JP2009027973A - 卵細胞の培養装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】卵細胞の培養に好適な物理的刺激を負荷することのできる簡易構成の培養装置及びこの培養装置を用いた培養方法を提供する。
【解決手段】培養器としてのシャーレ20を保持する保持部としての揺動プレート3と、この揺動プレート3を揺動させる揺動部としてのモータ13と、このモータ13の動作を制御する制御部15と、を備え、この制御部15は、シャーレ20中の卵細胞へ物理的刺激を負荷させるように、モータ13を制御して揺動プレート3を揺動させる
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞の培養装置及び培養方法に関する。さらに詳しくは、生殖医療または再生医療において重要な受精卵の培養に特に適した培養装置及びこの装置を用いた培養方法に関する。
動物、特に哺乳動物の精子と卵子とを体外受精させて受精卵(接合子)を作製し、卵割、桑実胚、胞胚、さらには後期胞胚の段階まで培養する技術が開発されている。そして、この卵割から胞胚の段階にある受精卵を子宮に移植して産子を得る技術が開発され、家畜における品種改良に用いられ、さらには、ヒトの不妊治療にも応用されている。
しかし、生殖医療、とりわけ不妊治療の一手段として行われている体外受精による妊娠成功率は高くない。この成功率は、約30年前の英国における世界初の挙児以来、依然として約25%程度にとどまっており、その成功率の向上が望まれている。不妊治療には、一般的には、卵子の採取(未成熟の場合は、体外成熟が必要となる)、体外受精、受精卵を子宮内に戻す過程が必要である。そして、最も重要な過程は、受精卵を、移植に適した発育段階(4〜8細胞期、胚盤胞期)まで発生させる過程である。
卵細胞成熟効率および妊娠効率を上昇させるために種々の検討が従来よりなされてきた(非特許文献1〜3参照)。
これらの文献で紹介されている技術は、いずれも卵細胞に物理的刺激(メカニカルストレス)を負荷させることにより、その培養促進を図っている。
「Gamete Research」誌,vol.125,1984年,p4984 「Journal of Experimental Zoology」誌,vol.266,1993年,p146 「Biology of Reproduction」誌,vol.75,2006年,p45
しかしながら、卵細胞の培養にとっていかなる物理的刺激が最適であるか未だ明確に解明されていない。その結果、物理的刺激を負荷するための好適な装置も上市されていない。
本発明者らは、卵細胞を培養する際に負荷すべき物理的刺激の態様について鋭意検討を重ねてきた結果、卵細胞を充填した培養器を揺動させればよいことを見出し、本発明を想到するに至った。
即ち、この発明の第1の局面の発明は次のように規定される。
培養器を保持する保持部と、
該保持部を揺動させる揺動部と、
該揺動部の揺動を制御する制御部と、を備え、
該制御部は、前記培養器中の卵細胞へ物理的刺激を負荷させるように、前記揺動部を制御して前記保持部を揺動させる、ことを特徴とする卵細胞の培養装置。
このように構成された卵細胞の培養装置によれば、培養器を保持する保持部を揺動させるという簡易な構成により、培養器内の卵細胞へ物理的刺激を与えることができる。これにより、安価な培養装置を提供可能となる。
保持部を揺動させる態様として、本発明者らによる実験の結果、この発明の第2の局面で規定されるように、前記保持部を一方向へ傾斜させ、その後一定時間静止させ、その後反対方向へ傾斜させ、その後一定時間静止させ、以下これを繰返す、ことが好ましい(図1参照)。これにより、卵細胞へ回転+すべりの物理的刺激を与えることができる。
更には、この発明の第3の局面で規定されるように、培養器中の卵細胞が2 mm/sec以下の速度で移動し、かつ1.2 dynes/cm2以下のずり応力が卵細胞に負荷されるように、保持部を揺動させることが好ましい。
この発明で用いられる培養器は、卵細胞を培養できるものであれば特に限定されない。シャーレの底面に培養液のマイクロドロップを形成し、このマイクロドロップ内に卵細胞を封入するタイプや、チャンバに小径の孔を複数形成し、各孔に培養液を充填してそこへ卵細胞を沈めたものなどを挙げることができる。
図2及び図3に培養装置1の構成を示す。
この培養装置1は揺動プレート3と本体部11とを備えて成る。
保持部としての揺動プレート3は樹脂製のプレートからなり、その上面に防滑層としてシリコンラバー5が貼付されている。このシリコンラバー5はシャーレ等の培養器20に吸着する。これにより、揺動プレート3が傾斜しても培養器20は不動であり、揺動プレート3から滑り落ちることはない。なお、培養器20の滑落をより確実に防止するためには、培養器20の底壁を挟む凸部を揺動プレート3に形成することができる。
本体部11には揺動部としてのモータ13が収納されており、このモータ13の回転軸14に揺動プレート3が固定されている。符号15は制御部でありモータ13の回転軸14の回転を制御する。オペレータは入力部16を介してモータ13の制御パラメター(回転角度、回転速度、休止時間等)を入力可能であり、入力された制御パラメターに従って制御部15はモータ13の動作を制御する。
図2及び図3に示す例では、揺動プレート3のほぼ中央にモータの回転軸14が固定され、揺動プレート3はその中央を中心にして揺動する構成を採用しているが、揺動プレート3の端部へモータの回転軸14を連結してもよい。
また、その可動子が上下方向へ移動可能なリニアモータを一対準備して、その一対の可動子で揺動プレート3の両端を支持し、可動子の上下移動を制御することにより揺動プレートの揺動を制御することもできる。
更には、揺動プレートを下方から複数の柱で支え、各柱の高さを変えることで揺動プレートの揺動を制御することもできる。この場合、少なくとも3つの柱で揺動プレートを支持すれば、揺動プレートを任意の方向へ傾斜させることができる。
上記構成の培養装置によれば、従来の静置培養系の実験器具をそのまま使用できる。具体的には、培養器としてのシャーレ20上に作製したマイクロドロップ21、または、4-well培養プレートに卵細胞を添加し、揺動培養を行うことができる。
本培養法は、哺乳類卵細胞の受精前の体外成熟、体外受精、単為発生、体外培養などに適用できる。更には、胚性幹細胞その他の細胞の培養にも適用することができる。
受精卵としては、接合子、卵割、桑実胚、胞胚のいずれの段階のものでもよいが、受精卵以外のライフサイクルにある卵子(例えば、卵胞内卵子、排卵卵子など)を培養容器内で培養し、受精させて用いてもよい。さらに、凍結・融解後の受精卵を用いてもよい。
好ましくは、哺乳動物由来の受精卵が用いられる。哺乳動物としては、例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ヒヒ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット、マウスなどが挙げられる。
培養液は培養対象の細胞に応じて任意に選択することができる。例えば、GIBCO社のα―MEM、メディカルト社のIVC、アーバイン社のHTFなどの培養液を用いることができる。培養液中には、さらに培養のための有用物質を含んでいてもよい。例えば、気相中の酸素による過酸化による発生阻害を防止するためのβメルカプトエタノールが挙げられる。培養条件は、受精卵の培養に当業者が通常用いる条件が採用される。例えば温度は、約37〜38℃、浸透圧は、約280mOsm/kgである。
以下、この発明の実施例について説明する。
M16培地(コスモバイオ社製)の直径10mm、容量80μlのマイクロドロップを35 mmシャーレ(イワキ社製)上に準備した。そのドロップ内に、C57BL6とICRを掛け合わせたF1マウス受精卵8個を入れた。図2及び図3に示す揺動培養装置上にマイクロドロップを含むシャーレを準備し、その移動を実体顕微鏡(ZEISS社製)で観察した。揺動培養装置を最大傾斜角度10度、傾斜変化速度0.37 rpm、傾斜保持時間1分間で運転した。即ち、一方へ傾けその傾斜角度が10度になった時点で1分間停止し、1分経過ごに角速度0.37rpmで反対方向へ傾斜させてその傾斜角度が10度になった時点で1分間停止し、以降これを繰返した。傾斜角を変化させる際には、受精卵の観察された最大移動速度は0.16 mm/secであり、観察された最大移動距離は1.4 mmと計算された。傾斜を維持している際におけるそれらの値は、それぞれ0.006 mm/sec、0.3 mmと概算された。従って、この揺動培養条件では、培地移動による最大0.033 dyne/cm2のずり応力が負荷されていると見積もられた。この負荷量および胚の観察された最大移動速度は、非特許文献3における値1.2 dyne/cm2 および2 mm/secよりも小さいこと、および、文献で記載されている強度のストレスが継続的に負荷されていないことから、卵細胞を死滅させない範囲にあると言える。
幾つかの傾斜角速度を変化させてマウス受精卵の移動を観察し、上記のずり応力を検討した結果を表1に示す。この表では、傾斜角を変化させている際の見積もられた値を記す。いずれの条件においても、卵細胞を死滅させない範囲にあると考えられる。
ブタ卵母細胞‐卵丘細胞塊(OCCs)は、28〜37℃に保温した抗生物質(GIBCO社、)添加0.9%生理食塩水中に浸漬して屠畜場より持ち帰った卵巣表層に存在する直径3〜6mmの中卵胞を10-mlディスポ注射筒(ニプロ社製)に装着した18G注射針(ニプロ社製)によって卵胞液とともに吸引することでディスポ50-ml遠心管(住友ベークライト社製)中に採取した。OCCsを含む回収細胞片をディスポ50-ml遠心管中でTL-HEPES-PVA培養液にて3回洗浄後、OCCsだけを直径35mmの培養用シャーレ(グライナー社製)内の3mlの修正TL-HEPES-PVA培養液中に採取した。同液でさらに3回洗浄したものを実験に使用した。
成熟基礎培地は、ブタ用完全成熟培地POM(ペプチド研究所製)にβメルカプトエタノール(SIGMA社製)を50μMとなるように添加した液を使用した。成熟培養には4-well培養プレート(NUNC社製)に修正POM を500μlずつ分注した培地を5%二酸化炭素炭酸、95%空気の気相条件、39℃に保たれているガス培養器(タバイ社製)内で一晩平衡させたものを使用した。
回収したOCCsは、直径35mmの培養用シャーレ(グライナー社製)内の3mlの修正POM でさらに洗浄した後、ウェル(500μl)あたり45〜50個となるように、一晩平衡させた成熟培地に入れ、その後、純水中にeCG(1,000iu/ml濃度)、hCG(1,000iu/ml濃度)およびジブチリルサイクリックAMP(100mM)を溶解した液をウェル(500μl)あたり5μl添加後、5%二酸化炭素炭酸、95%空気の気相条件、39℃に保たれているガス培養器内に入れることで成熟培養を開始した。
実験区の揺動培養区は、5%二酸化炭素炭酸、95%空気の気相条件、39℃に保たれているガス培養器内に設置した揺動培養器の揺動プレート上にOCCsを入れた4-well培養プレートを置いた。揺動条件は、揺動プレートが20度の傾きを1分間維持した後に、ゆっくり反転し、逆に20度傾く状態を1分間維持することを繰り返す条件下で実施した。プレートが傾く速度は、約0.1rpmであった。
対照区の静置培養区は、5%二酸化炭素炭酸、95%空気の気相条件、39℃に保たれているガス培養器内の揺動培養器と同じトレイ上に静置することとした。
OCCsは、これらの条件下で20時間培養後、卵丘細胞塊の構造を壊さないように注意しながら、eCG(1,000iu/ml濃度)、hCG(1,000iu/ml濃度)およびジブチリルサイクリックAMP(100mM)を添加していない新鮮な修正POM3ml(直径35mmの培養用シャーレ内)で3回洗浄後に、4-well培養プレートにeCG(1,000iu/ml濃度)、hCG(1,000iu/ml濃度)およびジブチリルサイクリックAMP(100mM)を添加していない新鮮な修正POM を500μlずつ分注した培地(5%二酸化炭素炭酸、95%空気の気相条件、39℃に保たれているガス培養器内で一晩平衡したもの)に移し、同様の培養条件下でさらに24時間培養した。
eCG(1,000iu/ml濃度)、hCG(1,000iu/ml濃度)およびジブチリルサイクリックAMP(100mM)を添加した最初の20時間の培養後に、それぞれの区のOCCsの一部を実体顕微鏡(ニコン社製)下でデジタルカメラ(ニコン社製)にて撮影し、同倍率で撮影したマイクロメーター(ニコン社製)の目盛をもとにOCCsの直径を測定した。一つのOCCsの直径は、x軸およびy軸方向の直径を測定した数値の平均値とした。(図4)
図5に、平均卵丘径および平均卵母細胞径を測定したグラフを示す。静置培養区と比較して、揺動培養区では、平均卵丘径は増加しており、平均卵母細胞径は静置培養区とほぼ同じであった。従って、揺動培養によって卵丘細胞膨化が促進されることが示唆された。
成熟培養を終えたOCCsを修正TL-HEPES-PVA 中に0.1%ヒアルロニダーゼ(SIGMA社製)を含む液中でピペッティングすることによって卵丘細胞を除去し、卵母細胞を裸化した。卵母細胞は、純水中に250.3mMソルビトール、0.3mM HEPES、0.2%(w/v)牛血清アルブミン、0.1mM Ca-lactate、0.1mM グルタチオンを含む融合培地中で、1mm間隔の白金電極間に卵母細胞を置き、それらの電極間に5Vの交流電流を5秒間付与後、100Vの直流電流を30μ秒間付与し、その1分後に再度100Vの直流電流を30μ秒間付与することで電気的に卵母細胞を活性化した(BTX社製、ECM2001Mを使用)。
その後、それらの卵母細胞を2.2μg/ml サイトカラシンBを含むNCSU37培養液500μl(4-well培養プレート中、5%二酸化炭素炭酸、95%空気の気相条件、39℃に保たれているガス培養器内で一晩平衡したもの)に移して2時間培養することで、活性化された卵の第2極体の放出を抑制して2倍体化した。
その後、直径35mmの培養用シャーレ(グライナー社製)内の3mlのサイトカラシンBを含まない修正NCSU37培養液にメルカプトエタノール(SIGMA社製)を50μMとなるように添加した液(5%二酸化炭素炭酸、95%空気の気相条件、39℃に保たれているガス培養器内で一晩平衡したもの)中で3回洗浄後、4-well培養プレート(NUNC社製)に500μlずつ分注した新鮮な同液(5%二酸化炭素炭酸、95%空気の気相条件、39℃に保たれているガス培養器内で一晩平衡したもの)に移し、成熟培養と同じ培養条件下で6日間培養を継続し、初期発生の状況を実体顕微鏡(ニコン社製)下で観察した。
その結果を表2に示す。揺動培養区では卵割率および胚盤胞到達率が上昇した。χ2検定により有意確率を計算したところ、有意差があると判断した。

Pab<0.01,
Pcd<0.05 (χ2検定)
ヒト未受精卵の通常体外受精法に関して、揺動培養器有無条件下で検討した。4-well培養プレート(NUNC社製)に培地(HTF medium、Irvine Scientific社製)を添加し、未受精卵をいれた。5%二酸化炭素炭酸、5%の酸素、95%空気の気相条件、37℃に保たれているガス培養器(アステック社製)内の培養条件下で、未受精卵の前培養3時間行った。精子濃度が10万個/mlになるように洗浄精液を添加した。実験区では、図2及び図3に示した揺動培養装置のポリカーボネ−ト製皿の上に上記の4-well培養プレートを設置し、傾斜角度10度、傾斜変化速度0.2rpm、傾斜保持時間なしで運転した。対照区では、上記のチャンバーを恒温器内に静置した。媒精後18から20時間後に、前核形成を実体顕微鏡(Leica社製)で確認した。その結果を表3に示す。統計処理後、有意確率が0.05より大きかったため、有意差は認められなかったものの、受精率が上昇したことが確認された。

受精率は (2前核形成胚数)x100/((2前核形成胚数)+(前核非形成胚数))で計算した。有意確率=0.859
ヒト体外受精胚成熟を揺動培養器有無条件下で比較した。4-well培養プレート(NUNC社製)に0.8 mlの培地(Blast Assist、Medicult社製)を添加し、5%二酸化炭素炭酸、5%の酸素、95%空気の気相条件、37℃に保たれているガス培養器(アステック社製)内の培養条件下で受精が確認された胚を培養した。揺動培養区では、図2及び図3に示す揺動培養装置を傾斜角度10度、傾斜変化速度3.3 rpm、傾斜保持時間1分間で運転した。対照区では、上記のチャンバーを恒温器内に静置した。受精確認から4日後にその胚の成熟具合を実態顕微鏡(Leica社製)で確認した。その結果を表4に示す。有意差は認められなかったものの、胚盤胞到達率が上昇したことが示された。

有意確率=0.70
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
この発明の培養装置の動作と卵細胞に負荷される物理的刺激の関係を示す図である。 この発明の実施例の培養装置の正面図である。 同じく側面図である。 実施例の2のブタの卵母細胞‐卵丘細胞塊である。 同じくブタ体外成熟における平均卵丘径および平均卵母細胞径を測定したグラフである。
1 培養装置、3 揺動プレート、13 モータ、15 制御部、20 培養器

Claims (7)

  1. 培養器を保持する保持部と、
    該保持部を揺動させる揺動部と、
    該揺動部の動作を制御する制御部と、を備え、
    該制御部は、前記培養器中の卵細胞へ物理的刺激を負荷させるように、前記揺動部を制御して前記保持部を揺動させる、ことを特徴とする卵細胞の培養装置。
  2. 前記制御部は、前記保持部を一方向へ傾斜させ、その後一定時間静止させ、その後反対方向へ傾斜させ、その後一定時間静止させ、以下これを繰返す、ことを特徴とする請求項1に記載の卵細胞の培養装置。
  3. 前記制御部は、前記培養器中の卵細胞が2 mm/sec以下の速度で移動し、かつ1.2 dynes/cm2以下のずり応力が前記卵細胞に負荷されるように、前記保持部を揺動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の卵細胞の培養装置。
  4. 前記保持部は板状であり、その表面に防滑層が形成され、該防滑層の上に載置された前記培養器は、前記保持部が傾斜状態においても、前記保持部に対して不動である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の卵細胞の培養装置。
  5. 卵細胞を充填した培養器を保持部に保持し、該保持部を揺動させることにより前記卵細胞へ物理的刺激を負荷させる、ことを特徴とする卵細胞の培養方法。
  6. 前記保持部を一方向へ傾斜させ、その後一定時間静止させ、その後反対方向へ傾斜させ、その後一定時間静止させ、以下これを繰返す、ことを特徴とする請求項5に記載の卵細胞の培養方法。
  7. 前記培養器中の卵細胞が2 mm/sec以下の速度で移動し、かつ1.2 dynes/cm2以下のずり応力が前記卵細胞に負荷されるように、前記保持部を揺動させることを特徴とする請求項5又は6に記載の卵細胞の培養方法。
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