JP2009024611A - 小型ポンプ - Google Patents

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健一 堀
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胤成 福井
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Abstract

【課題】1つのモータ駆動系統から複数系統のポンプ出力を得て、小型ポンプの省スペース化及びコストダウンを可能にする。
【解決手段】ダイヤフラム24A,24B底部に貫通孔29A,29Bを設け、該貫通孔29A,29Bに連通する空気導入孔27aを有する軸体27を揺動体26に突設し、該軸体27にダイヤフラム24A,24B裏面に突設した中空状取付体25A,25Bを嵌着し、貫通孔29A,29Bに吸気弁体28を設け、ポンプ室23A,23Bと連通する出力孔36A,36Bに出力弁体38A,38Bを設けて、モータ6の駆動に伴う揺動体26の揺動によってダイヤフラム24A,24Bが上下動してポンプ動作を行う。ポンプ室23A,23Bは複数の出力系統に区分され、個々の出力系統ごとに出力孔36A,36Bを備え、1つのモータ駆動系統から複数のポンプ出力を得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、小型ポンプに関するものであり、特に、燃料電池システム等に用いられ、且つ、ダイヤフラムを使用する小型ポンプに関するものである。
従来の此種小型ポンプを図6に従って説明する。小型ポンプ21は筒状のケース22内にポンプ室23,23を形成する2個のダイヤフラム24,24が備えられ、該ダイヤフラム24,24の下部中心部には中空状取付体25,25が下方に突出して設けられ、該ダイヤフラム24,24の下方には、該ダイヤフラム24,24の下面を上下動させる揺動体26が配設されている。
尚、前記ケース22は上ケース22aと、中ケース22bと、下ケース22cの3段で構成され、前記ダイヤフラム24,24は該ダイヤフラム24,24の鍔部24a,24aが前記上ケース22aと中ケース22bとの間に挟着されて前記ケース22に保持されている。
そして、該揺動体26の周辺部近傍であって、且つ、前記ダイヤフラム24,24の夫々の中心部下方に位置して、空気導入孔27a,27aを有する軸体27,27が上方に突設され、該軸体27,27の外側面に前記ダイヤフラム24,24の中空状取付体25,25の内側面が密嵌して前記揺動体26に前記ダイヤフラム24,24が取付けられている。
又、前記ダイヤフラム24,24の底部中心部の一部は切開されて、吸気弁体28,28が形成されていると共に、該切開によって貫通孔29,29が設けられ、該吸気弁体28,28により該貫通孔29,29を閉塞、開放可能にして吸気弁部V1 ,V1 が構成されている。
更に、前記揺動体26の中心部には該揺動体26を偏心回転により揺動させる偏心回転軸30が貫通して固着されている。そして、該揺動体26の上方に前記中ケース22bから延設されて延設部31が設けられると共に、該延設部31の下部に凹部32が形成され、他方、前記下ケース22cの下部側に配置された回転駆動軸33上端に回転体34が固着されている。又、該回転体34上部の中心位置から離間した位置に凹部35が形成され、該凹部35に前記偏心回転軸30の下端部が遊嵌され、該偏心回転軸30の上端は延設部31の凹部32に遊嵌されている。
又、前記上ケース22aの中央部には排気孔(出力孔)36が開穿され、且つ、該上ケース22aの下面部の該排気孔36外周に該排気孔36と連通する2個の環状凹溝37,37が設けられており、該環状凹溝37,37の内壁面37a,37aに前記ダイヤフラム24,24の上端部から成る排気弁体(出力弁体)38,38を圧接させて排気弁部V2 ,V2 が構成されている。
そして、前記回転駆動軸33にモータ39を接続すると共に、該モータ39をモータケース40に収納し、該モータケース40の上板40aに前記下ケース22cを重ねて両者を連結する。更に、該下ケース22cの前記底板22d及びモータケース40の上板40aに該モータケース40内と連通する連通孔41が設けられていると共に、該モータケース40の下部にモータケース40内に外気を導入するための吸気孔42,42が形成されている。
而して、前記回転駆動軸33の回転により前記回転体34が回転すると、前記偏心回転軸30が偏心回転し、これによって前記揺動体26が揺動し、前記ダイヤフラム24,24の下端部を上下動させる。そして、一方のダイヤフラム24の下端部が下動された時、該ダイヤフラム24内は負圧になり、前記排気弁体38は前記環状凹溝37の前記内壁面37aに密着して排気弁部V2 は閉じ、且つ、前記吸気弁体28は前記貫通孔29を閉塞状態から開放して吸気弁部V1 は開状態となり、前記空気導入孔27aから前記ダイヤフラム24内へ矢印Cの如く吸気が行われる。
次に、前記ダイヤフラム24の下端部が上動された時、前記ダイヤフラム24内は高圧になり、前記吸気弁体28が前記貫通孔29を閉塞して前記吸気弁部V1 を閉状態にすると共に、前記排気弁体38が前記内壁面37aより拡径離間して、前記排気弁部V2による出力が矢印Dの如く行われる。該排気弁体38内より排出された空気は前記環状凹溝37を通り、前記排気孔36から前記ケース22外に排出されてポンプ出力が得られる。
又、前記ダイヤフラム24の上動に伴って前記下ケース22c内が負圧になり、前記連通孔41を介して前記モータケース40内の空気が矢印Eの如く流入し、これによって、該モータケース40内が負圧になり、前記吸気孔42を介して外気が矢印Fの如く吸入されて、小型ポンプ21のポンプ動作が行われる(特許文献1参照)。
特開2002−106471号公報
しかし、上記特許文献1記載の小型ポンプは、ケース内に複数のポンプ室を形成するダイヤフラムを備えているが、複数のポンプ室は1つの出力孔(排気孔)を共通に有するため、1系統(1種類)のポンプ出力しか得ることができない。
依って、複数種類のポンプ出力を必要とする場合、或いは、同一種類のポンプ出力を複数必要とする場合は、それに応じて複数の小型ポンプを設置する必要があり、小型ポンプの設置面積が増大する。又、複数の小型ポンプを設置した場合は、それに応じて設備費及び電力費等のランニングコストが増大する。
又、上記小型ポンプは、中空状取付体を軸体外側面に圧接して嵌合しているので、双方の嵌合部を高くするには、該中空状取付体及び軸体を長く形成する必要があり、小型ポンプ全体の高さがその分だけ大となる。又、揺動体の揺動作用により中空状取付体が軸体から徐々に外れてくると云う欠陥がある。
そこで、本出願人は上記従来例の欠陥を除去すべく、図7乃至図9に示す新規な小型ポンプを提案した(平成19年3月5日付け出願の未公開技術)。尚、図6に示した従来例と共通する部分については同一符号を付して説明するものとする。図において、小型ポンプ1は、ポンプケース2としての天板を形成する上ポンプケース3と、該上ポンプケース3の周縁下面に一体に連結されている下ポンプケース4と、該下ポンプケース4の下方部がモータケース5の側壁5aに一体的に嵌合された該モータケース5とを有し、該小型ポンプ1のケースK内に、4個のダイヤフラム24A,24B,24C,24D、揺動体26並びにモータ6が収納されている。
前記上ポンプケース3と各ダイヤフラム24A,24B,24C,24Dとの間の空間をポンプ室23A,23B,23C,23Dとして、該ポンプ室23A,23B,23C,23D内への空気の吸入及び排出を行う。又、4個のポンプ室23A,23B,23C,23Dは、図7及び図8に示すように、1つの出力孔(排気孔)36を共通に有している。更に、各ダイヤフラム24A,24B,24C,24Dの上ポンプケース3側にそれぞれ出力弁体(排気弁体)38が設けられている。
各ダイヤフラム24A,24B,24C,24Dの底部中心部にはそれぞれ貫通孔29が開穿されており、該貫通孔29を開閉する吸気弁体28が設けられて、吸気弁部V1 が構成されている。一方、前記貫通孔29に連通する空気導入孔27aを有する軸体27が、前記揺動体26の周辺近傍に突設されている。他方、各ダイヤフラム24A,24B,24C,24Dの底部裏面に中空状取付体25が突設され、該中空状取付体25を前記軸体27外側面に密嵌して、該ダイヤフラム24A,24B,24C,24Dを揺動体26に取り付けている。
又、前記揺動体26の中心部には偏心回転軸30の上端部が固着され、該偏心回転軸30の下端部は、モータ部Mのプーリー(回転体)10上面であって、モータ軸6bの中心から偏心した位置に遊嵌されている。よって、上記モータ6の駆動により、偏心回転軸30が偏心回転して揺動体26が上下に揺動することで、ダイヤフラム24A,24B,24C,24Dが上下動して、前記ポンプ室23A,23B,23C,23Dを圧縮、膨張させてポンプ出力が得られる。
特に、軸体27にはダイヤフラム24A,24B,24C,24Dの抜け止め用凹部27bが設けられ、又、中空状取付体25には突起部25aが設けられている。更に、前記プーリー10は、ロータマグネット6aが固定されたバックヨーク部6c及びモータ軸7上には直接固設されている。なお、符号9はステータであり、符号11は回路基板である。
しかし、この小型モータにおいても、複数のポンプ室は1つの出力孔を共通に有するため、1系統のポンプ出力しか得ることができない。依って、複数種類のポンプ出力を必要とする場合、或いは、1種類のポンプ出力を複数必要とする場合は、それに応じて複数の小型ポンプを設置する必要がある。その結果、小型ポンプの設置面積が増大すると共に、設備費等のランニングコストも増大する。以上のように、前記小型ポンプにおいても省スペース化及び省電力化の観点から改良の余地があった。
そこで、1つのモータ駆動系統から複数系統のポンプ出力を得て小型ポンプの省スペース化及びコストダウンを可能にするために解決せられるべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、ケース内にポンプ室を形成する複数のダイヤフラムを備え、該ダイヤフラムの底部に貫通孔を設け、該貫通孔に連通する空気導入孔を有する軸体を揺動体に突設し、該軸体に前記ダイヤフラムの底部裏面に突設した中空状取付体を嵌着して該ダイヤフラムを前記揺動体に連結し、更に、前記貫通孔に吸気弁体を設けると共に、前記ポンプ室と連通する出力孔に出力弁体を設けて、モータの駆動に伴う前記揺動体の揺動によって前記ダイヤフラムが上下動してポンプ動作を行う小型ポンプにおいて、前記ポンプ室は複数の出力系統に区分されていると共に出力系統ごとに出力孔が設けられ、1つのモータ駆動系統から複数のポンプ出力が得られるように構成したことを特徴とする小型ポンプを提供する。
この構成によれば、前記モータの駆動により前記揺動体を揺動させると、複数のダイヤフラムが上下動するため、前記ポンプ室内が圧縮、膨張してポンプ動作を行う。この場合、該ポンプ室は複数の各出力系統ごとに出力孔を共通に備えるので、1つのモータ駆動系統により複数のポンプ出力が同時に得られる。
請求項2記載の発明は、上記ポンプ室は各出力系統ごとにポンプ容量が異なることを特徴とする請求項1記載の小型ポンプを提供する。
この構成によれば、ポンプ室は異なる複数の出力系統ごとにポンプ容量が異なるので、1つのモータ駆動系統から、ポンプ容量が異なる複数のポンプ出力が得られる。
請求項3記載の発明は、上記ポンプ室は各出力系統ごとにポンプ容量が同一であることを特徴とする請求項1記載の小型ポンプを提供する。
この構成によれば、ポンプ室は異なる出力系統ごとにポンプ容量が同一であるので、1つのモータ駆動系統から、ポンプ容量が同一であるポンプ出力が複数得られる。
請求項1記載の発明は、1つのモータ駆動系統により複数のポンプ出力が得られるので、複数のポンプ出力を必要とする場合、従来技術では複数の小型ポンプを設置する必要としたが、本発明では1つの小型ポンプで済むので、従来に比べて小型ポンプの設置面積を縮小できると共に、設備費及び電力費等のランニングコストを大幅に削減させることができる。
請求項2記載の発明は、1つのモータ駆動系統から、ポンプ容量の異なる複数のポンプ出力が得られるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、ポンプ容量の異なる複数のポンプ出力を必要とする場合、従来技術では複数の小型ポンプを必要としていたのであるが、本発明では1つの小型ポンプにより対応することができる。
請求項3記載の発明は、1つのモータ駆動系統から、ポンプ容量が同一であるポンプ出力が複数得られるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、従来技術では複数の小型ポンプを必必要としていたのであるが、本発明では1台の小型ポンプにより対応することができる。
本発明は、1つのモータ駆動系統から複数系統のポンプ出力を得て小型ポンプの省スペース化及びコストダウンを可能にするという目的を達成するために、ケース内にポンプ室を形成する複数のダイヤフラムを備え、該ダイヤフラムの底部に貫通孔を設け、該貫通孔に連通する空気導入孔を有する軸体を揺動体に突設し、該軸体に前記ダイヤフラムの底部裏面に突設した中空状取付体を嵌着して該ダイヤフラムを前記揺動体に連結し、更に、前記貫通孔に吸気弁体を設けると共に、前記ポンプ室と連通する出力孔に出力弁体を設けて、モータの駆動に伴う前記揺動体の揺動によって前記ダイヤフラムが上下動してポンプ動作を行う小型ポンプにおいて、前記ポンプ室は複数の出力系統に区分されていると共に出力系統ごとに1つの出力孔を共通に設け、1つのモータ駆動系統から複数のポンプ出力が得られるように構成したことにより達成した。
以下、本発明の好適な一実施例を図1乃至図5に従って詳述する。本実施例に係る小型ポンプは、2つの出力系統のポンプ室を2個ずつ備えると共に、各出力系統のポンプ室にそれぞれ形成した出力孔(排気孔)に出力弁体(排気弁体)を設けることにより、個々の出力孔から2系統のポンプ出力が得られるように構成したことを特徴とする。
図示例では、2つの出力系統のうちの一方のポンプ室と他方のポンプ室とは互いにポンプ容量の大きさが異なるので、1つのモータ駆動系統から、ポンプ容量の異なる2種類のポンプ出力が同時に得られる。
本発明は、複数のポンプ室の分割方法、或いは、夫々のポンプ室の大きさを変更することにより、複数の任意のポンプ出力を得ることができる。これを1つの駆動系(モータ)で実現できるため、複数の駆動系を使用する必要がなく省電力化が可能になり、また、複数の小型ポンプを設置する必要がない。
図1は本発明の小型ポンプの斜視図、図2は図1の平面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図2のB−B線断面図、図5は図2のC−C線断面図である。尚、説明の都合上、図6に示した小型ポンプと共通する部分については同一符号を付して説明するものとする。図において、小型ポンプ1はポンプケース2としての天板を形成する上ポンプケース3と、該上ポンプケース3の周縁下面に一体に連結されている下ポンプケース4と、該下ポンプケース4の下方部をモータケース5の側壁5aに一体的に嵌合された該モータケース5とを有している。
前記小型ポンプ1のケースK内には、複数個たとえば4個のダイヤフラム24A,24A,24B,24B及び揺動体26並びにモータ6が収納されている。又、各ダイヤフラム24A,24A又は24B,24Bの上ポンプケース3側に出力弁体38A又は38Bが設けられ、且つ、各ダイヤフラム24A,24A又は24B,24Bの揺動体(揺動ピストン)26側に吸気弁体28A又は28Bが設けられている。
上ポンプケース3と各ダイヤフラム24A,24A,24B,24Bとの間の空間部には、空気の吸入及び排出を行うポンプ室23A,23A,23B,23Bがそれぞれ設けられている。2個のポンプ室23A,23Aと2個のポンプ室23B,23Bとは互いに異なる出力系統に区分されている。又、一方の出力系統のポンプ室23A,23Aと、他方の出力系統のポンプ室23B,23Bとは互いに容量が異なり、ポンプ室23A,23Aの容量はポンプ室23B,23Bの容量よりも小さく形成されている。
2個のポンプ室23A,23Aには1つの出力孔36Aが共通に設けられ、又、2個のポンプ室23B,23Bには1つの出力孔36Bが共通に設けられている。このため、1つのモータ6を駆動源として2系統のポンプ出力が同時に得られるように構成されている。
本実施例では、前記の出力孔36A,36Bの出力弁体38A,36Bよりも下流側には夫々開閉弁(図示せず)が設けられ、該出力孔36A側の開閉弁と出力孔36BA側の開閉弁とは、制御部(図示せず)により相互独立に開閉制御されるように構成されている。
本発明の小型モータ1は、モータ6の駆動により揺動体26が稼動し、該揺動体26の上下運動により、前記ポンプ室23A,23A及びポンプ室23B,23Bを交互に圧縮、膨張させることで2種類のポンプ出力が得られる。
例えば、揺動体26の揺動によりポンプ室23Aが上ポンプケース3側に振れたとき、該ポンプ室23Aは圧縮される。このとき、出力弁体38Aが開放されて、ポンプ室23A内の圧縮された空気(流体)が出力孔36Aから排出されることにより、ポンプ室23Aの容量又は圧縮率に対応した種類のポンプ出力が得られる。
逆に、ポンプ室23Aがモータ6側に振れたときはポンプ室23Aが膨張する。このとき、吸気弁体28Aが開放され、ポンプ室23A内に空気導入孔27aを介して空気が吸入される。このことはポンプ室23Bの出力についても同様である。
かかる一連の動作が繰り返されることにより、2つの出力系統の各ポンプ室23A,23A及び23B,23Bの容量又は圧縮率に応じた2種類のポンプ出力が得られ、得られたポンプ出力は、例えば燃料電子システム(図示略)等に用いられる。
図4において、各ダイヤフラム24A,24Aの底部には貫通孔29Aが開穿されており、そして、該貫通孔29Aを開閉する吸気弁体28Aが設けられて、吸気弁部V1が構成されている。又、図5において、各ダイヤフラム24B,24Bについても前記同様に構成されている。尚、吸気弁体28A又は28Bは、ダイヤフラム24A,24A又は24B,24Bの一部を切開して設けられている。
前記揺動体26の周辺近傍の4箇所にはそれぞれ、空気導入孔27aを有する軸体27が突設され、該空気導入孔27aは前記貫通孔29A,29Bに連通している。他方、各ダイヤフラム24A,24A及び24B,24Bの底部裏面には円筒状の中空状取付体25A及び25Bがそれぞれ突設され、該中空状取付体25A及び25Bを前記軸体27外側面に密嵌して、該ダイヤフラム24A,24A,24B,24Bを揺動体26に取付けている。
又、前記揺動体26の中心部には偏心回転軸30の上端部が固着され、該偏心回転軸30の下端部は、モータ部Mのプーリー(回転体)10上面であって、モータ軸6bの中心から偏心した位置に遊嵌されている。よって、上記モータ6の駆動により、偏心回転軸30が偏心回転して揺動体26が上下に揺動することで、ダイヤフラム24A,24A,24B,24Bが上下動して前記ポンプ室23A,23A,23B,23Bを圧縮、膨張させてポンプ出力が得られる。
図示例では、ポンプ部Pとモータ部MとがケースK内の同一の空間部A内に設置されているので、ポンプ部Pとモータ部Mを連結するための上下寸法の長い連結部材が不要となり、之等構成に要する余分なスペースも不要となる。
特に、前述の各軸体27にはダイヤフラム24A,24A,24B,24Bの抜け止め用凹部27bが設けられている。又、前記中空状取付体25A,25Bは上下寸法を小に形成して、該中空状取付体25A,25Bに夫々突起部125が設けられる。
斯くして、各突起部125を前記抜け止め用凹部27bに嵌合してダイヤフラム24A,24A,24B,24Bを揺動体26に取り付けたので、双方は強固に嵌合し、揺動体26の揺動作用によってダイヤフラム24A,24A,24B,24Bが上下動するとき、前記中空状取付体25A,25Bが軸体27から外れることがなくなる。
又、前記ロータマグネット6aの上面にはモータ軸7上に直接固設されたプーリー10が一体に設けられている。そして、前記偏心回転軸30の下端部は該プーリー10の中心部近傍の凹部10aに遊嵌され、該偏心回転軸30の偏心回転により、揺動体26が揺動してポンプ動作が実行されるように構成されている。尚、図3中の符号9は巻線が巻装されたモータ6のステータであり、又、符号11は電子部品が搭載された回路基板である。
前記モータケース5底面中央部に設けた突起部51には軸孔部45が上下方向に開穿され、該軸孔部45には軸受12を介してモータ軸6bが上下動自在かつ回転自在に嵌合されている。又、該モータ軸6bの下端部はワッシャー49を介して調整ネジ47により支持され、該調整ネジ47は軸孔部45下端に連通して形成したネジ孔48に螺合している。
依って、調整ネジ47の回転操作によりモータ軸6bの高さ位置を変化させると、プーリー10に連結された揺動体26の高さ位置が変化する。その結果、各ポンプ室23A,23A,23B,23Bの圧縮率も変化するので、ポンプ出力が調整変更される。
上述した如く本実施例によれば、一方の出力系統のポンプ室23A,23Aと、他方の出力系統のポンプ室23B,23Bとは、それぞれ出力孔36Aと出力孔36Bを別個独立に有するので、出力孔36Aと出力孔36Bから各別に種類の異なるポンプ出力を得ることができる。
図示例では、ポンプ室23A,23Aの容量はポンプ室23B,23Bの容量よりも小さいので、出力孔36Aから得られるポンプ出力の容量は、出力孔36Bから得られるポンプ出力の容量よりも小さい。
又、本実施例に係る小型ポンプ1は、1つのモータ駆動系統から、種類の異なる2系統のポンプ出力が同時に得られる。依って、種類の異なる2系統のポンプ出力を必要とする場合、従来技術では2台の小型ポンプが必要であったが、本発明では1台の小型ポンプで済むので、小型ポンプの設置面積の省スペース化が可能になり、併せて、小型ポンプの設備費及び電力費等のランニングコストも大幅に低減する。
更に、2つの出力系統の前記開閉弁、すなわち、出力孔36A側の前記開閉弁と、出力孔36BA側の前記開閉弁とは相互独立に開閉制御できる。従って、各出力系統のポンプ室23A,23A及び23B,23Bの容量又は圧縮率に適合すべく、各出力系統の開閉弁の開閉時期、開閉圧力などを設定することにより、各出力系統のポンプ出力をより効率良く得ることができる。
又、図示例では、ポンプ室23A,23Aの容量はポンプ室23B,23Bの容量よりも小さく設定したが、ポンプ室23A,23Aの容量とポンプ室23B,23Bの容量は、互いに同等の大きさに設定ですることができる。この構成によれば、2つの出力系統を形成する出力孔36Aと出力孔36Bにおいて、互いに同等のポンプ容量を有する1種類のポンプ出力が相互独立に得られる。よって、1種類のポンプ出力を2箇所で同時に使用することができる。
上記実施例では、圧縮型ポンプの圧縮媒体として空気を使用したが、空気以外の気体又は液体等の流体を使用することも可能である。又、本発明の小型ポンプは縦置き又は横置きのいずれの態様でも使用することができる。更に、本発明は、回転体をモータと別体に設けたタイプの小型ポンプ(図6参照)にも適用可能である。
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為ことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明の一実施例を示し、小型ポンプの斜視図。 図1の小型ポンプの平面図。 図2のA−A線断面図。 図2のB−B線断面図。 図2のC−C線断面図。 従来の小型ポンプの縦断面図。 本出願人が先に出願した未公開の小型ポンプの斜視図。 図7の小型ポンプの平面図。 図8のA−A線断面図。
符号の説明
1 小型ポンプ
2 ポンプケース
3 上ポンプケース
4 下ポンプケース
5 モータケース 6 モータ
6b モータ軸
10 プーリー(回転体)
23A ポンプ室
23B ポンプ室
24A ダイヤフラム
24B ダイヤフラム
25A 中空状取付体
25B 中空状取付体
26 揺動体(揺動ピストン)
27 軸体
27a 空気導入孔
27b 抜け止め用凹部
28 吸気弁体
36A 出力孔(排気孔)
36B 出力孔(排気孔)
38A 出力弁体(排気弁体)
38B 出力弁体(排気弁体)
45 軸孔部
47 調整ネジ(高さ調整手段)
48 ネジ孔
49 ワッシャー
M モータ部

Claims (3)

  1. ケース内にポンプ室を形成する複数のダイヤフラムを備え、該ダイヤフラムの底部に貫通孔を設け、該貫通孔に連通する空気導入孔を有する軸体を揺動体に突設し、該軸体に前記ダイヤフラムの底部裏面に突設した中空状取付体を嵌着して該ダイヤフラムを前記揺動体に連結し、更に、前記貫通孔に吸気弁体を設けると共に、前記ポンプ室と連通する出力孔に出力弁体を設けて、モータの駆動に伴う前記揺動体の揺動によって前記ダイヤフラムが上下動してポンプ動作を行う小型ポンプにおいて、
    前記ポンプ室は複数の出力系統に区分されていると共に出力系統ごとに前記出力孔が1つ設けられ、1つのモータ駆動系統から複数のポンプ出力が得られるように構成したことを特徴とする小型ポンプ。
  2. 上記ポンプ室は出力系統ごとにポンプ容量が異なることを特徴とする請求項1記載の小型ポンプ。
  3. 上記ポンプ室は出力系統ごとにポンプ容量が同一であることを特徴とする請求項1記載の小型ポンプ。
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