂モード」ボタン43caと、「露天風呂モード」ボタン43cbとが設けられている。
例えば、図5に現在示されている状態では、「クールダウン付き露天風呂モード」ボタン43caが操作されていることがわかるようにボタンの色が反転しており、クールダウン付き露天風呂モードを運転していることが見て取れる。これによって、表示領域43aに涼感運転中であることがわかるように露天風呂モードであることが表示される。また、涼感温度が25℃に設定されていることが読み取れる。
「クールダウン付き露天風呂モード」ボタン43caを操作すると、クールダウン付きの露天風呂モードによる制御が行われる。クールダウン付きの露天風呂モードとは、図3を参照しながら説明した空調制御を行って入浴者に強い涼感刺激を与えた後に、図2を参照しながら説明した空調制御を行って、入浴者に快適な露天風呂のような涼感を与えるものである。一方、「露天風呂モード」ボタン43cbを操作すると、露天風呂モードによる制御が行われる。露天風呂モードとは、図2を参照しながら説明した空調制御を行って、入浴者に快適な露天風呂のような涼感を与えるものである。
ミスト操作領域43dには、「ミスト感」ボタン43daと、「涼感」ボタン43dbと、「風速」ボタン43dcと、「風向き」ボタン43ddとが設けられている。
「ミスト量」ボタン43daは、露天風呂モード運転の際に使用できるボタンである。「ミスト量」ボタン43daは、「上」側を押下すると浴室内への涼水ミスト量を増やし、「下」側を押下すると浴室内への涼水ミスト量を減らすように構成されている。これは雰囲気と涼感程度のバランスを入浴者の好みに合わせることを可能するボタンであり、涼水ミスト量を増やせば、風に混入させる涼水ミストの量を増やせるため温度を下げることができ、涼感刺激を高めることができる一方で、涼水ミストの噴射音や、ミストが見えるようになるなどの状況から、露天風呂のような雰囲気を若干スポイルしてしまう。この兼ね合いを調整できるものである。
「涼感」ボタン43dbは、露天風呂モード運転の際に使用できるボタンである。「涼感」ボタン43dbは、清涼感を増減させるためのボタンである。「涼感」ボタン43dbの「下」側を押下すると涼感程度を強める為に、涼水ミストの温度がミストヒータ43を制御することによって下げられ、かつミスト粒径も大きくなるように制御される。これらによって、涼感程度が強く感じられるようになる。反対に「上」側を押下すると清涼感が低下するように上記と反対の制御が行われる。また、この「涼感」ボタン43dbを操作することで表示パネル43aの涼水ミストの温度を表す「COOL」の温度表示が連動して上下するように構成されている。
「風速」ボタン43dcは、露天風呂モード運転の際に使用できるボタンである。「風速」ボタン43dcは、涼風の噴出し速度を変更するためのボタンである。「風速」ボタン43dcの「高」側を押下すると風速が高くなり、「低」側を押下すると風速が低くなる。
「風向き」ボタン43ddは、露天風呂モード運転の際に使用できるボタンである。「風向き」ボタン43ddは、風向を変更するための十字ボタンである。「風向き」ボタン43ddを押下すると、可動ルーバー用モータ50が回転し、可動ルーバー501が駆動される。「風向き」ボタン43ddの「浴槽側」を押下すると、可動ルーバー501が駆動されて、風の噴出方向が浴槽側に向けられる。一方、「風向き」ボタン43ddの「洗い場側」を押下すると、可動ルーバー501が駆動されて、風の噴出方向が洗い場側に向けられる。
浴室内リモコン43には浴室操作パネル431の裏側に詳細設定パネルが設けられている。図6に詳細設定パネル432の例を示す。図6に示す例は、露天風呂モードにおける詳細設定パネル432の状態を示した図である。
図6に示すように、露天風呂モードにおける詳細設定パネル432では、大項目として「涼感条件設定」「露天風呂モードの構築条件設定」が設定可能なように表示されている。
「涼感条件設定」においては、「AUTO設定」が、「マニュアル設定」かが選択可能なように構成されている。「AUTO設定」では、「涼感刺激優先」か「露天風呂雰囲気優先」かが選択可能なように構成されている。
「AUTO設定」で「涼感刺激優先」を選択すると、図3を参照しながら説明した空調制御を行って入浴者に強い涼感刺激を与えた後に、図2を参照しながら説明した空調制御を行って、入浴者に快適な露天風呂のような涼感を与える制御を行う。一方、「AUTO設定」で「露天風呂雰囲気優先」を選択すると、図2を参照しながら説明した空調制御を行って、入浴者に快適な露天風呂のような涼感を与える制御を行う。
「マニュアル設定」では、「涼水ミスト設定」と「涼風設定」とが行えるように構成されている。「涼水ミスト設定」では、涼水ミストの粒径が「粒径小」か「粒径大」かが選択可能なように構成されている。また、「涼水ミスト設定」では、涼水ミストが入浴者に対して直接噴射されることとなる「浴槽側噴出」なのか洗い場側に噴射されて気流に乗って涼水ミストが入浴者に当たるようにする間接的噴射の「洗い場側噴出」なのかが選択可能なように構成されている。また、「涼水ミスト設定」では、涼水ミストが「連続噴出」なのか「ゆらぎ噴出」なのかが選択可能なように構成されている。
「涼風設定」では、風の強さや換気か循環かが選択可能なように構成されている。具体的には、「涼風設定」では、浴室空調機本体10から噴出される風が「強め」か「低騒音」かが選択可能なように構成されている。「強め」を選択すると、循環ファンCF及び換気ファンVFの双方が最大回転するように制御される。「低騒音」を選択すると、循環ファンCF及び換気ファンVFのいずれかが選択的に回転するように制御されるか、循環ファンCF及び換気ファンVFの双方が中程度の回転をするように制御される。
「涼風設定」では、浴室空調機本体10から噴出される風が「換気優先」か「循環風優先」かが選択可能なように構成されている。「換気優先」を選択すると、換気ファンVFが主として回転するように制御される。「循環風優先」を選択すると、循環ファンCFが主として回転するように制御される。
「露天風呂モード構築条件設定」では、「常時露天風呂モード」か「自動サイクル構築」か「マニュアル設定時構築」かが選択可能なように構成されている。
「常時露天風呂モード」を選択すると、常に入浴者に涼感を体感させ得るようにCPU40が制御を行う。「自動サイクル構築」を選択すると、設定したサイクル数で設定された時間だけ自動的に、入浴者に涼感を体感させ得るようにCPU40が制御を行う。具体的には、「内湯モード」と「露天モード」とが交互に「サイクル数」だけ出現するように設定できる。「内湯モード」とは通常の入浴状態の制御であり、「露天モード」とは図2を参照しながら説明した状態の制御である。「内湯モード」が「10分」、「露天モード」が「5分」、「サイクル数」が「2回」で設定されていると、「内湯モード」の制御を10分間行った後に「露天モード」の制御を5分間行うサイクルを2回繰り返す。
「マニュアル設定時構築」を選択すると、入浴者の操作に応じて、入浴者に涼感を体感させ得るようにCPU40が制御を行う。「マニュアル設定時構築」では、「ON/OFF方式」と「ON後所定時間露天風呂モード」とが設定可能である。「ON/OFF方式」は、入浴者の操作に応じて露天風呂モードの制御を実行し、またその実行を停止する方式である。「ON後所定時間露天風呂モード」は、入浴者の操作に応じて設定された時間(図6においては5分間)露天風呂モードの制御を実行し、その時間の経過後に実行を停止する方式である。
図4に戻り、浴室温度センサー44は、浴室の温度を測定するためのセンサーであり、浴室内に設置されている。洗面所温度センサー45は、洗面所の温度を測定するためのセンサーであり、洗面所内に設定されている。浴室湿度センサー46は、浴室内の湿度を測定するためのセンサーであり、浴室内に設置されている。洗面所湿度センサー47は、洗面所内の湿度を測定するためのセンサーであり、洗面所内に設置されている。
浴室温度センサー44、洗面所温度センサー45、浴室湿度センサー46、及び洗面所湿度センサー47から出力される測定信号はCPU40に出力される。
可動ルーバー用モータ50は、可動ルーバー501を駆動するためのモータである。可動ルーバー用モータ50は、CPU40からの指示信号に基づいて回転する。
循環ファン駆動モータ53は、循環ファンCFを駆動するためのモータである。循環ファンCFは、浴室空調機本体10内に設けられているファンであって、浴室内へ空気を噴出するためのものである。循環ファン駆動モータ53は、CPU40からの指示信号に基づいて回転する。
ポンプ駆動モータ54は、ミストポンプ541を駆動するためのモータである。ミストポンプ541は、メインバルブ56とミストバルブ57との間に設けられており、ミストバルブ57に向けて水圧を上昇させている。ポンプ駆動モータ54は、CPU40からの指示信号に基づいて回転する。
換気ファン駆動モータ55は、換気ファンVFを駆動するためのモータである。換気ファン駆動モータ55の回転に応じて換気ファンVFが回転し、浴室内の空気を外部に送り出して換気を行う。換気ファン駆動モータ55は、CPU40からの指示信号に基づいて回転する。
メインバルブ56は、浴室空調装置MSの配管路において、水道元栓とミストポンプ541との間に配置されるバルブである。メインバルブ56は、CPU40からの指示信号に基づいて開閉動作を行う。
ミストバルブ57は、浴室空調装置MSの配管路において、ミストポンプ541とミストノズル(図4においては明示しない)との間に配置されるバルブである。ミストバルブ57は、CPU40からの指示信号に基づいて開閉動作を行う。
排水バルブ59は、浴室空調装置MSの配管路において、ミストバルブ57とミストノズル(図4においては明示しない)との間から分岐される管路に設けられているバルブである。排水バルブ59は、CPU40からの指示信号に基づいて開閉動作を行う。
暖房ヒータ60,61,62は、浴室空調機本体10内の空調路において、吹き出し口近傍に配置されているヒータである。スイッチ601,611,621は、暖房ヒータ60,61,62への通電を制御するスイッチである。スイッチ601,611,621は、CPU40からの指示信号に基づいて通電制御を行う。
ミストヒータ63は、浴室空調装置MSの配管路において、ミストバルブ57の上流側に配置されるヒータである。スイッチ631は、ミストヒータ63への通電を制御するスイッチである。スイッチ631は、CPU40からの指示信号に基づいて通電制御を行う。
引き続いて、浴室空調装置MSの配管状態を図7を参照しながら説明する。図7は、浴室空調装置MSの配管図である。図7に示すように、水道に接続された上流側から主たる管路に順に、メインバルブ56、ミストポンプ541、ミストヒータ63、ミストバルブ57、ミストノズル72(涼水ミスト噴出手段)が接続されている。
主たる管路の途中から分岐して排水管路が設けられている。排水管路には、排水バルブ59が設けられている。排水バルブ59の先の排水管路はドレーン71に繋がっている。
図7に示す構成の場合、ミストヒータ63に通電しながら、ミストバルブ57を開くと、ミストノズル72からは温ミストが噴出する。一方、ミストヒータ63に通電せずに、ミストバルブ57を開くと、ミストノズル72からは涼水ミストが噴出する。ミストノズル72から噴出するミストの温度は、ミストヒータ63への通電状態を制御することで調整することができる。
引き続いて、浴室空調装置MSを構成する浴室空調機本体10について図8を参照しながら説明する。図8は、浴室空調機本体10の内部構成を模式的に示した図である。
浴室空調機本体10は、風路部分101と、カバー部分102とを備えている。風路部分101は、第1風路部分101a、第2風路部分101b、第3風路部分101cが繋がっている。第1風路部分101a、第2風路部分101b、及び第3風路部分101cは、互いに90度の角度を成すように繋がっている。従って、第1風路部分101aから吸い込まれる空気の方向と、第3風路部分101cから吹き出す空気の方向は互いに180度の角度を成している。風路部分101は、第1風路部分101aと並行に設けられている第4風路部分101dを有している。また、第4風路部分101dには、第5風路部分101eが繋がっていて、第4風路部分101dと第5風路部分101eとは互いに90度の角度を成している。
第1風路部分101aと第2風路部分101bとが繋がる部分の近傍には、循環ファンCFが設けられている。循環ファンCFは、浴室空調装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転する循環ファン駆動モータ53によって駆動される(図4参照)。
第4風路部分101dと第5風路部分101eが繋がる部分の近傍には、換気ファンVFが設けられている。換気ファンVFは、浴室空調装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転する換気ファン駆動モータ55によって駆動される(図4参照)。
第3風路部分101cの終端部分には、暖房ヒータ60,61,62が取り付けられている。暖房ヒータ60,61,62は、浴室空調装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて開閉するスイッチ601,611,621によって通電状態が制御される(図4参照)。
カバー部分102は、風路部分101を覆うように取り付けられている。カバー部分102は風路部分101を覆うと共に、浴室ユニットBRの天井部材24における平坦な天井部分241(図1参照)との間に所定の隙間Gを確保した状態で取り付けられている。従って、風路部分101に取り付けられている循環ファンCF及び換気ファンVFが回転すると、カバー部分102と天井部分241との隙間Gから空気が吸い込まれる。従って、この隙間Gは、換気ファンCFによって吸引される空気の吸い込み口である内気吸引口としても、循環ファンVFによって吸引される空気の吸い込み口である内気吸引口としても機能している。
カバー部分102の、第3風路部分101cに対応する部分には、開口部102aが形成されている。この開口部102aには、可動ルーバー501が設けられている。可動ルーバー501の近傍には、ミストノズル72が設けられている。ミストノズル72は、可動ルーバー501よりも洗い場側に取り付けられている。従って、ミストノズル72から噴出される涼水ミストCMは、循環ファンCFによって形成され可動ルーバー501から噴出される循環気流CCの上から噴出される。そのため、涼水ミストCMは循環気流CCによって洗い場床面に向けて搬送される。
引き続いて、浴室空調機本体10を浴室ユニットBRに設置し、露天風呂モードで制御した場合について図9及び図10を参照しながら説明する。図9に示す例は、図2を参照しながら説明した涼感運転モード制御に関するものである。図10に示す例は、図3を参照しながら説明した涼感運転モード制御に関するものである。
図9に示す例では、ミストノズル72から涼水ミストCMを噴出すると共に、換気ファンCFを回転させて循環気流CCを形成している。循環気流CCの吹き出し口である開口部102aに設けられている可動ルーバー501は洗い場側に向けられているので、循環気流CC(下降循環気流CCd)は洗い場側に向けて噴出されている。一方、ミストノズル72は開口部102aよりも洗い場側に設けられており、ミストノズル72から下方に向けて涼水ミストCMが噴出されている。従って、涼水ミストCMは循環気流CC(下降循環気流CCd)内に噴出されており、循環気流CC(下降循環気流CCd)は涼水ミストCMを乗せて搬送しながら洗い場の床面に向かっている。
涼水ミストCMを搬送した循環気流CC(下降循環気流CCd)は、洗い場の床面に沿って方向を変えて浴槽BT側に向かう。浴槽BT側に向かった循環気流CCは、内気吸引口としての隙間Gに向けて浴槽BTの上端をかすめるように上昇する。この循環気流CC(上昇循環気流CCu)は、入浴者Hに接触して涼水ミストCMを供給すると共に入浴者Hから気化熱を奪う。従って、入浴者Hは、涼水ミストCMを頭上から浴びのではなく、横もしくは下方から吹いてくるそよ風のような循環気流CC(上昇循環気流CCu)に乗った涼水ミストCMに接触するので、一層露天風呂に近い雰囲気での心地良さを体感できる。
図9に示す例では、換気ファンVFも回転している。換気ファンVFの回転に伴って浴室空間外から吸引される空気の取り込み口である外気吸引口としてのガラリ232は洗い場側の下方に設けられているので、換気ファンVFの回転によって形成される換気気流VCはガラリ232から隙間Gに向かう。浴室空調機本体10の隙間Gは浴槽BTの上方に設けられており、ガラリ232は洗い場の下方に設けられているので、ガラリ232から隙間Gに向かう換気気流VCは上昇循環気流CCuと並行して形成される。従って、換気気流VCも上昇循環気流CCuと共に入浴者Hの横もしくは下方から当たるので、入浴者Hからより効果的に気化熱を奪うことができる。
図10に示す例は、図9に示す例よりもより強い涼感刺激を入浴者Hに与える場合の例である。図10に示す例では、循環気流CCの吹き出し口である開口部102aに設けられている可動ルーバー501は浴槽BT側に向けられているので、循環気流CCは浴槽BT側に向けて噴出されている。また、ミストノズル72からは下方に向けて涼水ミストCMが噴出されている。従って、循環気流CCは入浴者Hに直接吹き付けられると共に、涼水ミストCMも浮遊距離が短くなり入浴者Hに直接吹き付けられる。
引き続いて、浴室空調装置MSを用いた涼感運転モード制御について説明する。涼感運転モード制御は、浴室空間内の温度及び湿度の状態に基づいて、涼水ミストの噴出量、循環気流における循環風量、及び換気気流における換気風量ぞれぞれの量特性(噴出量、循環風量、および換気風量の配分値)を変更して入浴者から奪う気化熱を変更するように構成されている。より具体的には、浴室空間内の温度及び湿度に対応させた複数の領域を有し、複数の領域それぞれにおいて涼水ミストの噴出量、循環気流における循環風量、及び換気気流における換気風量が予め定められている制御マップを備え、制御マップに基づいて浴室空間内の温度及び湿度に対応した一の領域における涼水ミストの噴出量、循環気流における循環風量、及び換気気流における換気風量を特定し、この特定結果に基づいて、ミスト噴出手段、循環送風手段、及び換気手段をそれぞれ制御するものである。制御マップの例を図11に示す。
図11に示す制御マップは、横軸に温度軸を、縦軸に湿度軸をそれぞれとっており、6つの領域(L1,L2,M1,M2,H1,H2)を有するものである。6つの領域は、温度軸方向に3つのゾーン(低温ゾーン、中温ゾーン、高温ゾーン)、湿度軸方向に2つのゾーン(低湿度ゾーン、高湿度ゾーン)を区切ることで形成されている。尚、本実施形態の場合は、浴室内外の温度及び湿度を測定しているので、浴室内外の温度及び湿度の平均値によって当てはまる領域を特定している。
領域L1は、低温・低湿度領域である。領域L1は、冬場の通常の入浴状態を想定している。領域L1においては、涼水ミストの噴出量は0であり、循環風量は小であり、換気風量は0である。また、循環風の噴出方向は洗い場方向である。涼水ミストの噴出量を0としているのは、低温であるため涼水ミストを噴出せずとも涼感を与えることができると想定できるからである。換気風量を0としているのは、涼水ミストを噴出しないため湿度の上昇が見込めないためである。循環風量を小としているのは、低温であるため少しの涼感を与えれば十分であると想定されるためである。
領域L2は、低温・高湿度領域である。領域L2は、冬場で長風呂やシャワーを長く浴びていることを想定している。領域L2においては、涼水ミストの噴出量は0であり、循環風量は中であり、換気風量は0である。また、循環風の噴出方向は洗い場方向である。涼水ミストの噴出量を0としているのは、低温であるため涼水ミストを噴出せずとも涼感を与えることができると想定できるからである。換気風量を0としているのは、涼水ミストを噴出しないため湿度の上昇が見込めないためである。循環風量を中としているのは、低温であるが高湿度であるため、領域L1よりは強い涼感を与える必要があると想定されるためである。
領域M1は、中温・低湿度領域である。領域M1は、標準的な温度帯域の季節であまり長く入浴していない状態を想定している。領域M1においては、涼水ミストの噴出量は小であり、循環風量は小であり、換気風量は中である。また、循環風の噴出方向は洗い場方向であり、涼水ミストの噴出方向も洗い場方向である。涼水ミストの噴出量を小としているのは、低温ではないため涼水ミストによって涼感を与える必要があるからである。循環風量を小としているのは、涼水ミストの噴出量が小であるので涼水ミストを循環させるという観点からはさほどの噴出量が必要ではなく、換気風量も確保されているので循環風量のみで気化熱を奪う必要がないためである。換気風量を中としているのは、涼水ミストを噴出しているため湿度の上昇がある程度見込めることと、入浴者から気化熱を奪って涼感刺激を与える必要があるためである。
領域M2は、中温・高湿度領域である。領域M2は、標準的な温度帯域の季節で比較的長く入浴している状態を想定している。領域M2においては、涼水ミストの噴出量は中であり、循環風量は中であり、換気風量は大である。また、循環風の噴出方向は洗い場方向であり、涼水ミストの噴出方向も洗い場方向である。涼水ミストの噴出量を中としているのは、涼水ミストによって涼感を比較的強く与える必要があるからである。循環風量を中としているのは、涼水ミストの噴出量が中であるので涼水ミストを循環させるという観点から対応する程度の風量が必要であるためである。換気風量を大としているのは、涼水ミストを噴出しているため湿度の上昇がある程度見込めることと、入浴者から気化熱を奪って涼感刺激を与える必要があるためである。
領域H1は、高温・低湿度領域である。領域H1は、夏場であまり長く入浴していない状態を想定している。領域H1においては、涼水ミストの噴出量は中であり、循環風量は中であり、換気風量は大である。また、循環風の噴出方向は洗い場方向であり、涼水ミストの噴出方向も洗い場方向である。涼水ミストの噴出量を中としているのは、涼水ミストによって涼感を比較的強く与える必要があるからである。循環風量を中としているのは、涼水ミストの噴出量が中であるので涼水ミストを循環させるという観点から対応する程度の風量が必要であるためである。換気風量を大としているのは、涼水ミストを噴出しているため湿度の上昇がある程度見込めることと、入浴者から気化熱を奪って涼感刺激を与える必要があるためである。
領域H2は、高温・高湿度領域である。領域H2は、夏場で長く入浴している状態を想定している。領域H2においては、涼水ミストの噴出量は大であり、循環風量は大であり、換気風量は大である。また、循環風の噴出方向は浴槽方向であり、涼水ミストの噴出方向も浴槽方向である。涼水ミストの噴出量を大としているのは、涼水ミストによって涼感を非常に強く与える必要があるからである。循環風量を大としているのは、涼水ミストの噴出量が大であるので涼水ミストを循環させるという観点から対応する程度の風量が必要であるのと、入浴者に最大風量で風を当てる必要があるためである。換気風量を大としているのは、高湿度である上に涼水ミストを噴出しているため湿度の上昇を極力抑制したいためと、入浴者に最大風量で風を当てる必要があるためである。
引き続いて、図11に示す制御マップを利用した涼感運転モード制御(露天風呂モード制御)について図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。図12に示すフローチャートは、図4を参照しながら説明したCPU40によって実行される制御処理を説明するフローチャートである。
制御開始フラグFが立っているか(値が1となっているか)判断する(ステップS01)。制御開始フラグFが立っていれば(涼感運転モード制御が開始されていれば)、後述するステップS18の処理に進む。制御開始フラグFが立っていなければ(涼感運転モード制御が開始されていなければ)、ステップS02の処理に進む。
露天風呂モード(涼感運転モード)を開始する操作がなされ、露天風呂モードが「ON」になっているか判断する(ステップS02)。露天風呂モードが「ON」になっていなければ、リターンする。露天風呂モードが「ON」になっていれば、ステップS03の処理に進む。
浴室内外の温度及び湿度を測定し、その測定値を取得する(ステップS03)。具体的には、浴室温度センサー44、洗面所温度センサー45、浴室湿度センサー46、洗面所湿度センサー47(以上、図4参照)が測定した各測定値を取得して、洗面所内外の温度及び湿度の測定値を得る。続いて、ステップS04の処理に進む。
ステップS03で取得した測定値に基づいて、浴室内温度が低温帯域に入っているか判断する(ステップS04)。低温帯域とは、図11における領域L1及び領域L2に対応する温度帯域である。浴室内温度が低温帯域に入っていなければ後述するステップS08の処理に進む。浴室内温度が低温帯域に入っていればステップS05の処理に進む。
ステップS03で取得した測定値に基づいて、浴室内湿度が所定値以上となって高湿度帯域に入っているか判断する(ステップS05)。高湿度帯域とは、図11における領域L2、領域M2、及び領域H2に対応する湿度帯域である。高湿度帯域に入っていなければ後述するステップS07の処理に進む。高湿度帯域に入っていればステップS06の処理に進む。
ステップS05の判断の結果、浴室内湿度が高湿度帯域に入っていれば、図11に示した制御マップにおける領域L2に対応する設定値で、涼水ミストの噴出量、循環気流の風量、換気気流の風量を制御する(ステップS06)。続いて、ステップS17の処理に進む。
ステップS05の判断の結果、浴室内湿度が低湿度帯域に入っていれば、図11に示した制御マップにおける領域L1に対応する設定値で、涼水ミストの噴出量、循環気流の風量、換気気流の風量を制御する(ステップS07)。続いて、ステップS17の処理に進む。
ステップS04の判断の結果、浴室内温度が低温帯域に入っていない場合、浴室内外の温度差から、換気ファンVF(図2等参照)を回転させて換気を行った場合の浴室内の安定時の温度を推定する(ステップS08)。続いて、ステップS09の処理に進む。
浴室内外の湿度差から、換気ファンVF(図2等参照)を回転させて換気を行った場合の浴室内の安定時の湿度を推定する(ステップS09)。続いて、ステップS10の処理に進む。
ステップS09の推定の結果、換気ファンVF(図2等参照)を回転させて換気を行った場合の浴室内の安定時の湿度が高湿度帯域に入るか判断する(ステップS10)。高湿度帯域とは、図11における領域L2、領域M2、及び領域H2に対応する湿度帯域である。高湿度帯域に入っていなければ後述するステップS14の処理に進む。高湿度帯域に入っていればステップS11の処理に進む。
ステップS08の推定の結果、換気ファンVF(図2等参照)を回転させて換気を行った場合の浴室内の安定時の湿度が高温帯域に入るか判断する(ステップS11)。高温帯域とは、図11における領域H1及び領域H2に対応する温度帯域である。浴室内温度が高温帯域に入っていなければ後述するステップS13の処理に進む。浴室内温度が高温帯域に入っていればステップS12の処理に進む。
ステップS11の判断の結果、浴室内湿度が高温度帯域に入っていなければ、図11に示した制御マップにおける領域M2に対応する設定値で、涼水ミストの噴出量、循環気流の風量、換気気流の風量を制御する(ステップS12)。続いて、ステップS17の処理に進む。
ステップS11の判断の結果、浴室内湿度が高温度帯域に入っていれば、図11に示した制御マップにおける領域H2に対応する設定値で、涼水ミストの噴出量、循環気流の風量、換気気流の風量を制御する(ステップS13)。続いて、ステップS17の処理に進む。
ステップS08の判断の結果、換気ファンVF(図2等参照)を回転させて換気を行った場合の浴室内の安定時の湿度が高温帯域に入るか判断する(ステップS14)。浴室内温度が高温帯域に入っていなければ後述するステップS16の処理に進む。浴室内温度が高温帯域に入っていればステップS15の処理に進む。
ステップS14の判断の結果、浴室内湿度が高温度帯域に入っていれば、図11に示した制御マップにおける領域H1に対応する設定値で、涼水ミストの噴出量、循環気流の風量、換気気流の風量を制御する(ステップS15)。続いて、ステップS17の処理に進む。
ステップS14の判断の結果、浴室内湿度が高温度帯域に入っていなければ、図11に示した制御マップにおける領域M1に対応する設定値で、涼水ミストの噴出量、循環気流の風量、換気気流の風量を制御する(ステップS16)。続いて、ステップS17の処理に進む。
上述した、ステップS06、ステップS07、ステップS12、ステップS13、ステップS15、ステップS16の制御処理が実行されると、制御開始フラグFを立てる(ステップS17)。
ステップS01において、制御開始フラグFが立っている場合、露天風呂モード制御の終了指示が入力されているか判断する(ステップS18)。露天風呂モード制御の終了指示が入力されていない場合は、後述するステップS21の処理に進む。露天風呂モード制御の終了指示が入力されている場合は、ステップS19の処理に進む。
ステップS18の判断の結果、露天風呂モード制御の終了指示が入力されている場合は終了制御を行い、涼水ミストの噴出を停止し、循環ファンCFを停止し、換気ファンVFを停止する(ステップS19)。続いて、ステップS20の処理に進む。ステップS19の制御処理が実行されると、制御開始フラグFを0に戻す(ステップS20)。
ステップS18の判断の結果、露天風呂モード制御の終了指示が入力されていない場合は、露天風呂モード制御の開始から5分が経過しているか判断する(ステップS21)。露天風呂モード制御の開始から5分が経過していれば、後述するステップS25の処理に進む。露天風呂モード制御の開始から5分が経過していなければ、ステップS22の処理に進む。尚、このステップS21以降の処理は、クールダウン付き露天風呂モード制御(図5参照)の場合に行われる。
ステップS21の判断の結果、露天風呂モード制御の開始から5分が経過していなければ、可動ルーバー501を浴槽から洗い場にかけてスイングさせる(ステップS22)。尚、図11に示した領域H2での制御を行っている場合は、可動ルーバー501を浴槽に向けて固定する。続いて、ステップS23の処理に進む。
涼水ミストは連続的に噴出を行う(ステップS23)。涼水ミストの噴出に合わせて、循環ファンCF及び換気ファンVFを連続回転させる(ステップS24)。
ステップS21の判断の結果、露天風呂モード制御の開始から5分が経過していれば、可動ルーバー501を洗い場側に向けて固定する(ステップS22)。続いて、ステップS26の処理に進む。
涼水ミストは間欠的にゆらぎ噴出を行う(ステップS26)。涼水ミストのゆらぎ噴出に合わせて、循環ファンCF及び換気ファンVFをゆらぎ回転させる(ステップS27)。
続いて、循環ファンCF及び換気ファンVFの回転数を制御する一例について図13及び図14を参照しながら説明する。図13は、換気ファンVFの回転補正量を示した図であり、図14は、循環ファンCFの回転補正量を示した図である。
図13及び図14に示すように、露天風呂モード制御の開始(t1)から5分後(t2)までは、回転補正量を2とし、換気ファンVF及び循環ファンCFそれぞれの回転数を通常運転の2倍の回転数とする。これによって、入浴者に強い風を当てて、強い涼感刺激を与えることができる。
露天風呂ボード制御の開始から5分後(t2)には、回転補正量を1とし、換気ファンVF及び循環ファンCFそれぞれの回転数を通常運転に戻す。また、更に数分が経過した後(t3)、換気ファンVFの回転数を徐々に上昇させて、回転補正量を1.5程度とする。一方、循環ファンCFの回転数は徐々に低下させて、回転補正量を0.3程度とする。これによって、時刻t4から後は、換気ファンVFを主とし、循環ファンCFを従とする運転を行う。
続いて、涼水ミストの粒径制御について図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。図15に示すフローチャートは、図4を参照しながら説明したCPU40によって実行される制御処理を説明するフローチャートである。
浴室操作リモコン43(図4及び図5参照)の涼水ミストボタン43bg(図4及び図5参照)が操作されたか判断する(ステップS31)。涼水ミストボタン43bgが操作されていれば、ステップS32の処理を行い、涼水ミストボタン43bgが操作されていなければ、ステップS33の処理を行う。
ステップS31の判断の結果、涼水ミストボタン43bgが操作されていれば、涼水ミストの粒径が30μmとなるように制御する(ステップS32)。
ステップS31の判断の結果、涼水ミストボタン43bgが操作されていなければ、露天風呂モード制御が行われているか判断する(ステップS33)。露天風呂モード制御が行われていなければ処理を終了し、行われていればステップS34の処理を行う。
ステップS33の判断の結果、露天風呂モード制御が行われていれば、領域H2(図11)の制御を行っているか判断する(ステップS34)。領域H2の制御を行っていれば、ステップS38の処理に進み、領域H2の制御を行っていなければ、ステップS35の処理に進む。
ステップS34の判断の結果、領域H2の制御を行っていなければ、露天風呂モード制御の開始から5分以内か判断する(ステップS35)。露天風呂モード制御の開始から5分以内でなければ、涼水ミストの粒径が3μmとなるように制御する(ステップS36)。一方、露天風呂モード制御の開始から5分以内であれば、涼水ミストの粒径が5μmとなるように制御する(ステップS36)。ステップS34の判断の結果、領域H2の制御を行っていれば、涼水ミストの粒径が10μmとなるように制御する(ステップS38)。
引き続いて、浴室空調機本体に除湿機を設ける例について図16を参照しながら説明する。図16は、除湿機としての回転除湿ロータRを設けた浴室空調機本体80を示した図である。
浴室空調機本体80は、風路部分801とカバー部分(図に明示しない)とを備えている。風路部分801は、第1風路部分801a、第2風路部分801b、第3風路部分801cが繋がっている。第1風路部分801a、第2風路部分801b、及び第3風路部分801cは、互いに90度の角度を成すように繋がっている。従って、第1風路部分801aから吸い込まれる空気の方向と、第3風路部分801cから吹き出す空気の方向は互いに180度の角度を成している。
第3風路部分101cの終端部分には、暖房ヒータ60,61,62が取り付けられている。暖房ヒータ60,61,62は、浴室空調装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて開閉するスイッチ601,611,621によって通電状態が制御される(図4参照)。
風路部分801は、換気風路801dと再生風路801eとを備えている。換気風路801dは、第2風路部分801bと並行して設けられており、互いの端部が接続されている。換気風路801dと第2風路部分801bとの間にはダンパ802が設けられていて、ダンパ802を開くと、第2風路部分801bから空気が流れ込むように構成されている。換気風路801dは、図示しない排気ダクトに繋がっている。
再生風路801eは、第1風路部分801aと並行して設けられている。再生風路801eは、浴室空間から吸い込んだ空気を図示しない排気ダクトに送り出すように構成されている。
第1風路部分101aと第2風路部分101bとが繋がる部分の近傍には、循環ファンCFが設けられている。循環ファンCFは、浴室空調装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転する循環ファン駆動モータ53によって駆動される(図4参照)。
再生風路801eには、再生ファンRFが設けられている。再生ファンRFは、浴室空調装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転する再生ファン駆動モータ(図示しない)によって駆動される。
第1風路部分801aと再生風路801eの浴室空間側の端部近傍には、回転除湿ロータRが設けられている。回転除湿ロータRは、第1風路部分801aと再生風路801eとの間の軸を中心に回転するように構成されている。回転除湿ロータRはデシカントロータとも呼ばれる水分吸着手段であって、通過する空気中の水分を吸い取るように構成されていて、その水分を吸い取った部分に暖かい空気を通過させると吸い取った水分が除かれて再生するように構成されている。
再生風路801eの回転除湿ロータRよりも浴室空間側には再生ヒータ803が設けられている。再生ファンRFは、回転除湿ロータRよりも排気ダクト側に設けられている。
浴室空間内を除湿する場合には、ダンパ802を閉じて、循環ファンCFを回転させる。このように循環ファンCFを回転させると、第1風路部分801a内を浴室空間内の空気が通過するので、回転除湿ロータRを浴室空間内の空気が通過する。従って、浴室空間内の空気は回転除湿ロータRによって除湿され、第2風路部分801bから第3風路部分801へと送り出され浴室空間内に噴出される。
浴室空間内の除湿運転を行っている間、回転除湿ロータRは回転する。また、再生ヒータ803には通電されると共に、再生ファンRFも回転する。従って、回転除湿ロータRは、再生風路801eにおいて水分を取り除かれて再生され、第1風路部分801a内を通過する浴室空間内の空気の除湿を継続できる。
上述した本実施形態は、浴室ユニットBR内という閉空間に中にあって極めて快適な露天風呂のような感覚で入浴ができるように浴室ユニットBR内を心地の良い涼感環境にすることが目的であるが、単に浴室ユニットBR内に風を送るだけでは浴室ユニットBR内の温度が高いこともあって野外の風と違って心地良いと感じられるような風にならず、露天風呂のような雰囲気を作り出すことは難しかった。そこで、閉空間である浴室ユニットBR内にあっても心地良い露天風呂のような雰囲気を作り出すために、送風する風の中に涼水ミストCMを混入させることでさわやかな冷たい風を作り出すと同時に、体に付着した涼水ミストCMが風によって更に気化し、その際に熱を奪うため屋外と同じような心地良い涼感を与えることができるように工夫したものである。
浴室ユニットBR内に涼水ミストCMの噴出を行いつつ気流を発生させるので、浴槽BT側で入浴中の入浴者Hに涼水ミストCMを供給するのと合わせて風を当てることによって、入浴者Hの体表面から気化熱で熱を速やかに奪うことができる。従って、閉空間である浴室ユニットBR内にあって、屋外の露天風呂のように、風が吹いた時に気化熱で体から熱が奪われて心地の良い涼感を得るのと同じような感覚を得ることができる。また、気化熱を利用して涼感を与える構成であるため、粒径が大きく明確に目に見えるような涼水ミストを噴出する必要がなく、涼水ミストを多く噴出する必要もないため、降雨の露天風呂のような感じではなく、極めて快適な露天風呂に近い良好な雰囲気の涼感環境を作り出すことができる。更に、人体がびしょ濡れになったという不快な感覚を覚えたり、浴槽BT内のお湯の温度を大きく低下させたりしてしまうことも回避できる。
また、気化熱を奪うために必要な涼水ミストCMを浴室ユニットBRのような閉空間で噴出し続けると開放空間ではないために涼水ミストCMが蓄積されて湿度が除々に高くなっていき、結果として水分の蒸発が起こり難くなって気化熱による涼感効果が低下してしまうという新たな解決すべき課題がありことも発見した。また、浴室ユニットBRのような温度が高い状態では、湿度が高まっていくと湿度の上昇に伴って蒸し暑さすら感じるような不快感を与える状況になるという新たな解決すべき課題も発見した。しかしながら、本実施形態においては涼感運転モードの期間中に渡って気化熱が発生するように浴室空調装置MSを制御するので、入浴者Hに開放空間である露天風呂のような心地良さの涼感を継続的に与え続けることができる。具体的に言えば本実施形態では、気流発生手段(循環ファン駆動モータ53、循環ファンCF、換気ファン駆動モータ55、換気ファンVF)や必要に応じて他の手段(例えば、除湿機)を用いることで、涼水ミストCMの噴出による湿度上昇を抑制するように構成されているので、涼感運転モードの期間中に渡って水分の蒸発が起こり難くなる状況を回避して最適な量の気化熱を継続的に確実に奪い、入浴者Hに開放空間である露天風呂のような心地良さの涼感を継続的に与え続けることができる。
また本実施形態では、涼感運転モード時の気流発生手段として浴室空間の換気を行う構成(換気ファン駆動モータ55、換気ファンVF)としているため、換気を行うことで浴室ユニットBR内に気化熱を奪うための気流を発生できるとともに、それと同時に換気を行っているため浴室ユニットBRの湿度上昇をも抑制できることから一石二鳥の効果を得ることができ、構成を極めてシンプルなものとできる。また、浴室空調装置MSとして換気を行う手段は一般的に装備されているため、本実施形態における涼感運転モードを実行する上で欠かすことができない、気流発生手段(換気ファン駆動モータ55、換気ファンVF)や、湿度の上昇を抑制する手段(例えば、除湿機)を別途設ける必要がないという効果も奏することができる。
また、連続的に浴室ユニットBRの換気を行うようして気流を発生させると、入浴者Hは涼感刺激を連続的に与えられることになり、その涼感刺激に入浴者Hが慣れてしまう場合がある。入浴者Hが涼感刺激に慣れてしまうと、より強い涼感刺激を求めるようになってしまい、結果的に入浴者Hを満足しうる涼感刺激を与えるためには多くの涼水ミストCMを噴出させる必要が生じたり、気流を強く発生させる必要が生じる。結果として、そのような制御を行うことで露天風呂のような心地良い感覚をスポイルさせてしまうだけでなく、入浴者Hを濡らす程度ではない小さな粒径の涼水ミストCMを多めに噴出させるため、浴室のような小さな閉空間では湿度がすぐに上昇して蒸し暑さを与えてしまうという問題が生じる。本実施形態では、気流発生手段(換気ファン駆動モータ55、換気ファンVF)による単位時間当たりにおける浴室ユニットBRの換気量を変動させているため、入浴者Hが涼感刺激に慣れることを防止でき、これによって少ない涼水ミストCMの量、気流の量によって心地の良い快適な涼感刺激を長時間に渡って与え続けることが可能となっている。また、気化熱による涼感を入浴者Hに効果的に与えるためには、入浴者Hが涼水ミストCMで濡れてその後に風に当たることが好ましい。本実施形態では、換気量を変動させて入浴者Hに当たる風を抑える期間を設けているため、入浴者Hが少ない涼水ミストCMによっても必要十分なだけ濡れる時間を確保できるため、確実に適切量の涼感刺激を与えることができるという効果も合わせて提供することができる。
また、本実施形態では、気流発生手段(換気ファン駆動モータ55、換気ファンVF)による単位時間当たりにおける換気量を変動させると共に、その換気量を涼水ミストCMの累積噴出時間が短い時よりも長い時の方が多くなるように構成している。涼水ミストCMの累積噴出時間が短い時は、浴室ユニットBR内の湿度上昇があまり見込まれないので、換気量を比較的少なくすることで涼水ミストCMの浮遊量を適切な状態に確保して、入浴者Hから最適に気化熱が奪えるように構成しているとともに、過剰な気化熱を奪うことがないようにしている。すなわち、換気量を多くすると湿度の排出量の増大とともに気流が強く発生するが、湿度が上昇していない状態で多くの気流を発生させると気化熱が多く奪われるため強い涼感刺激に伴う不快感を入浴者Hに与えたり、強い涼感刺激の慣れに伴ってその後更に強い涼感刺激を与えないと満足しなくなるため多くの涼水ミストCMを噴出させなくてはいけなくなったりといった問題が発生しないように構成している。一方、涼水ミストCMの累積噴出時間が長い時は、浴室ユニットBR内の湿度上昇が相当程度に見込まれ、最適量の気化熱を奪うことが困難になるが、換気量を多くして涼水ミストCMの過剰な浮遊による湿度上昇を抑制しているため、入浴者Hから最適な気化熱を継続して確実に奪うことができるようにしている。従って、涼水ミストCMを噴出し続けても、入浴者Hから最適に気化熱を長い時間に渡って奪い続けることができるようにしている。
また本実施形態では、気流発生手段として換気ファンVFと循環ファンCFとを独立して備えているので、換気気流VCと循環気流CCとを独立して発生させることができる。従って、涼水ミスト噴出手段(ポンプ駆動モータ54、ミストポンプ541、メインバルブ56、ミストバルブ57、ミストノズル72)が噴出した涼水ミストCMを循環ファンCFが発生する循環気流CCに乗せて下方に送り出すことができるため、換気ファンVFが発生する換気気流VCに涼水ミストCMが引き込まれて排気されることを抑制でき、涼水ミストCMの噴出量を少なくすることができる。また、換気ファンVFによって換気気流VCを発生させているのみであると、涼水ミストCMを浴室ユニットBR内に行き渡らせるためには必要以上に噴出量を増大させる必要があるが、循環気流CCに乗せて涼水ミストCMを下方に送り出すことで、涼水ミストCMの噴出量を必要以上に増大させる必要がなくなり、涼水ミストCMの過剰噴射に伴う湿度の上昇や雰囲気の低下を緩和できる。また、確実に落下させるために涼水ミストCMの粒径を大きくするなどの対策を講じる必要がないことから、この点からも湿度の上昇や露天風呂のような心地良さをスポイルすることがない。また、ヒータ等が風路に組み込まれていないため騒音を小さくできる換気ファンVFと、噴き出し風であるため入浴者に向かう直接風とできる循環ファンCCとの二つのファンを用いて気流を発生させることができるので、最適な気流と騒音の抑制とを両立でき、快適な雰囲気をこの点からも作り出すことができる。
また本実施形態では、涼感運転モードの開始に近い第1の時点においては、循環気流CCを主たる気流とすることで涼水ミストCMの換気に伴う排出を抑制して浴室ユニットBR内に確実に浮遊させて入浴者Hに触れさせて気化熱を確実に奪い涼感を与えることができる。また、浴室ユニットBR内に空気を押込む循環ファンCFを用いて気流を主に作ることで入浴者Hに直接風を強めに与えることができ、よって涼感運転モードの開始初期は涼感を強く得たいと思っている入浴者Hの意向に沿った形で強めの涼感を確実に提供できる。一方、第1の時点より所定時間経過した第2の時点では涼水ミストCMの継続噴出に伴って浴室ユニットBR内の湿度が上がって気化熱を奪うことが困難になると同時に、涼水ミストCMの粒径が小さくその噴出量も大量ではないため入浴者Hが涼感を感じるほどには濡れず蒸し暑さを与えるような状況になるが、第2の時点においては換気気流VCを主たる気流とするように構成しているため浴室ユニットBR内の過度な湿度上昇を抑制することができる。また、時間経過とともに入浴者Hの強い涼感要求も低下していることから、第2の時点においては循環気流CCから換気気流VCを主たる気流とすることで、吹き付ける気流である換気気流CCによる風を入浴者Hに直接に強く当てることによる強い涼感刺激を緩和でき、浴室ユニットBR内から空気を吸い出すことによって生じる気流である換気気流VCによる優しい風を入浴者Hに柔らかく当てることで、心地の良い感じで気化熱を奪い続けることで適度な涼感を与え続けることができる。
また、涼感運転モードの開始に近い第1の時点は、涼みたいという要求が入浴者Hに生じた時であるので、循環気流CCと換気気流VCとの総量を多くすることで入浴者Hにより多くの風を当てて、入浴者Hからより多くの気化熱を奪うことでその要求に応えることができる。第1の時点より所定時間経過した第2の時点は、上述したような入浴者Hの要求も少しは収まってきたと考えられるので、気流の総流量を低下させて騒音の低下を図るとともに、涼感刺激を若干緩和させている。また、換気気流VCの流量を多めに低下させることで、直接の送風で強めの涼感を与えることができる循環気流CCの流量を高めに維持しているので、気流を低下させても強めの涼感を確保できるので涼感不足を入浴者に与えることはない。その後の第3の時点では、更に入浴者Hの涼感要求は低下したと考えられることに加え、涼水ミストCMの継続噴射に伴って浴室ユニットBR内の湿度が上昇してくるので、換気に伴う気流が支配的になるように制御されている。これによって、循環ファンCFによる直接入浴者Hに当てるような吹き下ろしの風から、吸出しによる優しい気流の風によって涼感を与えるようになるため、騒音が低く、また入浴者Hの涼感要求にも沿った露天風呂のような心地の良い雰囲気と涼感を入浴者Hに与えることができる。さらに、換気によって上昇した浴室ユニットBR内の湿度を低下させることができ、入浴者Hから更に継続的に気化熱を奪って涼感刺激を与え続けることができる。
また本実施形態では、浴室ユニットBRを除湿するための除湿装置(回転除湿ロータR、再生ヒータ803、再生ファンRF)を備え、その除湿装置を利用して浴室ユニットBRの湿度上昇を抑制しているので、除湿装置の性能に応じた的確な湿度上昇制御を行うことができるとともに、気流の発生と湿度上昇の抑制を分離して独立的に制御できるため一層最適に気化熱を奪う制御と心地良さの両立を高い次元で満足させることができ、また、換気を用いた場合では外気の状態に左右されるが、除湿装置を用いることで外気の湿度状態に関わりなく確実に浴室内の湿度を最適な状態にすることが可能となる。
また本実施形態では、涼感運転モード以外の第2の涼水ミスト噴出モードにおける涼水ミストCMの粒径を大きくすることができるので、涼感運転モードの際、明確には目に見えないぐらいの小さな粒径で涼水ミストCMを噴出させることで雨の露天風呂ではなく晴天時の露天風呂のような感覚でありながら気化熱によって心地良い涼感を確実に与えることができる。一方入浴者Hが晴天時の露天風呂のような爽やかな涼感ではなく、湯上り時等に若干水を浴びるような感覚で強めにクールダウンをしたいと思っているような場合は、明確には目に見えない粒径の涼水ミストCMでは視覚的にも体感的にも涼感を得難いが、大きめの粒径の涼水ミストCMを噴出可能な第2の涼水ミスト噴出モードを備えているので、入浴者Hの要求に合った強い涼感を提供することができる。
本実施形態である浴室空調装置を構成する浴室空調機本体を浴室ユニットに取り付けた一例を説明するための図である。 本実施形態である浴室空調装置によって実現可能な涼感運転モード制御を説明するための図である。 本実施形態である浴室空調装置によって実現可能な涼感運転モード制御を説明するための図である。 本実施形態である浴室空調装置のブロック構成図である。 本実施形態である浴室空調装置の浴室内リモコンの操作パネルを示す図である。 浴室内リモコンの詳細設定パネルの一例を示す図である。 本実施形態である浴室空調装置の配管図である。 本実施形態である浴室空調装置の浴室空調機本体構造図である。 図8に示す浴室空調機本体を用いた場合の空気循環を示す図である。 図8に示す浴室空調機本体を用いた場合の空気循環を示す図である。 本実施形態である浴室空調装置の制御マップを示す図である。 本実施形態である浴室空調装置の制御フローチャートである。 換気ファンの回転補正量の変遷を説明するための図である。 循環ファンの回転補正量の変遷を説明するための図である。 本実施形態である浴室空調装置の制御フローチャートである。 本実施形態である浴室空調装置の変形例を示す図である。
符号の説明
BR…浴室ユニット、BT…浴槽、10…浴室空調機本体、20…床部材、21,22,23…壁部材、24…天井部材、MS…浴室空調装置、40…CPU40、41…記憶部、42…洗面所操作リモコン、43…浴室操作リモコン、44…浴室温度センサー、45…洗面所温度センサー、46…浴室湿度センサー、47…洗面所湿度センサー、50…可動ルーバー用モータ、501…可動ルーバー、53…循環ファン駆動モータ、CF…循環ファン、54…ポンプ駆動モータ、541…ミストポンプ、55…換気ファン駆動モータ、VF…換気ファン、56…メインバルブ、57…ミストバルブ、59…排水バルブ、60,61,62…暖房ヒータ、601,602,603…スイッチ、63…ミストヒータ。

Claims (9)

  1. 浴室空間の空調を制御する浴室空調装置であって、
    浴室空間に涼水ミストを噴出する涼水ミスト噴出手段と、
    浴室空間内に気流を発生させる気流発生手段と、
    前記ミスト噴出手段及び前記気流発生手段をそれぞれ制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、浴槽側の入浴者に対して涼感を体感させ得る涼感運転モードを備えており、前記涼感運転モードにおいては、前記涼水ミスト噴出手段及び前記気流発生手段を制御し、前記涼水ミストの噴出による前記浴室空間の湿度上昇を抑制するように構成されている浴室空調装置。
  2. 前記気流発生手段は浴室空間の換気を行うための手段であって、
    浴室空間の換気を行うことで浴室空間の湿度上昇を抑制することを特徴とする請求項1に記載の浴室空調装置。
  3. 前記気流発生手段は単位時間当たりにおける浴室空間の換気量が変動するように制御されていることを特徴とする請求項2に記載の浴室空調装置。
  4. 前記気流発生手段による浴室空間の換気量は、前記涼水ミストの累積噴出時間が短い時よりも長い時の方が多くなるように制御されていることを特徴とする請求項2に記載の浴室空調装置。
  5. 前記気流発生手段は、浴室空間の換気を行うための換気ファンと、浴室空間内の空気を循環させるための循環ファンとを備えることを特徴とする請求項2に記載の浴室空調装置。
  6. 前記涼感運転モードの開始に近い所定の第1の時点では、前記循環ファンによって発生する循環気流が前記換気ファンによって発生する換気気流より多く、前記第1の時点より所定時間後の第2の時点では前記換気ファンによって発生する換気気流が前記循環ファンによって発生する循環気流より多くなるように制御されていることを特徴とする請求項5に記載の浴室空調装置。
  7. 前記涼感運転モードの開始に近い所定の第1の時点では、該第1の時点より所定時間後の第2の時点に比して、前記循環気流の流量と前記換気気流の流量をともに多くすると共に互いの流量割合差が少なくなるように制御され、前記第2の時点では、前記第1の時点に比して前記循環気流の流量及び前記換気気流の流量をともに低下させるとともに、前記換気気流の流量に比して前記循環気流の流量割合が多くなるように制御され、前記第2の時点より所定時間後の第3の時点では、前記第2の時点に比して前記循環気流の流量に比して前記換気気流の流量割合が多くなるように気流発生手段は制御されることを特徴とする請求項6に記載の浴室空調装置。
  8. 浴室空間を除湿するための除湿装置を備え、前記制御手段は前記涼感運転モードにおいて、浴室空間を除湿して浴室空間の湿度上昇を抑制するように前記除湿装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の浴室空調装置。
  9. 前記涼水ミスト噴出手段によって噴出される涼水ミストの粒径は、前記涼感運転モードにおける粒径が、前記涼感運転モード以外の第2の涼水ミスト噴出モードにおける粒径よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014194333A (ja) * 2013-03-28 2014-10-09 Panasonic Ecology Systems Guangdong Co Ltd 換気扇

Cited By (1)

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JP2014194333A (ja) * 2013-03-28 2014-10-09 Panasonic Ecology Systems Guangdong Co Ltd 換気扇

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