JP2008295895A - 浴室ミストサウナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 多様な入浴者のニーズに応えることが可能で、より快適性を追求した浴室ミストサウナ装置を提供すること。
【解決手段】 この浴室ミストサウナ装置MSは、ミストバルブ57,58、暖房ヒータ60,61,62、及びそれらを制御する制御手段としてのCPU40を備え、CPU40は、ミストノズルによる浴室内へのミスト噴出とヒータによる浴室内の温度上昇とを並立させて入浴者に発汗を促す発汗ゾーンを形成すると共に、当該発汗ゾーンの形成に合わせて少なくとも発汗ゾーンにおいて発汗した入浴者に対して清涼感を体感させることが可能な涼感ゾーンを形成するゾーン分離空調制御を行い、当該制御によって、浴室を入浴者が発汗ゾーンと涼感ゾーンとの間を往来可能なように構成し、入浴者が発汗と清涼感の体感とを交互に体験することができるサイクル入浴を可能としている。
【選択図】 図12
【解決手段】 この浴室ミストサウナ装置MSは、ミストバルブ57,58、暖房ヒータ60,61,62、及びそれらを制御する制御手段としてのCPU40を備え、CPU40は、ミストノズルによる浴室内へのミスト噴出とヒータによる浴室内の温度上昇とを並立させて入浴者に発汗を促す発汗ゾーンを形成すると共に、当該発汗ゾーンの形成に合わせて少なくとも発汗ゾーンにおいて発汗した入浴者に対して清涼感を体感させることが可能な涼感ゾーンを形成するゾーン分離空調制御を行い、当該制御によって、浴室を入浴者が発汗ゾーンと涼感ゾーンとの間を往来可能なように構成し、入浴者が発汗と清涼感の体感とを交互に体験することができるサイクル入浴を可能としている。
【選択図】 図12
Description
本発明は、実体物によって分離されていない単一空間として構成された浴室内を、入浴者に発汗を促すためのミストサウナ空間とすることのできる浴室ミストサウナ装置に関する。
従来、このような浴室ミストサウナ装置として、下記特許文献1に記載されているようなものが提案されている。下記特許文献1には、ミストサウナ運転の後にクールダウン運転を行うことが可能なミスト式空調システムが記載されている。このミスト式空調システムは、サウナ温度、サウナ入浴時間、サウナ運転及びクールダウン運転のサイクル回数が設定可能なように構成されており、最初のサウナ運転から最後のクールダウン運転の終了までの間に、サウナ運転及びクールダウン運転のサイクルが繰り返されるものである。
特開2002−143265号公報
上述した従来の技術では、サウナ温度、サウナ入浴時間、サウナ運転及びクールダウン運転のサイクル回数を設定することを可能とする設定手段を備えており、その設定手段による設定に基づいてサウナ運転とクールダウン運転とのサイクル運転を行っている。従って、入浴者は予め自らが設定したサイクルでミストサウナ浴を行うことになる。
ところで、ミストサウナ浴の合間にクールダウンしたいとのニーズはあるが、同じ入浴者であってもいかなるサイクルでクールダウンすることが快適かは実際に入浴してみなければ分からない場合もある。しかしながら、上述した従来の技術ではこのようなニーズには応えることができない。
そこで本発明では、多様な入浴者のニーズに応えることが可能で、より快適性を追求した浴室ミストサウナ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、多くの入浴者のニーズをヒアリングし、様々な角度から快適な浴室ミストサウナ装置について検討を行った。まず、多様な入浴者のニーズに応えるために、入浴者の指示入力に応じてクールダウンを行ういわゆるマニュアルモードの検討を行った。しかしながら、そもそも上述した従来の技術では浴室全体を暖めたり冷したりすることが必要であり、現実的には実現することが困難であることが判明した。また、浴室空間に比して非常に大掛かりな空調装置を導入することでそれを可能ならしめたとしても、そのような大規模な空調装置で浴室の暖気と涼気とを全て入れ替えて入浴することが必ずしも快適ではないことも判明した。本発明は、このような試行錯誤の結果として得られた新たな課題を解決すべくなされたものである。
本発明に係る浴室ミストサウナ装置は、実体物によって分離されていない一つの空間として構成された浴室空間内に、入浴者に発汗を促すためのミストサウナ空間を形成する浴室ミストサウナ装置であって、浴室空間内にミストを噴出するミスト噴出手段と、浴室空間内の温度を上昇させる昇温手段と、入浴者に発汗を促し得る発汗ゾーンを少なくとも含むミストサウナ空間を形成するように、ミスト噴出手段及び昇温手段をそれぞれ制御する制御手段と、を備え、制御手段は、一つの空間としての浴室空間を実体物によらず横方向に並ぶように分割した領域であって、それぞれが予め定められた位置にある第1領域と第2領域とに対して、第1領域の少なくとも一部に発汗ゾーンを形成させると共に第2領域の少なくとも一部に発汗ゾーンにおいて発汗した入浴者に対して清涼感を体感させ得る涼感ゾーンを形成させるようにミスト噴出手段によるミストの噴出と昇温手段による温度の上昇とを制御することによりゾーン分離空調制御を行うものであって、制御手段は、ゾーン分離空調制御を行う第1モードに対して、浴室空間内に発汗ゾーンのみを形成制御する第2モードも備え、第2モードにおける発汗ゾーンの温度よりも第1モードにおける前記発汗ゾーンの温度を高く維持する昇温制御を行う。
本発明によれば、実体物によらずに分離形成されている第1領域と第2領域とに対し、第1領域には高温多湿の発汗ゾーンを、第2領域には涼感ゾーンをそれぞれ形成することができるので、入浴者がそれらのゾーンに入りやすいように意図的に形成した発汗ゾーン及び涼感ゾーンを提供することができる。また、第1領域及び第2領域は実体物によらずに横並びに分割された位置に形成されているので、入浴者がそれらの間を自由に往来することができる。従って、入浴者は第1領域に形成された発汗ゾーンと、第2領域に形成された涼感ゾーンとを自らが意図したタイミングで往来することが可能となり、自身にとってより好ましいタイミングでクールダウンすることが可能となる。更に、制御手段によるゾーン分離空調制御が行われている間の意図した時間帯において定常的に発汗ゾーンと涼感ゾーンとを並存形成できるので、浴室の暖気と涼気とを全て入れ替える必要が無くなり、よりエネルギー効率を向上させることもできる。浴室空間内に発汗ゾーンのみを形成する場合よりも、涼感ゾーンに並存して発汗ゾーンを形成する場合に発汗ゾーンの目標とする温度を高くするように制御を行うので、涼感ゾーン形成による影響で発汗ゾーンの温度が低下するのを緩和もしくは維持できるため、入浴者がサイクル入浴するために発汗ゾーンに戻ってきでも、ミストサウナ環境の悪化による不満を持つことなく快適なサイクル入浴を行うことが可能となる。尚、本発明における「実体物によらずに分離形成されている」とは、第1領域と第2領域とが入浴者が自由に往来可能なように形成されていることを示している。換言すれば、天井から床面に渡るような物理的なカーテン等の仕切り部材で仕切っていないことを示しているものである。よって、第1領域と第2領域との間の床から浴槽の側壁が通常のように立設されていてもよく、第1領域と第2領域との間の天井側部材から下方に向けて、入浴者の移動を妨げない程度の長さを持つ仕切り部材が垂下して設けられていてもよいものである。
また請求項2に係る浴室ミストサウナ装置においては、制御手段は、第2モードから第1モードへ制御を移行してから所定時間の間、昇温制御を行わない。涼感ゾーンと発汗ゾーンとを並存形成する初期の段階において昇温制御を行うと涼感ゾーンの形成が妨げられて入浴者に心地良い涼感を与えることが難しくなるため、第2モードから第1モードへの切り替えの初期段階において昇温制御を禁止することで、涼感ゾーンの形成を促進できるとともに、強い涼感を与えることができることになるため、強い涼感刺激を得たいと思っている初期段階では一層快適な涼感を与えることが可能となる。一方で発汗ゾーンの温度降下やミスト環境の悪化が生じるが、入浴者は涼感ゾーンに移動した直後であるため発汗ゾーンの環境が悪化してもサイクル入浴のために発汗ゾーンに戻ってくるまでには時間的な余裕があり、入浴者に発汗ゾーンの環境悪化で不満を抱かせることも回避できる。
また請求項3に係る浴室ミストサウナ装置においては、前記昇温手段は温風を噴出させるものであって、前記昇温制御は、この温風温度を前記第1モードより高める、もしくは前記ミスト噴出手段から噴出される温ミストの噴出温度を第1モードより高めるように構成されている。この態様によれば、昇温制御によって温風の噴出温度又は温ミストの温度を第1モードより高くなうようにしているので、より的確に発汗ゾーンの温度降下を抑制もしくは温度維持を図ることができる。
また請求項4に係る浴室ミストサウナ装置においては、前記昇温制御は、前記ミスト噴出手段に温ミストを噴出させるように制御すると共に、前記温ミストの粒径を第1モードより小さくするように制御することで発汗ゾーンの温度を高くするように構成されている。この態様によれば、昇温制御を温ミストの噴出により行い、更にその温ミストの粒径を小さくするので、昇温手段の熱を温ミストが奪う量を少なくできることから、昇温手段によって浴室空間の温度上昇効率が第1モードより高まり、結果発汗ゾーンの温度降下を抑制もしくは温度維持を図ることができる。
また請求項5に係る浴室ミストサウナ装置においては、前記昇温制御は、前記ミスト噴出手段による温ミストの噴出を第1モード時に比して抑制するように構成されている。この態様によれば、昇温制御の際に温ミストの噴出を抑制するので、昇温手段の熱を温ミストが奪う量を少なくできることから、昇温手段によって浴室空間の温度上昇効率が第1モードより高まり、結果発汗ゾーンの温度降下を抑制もしくは温度維持を図ることができる。
また請求項6に係る浴室ミストサウナ装置においては、前記昇温制御は、前記ミスト噴出手段が噴出する温ミストの粒径を第1モード時よりも小さくするように制御すると共に、前記昇温手段が噴出する温風の風量を第1モード時よりも少なくするように構成されている。この態様によれば、昇温制御において温ミストの粒径を小さくしつつ温風の風量を少なくするので、昇温手段の熱を温ミストが奪う量を少なくできることから、昇温手段によって浴室空間の温度上昇効率が第1モードより高まり、結果発汗ゾーンの温度降下を抑制もしくは温度維持を図ることができる。さらに温風の風量を低下させることで涼感ゾーンへの影響を抑えることができるとともに、粒径を低下させたことで温ミストが軽くなり温風に流されやすくなるが、温風を低下させることで温ミスト浮遊状態を確保してミスト環境の維持を図ることができる。
本発明によれば、多様な入浴者のニーズに応えることが可能で、より快適性を追求した浴室ミストサウナ装置を提供することができるのみならず、快適感と省エネ性能をも両立させることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の実施形態に係る浴室ミストサウナ装置を使用する態様について図1を参照しながら説明する。図1は、浴室ミストサウナ装置を構成する浴室空調機本体10を浴室ユニットBRに取り付けた一例を説明するための図である。
浴室ユニットBRは、集合住宅や戸建住宅に浴室を設ける際に用いられるものであり、壁、床、天井、浴槽といった構成部材を組み立てて浴室とするものである。浴室ユニットBRは、床部材20と、壁部材21,22,23と、天井部材24とを備えている。壁部材21,22,23は床部材20の周囲に立設させて取り付けられている。壁部材21と壁部材23とは互いに対向した位置に設けられている。壁部材22は、壁部材21と壁部材23とに隣接して設けられている。尚、図1には明示しないが、壁部材22と対向する位置に壁部材が設けられており、この壁部材は壁部材21と壁部材23とに隣接している。また、床部材20と対向するように天井部材24が設けられている。
壁部材21には、窓211が設けられている。この窓211は、窓ガラスを窓枠によって保持することで構成されている。窓枠は壁部材21にはめ込まれている。壁部材22には、カウンター部分221と収納棚223とが設けられている。カウンター部分221にはシャワー水栓222が取り付けられている。壁部材23には、浴室ユニットBRに出入りするための扉231が設けられている。
床部材20には浴槽BTが設けられている。浴槽BTは直方体を成す升状の形態となっており、浴槽BTを構成する四つの壁のうちの三つの壁が壁部材21,22及び図1に明示しない壁部材に沿って配置されている。従って、浴槽BTの一つの壁は床部材20の略中央付近に立設された状態になっている。
天井部材24は、平坦な天井部分241とドーム型の天井部分242とで構成されている。天井部分241は浴槽BTの略直上に、天井部分242は浴槽BTが設けられていない床部材20の略直上にそれぞれ配置されている。天井部分241には浴室空調機本体10が取り付けられている。浴室空調機本体10から噴出されるミストや送出される風は、ルーバー(図1においては明示しない)によって浴室ユニットBR内の意図した部分に送り出すことが可能なように構成されている。
引き続いて、本実施形態である浴室ミストサウナ装置によって実現可能なゾーン空調制御について説明する。ゾーン空調制御とは、浴室空間を意図的に異なるゾーンに分離して空調制御を行うゾーン分離空調制御と、浴室空間を単一ゾーンとして空調制御を行う単一ゾーン空調制御とを含む概念である。図2は、ゾーン空調制御の第1例を示す図である。図2の(a)はゾーン空調制御の第1段階を、図2の(b)はゾーン空調制御の第2段階を、図2の(c)はゾーン空調制御の第3段階を、それぞれ示している。
尚、図2においては、浴槽BTのリムの一端にベンチBT1が、浴槽BTの内側にベンチBT2が、それぞれ形成されている。また、図1で説明した浴室ユニットBRとは反対側の壁面にベンチカウンター224が設けられており、ベンチカウンター224が設けられている壁面には鏡225が設けられている。
図2の(a)に示すゾーン空調制御の第1段階では、ベンチカウンター224に着座している入浴者Hに発汗を促すように発汗流体HFを送り出す。この第1段階では、入浴者Hの近傍を高温多湿の発汗ゾーンとするので、発汗流体HFは温風と高温のミストで構成されており、その発汗流体HFが予め定められた位置であるベンチカウンター224近傍に向けて送り出されている。より具体的には、温風が噴出されつつ高温のミストが噴出されることで発汗流体HFが構成されている。
本実施形態のこの段階においては、発汗流体HFは、温風と高温のミストとによって構成されているが、温ミスト雰囲気を構築できる態様であれば他の態様も採用可能である。例えば、温風に代えて赤外線による昇温手段を用いてもよい。また、高温のミストに代えて蒸気を用いてもよい。また、常温の水によるミストを噴出し、噴出された常温のミストを温風を噴出することによって加熱して高温のミストにする態様を用いてもよい。
ここで、発汗流体HFが送り出される様子を図2及び図3を参照しながら説明する。図3の(a)は、鏡225が設けられた壁面側から浴室ユニットBRを見通した図である。図3の(b)は、天井側から浴室ユニットBRを見通した図である。図3に示すように、浴室空調機本体10から高温多湿の発汗流体HFが送り出されている。発汗流体HFは、ベンチカウンター224に着座した入浴者Hに効果的に当たるように、浴室ユニットBRの略中央付近に立設している浴槽BTの側壁BT3に当たらないような角度で送り出されている。発汗流体HFは、洗い場側から浴槽BT側を見る方向において、洗い場の全幅に渡るように送り出されている(図3の(b)参照)。
従って、少なくともベンチカウンター224の近傍を含む洗い場一帯が温ミスト雰囲気HAとなっており、図3の場合には浴室ユニットBR内部のほぼ全域が温ミスト雰囲気HAとなっている。この場合において、浴室ユニットBR内は単一ゾーン空調制御が行われるモード(第2モード)でゾーン空調制御されており、少なくともベンチカウンター224の近傍に発汗ゾーンが形成されると共に、実質的には浴室内部のほぼ全域に発汗ゾーンが形成されている。
図2に戻り、図2の(b)に示すゾーン空調制御の第2段階では、浴室空調機本体10から送り出される発汗流体HFは、ベンチカウンター224の近傍に絞って送り出されている。より具体的には、図2の(a)に比較して、浴室ユニットBR全体に広がっていた発汗ゾーンを狭め、浴室ユニットBRの洗い場側(洗い場領域)に含まれる所定の領域(第1領域)内に収め、この発汗ゾーンの集約の結果開放された領域(第2領域)に入浴者Hが清涼感を感じうる涼感ゾーンを形成している。発汗流体HFがミストと温風とで構成される場合には、温風の方向を浴室ユニットBRの洗い場側(洗い場領域)に含まれる所定の領域(第1領域)に向けて集約させることで発汗ゾーンを集約している。この場合発汗流体HFは、ベンチカウンター224の周辺に向けて送り出されているので、ベンチBT1やベンチBT2の周辺は、ベンチカウンター224の周辺に比較して入浴者Hが清涼感を感じうる涼感ゾーンになっている。従って、ベンチカウンター224に着座してミストサウナ浴を行っていた入浴者Hが息苦しくなどなった場合には、ベンチBT1やベンチBT2に退避して清涼感を感じることができる。ベンチBT1やベンチBT2は、入浴者Hが着座して休息することが可能なように構成されており、入浴者Hにとっての休息領域として設けられている。このゾーン空調制御の第2段階においては、発汗ゾーンを集約して休息領域を開放し、涼感ゾーンに含めている。
このゾーン空調制御の第2段階では、浴室ユニットBR内に発汗ゾーンと涼感ゾーンとが形成されるゾーン分離空調制御が行われるモード(第1モード)でゾーン空調制御されている。また、発汗ゾーンはベンチカウンター224の近傍に形成されており、涼感ゾーンはベンチBT1及びベンチBT2の周辺に形成されている。従って、浴室ユニットBRの洗い場側(洗い場領域)を第1領域として、浴室ユニットBRの浴槽BT側(浴槽亮右域)を第2領域として、浴室空間が分割されている。
一方で、入浴者Hがミストサウナ浴をして発汗しようとする際にベンチカウンター224に着座する領域は少なくとも、温ミスト雰囲気が維持される発汗ゾーンとなるように継続的に制御されている。従って、図2の(b)に示すように入浴者Hが退避した後に、サイクル入浴(ミストサウナ浴と退避とを交互に行う入浴)のためにベンチカウンター224の発汗ゾーンに戻って来た場合には、即座に快適なミストサウナ浴を楽しむことができる。
続いて、図2の(c)に示すゾーン空調制御の第3段階では、浴室空調機本体10から送り出される発汗流体HFは図2の(b)に示す第2段階と同様である。第3段階では、ベンチBT2の領域に向けて涼風及び涼水ミストからなる涼感流体CFを送り出している。従って、ベンチカウンター224に着座してミストサウナ浴を行っていた入浴者Hが息苦しくなったり、特に暑くなったりした場合には、ベンチBT2に退避することでより効果的に清涼感を感じることができる。また、浴槽BTに水30を張っておくことで入浴者Hの足元を冷やすことができ、更により効果的に清涼感を感じることができる。
本実施形態では、この浴槽への水張を自動で行うように構成されている。なお、本実施形態では涼感流体CFとして、浴室ユニットBR内の空気をヒータを介さずに循環させた風を涼風とし、涼水ミストとして常温の水を噴出しているが、涼感流体CFの態様はこれに限られない。例えば涼感流体CFとして、涼水ミストのみでもよい。また、涼風は、屋外の外気、浴室外の隣室空気、冷凍機で冷やした冷気、または、発汗ゾーンの温風よりも低い温度で加熱した温風などでもよい。このように涼感流体CFの態様が多種多様に取りうるのは、涼感の感覚は人それぞれであり、また、涼感の感覚は季節や外気温によってもことなるため、都度最適なものが選択できるようにすることが好ましいためである。また、涼水ミストも常温の水ではなく、冷凍機で冷やした冷水や、発汗ゾーンの温ミストより低い温度で加温した低温のミストなどでもよい。
図4は、ゾーン空調制御の第3段階を説明するための図である。図4の(a)は、鏡225が設けられた壁面側から浴室ユニットBRを見通した図であり、図4の(b)は、浴室ユニットBRを天井側から見通した図である。図4の(a)に示すように、浴室空調機本体10から高温多湿の発汗流体HFが、ベンチカウンター224に着座した入浴者Hに効果的に当たるように、浴槽BTの側壁BT3に当たらないような角度で送り出されている。また、涼感流体CFは、予め定められた第2領域内にある浴槽BT内に向けて送り出され、浴槽BT内及びその上部空間に滞留している。従って、第2領域内において予め定められた位置にあるベンチBT2の近傍において、入浴者Hを取り囲んで、入浴者Hを略内包するような大きさの空間としての涼感ゾーンを確実に形成するように制御されている。入浴者を略内包するような大きさとは、入浴者がそこに入ったことを実感可能な程度の大きさであれば足り、必ずしも入浴者全体を内包する必要はない。例えば、上半身のみを内包してもよく、上半身及び膝から上の下半身を内包してもよい。
なお、本実施形態では、浴槽BT内に水を張ることで、足元まで涼感流体CFで涼感を与える必要がないように工夫をしている。これは、浴室ユニットBR内に涼感流体CFを送り出す量を増やすのに応じて浴室ユニットBR内の温度は必然的に低下し、発汗ゾーンの温ミスト雰囲気を維持するためにエネルギー消費が過大に起こるので、涼感流体CFの流入量を極力増やさないようにするためである。また、足元を冷やすことで強い涼感を人間は得ることができるためでもある。いずれにしても、涼感流体CFの流入量を極力増やさずに適度で快適な涼感を得ることができるようにすることで、発汗ゾーンの温度降下を抑制し、発汗ゾーンのミスト環境確保のための無駄なエネルギー消費を抑制して快適なサイクル入浴を提供できるようにしている。
図4の(b)に示すように、発汗流体HFと涼感流体CFとは、浴室ユニットBRの対角線上にほぼ沿って互いに反対側に向けて噴出されている。従って、発汗流体HFと涼感流体CFとが混ざり合いにくく、発汗ゾーンHZと涼感ゾーンCZとが効果的に形成できる。
上述したゾーン空調制御の第1例ではゾーン分離空調制御時(ゾーン空調制御の第2段階及び第3段階)は常に、予め設定されているベンチカウンター224を含む洗い場領域が第1領域になり、浴室ユニットBRにおける残余の領域が常に第2領域になるように制御されているものである。これによって、浴室ユニットBRを入浴者が発汗ゾーンと涼感ゾーンとの間を往来可能なように構成し、入浴者が発汗と清涼感の体感とを交互に体験することができるサイクル入浴を可能としている。
尚、上述した第1例におけるゾーン空調制御の第3段階においては、発汗流体HFを温風と高温のミストとで構成したが、温風のみによって構成することも好ましい。温ミストによる発汗性を考慮すると、温ミストの粒径は極力小さいことが好ましいため、ゾーン分離空調制御の段階においては涼感ゾーンCZにおける清涼感に影響を与える可能性があるためである。従って、ゾーン分離空調制御の段階であるゾーン空調制御の第3段階において、発汗流体HFから高温のミストを除外することで、発汗ゾーンHZと涼感ゾーンCZとをより的確に分離できる。
発汗流体HFを温風のみによって構成した場合であっても、涼感流体CFは涼風と涼水ミストとによって構成してもよい。涼水ミストによる冷却性を考慮すると、涼水ミストの粒径は温ミストの粒径よりも大きくすることが好ましいため、涼水ミストの浮遊による発汗ゾーンHZへの影響を抑制することができるためである。
このように、発汗流体HFとして温風のみを用い、涼感流体CFとして涼風及び涼水ミストを用いることは、換言すれば、発汗ゾーンHZが所定以上の温度となるように発汗流体HFを送り出す一方で、涼感ゾーンCZが発汗ゾーンHZの温度に対して少なくとも発汗ゾーンHZの温度に応じて定められる所定温度以上低い温度となるように涼感流体CFを送り出すことである。
引き続いて、本実施形態である浴室ミストサウナ装置によって実現可能なゾーン空調制御の第2例及び第3例について説明する。図5は、ゾーン空調制御の第2例及び第3例を示す図である。図5の(a)はゾーン空調制御の第2例における第1段階を、図5の(b)はゾーン空調制御の第2例における第2段階を、図5の(c)はゾーン空調制御の第3例を、それぞれ示している。
尚、図5においては図2と同様に、浴槽BTのリムにベンチBT1が、浴槽BTの内側にベンチBT2が、それぞれ形成されている。また、図1で説明した浴室ユニットBRとは反対側の壁面にベンチカウンター224が設けられており、ベンチカウンター224が設けられている壁面には鏡225が設けられている。
図5の(a)に示すゾーン空調制御の第1段階では、ベンチカウンター224に着座している入浴者H1と、ベンチBT1に着座している入浴者H2に発汗を促すように発汗流体HFが送り出される。この場合、ベンチカウンター224とベンチBT1とが配置されている位置が予め決定されている位置であって、少なくともこの予め決定されている位置を取り囲んで高温多湿の発汗ゾーンが形成されるように浴室空調機本体10から発汗流体HFが送り出される。従って、ベンチカウンター224の近傍を含む洗い場一帯と、ベンチBT1の近傍を含む浴槽BTの一部とが発汗ゾーンとなっている。
続いて、図5の(b)に示すゾーン空調制御の第2段階では、浴室空調機本体10から送り出される発汗流体HFは、図5の(a)の場合よりもやや絞った態様で、予め定められた位置であるベンチカウンター224の近傍を含む領域を狙って送り出されている。この第2例の場合は、複数の入浴者を想定しており、第2段階においても発汗ゾーンに入浴者H1及びH2が入ることが可能なように発汗流体HFを送り出している。
第2段階では、予め定められた位置である浴槽BT内のベンチBT2の領域に向けて涼風及び涼水ミストからなる涼感流体CFを送り出している。従って、ベンチBT1に着座してミストサウナ浴を行っていた入浴者H2が息苦しくなどなった場合には、ベンチBT2に退避することでより効果的に清涼感を感じることができる。また、浴槽BTに水32を張っておくことで、更により効果的に清涼感を感じることができる。より具体的に第2段階における発汗ゾーンと涼感ゾーンとの形成について説明すると、図5の(a)に比較して、浴室ユニットBR全体に広がっていた発汗ゾーンを狭め、浴室ユニットBRの洗い場側(洗い場領域)に含まれる所定の領域(第1領域)であるベンチカウンター224の近傍領域内に収め、この発汗ゾーンの集約の結果開放された領域(第2領域)である浴槽BT領域に入浴者Hが清涼感を感じうる涼感ゾーンを形成している。発汗流体HFがミストと温風とで構成される場合には、温風の方向を浴室ユニットBRの洗い場側(洗い場領域)に含まれる所定の領域(第1領域)に向けて集約させることで発汗ゾーンを集約している。また、ベンチBT2は、入浴者Hが着座して休息することが可能なように構成されており、入浴者Hにとっての休息領域として設けられている。このゾーン空調制御の第2段階においては、発汗ゾーンを集約して休息領域を開放し、涼感ゾーンに含めている。
この第2例では、涼感ゾーン形成時においても、発汗ゾーンのミスト環境を入浴者H1が快適にミストサウナ浴ができるように維持確保する必要があること、及び入浴者H2が発汗エリアに戻ってきた際にも快適にミストサウナ入浴できるように涼感ゾーン形成時においても発汗ゾーンを比較的大きくエリア確保しておく必要があるということが第1例と相違する制御内容である。
具体的には、第2例では、上記の理由から発汗ゾーンと涼感ゾーンを離し分離構成することが難しく近接してしまう状況になるため、涼感流体CFと発汗流体HFとが混ざってしまい涼感ゾーンにおいては涼感程度が低くなり、反対に発汗ゾーンにおいては温度降下を生じてしまう。そのために、涼感ゾーンでは、涼感程度を強くするように涼感流体CFの温度を低くしたり、局所的に涼感流体CFを速く送り出したりするなどの制御を行うことが望ましい。
また、第1例の第3段階(図2の(c))では、発汗ゾーンに入浴者が存在しないため、温度、湿度、及びミスト粒径などを最適なミスト環境に必要な状況に維持する必要がないことから、これらを犠牲にして、発汗ゾーンの温度降下を抑制することを重視する制御を行うことが好ましい。例えば、発汗流体HFの温度を高くしたり、温ミストの粒径を大きくして温度降下を抑制するなどの対応を行うことが最適と言える。しかし、第2例では、発汗ゾーンに入浴者が残る可能性があるため、上記の第1例のような極端な制御を行うことができず、涼感流体CFの送り出しに伴う温度降下と、最適なミストサウナ環境の維持とがある程度最適に両立するように制御することが必要である。本実施形態では、これらの知見に基づいて、第1例と第2例とでは異なった制御が行われている。
続いて、図5の(c)に示すゾーン空調制御の第3例では、ゾーン空調制御の第2例の第2段階(図5の(b))が2ゾーン分離のゾーン分離空調制御を行っているのに対して、3ゾーン分離のゾーン分離空調制御を行っている例である。2ゾーン分離と3ゾーン分離との相違点は、3ゾーン分離が、浴室空調機本体10から噴出される発汗流体HFの位置を図5の(b)に示す2ゾーン分離の場合よりも絞って、発汗ゾーンと涼感ゾーンとをより効果的に形成すると共に、何も噴出されていない中間ゾーンを形成している点である。中間ゾーンと涼感ゾーンとは、それぞれにおいて入浴者が異なった涼感を得ることができる退避ゾーンとして形成される。
上述したゾーン空調制御の第2例及び第3例では、ベンチカウンター224を含む洗い場領域を第1領域とし、浴室ユニットBRにおける残余の領域(ベンチBT1、浴槽BT内を含む)を第2領域としている。従って、実体物によって分離されていない一つの空間として構成された浴室ユニットBR内を、予め定められた第1領域と第2領域とに区分し、第1領域の少なくとも一部には発汗ゾーンを形成させると共に、第2領域の少なくとも一部であるベンチBT1,BT2に常に涼感ゾーンを形成している。これによって、浴室ユニットBRを入浴者が発汗ゾーンと涼感ゾーンとの間を往来可能なように構成し、入浴者が発汗と清涼感の体感とを交互に体験することができるサイクル入浴を可能としている。
引き続いて、本実施形態である浴室ミストサウナ装置によって実現可能なゾーン空調制御の第4例について図6を参照しながら説明する。第4例は、涼感ゾーンを浴槽側の空間ではなく洗い場に発汗ゾーンと並設する形で構成した例を示すものである。図6の(a)は第4例のゾーン空調制御の第1段階を、図6の(b)は第4例のゾーン空調制御の第2段階を、それぞれ示している。
図6においては、浴槽BTのリムにベンチBT1が、浴槽BTの内側にベンチBT2が、それぞれ形成されている。また、図1で説明した浴室ユニットBRとは反対側の壁面にベンチカウンター224が設けられており、ベンチカウンター224が設けられている壁面には鏡225が設けられている。
図6の(a)に示すゾーン空調制御の第1段階では、ベンチカウンター224に着座している入浴者Hに発汗を促すように発汗流体HFが送り出される。この場合、ベンチカウンター224が配置されている位置が予め決定されている位置であって、少なくともこの予め決定されている位置を取り囲んで高温多湿の発汗ゾーンが形成されるように浴室空調機本体10から発汗流体HFが送り出される。従って、ベンチカウンター224の近傍を含む洗い場一帯が発汗ゾーンとなっている。ここで、温ミストHMを噴出する様子は、第1例において図3を参照しながら説明したのと同様である。
続いて、図6の(b)に示すゾーン空調制御の第2段階では、浴室空調機本体10から送り出される発汗流体HFの位置を、ベンチカウンター224側に絞っている。ベンチBT2の領域に向けて涼風及び涼水ミストからなる涼感流体CFを送り出している。より具体的には、図6の(a)に比較して、浴室ユニットBR全体に広がっていた発汗ゾーンを狭め、浴室ユニットBRの洗い場側(洗い場領域)に含まれる所定の領域(第1領域)であるベンチカウンター224の近傍領域内に収め、この発汗ゾーンの集約の結果開放された洗い場の残余領域(第2領域)に入浴者Hが清涼感を感じうる涼感ゾーンを形成している。発汗流体HFがミストと温風とで構成される場合には、温風の方向を浴室ユニットBRの洗い場側(洗い場領域)に含まれる所定の領域(第1領域)に向けて集約させることで発汗ゾーンを集約している。このような涼感ゾーンの形成により、ベンチカウンター224に着座してミストサウナ浴を行っていた入浴者Hが息苦しくなったり暑くなったりした場合には、洗い場の反対側に移動してベンチBT2に退避することでより効果的に清涼感を感じることができる。ベンチBT2は、入浴者Hが着座して休息することが可能なように構成されており、入浴者Hにとっての休息領域として設けられている。このゾーン空調制御の第2段階においては、発汗ゾーンを集約して休息領域を開放し、涼感ゾーンに含めている。
図7は、第4例の洗い場に発汗ゾーンと涼感ゾーンとを並設して形成する構成の変形パターンであって、ゾーン空調制御の第5例を説明するための図である。図7の(a)は、鏡225が設けられた壁面側から浴室ユニットBRを見通した図であって涼感流体CFが噴出されている部分を示している。また、図7の(b)は、浴室ユニットBRを天井側から見通した図である。第4例との相違点は、涼感ゾーンCZの位置を、ベンチBT1ではなく洗い場のコーナー部に位置させたものであり、起立した状態で涼感ゾーンで涼感を得るようにした点である。図7の(a)(b)に示すように、この第5例の方が涼感流体CFを浴室ユニットBRのコーナー部に指向させて狭く送り出すことができるため、発汗ゾーンHZの発汗流体HFとの混ざりを抑制しやすく、第4例より発汗ゾーンHZ、涼感ゾーンCZを好適な形で独立共存させやすい。
また、この第5例では、更に工夫を施しているものであって、それは、図7の(a)で示すように、涼感ゾーンの床面近傍まで涼感流体CFが届かないように構成していることである。これによって、洗い場に立って清涼感を得ている入浴者は、足元だけは発汗流体HFの作用により温度が若干低い状態で適度に涼しく、適度に暖かい状態を維持できるため、体に優しく、快適に涼感を得ることができる。また、床面を伝って発汗流体HFと、涼感流体CFが混ざるのを緩和でき、発汗ゾーンの温度降下を抑制できるという効果を奏することもできる。
また、図7の(b)に示すように、発汗流体HFと涼感流体CFとは互いに所定の角度を持つように離隔して洗い場側に噴出されているので、発汗流体HFと涼感流体CFとが混ざり合いにくく、発汗ゾーンと涼感ゾーンとが効果的に形成できる。
上述したゾーン空調制御の第4例及び第5例では、ベンチカウンター224を含む洗い場領域の一部を第1領域とし、浴室ユニットBRにおける洗い場領域の残余の領域を第2領域としている。従って、実体物によって分離されていない一つの空間として構成された浴室ユニットBR内を、予め定められた第1領域と第2領域とに区分し、第1領域の少なくとも一部には発汗ゾーンを形成させると共に、第2領域の少なくとも一部には涼感ゾーンを形成させている。これによって、浴室ユニットBRを入浴者が発汗ゾーンと涼感ゾーンとの間を往来可能なように構成し、入浴者が発汗と清涼感の体感とを交互に体験することができるサイクル入浴を可能としている。
引き続いて、本実施形態である浴室ミストサウナ装置によって実現可能なゾーン空調制御の第6例について説明する。図8は、ゾーン空調制御の第6例を示す図である。図8の(a)はゾーン空調制御の第1段階を、図8の(b)はゾーン空調制御の第2段階を、図8の(c)はゾーン空調制御の第3段階を、それぞれ示している。
尚、図8においては、浴槽BTのリムにベンチBT1が、浴槽BTの内側にベンチBT2が、それぞれ形成されている。また、図1で説明した浴室ユニットBRとは反対側の壁面にベンチカウンター224が設けられており、ベンチカウンター224が設けられている壁面には鏡225が設けられている。
図8の(a)に示すゾーン空調制御の第1段階では、浴槽BT内のベンチBT2に着座している入浴者Hに発汗を促すように発汗流体HFが送り出される。この場合、浴槽BT内のベンチBT2が配置されている位置が予め決定されている位置であって、少なくともこの予め決定されている位置を取り囲んで高温多湿の発汗ゾーンが形成されるように浴室空調機本体10から発汗流体HFが送り出される。従って、ベンチBT2の近傍を含む浴槽BTが発汗ゾーンとなっている。
ここで、発汗流体HFを送り出す様子を図9を参照しながら説明する。図9の(a)は、鏡225が設けられた壁面側から浴室ユニットBRを見通した図である。図9の(b)は、天井側から浴室ユニットBRを見通した図である。図9に示すように、浴室空調機本体10から高温多湿の発汗流体HFが送り出されている。発汗流体HFは、浴槽BT内のベンチBT2に着座した入浴者Hに効果的に当たるように、浴槽BTの内部に向けて噴出されている。
浴槽BT内に向けて送り出された発汗流体HFは、浴槽BTの側壁に沿って循環し、浴槽BTを含む領域一帯が発汗ゾーンとなっている。また、浴槽BTにはベンチBT2の座面よりも下までお湯が張られており、ベンチBT2に着座している入浴者Hの発汗をより促している。発汗流体HFは、浴槽BTの全幅に渡るように送り出されている(図9の(b)参照)。従って、ベンチBT2の近傍を含む浴槽一帯が発汗ゾーンとなっている。
図8に戻り、図8の(b)に示すゾーン空調制御の第2段階では、浴室空調機本体10から送り出される発汗流体HFの位置は図8の(a)に示す第1段階と同様である。この場合発汗流体HFは浴槽BT内に向けて送り出されているので、ベンチBT1の周辺は、入浴者Hが清涼感を感じうる涼感ゾーンになっている。従って、ベンチBT2に着座してミストサウナ浴を行っていた入浴者Hが息苦しくなどなった場合には、ベンチBT1に退避して清涼感を感じることができる。
続いて、図8の(c)に示すゾーン空調制御の第3段階では、浴室空調機本体10から送り出される発汗流体HFの位置は図8の(b)に示す第2段階と同様である。第3段階では、ベンチカウンター224の領域に向けて涼風及び涼水ミストからなる涼感流体CFを送り出している。従って、ベンチBT2に着座してミストサウナ浴を行っていた入浴者Hが暑く感じて涼感流体を受けてクールダウンしたいと思った場合には、ベンチカウンター224に退避することでより効果的に清涼感を感じることができる。
なお、この第6例で更に工夫されていることは、涼感ゾーンの中心をベンチカウンター224の浴槽BTより遠い位置に設定していることである。これは、涼感流体CFが浴槽内BT内に入り込んで発汗ゾーンの発汗流体HFと混ざって発汗ゾーンの温度降下を生じさせないようにしているものである。このようにできるのは、涼感流体CFの噴出範囲が、発汗流体HFの噴出範囲のように、完全に入浴者を取り囲むほどに広くする必要がないため可能になっているものである。
上述したゾーン分離空調制御の第6例では、ベンチBT2を含む浴槽BTが存在する浴槽領域を第1領域とし、浴室ユニットBRにおける残余の領域及び洗い場のベンチカウンター224の特に非浴槽側を第2領域としている。従って、実体物によって分離されていない一つの空間として構成された浴室ユニットBR内を、予め定められた第1領域と第2領域とに区分し、第1領域の少なくとも一部には発汗ゾーンを形成させると共に、第2領域の少なくとも一部には涼感ゾーンを形成させている。これによって、浴室ユニットBRを入浴者が発汗ゾーンと涼感ゾーンとの間を往来可能なように構成し、入浴者が発汗と清涼感の体感とを交互に体験することができるサイクル入浴を可能としている。
引き続いて、本実施形態である浴室ミストサウナ装置によって実現可能なゾーン空調制御の第7例について説明する。図10は、ゾーン空調制御の第7例を示す図である。図10の(a)はゾーン空調制御の第1段階を、図10の(b)は第7例における特徴的なゾーン空調制御の第2段階を、図10の(c)はゾーン空調制御の第3段階を、それぞれ示している。第7例は、発汗ゾーンや涼感ゾーンを浴室空間のどの部分に形成するかに主眼を置いているものではなく、涼感ゾーンを形成する際に一時的に涼感を強くするための涼感流体CFの送り出し制御について説明するためのものである。従って、第7例は上述した第1例〜第6例のいずれとも組み合わせて適用することが可能な制御形態である。
図10においては、浴槽BTのリムにベンチBT1が、浴槽BTの内側にベンチBT2が、それぞれ形成されている。また、図1で説明した浴室ユニットBRとは反対側の壁面にベンチカウンター224が設けられており、ベンチカウンター224が設けられている壁面には鏡225が設けられている。
図10の(a)に示すゾーン空調制御の第1段階では、浴槽BT内のベンチBT2に着座している入浴者Hに発汗を促すように発汗流体HFが送り出される。の場合、浴槽BTの位置が予め決定されている位置であって、少なくともこの予め決定されている位置を取り囲んで高温多湿の発汗ゾーンが形成されるように浴室空調機本体10から発汗流体HFが送り出される。浴槽BT内に向けた噴出された発汗流体HFは、浴槽BTの側壁に沿って循環し、浴槽BTを含む領域一帯が発汗ゾーンとなっている。また、浴槽BTにはベンチBT2の座面よりも下までお湯が張られており、ベンチBT2に着座している入浴者Hの発汗をより促している。
続いて、図10の(b)に示すゾーン空調制御の第2段階では、浴室空調機本体10から送り出される発汗流体HFの送り出しを一時的に停止している。発汗流体HFの送り出しを停止している間(好ましくは1分程度)に涼感流体CFの送り出しを開始する。涼感流体CFは、発汗流体HFの送り出しが停止している最初の所定時間内において通常状態よりも多く送り出されている。好ましい一つの形態は、発汗流体HFを構成する高温のミストを噴出していたノズルから涼感流体CFを構成する涼水ミストを噴出することで、涼感流体CFの送り出し量を一時的に増やすことである。このように涼感流体CFの送り出し量を増やすことで、ベンチカウンター224に着座している入浴者Hに、より清涼感を強く感じさせることができる。
また、発汗流体HFが一時的に停止されているため、涼感流体CFと発汗流体HFとが混ざり合うことがなく、涼感流体CFの温度を低く維持することができる。これらのことによって、ミストサウナ入浴していた入浴者が暑くてミストサウナの環境から退避してクールダウンをしたいと思っている最初に強く涼感を与えることができるため、入浴者の要求に合った心地の良いクールダウン環境を提供できる。なお、一時的に発汗ゾーンへの発汗流体HFの噴出が停止されているが、一時的であることに加え、入浴者は、引き続き涼感ゾーンでクールダウンを続けている期間において、発汗ゾーンのミスト環境を再構築可能であるため、次に発汗ゾーンに入浴者が戻ってきた場合においても支障が無く、快適にサイクル入浴を提供できる。
図10の(c)に示すゾーン分離空調制御の第3段階では、浴室空調機本体10から送り出される発汗流体HFの位置は図10の(a)の状態より、若干涼感流体CF側から離れる方向に移動させて両者の混合を抑制できるようにしている。第3段階では、ベンチカウンター224の領域に向けて涼風及び涼水ミストといった涼感流体31を噴出している。従って、ベンチBT2に着座してミストサウナ浴を行っていた入浴者Hが暑くなったり、息苦しくなったりした場合には、ベンチカウンター224に退避することでより効果的に清涼感を感じることができる。
上述したゾーン分離空調制御の第7例では、ベンチBT2を含む浴槽BTが存在する浴槽領域を第1領域とし、浴室ユニットBRにおける残余の領域を第2領域としている。従って、実体物によって分離されていない一つの空間として構成された浴室ユニットBR内を、予め定められた第1領域と第2領域とに区分し、第1領域の少なくとも一部には発汗ゾーンを形成させると共に、第2領域の少なくとも一部には涼感ゾーンを形成させている。これによって、浴室ユニットBRを入浴者が発汗ゾーンと涼感ゾーンとの間を往来可能なように構成し、入浴者が発汗と清涼感の体感とを交互に体験することができるサイクル入浴を可能としている。
上述した第7例において、涼感ゾーンを形成していない状態においても、ベンチカウンター224に向けて微量の涼感流体CFを噴出することが好ましい。例えば、第7例の制御でサイクル運転をする場合の第1段階において、涼感流体CFを噴出することが好ましい。この好ましい態様を第8例として図11に示す。図11の(a)は、そのように涼感流体CFを涼感ゾーンの中心となるベンチカウンター224の非浴槽BT側に向けて送り出している様子を示している。図11の(a)のように常時もしくは、短いサイクルで定期的に涼感流体CFを送り出しておくことで、発汗ゾーンの温度降下への影響を抑制しつつ、涼感ゾーンとなる領域の雰囲気温度を効果的に低く保つことができる。
図11の(a)の状態から、図11の(b)の状態に遷移させると、図11の(a)の状態で微量の涼感流体CFを送り出している領域の温度は、涼感流体CFを送り出す最初の段階から低くなっているので、涼感流体CFが周辺の高温の空気と熱交換されて温度上昇させられないため、涼感ゾーン構築時の初期から効果的に涼感ゾーンを形成できる。入浴者Hは、クールダウンしようと思った最初に強い涼感を得たいので、このようにすることで最初から強い涼感を得ることができる第8例の制御は実用上非常に有用であると言える。また、図11の(a)において微量に送り出していた涼感流体CFの温度は少し高めにしておいて、発汗ゾーンの温度降下を抑制し、図11の(b)の状態にする場合に、涼感流体CFの温度を急激に下げることも好ましい。これらの制御によって、発汗ゾーンの温度降下を抑制しつつ発汗ゾーンから移動してきた入浴者Hにより効果的に涼感を与えることができる。
引き続いて、本実施形態である浴室ミストサウナ装置について説明する。図12は、浴室ミストサウナ装置MSのブロック構成図である。
図12に示すように、浴室ミストサウナ装置MSは、CPU40と、ROM・RAMからなる記憶部41と、洗面所リモコン42と、浴室内リモコン43と、第1水温センサー44と、第2水温センサー45と、発汗ゾーン側温度センサー46と、涼感ゾーン側温度センサー47と、浴室湿度センサー48と、洗面所湿度センサー49と、発汗ゾーン側可動ルーバー用モータ50と、発汗ゾーン側可動ルーバー501と、涼感ゾーン側可動ルーバー用モータ51と、涼感ゾーン側可動ルーバー511と、給水・給湯装置52と、循環ファン駆動モータ53と、循環ファン531と、ポンプ駆動モータ54と、ミストポンプ541と、ダンパー駆動モータ55と、循環・換気切替ダンパー551と、メインバルブ56と、温ミストバルブ57と、冷ミストバルブ58と、排水バルブ59と、暖房ヒータ60と、スイッチ601と、暖房ヒータ61と、スイッチ611と、暖房ヒータ62と、スイッチ621と、ミストヒータ63と、スイッチ631と、エアコンACと、を備えている。引き続いて、各構成要素について説明する。
CPU40は、他の各構成要素から出力される指示信号や状態表示信号を受信し、その受信した信号に基づいて所定の情報処理を行う演算装置である。CPU40は、記憶部41に格納されているソフトウェアを読み込んで情報処理を行う。
洗面所リモコン42は、浴室ミストサウナ装置MSが取り付けられる住宅の洗面所に配置されるリモコンである。洗面所リモコン42に入力される指示は、指示信号としてCPU40に送信される。
洗面所リモコン42の操作パネルの一例を図13に示す。図13に示すように、洗面所操作パネル421は、操作・表示領域42aと、操作領域42bとを備えている。操作領域42bは、蓋42cによって覆うことが可能なように構成されている。
操作・表示領域42aには、「止」ボタン、「換気」ボタン、「衣類乾燥」ボタン、「暖房」ボタン、「涼風」ボタン、「24時間換気」ボタン、「温ミスト」ボタン、「浴室乾燥」ボタン、表示部、「予約」ボタン、「+」ボタン、「−」ボタンが設けられている。
「止」ボタンは、他のボタンを押下することによって作動中の動作を停止させるためのボタンである。「換気」ボタンは、洗面所内の換気を行うためのボタンであって、このボタンを押下することで、洗面所に設置されている換気装置(図示しない)の動作が開始される。また、「換気」ボタンの押下を繰り返すと、換気装置による換気量が多くなったり、浴室側の換気を停止したりすることができる。この動作の切り替えに応じて、「換気」ボタンの上側に設けられている「強」ランプや「浴室止」ランプが点灯する。
「衣類乾燥」ボタンは、浴室において衣類乾燥を行うためのボタンであって、このボタンを押下することで、ダンパー駆動モータ55が駆動されて、循環・換気ダンパー551が換気側に移動する。また、循環ファン駆動モータ53が駆動されて、循環ファン531が回転する。「衣類乾燥」ボタンの押下を繰り返すと、循環ファン駆動モータ53の回転数が上昇したり下降したりする。この回転数の切り替えに応じて、「衣類乾燥」ボタンの上側に設けられている「強」ランプや「弱」ランプが点灯する。
「暖房」ボタンは、浴室内において暖房を行うためのボタンであって、このボタンを押下することで、スイッチ601,611,621が閉じられて、暖房ヒータ60,61,62にそれぞれ通電される。「暖房」ボタンの押下を繰り返すと、スイッチ601,611,621のいずれかが開かれて、暖房ヒータ60,61,62への通電が制御される。この通電制御の切り替えに応じて、「暖房」ボタン」上側に設けられている「強」ランプや「弱」ランプが点灯する。
「涼風」ボタンは、浴室内に涼風を噴出させるためのボタンであって、このボタンを押下することで、スイッチ601,611,621が開かれて、暖房ヒータ60,61,62への通電が停止されると共に、ダンパー駆動モータ55が駆動されて循環・換気切替ダンパー551が循環側に移動する。また、循環ファン駆動モータ53が駆動されて循環ファン531が回転する。「涼風」ボタンの押下を繰り返すと、循環ファン駆動モータ53の回転数が上昇したり下降したりする。この回転数の切り替えに応じて、「涼風」ボタンの上側に設けられている「強」ランプや「弱」ランプが点灯する。
「24時間換気」ボタンは、「換気」ボタンによる換気を常に行うためのボタンである。「24時間換気」ボタンの押下を繰り返すと、通常モードの24時間換気と、暖房ヒータ60,61,62に通電される冬季モードの24時間換気とが切り替えられる。この切り替えに応じて、「24時間換気」ボタンの上側に設けられている「通常」ランプや「冬季」ランプが点灯する。
「温ミスト」ボタンは、浴室内に温ミストを噴出させるためのボタンである。「温ミスト」ボタンを押下すると、スイッチ631が閉じられてミストヒータ63に通電される。また、ポンプ駆動モータ54が回転してミストポンプ541が駆動され、メインバルブ56及び温ミストバルブ57が開かれて浴室内に温ミストが噴出される。
「浴室乾燥」ボタンは、浴室内を乾燥させるためのボタンである。「予約」ボタンは、上記各動作を行わせる時刻を予約するモードに切り替えるためのボタンである。「+」ボタン「−」ボタンは、予約モードにおける時刻を調整するためのボタンである。「浴室乾燥」ボタンと「予約」ボタンとの間に配置されている表示部は、予約動作の開始時刻等を表示するための部分である。
操作領域42bには、「温度」ボタン、「風向」ボタン、「音量」ボタン、「時計」ボタンが配置されている。
「温度」ボタンは、温ミストの温度を調整するためのボタンである。「温度」ボタンを押下すると、ミストヒータ63への通電が制御されて温ミストの温度が調整される。「温度」ボタンを繰り返し押下すると、温ミストの温度が高温、中温、低温と切り替わり、この切り替えに応じて「温度」ボタンの上側に配置されている「高」ランプや「中」ランプや「低」ランプが点灯する。
「風向」ボタンは、暖房風や涼風の噴出し方向を変えるためのボタンである。「風向」ボタンを押下すると、発汗ゾーン側可動ルーバー用モータ50や涼感ゾーン側可動ルーバー用モータ51が回転し、発汗ゾーン側可動ルーバー501や涼感ゾーン側可動ルーバー511が駆動される。
「音量」ボタンは、音響装置(図示しない)の音量を調整するためのボタンである。「時計」ボタンは、操作・表示領域42aの表示部に表示される時計を調整するためのボタンである。
図12に戻り、浴室リモコン43は、浴室ミストサウナ装置MSが取り付けられる住宅の浴室に着脱自在で入浴者が取り外して手元で操作が可能なように設置されている。浴室リモコン43に入力される指示は、無線電波を利用して指示信号としてCPU40に送信される。
浴室リモコン43の操作パネルの一例を図14に示す。図14に示すように、浴室操作パネル431は、表示領域43aと、操作領域43bと、タッチパネル式のクールダウン操作・表示領域43cと、ミスト操作領域43dとを備えている。
表示領域43aには、時刻の表示や浴室ミストサウナ装置MSの運転状況の表示がなされる。運転状況の表示としては、「クールダウン中」であるとの表示や、発汗ゾーンの温度の表示や、涼感ゾーンの温度の表示が含まれる。
操作領域43bには、「電源」ボタン43ba、「止」ボタン43bb、「暖房」ボタン43bc、「換気」ボタン43bd、「ミストサウナ」ボタン43be、「温冷ミスト」ボタン43bf、「足湯給湯」ボタン43bgが設けられている。
「電源」ボタン43baは、浴室ミストサウナ装置MSの主電源を投入するためのボタンである。「電源」ボタン43baを押下すると主電源が投入され、再度押下すると主電源を切ることができる。「止」ボタン43bbは、他のボタンを押下することによって作動中の動作を停止させるためのボタンである。
「暖房」ボタン43bcは、浴室内において暖房を行うためのボタンであって、このボタンを押下することで、スイッチ601,611,621が閉じられて、電気式の暖房ヒータ60,61,62にそれぞれ通電される。また、循環ファン駆動モータ53が駆動されて、循環ファン531が駆動される。
「換気」ボタン43bdは、浴室の湿度や温度の状態に応じて換気時間を設定して最適な時間自動的に換気を行うためのボタンであって、このボタンを押下することで、ダンパー駆動モータ55が駆動されて、循環・換気ダンパー551が換気側に移動する。また、循環ファン駆動モータ53が駆動されて、循環ファン531が上記設定された時間だけ回転する。
「ミストサウナ」ボタン43beは、ミストサウナ浴を行う際に用いるボタンであって、このボタンを押下すると、スイッチ631が閉じられてミストヒータ63に通電される。また、ポンプ駆動モータ54が回転してミストポンプ541が駆動され、メインバルブ56及び温ミストバルブ57が開かれて浴室内に温ミストが噴出される。また、前記した暖房が行われる。
「温冷ミスト」ボタン43bfは、温ミストと涼水ミストを交互に噴出するためのボタンである。このボタンを押下すると、スイッチ631が断続的に開閉されてミストヒータ63がON、OFFされる。また、ポンプ駆動モータ54が回転してミストポンプ541が駆動され、メインバルブ56、温ミストバルブ57が開かれて浴室内に温ミスト及び涼水ミストが単一のノズルから交互に噴出される。この温冷ミストは、素肌に熱冷刺激を与えてお肌を引き締めたり、リラックスしたりするために行うものである。
「足湯給湯」ボタン43bgは、浴槽へ給湯するためのボタンである。このボタンを押下すると、給水・給湯装置52から浴槽へ20センチ程度給湯され、浴槽を足湯として用いることができる。これは、ミストサウナ入浴中の発汗を高める為に足湯状態でミストサウナが楽しめるようにしたものである。また、これにより、発汗流体HFを足元まで噴出させる必要がなくなるため、発汗ゾーンの形成を速くできるとともに、発汗流体HFの噴出量を抑制できるためランニングコストを抑制できるという効果を奏することができる。
クールダウン操作・表示領域43cはタッチパネル構造として構成されており、タッチ操作することで色が反転するように構成されている。操作ボタンとしては、「涼風」ボタン43caと、「涼水ミスト」ボタン43cbと、「足水給水」ボタン43ccと、「エスケープモード」ボタン43cdと、「頭寒足熱モード」ボタン43ceと、「露天風呂モード」ボタン43cfとが設けられている。例えば、図14に現在示されている状態では、「エスケープモード」ボタン43cdが操作されていることがわかるようにボタンの色が反転しており、エスケープモードを運転していることが見て取れる。これによって、表示領域43aにクールダウン中であることが表示され、エスケープモードであるため、発汗ゾーンが36℃に設定され、涼感ゾーンが25℃に設定され、かつクールダウンするための涼感ゾーンの構築時間が1分と設定されていることが読み取れる。
「涼風」ボタン43caは、ミストサウナや入浴中において、クールダウンするために予め決定されている涼感ゾーンに強制的に涼風だけを高回転で噴出させるためのボタンであって、このボタンを押下することで、スイッチ601が開かれて、暖房ヒータ60が通電されていれば停止すると共に、ダンパー駆動モータ55が駆動されて循環・換気切替ダンパー551が循環側に移動する。また、循環ファン駆動モータ53が駆動されて循環ファン531が高速に回転する。
「涼水ミスト」ボタン43cbは、ミストサウナや入浴中において、クールダウンするために涼感ゾーンに強制的に涼水ミストを最大量噴出させるためのボタンである。「涼水ミスト」ボタン43cbを押下すると、ポンプ駆動モータ54が最大回転してミストポンプ541が駆動され、メインバルブ56及び冷ミストバルブ58が開かれて浴室内の予め決定されている涼感ゾーンに涼水ミストが最大量噴出される。
「足水給水」ボタン43ccは、浴槽内へ常温の水もしくは、予め決定された低温の温度の水を足元が浸かる程度の20センチ程度給水するためのボタンである。このボタンを押下すると、給水・給湯装置52から浴槽へ給水され、浴槽をクールダウン空間として利用することができる。これは、スポーツ後などで足の疲れを癒す為に冷却したり、ミストサウナ入浴中に浴槽側で一時的にクールダウンしたりする際に足元を冷やして強い涼感を与えるために使用されることを想定しているものである。
「エスケープモード」ボタン43cdは、本実施形態のポイントとなる操作ボタンであり、このボタンは、ミストサウナ中に限って使用できるものであり、それ以外の時に操作されても受け付けないように構成されている。「ミストサウナ」ボタン43beが操作された状態では、浴槽内全体が発汗ゾーンとして構築されているが、「エスケープモード」ボタン43cdを押下することで予め設定された涼感ゾーンに対して涼感流体CFの送り出しが予め決定された仕様に基づいて開始される。これによって、ミストサウナ入浴者が、息苦しくなったり、暑くなったりしたときに浴槽を出ることなく快適にクールダウンが図れ、発汗ゾーンと涼感ゾーンを移動することで待ち時間や移動の苦労なくサイクル入浴を楽しむことができ、快適に長時間の発汗を行え、美肌や健康の促進を図ることができるものである。
「頭寒足熱モード」ボタン43ceも、ミストサウナ中に限って使用できるものであり、それ以外の時に操作されても受け付けないように構成されている。「ミストサウナ」ボタン43beが操作された状態では、浴槽内全体が発汗ゾーンとして構築されているが、この「頭寒足熱モード」ボタン43ceを押下することで予め決定されている発汗ゾーンにおける入浴者の頭部があると思われる領域に涼感流体CFを送り出すものである。涼感流体としては、涼風を想定している。これに変えて、温ミストを頭部領域から一時的に退避させるようなことであっても良いものである。いずれにしてもこの頭寒足熱モードは、ミストサウナ入浴者が息苦しいと感じたときに一時的に顔だけでも退避したいと思ったときに使用することを想定しており、「エスケープモード」ボタン43cdを押下する場合が息苦しさよりも暑いと感じている状態で、クールダウン要求の程度が頭寒足熱モードの方が軽いと想定しているものである。エスケープモード、頭寒足熱モードを使い分けることで一層快適なミストサウナ入力が行えるものである。
「露天風呂モード」ボタン43cfは、ミストサウナ中だけでなく、いつでも使用できるように構成されているものである。「露天風呂モード」ボタン43cfは、湯船に浸かっている入浴者が使用することを想定しているものであって、湯船入浴中において、露天風呂のように頭部が涼しく感じられるように浴槽側の空間に対して涼感流体CFを噴出させるものである。涼感流体CFとしては、涼水ミストを想定している。これによって、頭がのぼせることなく快適に入浴を行えるものである。
ミスト操作領域43dには、「ミスト感」ボタン43daと、「涼感」ボタン43dbと、「風速」ボタン43dcと、「風向き」ボタン43dd,43deとが設けられている。
「ミスト感」ボタン43daは、「上」側を押下すると浴室内の温度を高めるとともに、相対湿度も高めるようにミスト量を増やし、「下」側を追押下すると浴室内の温度を下げるとともに、相対湿度が下がる為ミスト量を減らすように構成されている。この「ミスト感」ボタン43daを操作することで表示パネル43aのHOT側の温度表示が連動して上下するように構成されている。
「涼感」ボタン43dbは、涼感ゾーンにおける清涼感を増減させるためのボタンである。「涼感」ボタン43dbの「上」側を押下すると涼感程度を強める為に涼感ゾーンの涼感流体CFの温度を下げ、涼感流体CFが涼水ミストの場合であればミスト粒径を大きくするように制御される。また、涼感流体CFの噴出量を強めるような対策も取られ、これらによって、涼感程度が強く感じられるように制御される。反対に「下」側を押下すると涼感ゾーンの清涼感が低下するように上記と反対の制御が行われる。また、この「涼感」ボタン43dbを操作することで表示パネル43aのCOOL側の温度表示が連動して上下するように構成されている。
「風速」ボタン43dcは、暖房風や涼風の噴出し速度を変更するためのボタンである。「風速」ボタン43dcの「高」側を押下すると風速が高くなり、「低」側を押下すると風速が低くなる。
「風向き」ボタン43dd,43deは、発汗ゾーンに対する風向と範囲を独立して変更する発汗側十字ボタンである「風向き」ボタン43ddと、涼感ゾーンに対する風向と範囲を独立して変更する涼感側十字ボタンである「風向き」ボタン43deとに分けて設けられており、暖房風や涼風の噴出し方向を変えるためのボタンである。発汗側の「風向き」ボタン43ddを押下すると、発汗ゾーン側可動ルーバー用モータ50が回転し、発汗ゾーン側可動ルーバー501が駆動される。涼感側の「風向き」ボタン43deを押下すると、涼感ゾーン側可動ルーバー用モータ51が回転し、涼感ゾーン側可動ルーバー511が駆動される。
浴室内リモコン43には浴室操作パネル431の裏側に詳細設定パネルが設けられている。図15に詳細設定パネル432の例を示す。図15に示す例は、エスケープモードにおける詳細設定パネル432の状態を示した図である。詳細設定パネル432は、図19に示すように設定画面432aと、操作キー432bとが設けられている。
図15に示すように、エスケープモードにおける詳細設定パネル432では、大項目として「涼感条件設定」「涼感ゾーンの構築条件設定」「分離形態」が設定可能なように表示されている。
「涼感条件設定」には、「AUTO」と「マニュアル設定」との二つの条件が設けられている。「AUTO」では、涼感ゾーンに対する涼感程度と、発汗ゾーンに対するミスト環境の維持を自動に最適化するものであるが、AUTO設定でもその程度を変更できるように「発汗ゾーンの温度維持優先」か「涼感ゾーンの涼感優先」かが選択できる。これは、涼感ゾーンを形成するに当たり、涼感流体CFを送り出すと、ゾーン分離制御を行っても必然的に発汗ゾーンの温度が降下してしまうことに起因する。涼感を得たいという要求と、次にサイクル入浴のために発汗ゾーンに入った場合における発汗ゾーンのミスト環境を最適に保っておきたいという相反する要求とを如何にしておきたいかという程度を使用者の要求に合わせられるようにしているものである。
「発汗ゾーンの温度維持優先」を選択すると、発汗ゾーンの温度が下がらず、涼感ゾーンから発汗ゾーンに戻って来た際に待つことなく快適なミストサウナ浴ができるようにすることを優先するものであって、CPU40が暖房ヒータ60,61,62に通電し、温度を高めるようにしているとともに、涼感流体CFの温度を高めに、かつ涼感流体CFの送り出し量を少なくしている。一方、「涼感ゾーンの涼感優先」を選択すると、発汗ゾーンの温度が若干低下し、快適なミスト環境になるまで若干の時間を必要としても涼感ゾーンにおける涼感をより最適に得ることができるようにCPU40が暖房ヒータ60,61,62への通電を抑制する一方で、所定期間温ミストの噴霧を停止したり、涼感流体の温度を下げかつ噴出量も多くなるように制御している。
「マニュアル設定」では、涼感を得る程度や制御内容を好みの嗜好に合わせて細かく設定するものであって、「エスケープモード」ボタン43cdを操作した際に設定内容に沿って制御されるようにするものである。内容的には、「涼感媒体設定」「涼風設定」「自動湯/水張り設定」が設定可能なように構成されている。「涼感媒体設定」では、涼感ゾーンに対する涼感流体CFが、「涼風+涼水ミスト」か「涼水のみ」か「涼風のみ」かが選択可能なように構成されている。「涼風設定」では、「エアコン駆動」か「外気導入」か「洗面所空気導入」か「浴室内空気循環」かが設定可能なように構成されている。先の物ほど涼感程度が強いものである。
「エアコン駆動」とは、浴室に設けられた冷凍機を駆動して強制的に冷却された冷風を送り込む設定である。「外気導入」とは、屋外の空気を導入して涼風を送り込む設定である。「洗面所空気導入」とは、洗面所側の空気をダクトを介して導入して涼風を送り込む設定である。「浴室内空気循環」とは、浴室内の空気を循環させて涼風を送り込む設定である。
「自動湯/水張り設定」では、「ON」か「OFF」かが選択可能なように構成されている。「ON」では、エスケープモード時に自動的に浴槽内に足元が浸かる20センチ程度の「湯」か「水」を張るように制御されるものであって、湯を張るか水を張るかを好みに応じて自由に選択可能なように構成されている。「湯」を選択すると、CPU40は給水・給湯装置52に湯を張るように指示信号を出力する。「水」を選択すると、CPU40は給水・給湯装置52に水を張るように指示信号を出力する。
「涼感ゾーンの構築条件設定」では、「常時構築」か「自動サイクル構築」か「マニュアル設定時構築」かが選択可能なように構成されている。
「常時構築」を選択すると、発汗ゾーンに対して涼感ゾーンが常に構築されるようにCPU40が制御を行う。「自動サイクル構築」を選択すると、設定したサイクル数で発汗ゾーンに対して予め設定されたエリアに涼感ゾーンが設定された時間だけ自動的に形成されるようにCPU40が制御を行う。サイクルの設定は、「発汗時間」「涼感時間」「発汗サイクル数」の設定により行うことができ、設定された発汗時間後に、涼感ゾーンを構築開始し、設定された涼感時間だけ涼感ゾーンを構築して、涼感ゾーンを消失させるように制御するもので、このサイクルを設定された発汗サイクル数だけ行うものである。
「マニュアル設定時構築」を選択すると、入浴者の操作に応じて涼感ゾーンが形成されるようにCPU40が制御を行う。「マニュアル設定時構築」では、「ON/OFF方式」と「ON後所定時間涼感ゾーン構築」とが設定可能である。「ON/OFF方式」は、入浴者の操作に応じて涼感ゾーンの構築を行い、またその構築を解除する方式である。「ON後所定時間涼感ゾーン構築」は、入浴者の操作に応じて設定された時間(図19においては1分間)涼感ゾーンの構築を行い、その時間の経過後に構築を解除する方式である。
「分離形態」では、「3ゾーン分離」か「2ゾーン分離」かが選択可能なように構成されている。「分離形態」ではまた、2ステップの涼感ゾーン形成か、1ステップの涼感ゾーン形成かが選択可能なように構成されている。
「3ゾーン分離」とは、図5の(c)を参照しながら説明した涼感ゾーンの形成態様であり、発汗ゾーンと涼感ゾーンとの間に中間ゾーンを設けるものである。「2ゾーン分離」とは、発汗ゾーンと涼感ゾーンとに分離するものである。
2ステップの涼感ゾーン形成とは、図2の(b)を参照しながら説明したように、「エスケープモード」ボタン43cdを一回押すと温ミストHMの噴出を絞るミスト退避モードとなり、2回ボタンを押すと始めて涼感流体CFを噴出するモードに遷移するものである。1ステップの涼感ゾーン形成とは、「エスケープモード」ボタン43cdを一度押すと涼感流体CFの噴出を即座に開始するものである。クールダウンに対する嗜好と、発汗ゾーンの環境維持の観点から選択設定されることを想定している。
図12に戻り、第1水温センサー44は、冷ミストバルブ58側の水温を測定するためのセンサーである。第2水温センサー45は温ミストバルブ57側の水温を測定するためのセンサーである。
発汗ゾーン側温度センサー46は、予め定められている発汗ゾーン側の温度を測定するためのセンサーである。発汗ゾーン側温度センサー46は、発汗ゾーンが浴槽側に設けられている場合は浴槽近傍に、発汗ゾーンが洗い場側に設けられている場合は洗い場近傍にそれぞれ配置されている。
涼感ゾーン側温度センサー47は、予め定められている涼感ゾーン側の温度を測定するためのセンサーである。涼感ゾーン側温度センサー47は、涼感ゾーンが浴槽側に設けられている場合は浴槽近傍に、涼感ゾーンが洗い場側に設けられている場合は洗い場近傍にそれぞれ配置されている。
浴室湿度センサー48は、浴室内の湿度を測定するためのセンサーであり、浴室内に設置されている。洗面所湿度センサー49は、洗面所内の湿度を測定するためのセンサーであり、洗面所内に設置されている。
第1水温センサー44、第2水温センサー45、発汗ゾーン側温度センサー46、涼感ゾーン側温度センサー47、浴室湿度センサー48、及び洗面所湿度センサー49から出力される測定信号はCPU40に出力される。
発汗ゾーン側可動ルーバー用モータ50は、予め定められている発汗ゾーン側に対応して設置されている発汗ゾーン側可動ルーバー501を駆動するためのモータである。涼感ゾーン側可動ルーバー用モータ51は、予め定められている発汗ゾーン側に対応して設置されている涼感ゾーン側可動ルーバー511を駆動するためのモータである。発汗ゾーン側可動ルーバー用モータ50及び涼感ゾーン側可動ルーバー用モータ51は、CPU40からの指示信号に基づいて回転する。
給水・給湯装置52は、浴槽への給水及び給湯を行うための装置である。給水・給湯装置52は、CPU40からの指示信号に応じて浴槽への給水及び給湯を行う。
循環ファン駆動モータ53は、循環ファン531を駆動するためのモータである。循環ファン531は、浴室空調機本体10内に設けられているファンであって、浴室内へ空気を送出する。循環ファン駆動モータ53は、CPU40からの指示信号に基づいて回転する。
ポンプ駆動モータ54は、ミストポンプ541を駆動するためのモータである。ミストポンプ541は、メインバルブ57と温ミストバルブ58及び冷ミストバルブ59との間に設けられており、温ミストバルブ58及び冷ミストバルブ59に向けて水圧を上昇させている。ポンプ駆動モータ54は、CPU40からの指示信号に基づいて回転する。
ダンパー駆動モータ55は、循環・換気切替ダンパー551を駆動するためのモータである。ダンパー駆動モータ55の回転に応じて、循環・換気切替ダンパー551が浴室空調機本体10内の空調路を循環側と換気側とで切り替わるように構成されている。ダンパー駆動モータ55は、CPU40からの指示信号に基づいて回転する。
メインバルブ56は、浴室ミストサウナ装置MSの配管路において、水道元栓とミストポンプ541との間に配置されるバルブである。メインバルブ56は、CPU40からの指示信号に基づいて開閉動作を行う。
温ミストバルブ57は、浴室ミストサウナ装置MSの配管路において、ミストポンプ541と温ミストノズル(図12においては明示しない)との間に配置されるバルブである。温ミストバルブ57は、CPU40からの指示信号に基づいて開閉動作を行う。
冷ミストバルブ58は、浴室ミストサウナ装置MSの配管路において、ミストポンプ541と冷ミストノズル(図12においては明示しない)との間に配置されるバルブである。冷ミストバルブ58は、CPU40からの指示信号に基づいて開閉動作を行う。
排水バルブ59は、浴室ミストサウナ装置MSの配管路において、温ミストバルブ57と温ミストノズル(図12においては明示しない)との間から分岐される管路及び冷ミストバルブ58と冷ミストノズル(図12においては明示しない)との間から分岐される管路に設けられているバルブである。排水バルブ59は、CPU40からの指示信号に基づいて開閉動作を行う。
暖房ヒータ60,61,62は、浴室空調機本体10内の空調路において、吹き出し口近傍に配置されているヒータである。スイッチ601,611,621は、暖房ヒータ60,61,62への通電を制御するスイッチである。スイッチ601,611,621は、CPU40からの指示信号に基づいて通電制御を行う。
ミストヒータ63は、浴室ミストサウナ装置MSの配管路において、温ミストバルブ57と温ミストノズル(図12においては明示しない)との間に配置されるヒータである。スイッチ631は、ミストヒータ63への通電を制御するスイッチである。スイッチ631は、CPU40からの指示信号に基づいて通電制御を行う。
引き続いて、浴室ミストサウナ装置MSの配管状態を図16を参照しながら説明する。図16は、浴室ミストサウナ装置MSの配管図である。図16に示すように、水道に接続された上流側から順に、メインバルブ56、ミストポンプ541が接続されている。ミストポンプ541の先は温水側と冷水側に管路が分岐している。
冷水側の管路には、上流側から順に、冷ミストバルブ58、第1水温センサー44、冷ミストノズル72が接続されている。第1水温センサー44は、冷ミストバルブ58からミストノズル72に至る管路の水温を測定している。ミストノズル72は、涼感ゾーンに向けて涼水ミストを噴出している。
冷ミストバルブ58とミストノズル72との間の管路には冷却手段70を設けることも好ましい。冷却手段70を設けることにより、冷水側の管路を流れる水を快適な温度まで冷却することができる。
ミストノズル72には、粒径変更手段75やノズル噴出方向変更手段76を設けることも好ましい。粒径変更手段75は、ミストノズル72から噴出される涼水ミストの粒径を変更するためのものである。粒径変更手段75の具体例としては、ミストノズル72へ供給する水の単位時間当たりの流量を増加させる加圧装置や、ミストノズル72の噴口の開口面積を変更する装置といったものが例示される。
ノズル噴出方向変更手段76は、ミストノズル72の噴出方向を変更するためのものである。ノズル噴出方向変更手段76の具体例としては、ミストノズル72の駆動するアクチュエータが例示される。
温水側の管路には、上流側から順に、温ミストバルブ57、ミストヒータ63、第2水温センサー45、ミストノズル73,74が接続されている。ミストヒータ63は、温ミストバルブ57からミストノズル73,74に至る管路の水を加温している。第2水温センサー45は、温ミストバルブ57からミストノズル73,74に至る管路の水温を測定している。ミストノズル73,74は、発汗ゾーンに向けて温ミストを噴出している。
ミストノズル73,74から噴出される温ミストの温度は、ミストヒータ63による加熱温度によって調整することが可能である。従って、ミストヒータ63による加温を行わずにミストノズル73,74からミストを噴出することも可能である。これにより、ミストノズル73,74から噴出されるミストを温ミストと涼水ミストのサイクル噴出とすることができる。
冷水側の管路の途中と、温水側の管路の途中から分岐して排水管路が設けられている。排水管路には、排水バルブ59が設けられている。排水バルブ59の先の排水管路はドレーン71に繋がっている。
引き続いて、浴室ミストサウナ装置MSの配管状態の変形例を図17及び図18を参照しながら説明する。図17は、浴室ミストサウナ装置MSの第一の変形例における配管図である。図17に示すように、水道に接続された上流側から順に、メインバルブ56、ミストポンプ541が接続されている。ミストポンプ541の先は第1管路側と第2管路側とに管路が分岐している。
第1管路側には上流側から順に、ミストヒータ63、第1ミストバルブ77、ミストノズル73,74が接続されている。第2管路側には第2ミストバルブ78が接続されている。第2管路は、第1管路の第1ミストバルブ77とミストノズル73,74との間に接続されている。従って、第2管路は、ミストノズル73,74に向けてミストヒータ63を経由しないバイパス管路として機能している。
第1管路のミストヒータ63と第1ミストバルブ77との間からは第3管路が分岐している。第3管路には上流側から順に、第3ミストバルブ79、ミストノズル72が接続されている。
第1管路の途中と、第3管路の途中から分岐して排水管路が設けられている。排水管路には、排水バルブ59が設けられている。排水バルブ59の先の排水管路はドレーン71に繋がっている。
図17に示す構成の場合、ミストヒータ63に通電しながら、第1ミストバルブ77及び第3ミストバルブ79を開き、第2ミストバルブ78を閉じると、ミストノズル72,73,74からは温ミストが噴出する。一方、ミストヒータ63に通電しながら、第1ミストバルブ77及び第3ミストバルブ79を開き、第2ミストバルブ78も開くと、ミストノズル72からは温度の高い温ミストが、ミストノズル73,74からは温度の低い温ミストがそれぞれ噴出する。また、ミストヒータ63に通電せずに第1ミストバルブ77及び第3ミストバルブ79を開くと、ミストノズル72,73,74からは涼水ミストが噴出する。
引き続いて、図18は、浴室ミストサウナ装置MSの第二の変形例における配管図である。図18に示すように、水道に接続された上流側から順に、メインバルブ56、ミストポンプ541が接続されている。ミストポンプ541の先は第1管路側と第2管路側とに管路が分岐している。
第1管路側には上流側から順に、ミストヒータ63a、第1ミストバルブ80、ミストノズル73,74が接続されている。第2管路側には上流側から順に、ミストヒータ63b、第2ミストバルブ81、ミストノズル72が接続されている。
第1管路の途中と、第2管路の途中から分岐して排水管路が設けられている。排水管路には、排水バルブ59が設けられている。排水バルブ59の先の排水管路はドレーン71に繋がっている。
図18に示す構成の場合、ミストヒータ63aのみに通電しながら、第1ミストバルブ80及び第2ミストバルブ81を開くと、ミストノズル72からは涼水ミストが、ミストノズル73,74からは温ミストが噴出する。一方、ミストヒータ63bのみに通電しながら、第1ミストバルブ80及び第2ミストバルブ81を開くと、ミストノズル72からは温ミストが、ミストノズル73,74からは涼水ミストが噴出する。ミストノズル72,73,74から噴出するミストの温度は、ミストヒータ63a,63bそれぞれへの通電状態を制御することで調整することができる。
引き続いて、浴室ミストサウナ装置MSを構成する浴室空調機本体10について図19,20,21を参照しながら説明する。図19は、浴室空調機本体10の内部構成を模式的に示した図である。図20は、図19の暖房ヒータ60,61,62近傍を示す図であって、図19の矢印A側から見た図である。図21は、図19の暖房ヒータ60,61,62近傍を示す図であって、図19の矢印B側から見た図である。
浴室空調機本体10は、風路部分101と、カバー部分102とを備えている。風路部分101は、第1風路部分101a、第2風路部分101b、第3風路部分101cが繋がっている。第1風路部分101a、第2風路部分101b、及び第3風路部分101cは、互いに90度の角度を成すように繋がっている。従って、第1風路部分101aから吸い込まれる空気の方向と、第3風路部分101cから噴出する空気の方向は互いに180度の角度を成している。
第1風路部分101aと第2風路部分101bとが繋がる部分の近傍には、循環ファン531が設けられている。循環ファン531は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転する循環ファン駆動モータ53によって駆動される(図12参照)。
第2風路部分101bと第3風路部分101cとが繋がる部分には換気風路101dが繋がっている。換気風路101dと第2風路部分101b及び第3風路部分101cとの間には、循環・換気切替ダンパー551が設けられている。循環・換気切替ダンパー551は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転するダンパー駆動モータ55によって駆動される(図12参照)。
第3風路部分101cの終端部分には、暖房ヒータ60,61,62が取り付けられている。暖房ヒータ60,61,62は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて開閉するスイッチ601,611,621によって通電状態が制御される。
カバー部分102は、風路部分101を覆うように取り付けられている。カバー部分102は風路部分101を覆うと共に、浴室ユニットBRの天井部材24における平坦な天井部分241(図1参照)との間に所定の隙間を確保した状態で取り付けられている。従って、風路部分101に取り付けられている循環ファン531が回転すると、カバー部分102と天井部分241との隙間から空気が吸い込まれる。
カバー部分102の、第3風路部分101cに対応する部分には、開口部102aが形成されている。この開口部102aには、発汗ゾーン側可動ルーバー501が二つと、涼感ゾーン側可動ルーバー511が一つ設けられている。一対の発汗ゾーン側可動ルーバー501は、暖房ヒータ61,62の直下に取り付けられている。涼感ゾーン側可動ルーバー511は、暖房ヒータ60の直下に取り付けられている。
一対の発汗ゾーン側可動ルーバー501の近傍には、ミストノズル73,74が設けられている。涼感ゾーン側可動ルーバー511の近傍には、ミストノズル72が設けられている。ミストノズル72とミストノズル73,74とは、開口部102aを挟んで反対側に取り付けられている。従って、ミストノズル72のミスト噴出方向と、ミストノズル73,74のミスト噴出方向とは互いに逆方向になるように構成されている。
図19,20,21に示す浴室空調機本体10においては、発汗ゾーンを形成する場合には暖房ヒータ60,61,62に通電した状態で循環ファン531を回転させて、温風を浴室内に送出する。この温風送出に併せて、ミストノズル73,74から温ミストを噴出して浴室内をミストサウナ空間とする。発汗ゾーンを形成する場合には、発汗ゾーン側可動ルーバー501のみならず、涼感ゾーン側可動ルーバー511も発汗ゾーン側に向けている。
一方、涼感ゾーンを形成する場合には、暖房ヒータ60への通電を停止し、涼風を送出する。この涼風送出に併せて、ミストノズル72から涼水ミストを噴出する。この涼感ゾーンの形成においては、涼感流体CFとして、涼水ミストのみを送り出すことも好ましい。涼感流体CFとしてどのような態様を採用するかは、図15を参照しながら説明したように、浴室操作リモコン43における詳細設定による。
引き続いて、浴室空調機本体10の第1の変形例を図22に示す。図22は、第1の変形例としての浴室空調機本体10aの内部構成を模式的に示した図である。図22に示す浴室空調機本体10aは、風路部分103と、カバー部分104とを備えている。風路部分103は、第1風路部分103a、第2風路部分103b、第3風路部分103c、第4風路部分103d、第5風路部分103eが繋がっている。
第1風路部分103a、第2風路部分103b、及び第3風路部分103cは、互いに90度の角度を成すように繋がっている。従って、第1風路部分103aから吸い込まれる空気の方向と、第3風路部分103cから噴出する空気の方向は互いに180度の角度を成している。
第4風路部分103d及び第5風路部分103eは、第1風路部分103a、第2風路部分103b、及び第3風路部分103cとは独立して設けられている。第4風路部分103d及び第5風路部分103eは、互いに90度の角度を成すように繋がっている。第5風路部分103eは第1風路部分103aと沿うように設けられており、第5風路部分103eの端部と第1風路部分103aの空気を取り入れる入口とが互いに隣接するように配置されている。
第1風路部分103aと第2風路部分103bとが繋がる部分の近傍には、循環ファン531が設けられている。循環ファン531は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転する循環ファン駆動モータ53によって駆動される(図12参照)。
第2風路部分103bと第3風路部分103cとが繋がる部分には換気風路103fが繋がっている。換気風路103fと第2風路部分103b及び第3風路部分103cとの間には、循環・換気切替ダンパー551が設けられている。循環・換気切替ダンパー551は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転するダンパー駆動モータ55によって駆動される(図12参照)。
第3風路部分103cの終端部分には、暖房ヒータ60,61,62が取り付けられている。暖房ヒータ60,61,62は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて開閉するスイッチ601,611,621によって通電状態が制御される。
第4風路部分103d内には涼風ファン531aが設けられている。涼風ファン531aは循環ファン531と同様に、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転する循環ファン駆動モータ53aによって駆動される。更に、第4風路部分103d内には、循環・換気切替ダンパー551aが設けられている。循環・換気切替ダンパー551aは、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転するダンパー駆動モータ55aによって駆動される。
図23に、第4風路部分103dが洗面所DRの天井に接続されている様子を示す。換気風路103fは、浴室ユニットBRが設置されている家屋の外部と換気可能なように接続されていることも好ましい。第4風路部分103dはまた、浴室ユニットBRに隣接する洗面室DRと換気可能なように接続されていることも好ましい。第4風路部分103dは、洗面所DRに設けられているエアコンACから噴出される涼風や温風を吸い込むことが可能が位置に設けられている。
図22に戻り、カバー部分104は、風路部分103を覆うように取り付けられている。カバー部分104は風路部分103を覆うと共に、浴室ユニットBRの天井部材24における平坦な天井部分241(図1参照)との間に所定の隙間を確保した状態で取り付けられている。従って、風路部分103に取り付けられている循環ファン531が回転すると、カバー部分104と天井部分241との隙間から空気が吸い込まれる。
カバー部分104の、第1風路部分103aに対応する部分には、開口部104aが形成されている。カバー部分104の、第3風路部分103cに対応する部分には、開口部104bが形成されている。この開口部104bには、3つの発汗ゾーン側可動ルーバー501が設けられている。3つの発汗ゾーン側可動ルーバー501は、暖房ヒータ60,61,62の直下に取り付けられている。
カバー部分104の、第5風路部分103eに対応する部分には、開口部104cが形成されている。この開口部104cには、涼感ゾーン側可動ルーバー511が設けられている。
3つの発汗ゾーン側可動ルーバー501の内の2つの発汗ゾーン側可動ルーバー501の近傍には、ミストノズル73,74が設けられている。涼感ゾーン側可動ルーバー511の近傍には、ミストノズル72が設けられている。ミストノズル72とミストノズル73,74とは、開口部104a,104b,104cを挟んで反対側に取り付けられている。従って、ミストノズル72のミスト噴出方向と、ミストノズル73,74のミスト噴出方向とは互いに逆方向になるように構成されている。
図22に示す浴室空調機本体10aにおいては、発汗ゾーンを形成する場合には暖房ヒータ60,61,62に通電した状態で循環ファン531を回転させて、温風を浴室内に送出する。この温風送出に併せて、ミストノズル73,74から温ミストを噴出して浴室内をミストサウナ空間とする。
一方、涼感ゾーンを形成する場合には、涼風ファン531aを回転させて、涼風を送出する。この涼風送出に併せて、ミストノズル72から涼水ミストを噴出することも好ましい。浴室空調機本体10aでは、温風を送出する風路と涼風を送出する風路とが独立して設けられているので、温風と涼風とをそれぞれの要求に合わせてファン回転量を変更でき、より効率的に発汗ゾーンと涼感ゾーンとを形成できる。涼感ゾーンの形成に際しては、第4風路部分103dから流入させる空気量とほぼ同じ空気量かもしくは若干多めの空気量を、換気風路103fを通って換気させている。これは、浴室内に外気や隣室(洗面所)からの空気を取り込むと、浴室内の空気圧が高くなり浴室扉のガラリから浴室内空気が隣室(洗面所)に向けて噴出してしまうことを防止するためである。
図24に、浴室空調機本体10aを設置した例を示す。図24に示すように、浴槽BT側を涼感ゾーンとし、洗い場側を発汗ゾーンとするように浴室空調機本体10aを設置する。このように設置すると、涼風CWも温風HWも浴室の側壁に沿って循環する。涼風CWは浴槽BTの側壁内側に沿って上昇し、温風HWは浴槽BTの側壁外側に沿って上昇する。従って、浴室ユニットBR内を循環した涼風CW及び温風HWが開口部104aから効率よく吸引できる。これによって、温風と涼風の気流が浴槽に沿って並行して綺麗に流れる為、二つの気流が混ざり合うのを抑制でき、発汗ゾーン、涼感ゾーンを最適に形成できる。
引き続いて、浴室空調機本体10の第2の変形例を図25,26に示す。図25は、第2の変形例としての浴室空調機本体10bの内部構成を模式的に示した図である。図26は、図25において図面下方から浴室空調機本体10bを見た図である。
図25,26に示す浴室空調機本体10bは、風路部分105と、カバー部分106とを備えている。風路部分105は、第1風路部分105a、第2風路部分105b、第3風路部分105c、第4風路部分105dが繋がっている。
第1風路部分105a、第2風路部分105b、及び第3風路部分105cは、互いに90度の角度を成すように繋がっている。従って、第1風路部分105aから吸い込まれる空気の方向と、第3風路部分105cから噴出する空気の方向は互いに180度の角度を成している。
第4風路部分105dは、第2風路部分105bに繋がっており、第3風路部分105cと並行して設けられている。第4風路部分105dは第3風路部分105cと沿うように設けられており、第4風路部分105dの端部と第3風路部分105cの端部とが互いに隣接するように配置されている。
第1風路部分105aと第2風路部分105bとが繋がる部分の近傍には、循環ファン531が設けられている。循環ファン531は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転する循環ファン駆動モータ53によって駆動される(図12参照)。
第2風路部分105bと第3風路部分105cとが繋がる部分には換気風路105eが繋がっている。換気風路105eと第2風路部分105b及び第3風路部分105cとの間には、循環・換気切替ダンパー551が設けられている。循環・換気切替ダンパー551は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転するダンパー駆動モータ55によって駆動される(図12参照)。
第3風路部分105cの終端部分には、暖房ヒータ60,61,62が取り付けられている。暖房ヒータ60,61,62は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて開閉するスイッチ601,611,621によって通電状態が制御される。
第4風路部分105dの第2風路部分105b側の端部には、涼風ダンパー551bが設けられている。涼風ダンパー551bは、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転するダンパー駆動モータ55bによって駆動される。涼風ダンパー551bは、エスケープモードボタン43cd(図14参照)が押下されてエスケープモードがONされると開放されて、涼感ゾーンに涼風が噴出される。一方、再度エスケープモードボタン43cdが押下されてエスケープモードがOFFされると、涼風ダンパー551bは閉じられて、涼感ゾーンの形成が解除される。第4風路部分105d内においては、冷凍機85によって空気の冷却が可能なように構成されてもよい。
カバー部分106は、風路部分105を覆うように取り付けられている。カバー部分106は風路部分105を覆うと共に、浴室ユニットBRの天井部材24における平坦な天井部分241(図1参照)との間に所定の隙間を確保した状態で取り付けられている。従って、風路部分105に取り付けられている循環ファン531が回転すると、カバー部分106と天井部分241との隙間から空気が吸い込まれる。
カバー部分106の、第1風路部分105aに対応する部分には、開口部106aが形成されている。開口部106aには、3つの発汗ゾーン側可動ルーバー501が設けられている。3つの発汗ゾーン側可動ルーバー501は、暖房ヒータ60,61,62の直下に取り付けられている。
カバー部分106の、第4風路部分105dに対応する部分には、開口部106bが形成されている。この開口部106bには、涼感ゾーン側可動ルーバー511が設けられている。
3つの発汗ゾーン側可動ルーバー501の内の2つの発汗ゾーン側可動ルーバー501の近傍には、ミストノズル73,74が設けられている。涼感ゾーン側可動ルーバー511の近傍には、ミストノズル72が設けられている。ミストノズル72とミストノズル73,74とは、開口部106a,106bを挟んで反対側に取り付けられている。従って、ミストノズル72のミスト噴出方向と、ミストノズル73,74のミスト噴出方向とは互いに逆方向になるように構成されている。
図25,26に示す浴室空調機本体10bにおいては、発汗ゾーンを形成する場合には暖房ヒータ60,61,62に通電した状態で循環ファン531を回転させて、温風を浴室内に送出する。この温風送出に併せて、ミストノズル73,74から温ミストを噴出して浴室内をミストサウナ空間とする。
一方、涼感ゾーンを形成する場合には、涼風ダンパー551bを開いて、冷凍機85を作動させながら、涼風を送出する。この涼風送出に併せて、ミストノズル72から涼水ミストを噴出することも好ましい。浴室空調機本体10bでは、涼風を送出する第4風路部分105dが、暖房ヒータ60,61,62をバイパスする形で、温風を送出する第3風路部分105cとは独立して設けられているので、温風と涼風とが混ざり合いにくく、より効率的に発汗ゾーンと涼感ゾーンとを形成できる。また、暖房ヒータ60に通電した状態で涼風を提供できるので、発汗ゾーンの温度維持をより的確に行うことができる。
このように冷凍機85を用いると、涼感ゾーンの形成に際して浴室内に外気や隣室(洗面所)からの空気を取り込む必要がなくなる。上述したように、浴室空調機本体10aでは、外気や隣室(洗面所)からの空気を取り込むため、換気風路103fによる換気が必要となる。一方、この浴室空調機本体10bでは、外気や隣室(洗面所)からの空気を取り込む必要がなく、浴室内の空気量が変化しないため換気を行う必要がない。従って、発汗ゾーンにおける高温の空気を排出することがなく、発汗ゾーンの温度降下を抑制できる。
引き続いて、浴室空調機本体10の第3の変形例を図27に示す。図27は、第3の変形例としての浴室空調機本体10cの内部構成を模式的に示した図である。
図27に示す浴室空調機本体10cは、風路部分107と、カバー部分108とを備えている。風路部分107は、第1風路部分107a、第2風路部分107b、第3風路部分107c、第4風路部分107d、第5風路部分107e、第6風路部分107f、第7風路部分107g、第8風路部分107hを有している。
第1風路部分107a、第2風路部分107b、及び第3風路部分107cは、互いに90度の角度を成すように繋がっている。従って、第1風路部分107aから吸い込まれる空気の方向と、第3風路部分107cから噴出する空気の方向は互いに180度の角度を成している。また、第2風路部分107bと第3風路部分107cとが繋がる部分には、更に第4風路部分107dが繋がっている。
第1風路部分107aと第2風路部分107bとが繋がる部分の近傍には、循環ファン531が設けられている。循環ファン531は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転する循環ファン駆動モータ53によって駆動される(図12参照)。本例の場合、循環ファン531は暖房ファンとして機能している。
第2風路部分107b、第3風路部分107c、及び第4風路部分107dが繋がる部分には、循環・換気切替ダンパー551が設けられている。循環・換気切替ダンパー551は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転するダンパー駆動モータ55によって駆動される(図12参照)。
第3風路部分107cの終端部分には、暖房ヒータ60,61,62が取り付けられている。暖房ヒータ60,61,62は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて開閉するスイッチ601,611,621によって通電状態が制御される。
第5風路部分107e、第6風路部分107f、及び第7風路部分107gは、互いに90度の角度を成すように繋がっている。従って、第5風路部分107eから吸い込まれる空気の方向と、第7風路部分107gから噴出する空気の方向は互いに180度の角度を成している。また、第5風路部分107eと第6風路部分107fとが繋がる部分には、更に第8風路部分107hが繋がっている。
第6風路部分107fと第7風路部分107gとが繋がる部分の近傍には、循環ファン531aが設けられている。循環ファン531aは、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転する循環ファン駆動モータ(図に明示しない)によって駆動される。本例の場合、循環ファン531aは涼風ファンとして機能している。
第5風路部分107e、第6風路部分107f、及び第8風路部分107hが繋がる部分には、涼風ダンパー551bが設けられている。涼風ダンパー551bは、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて回転するダンパー駆動モータ(図に明示しない)によって駆動される。涼風ダンパー551bは、エスケープモードボタン43cd(図14参照)が押下されてエスケープモードがONされると開放されて、涼感ゾーンに涼風が噴出される。一方、再度エスケープモードボタン43cdが押下されてエスケープモードがOFFされると、涼風ダンパー551bは閉じられて、涼感ゾーンの形成が解除される。
第5風路部分107e内には、エアコンAC1が設けられている。エアコンAC1は、浴室ミストサウナ装置MSのCPU40からの指示信号に基づいて、第5風路部分107eを通過する空気の冷却が可能なように構成されている。
カバー部分108は、風路部分107を覆うように取り付けられている。カバー部分108は風路部分107を覆うと共に、浴室ユニットBRの天井部材24における平坦な天井部分241(図1参照)との間に所定の隙間を確保した状態で取り付けられている。従って、風路部分107に取り付けられている循環ファン531aが回転すると、カバー部分108と天井部分241との隙間から空気が吸い込まれる。
カバー部分108の、第1風路部分107aに対応する部分には、開口部108aが形成されている。風路部分107に取り付けられている循環ファン531が回転すると、開口部108aから空気が吸い込まれる。
カバー部分108の、第3風路部分107cに対応する部分には、開口部108bが形成されている。開口部108bには、3つの発汗ゾーン側可動ルーバー501が設けられている。3つの発汗ゾーン側可動ルーバー501は、暖房ヒータ60,61,62の直下に取り付けられている。
カバー部分108の、第7風路部分105gに対応する部分には、開口部108cが形成されている。この開口部108cには、涼感ゾーン側可動ルーバー511が設けられている。
3つの発汗ゾーン側可動ルーバー501の内の2つの発汗ゾーン側可動ルーバー501の近傍には、ミストノズル73,74が設けられている。涼感ゾーン側可動ルーバー511の近傍には、ミストノズル72が設けられている。ミストノズル72とミストノズル73,74とは、開口部108a,108b,108cを挟んで反対側に取り付けられている。従って、ミストノズル72のミスト噴出方向と、ミストノズル73,74のミスト噴出方向とは互いに逆方向になるように構成されている。
図27に示す浴室空調機本体10cにおいては、発汗ゾーンを形成する場合には暖房ヒータ60,61,62に通電した状態で循環ファン531を回転させて、温風を浴室内に送出する。この温風送出に併せて、ミストノズル73,74から温ミストを噴出して浴室内をミストサウナ空間とする。
一方、涼感ゾーンを形成する場合には、涼風ダンパー551bを閉じて、循環ファン531aを回転させ、エアコンAC1を作動させながら、涼風を送出する。この涼風送出に併せて、ミストノズル72から涼水ミストを噴出することも好ましい。浴室空調機本体10cでは、涼風を送出する第5風路部分107e、第6風路部分107f、第7風路部分107gが、暖房ヒータ60,61,62をバイパスする形で、温風を送出する第1風路部分107a、第2風路部分107b、第3風路部分107cとは独立して設けられているので、温風と涼風とが混ざり合いにくく、より効率的に発汗ゾーンと涼感ゾーンとを形成できる。また、暖房ヒータ60に通電した状態で涼風を提供できるので、発汗ゾーンの温度維持をより的確に行うことができる。また、涼風ダンパー551bを開いて、循環ファン531aを回転させると、外気を取り込むこともできる。
続いて、図27に示した浴室空調機本体10cを用いてゾーン分離空調制御を行う場合のタイムチャートを図28に示す。図28においては上から順に、暖房ファンとしての循環ファン531の回転数、暖房ヒータ60,61,62の温度、温ミストの流量、温ミストの粒径、循環・換気切替ダンパー551による循環/換気の切替状態、涼風ファンとしての循環ファン531aの回転数、エアコンAC1の作動状態、涼感ミストの流量、涼感ミストの粒径、涼感ミストの温度、涼風ダンパー551bによる循環/外気の切替状態、発汗ゾーン側可動ルーバー501の作動状態、涼感ゾーン側可動ルーバー511の作動状態を示している。また、それらの作動状況に応じた発汗ゾーンの温度及び涼感ゾーンの温度を示している。
時刻0から時刻t1までは、浴室空間内に発汗ゾーンのみを作るモードで運転している。従って、循環ファン531の回転数は中程度(Mi)、暖房ヒータ60,61,62の温度は中程度(Mi)、温ミストの流量は中程度(Mi)、温ミストの粒径は大径、循環/換気の切替は循環状態、循環ファン531aは停止、エアコンAC1は停止、涼感ミストは噴出停止、涼感ミストの温度は高い状態で維持、循環/外気の切替は循環状態、発汗ゾーン側可動ルーバー501は浴室空間全体に揺動する状態(ミスト状態)、涼感ゾーン側可動ルーバー511は入浴者の顔近傍を向くように比較的高い位置に向いた状態(顔位置)となっている。この場合、発汗ゾーンも涼感ゾーンとなる領域も共に高温状態である。
続いて、時刻t1から時刻t2まで(本例では約1分間)は、浴室空間内に発汗ゾーンと並存させて涼感ゾーンを形成するモードであって、特に強い涼感を与えられるように制御されている。従って、循環ファン531は停止状態(OFF)、暖房ヒータ60,61,62は停止状態(OFF)となっている(図28におけるD部分)。温ミストのは停止状態(OFF)、温ミストの粒径は小径で噴出可能なように保持されている。
循環/換気の切替は循環状態、循環ファン531aの回転数は高程度(Hi)、エアコンAC1は駆動状態(ON)となっている(図28におけるE部分)。尚、エアコンAC1は、時刻t1から時刻t2までの略半分程度の時間で停止するように制御されており、入浴者に必要以上に強い涼感を与えないようにされている。また、エアコンAC1を運転する代わりに、循環/換気の切替を5分の2の換気状態とし、循環/外気の切替を5分の1の外気取り込み状態としてもよい(図28における破線部分)。
涼感ミストは、時刻t1から少し進んだ時刻(予め定められる所定の時間経過後)において噴出が開始される(図28におけるF部分)。涼感ミストの流量は、時刻t1から少し進んだ時刻から時刻t2までにおいて、大流量(Hi)となるように制御される。涼感ミストの粒径は、時刻t1から少し進んだ時刻から時刻t2よりも少し前の時刻までにおいて、大径(Hi)となるように制御されている(図28におけるG部分)。涼感ミストの温度は高い状態で維持された後、涼感ミストの噴出が開始されてから所定の時間経過後であって、時刻t2よりも前の時刻において、温度が低い状態に制御され(図28におけるH部分)、入浴者に過度の刺激を与えないようにされている。
発汗ゾーン側可動ルーバー501は発汗ゾーンに集中する状態(ES状態)、涼感ゾーン側可動ルーバー511は入浴者の顔近傍を向くように比較的高い位置に向いた状態(顔位置)を維持した後、時刻t2の少し前の時刻において広角に涼風を噴出することが可能なように制御される。
続いて、時刻t2から時刻t3までは、涼感を与えつつ浴室空間の温度が下がり過ぎないように制御する期間である。より具体的には、浴室空間の温度は高めるが絶対湿度を下げ、かつ涼風を入浴者に当てることで入浴者の温度境界層を薄くし、これによって入浴者に涼感を与えている。この期間の後半では、相対湿度を下げて気化熱によって涼感を与えている。
循環ファン531は間欠回転状態となっていて、暖房ヒータ60,61,62は循環ファン531の間欠運転に合わせて通電される。間欠運転の間隔は当該時間帯の前半においては比較的開いており、当該時間帯の後半においては比較的狭まっている。また、間欠運転の時間は当該時間帯の前半において比較的短く、当該時間帯の後半においては比較的長くなっている。また、当該時間帯の前半において温ミストは停止状態(OFF)、温ミストの粒径は小径で噴出可能なように保持されているが、当該時間帯の後半において温ミストは間欠噴出される(図28のK部分)。
循環/換気の切替は循環状態で維持される。循環ファン531aの回転数は、時刻t2から少し後の時刻までは高程度(Hi)に維持され、その後中程度(Mi)に落とされる(図28のJ部分)。循環ファン531aの回転数が中程度(Mi)になったのと同調させて、涼感ミストの間欠噴出が開始される(図28のL部分)。エアコンAC1は停止状態(ON)となっている。
涼感ミストの粒径は、中程度の径(Mi)となるように制御されている。涼感ミストの温度は低い状態(Lo)で維持された後、所定時間経過後に高い状態(Hi)となるように制御される。
発汗ゾーン側可動ルーバー501は発汗ゾーンに集中する状態(ES状態)、涼感ゾーン側可動ルーバー511は広角に涼風を噴出することが可能なように制御された後、揺動するように制御される。
続いて、時刻t3から時刻t4までは、発汗ゾーンを再構築する時間帯である。循環ファン531は高回転(Hi)となるように制御され、暖房ヒータ60,61,62にも通電される。また、温ミストは流量大(Hi)で噴出され、温ミストの粒径は小径で噴出可能なように保持されている。
循環/換気の切替は循環状態で維持される。循環ファン531aは停止、エアコンAC1は停止、涼感ミストは噴出停止、涼感ミストの温度は高い状態で維持、循環/外気の切替は循環状態となっている。
発汗ゾーン側可動ルーバー501は、発汗ゾーンに集中した状態から浴室空間全体に揺動する状態(ミスト状態)へと移行するように制御される(図28のM部分)。涼感ゾーン側可動ルーバー511は入浴者の顔近傍を向くように比較的高い位置に向いた状態(顔位置)となっている。
図28に示すタイムチャートでは、発汗ゾーンの温度を単一のゾーン空調制御時(時刻0から時刻t1まで)に比較してゾーン分離空調制御時(時刻t1から時刻t3まで)に低くなるように制御している。これに対して、図36に示すように、発汗ゾーンの温度を単一のゾーン空調制御時(時刻0から時刻t1まで)に比較してゾーン分離空調制御時(時刻t1から時刻t3まで)に高くなるように制御することも好ましい。特に、ゾーン分離空調制御時の後半に温ミストを少量間欠噴出することで、再度単一のゾーン空調制御に戻った際に発汗ゾーンの回復がより円滑になる。
引き続いて、発汗ゾーンと涼感ゾーンを最適に構築するために浴室空調機本体10bから噴出されるミスト及び噴出される空気を如何に工夫してゾーン分離しているかを説明するために、浴室ユニットBR内のミスト及び空気の流れについて、図29,30を参照しながら説明する。図29,30においては、浴槽BT側を涼感ゾーンとし、洗い場側を発汗ゾーンとするようにゾーン分離空調制御を行っている。
まず、図29に示すエスケープモードボタンが操作されていない発汗ゾーンのみを構築する場合においては、温風HWを洗い場側の入浴者Hに向けて噴出するように設定し、温ミストHMは、温風HWよりも上側に噴出し、温風HWに乗るような形で噴出させている。これは、ミストが床にすぐに落下せず、長い時間浮遊するように工夫しているものであってミスト環境が少ないミストで速く整うようにしているものである。また、高温のミストが直接入浴者に当たることによる不快感を抑制する目的もある。また、温風HWは、浴槽BTの側壁BT3よりも洗い場側に向けて噴出している。従って、温ミストHMは、温風HWに乗って洗い場側に送り出される。これにより、洗い場側が発汗ゾーンとなり、ベンチカウンター224に着座している入浴者Hに発汗を促すことができる。
続いて、エスケープモードボタンが操作され、入浴者がクールダウンする涼感ゾーンを構築する場合について図30を用いて説明する。エスケープモードボタンが操作されると、温風HWがより天井側である上側に向くように発汗ゾーン側ルーバーを調整すると共に、浴槽BTに向けて涼水ミストCMと涼風CWとを噴出する。温ミストHMは、温風HWに乗って洗い場側に送り出したが、涼感ゾーン側は強い涼感を与えることができるように、涼水ミストCMを涼風CWの中に入れ込んで送り出している。これにより、涼風CWと共に涼水ミストCMも入浴者Hの体に強く当てることができ、涼感を強く感じさせることができる。
温風HWを上側に変更することで、温ミストHMも温風の影響で上側に変更されていることが見て取れる。このように変更することの目的は、まず、涼風CWと、温風HWを離すことが目的である。これによって、温風HWと涼風CWとが影響し合って発汗ゾーンの温度降下が生じることを抑制し、涼感ゾーン側では涼感程度を強く与えることができる。また、温風HWが浴室ユニットBRの側壁から床に沿って流れ、浴槽BTの側壁BT3の外側に沿って上昇する綺麗な気流が起こるようにしたものである。一方、涼風CWは、浴槽BT内に沿って流れ、浴槽BTの側壁BT3の内側に沿って上昇し、やはり綺麗な気流が起こるようにしたものである。側壁BT3に沿って上昇した温風HW及び涼風CWが、並行した状態で浴室空調機本体10b内に綺麗に吸い込まれるようにしたことで、温風HWと涼風CWが混ざり合わず、また、温ミストHM及び涼水ミストCMが移動して温度が均一化しないように配慮したものである。
続いて、浴槽BT側を発汗ゾーンとし洗い場側を涼感ゾーンとした例を、図31,32を参照しながら説明する。図31,32において説明する例では、浴室空調機本体10bを図29,30とは図中左右反転させて取り付けている。
まず、図31に示すエスケープモードボタンが操作されていない発汗ゾーンのみを構築する場合においては、温風HWを浴槽BT内に向けて噴出するように設定し、温ミストHMは、浴槽BT内にいる入浴者Hの頭上上方に向けて噴出させている。これは、ミストが床にすぐに落下せず、長い時間浮遊するように工夫しているものであってミスト環境が少ないミストで速く整うようにしているものである。また、高温のミストが直接入浴者に当たることによる不快感を抑制する目的もある。これにより浴槽BT側が発汗ゾーンとなり、浴槽BT内の入浴者Hに発汗を促すことができる。
続いて、図32に示すように、温風HWがより上側に向くように発汗ゾーン側ルーバーを調整すると共に、洗い場側に向けて涼水ミストCMと涼風CWとを噴出する。温風HWは、浴槽BT内に沿って流れ、浴槽BT側の浴室ユニットBRの側壁に沿って上昇する。一方、涼風CWは、浴室ユニットBRの側壁及び床に沿って流れ、浴槽BTの側壁BT3の外側に沿って上昇する。浴室ユニットBRの側壁に沿って上昇した温風HW及び浴槽BTの側壁BT3に沿って上昇した涼風CWは浴室空調機本体10b内に吸い込まれる。
また、温風HWは、浴槽BTの側壁BT3よりも洗い場側に向けて噴出している。従って、温ミストHMは、温風HWに乗って洗い場側に送り出される。これにより、洗い場側が発汗ゾーンとなり、ベンチカウンター224に着座している入浴者Hに発汗を促すことができる。
続いて、エスケープモードボタンが操作され、入浴者がクールダウンする涼感ゾーンを構築する場合について図32を用いて説明する。エスケープモードボタンが操作されると、温風HWがより天井側である上側に向くように発汗ゾーン側ルーバーを調整すると共に、洗い場側に向けて涼水ミストCMと涼風CWとを噴出する。涼感ゾーン側は強い涼感を与えることができるように、涼水ミストCMを涼風CWの中に入れ込んで送り出している。これにより、涼風CWと共に涼水ミストCMも入浴者Hの体に強く当てることができ、涼感を強く感じさせることができる。
温風HWを上側に変更することの目的は、まず、涼風CWと、温風HWを離すことが目的である。これによって、温風HWと涼風CWとが影響し合って発汗ゾーンの温度降下が生じることを抑制し、涼感ゾーン側では涼感程度を強く与えることができる。また、涼風CWが浴室ユニットBRの側壁から床に沿って流れ、浴槽BTの側壁BT3の外側に沿って上昇する綺麗な気流が起こるようにしたものである。一方、温風HWは、浴槽BT内に沿って流れ、浴槽BTの側壁BT3とは反対側の側壁の内側に沿って上昇し、やはり綺麗な気流が起こるようにしたものである。浴槽BTの側壁BT3とは反対側の側壁に沿って上昇した温風HW及び浴槽BTの側壁BT3の外側に沿って上昇した涼風CWが、互いに離隔して浴室空調機本体10b内に綺麗に吸い込まれるようにしたことで、温風HWと涼風CWが混ざり合わず、また、温ミストHM及び涼水ミストCMが移動して温度が均一化しないように配慮したものである。
引き続いて、浴室ミストサウナ装置MSを用いたゾーン分離空調制御について説明する。図33は、CPU40によるゾーン分離空調制御(エスケープモード)のフローを示したフローチャートである。図33を参照しながらする説明においては、発汗ゾーンの設定温度を36℃、涼感ゾーンの温度を25℃に設定しており、発汗ゾーンの設定温度維持を優先し、涼感環境は自動設定するものとしている。
まず、涼感ゾーンを形成したか否かのフラグFが立っているか否かを判断する(ステップS01)。このフラグFが1であれば、後に説明するステップS20の処理に進む。このフラグFが0であれば、ステップS02の処理に進む。
続いて、涼感ゾーンの温度や涼水ミストの温度といった設定値を読み込む(ステップS02)。この設定値は、図15を参照しながら説明したように、エスケープモードの詳細設定で設定される設定値である。その後、涼感ゾーンを形成するエスケープモードがONになっているか否かを判断する(ステップS03)。エスケープモードボタン43cd(図14参照)が操作されて、エスケープモードがONになっていなければリターンする。エスケープモードボタン43cd(図14参照)が操作されて、エスケープモードがONになっていれば、ステップS04の処理に進む。
続いて、発汗ゾーンの温度が設定温度(本例では36℃)に基づいた目標温度範囲に入っているか否かを判断する(ステップS04)。発汗ゾーンの温度が目標温度範囲に入っていなければ、まだ十分に発汗ゾーンが構築されておらず、入浴者がクールダウンするためにエスケープモードの操作を行ったとは考えにくく、誤操作である可能性があること、及び発汗ゾーンが完全ではない状態で涼感流体を噴出することはミストサウナ環境の確保面で好ましくない為、エスケープモードの形成が不可であるとの警告を表示する(ステップS05)とともに、エスケープモードの操作を受け付けない。発汗ゾーンの温度が目標温度範囲に入っていれば、ステップS06の処理に進む。
続いて、浴槽BTに設定温度の涼水を注入する(ステップS06)。この涼水の注入は、浴槽BT側が涼感ゾーンとなっている場合に行われる。既に浴槽BTにお湯が張られている場合には、このステップS06はスキップされる。また、浴槽BT側が発汗ゾーンとなっている場合は、ミストの噴霧開始と共にお湯を強制的に20センチ程度張るように制御する。
続いて、涼感ゾーンに向けて循環送風を開始する(ステップS07)。より具体的には、涼風ダンパー551b(図25等参照)を開いて涼風を送りだす。その後、発汗ゾーンの目標温度を上昇させると共に温ミストの粒径を大きくして発汗ゾーンの温度維持を図るようにする。また、温ミストの噴出速度を低下させることで粒径を大きくしたミストが床面に速く落下してミスト感がなくなることを抑制している(ステップS08)。この場合において、最初だけ一時的に温風や温ミストの送出を停止して涼風との混合を抑制して、涼感を強く感じさせることができるようにすることも好ましい。温ミストを噴霧すると温度が均一化しやすいため、涼感ゾーンの構築時は、温風と、温ミストを一時的に停止し、その後温風だけ噴出を再開し、涼感ゾーンの構築を終了する直前あたりで温ミストの噴出を再開するなどすることが涼感ゾーンを最適化するという面では更に好ましい対応となる。
続いて、発汗ゾーン側可動ルーバーを動かして、図30に示したように温風及び温ミストが退避するように制御する(ステップS09)。その後、循環ファン531(図12等参照)の回転数を上昇させる(ステップS10)。これは、クールダウンの初期入浴者が強い涼感を得たいと思っているため、それに答えるための対応であるとともに、涼感ゾーンにある高温の浮遊しているミストを無くして噴出される涼水ミストが高温化されないようにする目的もある。
ステップS10において、循環ファン531の回転数を上昇させた後、5秒経過するか判断する(ステップS11)。これは涼感を得たいと思っているエスケープ開始初期にファン回転を高めて強い涼感を入浴者に与えて高い涼感満足度を与えるようにしたものである。ステップS11において、5秒経過したと判断した後、涼感ゾーンの温度tを涼感ゾーン側温度センサーにより読み込む(ステップS12)。
ステップS11において読み込んだ涼感ゾーンの温度tと、涼感ゾーンの目標温度Ttとの偏差T1を演算する(ステップS13)。続いて、偏差T1が5℃以上あるか否か判断する(ステップS14)。
ステップS14において、偏差T1が5℃以上なかった場合、涼水ミストの噴出を開始する(ステップS15)。ステップS15における涼水ミストの噴出においては、ミストの粒径を中程度にし、ミストの噴出速度を大きくする。これは目標温度との偏差が少なく、入浴者が得たいと思っている涼感程度に対して略近い領域まで既に涼感を得ていると思われるため、涼感フィーリングの最適化と、発汗ゾーンの温度降下を無用に生じさせることがないように、粒径を中程度にしているものである。
ステップS15の涼水ミストの噴出開始後、3秒経過したか否か判断する(ステップS16)。3秒経過しない場合はステップS15の処理を継続し、3秒経過した場合は涼感ゾーンを形成したか否かのフラグFを1に設定する(ステップS19)。
ステップS14において、偏差T1が5℃以上であった場合、涼水ミストの噴出を開始する(ステップS17)。ステップS17における涼水ミストの噴出においては、ミストの粒径を大きくし、ミストの噴出速度も大きくする。これは、まだ、目標温度との偏差が大きいことから入浴者の涼感満足度はまだ不十分であると判断し、強い涼感を得られるように粒径を大きくしているものである。なお、粒径が大きいほど雰囲気温度によって高温化されることを抑制できるため、入浴者に触れた際にも冷たく感じさせることができるものである。
ステップS17の涼水ミストの噴出開始後、5秒経過した否か判断する(ステップS18)。5秒経過しない場合はステップS17の処理を継続し、5秒経過した場合は涼感ゾーンを形成したか否かのフラグFを1に設定する(ステップS19)。
続いて、ステップS01において、涼感ゾーンを形成したか否かのフラグFが1であった場合には、発汗ゾーンの温度を発汗ゾーン側温度センサー46(図12等参照)により読み込む(ステップS20)。ここからは、涼感制御の第2ステージ制御になるものである。言い換えると、涼感を得たいと思っているエスケープ開始初期を第1ステージ制御とし、この期間は、発汗ゾーンの温度降下よりは、むしろ入浴者が満足するような強い涼感を与えるように制御を行い、以降の第2ステージ制御では、強い涼感程度というよりは、快適な涼感を与えながら、発汗ゾーンの温度維持をも図る制御ゾーンに変更されている。
ステップS20で読み込んだ発汗ゾーンの温度に基づいて、発汗ゾーンの温度降下が所定値以上となっているか否か判断する(ステップS21)。
ステップS21において、発汗ゾーンの温度降下が所定値以上となっていれば、それ以上の温度降下を避けるために、涼感流体の送り出しを抑える発汗ゾーンの温度維持補正を行う(ステップS23)。具体的には、ステップS24で検出される涼水ミストの噴出間欠時間を1.5倍する補正を行うとともに、涼感ゾーンの目標設定温度Ttを2℃高いように上昇補正した目標補正制御量を用いる(目標設定温度Tt=Tt+2℃とする)。これによって、偏差量が見かけ上小さくなるため涼感流体の噴出が抑えられ、発汗ゾーンの温度維持性能を高めることができる。
ステップS21において、発汗ゾーンの温度降下が所定値以上となっていなければ、発汗ゾーンの温度降下はまだ余裕があり、涼感満足度を与える余地が多く残されている為、ステップS24において検出データに補正を加えることなく、涼感ゾーンの温度tと、涼感ゾーンの目標温度Ttとの偏差T1にそのまま基づいて演算された値を用いて制御が行われる。
図33に示すように、偏差T1が大きいほど涼感満足度は不十分であると考えられる為風量は多くする。また、偏差T1が大きいほど涼水ミストの粒径を大きくしている。また、涼水ミストの間欠噴出時間を短くして単位時間当たりの噴出回数を多くしている。ステップS08において既に発汗ゾーンの温ミスト粒径も大きくしているが(図33のステップS24の一点鎖線で発汗ゾーンの温ミストの粒径を示す)、涼感ゾーンの涼水ミストは、強い涼感を与える為に温ミストの粒径より実質的に大きくしている。具体的には、偏差T1が非常に小さくなった領域では涼感を得たいと言う領域ではないため、このような小さな領域だけに限って涼水ミストの粒径は温ミストの粒径より小さくなっているものである。このように涼水ミストの粒径を大きくすることで涼水ミストは速やかに落下しやすくなるため空気中に浮遊することが抑制されて発汗ゾーンの温度降下を抑制できるという効果も奏することができている。
ステップS24の処理を行うことにより、偏差T1に基づいて最適な涼水ミストの噴出が行われるが、涼水ミストの水量はあくでも発汗ゾーンに対する温ミストの水量の1/5程度であり、発汗ゾーンの温度維持を図りながら、局部的なエリアに対して涼感ゾーンを構築していることが見て取れる。(図34参照)。
続いて、涼感ゾーンの温度が目標温度の範囲内であるか否かを判断する(ステップS25)。涼感ゾーンの温度が目標温度の範囲内でなければ、ステップS01にリターンし、涼感ゾーンの温度が目標温度の範囲内であれば、ステップS26の処理に進む。
続いて、涼水ミストの噴出を停止する(ステップS26)。その後、エスケープモードがOFFされているか否かを判断する(ステップS27)。エスケープモードがOFFされていれば、フラグFを0に設定し、ステップS01の処理に戻る(ステップS28)。
ステップS27において、エスケープモードがOFFされていない場合は、エスケープモードの継続時間が所定時間以上となっているか判断する(ステップS29)。エスケープモードの継続時間が所定時間以上となっていなければ、ステップS01の処理に戻る。エスケープモードの継続時間が所定時間以上となっていれば、発汗エリアにおける温ミストの噴出を休止する(ステップS30)。その後、フラグFを0に設定し、ステップS01の処理に戻る(ステップS31)。これは、あまりにも長くクールダウンを行っている状況であり、サイクル入浴を行うことを辞めたと思えること、及び発汗ゾーンの維持に温ミストを噴出しながら高温に維持することは大きなエネルギーロスになること(温風だけであれば高温維持は容易であるが、温ミストを噴出すると温度降下が起きるため高温維持には大きなエネルギーが必要であるため)から、温ミストの噴出だけを休止して温風だけを継続させている。なお、今回は、温ミストの噴出だけを休止しているが、あまりにも長い間エスケープモードが続くようであれば無駄であるため、温風も休止してもよい。
上述した本実施形態は、実体物によって分離されていない一つの空間として構成された浴室空間内に、入浴者Hに発汗を促すためのミストサウナ空間を形成する浴室ミストサウナ装置MSに関するものである。浴室ミストサウナ装置MSは、浴室空間内にミストを噴出するミスト噴出手段としてのミストポンプ541、メインバルブ56、温ミストバルブ57、冷ミストバルブ59、ミストノズル72,73,74を備えている。また、浴室ミストサウナ装置MSは、浴室空間内の温度を上昇させる昇温手段としての暖房ヒータ60,61,62、循環ファン531を備えている。また、浴室ミストサウナ装置MSは、入浴者Hに発汗を促し得る発汗ゾーンを少なくとも含むミストサウナ空間を形成するように、ミスト噴出手段及び昇温手段をそれぞれ制御する制御手段としてのCPU40及び記憶部41を備えている。CPU40及び記憶部41は、一つの空間としての浴室空間を実体物によらず横方向に並ぶように分割した領域であって、それぞれが予め定められた位置にある第1領域(浴槽BT側の領域又は洗い場側の領域)と第2領域(浴槽BT側の領域又は洗い場側の領域であって、第1領域とは異なる領域)とに対して、第1領域の少なくとも一部に発汗ゾーンを形成させると共に第2領域の少なくとも一部に発汗ゾーンにおいて発汗した入浴者に対して清涼感を体感させ得る涼感ゾーンを形成させるようにミスト噴出手段によるミストの噴出と昇温手段による温度の上昇とを制御することによりゾーン分離空調制御を行う。この。CPU40及び記憶部41によるゾーン分離空調制御によって、入浴者Hが発汗ゾーンと涼感ゾーンとの間を往来可能なように浴室空間を構成し、入浴者が発汗と清涼感の体感とを交互に体験することができるサイクル入浴を可能としている。
本実施形態によれば、実体物によらずに縦方向に分離形成されている第1領域と第2領域とに対し、第1領域には高温多湿の発汗ゾーンを、第2領域には涼感ゾーンをそれぞれ形成することができるので、入浴者Hがそれらのゾーンに入りやすいように意図的に形成した発汗ゾーン及び涼感ゾーンを提供することができる(図1〜図11参照)。また、第1領域及び第2領域は実体物によらずに横並びに分割された位置に形成されているので、入浴者Hがそれらの間を自由に往来することができる。従って、入浴者Hは第1領域に形成された発汗ゾーンと、第2領域に形成された涼感ゾーンとを自らが意図したタイミングで往来することが可能となり、自身にとってより好ましいタイミングでクールダウンすることが可能となる。更に、CPU40及び記憶部41によるゾーン分離空調制御が行われている間の意図した時間帯において定常的に発汗ゾーンと涼感ゾーンとを並存形成できるので(図33に係る説明を参照)、浴室の暖気と涼気とを全て入れ替える必要が無くなり、よりエネルギー効率を向上させることもできる。
本実施形態では、浴室空間内に発汗ゾーンのみを形成する場合よりも、涼感ゾーンに並存して発汗ゾーンを形成する場合に発汗ゾーンの温度を上昇させるので、涼感ゾーンの影響による発汗ゾーンの温度低下を抑制できる(図35に係る説明参照)。
また本実施形態では、第2モード(発汗ゾーンのみを形成)から第1モード(発汗ゾーンと涼感ゾーンとを並存形成)へ制御を移行してから所定時間の間、昇温制御を行わないようにしている(図28及び図35に係る説明参照)。涼感ゾーンと発汗ゾーンとを並存形成する初期の段階において昇温制御を行うと涼感ゾーンの形成が妨げられるので、第2モードから第1モードへの切り替えの初期段階において昇温制御を禁止することで、涼感ゾーンの形成を促進できる。
また本実施形態では、昇温手段に温風を噴出させるように制御すること又はミスト噴出手段に温ミストを噴出させるように制御することで昇温制御を行う。この態様によれば、昇温制御を温風の噴出又は温ミストの噴出により行うので、より的確に発汗ゾーンの温度を上昇させることができる。
また本実施形態では、昇温制御において、ミスト噴出手段に温ミストを噴出させるように制御すると共に、温ミストの粒径を所定値よりも小さくするように制御することも好ましい。この態様によれば、昇温制御を温ミストの噴出により行い、更にその温ミストの粒径を小さくするので、温ミストが浮遊する時間が長くなり、より的確に発汗ゾーンの温度を上昇させて維持することができる。
また本実施形態では、昇温制御において、ミスト噴出手段による温ミストの噴出を抑制するように制御する。この態様によれば、昇温制御の際に温ミストの噴出を抑制するので、発汗ゾーンにおける過度な温度上昇を抑制しつつ発汗ゾーンの必要以上の温度降下を抑制できる。
また本実施形態では、昇温制御において、ミスト噴出手段が噴出する温ミストの粒径を所定値よりも小さくするように制御すると共に、昇温手段が噴出する温風の風量を所定量よりも少なくするように制御することも好ましい。この態様によれば、昇温制御において温ミストの粒径を小さくしつつ温風の風量を少なくするので、温ミストの浮遊状態を確保しつつ温ミストが涼感ゾーンへ流れ込むほどの気流の発生を抑制できる。
BR…浴室ユニット、BT…浴槽、10…浴室空調機本体、20…床部材、21,22,23…壁部材、24…天井部材、MS…浴室ミストサウナ装置、40…CPU40、41…記憶部、42…洗面所リモコン、43…浴室内リモコン、44…第1水温センサー、45…第2水温センサー、46…発汗ゾーン側温度センサー、47…涼感ゾーン側温度センサー、48…浴室湿度センサー、49…洗面所湿度センサー、50…発汗ゾーン側可動ルーバー用モータ、501…発汗ゾーン側可動ルーバー、51…涼感ゾーン側可動ルーバー用モータ、511…涼感ゾーン側可動ルーバー、52…給水・給湯装置、53…循環ファン駆動モータ、531…循環ファン、54…ポンプ駆動モータ54、541…ミストポンプ、55…ダンパー駆動モータ55、551…循環・換気切替ダンパー、56…メインバルブ、57…温ミストバルブ、58…冷ミストバルブ、59…排水バルブ。
Claims (6)
- 実体物によって分離されていない一つの空間として構成された浴室空間内に、入浴者に発汗を促すためのミストサウナ空間を形成する浴室ミストサウナ装置であって、
浴室空間内にミストを噴出するミスト噴出手段と、
浴室空間内の温度を上昇させる昇温手段と、
入浴者に発汗を促し得る発汗ゾーンを少なくとも含むミストサウナ空間を形成するように、前記ミスト噴出手段及び前記昇温手段をそれぞれ制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、一つの空間としての浴室空間を実体物によらず横方向に並ぶように分割した領域であって、それぞれが予め定められた位置にある第1領域と第2領域とに対して、前記第1領域の少なくとも一部に前記発汗ゾーンを形成させると共に前記第2領域の少なくとも一部に前記発汗ゾーンにおいて発汗した入浴者に対して清涼感を体感させ得る涼感ゾーンを形成させるように前記ミスト噴出手段による前記ミストの噴出と前記昇温手段による温度の上昇とを制御することによりゾーン分離空調制御を行うものであって、
前記制御手段は、前記ゾーン分離空調制御を行う第1モードに対して、浴室空間内に前記発汗ゾーンのみを形成制御する第2モードも備え、前記第2モードにおける前記発汗ゾーンの温度よりも前記第1モードにおける前記発汗ゾーンの温度を高く維持する昇温制御を行う浴室ミストサウナ装置。 - 前記制御手段は、前記第2モードから前記第1モードへ制御を移行してから所定時間の間、前記昇温制御を行わないことを特徴とする請求項1に記載の浴室ミストサウナ装置。
- 前記昇温手段は温風を噴出させるものであって、前記昇温制御は、この温風温度を前記第1モードより高める、もしくは前記ミスト噴出手段から噴出される温ミストの噴出温度を第1モードより高めるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室ミストサウナ装置。
- 前記昇温制御は、前記ミスト噴出手段に温ミストを噴出させるように制御すると共に、前記温ミストの粒径を第1モードより小さくするように制御することで発汗ゾーンの温度を高くするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室ミストサウナ装置。
- 前記昇温制御は、前記ミスト噴出手段による温ミストの噴出を第1モード時に比して抑制するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室ミストサウナ装置。
- 前記昇温制御は、前記ミスト噴出手段が噴出する温ミストの粒径を第1モード時よりも小さくするように制御すると共に、前記昇温手段が噴出する温風の風量を第1モード時よりも少なくするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室ミストサウナ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007147490A JP2008295895A (ja) | 2007-06-01 | 2007-06-01 | 浴室ミストサウナ装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010233637A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Osaka Gas Co Ltd | ミストサウナ装置 |
JP2011023711A (ja) * | 2009-06-19 | 2011-02-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 有機電子デバイス及びその製造方法 |
-
2007
- 2007-06-01 JP JP2007147490A patent/JP2008295895A/ja active Pending
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