JP2009029655A - 再生細骨材の表面処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】再生細骨材に含まれる不純物の溶出を抑制する技術を提供する。
【解決手段】再生細骨材に対して所定量のセメントを投入するセメント投入工程と、前記セメント投入工程において投入されたセメントと前記再生細骨材とを攪拌することで、該再生細骨材を該セメントによって造膜する造膜工程と、前記造膜工程において造膜された再生細骨材を湿潤状態で養生する養生工程と、備え、前記セメント投入工程では、前記再生細骨材の粒度分布と造膜された後の再生細骨材の粒径として目標設定される目標粒径とに応じた所定量のセメントが再生細骨材に対して投入される。
【選択図】図1

Description

本発明は、再生細骨材の表面処理方法に関する。
近年の研究により、破砕されたコンクリートから、土壌環境基準値を上回る六価クロム(Cr(VI))が溶出する可能性があることが指摘されている。特に、再生骨材を製造する際に排出される残渣のように粒径が小さい再生細骨材からの溶出が懸念されている。
一方、再生細骨材を含め、再生骨材を再利用する技術が知られている。例えば、再生骨材の利用技術として、路盤材や埋め戻し材として再利用する技術が知られている。また、特許文献1には、再生骨材を建設現場に到着したコンクリートミキサー車のアジデータ内に投入し、混練する技術が開示されている。また、特許文献2には、普通骨材の一部を再生骨材に置換することで、再生骨材を含むコンクリート二次製品を製造する技術が開示されている。
特許第3820017号公報 特開2006−334946号公報
近年の研究により、再生骨材を製造する際に排出される残渣のように粒径が小さい再生細骨材から、六価クロムが溶出する虞があることが指摘されている。一方、再生細骨材を含め、再生骨材の利用技術の開発が進められており、例えば普通骨材に換えて再生骨材を用いる技術が知られている。この技術によれば、再生細骨材がコンクリート内に封じ込められることから、再生細骨材からの六価クロムの溶出を防ぐことができる。しかしながら、普通骨材に換えて再生骨材を用いる技術によれば、再生細骨材をコンクリートに封じ込めることができるものの、残渣の利用価値は低いことから、このような残渣も含めて全てコンクリートに封じ込めることは困難である。また、再生骨材を路盤材や埋め戻し材として再利用する技術が知られているが、この技術では残渣のように粒径が極めて小さい再生細骨材からの六価クロムの溶出が懸念される。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、再生細骨材に含まれる不純物の溶出を抑制する技術を提供することを課題とする。
本発明では、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、再生細骨材に対して所定量のセメントを投入するセメント投入工程と、前記セメント投入工程において投入されたセメントと前記再生細骨材とを攪拌することで、該再生細骨材を該セメントによって造膜する造膜工程と、前記造膜工程において造膜された再生細骨材を湿潤状態で養生する養生工程と、備え、前記セメント投入工程では、前記再生細骨材の粒度分布と造膜された後の再生細骨材の粒径として目標設定される目標粒径とに応じた所定量のセメントが再生細骨材に対して投入される、再生細骨材の表面処理方法である。
本発明によれば、再生細骨材にセメントが投入され、これが攪拌されることで、再生細骨材が造膜、すなわち、再生細骨材の表面処理が行われる。その結果、本発明によれば、再生細骨材に含まれる不純物が溶出することを抑制することができる。
本発明は、再生細骨材に含まれる不純物の溶出を抑制することを目的とするものである
。なお、本書における不純物とは、再生細骨材に微量成分として含まれる重金属を意味するものであり、例えば六価クロムである。近年の研究により、この六価クロムが再生細骨材といった粒径が小さい再生骨材から溶出することが指摘されている。従って、本発明は、再生細骨材に含まれる六価クロムの溶出を抑制する方法として好適に用いることができる。また、六価クロムは、残渣のようにその粒径が特に小さいものからの溶出が懸念されている。従って、本発明は、残渣のように特にその粒径が小さい再生細骨材からの六価クロムの溶出抑制に好適に用いることができる。
セメント投入工程において投入されるセメントの種類は、特に限定されるものではない。例えば、セメントには、ポルトランドセメントを用いることができる。また、セメントには、高炉スラグを含む高炉セメントB種を用いても良く、より効果的に不純物の溶出を抑制することができる。また、高炉セメントB種は、ポルトランドセメントに比べて、経済性、環境性にも優れていることから、投入するセメントとして適している。
造膜工程では、セメントと再生細骨材とが攪拌されることで、再生細骨材がセメントによって造膜される。攪拌は、既存の攪拌装置によって行うことができる。攪拌装置は、特に限定されるものではないが、ミキシング性能が高く、再生細骨材とセメントとを均一に混練できるものが好ましい。なお、本発明における再生細骨材の造膜とは、再生細骨材の一つの粒の表面をセメントで覆うだけでなく、複数の再生細骨材の粒を一纏まりとしてセメントによって包み込むことで再生細骨材の表面をセメントで覆うことも含む。
造膜された再生細骨材を養生することで、再生細骨材とセメントとを安定的に固着し、また、セメントの強度を高めることができる。湿潤状態での養生とは、いわゆる湿潤養生であり、造膜された再生細骨材に対して適度な水分を与えることができればよい。なお、養生期間は、特に限定されない。養生期間は、再生細骨材に投入するセメントの量に応じて適宜設定すればよい。養生期間は、例えば1日から2日とすることができる。
なお、本発明は、前記再生細骨材の粒度分布と造膜された後の再生細骨材の粒径として目標設定される目標粒径とに応じた所定量のセメントが再生細骨材に対して投入されることを特徴とする。本発明では、粒度分布と目標粒径とに応じたセメントを再生細骨材に投入することで、造膜された後の再生細骨材の粒径、つまり表面処理後の再生細骨材の粒径をコントロールすることができる。
なお、不純物の溶出を抑制できるセメントの投入量を特定することができれば、少ないセメントで再生細骨材からの不純物の抑制を実現することができる。そこで、本出願人は、不純物の抑制を達成するために必要なセメントの投入量やセメントの投入量と目標粒径との関係を試験等を重ねることで見出すことに成功した。そこで、上記に加えて、本発明の前記セメント投入工程では、前記再生細骨材の表面改質に必要とされる所定量のセメントを投入するようにしてもよい。本発明における表面改質とは、不純物の溶出を抑制できるセメントの投入量を考慮した上で、再生細骨材からの不純物の溶出を抑制するため、再生細骨材の表面にセメント等の膜を形成することを意味する。本発明によれば、セメント投入工程において投入されるセメントの量を上記のような表面改質に必要とされる量とすることで、少ないセメントで再生細骨材からの不純物の抑制を実現することができる。
また、本発明において、前記所定量のセメントとは、前記再生細骨材に対する割合が7.5%から30%としてもよい。本発明は、表面改質に必要とされる所定量のセメントを実験結果等に基づいてより具体化したものである。その結果、本発明によれば、少なくとも再生細骨材の造膜、すなわち再生細骨材の表面改質が可能となり、その結果、再生細骨材からの不純物の抑制を実現することができる。また、このようなセメント投入量とすることで、投入するセメントの量を削減することができ、コストの削減を図ることができる
また、本発明において、前記再生細骨材の含水率は、20%以下としてもよい。これにより、より効果的に再生細骨材の表面改質を行うことができる。なお、再生細骨材の含水率は、15%以下とすることがより好ましい。
また、本発明において、前記造膜工程では、前記セメント投入工程において投入されたセメントがペースト状となる所定量の水が加えられるようにしてもよい。これにより、より効果的に再生細骨材の表面改質を行うことができる。なお、加える水の量は、セメントと水とがファニキュラー状態からキャピラリー状態となるように調整してもよい。ファニキュラー状態とは、セメント粒子表面と水との間に部分的に空隙が形成される状態である。キャピラー状態とは、ファニキュラー状態よりも水分量が多い状態であり、ファニキュラー状態のような空隙は形成されない。
また、本発明は、造膜された後の再生細骨材の用途に応じて前記目標粒径を決定する目標粒径決定工程を、更に備え、前記セメント投入工程では、前記再生細骨材の表面改質に必要とされる所定量のセメントに対して、前記目標粒径設定工程において決定された目標粒径に応じた所定量のセメントが増量されて再生細骨材に対して投入されるようにしてもよい。
本発明によれば、目標粒径を決定し、目標粒径に応じた所定量のセメントを増加することで、再生細骨材の用途に合わせた粒径の設計が可能となる。その結果、再生細骨材の用途に応じて、表面改質後の再生細骨材の粒径をコントロールすることが可能となる。
ここで、本発明は、前記再生細骨材の粒径に基づいて、該再生細骨材にセメントを投入して攪拌することで該再生細骨材の粒状化ができるか否かを判断する粒状化判断工程を更に備え、前記投入工程では、前記粒状化判断工程において再生細骨材の粒状化ができると判断された再生細骨材に対して所定量のセメントが投入されるようにしてもよい。
粒状化できるか否かの判断は、再生細骨材の粒径によって判断することができる。なお、本発明の対象となる再生細骨材は、粒径が5mm以下であることから、粒状化できるか否かの判断は、この範囲内、すなわち0mmから5mmの範囲内で、再生細骨材の粒径が大きいか否かを基準に判断することができる。なお、粒状化ができないと判断された再生細骨材については、例えばセメントを塗付するなど、他の手段を用いて不純物の溶出を抑制する措置を施すことが好ましい。
本発明によれば、再生細骨材に含まれる不純物の溶出を抑制する技術を提供することができる。
次に本発明の再生細骨材の表面処理方法について図面に基づいて説明する。
図1は、再生細骨材の表面処理を行う場合の全体の処理フローを示す。ステップS01では、再生細骨材が粒状化(造粒)できるか否かについての判断が行われる。すなわち、本実施形態の再生細骨材の表面処理方法によれば、後述する一連の手順を行うことで、再生細骨材がセメントで造膜され、その結果粒状化される。本工程は、最終的に粒状化できるか否かについて、実際に処理を行う前に判断するものである。なお、この判断は、再生細骨材の粒径に基づいて行うことができる。より具体的には、再生細骨材の粒径が0.6mmを下回る場合、粒状化できると判断することができる。また、再生細骨材とは、5m
m以下の骨材であることから、上記判断は、5mm以下の粒径を有する再生細骨材のうち、更に0.6mmを下回るか否かを判断することで行われる。このような判断基準は、試験により見出したものである。試験については、後述する。ステップS01において、粒状化できると判断された場合ステップS02へ進む。一方、粒状化できないと判断された場合、本実施形態の再生細骨材の表面処理方法とは異なる方法により六価クロムの溶出を抑制する処理を施す(ステップS07)。本実施形態の再生細骨材の表面処理方法と異なる方法は、特に限定されない。例えば再生細骨材の表面にセメントを塗付するなどの処理を施せばよい。
ステップS02では、再生細骨材の用途に応じて目標粒径を大きくするか否かが判断される。本実施形態の表面改質処理を行うことで改質処理が施された再生細骨材は、再生骨材としての利用が可能である。従って、例えば、再生細骨材として利用したい場合には、目標粒径を小さく(5mm以下)すればよい。また、再生粗骨材として利用したい場合には、目標粒径を大きく(例えば、15mm)すればよい。なお、できる限りセメントの量を低減したい場合には、目標粒径を小さくする必要がある。ステップS02において、目標粒径を小さくするとの判断がされた場合には、ステップS03へ進む。一方、ステップS02において、目標粒径を大きくするとの判断がされた場合には、ステップS05へ進む。
ステップS03では、ステップS02における判断に基づいてセメントの投入量が調整される。すなわち、ステップS02では、目標粒径を小さくすると判断されていることから、ステップS03では、セメントの投入量が少なく設定される。なお、セメントの投入量を調整するに際しては、再生細骨材の粒度分布を考慮して行うことが好ましい。これにより、目標粒径により近い径を有する造膜された再生細骨材を生成することが可能となる。セメントの投入量が調整されたら、ステップS04へ進む。
ステップS04では、再生細骨材の表面改質処理が行われる。ここで、図2は、表面改質処理フローを示す。ステップS11では、所定のミキサに、再生細骨材が投入される。ミキサとしては、株式会社北川鉄工所製の混練造粒機(商品名「ペレガイア」登録商標。)を用いることができる。ここで図3は、ミキサ1を示す。ミキサ1には、本体内部にブレード2と、ロータ3が設けられている。ブレード2は、圧縮とかき上げを繰り返すことで、材料と添加剤との練り込みを行う。ロータ3は、高速回転することで、材料の解砕、混練、造粒を行う。なお、ブレード2とロータ3は、夫々独立した駆動源が接続されており(図示せず)、材料や用途に応じた回転の調整が可能である。再生細骨材の投入が完了すると、ステップS12へ進む。
ステップS12では、ミキサ1にセメントが投入される。セメントには、高炉セメントB種を用いることができる。なお、セメントは、ステップS03において決定された量が投入される。例えば、投入された再生細骨材の粒径が0.6mmを下回る場合であって、目標粒径として5mmが設定された場合には、再生細骨材に対するセメントの投入割合を7.5%とすればよい。これより、少ないセメント量で再生細骨材からの六価クロムの溶出を抑制することが可能となる。このような投入割合は、試験により求めたものである。試験については、後述する。セメントの投入が完了すると、ステップS13へ進む。
ステップS13では、再生細骨材とセメントとが攪拌される。すなわち、ミキサ1内に投入された再生細骨材とセメントとが混練され、再生細骨材が造膜される。なお、この際必要に応じて水を加えることができる。加える水の量は、セメントがペースト状となる程度に適宜調整すればよい。なお、加える水の量は、セメントと水とがファニキュラー状態からキャピラリー状態となるように調整してもよい。ここで、図4は、水量を調整する際の基準となる状態モデルを示す。(1)は、ペンジュラー状態、(2)はファニキュラー
状態、(3)はキャピラリー状態、(4)は、浸漬状態を示す。(2)ファニキュラー状態とは、セメント粒子表面と水との間に部分的に空隙が形成される状態である。キャピラリー状態とは、ファニキュラー状態よりも水分量が多い状態であり、ファニキュラー状態のような空隙は形成されない。なお、(1)ペンジュラー状態は、(2)ファニキュラー状態よりも空隙の割合が大きくなっており、水分量が少ない状態である。また、(4)浸漬状態は、(3)キャピラリー状態よりも更に水分量が多い状態である。再生細骨材とセメントとの攪拌が完了したら、ステップS14へ進む。
ステップS14では、造膜された再生細骨材が養生される。養生は、湿潤養生とすればよい。1日から2日養生することで、造膜された再生細骨材の強度を確保することができる。
以上の処理を行うことで、再生細骨材の表面改質処理が完了する。ここで、図5は、表面改質処理を行う前の再生細骨材と表面改質処理を行った後の再生細骨材を示す。同図に示すように、砂状の再生細骨材が、表面改質処理を行うことで、粒状化されている。
ここで、図1に示す再生細骨材の表面処理を行う場合の全体の処理フローに戻り、ステップS02において目標粒径を大きくすると判断された場合以後の工程について説明する。ステップS05では、セメントの投入量が多く設定される。続いてステップS06では、粒状化処理が行われる。粒状化処理は、基本的には上述した表面改質処理と同様の手順で行うことができる。すなわち、ステップS06では、ステップS11からステップS14の工程が行われる。なお、本実施形態では、投入するセメント量を少なくした場合の造膜処理を表面改質処理と称し、投入するセメント量を多くした場合の造膜処理を粒状化処理と称する。これは、以下の理由による。すなわち、粒状化処理では、試験において粒状化ができると既に判断されている粒径の再生細骨材を用いるとともに、投入するセメント量が多く設定されている。従って、これらを攪拌することで六価クロムの溶出抑制が可能な粒状体を形成することができる。一方、表面改質処理についてみると、表面改質処理においても試験において粒状化ができると既に判断されている粒径の再生細骨材が用いられている。従って、基本的にはその後の処理を行うことで六価クロムの溶出抑制が可能な粒状体を形成することができる。但し、表面改質処理では、目標粒径とセメント投入量との関連に基づいてセメント投入量を最大限に少なくすることが可能となっている。すなわち、表面改質処理によれば、六価クロムの溶出抑制に加えてセメント消費量の削減といった経済的な効果も奏される。以上を踏まえ、本実施形態においては、粒状化処理と表面改質処理とを区別して称することとした。
<試験>
次に、先に行った再生骨材残渣から溶出する六価クロムの抑制対策に関する試験について説明する。
[背景]
近年の研究では、コンクリート塊に含まれる細粒分から、土壌の環境基準を上回る六価クロムの溶出が報告されており、一定期間の保管を考慮した場合、5mmを下回る再生粗骨材の残渣については、六価クロムの溶出が懸念される。そこで、本試験では、再生粗骨材からの六価クロム溶出と粒状化による抑制対策について基礎的な試験を行った。
[試料]
試料は、約40年前の建物のコンクリート塊を原料とし、再生粗骨材を製造した際に得られた再生粗骨材残渣(以下、残渣とする)を用いた。なお、本試験では、一般的なコンクリート塊の保管状態を模擬するため、試料は、大型の土嚢袋に収容した上で一定期間経過させた上で用いた。試験時の試料の含水率は、18.2%であった。
[六価クロム溶出特性試験]
残渣(試料)について粒度毎に図6に示す試験を行った。図6は、試験項目と試験方法を示す。試験項目は、(1)六価クロム溶出量、(2)不溶残分、(3)熱分析である。(1)六価クロム溶出量試験は、環境庁告示第46号に準拠して実施した。(2)不溶残分試験は、JCAS F−18「硬化コンクリートの配合推定」に規定される方法に準拠して行った。(3)熱分析試験は、DTAの450〜500℃付近の吸熱ピークを水酸化カルシウム(Ca(OH)2)のピーク、600〜700℃付近の吸熱ピークを炭酸カル
シウム(CaCO3)のピークとしてTGでの質量損失から算定し、不溶残分の試験結果
をもとに硬化セメントペーストあたりに換算して行った。
図7は、粒度毎の六価クロム溶出量の試験結果を示す。図8は、硬化セメントペーストあたりのCa(OH)2とCaCO3の含有量の推定値を示す。図7に示すように、全てのサンプルについて、六価クロムの溶出量が排水基準値を下回っている。しかしながら、全てのサンプルについて、六価クロムの溶出量が土壌環境基準値を上回っている。また、図8に示すように、全体的にCa(OH)2の含有量が低く、CaCO3の含有量が高くなっている。従って、試料を一定期間経過させる間に炭酸化が進んだものと推定される。なお、炭酸化によるセメント水和物の分解が六価クロムの溶出に寄与することが土木学会を通じて報告されている。従って、AFm(カルシウム・アルミノフェライト・モノサルフェート水和物型化合物の総称)やAFt(カルシウム・アルミノフェライト・トリサルフェート水和物型化合物の総称)が分解して、六価クロム溶出量が大きくなったと推察される。
[再生骨材残渣の粒状化試験]
次に本実施形態の表面処理方法によって目標とする粒径の粒状態が得られるか否かについての確認試験を行った。
[造粒装置]
造粒装置は、上述した実施形態において説明したミキサ1(株式会社北川鉄工所製の混練造粒機(商品名「ペレガイア」(登録商標))を使用した。
[粒状化試験の概要と結果]
図9は、造粒対象を示す。同図に示すように、造粒対象は、最大寸法の異なる3種類の再生骨材残渣とした。固化材には、高炉セメントB種を用いた。試験方法は、基本的には、上述した実施形態に即して行った。すなわち、ミキサ1に、再生骨材残渣と高炉セメントB種と水とを加え、目標とする粒径の粒状体(平均粒径:5mm及び15mm程度)が得られるかの確認を行った。図10は、配合条件と粒状化試験の結果を示す。同図に示すように、配合NO1からNO6については、造粒が確認できなかった。配合NO7からNO12については、造粒が確認された。なお、各配合の造粒結果の詳細は以下の通りである。配合NO1は、残渣が固化材でまぶされた状態になるだけで、造粒は進まなかった。配合NO2は、微粒分が少ないため、粒子が大きくならなかった。配合NO3は、粗大な粒子を核にした造粒が配合NO1よりも進んだ。配合NO4は、微粒分が少ないため、粒子が大きくならなかった。配合NO5は、配合NO1やNO3と比較すると微粒分は減ったものの、粒径が揃うまでには至らなかった。配合NO6は、大きな粒状体を形成するには微粒分が少なく、粒子が大きくならなかった。配合NO7は、造粒が確認されたが、微粒も確認された。配合NO8は、大きな粒状体が確認されたが、反面微粒も確認された。配合NO9は、造粒が確認されたが、微粒も確認された。配合NO10は、大きな粒状体が確認されたが、反面微粒も確認された。配合NO11は、造粒が確認され、整粒により、粒子が揃った。配合NO12は、造粒が確認されたが、微粒も確認された。
[粒状体の粒度分布]
JIS A 1202「土粒子の密度試験方法」による粒状体の粒度分布の即定例を図11に示す。同図に示すように、造粒対象が5mm以下(配合NO1からNO6)については、造粒が進まなかった。一方、微粒分量の多い造粒対象では、造粒が確認された。
[粒状体からの六価クロムの溶出]
図12は、粒状体からの六価クロム溶出量を示す。同図より、材齢7日より材齢28日の溶出量が少なくなることが確認された。なお、いずれについても処理前の溶出量(0.15mg/L)を大幅に下回ることが確認された。また、造粒が確認できなかった配合NO1を除いて、いずれも土壌環境基準を下回ることが確認された。すなわち、表面処理の効果が十分に発揮されることが確認された。
<効果>
以上説明したように、本実施形態の再生細骨材の表面処理方法によれば、再生細骨材からの六価クロムの溶出を抑制することができる。また、目標粒径に応じてセメントの投入量を調整することができ、表面処理が施された再生細骨材の粒径調整の自由度を高めることができる。更に、目標粒径は、表面処理後の再生細骨材の用途に基づいて決定することができる。その結果、セメントの投入量を削減すると共に、六価クロムの溶出抑制を実現することも可能となる。
再生細骨材の表面改質を行う場合の全体の処理フローを示す。 表面改質処理フローを示す。 表面改質処理に用いたミキサを示す。 水量を調整する際の基準となる状態モデルを示す。 表面改質処理を行う前の再生細骨材と表面改質処理を行った後の再生細骨材を示す。 試験項目と試験方法を示す。 粒度毎の六価クロム溶出量の試験結果を示す。 硬化セメントペーストあたりのCa(OH)2とCaCO3の含有量の推定値を示す。 造粒対象を示す。 配合条件と粒状化試験の結果を示す。 JIS A 1202「土粒子の密度試験方法」による粒状体の粒度分布の即定例を示す。 粒状体からの六価クロム溶出量を示す。
符号の説明
1・・・ミキサ
2・・・ブレード
3・・・ロータ

Claims (7)

  1. 再生細骨材に対して所定量のセメントを投入するセメント投入工程と、
    前記セメント投入工程において投入されたセメントと前記再生細骨材とを攪拌することで、該再生細骨材を該セメントによって造膜する造膜工程と、
    前記造膜工程において造膜された再生細骨材を湿潤状態で養生する養生工程と、を備え、
    前記セメント投入工程では、前記再生細骨材の粒度分布と造膜された後の再生細骨材の目標粒径とに応じた所定量のセメントが再生細骨材に対して投入される、再生細骨材の表面処理方法。
  2. 前記再生細骨材は、再生骨材を製造する際に排出される残渣である、請求項1に記載の再生細骨材の表面処理方法。
  3. 前記セメント投入工程では、前記再生細骨材の表面改質に必要とされる所定量のセメントが投入される、請求項1又は請求項2に記載の再生細骨材の表面処理方法。
  4. 前記所定量のセメントとは、前記再生細骨材に対する割合が7.5%から30%である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の再生細骨材の表面処理方法。
  5. 前記再生細骨材の含水率は、20%以下である、請求項1から請求項4のいずれかに記載の再生細骨材の表面処理方法。
  6. 前記造膜工程では、前記セメント投入工程において投入されたセメントがペースト状となる所定量の水が加えられる、請求項1から請求項5のいずれかに記載の再生細骨材の表面処理方法。
  7. 造膜された後の再生細骨材の用途に応じて前記目標粒径を決定する目標粒径決定工程を、更に備え、
    前記セメント投入工程では、前記再生細骨材の表面改質に必要とされる所定量のセメントに対して、前記目標粒径設定工程において決定された目標粒径に応じた所定量のセメントが増量されて再生細骨材に対して投入される、請求項1又は請求項2に記載の再生細骨材の表面処理方法。
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