JP2009024268A - ゴム物品補強用コードおよび空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム物品補強用コードおよび空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】
タイヤに外傷が生じた場合であっても、ストランドのフィラメントの軸方向への腐食の伝播を阻止することにより、接着腐食劣化を効果的に抑制すると共に、破断強度の向上も併せて達成したゴム物品補強用コードを提供する。
【解決手段】
複数本のフィラメントからなるコアストランドの1本または複数本の周囲に、複数本のフィラメントからなるシースストランドを複数本配したコードにおいて、該コアストランドとシースストランドとの間にポリマーを介在させると共に、該シースストランドの最外層フィラメントの内側にポリマーを充填する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤや工業用ベルト等のゴム物品の補強材として使用するコードおよびこのコードを適用した空気入りタイヤに関し、特に、コードの接着腐食劣化を抑制すると共に、破断強度を向上させたゴム物品補強用コードおよび、それを用いて耐久性を向上させた空気入りタイヤに関する。
タイヤ、中でも建設車輌用のタイヤは、大きな負荷荷重の下に、突起物または岩石などの凹凸の激しい荒れ地を走行する機会が多いため、タイヤの補強に供するコードとしては、その負荷荷重および苛酷な環境に耐えられるように、高い破断強度が必要とされている。そのため、かようなコードの構造としては、複数本のフィラメントを撚り合わせたストランドをさらに複数本撚り合わせた、いわゆる複撚り構造とし、コードの断面積を大きくすることによって、破断強度を高めることが一般的である。ここで、破断強度とは、JIS G 3510およびJIS Z 2241に準拠した引張り試験において、コードが破断に至るまでの最大引張り荷重を意味する。
しかし、コードの断面積を大きくするには、コードを構成するフィラメントの使用本数を増やす必要があり、コード重量が増加することが問題になる。すなわち、重量が増加したコードをタイヤの補強に使用した場合、当然タイヤの重量も増加してしまうため、このタイヤを車輌に使用した際、燃費に悪影響を及ぼすことになる。
そこで、コードを構成するフィラメントを高強度化することによって、コード重量を増加させずにコードの破断強度を向上させている。例えば、コードを構成するフィラメントの成分組成を調整することや、フィラメントに伸線加工を施す際に、その加工率を制御するなどの方策が採られている。
しかし、複撚り構造のコードは、大きな衝撃を受けた際に、内部のフィラメントが、コードの破断荷重よりも低い荷重で先行的に破断する、いわゆる先行破断が起きることが問題になる。この先行破断は、締付け応力が集中するストランドのフィラメント同士が交差する接触点において、主に発生する現象である。すなわち、コードが大きな外力を受けた際、コードを構成するストランドがさらに撚り締まり、その結果、フィラメントは、撚り締まりに起因した締付け圧力を受ける。この締付け圧力は、フィラメント同士が交差する接触点に集中するため、フィラメントがその圧力に耐えられず先行して破断してしまうのである。
そこで、特許文献1では、コアストランドおよびシースストランドから成るコードにおいて、コアストランドの外周をポリマーで被覆することによって、コアストランドとシースストランドとの接触を回避し、先行破断を抑制する手段が提案されている。
国際公開第2002/044464号パンフレット
さらに、複撚り構造のコードにおいては、上記した先行破断と共にコードの接着腐食劣化を抑制することが必要となるが、上記した特許文献1では、この接着腐食劣化が十分に抑制されないという問題があった。
すなわち、複撚り構造のコードをゴム引き層としてタイヤに埋設して、加硫成形を施した場合、コード構造が複雑であるため、ストランド内部の隙間にまでゴムを浸透させることが難しく、ストランド内部にゴムが十分に浸透しないため、ストランドの内部は、ストランド軸方向に連続した隙間が残存することになる。
かような状態のタイヤを、上述したような非常に厳しい環境下にて使用し、このタイヤが、ストランド内部の隙間にまで達するような外傷を受けた場合、その外傷から浸入した水分がストランドの内部の隙間にまで達し、フィラメントに腐食が発生する。さらに、ストランドの隙間に浸入した水分は、ストランド軸方向に沿って伝播するため、ストランド軸方向に沿ってフィラメントの腐食が進行し、腐食域がストランド軸方向に向かって拡大する。その結果、ストランドとゴムとの接着が阻害されるため、コードはゴムから剥離することになる。この現象をコードの接着腐食劣化という。
かような問題を解決するものとして、例えば特許文献2が知られている。この特許文献2は、コードを構成する鋼素線の少なくとも1本の表面に潤滑油等の有機被覆処理を施し、さらに各素線間の空隙に吸水性ポリマーを存在させている。
特許第3117292号
しかしながら、上掲した特許文献2の技術を本発明で対象とする複撚り構造のコードに適用したとしても、コードの接着腐食劣化を十分に抑制することはできなかった。なぜなら、吸水したポリマーが高い水分率環境をコード内部で形成することになり、さらにはそのポリマーの吸水が飽和しながら、水分がコード方向に伝わり、結果としてコードには接着腐食劣化が生じてしまうからである。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、複撚り構造のコードを適用したタイヤに外傷が生じた場合であっても、少なくともシースストランドのフィラメントの軸方向への腐食の伝播を阻止することによって、効果的に接着腐食劣化を抑制すると共に、破断強度の向上も併せて達成したゴム物品補強用コードを提供することを目的とする。また、本発明は、上記のゴム物品補強用コードを適用することにより耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、複撚り構造のコードにおいて、コアストランドとシースストランドとの間にポリマーを介在させるだけでなく、シースストランドの内部にも、併せてポリマーを充填することが、コードの接着腐食劣化を抑制するのに極めて有効であることを見出した。しかも、かようなコードは、破断強度の向上にも寄与することが判明した。さらに、これらの効果は、コアストランドの内部にもポリマーを充填することによって、一層改善されることの知見を得た。本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次の通りである。
(1)複数本のフィラメントからなるコアストランドの1本または複数本の周囲に、複数本のフィラメントからなるシースストランドを複数本配したコードにおいて、該コアストランドとシースストランドとの間にポリマーを介在させると共に、該シースストランドの最外層フィラメントの内側にポリマーを充填したことを特徴とするゴム物品補強用コード。
(2)上記コアストランドの最外層フィラメントの内側にポリマーを充填したことを特徴とする上記(1)に記載のゴム物品補強用コード。
(3)上記ポリマーは、熱可塑性ポリマーであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のゴム物品補強用コード。
(4)上記熱可塑性ポリマーは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートのうちから選んだ少なくとも1種から成ることを特徴とする上記(3)に記載のゴム物品補強用コード。
(5)上記コアストランドおよびシースストランドのフィラメントの直径がそれぞれ、0.15〜0.40mmであることを特徴とする上記(1)ないし(4)に記載のゴム物品補強用コード。
(6)1対のビード部間でトロイド状に延びるカーカスを有し、このカーカスのタイヤ径方向外側に、少なくとも1層のベルトをそなえるタイヤであって、該カーカスおよびベルトのいずれか一方または両方に、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のゴム物品補強用コードを適用して成ることを特徴とする空気入りタイヤ。
本発明によれば、複撚り構造のコードにおいて、少なくともシースストランドの内部にポリマーを充填しているのでタイヤに外傷が生じた場合に懸念される、ストランド内部への浸入水に起因した腐食の伝播を効果的に抑制することができ、その結果、コードの接着腐食劣化を抑制することができる。また、本発明では、コアストランドとシースストランドとの間にポリマーを介在させることによって、撚り締まりに起因した締め付け圧力を緩和するだけなく、シースストランドの内部にポリマーを充填し、フィラメント同士が接触するために起こる応力集中の影響を分散しているので、より効果的に先行破断が抑制でき、その結果、コード破断強度の一層の向上を図ることができる。さらに、かようなコードを、空気入りタイヤの補強に適用することによって、空気入りタイヤの耐久性を向上させることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明に従う複撚り構造のコードについて、コード軸方向と直交する断面を図1に示す。
図1において、符号1はコアストランド、2はシースストランドであり、この例では、コアストランド1の周囲に6本のシースストランド2を撚り合わせてコード3を構成している。また、コアストランド1およびシースストランド2はいずれも3本のフィラメントからなるコア4の周囲に、第1シース5となる9本のフィラメントを撚り合わせ、さらにこの第1シース5の周囲に第2シース6となる14本のフィラメントを撚り合わせた構造となっている。
そして、7がコアストランド1とシースストランド2との間に介在させたポリマーであり、8がシースストランド2の内部に充填したポリマーである。
図示したように本発明では、コアストランド1とシースストランド2との間に、ポリマー7を介在させる。すなわち、コアストランド1およびシースストランド2との間にポリマー7を介在させることによって、最外層フィラメント(第2シース6のフィラメント)同士の接触が回避され、撚り締まりに起因した締め付け圧力が緩和される。その結果、フィラメントの先行破断が抑制される。
ここで、ポリマー7の厚みは、0.02〜0.5mmであることが好ましい。なぜなら、0.02mm未満では、各ストランドの最外層フィラメントとポリマーの接触点において、ポリマーを介在させたことによる締め付け圧力の緩和作用が得られにくくなるためであり、一方、0.5mmを超えるとコードの径が不必要に大きくなってしまうからである。
また、シースストランド2の最外層フィラメントの内側にポリマー8を充填することによって、タイヤに外傷が生じた場合であっても、シースストランド2の内部の隙間に浸入した水分の伝播を回避することできる。そのため、フィラメントが部分的に腐食することがあっても、ここに発生した腐食の進行が局所的に留まり、腐食域の拡大を阻止することができる。その結果、シースストランド2とゴムとの接着が阻害されないため、コードの接着腐食劣化を抑制することができる。
しかも、シースストランド2の内部にポリマーを充填することにより、シースストランド2のフィラメント同士の接触による応力集中が緩和されるので、シースストランド内でのフィラメントの先行破断がさらに抑制され、コードの破断強度が一層向上する。
さらに、本発明では図2に示すように、コアストランド1の内部にもポリマー9を充填することが好ましい。このように、コアストランド1の内部にポリマー9を充填することによって、コアストランド1のフィラメント同士の接触による応力集中が緩和され、撚り締まりに起因した締め付け圧力も緩和する。その結果、コアストランド内でのフィラメントの先行破断が抑制される。また、コアストランド1の内部にまで達するような大きな外傷が生じた場合であっても、コアストランド1の内部にポリマー9を充填したことによって、コアストランドの内部の隙間に浸入した水分の伝播を回避することできる。そのため、フィラメントに発生した腐食の進行が局所的に留まり、腐食域の拡大を阻止することができる。
この発明において、ポリマーとしては、熱可塑性ポリマーであることが好ましい。なぜなら、この熱可塑性ポリマーは、コアストランドとシースストランド間に介在させたり、ストランドの内部に充填した場合に、ストランドやフィラメントに及ぼす悪影響(例えば、フィラメント表面のメッキ腐食)が少ないからである
さらに、上記した熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリエステル(PES)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)、またはそれらの共重合体、ブレンド材料などが好ましい。
また、コアストランドおよびシースストランドのフィラメントとしては、その直径が0.15〜0.40mm程度のものを用いることが好ましい。というのは、フィラメントの直径が0.15mm未満では、コードの撚り締まりに起因したフィラメントの先行破断が起こり易くなり、一方、0.40mmを超えると、耐疲労性の面で劣り、タイヤの補強材として使用しにくいからである。
さらに、コアストランドおよびシースストランドのフィラメントとしては、引張り強さがそれぞれ2700〜4200MPa程度のものを用いる。というのは、引張り強さが2700MPa未満では、このフィラメントを用いてコードとした際、そのコードの破断強度自体が低いものとなってしまう。一方、4200MPaを超えるとコードの撚り締まりに起因したフィラメントの先行破断が起こりやすくなるからである。
なお、コード構造としては、図1および図2に示したものに限定されることはなく、複撚り構造のものであれば、いずれもが適合する。例えば、上述したコード1は、3層構造のストランドを採用しているが、2層あるいは4層以上の構造のストランドを採用しても良い。なお、図1および図2に示したコード3では、タイヤの補強に供するカーカス材やベルトトリート材を作製するまでの間、コードを必要長さにカットした際、ストランドの撚りがほぐれてコード形状が乱れるのを防止するためのラッピングフィラメント10をそなえているが、このラッピングフィラメント10を施さなくても本発明における効果は得られるのはいうまでもない。
これに対し、従来構造のコードでは、上記したような効果を得ることができなかった。すなわち、図3に示すようなコアストランド1とシースストランド2との間にポリマーを介在させていないコードでは、先行破断の抑制が回避されず、さらに、シースストランドの内部にポリマーが充填されていないため、腐食の伝播を防止することが難しく、コードの接着腐食劣化を抑制することができなかった。
また、図4に示すコードは、コアストランド1とシースストランド2との間にポリマーを介在させているため、先行破断はそれなりに抑制されているものの、シースストランド2の内部にポリマーが充填されていないため、やはり腐食の伝播を防止することが難しく、コードの接着腐食劣化を抑制することができなかった。
ちなみに、シースストランドの内部にポリマーを充填させずに、フィラメントの引張り強さを向上させることによって、コードの破断強度を向上させることも考えられる。しかし、フィラメントの引張り強さが向上することに伴い、延性が低下するため、フィラメントの先行破断が却って生じ易くなる。すなわち、コード内部における締付け応力が集中するフィラメント同士の接触点では、この締付け応力がせん断応力となってフィラメントを破断するに至るため、引張り強さの向上に伴う延性の低下が、逆に先行破断を生じ易くする。
さて、以上のコードは、その複数本を所定の間隔を置いて互いに並行に配列してゴムシートに埋設してなるプライを、タイヤのカーカスまたはベルトに適用するもので、タイヤの構造としては、在来の空気入りタイヤに適合できる。特に建設車輌に装着する空気入りタイヤが好適である。例えば、図15に示すタイヤ構造が有利に適合する。なお、同図において、符号11はビードコア、12はこのビードコア11にタイヤの内側から外側に巻き回したカーカス、13はこのカーカス12上に配置するベルトおよび14はカーカス12のクラウン部に配置するトレッドである。
そして、カーカス12およびベルト13に本発明のコードを適用することによって、接着腐食劣化および先行破断が抑制されるため、空気入りタイヤの耐久性が向上する。
なお、図1および図2にしたコード1と直交する断面において、シースストランド2の最外層フィラメント間の隙間には、ポリマーが充填されていないが、フィラメント間の接触を回避したり、腐食の伝播をさらに抑制するためには、図5に示すように、コード1を加硫ゴム15に埋設した際には、シースストランド2の最外層フィラメント間の隙間に加硫ゴム15が充填されている状態で使用することが好ましい。
表1−1〜表1−2に示す仕様の下に、図1〜図4および図9〜図14に示した複撚り構造のコードを作製した。そして、かようなコードを加硫ゴム15に埋設して、ゴム複合体を作製した。このゴム複合体の断面を図5〜図8に示す。
図1および図2に示した内部にポリマーを充填したストランドは、高温、高圧で溶融状態のポリマー内に、コードの中間製品(最外層フィラメントを撚り合わせる前の撚り製品)を通した後、この中間製品の周囲に最外層フィラメントを撚り合わせて作製した。
図1および図4に示すコアストランド1とシースストランド2との間に介在させたポリマー7は、コアストランド1の周囲に帯状のポリマーを巻き付けることによって形成した。
図2に示すコアストランド1とシースストランド2との間に介在させたポリマー7は、高温、高圧で溶融状態のポリマー内へ、コアストランド1を通すことによって、コアストランド1の周囲に付着させた。
そして、かようなコードをサイズ40.00R57の建設車輌用タイヤのカーカス層およびベルト層の補強材に適用し、上記タイヤから切り出したコードを用いて、破断力試験および接着腐食試験を行い、強力発揮率(%)、強力発揮率比較指数、接着腐食劣化の程度を調査した。その結果を表2に示す。ここで、破断力試験とは、JIS G 3510およびJIS Z 2241に準拠した引張り試験であり、この引張り試験において、コードが破断に至るまでの最大引張り荷重をコードの破断強度とした。また、フィラメントの破断強度も同様にして測定した。なお、発明例1および2は従来例1と、発明例3〜5は従来例3と、発明例6〜9は従来例5と比較した例である。
そして、コードおよびフィラメントの破断強度を次式(1)に代入して強力発揮率(%)を算出した。
強力発揮率(%)=コードの破断強度(N)/フィラメントの破断強度の総和(N)×100・・・(1)
また、比較対象の従来例コードの強力発揮率を指標として、次式(2)から各コードの強力発揮率比較指数を算出した。
強力発揮率比較指数=対象とする強力発揮率(%)/比較対象のコードの強力発揮率(%)×100・・・(2)
さらに、接着腐食試験を行って、接着腐食劣化の程度を接着剥離状況で判断した。接着剥離状況は、以下の手順によって調査した。まず、対象とするコードをベルト層に適用した40.00R57の建設車輌用タイヤを準備し、その一部をサンプル形状に切り出して、評価サンプルを作製した。次に、この評価サンプルの端部をカットし、コード露出面を塩水につけ放置する腐食試験を実施した。そして、腐食後のサンプルをJIS G 3510の末尾参考部分に記載のあるゴム接着試験方法(引抜きテスト)に準拠して接着破壊し、それぞれのコードにおける、コードとゴムとの間の接着剥離状況を比較調査した。なお、ゴム接着試験において、コードのゴム埋め込み長さは50mm、引抜速度は100mm/minとした。

Figure 2009024268

Figure 2009024268

Figure 2009024268
表2に示した通り、本発明に従う、コアストランドとシースストランドとの間にポリマーを介在させると共に、シースストランドの内部にポリマーを充填した発明例のコードは、かようなポリマーを使用することのない従来例1、3および5のコードに比べて強力発揮率(%)および強力発揮率比較指数が向上しており、接着剥離状況が改善されている。
また、さらにコアストランドの内部にポリマーを充填した発明例2および6〜9のコードは、発明例1および3〜5のコードに比べて一層、強力発揮率(%)および強力発揮率比較指数が向上している。この点、従来例2、4および6のコードは、従来例1、3および5のコードに比べると、強力発揮率(%)および破断強度比較指数は向上しているものの、接着剥離状況の面では、本発明のコードと比べると劣っている。
本発明に従うコードの軸方向と直交する断面を示す図である。 本発明に従うコードの軸方向と直交する断面を示す図である。 従来例に従うコードの軸方向と直交する断面を示す図である。 従来例に従うコードの軸方向と直交する断面を示す図である。 本発明に従うコードを適用したゴム複合体の断面を示す図である。 本発明に従うコードを適用したゴム複合体の断面を示す図である。 従来例のコードを適用したゴム複合体の断面を示す図である。 従来例のコードを適用したゴム複合体の断面を示す図である。 本発明に従うコードの軸方向と直交する断面を示す図である。 従来例に従うコードの軸方向と直交する断面を示す図である。 従来例に従うコードの軸方向と直交する断面を示す図である。 本発明に従うコードの軸方向と直交する断面を示す図である。 従来例に従うコードの軸方向と直交する断面を示す図である。 従来例に従うコードの軸方向と直交する断面を示す図である。 本発明のコードを適用するのに好適のタイヤ構造を示す断面図である。
符号の説明
1 コアストランド
2 シースストランド
3 コード
4 コア
5 第1シース
6 第2シース
7 ポリマー
8 ポリマー
9 ポリマー
10 ラッピングフィラメント
11 ビードコア
12 カーカス
13 ベルト
14 トレッド
15 加硫ゴム

Claims (6)

  1. 複数本のフィラメントからなるコアストランドの1本または複数本の周囲に、複数本のフィラメントからなるシースストランドを複数本配したコードにおいて、該コアストランドとシースストランドとの間にポリマーを介在させると共に、該シースストランドの最外層フィラメントの内側にポリマーを充填したことを特徴とするゴム物品補強用コード。
  2. 前記コアストランドの最外層フィラメントの内側にポリマーを充填したことを特徴とする請求項1に記載のゴム物品補強用コード。
  3. 前記ポリマーは、熱可塑性ポリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム物品補強用コード。
  4. 前記熱可塑性ポリマーは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートのうちから選んだ少なくとも1種から成ることを特徴とする請求項3に記載のゴム物品補強用コード。
  5. 前記コアストランドおよびシースストランドのフィラメントの直径がそれぞれ、0.15〜0.40mmであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のゴム物品補強用コード。
  6. 1対のビード部間でトロイド状に延びるカーカスを有し、このカーカスのタイヤ径方向外側に、少なくとも1層のベルトをそなえるタイヤであって、該カーカスおよびベルトのいずれか一方または両方に、請求項1ないし5のいずれかに記載のゴム物品補強用コードを適用して成ることを特徴とする空気入りタイヤ。
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