JP2009027372A - テーパー導波管 - Google Patents
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Abstract
【課題】断面寸法が異なる2つの導波管を接続するために使用されて、優れたVSWR特性を有し、かつ、設計や製造が容易な導波管を提供し、さらにその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のテーパー導波管は、共通する寸法の開口端同士において2つの直線テーパー導波管が接続された、シンプルな形状をしている。そのため、設計も製造も比較的容易である。同時に、本発明のテーパー導波管は使用周波数における反射波を2つ発生させた上でこれらを相殺するので、優れたVSWR特性を実現している。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のテーパー導波管は、共通する寸法の開口端同士において2つの直線テーパー導波管が接続された、シンプルな形状をしている。そのため、設計も製造も比較的容易である。同時に、本発明のテーパー導波管は使用周波数における反射波を2つ発生させた上でこれらを相殺するので、優れたVSWR特性を実現している。
【選択図】図1
Description
本発明は導波管に係り、特に、断面寸法が異なる2本の導波管同士を接続するためのテーパー導波管に係る発明である。
導波管の断面寸法が異なれば、それぞれの特性インピーダンスも異なる。特性インピーダンスが異なる導波管同士を接続すると、その接続部分において電波の反射が発生する。反射が発生すればそれだけ導波管全体の伝送効率が下がってしまう。
そこで、断面寸法が異なる2本の導波管を接続するために、テーパー導波管が用いられる。テーパー導波管には一般的に、テーパー導波管の断面寸法は長さ方向に連続的に変化するので、その特性インピーダンスも連続的に変化する。
テーパー導波管には、インピーダンスの整合性や、優れたVSWR(Voltage Standing Wave Ratio:定在波比)が求められる。理想的なテーパー導波管を追求すると、そのテーパーは曲線的になる。
しかし、曲線テーパー導波管は、設計および製作が複雑かつ困難であり、多くの手間隙と費用とを必要とする。
上記に関連して、特許文献1(特公昭40−28809号公報)には、変換導波管の発明が開示されている。
特許文献1発明の変換導波管は、管径の異なる2個の円形導波管を接合するものである。そのために、極く短い直線変換導波管を多段に接合して行くものである。使用周波数帯に対する高次姿態波が伝播し得ないごとき比較的細い管径部分においては、この部分の各個の直線変換導波管の管長および管径を、その接合部(管径変化部)における電波の反射量を互いに打消すごとく選定する。また、高次姿態波が伝播し得るごとき比較的太い管径部分においては、この部分の各個の直線変換導波管の管径および管長を、その接合部において発生する高次姿態波が最小になるよう選定する。
特許文献1発明の変換導波管は、管径の異なる2個の円形導波管を接合するものである。そのために、極く短い直線変換導波管を多段に接合して行くものである。使用周波数帯に対する高次姿態波が伝播し得ないごとき比較的細い管径部分においては、この部分の各個の直線変換導波管の管長および管径を、その接合部(管径変化部)における電波の反射量を互いに打消すごとく選定する。また、高次姿態波が伝播し得るごとき比較的太い管径部分においては、この部分の各個の直線変換導波管の管径および管長を、その接合部において発生する高次姿態波が最小になるよう選定する。
上記に関連して、特許文献2(特開平8−84002号公報)には、円一直線偏波変換器の発明が開示されている。
特許文献2発明の円一直線偏波変換器は、導波管の一端側に一次放射器を、他端側の閉蓋近傍の内面に対称形に一対の四分の一波長位相板を配設したことを特徴とする。
特許文献2発明の円一直線偏波変換器は、導波管の一端側に一次放射器を、他端側の閉蓋近傍の内面に対称形に一対の四分の一波長位相板を配設したことを特徴とする。
上記に関連して、特許文献3(特開平9−139603号公報)には、円偏波一直線偏波変換器の発明が開示されている。
特許文献3発明の円偏波一直線偏波変換器では、円形状導波管の管軸に垂直な断面の内壁面の曲率が管軸方向に沿ってテーパー状に変化している。また、テーパーの管軸方向に対する勾配が内壁面の周方向に分割された複数部分において、異なる前記円形状導波管の一端から円偏波を入力し、他端から直線偏波を出力させる。
特許文献3発明の円偏波一直線偏波変換器では、円形状導波管の管軸に垂直な断面の内壁面の曲率が管軸方向に沿ってテーパー状に変化している。また、テーパーの管軸方向に対する勾配が内壁面の周方向に分割された複数部分において、異なる前記円形状導波管の一端から円偏波を入力し、他端から直線偏波を出力させる。
上記に関連して、特許文献4(特開2000−232303号公報)には、テーパ状導波管の発明が開示されている。
特許文献4発明のテーパ状導波管は、矩形断面部のサイズが始端から終端方向にテーパ状に変化する。また、管軸方向の位置xの特性インピーダンスZ(x)が始終端間の管軸長を半周期とする余弦関数に従って変化する。さらに、使用する電磁波の波長がλsのときのテーパ形姿が、「λs/√{2√(1+(1−λs^4/Ζ(x)^2)}」の式を含む関数で表される構造を有する。
特許文献4発明のテーパ状導波管は、矩形断面部のサイズが始端から終端方向にテーパ状に変化する。また、管軸方向の位置xの特性インピーダンスZ(x)が始終端間の管軸長を半周期とする余弦関数に従って変化する。さらに、使用する電磁波の波長がλsのときのテーパ形姿が、「λs/√{2√(1+(1−λs^4/Ζ(x)^2)}」の式を含む関数で表される構造を有する。
本発明の目的は、断面寸法が異なる2つの導波管を接続可能で、優れたVSWR特性を実現し、かつ、設計や製造が容易な導波管を提供することと、さらにその導波管の製造方法を提供することである。
以下に、(発明を実施するための最良の形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための最良の形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明のテーパー導波管(10、30)は、第1の直線テーパー導波管(11、31)と、第2の直線テーパー導波管(12、32)とを具備する。ここで、第1の直線テーパー導波管(11、31)は、第1の導波管に接続されるためのものである。第2の直線テーパー導波管(12、32)は、一方では第1の直線テーパー導波管(11、31)に接続されて、もう一方では第2の導波管に接続されるためのものである。第1の直線テーパー導波管(11、31)の管軸上の長さは、所定の周波数の第1の直線テーパー導波管(11、31)における管内波長の1/4の奇数倍である。
本発明のテーパー導波管(10、30)において、第1の直線テーパー導波管(11、31)側の解放端の断面積は、第1の直線テーパー導波管(11、31)および第2の直線テーパー導波管(12、32)の接続部分の断面積よりも小さい。また、第1の直線テーパー導波管(11、31)および第2の直線テーパー導波管(12、32)の接続部分の断面積は、第2の直線テーパー導波管(12、32)側の解放端の断面積よりも小さい。
本発明のテーパー導波管(10、30)において、第1の直線テーパー導波管(11、31)の管軸と、第2の直線テーパー導波管(12、32)の管軸とは、一直線に接続されている。
本発明のテーパー導波管(30)において、第1の直線テーパー導波管(31)および第2の直線テーパー導波管(32)は、円形直線テーパー導波管である。
本発明のテーパー導波管(30)において、第1の直線テーパー導波管(31)における、母線と管軸との間の角度が、第2の直線テーパー導波管(32)における、母線と管軸との間の角度よりも小さい。
本発明のテーパー導波管(10)において、第1の直線テーパー導波管(11)および第2の直線テーパー導波管(12)は、方形直線テーパー導波管である。
本発明のテーパー導波管(10)において、第1の直線テーパー導波管(11)における、任意の側面と管軸との間の角度が、第2の直線テーパー導波管(12)における、第1の直線テーパー導波管(11)の側面に接する側面と、管軸との間の角度よりも小さい。
本発明のテーパー導波管製造方法は、(a)第1の導波管に接続されるための第1の直線テーパー導波管(11、31)と、一方では第1の直線テーパー導波管(11、31)に接続されて、もう一方では第2の導波管に接続されるための第2の直線テーパー導波管(12、32)とを具備するテーパー導波管を設計することと、(b)テーパー導波管(10、30)を形成することとを具備する。
本発明のテーパー導波管製造方法において、ステップ(a)は、(a−1)第1の直線テーパー導波管(11、31)の管軸上の長さを、使用周波数の管内波長の1/4の奇数倍を満たす値から選択することと、(a−2)第2の直線テーパー導波管(12、32)の管軸上の長さと、第1の直線テーパー導波管(11、31)と第2の直線テーパー導波管(12、32)との接続部断面寸法とを決定することとを具備する。
本発明のテーパー導波管製造方法において、ステップ(a−2)は、(a−2−1)第1の直線テーパー導波管(31)と第2の直線テーパー導波管(32)との接続部断面円の直径を、第1の導波管の断面円の直径以上、かつ、第2の導波管の断面円の直径以下、の範囲内から選択することと、(a−2−2)第2の直線テーパー導波管(32)の管軸上の長さを、第1の直線テーパー導波管(31)における、母線と管軸との間の角度が、第2の直線テーパー導波管(32)における、母線と管軸との間の角度よりも小さくなるような範囲内から、選択することと、(a−2−3)コンピュータが、第1の直線テーパー導波管(31)と第2の直線テーパー導波管(32)との接続部断面円の直径および第2の直線テーパー導波管(32)の管軸上の長さの組み合わせを計算して、テーパー導波管(30)のVSWR値が最適値となるように決定することとを具備する。
本発明のテーパー導波管製造方法において、ステップ(a−2)は、(a−2−4)第1の直線テーパー導波管(11)と第2の直線テーパー導波管(12)との接続部断面長方形の縦横寸法を、第1の導波管の断面長方形の縦横寸法以上、かつ、第2の導波管の断面長方形の縦横寸法以下、の範囲内から選択することと、(a−2−5)第2の直線テーパー導波管(12)の管軸上の長さを、第1の直線テーパー導波管(11)における、側面と管軸との間の角度が、第2の直線テーパー導波管(12)における、側面と管軸との間の角度よりも小さくなるような範囲内から選択することと、(a−2−6)コンピュータが、第1の直線テーパー導波管(11)と第2の直線テーパー導波管(12)との接続部断面長方形の縦横寸法および第2の直線テーパー導波管(12)の管軸上の長さの組み合わせを計算して、テーパー導波管(10)のVSWR値が最適値となるように決定することとを具備する。
本発明のテーパー導波管は、共通する底面によって2つの直線テーパー導波管が接続された、シンプルな形状をしている。そのため、設計も製造も比較的容易である。同時に、本発明のテーパー導波管は使用周波数における反射波を2つ発生させた上でこれらを相殺するので、優れたVSWR特性を実現している。
添付図面を参照して、本発明による導波管を実施するための最良の形態を以下に説明する。
(第1の実施例)
図1(a)〜(d)は、本実施例における方形テーパー導波管10を示す図である。図1(a)は俯瞰図、図1(b)は平面図、図1(c)は側面図、図1(d)は正面図である。
図1(a)〜(d)は、本実施例における方形テーパー導波管10を示す図である。図1(a)は俯瞰図、図1(b)は平面図、図1(c)は側面図、図1(d)は正面図である。
本実施例における方形テーパー導波管10は、大きく分けて2つの部分を具備する。位置P1から位置P2までの部分を第1テーパー部11、位置P2から位置P3までの部分を第2テーパー部12と呼ぶ。
第1テーパー部11において、両端が長方形で開口している。また、4枚の側面は、等脚台形である。ここで、向かい合う2枚の側面同士は、合同である。なお、第2テーパー部12についても同様である。
第1テーパー部11において、両端の長方形の中心を結ぶ線分は、両端の長方形にそれぞれ垂直に交わる。この線分を管軸と呼ぶ。なお、第2テーパー部12についても同様である。
位置P2において、第1テーパー部11の開口端の長方形と、第2テーパー部12の開口端の長方形は合同である。位置P2において、第1テーパー部11と第2テーパー部12とは隙間無く接続されている。この時、第1テーパー部11の管軸と第2テーパー部12の管軸とは直線上に並んでいる。これら2本の管軸を合わせて、本実施例における方形テーパー導波管10の管軸と呼ぶ。
また、一方の開口端における長方形が、縦と横の両方の寸法において、もう一方の開口端における長方形よりも大きい。より具体的には、位置P1における第1テーパー部11側の開口端の長方形が一番小さい。また、位置P3における第2テーパー部12側の開口端の長方形が一番大きい。そして、位置P2における第1テーパー部11と第2テーパー部12との接続部の長方形が両者の中間的な大きさである。
なお、位置P1における長方形と、位置P2における長方形と、位置P3における長方形とは、それぞれ必ずしも相似の関係でなくても構わない。
第1テーパ部の長さ、すなわち位置P1から位置P2までの管軸上の距離を、L1と置く。同様に、第2テーパ部の長さ、すなわち位置P2から位置P3までの管軸上の距離を、L2と置く。
この時、位置P1の長方形と位置P2の長方形のそれぞれの縦横寸法と、第1テーパー部11の管軸上の長さL1とによって、角度α1とβ1とが決定する。角度α1は、第1テーパー部11の両底面における長方形の短辺を両底辺に持つ等脚台形である側面と、管軸との間の角度である。また、角度β1は、第1テーパー部11の両底面における長方形の長辺を両底辺に持つ等脚台形である側面と、管軸との間の角度である。
同様に、第2テーパー部12の上底面と下底面のそれぞれの縦横寸法と、第2テーパ部の管軸上の長さL2とによって、角度α2とβ2とが決定する。角度α2は、第2テーパ部の両底面における長方形の短辺を両底辺に持つ等脚台形である側面と、管軸との間の角度である。また、角度β2は、第1テーパ部の両底面における長方形の長辺を両底辺に持つ等脚台形である側面と、管軸との間の角度である。
ここで、角度α1は角度α2よりも小さいことが好ましい。また、角度β1は角度β2よりも小さいことが好ましい。これは、本実施例のテーパー導波管を伝播する電磁波の反射を押さえるためである。
ここで、本実施例によるテーパ導波管の各種寸法を決定するための手順を説明する。
まず、第1のテーパ部の管軸長L1を決定する。第1のテーパ部の管軸長L1は、導波管内波長λgの1/4またはその奇数倍に設定される。これは、既に説明したように、位置P1と位置P2における2つの反射波が相殺することでテーパー導波管全体のVSWRが改善するためである。
詳しく説明すると、導波管内の反射は、導波管の断面寸法が急激に変化する場所で発生しやすい。すなわち、図1(a)における位置P1、P2、P3である。ただし、位置P3における断面寸法は、位置P1または位置P2における断面寸法よりも比較的大きい。このため、位置P3における反射は位置P1または位置P2における反射と比較すると無視出来る程に小さい。
そこで、位置P1における第1の反射と、位置P2における第2の反射に注目する。位置P1と位置P2との間の、管軸上の距離は、導波管内波長λgの1/4またはその奇数倍とする。こうすることで、位置P1と位置P2とを往復すると、管軸上の距離は、導波管内波長λgの1/2またはその奇数倍となる。
したがって、位置P1で反射した第1の反射波と、位置P2で反射した第2の反射波とは、一方がもう一方に重なる時に逆位相の関係になる。このように、第1の反射波と第2の反射波とは相殺して、本実施例によるテーパ導波管におけるVSWRの改善をもたらす。
なお、位置P1と位置P2との間の、管軸上の距離は、数学的には無限の選択肢があるものの、実際問題として本発明のテーパ導波管は出来るだけ短いことが望ましい。したがって、導波管内波長λgの1/4が選択される場合が最も多くなると予想される。
次に、残るパラメータ、すなわち第2テーパ部の管軸長L2と、位置P2における断面矩形の縦横寸法と、角度α1、α2、β1、β2について説明する。
ここで、角度α1とβ1は、位置P1および位置P2における断面矩形の縦横寸法と、上記で選択された第1テーパ部の管軸長L1によって決定される。同様に、角度α2とβ2は、位置P2および位置P3における断面矩形の縦横寸法と、上記で選択された第2テーパ部の管軸長L2によって決定される。したがって、第2テーパ部の管軸長L2と、位置P2における断面矩形の縦横寸法さえ決定すれば、本実施例におけるテーパ導波管のパラメータが全て決定することになる。
位置P2における断面矩形の縦横寸法については、位置P1における断面矩形の縦横寸法よりも大きく、かつ、位置P3における断面矩形の縦横寸法よりも小さいことが好ましい。位置P2における断面矩形の縦横寸法が位置P1における断面矩形の縦横寸法よりも小さい場合は、位置P2において反射が強まり、VSWRの値が不利になってしまう。反対に、位置P2における断面矩形の縦横寸法が位置P3における断面矩形の縦横寸法よりも大きい場合も同様である。
また、位置P2における断面矩形の縦横寸法が位置P1における断面矩形の縦横寸法同様に、位置P2における断面矩形の縦横寸法が位置P3における断面矩形の縦横寸法に等しい場合は、第2テーパ部が第2の方形導波管と一体化してしまう。これでは位置P1および位置P2における反射波の相殺による効果が得られない。
図2は、テーパー導波管のVSWRのコンピュータシミュレーションによる計算結果である。線aは、本実施例によるテーパー導波管の場合を示す。線bは、1段だけのテーパー導波管で、全長が本実施例と同じL1+L2の場合を示す。線cは、やはり1段だけのテーパー導波管で、全長が本実施例の2倍の2×(L1+L2)の場合を示す。その他のパラメータ、すなわち位置P1における断面矩形の縦横寸法と、位置P2における断面矩形の縦横寸法は、3本の線a、b、cにおいて同じである。
線aと線bまたはcとを比較すると、本実施例の2段のテーパー導波管が、1段だけのテーパー導波管よりも明らかに優れたVSWRを実現することが分かる。これは、2箇所で発生する反射波が相殺する効果によるものである。
また、線bと線cとを比較すると、反射波の相殺を考慮しなければ、テーパー導波管の全長は長い方が優れたVSWRを得られるという傾向が伺える。しかし、実際問題としては、寸法の異なる2つの方形導波管を接続するためのテーパー導波管が占めることの出来る空間には限りがある。
以上の条件を満たす範囲内で、L2の値と、位置P2における断面矩形寸法との組み合わせは、コンピュータシミュレーションによって、その最適値を計算可能である。
また、L2の値と、位置P2における断面矩形寸法とを決定することは、角度α1、α2、β1、β2の4つのパラメータを決定することに等しい。したがって、L2の値と位置P2における断面矩形寸法の代わりに、角度α1、α2、β1、β2の最適値を、コンピュータシミュレーションによって計算しても良い。ただし、この場合はパラメータの数が1つ増えてしまうため、実際にはL2の値と位置P2における断面矩形寸法を計算した方が容易となることが予想される。
(第2の実施例)
図3(a)〜(c)は、本実施例におけるテーパ導波管を示す図である。図3(a)は俯瞰図、図3(b)は平面図または正面図、図3(c)は側面図である。
図3(a)〜(c)は、本実施例におけるテーパ導波管を示す図である。図3(a)は俯瞰図、図3(b)は平面図または正面図、図3(c)は側面図である。
本実施例と第1の実施例との違いは、テーパ導波管が方形か円形かだけである。そこで、本実施例と第1の実施例との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
第1の実施例では、テーパ導波管の管軸に垂直な断面は長方形であり、縦と横の2つの寸法によって定義された。本実施励では、テーパ導波管の管軸に垂直な断面は真円であるので、直径という1つの寸法だけで定義される。
そのため、第1の実施例で必要とされた4つの角度のうち、α1とβ1は本実施例では必然的に同じ値となる。またα2とβ2についても同様である。
したがって、第1テーパ部の管軸上の長さL1以外の寸法として、コンピュータシミュレーションで最適値をサーチするパラメータは2つだけで良い。すなわち第2テーパ部の管軸上の長さL2と、位置P2の断面円直径とである。
なお、第2テーパ部の管軸上の長さL2と、位置P2の断面円直径とを決定することは、角度α1と角度α2とを決定することに等しい。さらに、パラメータ数が同じなので、L2と位置P2の断面円直径の代わりに、コンピュータシミュレーションによって角度α1と角度α2の最適値を求めても良い。
10 方形テーパ導波管
11 第1テーパ部
12 第2テーパ部
20 最小VSWR周波数
30 円形テーパ導波管
31 第1テーパ部
32 第2テーパ部
11 第1テーパ部
12 第2テーパ部
20 最小VSWR周波数
30 円形テーパ導波管
31 第1テーパ部
32 第2テーパ部
Claims (11)
- 第1の導波管に接続されるための第1の直線テーパー導波管と、
一方では前記第1の直線テーパー導波管に接続されて、もう一方では第2の導波管に接続されるための第2の直線テーパー導波管と
を具備し、
前記第1の直線テーパー導波管の管軸上の長さは、所定の周波数の第1の直線テーパー導波管における管内波長の1/4の奇数倍である
テーパー導波管。 - 請求項1に記載のテーパー導波管において、
前記第1の直線テーパー導波管側の解放端の断面積は、前記第1の直線テーパー導波管および前記第2の直線テーパー導波管の接続部分の断面積よりも小さく、
前記第1の直線テーパー導波管および前記第2の直線テーパー導波管の接続部分の断面積は、前記第2の直線テーパー導波管側の解放端の断面積よりも小さい
テーパー導波管。 - 請求項1または2に記載のテーパー導波管において、
前記第1の直線テーパー導波管の管軸と、前記第2の直線テーパー導波管の管軸とは、一直線に接続されている
テーパー導波管。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のテーパー導波管において、
前記第1の直線テーパー導波管および前記第2の直線テーパー導波管は、円形直線テーパー導波管である
テーパー導波管。 - 請求項4に記載のテーパー導波管において、
前記第1の直線テーパー導波管における、母線と管軸との間の角度が、
前記第2の直線テーパー導波管における、母線と管軸との間の角度よりも小さい
テーパー導波管。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のテーパー導波管において、
前記第1の直線テーパー導波管および前記第2の直線テーパー導波管は、方形直線テーパー導波管である
テーパー導波管。 - 請求項6に記載のテーパー導波管において、
前記第1の直線テーパー導波管における、任意の側面と管軸との間の角度が、
前記第2の直線テーパー導波管における、前記第1の直線テーパー導波管の前記側面に接する側面と、管軸との間の角度よりも小さい
テーパー導波管。 - (a)第1の導波管に接続されるための第1の直線テーパー導波管と、一方では前記第1の直線テーパー導波管に接続されて、もう一方では第2の導波管に接続されるための第2の直線テーパー導波管とを具備するテーパー導波管を設計することと、
(b)前記テーパー導波管を形成することと
を具備する
テーパー導波管製造方法。 - 請求項8に記載のテーパー導波管製造方法において、
前記ステップ(a)は、
(a−1)前記第1の直線テーパー導波管の管軸上の長さを、使用周波数の管内波長の1/4の奇数倍を満たす値から選択することと、
(a−2)前記第2の直線テーパー導波管の管軸上の長さと、前記第1の直線テーパー導波管と前記第2の直線テーパー導波管との接続部断面寸法とを決定することと
を具備する
テーパー導波管製造方法。 - 請求項8または9に記載のテーパー導波管製造方法において、
前記ステップ(a−2)は、
(a−2−1)前記第1の直線テーパー導波管と前記第2の直線テーパー導波管との接続部断面円の直径を、前記第1の導波管の断面円の直径以上、かつ、前記第2の導波管の断面円の直径以下、の範囲内から選択することと、
(a−2−2)前記第2の直線テーパー導波管の管軸上の長さを、前記第1の直線テーパー導波管における、母線と管軸との間の角度が、前記第2の直線テーパー導波管における、母線と管軸との間の角度よりも小さくなるような範囲内から、選択することと、
(a−2−3)コンピュータが、前記第1の直線テーパー導波管と前記第2の直線テーパー導波管との接続部断面円の直径および前記第2の直線テーパー導波管の管軸上の長さの組み合わせを計算して、前記テーパー導波管のVSWR値が最適値となるように決定することと
を具備する
テーパー導波管製造方法。 - 請求項8または9に記載のテーパー導波管製造方法において、
前記ステップ(a−2)は、
(a−2−4)前記第1の直線テーパー導波管と前記第2の直線テーパー導波管との接続部断面長方形の縦横寸法を、前記第1の導波管の断面長方形の縦横寸法以上、かつ、前記第2の導波管の断面長方形の縦横寸法以下、の範囲内から選択することと、
(a−2−5)前記第2の直線テーパー導波管の管軸上の長さを、前記第1の直線テーパー導波管における、側面と管軸との間の角度が、前記第2の直線テーパー導波管における、側面と管軸との間の角度よりも小さくなるような範囲内から選択することと、
(a−2−6)コンピュータが、前記第1の直線テーパー導波管と前記第2の直線テーパー導波管との接続部断面長方形の縦横寸法および前記第2の直線テーパー導波管の管軸上の長さの組み合わせを計算して、前記テーパー導波管のVSWR値が最適値となるように決定することと
を具備する
テーパー導波管製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007187384A JP2009027372A (ja) | 2007-07-18 | 2007-07-18 | テーパー導波管 |
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JP2007187384A JP2009027372A (ja) | 2007-07-18 | 2007-07-18 | テーパー導波管 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010233172A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Hitachi Metals Ltd | 伝播モード変換構造および回路基板 |
CN105870560A (zh) * | 2016-04-22 | 2016-08-17 | 中国电子科技集团公司第十二研究所 | 一种用于毫米波及更高频点耦合腔行波管中的双渐变过渡波导 |
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2007
- 2007-07-18 JP JP2007187384A patent/JP2009027372A/ja not_active Withdrawn
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CN105870560A (zh) * | 2016-04-22 | 2016-08-17 | 中国电子科技集团公司第十二研究所 | 一种用于毫米波及更高频点耦合腔行波管中的双渐变过渡波导 |
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