JP2009029655A - 再生細骨材の表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】再生細骨材に対して所定量のセメントを投入するセメント投入工程と、前記セメント投入工程において投入されたセメントと前記再生細骨材とを攪拌することで、該再生細骨材を該セメントによって造膜する造膜工程と、前記造膜工程において造膜された再生細骨材を湿潤状態で養生する養生工程と、備え、前記セメント投入工程では、前記再生細骨材の粒度分布と造膜された後の再生細骨材の粒径として目標設定される目標粒径とに応じた所定量のセメントが再生細骨材に対して投入される。
【選択図】図1
Description
。なお、本書における不純物とは、再生細骨材に微量成分として含まれる重金属を意味するものであり、例えば六価クロムである。近年の研究により、この六価クロムが再生細骨材といった粒径が小さい再生骨材から溶出することが指摘されている。従って、本発明は、再生細骨材に含まれる六価クロムの溶出を抑制する方法として好適に用いることができる。また、六価クロムは、残渣のようにその粒径が特に小さいものからの溶出が懸念されている。従って、本発明は、残渣のように特にその粒径が小さい再生細骨材からの六価クロムの溶出抑制に好適に用いることができる。
。
m以下の骨材であることから、上記判断は、5mm以下の粒径を有する再生細骨材のうち、更に0.6mmを下回るか否かを判断することで行われる。このような判断基準は、試験により見出したものである。試験については、後述する。ステップS01において、粒状化できると判断された場合ステップS02へ進む。一方、粒状化できないと判断された場合、本実施形態の再生細骨材の表面処理方法とは異なる方法により六価クロムの溶出を抑制する処理を施す(ステップS07)。本実施形態の再生細骨材の表面処理方法と異なる方法は、特に限定されない。例えば再生細骨材の表面にセメントを塗付するなどの処理を施せばよい。
状態、(3)はキャピラリー状態、(4)は、浸漬状態を示す。(2)ファニキュラー状態とは、セメント粒子表面と水との間に部分的に空隙が形成される状態である。キャピラリー状態とは、ファニキュラー状態よりも水分量が多い状態であり、ファニキュラー状態のような空隙は形成されない。なお、(1)ペンジュラー状態は、(2)ファニキュラー状態よりも空隙の割合が大きくなっており、水分量が少ない状態である。また、(4)浸漬状態は、(3)キャピラリー状態よりも更に水分量が多い状態である。再生細骨材とセメントとの攪拌が完了したら、ステップS14へ進む。
次に、先に行った再生骨材残渣から溶出する六価クロムの抑制対策に関する試験について説明する。
近年の研究では、コンクリート塊に含まれる細粒分から、土壌の環境基準を上回る六価クロムの溶出が報告されており、一定期間の保管を考慮した場合、5mmを下回る再生粗骨材の残渣については、六価クロムの溶出が懸念される。そこで、本試験では、再生粗骨材からの六価クロム溶出と粒状化による抑制対策について基礎的な試験を行った。
試料は、約40年前の建物のコンクリート塊を原料とし、再生粗骨材を製造した際に得られた再生粗骨材残渣(以下、残渣とする)を用いた。なお、本試験では、一般的なコンクリート塊の保管状態を模擬するため、試料は、大型の土嚢袋に収容した上で一定期間経過させた上で用いた。試験時の試料の含水率は、18.2%であった。
残渣(試料)について粒度毎に図6に示す試験を行った。図6は、試験項目と試験方法を示す。試験項目は、(1)六価クロム溶出量、(2)不溶残分、(3)熱分析である。(1)六価クロム溶出量試験は、環境庁告示第46号に準拠して実施した。(2)不溶残分試験は、JCAS F−18「硬化コンクリートの配合推定」に規定される方法に準拠して行った。(3)熱分析試験は、DTAの450〜500℃付近の吸熱ピークを水酸化カルシウム(Ca(OH)2)のピーク、600〜700℃付近の吸熱ピークを炭酸カル
シウム(CaCO3)のピークとしてTGでの質量損失から算定し、不溶残分の試験結果
をもとに硬化セメントペーストあたりに換算して行った。
次に本実施形態の表面処理方法によって目標とする粒径の粒状態が得られるか否かについての確認試験を行った。
造粒装置は、上述した実施形態において説明したミキサ1(株式会社北川鉄工所製の混練造粒機(商品名「ペレガイア」(登録商標))を使用した。
図9は、造粒対象を示す。同図に示すように、造粒対象は、最大寸法の異なる3種類の再生骨材残渣とした。固化材には、高炉セメントB種を用いた。試験方法は、基本的には、上述した実施形態に即して行った。すなわち、ミキサ1に、再生骨材残渣と高炉セメントB種と水とを加え、目標とする粒径の粒状体(平均粒径:5mm及び15mm程度)が得られるかの確認を行った。図10は、配合条件と粒状化試験の結果を示す。同図に示すように、配合NO1からNO6については、造粒が確認できなかった。配合NO7からNO12については、造粒が確認された。なお、各配合の造粒結果の詳細は以下の通りである。配合NO1は、残渣が固化材でまぶされた状態になるだけで、造粒は進まなかった。配合NO2は、微粒分が少ないため、粒子が大きくならなかった。配合NO3は、粗大な粒子を核にした造粒が配合NO1よりも進んだ。配合NO4は、微粒分が少ないため、粒子が大きくならなかった。配合NO5は、配合NO1やNO3と比較すると微粒分は減ったものの、粒径が揃うまでには至らなかった。配合NO6は、大きな粒状体を形成するには微粒分が少なく、粒子が大きくならなかった。配合NO7は、造粒が確認されたが、微粒も確認された。配合NO8は、大きな粒状体が確認されたが、反面微粒も確認された。配合NO9は、造粒が確認されたが、微粒も確認された。配合NO10は、大きな粒状体が確認されたが、反面微粒も確認された。配合NO11は、造粒が確認され、整粒により、粒子が揃った。配合NO12は、造粒が確認されたが、微粒も確認された。
JIS A 1202「土粒子の密度試験方法」による粒状体の粒度分布の即定例を図11に示す。同図に示すように、造粒対象が5mm以下(配合NO1からNO6)については、造粒が進まなかった。一方、微粒分量の多い造粒対象では、造粒が確認された。
図12は、粒状体からの六価クロム溶出量を示す。同図より、材齢7日より材齢28日の溶出量が少なくなることが確認された。なお、いずれについても処理前の溶出量(0.15mg/L)を大幅に下回ることが確認された。また、造粒が確認できなかった配合NO1を除いて、いずれも土壌環境基準を下回ることが確認された。すなわち、表面処理の効果が十分に発揮されることが確認された。
以上説明したように、本実施形態の再生細骨材の表面処理方法によれば、再生細骨材からの六価クロムの溶出を抑制することができる。また、目標粒径に応じてセメントの投入量を調整することができ、表面処理が施された再生細骨材の粒径調整の自由度を高めることができる。更に、目標粒径は、表面処理後の再生細骨材の用途に基づいて決定することができる。その結果、セメントの投入量を削減すると共に、六価クロムの溶出抑制を実現することも可能となる。
2・・・ブレード
3・・・ロータ
Claims (7)
- 再生細骨材に対して所定量のセメントを投入するセメント投入工程と、
前記セメント投入工程において投入されたセメントと前記再生細骨材とを攪拌することで、該再生細骨材を該セメントによって造膜する造膜工程と、
前記造膜工程において造膜された再生細骨材を湿潤状態で養生する養生工程と、を備え、
前記セメント投入工程では、前記再生細骨材の粒度分布と造膜された後の再生細骨材の目標粒径とに応じた所定量のセメントが再生細骨材に対して投入される、再生細骨材の表面処理方法。 - 前記再生細骨材は、再生骨材を製造する際に排出される残渣である、請求項1に記載の再生細骨材の表面処理方法。
- 前記セメント投入工程では、前記再生細骨材の表面改質に必要とされる所定量のセメントが投入される、請求項1又は請求項2に記載の再生細骨材の表面処理方法。
- 前記所定量のセメントとは、前記再生細骨材に対する割合が7.5%から30%である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の再生細骨材の表面処理方法。
- 前記再生細骨材の含水率は、20%以下である、請求項1から請求項4のいずれかに記載の再生細骨材の表面処理方法。
- 前記造膜工程では、前記セメント投入工程において投入されたセメントがペースト状となる所定量の水が加えられる、請求項1から請求項5のいずれかに記載の再生細骨材の表面処理方法。
- 造膜された後の再生細骨材の用途に応じて前記目標粒径を決定する目標粒径決定工程を、更に備え、
前記セメント投入工程では、前記再生細骨材の表面改質に必要とされる所定量のセメントに対して、前記目標粒径設定工程において決定された目標粒径に応じた所定量のセメントが増量されて再生細骨材に対して投入される、請求項1又は請求項2に記載の再生細骨材の表面処理方法。
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