JP2009026196A - Icタグアクセス装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理効率をより向上できるICタグアクセス装置を提供する。
【解決手段】ICタグアクセス装置10は、ICタグ102に電波を送受して当該ICタグ102と通信する二つの通信部、すなわち、第一通信部24と第二通信部26とを備える。第一通信部24を用いての通信処理が失敗した場合には、第二通信部26を用いて当該通信処理を再実行する。制御部は、この二つの通信部24で行われた同一の通信処理の成否結果に基づいて、通信処理失敗の原因を判断する。具体的には、二つの通信部24,26のいずれにおいても通信処理が失敗した場合は、ICタグ102に起因する失敗と判断する。二つの通信部24,26のうち一方で失敗が発生し、他方で通信処理が成功した場合は、当該失敗が生じた通信部に起因する失敗と判断する。
【選択図】図2
【解決手段】ICタグアクセス装置10は、ICタグ102に電波を送受して当該ICタグ102と通信する二つの通信部、すなわち、第一通信部24と第二通信部26とを備える。第一通信部24を用いての通信処理が失敗した場合には、第二通信部26を用いて当該通信処理を再実行する。制御部は、この二つの通信部24で行われた同一の通信処理の成否結果に基づいて、通信処理失敗の原因を判断する。具体的には、二つの通信部24,26のいずれにおいても通信処理が失敗した場合は、ICタグ102に起因する失敗と判断する。二つの通信部24,26のうち一方で失敗が発生し、他方で通信処理が成功した場合は、当該失敗が生じた通信部に起因する失敗と判断する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ICタグアクセス装置に関する。
近年、様々な物品、例えば用紙などに、ICタグと呼ばれる無線ICチップを付し、当該ICタグから情報を読み取ったり、当該ICタグに情報を書き込んだりすることで、当該ICタグが付された物品の管理等を行う技術が知られている。また、こうした技術においては使用されるICタグアクセス装置も広く知られている(例えば下記特許文献1など)。ICタグアクセス装置は、ICタグに電波を送受することで当該ICタグと非接触で通信を行うもので、ICタグに電波を送受する通信手段等を備える。
ここで、ICタグアクセス装置は、ICタグに電波を送受して必要な通信処理を実行するが、この通信処理が、通信対象であるICタグの故障や通信手段の故障、周辺ノイズの影響等により失敗する場合がある。従来のICタグアクセス装置では、この通信処理失敗の原因を判断することなく、通信処理失敗が発生した場合には、常に、当該失敗した通信処理の対象であるICタグを廃棄していた。
しかし、既述したとおり、通信処理失敗は、ICタグの故障に起因して生じるだけでなく、ICタグアクセス装置に設けられた通信手段の故障や周辺ノイズの影響等に起因して生じる場合もある。かかる場合に、何ら問題のないICタグを廃棄することは、通信処理の効率低下を招いていた。
そこで、本発明では、より効率的な処理が可能なICタグアクセス装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、ICタグアクセス装置は、物品に付されたICタグに通信用電波を送受することで、当該ICタグと通信する複数の通信手段と、前記搬送手段および通信手段を制御する制御手段であって、同一のICタグに対する同一の通信処理を二以上の通信手段で順次実行させる制御手段と、通信処理失敗が発生した際に、各通信手段での通信処理の成否結果に基づいて、当該通信処理失敗の原因を判断する判断手段と、を備えることを特徴とするICタグアクセス装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のICタグアクセス装置であって、前記判断手段は、二以上の通信手段で同一のICタグに対する同一の通信処理を実行した際に、いずれの通信手段でも当該通信処理が失敗となった場合、当該失敗はICタグに起因すると判断することを特徴とするICタグアクセス装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のICタグアクセス装置であって、前記判断手段は、二以上の通信手段で同一のICタグに対する同一の通信処理を実行した際に、一部の通信手段で通信処理が失敗し、かつ、他の一部の通信手段で通信処理が成功した場合、当該失敗は当該失敗が発生した通信手段に起因すると判断することを特徴とするICタグアクセス装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のICタグアクセス装置であって、前記判断手段は、ICタグに起因する通信処理失敗の発生頻度に基づいて、物品を通信実行位置まで搬送する搬送手段の良否も判断することを特徴とするICタグアクセス装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のICタグアクセス装置であって、前記判断手段は、各通信手段に起因する通信処理失敗の発生頻度に基づいて、各通信手段の良否も判断することを特徴とするICタグアクセス装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載のICタグアクセス装置であって、前記制御部は、通信手段が不良と判断された場合、当該通信手段の以降の通信処理での使用を中止することを特徴とするICタグアクセス装置である。
請求項7に係る発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載のICタグアクセス装置であって、前記制御手段は、前記複数の通信手段を、ICタグから情報を読み込む読込用通信手段と、ICタグに情報を書き込む書込用通信手段と、に分けて制御することを特徴とするICタグアクセス装置である。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載のICタグアクセス装置であって、前記制御手段は、前記読込用通信手段で読取通信処理が失敗した際には、前記書込用通信手段に読込通信処理および書込通信処理の両方の実行を指示することを特徴とするICタグアクセス装置である。
請求項9に係る発明は、請求項7または8に記載のICタグアクセス装置であって、前記制御手段は、前記書込用通信手段で読込通信処理が失敗した際には、前記読込用通信手段に読込通信処理および書込通信処理の両方の実行を指示することを特徴とするICタグアクセス装置である。
請求項1から3に係る発明によれば、通信処理失敗の原因を判断できるため、不必要にICタグが廃棄されることが防止され、結果として、処理効率が向上できる。
請求項4に係る発明によれば、搬送機構の良否を判断できるため、ICタグの破損等を招くような搬送機構の不具合を早期に発見できる。
請求項5および6に係る発明によれば、通信手段の良否を判断できるため、不良な通信手段での通信処理実行が防止され、結果として処理効率が向上できる。
請求項7から8に係る発明によれば、読込用制御手段と書き込み用通信手段とに分けて制御されるため、読込処理と書込処理を並行して実行することができ、結果として、処理効率が向上できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態であるICタグアクセス装置10の概略構成図であり、図2は、ICタグアクセス装置10の概略側面図である。
このICタグアクセス装置10は、電波を介して、各種物品に付加されたICタグ102と通信し、当該ICタグ102から情報を読み込んだり、当該ICタグ102に情報を書き込んだりする装置である。ここで、ICタグ102とは、周知の通り、微小なICチップと当該ICチップに接続された通信アンテナとを備える微小通信機器である。このICタグ102から読み込まれた情報やICタグに書き込んだ情報は、当該ICタグ102が付加された物品の管理等に利用される。
なお、以下の説明では、ICタグ102が用紙100に付加されている場合に好適なICタグアクセス装置10を例に挙げて説明している。しかし、ICタグ102が付加される物品は、管理が必要とされる物品であれば特に限定されず、例えば、用紙などのシート材のほか、書籍や機械部品、電子部品などのように立体的形状を有するものでもよい。また、以下の説明では、ICタグアクセス装置10単独で使用される場合を想定しているが、以下で説明するICタグアクセス装置10は、他の装置、例えば、用紙に印刷処理を施す印刷装置や、製品の製造ラインにおいてICタグが付加された各部品の管理を行う部品管理装置などに組み込まれて使用されてもよい。
本実施形態のICタグアクセス装置10は、ICタグ102が付加された用紙100を収容する給紙部14や排紙部16,18、用紙100を搬送する搬送機構12、ICタグ102と通信を行う二つの通信部24,26、様々な情報を記憶する記憶部22、ユーザとの間で情報や指示を遣り取りするユーザインターフェース部20(以下「UI部20」と略す)、および、装置全体の駆動を制御する制御部28などを備えている。
給紙部14は、通信処理が施される前の用紙100を収容するもので、用紙100が収容可能な程度の大きさを備えた容器から構成される。この給紙部14には、搬送機構12が接続されており、制御部28からの指示に応じて、当該給紙部14に収容されている用紙100が一枚ずつ順に取り出され、搬送される。なお、当該給紙部14に収容される各用紙100には、それぞれ、1以上のICタグ102が付加されている。
搬送機構12は、給紙部14から排紙部16,18まで用紙を搬送するための機構で、送り機構38や搬送板36、経路切替器44などを備えている。送り機構38は、搬送経路に沿って複数配設されており、用紙100を順次、下流側に送る役割を果たす。各送り機構38は、図示しないモータ等の駆動源により駆動する駆動ローラ40と、当該駆動ローラ40に対向して設けられた従動ローラ42と、から構成される。この駆動ローラ40と従動ローラ42により挟持された用紙100は、駆動ローラ40の回転に伴い、順次、下流へと搬送される。
搬送板36は、搬送経路に沿って渡される板材で、搬送される用紙100の垂れや落下を防止する。経路切替器44は、制御部28からの指示に応じて、用紙100の搬送経路を切り替える機器である。すなわち、図2から明らかなとおり、本実施形態において、搬送経路は、給紙部14から正常排紙部16まで延びる主経路50と、主経路50から分岐して異常排紙部18に延びる副経路52と、から構成されている。経路切替器44は、この主経路50と副経路52との分岐位置に設けられており、制御部28からの指示に応じて、用紙100の搬送経路を切り替える。
正常排紙部16は、ICタグ102からの情報読込処理、および、ICタグ102への情報書込処理の両方が正常に終了した用紙100が収容される収容容器である。異常排紙部18は、ICタグ102からの情報読込処理やICタグ102への情報書込処が正常に行えなかった用紙100が収容される収容容器である。ICタグ102への情報読み書き処理の成否判断は、後に詳説する判断基準に従って、制御部28が行う。
UI部20は、ユーザからの操作指示を受け付けたり、ユーザに各種情報を提示したりする。このUI部20は、例えば、操作指示を受け付ける複数のボタンや、情報を提示する液晶パネルなどからなる表示器、情報提示と操作指示受け付けを行うタッチパネル、音で情報を提示するスピーカなどから構成できる。制御部28は、UI部20を介して入力された各種操作指示に応じて、搬送機構12や通信部24,26の駆動を制御するとともに、必要に応じて、当該UI部20を介してユーザに各種情報を提示する。ここで、UI部20を介して提示される情報としては、処理の進行状況や、エラー発生を示す警告情報などがある。
第一通信部24および第二通信部26は、いずれも、用紙100に付されたICタグ102に電波を送受することで、当該ICタグ102と非接触で通信を行う通信手段として機能するもので、その構成はほぼ同じである。すなわち、この二つの通信部24,26は、いずれも、電波を送受する通信アンテナ30,32や、当該通信アンテナ30,32を駆動する駆動回路(図示せず)、アンテナ駆動に必要な駆動プログラムを記憶するROM(図示せず)などを備えている。また、機能的にみれば、第一通信部24および第二通信部26は、いずれも、ICタグ102から情報を読み込む情報読込機能およびICタグ102に情報を書き込む情報書込機能の両方を備えている。
第一通信アンテナ30および第二通信アンテナ32は、搬送板36に対向して設けられており、その真下に位置する用紙100に付加されたICタグ102に電波を送受する。以下では、第一通信アンテナ30と通信する際の用紙位置を第一通信位置P1と、第二通信アンテナ32と通信する際の用紙位置を第二通信位置P2と呼ぶ。ここで、図2に図示するように、第二通信アンテナ32は、第一通信アンテナ30より下流側に設けられている。したがって、当然ながら、第二通信位置P2は、第一通信位置P1より下流側に位置する。既述した主経路50と副経路52との分岐位置は、この第二通信位置P2より下流側に設けられている。
本実施形態では、基本的には、第一通信部24を用いてICタグ102から情報を読み込み、第二通信部26を用いてICタグ102に情報を書き込むようにし、N枚目の用紙100に対する書込処理と、N+1枚目の用紙100に対する読込処理とを並行して行うようにしている。すなわち、第二通信部26を用いてN+1枚目の用紙100に付加されたICタグ102に情報を書き込む書込処理を実行している間に、第一通信部24を用いてN枚目の用紙100に付加されたICタグ102から情報を読み込む読込処理を実行させる。ただし、後に詳説するように、第一通信部24で読込処理が失敗した場合には、第二通信部26を用いて、読込処理と書込処理の両方を行う。逆に、第二通信部26で書込処理が失敗した場合には、第一通信部24を用いて読込処理と書込処理の両方を行う。また、第一通信部24および第二通信部26のいずれを用いても、読込処理または書込処理が失敗した場合には、通信対象であるICタグ102に何らかの問題があると判断し、当該ICタグ102への通信処理を中止する。
記憶部22には、処理に必要な各種情報、例えば、ICタグ102に書き込む情報や、各用紙100におけるICタグの付加位置などを記憶する。制御部28は、UI部20を介して入力されるユーザからの操作指示に応じて、搬送機構12や二つの通信部24,26の駆動を制御する。また、制御部28は、各通信部24,26での通信処理の結果を確認する。そして、通信処理の失敗が生じた場合、制御部28は、各通信部24,26ごとの通信処理の成否結果に基づいて、当該失敗の原因を判断する。この判断の具体的な内容については、後に詳説する。
次に、このICタグアクセス装置10を用いて、用紙100に付加されたICタグ102に通信処理を施す場合の流れについて説明する。図3、図4は、通信処理の流れを示すフローチャートである。また、図5および図6は、通信部24,26周辺の概略側面図である。
用紙100に付加されたICタグ102に通信処理を施す場合、ユーザは、まず、給紙部14に、ICタグ102が付加された用紙100を補充する。また、ユーザは、UI部20を操作して、通信処理に必要な各種設定情報を入力する。ここで入力される設定情報としては、処理を施す用紙枚数や、用紙サイズ、各用紙100におけるICタグ102の付加位置、ICタグ102に書き込む情報の内容(あるいは当該情報が保存されているアドレス情報)などがある。制御部28は、入力された各種設定情報を、記憶部22に一時記憶しておく。
必要な設定情報を全て入力すれば、ユーザは、UI部20を介して、通信処理の開始を指示する。この指示を受ければ、制御部28は、搬送機構12に対して、用紙100の搬送開始を指示する。搬送機構12は、送り機構38などを駆動して、給紙部14に収容されている用紙を一枚ずつ取り出し、順次、第一通信位置P1および第二通信位置P2へ搬送する。ここで、適切な通信処理のためには、各通信部24,26に設けられた通信アンテナ30,32と、ICタグ102と、の相対位置関係が重要となる。そこで、搬送機構12は、UI部20を介して入力された用紙サイズや、各用紙100におけるICタグ102の付加位置などの情報を参考にして、ICタグ102と通信アンテナ30,32との相対位置関係が適切になるべく、搬送位置を調整しながら、用紙100の搬送を実行する。
用紙搬送の結果、一つの用紙100が第一通信位置P1(第一通信アンテナ30の真下位置)に到達すれば、制御部28は、用紙搬送の一時中止を指示し、当該一つの用紙100を第一通信位置P1で一時停止させる(S10)。図5は、このときの様子を示している。
用紙100が第一通信位置P1で停止すれば、制御部28は、第一通信部24に対して、ICタグ102から情報を読み込む読込処理の開始を指示する(S12)。この指示を受けた第一通信部24は、第一通信位置P1に停止している用紙100に付加されたICタグ102に対して、電波を送受し、当該ICタグ102に記録されている情報、例えば、当該ICタグ102の識別番号等の読み出しを開始する。
電波送受の結果、正常に情報が読み出せた場合(S14でYes)、第一通信部24は、読み出した情報、および、読込処理が正常終了した旨を制御部28に通知する。この場合、制御部28は、読み出された情報等をもとに、当該ICタグ102に書き込むべき情報の検索を開始する。また、用紙100の搬送の再開を搬送機構12に指示し、読込処理が終了した用紙100を第二通信位置P2まで搬送させる(S16)。
読込処理が終了した用紙100が第二通信位置P2に到達すれば、制御部28は、用紙100の搬送を一時停止させるとともに、第二通信部26に対して書込処理の開始を指示する(S18)。この指示を受けた第二通信部26は、第二通信位置P2に停止している用紙100に付加されているICタグ102に対して電波の送受を開始する。そして、電波送受の結果、書込処理が正常に終了すれば、その旨を制御部28に通知する(S20でYes)。
一つの用紙100に対する第一通信部24による読込処理および第二通信部26による書込処理の両方が正常に終了すれば、制御部28は、搬送機構12に指示を出力し、当該処理が施された用紙100を正常排紙部16に搬送させる(S22)。
なお、図6に図示するように、第二通信部26によるN枚目用紙(図6における100a)に対する書込処理と並行して、第一通信部24によるN+1枚目用紙(図6における100b)に対する読込処理も行うことが望ましい。N枚目用紙100aに対する書込処理と、N+1枚目用紙100bに対する読込処理とを並行して行うことにより、全体の処理時間が短縮される。
ところで、これまで説明した処理の流れは、全ての処理が正常に終了した場合の流れである。しかし、ICタグ102や通信部24,26の故障、あるいは、周辺ノイズの影響などに起因して、読込処理や書込処理の失敗が発生する場合もある。その場合の流れについて説明する。
既述したとおり、搬送されてきた用紙100は、まず、第一通信部24による読込処理が施される。従来では、この第一通信部24による読込処理が失敗したとしても、当該失敗が、ICタグ102に起因するものなのか、通信部24,26の故障等に起因するものなのか、の判断を行っていなかった。そして、失敗が生じた場合には、常に、当該ICタグ102が付加された用紙100を異常排紙部18に搬送し、廃棄していた。しかし、読込処理失敗は、ICタグ102ではなく、通信部24,26の故障等に起因して生じる場合もある。かかる場合に、ICタグ102を廃棄処理することは全体の処理効率の低下を招いていた。また、本来、何ら問題のないICタグ102を廃棄することは、コスト的な問題も招いていた。
そこで、本実施形態では、一つの通信部24(26)による通信処理が失敗した場合には、他の通信部26(24)で同様の通信処理を実行する。そして、その際の通信処理の成否結果に基づいて、通信処理失敗の発生原因を特定する。
具体的に説明すると、第一通信部24で読込処理を実行し、当該読込処理が失敗した場合(S14でNo)、制御部28は、当該読込処理の対象となっていた用紙100を、第二通信位置P2に搬送する(S24)。用紙100が第二通信位置P2に到達すれば、制御部28は、当該用紙100の搬送を一時中断させるとともに、第二通信部26に対して、読込処理、すなわち、第一通信部24が失敗した処理と同様の処理の実行を指示する(S26)。この指示を受けた第二通信部26は、ICタグ102に電波を送受し、読込処理を実行する。そして、第二通信部26は、読込処理が終了すれば、当該読込処理の成否結果を制御部28に通知する。
制御部28は、二つの通信部24,26で読込処理を行った際の成否結果に基づいて、第一通信部24で生じた読込処理失敗の原因を判断する。具体的には、制御部28は、第一通信部24および第二通信部26のいずれにおいても、読込処理が失敗した場合(S28でNo)、通信対象であったICタグ102に何らかの問題があったと判断する。この場合、制御部28は、読込処理ができなかったICタグ102が付された用紙100を異常排紙部18に搬送させる(S34)。
一方、第一通信部24での読込処理は失敗したものの、第二通信部26での読込処理は成功した場合(S28でYes)、制御部28は、第一通信部24に何らかの問題があったために読込処理が失敗したと判断する(S30)。逆に言えば、ICタグ102には問題が無いと判断する。そして、この問題の無いICタグ102については、廃棄することなく、そのまま、次の処理、具体的にはステップS18に示す書込処理へと進ませる。
次に、第二通信部26による書込処理が失敗した場合(S20でNo)の流れについて説明する。第二通信部26による書込処理が失敗した場合、制御部28は、搬送機構12に対して用紙100の逆搬送(下流側から上流側への搬送)を指示し、書込処理失敗した用紙100を第一通信位置P1に戻させる(S36)。書込処理失敗した用紙100が第一通信位置P1に到達すれば、制御部28は、用紙100の逆搬送の中止を指示するとともに、第一通信部24に対して、書込処理の実行を指示する。
この指示を受けた第一通信部24は、第二通信部26による書込処理が失敗した用紙100に付加されたICタグ102に対して電波を送受し、第二通信部26が試みた書込処理と同様の内容の書込処理を開始する(S38)。そして、第一通信部24は、書込処理が終了すれば、当該書込処理の成否結果を制御部28に通知する。
制御部28は、二つの通信部24,26で書込処理を行った際の成否結果に基づいて、第二通信部26で生じた書込処理失敗の原因を判断する。具体的には、第一通信部24および第二通信部26のいずれにおいても、書込処理が失敗した場合(S40でNo)、通信対象であったICタグ102に何らかの問題があったと判断する(S44)。この場合、制御部28は、書込処理ができなかったICタグ102が付された用紙100を異常排紙部18に搬送する(S46)。
一方、第二通信部26での書込処理は失敗したものの、第一通信部24での書込処理は成功した場合(S40でYes)、制御部28は、第二通信部26に何らかの問題があったために書込処理が失敗したと判断する(S42)。逆に言えば、ICタグ102には問題が無いと判断する。この場合、制御部28は、この問題の無いICタグ102が付加された用紙100を正常排紙部16に搬送するべく、搬送機構12に指示する(S22)。
つまり、本実施形態では、二つの通信部24,26を設けるとともに、一つの通信部24(26)で特定の通信処理が失敗した場合には、他の通信部26(24)で当該特定の通信処理を再実行している。そして、二つの通信部24,26で行った通信処理の成否結果に基づいて、通信処理失敗の原因を判断する。これにより、ICタグ102に問題が無いにも関わらず、ICタグ102を廃棄するという無駄が防止される。その結果、ICタグアクセス装置全体としての処理効率が向上する。また、廃棄するICタグ102の個数(用紙枚数)が減るため、コスト的にも有利になる。
なお、本実施形態では、通信部を二つだけとしているが、より多数の通信部を設けてもよい。通信部の個数を3以上とした場合も、基本的な処理の流れは、上述の実施形態と同じである。すなわち、通信処理の失敗が生じた場合、順次、使用する通信部を代えて、当該失敗した通信処理を再実行する。そして、いずれの通信部でも当該通信処理が失敗した場合には、当該失敗は、ICタグに起因すると判断する。一方、いずれかの通信部で当該通信処理が成功した場合には、当該失敗は、通信部に起因すると判断する。このように通信部の個数をより多数とすることで、通信部を代えての処理の再実行回数が増加する。そして、これにより、失敗原因判断の正確性がより向上する。
また、上述した実施形態では、二つの通信部24,26を、読込処理用(第一通信部24)と書込処理用(第二通信部26)とに分けているが、当然ながら、一つの通信部で読込処理と書込処理の両方を連続して行ってもよい。例えば、第一通信部24で、読込処理と書込処理の両方を連続して実行し、いずれの処理も正常に終了した場合には、第二通信部26による通信処理を行うことなく、用紙100を正常排紙部に搬送する。一方、第一通信部24において、読込処理または書込処理が失敗した場合には、用紙100を第二通信位置P2に搬送し、第二通信部26による読込処理および書込処理を実行するようにしてもよい。
また、通信部24,26に起因する通信処理失敗が生じた場合には、UI部20を介してユーザにエラーを通知するようにしてもよい。また、当該失敗原因となった通信部24,26に対して何らかの修理・点検が施されるまで、当該通信部24,26の以降での使用を中止するようにしてもよい。例えば、第一通信部24に起因する通信処理失敗が生じた場合には、第一通信部24に何らかの問題が生じている可能性があることをUI部20を介してユーザに提示する。そして、当該第一通信部24に対して修理または点検が施されるまで、当該第一通信部24を用いての通信処理は行わず、第二通信部26で読込処理および書込処理の両方を行うようにする。これにより、故障等の可能性のある通信部を継続使用することが防止され、通信処理失敗の発生確率が低下する。その結果、全体として処理効率が向上する。
ただし、通信処理が失敗する原因としては、ICタグの故障、通信部の故障の他に、周辺ノイズの影響等のように偶発的に発生するものもある。かかる偶発的理由により生じる通信処理失敗も、通信部24,26に起因する失敗と判断される場合がある。この場合において、偶発的理由による失敗であるにも関わらず、通信部24,26に何らかの問題があると判断して、当該通信部24,26の使用を中止すると、返って処理効率を低下させてしまう場合もある。
そこで、各通信部24,26に起因する失敗の発生頻度を監視し、当該発生頻度に基づいて各通信部24,26の良否判断を行うようにしてもよい。すなわち、上述の実施形態では、通信処理失敗が生じる度に当該失敗の原因を判断しているが、このとき得られた失敗原因を随時、記憶部22に記憶しておく。そして、第一通信部24に起因する失敗、および、第二通信部26に起因する失敗、それぞれの発生頻度が予め規定された基準値に達するか否かを随時、監視する。監視の結果、第一通信部24に起因する失敗の発生頻度が予め規定された基準値を超えた場合には、第一通信部24に何らかの問題があると判断し、当該第一通信部24の以降での使用を中止する。同様に、第二通信部26に起因する失敗の発生頻度が予め規定された基準値を超えた場合には、第二通信部26に何らかの問題があると判断し、当該第二通信部26の以降での使用を中止する。このように、各通信部24,26に起因する失敗の有無だけでなく、その発生頻度も監視することにより、通信部24,26の良否判断における周辺ノイズ等の影響が低減される。その結果、通信部24,26の良否判断の正確性が向上する。
また、通信部24,26に起因する失敗の発生頻度だけでなく、ICタグ102に起因する失敗の発生頻度も監視し、当該発生頻度に基づいて搬送機構12等の良否を判断するようにしてもよい。すなわち、ICタグ102に起因する失敗が生じたと言うことは、ICタグ102に故障等が生じていることを意味している。このICタグ102の故障等は最初から生じている場合もあるが、用紙100の搬送途中で生じる場合もある。例えば、本実施形態の搬送機構12は、用紙100を一対のローラ40,42で挟持して搬送するが、この挟持圧力が過大であるためにICタグ102が故障する場合もある。ICタグ102の故障を招くような搬送機構12の不具合は、できるだけ早期に発見することが望ましい。そこで、ICタグ102に起因する失敗の発生頻度(換言すればICタグ102の故障頻度)を監視し、当該発生頻度が予め規定された基準値を超えた場合には、制御部28は、搬送機構12に何らかの問題が生じていると判断し、ユーザに何らかの警告を通知することも望ましい。
また、上述した実施形態では、用紙100を通信位置P1,P2に一時停止させた状態で電波送受を行っているが、用紙100を一時停止させることなく、搬送させたまま電波送受を行うようにしてもよい。これにより、用紙の搬送時間、ひいては、全体の処理時間が短縮される。
10 タグアクセス装置、12 搬送機構、14 給紙部、16 正常排紙部、18 異常排紙部、20 ユーザインターフェース部、22 記憶部、24 第一通信部、26 第二通信部、28 制御部、30 第一通信アンテナ、32 第二通信アンテナ、36 搬送板、38 送り機構、44 経路切替器、50 主経路、52 副経路、100 用紙、102 ICタグ。
Claims (9)
- 物品に付されたICタグに通信用電波を送受することで、当該ICタグと通信する複数の通信手段と、
前記搬送手段および通信手段を制御する制御手段であって、同一のICタグに対する同一の通信処理を二以上の通信手段で順次実行させる制御手段と、
通信処理失敗が発生した際に、各通信手段での通信処理の成否結果に基づいて、当該通信処理失敗の原因を判断する判断手段と、
を備えることを特徴とするICタグアクセス装置。 - 請求項1に記載のICタグアクセス装置であって、
前記判断手段は、二以上の通信手段で同一のICタグに対する同一の通信処理を実行した際に、いずれの通信手段でも当該通信処理が失敗となった場合、当該失敗はICタグに起因すると判断することを特徴とするICタグアクセス装置。 - 請求項1または2に記載のICタグアクセス装置であって、
前記判断手段は、二以上の通信手段で同一のICタグに対する同一の通信処理を実行した際に、一部の通信手段で通信処理が失敗し、かつ、他の一部の通信手段で通信処理が成功した場合、当該失敗は当該失敗が発生した通信手段に起因すると判断することを特徴とするICタグアクセス装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のICタグアクセス装置であって、
前記判断手段は、ICタグに起因する通信処理失敗の発生頻度に基づいて、物品を通信実行位置まで搬送する搬送手段の良否も判断することを特徴とするICタグアクセス装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のICタグアクセス装置であって、
前記判断手段は、各通信手段に起因する通信処理失敗の発生頻度に基づいて、各通信手段の良否も判断することを特徴とするICタグアクセス装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のICタグアクセス装置であって、
前記制御部は、通信手段が不良と判断された場合、当該通信手段の以降の通信処理での使用を中止することを特徴とするICタグアクセス装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載のICタグアクセス装置であって、
前記制御手段は、前記複数の通信手段を、ICタグから情報を読み込む読込用通信手段と、ICタグに情報を書き込む書込用通信手段と、に分けて制御することを特徴とするICタグアクセス装置。 - 請求項7に記載のICタグアクセス装置であって、
前記制御手段は、前記読込用通信手段で読取通信処理が失敗した際には、前記書込用通信手段に読込通信処理および書込通信処理の両方の実行を指示することを特徴とするICタグアクセス装置。 - 請求項7または8に記載のICタグアクセス装置であって、
前記制御手段は、前記書込用通信手段で読込通信処理が失敗した際には、前記読込用通信手段に読込通信処理および書込通信処理の両方の実行を指示することを特徴とするICタグアクセス装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007190845A JP2009026196A (ja) | 2007-07-23 | 2007-07-23 | Icタグアクセス装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011076276A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Sato Knowledge & Intellectual Property Institute | Rfid用紙用プリンター |
JP2015179397A (ja) * | 2014-03-19 | 2015-10-08 | サトーホールディングス株式会社 | Rfidタグのエンコーディングシステム |
JP2015194914A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | サトーホールディングス株式会社 | Icタグ発行装置 |
-
2007
- 2007-07-23 JP JP2007190845A patent/JP2009026196A/ja active Pending
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